JP2010172851A - アクリロニトリルの製造用触媒及びアクリロニトリルの製造方法 - Google Patents

アクリロニトリルの製造用触媒及びアクリロニトリルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プロピレンのアンモ酸化反応によるアクリロニトリルの製造に際して、過剰量のアンモニアが少ない条件下で、アクリロニトリルを高収率で生産することができる触媒を得ること。
【解決手段】プロピレンと、分子状酸素と、アンモニアとを反応させてアクリロニトリルを製造する際に用いる触媒であって、下記一般式(1)
MoaBibCecdegjmn・・・(1)
(式(1)中、Dは鉄又は鉄及びクロムを示し、Eはニッケル及びコバルトからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、Gはマグネシウム、亜鉛及びマンガンからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、Jはカリウム、ルビジウム及びセシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、Mはタングステン及びアンチモンからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、a、b、c、d、e、g、j及びmは、それぞれ各元素の原子比を示し、10.5≦(a+m)≦13.3、0.05≦b≦1、0.05≦c≦1、0.3≦d≦4、2≦e≦10、0≦g≦6、0.03≦j≦0.3、0≦m≦3であり、nは酸素以外の構成元素の原子価を満足する酸素原子の原子比を示す。)
で表される元素組成を有し、各元素の前記原子比から下記式(2)及び(3)により算出されるα及びβが、0.06≦α≦0.33、0.004≦β≦0.016を同時に満たす酸化物と、
α=1.5d/(e+g)・・・(2)
β=j/(1.5d+e+g)・・・(3)
前記酸化物を担持した担体と、
を有するアンモ酸化触媒。
【選択図】なし

Description

本発明は、プロピレンと、分子状酸素と、アンモニアとを反応させてアクリロニトリルを製造する際に用いるアンモ酸化触媒、及びこれを用いたアクリロニトリルの製造方法に関する。
プロピレンと、分子状酸素と、アンモニアとの反応である、いわゆるアンモ酸化反応によりアクリロニトリルを製造する方法はよく知られている。このアンモ酸化反応に用いられる触媒も多数提案されている。
アクリロニトリルを製造する際に用いられる触媒には、様々な元素が適用され、その例示される成分の数も多く、多元素系の複合酸化物触媒として成分の組合せや組成の改良が進められていることが過去の文献に示されている。特許文献1には、モリブデン、ビスマス、セリウム、鉄、亜鉛の他、Ni、Co、Mg、Ca、Sr、Ba、Cdから選ばれた1種以上の元素、及びNa、K、Rb、Cs、Tlから選ばれた1種以上の元素を必須成分として含有するアンモ酸化用触媒組成物が記載されている。
また、元素の種類や成分濃度の範囲を規定する他、それらの元素と他の元素との関係式を導き出している例もある。特許文献2、3及び4には、高いアクリロニトリル収率を得ることを課題として、モリブデン、ビスマス、鉄の他、セリウムを含み、そのビスマスとセリウムとの原子比率を、ある一定範囲に収めた触媒が開示されている。
特許文献1〜4には、近年開発されている触媒を用いた際に得られるアクリロニトリルの収率として高い値が示されている。ただし、開示例からも明らかなように、反応における副生成物は未だに存在し、目的生成物であるアクリロニトリルを製造する際に副生成物の回収や処理が伴うのも事実である。従来の技術に満足することなく、アクリロニトリルを製造する上で少しでも副生成物が少ない方法、つまりは高収率を達成できる方法及び触媒が求められている。
特許第3497558号公報 特許第3214975号公報 特許第3214984号公報 特許第3838705号公報
また、高収率の達成が求められる一方で、その高収率が初期の反応性能に限られ、触媒劣化により短期に収率低下を起こすものや、形状や強度に問題があるものは、実用プロセスで事実上利用できない。そのため、実用性、取扱性に優れた触媒であることも必要である。
アクリロニトリルを高収率で得るために、原料のプロピレンに対するアンモニアのモル比を高めて、目的生成物の収率を向上させることが知られている。原料のアンモニアは、原料のプロピレンのニトリル化に消費される他、酸化分解して窒素に変換されたり、反応で消費されずに未反応分として残存したりする。未反応のアンモニアが比較的多く残存する条件、即ちアンモニアを過剰に使用する条件を適用した場合、目的生成物の収率は高められるものの、未反応のアンモニアを処理するために多量の硫酸が必要になったり、硫酸処理により生じる硫酸アンモニウム塩の処理がさらに必要になったりする。そのため、未反応のアンモニアがあまり残らない条件、つまりは、過剰量のアンモニアが少ない条件においても、良好な収率を示す触媒が望ましいと本発明者は考察した。
即ち、本発明は、プロピレンのアンモ酸化反応によるアクリロニトリルの製造に際して、過剰量のアンモニアが少ない条件下で、アクリロニトリルを高収率で、且つ、長期安定的に生産することができる触媒を得ることを課題とする。
本発明者は上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、プロピレンを分子状酸素及びアンモニアと反応させてアクリロニトリルを製造する際に用いる触媒として、以下に示す触媒が、過剰量のアンモニアが少ない条件下であっても高いアクリロニトリルの反応収率を示し、取扱性の面でも優れた性能を示すことを見出した。
即ち、本発明は、以下のとおりである。
[1]
プロピレンと、分子状酸素と、アンモニアとを反応させてアクリロニトリルを製造する際に用いる触媒であって、下記一般式(1)
MoaBibCecdegjmn・・・(1)
(式(1)中、Dは鉄又は鉄及びクロムを示し、Eはニッケル及びコバルトからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、Gはマグネシウム、亜鉛及びマンガンからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、Jはカリウム、ルビジウム及びセシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、Mはタングステン及びアンチモンからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、a、b、c、d、e、g、j及びmは、それぞれ各元素の原子比を示し、10.5≦(a+m)≦13.3、0.05≦b≦1、0.05≦c≦1、0.3≦d≦4、2≦e≦10、0≦g≦6、0.03≦j≦0.3、0≦m≦3であり、nは酸素以外の構成元素の原子価を満足する酸素原子の原子比を示す。)
で表される元素組成を有し、各元素の前記原子比から下記式(2)及び(3)により算出されるα及びβが、0.06≦α≦0.33、0.004≦β≦0.016を同時に満たす酸化物と、
α=1.5d/(e+g)・・・(2)
β=j/(1.5d+e+g)・・・(3)
前記酸化物を担持した担体と、
を有するアンモ酸化触媒。
[2]
各元素の前記原子比から下記式(4)により算出されるγが、−1≦γ≦1.5を満たす、上記[1]記載のアンモ酸化触媒。
