JP2010173947A5 - - Google Patents

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メークアップ化粧料において、様々な色を楽しむため、より発色が優れたものや華やかさを演出できるものが開発されている。華やかな印象や立体感、つや感を呈することができるため、パール粉体はメークアップ化粧料に多用されており、特にポイントメークにかかるパール粉体を含有させることで、干渉色によるきらきら感やつや感等の光学的効果を発揮する。このようなパール粉体は光輝性粉体とも言われ、板状粉体上に、回折格子を形成する微粒子の金属酸化物、特に、二酸化チタンが一定間隔を以て被覆されている構造を有し、反射光の回折現象によって真珠様光沢を呈するものが多い。その他には透明乃至は半透明板状粉体の積層構造により、層による回折現象により真珠様光沢を呈するものもある。パール光沢は、どの様な回折現象により真珠様光沢を呈するか、或いは、どの様な板状粉体を基体として、どの様な金属酸化物をどの程度被覆するかによって、その光沢特性が大きく左右される。かかるパール光沢粉体としては、二酸化チタン等の微粒子金属酸化物やチタン被覆金雲母等が挙げられ、干渉により光沢感を出し、華やかな印象を与えることが出来る。その他、一般的なパール粉体としては、二酸化チタン被覆雲母、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、タルクチタン、セリサイトチタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔、ポリエチレン・テレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末等の光輝性粉体等が化粧料に使用される。
この様なパール光沢粉体の光学効果を生かすためには、1)パール光沢粉体の配向が一定方向になるように含有させること、及び、2)回折格子における屈折率の差が減じられないように配合することの、2つの点が重要となってくる。往々にしてオイルゲル製剤においては、回折格子に於ける屈折率の差が、油性成分が介在することにより、損なわれやすい傾向にあり、パール光沢粉体、特に、板状粉体に微粒子金属酸化物が被覆されたタイプのパール光沢粉体の光学的効果を十分に生かせる状況ではない場合が多々存した。従って、オイルゲル化粧料に於いては、パール粉体の本来発揮すべき光学特性を十分発揮させる
技術が望まれていたといえる。
一方金雲母(フロゴパイト)は、3八面体雲母の一種であり、化学構造式はKMg 3 AlSi 3 10 (OH) 2 である。白雲母などに比してMgを含有する点で異なっており、これが光学効果を変化させる要因ともなっている。金雲母は、これ自体において輝度が白雲母に比して著しい。これに二酸化チタンの微粒子を被覆したチタン被覆金雲はチタンの被覆の程度により、干渉度合が異なり、パール色を出しながら様々な色となり、メーキャップ化粧料に配合されている。しかしながら、かかる金雲母においても、従前はオイルゲル系に於いてはそのパール光沢効果が減じると信じられていた。オイルゲルの特殊な系、即ち、1)粉体30乃至60質量%と、2)油性成分30乃至45質量%とを含有する化粧料において、チタン被覆金雲母を15乃至45質量%含有させることにより、該チタン被覆金雲母の光学効果を遺憾なく発揮できることは全く知られていなかった。
この様な実状に鑑みて、本発明者らは、パール粉体の光学的特徴を効果的に発揮するオイルゲル化粧料を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、1)粉体30乃至60質量%と、2)油性成分30乃至45質量%とを含有する化粧料において、表面処理されていてもよいチタン被覆金雲母を15乃至45質量%含有させたオイルゲル化粧料に、その様な特性を有していることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下に示すとおりである。
<1>1)粉体30乃至60質量%と、2)油性成分30乃至45質量%とを含有する化粧料であって、3)前記粉体中に、化粧料の総量に対して、表面処理されていてもよいチタン被覆金雲母を15乃至45質量%含有することを特徴とする、オイルゲル化粧料。
<2> 前記チタン被覆金雲母のチタン被覆率が10乃至18%であることを特徴とする、<1>に記載のオイルゲル化粧料。
<3>前記オイルゲル化粧料は、高融点ワックスを含まない、又は含む場合にはその量が0.1質量%未満であることを特徴とする、<1>又は<2>に記載のオイルゲル化粧料。
<1>本発明の粉体