γ=(a+m)−1.5(b+c+d)+e+g・・・(4)
[3]
各元素の前記原子比から下記式(5)により算出されるδが、0.02≦δ≦0.08を満たす、上記[1]又は[2]記載のアンモ酸化触媒。
δ=1.5(b+c)/(1.5d+e+g)・・・(5)
[4]
前記担体がシリカを含有する、上記[1]〜[3]のいずれか記載のアンモ酸化触媒。
[5]
前記担体の含有量が、触媒全体に対して30〜70質量%である、上記[1]〜[4]のいずれか記載のアンモ酸化触媒。
[6]
上記[1]〜[5]のいずれか記載のアンモ酸化触媒を用い、プロピレンと、分子状酸素と、アンモニアとを反応させるアクリロニトリルの製造方法。
本発明のアンモ酸化触媒を用いれば、プロピレンのアンモ酸化反応によるアクリロニトリルの製造に際して、プロピレンに対して過剰量のアンモニアが少ない条件下で、アクリロニトリルを高収率で生産することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の本実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[アンモ酸化触媒]
本実施形態のアンモ酸化触媒は、下記一般式(1)で表される元素組成を有する酸化物を有する。
MoaBibCecdegjmn・・・(1)
式(1)中、Moはモリブデン、Biはビスマス、Ceはセリウム、Dは鉄又は鉄にクロムを加えた1種ないし2種の元素を示し、Eはニッケル及びコバルトからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、Gはマグネシウム、亜鉛及びマンガンからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、Jはカリウム、ルビジウム及びセシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、Mはタングステン及びアンチモンからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。a、b、c、d、e、g、j及びmは、それぞれ各元素の原子比を示し、10.5≦(a+m)≦13.3、0.05≦b≦1、0.05≦c≦1、0.3≦d≦4、2≦e≦10、0≦g≦6、0.03≦j≦0.3、0≦m≦3である。nは酸化物を構成する元素(構成元素)のうち、酸素以外の構成元素の原子価を満足する酸素原子の原子比を示す。
MoaBibCecdegjmnの金属組成を有する酸化物は、モリブデン、ビスマス、セリウム、鉄を必須元素とし、ニッケル及びコバルトからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素、並びに、カリウム、ルビジウム及びセシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を必須元素として、少なくとも6種の金属元素を含有し、任意成分としてクロム、マグネシウム、亜鉛、マンガン、アンチモン、タングステンを有する。各元素には、それぞれに触媒として機能する上での役割が備わっており、その元素の持つ働きを代替できる元素、代替できない元素、働きの補助的作用をもたらす元素等、その触媒の元素構成や組成によって適宜選択的に加えた方がよい元素及び組成比率が変化する。
例えば、セリウムはビスマスモリブデートというプロピレンをアンモ酸化させる酸化物の働きに作用し、その構造安定化に効果を示すと考えられている。鉄は鉄モリブデートとして、触媒に活性を与える作用を有する。さらに、鉄には、反応雰囲気下で分子状酸素を触媒の構造内に取り込み、反応で消費される触媒中の格子酸素を補い、触媒が過還元されて劣化するのを抑制するという働きもある。そこにクロムが存在すると、鉄の価数が3価の鉄モリブデートの構造安定性が増すと考えられている。一方、ニッケル、コバルトは2価の鉄モリブデートの働きを補うと考えられており、それに加えて、モリブデン、ビスマス、鉄等の、反応に主に寄与する成分の希釈効果、分散効果、構造安定化に効果があるとみられる。そして、カリウム、ルビジウム、セシウムは金属複合酸化物中に形成される酸点や反応基質の吸着点に作用して、分解活性を抑制する上で必要な成分となる。
上記必須元素に加え、マグネシウム、亜鉛、マンガンは、ニッケルやコバルトの役割をさらに強めたり弱めたり、安定化させたりする働きがあり、アンチモン、タングステンは遷移金属元素との化合物を形成し、モリブデンの働きを助ける働きをするがあると推定されており、必要に応じて使用されるべき元素として挙げられる。
一般式(1)中、a、b、c、d、e、g、j及びmは、それぞれ各元素の原子比を示し、10.5≦(a+m)≦13.3、0.05≦b≦1、0.05≦c≦1、0.3≦d≦4、2≦e≦10、0≦g≦6、0.03≦j≦0.3、0≦m≦3を満たす。原子比の好ましい範囲は、11.5≦(a+m)≦12.5、0.1≦b≦0.6、0.1≦c≦0.9、0.5≦d≦3、4≦e≦8、0≦g≦4、0.05≦j≦0.2、0≦m≦1.5である。各元素の原子比が上記範囲であると、プロピレンを吸着しアンモ酸化させる働きをもつビスマスモリブデートと、触媒中に酸素を供給する働きをもつ鉄モリブデートと、その鉄モリブデートの働きをサポートするクロム、ニッケル、コバルト、マグネシウム、亜鉛、マンガンのモリブデートの構成バランスが良好となる。さらにカリウム、ルビジウム、セシウム量による目的生成物の選択率や反応活性をコントロールし易くなる傾向にある。
本実施形態の触媒は、前述する一般式(1)における各元素の原子比を下記式(2)及び(3)に代入した場合に、0.06≦α≦0.33、0.004≦β≦0.016を同時に満たす。
α=1.5d/(e+g)・・・(2)
β=j/(1.5d+e+g)・・・(3)
前述のように、各元素には、それぞれに役割が備わっており、その元素の持つ働きを代替できる元素、代替できない元素、働きの補助的作用をもたらす元素等があると考えられる。それらの各元素の働きをバランス良く有する触媒が、目的生成物を高収率で、且つ、長期安定的に得ることを可能とする。式(2)及び(3)は、所期の性能を有する触媒を製造するべく、本発明者の触媒設計思想を数式化したもので、具体的には、以下のような思想に基づいている。
上記式(2)で表されるαは、触媒の酸化還元作用に影響する。反応によって触媒中の格子酸素が消費される一方で、気相中にある分子状酸素を触媒中に取込む効果が鉄モリブデートにあると考えられている。その働きは、3価の鉄を有する鉄モリブデートが2価の鉄を有する鉄モリブデートに還元されたり、逆に、2価の鉄を有する鉄モリブデートが3価の鉄を有する鉄モリブデートに酸化されたりすることにより、触媒の還元酸化を繰り返しつつ、触媒中の酸素を一定に保っていると本発明者は推定している。そして、3価の鉄を有する鉄モリブデートの構造安定化にクロムが効き、2価の鉄を有する鉄モリブデートの構造安定化及び働きを補助する効果にニッケル、コバルト、マグネシウム、亜鉛、マンガンが作用すると考えている。そのため、αの値は、酸化還元作用を調整する元素バランスを示すものであり、触媒性能に与える効果として重要な因子である。
鉄又は鉄及びクロム元素の原子比dに係数1.5を掛け合わせるのは、3価の鉄又は鉄及びクロムがモリブデン1モルに対して1.5モルの複合酸化物を形成すると考えられるからである。一方、ニッケル、コバルト、マグネシウム、亜鉛はモリブデン1モルに対して1モルの複合酸化物を形成するため、係数を1とする。鉄又は鉄及びクロムのモリブデートと、ニッケル、コバルト、マグネシウム、亜鉛、マンガンのモリブデートとの比率であるαが触媒性能の向上に効果を示す理由は、鉄又は鉄及びクロムのモリブデートが、構造変化を伴いながら反応性の高い格子酸素をつくる働きを持つのに対して、ニッケル、コバルト、マグネシウム、亜鉛のモリブデートは、反応雰囲気下で構造安定性が高く、2価の構造体型を保ち、鉄又は鉄及びクロムのモリブデートの還元酸化能を調整する作用や構造を安定化する作用が働くことにあると考えている。αが大きいと活性は上がるが、反応基質の酸化分解が進み、選択性が低下する。また、触媒の還元酸化を構造変化によって繰り返すことにより、触媒劣化が進行する可能性もある。一方、αが小さいと触媒の構造が安定化し、触媒劣化を起しにくくなることに加え、反応基質の分解活性が低くなり選択性が向上する傾向がある。但し、小さくなり過ぎると触媒の還元酸化能力が低下し、反応活性が低くなる傾向がある。そのため、鉄又は鉄及びクロムのモリブデートと、ニッケル、コバルト、マグネシウム、亜鉛、マンガンのモリブデートとの比率αを、触媒の性能を高めるための指標とすることができる。
βは触媒の活性制御及び反応選択率に影響する。カリウム、ルビジウム、セシウムは、その元素そのものとしては、殆ど触媒活性を有しない。但し、鉄、クロム、ニッケル、マグネシウム、亜鉛、マンガンの酸化物やモリブデンとの複合酸化物中に存在する場合は、酸化物又は複合酸化物中の酸点に作用し、反応基質の吸着性を制御し、活性や選択性に大きな影響を与える。具体的には、プロピレンの分解や目的生成物であるアクリロニトリルの二次分解を抑制する効果を発揮する。鉄、クロム、ニッケル、マグネシウム、亜鉛、マンガンは、モリブデンと複合酸化物を形成し、各元素のモリブデートとしての触媒作用を備える。各元素のモリブデートは、モリブデン原子比1モルに対する原子比で表すと、鉄又は鉄及びクロムの原子比dに対して1.5モル、ニッケル、コバルトの原子比eに対して1モル、マグネシウム、亜鉛の原子比gに対して1モルの複合酸化物を形成する。アルカリ金属は、その複合酸化物に対しての効果を示すため、鉄、クロム、ニッケル、マグネシウム、亜鉛、マンガンのモリブデートの総和に対するアルカリ金属の原子比の比率βが重要な指標となる。
αは0.06≦α≦0.33条件を満足し、好ましくは0.15≦α≦0.30の条件を満足する。一方、βは0.004≦β≦0.016の条件を満足し、好ましくは0.008≦β≦0.013の条件を満足する。αは触媒活性の観点で0.06以上であり、選択率の観点で0.33以下である。また、βは活性と選択率のバランスの観点で0.004≦β≦0.016に設定している。βが0.004未満であると、活性は高いが選択性が低くなり、0.16を超えると、活性が低くなる傾向がある。
本実施形態のアンモ酸化触媒は、触媒を構成する成分の各金属元素の原子比を下記式(4)に代入した場合に、γが−1≦γ≦1.5の関係を満足することが好ましい。
γ=(a+m)−1.5(b+c+d)+e+g・・・(4)
γは、酸化モリブデンとして、即ち、モリブデンの複合酸化物を形成しない分のモリブデンの原子比率を表し、触媒性能をさらに高める上で重要となる指標である。モリブデン元素との複合酸化物を形成しない金属元素の量を増やし過ぎず、分解活性を低く保つ観点で、γは−1以上であるのが好ましい。また目的生成物の反応選択性を高くする観点でも、γは−1以上であるのが好ましい。一方、酸化モリブデンの量が多すぎず、触媒形状を良好にする観点で、γは1.5以下であるのが好ましい。モリブデンの量が多すぎると、反応時に触媒粒子から酸化モリブデンが析出して流動性が悪化したりする等、取扱性上、問題が発生しやすくなる傾向がある。即ち、反応性と取扱性の両面を向上させるために、上記式(4)で計算されるγは、−1≦γ≦1.5の関係を満足することが好ましく、−0.5≦γ≦1の関係を満足することがより好ましい。これにより、耐磨耗強度、粒子形状等の取扱性が一層良好で、工業的実用性に優れた触媒になり、さらに長期に反応性能を安定に維持することが可能となる。
また、本実施形態のアンモ酸化触媒は、触媒を構成する成分の各金属元素の原子比を下記式(5)に代入した場合に算出されるδが、0.02≦δ≦0.08の条件を満足し、より好ましくは0.04≦δ≦0.07の条件を満足する。
δ=1.5(b+c)/(1.5d+e+g)・・・(5)
δはプロピレンの反応吸着サイトとしての役割を持つビスマスモリブデートと、その反応吸着サイトに酸素を送り込み酸化還元作用を促進する鉄、クロム、ニッケル、コバルト、マグネシウム、亜鉛、マンガンのモリブデートの比率を表す。触媒の反応活性の観点で、δは0.02以上であるのが好ましい。反応活性が低いと、ニトリル化の反応も進まなくなるため、アクリロニトリルの選択率が低下し、アクリロニトリルの収率が低くなる。また、副生成物量の観点で、δは0.08以下であるのが好ましい。δが0.08を超えると、δが低いときのように低活性にはならないものの、反応において副生成物の一酸化炭素や二酸化炭素が増える傾向にある。
本実施形態のアンモ酸化触媒は、上記酸化物と、その酸化物を担持する担体と、を有する担持型触媒である。担体としては、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、ジルコニア、チタニア等が挙げられるが、中でもシリカが好ましい。シリカは、アルミナ、シリカ−アルミナ、ジルコニア、チタニアに比べてそれ自体不活性であり、反応の目的生成物に対する活性触媒成分の選択性を減ずることなく、活性触媒成分である上記酸化物に対し良好なバインド作用を有する。担体におけるシリカの含有量は、担体の全質量に対して、好ましくは90〜100質量%である。ただし、担体は、その全部がシリカであることが特に好ましいが、そのことに限定されるものではなく、触媒の形状や耐磨耗性、圧縮強度を向上させる上でジルコニア、チタニア等の通常一般的に触媒の担体に用いられる成分を、シリカに対して数質量%用いることも可能である。
触媒中の担体の含有量は、触媒の全質量に対して30〜70質量%であることが好ましく、40〜60質量%であることがより好ましい。
担体の含有量がこの範囲であると、担体をより有効に用いることができる。担体の役割として触媒の強度を上げ、実用条件下において、耐破砕性を向上させることや耐磨耗性を上げることが挙げられる。耐破砕性や耐磨耗性といった強度の観点で、担体の含有量が30質量%以上であるのが好ましい。十分な強度を有する触媒は、流動床触媒として実用的に使用し易い。一方、担体の含有量が70質量%を超えると触媒の見掛比重が軽く、流動床触媒として実用的でなくなる傾向にある。特に、担体の全部がシリカである場合に、上述した効果は顕著となる。
触媒の見掛比重は0.85〜1.15g/ccの範囲にあることが好ましい。触媒の見掛比重が0.85g/cc未満であると、反応器に投入する触媒がかさ高くなり、反応器の容積が必要となってくる他、反応器から外部に飛散する触媒量が増えて触媒ロスが発生しやすくなる。また、触媒の見掛比重が1.15g/ccを超えると、触媒の流動状態が悪くなり、反応性能の低下に繋がるおそれがある。