本発明のオイルゲル化粧料は粉体を30乃至60質量%、より好ましくは、40質量%〜55質量%を含有することを特徴とし、前記粉体中に、化粧料の総量に対して、表面処理されていてもよいチタン被覆金雲母を15乃至45質量%含有することを特徴とする。かかる粉体は通常化粧料に使用される粉体であれば、特段制限はなく、必須の成分であるチタン被覆金雲母以外では、例えば、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母等の雲母、合成金雲母等の金雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化
アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類などが好適に例示でき、これらは表面処理されていても良い。該表面処理は、パーフルオロアルキル処理、ハイドロジェンメチルポリシロキサン焼き付け、ジメチポリシロキサン焼き付け処理、金属石鹸コーティング処理、アシル化アミノ酸塩コーティング処理等が好適に例示できる。表面処理されていてもよいチタン被覆金雲母としては、パーフルオロアルキル処理、ハイドロジェンメチルポリシロキサン焼き付け、ジメチポリシロキサン焼き付け処理、金属石鹸コーティング処理、アシル化アミノ酸塩コーティング処理等の表面処理をされていてもよいチタン被覆金雲母が好適に例示できる。かかるチタン被覆金雲母として、市販品を使用することが可能であり、プロミネンスシリーズ(トピー工業製)、ジェネスター400,410,420,430等ジェネスターシリーズ(日本光研工業製)等が好適に例示でき、屈折率が高く干渉作用が強くパール色がよりきれいに見えるため、特にジェネスターシリーズが好ましい。酸化チタンの被覆率は通常化粧料の原料として使用される範囲であれば制限はないが、10乃至40%が好ましく、中でも、10乃至18%のものを必須として含有する形態が好ましい。また、かかる酸化チタンの被覆率が10乃至18%のチタン被覆金雲母の含有量は、5質量%〜30質量%が好ましく、より好ましくは、15質量%〜25質量%である。尚、表面処理されていても良いチタン被覆金雲母の含有量の総量は、化粧料の総量に対して、15乃至45質量%が好ましく、20質量%〜35質量%が好ましい。これは下限以下では粉体のパール色十分発揮されず、上限以上では製剤の処方の自由度に制限が生じるためである。
本発明のオイルゲル化粧料は、これらの成分を常法に従って処理することにより得ることができる。本発明のオイルゲル化粧料は毛髪用、口唇用、顔面用、ボディ用等に用いることができ、特に限定はないが、好ましくは顔面用であり、スキンケア、メークアップ化粧料として使用でき、パール粉体としてチタン被覆金雲母の光学効果を発揮させることを考慮すると、メックアップ化粧料として用いることが好ましく、特にポイントメークである、アイカラー等に用いることが好ましい。剤形も特に限定されるものではないが、具体的には、ペースト、油性ジェリー、軟膏、パック、オイルゲルなどが好適に例示でき、オイルゲルが好ましい。
オイルゲル化粧料1のチタン被覆金雲母を5質量%とし、残りをチタンマイカに置換したものを比較例1とし、チタン被覆金雲母を全てチタンマイカに置換したものを比較例2とした。シリコーンKSG−16をカルナウバワックスに置換した比較例3も同様に作成した。また、シリコーンKSG−16の0.1質量%をミツロウに置換したものを実施例2、ジェネスター400(被覆率14%)をジェネスター430(被覆率35%)に置換
したものを実施例3とした
<試験例2>
シリコーンラバー上にドクターブレードで30ミルの厚さにサンプルの薄膜を引き、この薄膜に90度の方向から光を照射し、20度、75度のグロス値を測定しこの差を算出した。結果を表3に示す。これより、本発明の化粧料の化粧膜のグロス値には角度依存性が存し、パール粉体が一定方向に配向していることが判る。
<試験例3>
5人の女性に通常使用する時と同様に塗布具(チップ)を用いてサンプルを10回こすり採取し、上腕内測に塗布する動作を10回繰り返し行ってもらい、1回当たりの採取量の平均を測定し、結果を表4に示した。本発明の化粧料において、高融点ワックスを0.1質量%含有する実施例2において、採取量が少なく、高融点ワックスは0.1質量%未満とする方が、使用時の取れる量が多く、何回も採取する必要がないため、利便性が高いことが明らかとなった。

Claims (1)

  1. 前記オイルゲル化粧料は、高融点ワックスを含まない、又は含む場合にはその含有量が0.1質量%未満であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のオイルゲル化粧料。
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