本実施形態のアンモ酸化触媒は、細孔分布測定において細孔直径1〜200nmの細孔の占める全細孔容積を基準として、細孔直径8nm以下の細孔の占める細孔容積、即ち、積算容積が0.1%以上20%以下になることが好ましい。細孔直径8nm以下の細孔の占める細孔容積が20%を超えるということは、小さな細孔の割合が多いことを意味する。このような細孔分布では、反応場が増加して活性が向上するため反応に有利となり、さらに大きな細孔が多く存在する触媒に対して破砕強度も強くなるという利点もある。しかしながら、アクリロニトリルの収率が低下するというマイナスの影響もある。これらのバランスを考慮して、上述のとおり、細孔直径8nm以下の細孔の占める細孔容積が0.1%以上20%以下であることが好ましい。
本実施形態のアンモ酸化触媒の平均粒径は、30〜70μmであることが好ましく、より好ましくは40〜60μmである。なお、この触媒の粒径分布としては、粒子直径5〜200μmの触媒粒子の量が該触媒の全質量に対して90〜100質量%であることが好ましい。
[触媒の製造方法]
本実施形態のアンモ酸化触媒は、公知の方法、例えば、原料スラリーを調製する第1の工程、該原料スラリーを噴霧乾燥する第2の工程、及び第2の工程で得られた乾燥品を焼成する第3の工程を包含する方法によって得ることができる。
第1の工程では、触媒原料を調合して原料スラリーを得るが、モリブデン、ビスマス、セリウム、鉄、クロム、ニッケル、マグネシウム、亜鉛、マンガン、カリウム、ルビジウム、セシウム、アンチモン、タングステンの各元素の元素源としては、水又は硝酸に可溶なアンモニウム塩、硝酸塩、塩酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。特にモリブデン、タングステンの原料としてはアンモニウム塩が、ビスマス、セリウム、鉄、クロム、ニッケル、マグネシウム、亜鉛、マンガン、カリウム、ルビジウム、セシウムの各元素の元素源としては硝酸塩が、アンチモンの原料としては三酸化アンチモンが好ましい。
一方、担体の原料は通常用いられる担体の原料であれば特に限定されないが、担体がシリカである場合、シリカゾルを原料として用いることが好ましい。シリカゾルとしては、純度、不純物の違い、pH、粒径等、様々な種類を用いることができる。これらのうち、不純物としてアルミニウムを含むシリカゾルの場合、好ましくはケイ素100原子当たり0.04原子以下のアルミニウム、より好ましくはケイ素100原子当たり0.02原子以下のアルミニウムを含むシリカゾルを用いる。シリカのpHについては、原料スラリーの粘性に影響するため、用いる金属塩の量、pHによって適宜選択すればよい。また、シリカ粒径についても比表面積、細孔容積、細孔分布等に影響を与えるほか、触媒の破砕強度、圧縮強度、耐磨耗性等の実用性にも影響を与えるため、触媒成分、組成、調製法による違いによって適宜選択すればよい。
例えば、細孔直径1〜200nmを有する細孔の占める全細孔容積を基準として、細孔直径8nm以下の細孔容積が0.1%以上20%以下である触媒を得るために、シリカゾルにおけるシリカの一次粒子径の大きさを選定する方法が挙げられる。シリカの一次粒子径が比較的小さいと、細孔直径8nm以下を有する細孔の細孔容積は20%を超えやすく、また、シリカの一次粒子径が大き過ぎると、触媒の物理的強度が低下し易い。シリカの一次粒子径が、シリカ一次粒子の平均粒子直径として20〜100nmであるシリカゾルと20nm以下であるシリカゾルとを混ぜ合わせて使用すると、上述のような細孔分布を有する触媒を得ることができる。
原料スラリーの調合方法としては、例えば、下記のとおりである。まず、水に溶解させたモリブデン、タングステンのアンモニウム塩をシリカゾルに添加する。次に、ビスマス、セリウム、鉄、クロム、ニッケル、マグネシウム、亜鉛、マンガン、カリウム、ルビジウム、セシウム等の各元素の元素源の硝酸塩を水又は硝酸水溶液に溶解させた溶液をそこに加える。また、アンチモンはクエン酸、蓚酸、酒石酸及び過酸化水素等の水溶性キレート剤を使って溶解した液を用いて、適宜上記溶液を加える前又は加えた後にシリカゾルに投入することができる。このようにして原料スラリーが得られる。
なお、上述の原料スラリーの調合方法に対して、各元素源の添加の手順を変えたり、硝酸濃度の調整やアンモニア水をスラリー(シリカゾル)中に添加してスラリーのpHや粘度を改質させたりすることができる。また、ポリエチレングリコール、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド等の水溶性ポリマーやアミン類、アミノカルボン酸類、しゅう酸、マロン酸、コハク酸等の多価カルボン酸、グリコール酸、りんご酸、酒石酸、クエン酸等の有機酸を適宜添加することもできる。
次に、第2の工程では、上記の第1の工程で得られた原料スラリーを噴霧乾燥して触媒前駆体である球状の粒子を得る。原料スラリーの噴霧化は、通常工業的に実施される遠心方式、二流体ノズル方式及び高圧ノズル方式等の方法によって行うことができるが、特に遠心方式で行うことが好ましい。噴霧乾燥の熱源としては、スチーム、電気ヒーター等が挙げられ、この熱源によって加熱された空気を用いた乾燥機入口の温度は、好ましくは100〜400℃、より好ましくは150〜300℃である。
第3の工程では、第2の工程で得られた乾燥粒子を焼成することで所望の触媒組成物を得る。この第3の工程では、必要に応じて、例えば、150〜500℃で乾燥粒子の前焼成を行い、その後、好ましくは500〜730℃、より好ましくは550〜730℃の温度範囲で1〜20時間本焼成を行う。焼成は回転炉、トンネル炉、マッフル炉等の焼成炉を用いて行うことができる。
[アクリロニトリルの製造方法]
本実施形態の触媒を用いるプロピレンと、分子状酸素と、アンモニアとの反応によるアクリロニトリルの製造方法は、通常用いられる流動層反応器内で行われる。原料のプロピレン及びアンモニアは、必ずしも高純度である必要はなく、工業グレードのものを使用することができる。また、分子状酸素源としては、通常空気を用いるのが好ましいが、酸素を空気と混合する等して酸素濃度を高めたガスを用いることもできる。
分子状酸素源が空気である場合の原料ガスの組成について、プロピレンに対するアンモニア及び空気のモル比は、プロピレン/アンモニア/空気の比で、好ましくは1/(0.8〜1.4)/(7〜12)、より好ましくは1/0.9〜1.3/8〜11の範囲である。
反応温度は、好ましくは350〜550℃、より好ましくは400〜500℃の範囲である。反応圧力は、好ましくは微減圧〜0.3MPaの範囲である。原料ガスと触媒との接触時間は、好ましくは0.5〜20(sec・g/cc)、より好ましくは1〜10(sec・g/cc)である。
以下に実施例を挙げて本実施形態をより具体的に説明するが、本実施形態はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。また、各種物性の評価方法は下記に示すとおりである。
(触媒の反応性能評価)
反応装置は外径23mmのパイレックス(登録商標)ガラス製流動層反応管を用いた。反応温度Tは430℃、反応圧力Pは0.15MPa、充填触媒量Wは40〜60g、全供給ガス量Fは250〜450cc/sec(NTP換算)条件とした。また、供給した原料ガスの組成は、プロピレン/アンモニア/空気のモル比を1/(0.7〜1.4)/(8.0〜13.5)とし、反応ガス中の未反応アンモニア濃度が0.5%前後、未反応酸素濃度が0.2%以下になるよう供給ガス組成を上記範囲内で適宜変更して反応を実施した。原料ガスの組成は表2、4に示す。原料供給開始より24時間後の反応ガスをガスクロマトグラフィーで分析し触媒の反応性能を求めた。なお、実施例及び比較例において、接触時間及び反応成績を表すために用いた転化率、選択率、収率は、下記式で定義される。
接触時間(sec・g/cc)=(W/F)×273/(273+T)×P/0.10
プロピレンの転化率(%)=M/L×100
アクリロニトリルの選択率(%)=N/M×100
アクリロニトリルの収率(%)=N/L×100
ここで、Lは供給したプロピレンのモル数、Mは反応したプロピレンのモル数、Nは生成したアクリロニトリルのモル数を表す。なお、供給したプロピレンのモル数から反応ガス中のプロピレンのモル数を差し引いたモル数を、反応したプロピレンのモル数とした。
(触媒の細孔分布測定)
ユアサ・アイオニクス社製のオートソーブ3MP装置を用い、窒素ガス吸着により触媒の細孔分布を測定した。なお、細孔径及び細孔分布はBJH法による脱着データを用い、細孔容積はP/P0,Maxでの吸着量を採用した。
(触媒の粒子径測定)
堀場製作所製のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−300を用いて触媒の粒子径を測定した。
(形状観察)
日立製作所製X−650型走査型電子顕微鏡を用いて触媒の形状を観察した。
(耐磨耗性強度測定)
“Test Method for Synthetic Fluid Cracking Catalyst”(American Cyanamid Co.Ltd.6/31−4m−1/57)に記載の方法(以下「ACC法」と称する。)に準じて、摩耗損失として触媒の耐摩耗性強度(アトリッション強度)の測定を行った。
アトリッション強度は摩擦損失で評価され、この摩耗損失は以下のように定義される。
摩耗損失(%)=R/(S−Q)×100
上記式において、Qは0〜5時間の間に外部に摩耗飛散した触媒の質量(g)、Rは通常5〜20時間の間に外部に摩耗飛散した触媒の質量(g)である。Sは試験に供した触媒の質量(g)である。この摩耗損失の値が3%以下である場合に、工業使用に適用できると判断した。
(見掛比重測定)
ホソカワミクロンKK製パウダーテスターを用い、100ccの計量カップ容器に漏斗を通して篩った触媒を落下させ、容器が一杯になったところで、振動を与えないように表面をすり切り計量し、質量/容量(g/cc)の計算により求めた。
[実施例1]
金属組成(仕込み比。以下同様。)がMo12.4Bi0.32Ce0.08Fe1.52Ni6.51Mg2.62Rb0.13(α=0.25、β=0.011、γ=0.39、δ=0.053)で表される金属酸化物を、触媒全体に対して43質量%のシリカ担体に担持した触媒を下記のようにして調製した。
シリカ一次粒子の平均粒子直径が12nmのSiO2を30質量%含む水性シリカゾル716.7gと、シリカ一次粒子の平均粒子直径が41nmのSiO2を40.6質量%含む水性シリカゾル529.6gとを混合して第1の混合液を得た。次に、水863.5gに483.7gのパラモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を溶解させた液を上記第1の混合液に加え第2の混合液を得た。次いで、16.6質量%濃度の硝酸403.5gに34.6gの硝酸ビスマス〔Bi(NO33・5H2O〕、7.63gの硝酸セリウム〔Ce(NO33・6H2O〕、137.07gの硝酸鉄〔Fe(NO33・9H2O〕、423.9gの硝酸ニッケル〔Ni(NO32・6H2O〕、148.8gの硝酸マグネシウム〔Mg(NO32・6H2O〕、4.21gの硝酸ルビジウム〔RbNO3〕を溶解させて得られた液を、上記第2の混合液に加えて水性原料混合物(原料スラリー)を得た(第1の工程)。次に、乾燥器上部中央に設置された皿型回転子を備えた噴霧装置を用い、入口温度約250℃、出口温度約140℃の条件で上記水性原料混合物の噴霧乾燥を行った(第2の工程)。次いで、乾燥した触媒前駆体に電気炉を用いて、空気雰囲気下、320℃で2時間の前焼成を施した後、空気雰囲気下、610℃で2時間の本焼成を施して(第3の工程)、最終的に821gの触媒を得た。
得られた触媒の形状は中実球であり、平均粒径は59μm、見掛比重は0.95g/ccという結果が得られた。次に、この触媒50gを用いて、接触時間Θ=3.4(sec・g/cc)でプロピレンのアンモ酸化反応を行った。反応開始から24時間後のプロピレンの転化率は99.2%となり、アクリロニトリル(表2、4中、「AN」と表記。)選択率は86.6%、アクリロニトリル収率は86.0%となった。
また、上記触媒50gについてACC法に準じて耐摩耗性強度を測定したところ、摩耗損失(%)は0.9%であった。
触媒組成(金属組成,シリカ(SiO2)担体量,α、β、γ、δの値)と焼成温度を表1に、反応結果及び物性測定結果を表2に示す。
[実施例2]
金属組成がMo12.4Bi0.13Ce0.2Fe1.26Ni6.86Mg2.74Rb0.13(α=0.2、β=0.011、γ=0.41、δ=0.043)で表される金属酸化物を、触媒全体に対して43質量%のシリカ担体に担持した触媒を下記のようにして調製した。
シリカ一次粒子の平均粒子直径が12nmのSiO2を30質量%含む水性シリカゾル716.7gと、シリカ一次粒子の平均粒子直径が41nmのSiO2を40.6質量%含む水性シリカゾル529.6gとを混合して第1の混合液を得た。次に、水868.3gに486.4gのパラモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を溶解させた液を上記第1の混合液に加え第2の混合液を得た。次いで、16.6質量%濃度の硝酸404.5gに14.14gの硝酸ビスマス〔Bi(NO33・5H2O〕、19.18gの硝酸セリウム〔Ce(NO33・6H2O〕、114.3gの硝酸鉄〔Fe(NO33・9H2O〕、449.1gの硝酸ニッケル〔Ni(NO32・6H2O〕、156.5gの硝酸マグネシウム〔Mg(NO32・6H2O〕、4.24gの硝酸ルビジウム〔RbNO3〕を溶解させて得られた液を、上記第2の混合液に加えて水性原料混合物(原料スラリー)を得た(第1の工程)。次に、乾燥器上部中央に設置された皿型回転子を備えた噴霧装置を用い、入口温度約250℃、出口温度約140℃の条件で上記水性原料混合物の噴霧乾燥を行った(第2の工程)。次いで、乾燥した触媒前駆体に電気炉を用いて、空気雰囲気下、320℃で2時間の前焼成を施した後、空気雰囲気下、640℃で2時間の本焼成を施して(第3の工程)、最終的に811gの触媒を得た。
得られた触媒の形状は中実球であり、平均粒径は51μm、見掛比重は1.00g/ccという結果が得られた。次に、この触媒50gを用いて、接触時間Θ=4.2sec・g/cc)でプロピレンのアンモ酸化反応を行った。反応開始から24時間後のプロピレンの転化率は99.3%となり、アクリロニトリル選択率は86.3%、アクリロニトリル収率は85.7%となった。
また、上記触媒50gについてACC法に準じて耐摩耗性強度を測定したところ、摩耗損失(%)は1.0%であった。
触媒組成と焼成温度を表1に、反応結果及び物性測定結果を表2に示す。
[実施例3]
金属組成がMo12Bi0.28Ce0.19Fe1.8Ni6.2Mg2.5Cs0.08(α=0.31、β=0.007、γ=−0.11、δ=0.062)で表される金属酸化物を、触媒全体に対して40質量%のシリカ担体に担持した触媒を下記のようにして調製した。
シリカ一次粒子の平均粒子直径が12nmのSiO2を30質量%含む水性シリカゾル666.7gとシリカ一次粒子の平均粒子直径が41nmのSiO2を40.6質量%含む水性シリカゾル492.6gとを混合して第1の混合液を得た。次に、水1007gに503.5gのパラモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を溶解させた液を上記第1の混合液に加え第2の混合液を得た。次いで、16.6質量%濃度の硝酸417.9gに32.6gの硝酸ビスマス〔Bi(NO33・5H2O〕、19.5gの硝酸セリウム〔Ce(NO33・6H2O〕、174.6gの硝酸鉄〔Fe(NO33・9H2O〕、434.2gの硝酸ニッケル〔Ni(NO32・6H2O〕、154.3gの硝酸マグネシウム〔Mg(NO32・6H2O〕、3.72gの硝酸セシウム〔CsNO3〕を溶解させて得られた液を、上記第2の混合液に加えて水性原料混合物(原料スラリー)を得た(第1の工程)。次に、乾燥器上部中央に設置された皿型回転子を備えた噴霧装置を用い、入口温度約250℃、出口温度約140℃の条件で上記水性原料混合物の噴霧乾燥を行った(第2の工程)。次いで、乾燥した触媒前駆体に電気炉を用いて、空気雰囲気下、320℃で2時間の前焼成を施した後、空気雰囲気下、590℃で2時間の本焼成を施して(第3の工程)、最終的に814gの触媒を得た。
得られた触媒の一部を取り出し細孔分布を測定したところ、細孔直径1〜200nmの細孔の占める細孔容積が0.215cc、細孔直径8nm以下の細孔の占める細孔容積が0.009cc/gとなり、全細孔容積に対する細孔直径80nm以下の細孔の積算容積(細孔率)は4.2%となった。また、触媒の形状は中実球であり、平均粒径は66μm、見掛比重は1.01g/ccという結果が得られた。次に、この触媒50gを用いて、接触時間Θ=4.1(sec・g/cc)でプロピレンのアンモ酸化反応を行った。反応開始から24時間後のプロピレンの転化率は99.0%となり、アクリロニトリル選択率は85.4%、アクリロニトリル収率は84.5%となった。
また、上記触媒50gについてACC法に準じて耐摩耗性強度を測定したところ、摩耗損失(%)は1.5%であった。
触媒組成と焼成温度を表1に、反応結果及び物性測定結果を表2に示す。
[実施例4]
金属組成がMo12Bi0.22Ce0.15Fe1.1Ni7.0Mg2.8Rb0.15(α=0.17、β=0.013、γ=0、δ=0.048)で表される金属酸化物を、触媒全体に対して50質量%のシリカ担体に担持した触媒を下記のようにして調製した。
シリカ一次粒子の平均粒子直径が12nmのSiO2を30質量%含む水性シリカゾル833.3gと、シリカ一次粒子の平均粒子直径が41nmのSiO2を40.6質量%含む水性シリカゾル615.8gとを混合して第1の混合液を得た。次に、水840gに419.9gのパラモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を溶解させた液を上記第1の混合液に加え第2の混合液を得た。次いで、16.6質量%濃度の硝酸411.5gに21.3gの硝酸ビスマス〔Bi(NO33・5H2O〕、12.8gの硝酸セリウム〔Ce(NO33・6H2O〕、89gの硝酸鉄〔Fe(NO33・9H2O〕、408.8gの硝酸ニッケル〔Ni(NO32・6H2O〕、144.1gの硝酸マグネシウム〔Mg(NO32・6H2O〕、4.36gの硝酸ルビジウム〔RbNO3〕を溶解させて得られた液を、上記第2の混合液に加えて水性原料混合物(原料スラリー)を得た(第1の工程)。次に、乾燥器上部中央に設置された皿型回転子を備えた噴霧装置を用い、入口温度約250℃、出口温度約140℃の条件で上記水性原料混合物の噴霧乾燥を行った(第2の工程)。次いで、乾燥した触媒前駆体に電気炉を用いて、空気雰囲気下、320℃で2時間の前焼成を施した後、空気雰囲気下、675℃で2時間の本焼成を施して(第3の工程)、最終的に802gの触媒を得た。
得られた触媒の一部を取り出し細孔分布を測定したところ、細孔直径1〜200nmの細孔の占める細孔容積が0.211cc、細孔直径8nm以下の細孔の占める細孔容積が0.002cc/gとなり、全細孔容積に対する細孔直径80nm以下の細孔の積算容積(細孔率)は0.9%となった。また、触媒の形状は中実球であり、平均粒径は65μm、見掛比重は0.99g/ccという結果が得られた。次に、この触媒50gを用いて、接触時間Θ=4.7(sec・g/cc)でプロピレンのアンモ酸化反応を行った。反応開始から24時間後のプロピレンの転化率は99.3%となり、アクリロニトリル選択率は86.6%、アクリロニトリル収率は86.0%となった。
また、上記触媒50gについてACC法に準じて耐摩耗性強度を測定したところ、摩耗損失(%)は0.8%であった。
触媒組成と焼成温度を表1に、反応結果及び物性測定結果を表2に示す。
[実施例5]
金属組成がMo12.2Bi0.22Ce0.14Fe1.45Ni6.63Mg2.650.18(α=0.23、β=0.016、γ=0.21、δ=0.047)で表される金属酸化物を、触媒全体に対して40質量%のシリカ担体に担持した触媒を下記のようにして調製した。
シリカ一次粒子の平均粒子直径が12nmのSiO2を30質量%含む水性シリカゾル666.7gと、シリカ一次粒子の平均粒子直径が41nmのSiO2を40.6質量%含む水性シリカゾル492.6gとを混合して第1の混合液を得た。次に、水1018gに509.1gのパラモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を溶解させた液を上記第1の混合液に加え第2の混合液を得た。次いで、16.6質量%濃度の硝酸418.6gに25.5gの硝酸ビスマス〔Bi(NO33・5H2O〕、14.3gの硝酸セリウム〔Ce(NO33・6H2O〕、139.9gの硝酸鉄〔Fe(NO33・9H2O〕、461.7gの硝酸ニッケル〔Ni(NO32・6H2O〕、162.7gの硝酸マグネシウム〔Mg(NO32・6H2O〕、4.29gの硝酸カリウム〔KNO3〕を溶解させて得られた液を、上記第2の混合液に加えて水性原料混合物(原料スラリー)を得た(第1の工程)。次に、乾燥器上部中央に設置された皿型回転子を備えた噴霧装置を用い、入口温度約250℃、出口温度約140℃の条件で上記水性原料混合物の噴霧乾燥を行った(第2の工程)。次いで、乾燥した触媒前駆体に電気炉を用いて、空気雰囲気下、320℃で2時間の前焼成を施した後、空気雰囲気下、610℃で2時間の本焼成を施して(第3の工程)、最終的に819gの触媒を得た。
得られた触媒の一部を取り出し細孔分布を測定したところ、細孔直径1〜200nmの細孔の細孔容積が0.203cc、細孔直径8nm以下の細孔の占める細孔容積が0.005cc/gとなり、全細孔容積に対する細孔直径80nm以下の細孔の積算容積(細孔率)は2.5%となった。また、触媒の形状は中実球であり、平均粒径は57μm、見掛比重は1.04g/ccという結果が得られた。次に、この触媒50gを用いて、接触時間Θ=3.3(sec・g/cc)でプロピレンのアンモ酸化反応を行った。反応開始から24時間後のプロピレンの転化率は99.1%となり、アクリロニトリル選択率は86.7%、アクリロニトリル収率は85.9%となった。
また、上記触媒50gについてACC法に準じて耐摩耗性強度を測定したところ、摩耗損失(%)は0.8%であった。
触媒組成と焼成温度を表1に、反応結果及び物性測定結果を表2に示す。
[実施例6]
金属組成がMo12.4Bi0.24Ce0.16Fe1.52Ni6.5Mg2.6Rb0.15(α=0.25、β=0.013、γ=0.42、δ=0.053)で表される金属酸化物を、触媒全体に対して40質量%のシリカ担体に担持した触媒を下記のようにして調製した。
シリカ一次粒子の平均粒子直径が12nmのSiO2を30質量%含む水性シリカゾル666.7gと、シリカ一次粒子の平均粒子直径が41nmのSiO2を40.6質量%含む水性シリカゾル492.6gとを混合して第1の混合液を得た。次に、水1020gに510.2gのパラモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を溶解させた液を上記第1の混合液に加え第2の混合液を得た。次いで、16.6質量%濃度の硝酸417.7gに27.4gの硝酸ビスマス〔Bi(NO33・5H2O〕、16.1gの硝酸セリウム〔Ce(NO33・6H2O〕、144.6gの硝酸鉄〔Fe(NO33・9H2O〕、446.4gの硝酸ニッケル〔Ni(NO32・6H2O〕、157.4gの硝酸マグネシウム〔Mg(NO32・6H2O〕、5.13gの硝酸ルビジウム〔RbNO3〕を溶解させて得られた液を、上記第2の混合液に加えて水性原料混合物(原料スラリー)を得た(第1の工程)。次に、乾燥器上部中央に設置された皿型回転子を備えた噴霧装置を用い、入口温度約250℃、出口温度約140℃の条件で上記水性原料混合物の噴霧乾燥を行った(第2の工程)。次いで、乾燥した触媒前駆体に電気炉を用いて、空気雰囲気下、320℃で2時間の前焼成を施した後、空気雰囲気下、590℃で2時間の本焼成を施して(第3の工程)、最終的に821gの触媒を得た。
得られた触媒の一部を取り出し細孔分布を測定したところ、細孔直径1〜200nmの細孔の占める細孔容積が0.220cc、細孔直径8nm以下の細孔の占める細孔容積が0.006cc/gとなり、全細孔容積に対する細孔直径80nm以下の細孔の積算容積(細孔率)は2.7%となった。また、触媒の形状は中実球であり、平均粒径は60μm、見掛比重は1.00g/ccという結果が得られた。次に、この触媒50gを用いて、接触時間Θ=4.5(sec・g/cc)でプロピレンのアンモ酸化反応を行った。反応開始から24時間後のプロピレンの転化率は99.4%となり、アクリロニトリル選択率は86.5%、アクリロニトリル収率は86.0%となった。さらに、このままの条件で反応を継続し、反応開始から1200時間後の反応ガスの分析を実施したところ、プロピレンの転化率は99.6%となり、アクリロニトリル選択率は86.0%、アクリロニトリル収率は85.7%となり、24時間後の性能とほとんど変化がないことを確認できた。
また、上記触媒50gについてACC法に準じて耐摩耗性強度を測定したところ、摩耗損失(%)は0.8%であった。
触媒組成と焼成温度を表1に、反応結果及び物性測定結果を表2に示す。
[実施例7]
金属組成がMo12.3Bi0.2Ce0.08Fe0.7Ni7.75Mg2.6Rb0.08(α=0.10、β=0.007、γ=0.48、δ=0.037)で表される金属酸化物を、触媒全体に対して40質量%のシリカ担体に担持した触媒を下記のようにして調製した。
シリカ一次粒子の平均粒子直径が12nmのSiO2を30質量%含む水性シリカゾル666.7gと、シリカ一次粒子の平均粒子直径が41nmのSiO2を40.6質量%含む水性シリカゾル492.6gとを混合して第1の混合液を得た。次に、水1018gに509.1gのパラモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を溶解させた液を上記第1の混合液に加え第2の混合液を得た。次いで、16.6質量%濃度の硝酸417gに23.0gの硝酸ビスマス〔Bi(NO33・5H2O〕、8.10gの硝酸セリウム〔Ce(NO33・6H2O〕、67gの硝酸鉄〔Fe(NO33・9H2O〕、535.4gの硝酸ニッケル〔Ni(NO32・6H2O〕、158.3gの硝酸マグネシウム〔Mg(NO32・6H2O〕、2.75gの硝酸ルビジウム〔RbNO3〕を溶解させて得られた液を、上記第2の混合液に加えて水性原料混合物(原料スラリー)を得た(第1の工程)。次に、乾燥器上部中央に設置された皿型回転子を備えた噴霧装置を用い、入口温度約250℃、出口温度約140℃の条件で上記水性原料混合物の噴霧乾燥を行った(第2の工程)。次いで、乾燥した触媒前駆体に電気炉を用いて、空気雰囲気下、320℃で2時間の前焼成を施した後、空気雰囲気下、580℃で2時間の本焼成を施して(第3の工程)、最終的に798gの触媒を得た。
得られた触媒の一部を取り出し細孔分布を測定したところ、細孔直径1〜200nmの細孔の占める細孔容積が0.224cc、細孔直径8nm以下の細孔の占める細孔容積が0.005cc/gとなり、全細孔容積に対する細孔直径80nm以下の細孔の積算容積(細孔率)は2.2%となった。また、触媒の形状は中実球であり、平均粒径は55μm、見掛比重は0.96g/ccという結果が得られた。次に、この触媒50gを用いて、接触時間Θ=5(sec・g/cc)でプロピレンのアンモ酸化反応を行った。反応開始から24時間後のプロピレンの転化率は99.5%となり、アクリロニトリル選択率は85.3%、アクリロニトリル収率は84.9%となった。
また、上記触媒50gについてACC法に準じて耐摩耗性強度を測定したところ、摩耗損失(%)は1.1%であった。
触媒組成と焼成温度を表1に、反応結果及び物性測定結果を表2に示す。
[実施例8]
金属組成がMo12.0Bi0.45Ce0.9Fe1.5Ni5Mg2Rb0.12(α=0.32、β=0.013、γ=0.73、δ=0.219)で表される金属酸化物を、触媒全体に対して40質量%のシリカ担体に担持した触媒を下記のようにして調製した。
シリカ一次粒子の平均粒子直径が12nmのSiO2を30質量%含む水性シリカゾル666.7gと、シリカ一次粒子の平均粒子直径が41nmのSiO2を40.6質量%含む水性シリカゾル492.6gとを混合して第1の混合液を得た。次に、水891gに499.1gのパラモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を溶解させた液を上記第1の混合液に加え第2の混合液を得た。次いで、16.6質量%濃度の硝酸397gに51.9gの硝酸ビスマス〔Bi(NO33・5H2O〕、91.5gの硝酸セリウム〔Ce(NO33・6H2O〕、144.2gの硝酸鉄〔Fe(NO33・9H2O〕、347.1gの硝酸ニッケル〔Ni(NO32・6H2O〕、121.1gの硝酸マグネシウム〔Mg(NO32・6H2O〕、4.15gの硝酸ルビジウム〔RbNO3〕を溶解させて得られた液を、上記第2の混合液に加えて水性原料混合物(原料スラリー)を得た(第1の工程)。次に、乾燥器上部中央に設置された皿型回転子を備えた噴霧装置を用い、入口温度約250℃、出口温度約140℃の条件で上記水性原料混合物の噴霧乾燥を行った(第2の工程)。次いで、乾燥した触媒前駆体に電気炉を用いて、空気雰囲気下、320℃で2時間の前焼成を施した後、空気雰囲気下、580℃で2時間の本焼成を施して(第3の工程)、最終的に801gの触媒を得た。
得られた触媒の形状は中実球であり、平均粒径は60μm、見掛比重は1.02g/ccという結果が得られた。次に、この触媒50gを用いて、接触時間Θ=3.9(sec・g/cc)でプロピレンのアンモ酸化反応を行った。反応開始から24時間後のプロピレンの転化率は99.2%となり、アクリロニトリル選択率は85.5%、アクリロニトリル収率は84.8%となった。
また、上記触媒50gについてACC法に準じて耐摩耗性強度を測定したところ、摩耗損失(%)は0.9%であった。
触媒組成と焼成温度を表1に、反応結果及び物性測定結果を表2に示す。
[実施例9]
金属組成がMo12.5Bi0.45Ce0.9Fe1.2Ni5Mg2Rb0.1(α=0.26、β=0.011、γ=1.68、δ=0.230)で表される金属酸化物を、触媒全体に対して40質量%のシリカ担体に担持した触媒を下記のようにして調製した。
シリカ一次粒子の平均粒子直径が12nmのSiO2を30質量%含む水性シリカゾル666.7gと、シリカ一次粒子の平均粒子直径が41nmのSiO2を40.6質量%含む水性シリカゾル492.6gとを混合して第1の混合液を得た。次に、水912gに510.7gのパラモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を溶解させた液を上記第1の混合液に加え第2の混合液を得た。次いで、16.6質量%濃度の硝酸396gに51gの硝酸ビスマス〔Bi(NO33・5H2O〕、89.9gの硝酸セリウム〔Ce(NO33・6H2O〕、113.3gの硝酸鉄〔Fe(NO33・9H2O〕、341gの硝酸ニッケル〔Ni(NO32・6H2O〕、119gの硝酸マグネシウム〔Mg(NO32・6H2O〕、3.39gの硝酸ルビジウム〔RbNO3〕を溶解させて得られた液を、上記第2の混合液に加えて水性原料混合物(原料スラリー)を得た(第1の工程)。次に、乾燥器上部中央に設置された皿型回転子を備えた噴霧装置を用い、入口温度約250℃、出口温度約140℃の条件で上記水性原料混合物の噴霧乾燥を行った(第2の工程)。次いで、乾燥した触媒前駆体に電気炉を用いて、空気雰囲気下、320℃で2時間の前焼成を施した後、空気雰囲気下、580℃で2時間の本焼成を施して(第3の工程)、最終的に810gの触媒を得た。
得られた触媒の形状は中実球であり、平均粒径は58μm、見掛比重は1g/ccという結果が得られた。次に、この触媒50gを用いて、接触時間Θ=4(sec・g/cc)でプロピレンのアンモ酸化反応を行った。反応開始から24時間後のプロピレンの転化率は99.2%となり、アクリロニトリル選択率は85.1%、アクリロニトリル収率は84.4%となった。
また、上記触媒50gについてACC法に準じて耐摩耗性強度を測定したところ、摩耗損失(%)は0.8%であった。
触媒組成と焼成温度を表1に、反応結果及び物性測定結果を表2に示す。
[実施例10]
金属組成がMo12.4Bi0.24Ce0.16Fe1.5Ni6.5Mg2.6Rb0.07Cs0.06(α=0.25、β=0.011、γ=0.45、δ=0.053)で表される金属酸化物を、触媒全体に対して43質量%のシリカ担体に担持した触媒を下記のようにして調製した。
シリカ一次粒子の平均粒子直径が12nmのSiO2を30質量%含む水性シリカゾル716.7gと、シリカ一次粒子の平均粒子直径が41nmのSiO2を40.6質量%含む水性シリカゾル529.6gとを混合して第1の混合液を得た。次に、水865.4gに484.81gのパラモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を溶解させた液を上記第1の混合液に加え第2の混合液を得た。次いで、16.6質量%濃度の硝酸403.60gに26.01gの硝酸ビスマス〔Bi(NO33・5H2O〕、15.29gの硝酸セリウム〔Ce(NO33・6H2O〕、135.6gの硝酸鉄〔Fe(NO33・9H2O〕、424.2gの硝酸ニッケル〔Ni(NO32・6H2O〕、148gの硝酸マグネシウム〔Mg(NO32・6H2O〕、2.27gの硝酸ルビジウム〔RbNO3〕、2.60gの硝酸セシウム〔CsNO3〕を溶解させて得られた液を、上記第2の混合液に加えて水性原料混合物(原料スラリー)を得た(第1の工程)。次に、乾燥器上部中央に設置された皿型回転子を備えた噴霧装置を用い、入口温度約250℃、出口温度約140℃の条件で上記水性原料混合物の噴霧乾燥を行った(第2の工程)。次いで、乾燥した触媒前駆体に電気炉を用いて、空気雰囲気下、320℃で2時間の前焼成を施した後、空気雰囲気下、610℃で2時間の本焼成を施して(第3の工程)、最終的に808gの触媒を得た。
得られた触媒の比表面積は29m2/g、形状は中実球であり、平均粒径は52μm、見掛比重は1.02g/ccという結果が得られた。次に、この触媒50gを用いて、接触時間Θ=3.6(sec・g/cc)でプロピレンのアンモ酸化反応を行った。反応開始から24時間後のプロピレンの転化率は99.3%となり、アクリロニトリル選択率は87.4%、アクリロニトリル収率は86.8%となった。
また、上記触媒50gについてACC法に準じて耐摩耗性強度を測定したところ、摩耗損失(%)は1.1%であった。
触媒組成と焼成温度を表1に、反応結果及び物性測定結果を表2に示す。
[実施例11]
金属組成がMo12.4Bi0.24Ce0.16Fe1.5Ni6.5Mg2.60.1Rb0.06(α=0.25、β=0.014、γ=0.45、δ=0.053)で表される金属酸化物を、触媒全体に対して43質量%のシリカ担体に担持した触媒を下記のようにして調製した。
シリカ一次粒子の平均粒子直径が12nmのSiO2を30質量%含む水性シリカゾル716.7gと、シリカ一次粒子の平均粒子直径が41nmのSiO2を40.6質量%含む水性シリカゾル529.6gとを混合して第1の混合液を得た。次に、水867gに485.7gのパラモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を溶解させた液を上記第1の混合液に加え第2の混合液を得た。次いで、16.6質量%濃度の硝酸404gに26.06gの硝酸ビスマス〔Bi(NO33・5H2O〕、15.32gの硝酸セリウム〔Ce(NO33・6H2O〕、135.8gの硝酸鉄〔Fe(NO33・9H2O〕、424.9gの硝酸ニッケル〔Ni(NO32・6H2O〕、148.3gの硝酸マグネシウム〔Mg(NO32・6H2O〕、1.95gの硝酸ルビジウム〔RbNO3〕、2.24gの硝酸カリウム〔KNO3〕を溶解させて得られた液を、上記第2の混合液に加えて水性原料混合物(原料スラリー)を得た(第1の工程)。次に、乾燥器上部中央に設置された皿型回転子を備えた噴霧装置を用い、入口温度約250℃、出口温度約140℃の条件で上記水性原料混合物の噴霧乾燥を行った(第2の工程)。次いで、乾燥した触媒前駆体に電気炉を用いて、空気雰囲気下、320℃で2時間の前焼成を施した後、空気雰囲気下、620℃で2時間の本焼成を施して(第3の工程)、最終的に811gの触媒を得た。
得られた触媒の比表面積は28m2/g、形状は中実球であり、平均粒径は53μm、見掛比重は0.95g/ccという結果が得られた。次に、この触媒50gを用いて、接触時間Θ=3.6(sec・g/cc)でプロピレンのアンモ酸化反応を行った。反応開始から24時間後のプロピレンの転化率は99.4%となり、アクリロニトリル選択率は87.7%、アクリロニトリル収率は87.2%となった。
また、上記触媒50gについてACC法に準じて耐摩耗性強度を測定したところ、摩耗損失(%)は1.0%であった。
触媒組成と焼成温度を表1に、反応結果及び物性測定結果を表2に示す。
[実施例12]
金属組成がMo12Bi0.22Ce0.15Fe1.4Ni7Mg2.8Rb0.15Sb0.3(α=0.21、β=0.013、γ=−0.16、δ=0.047)で表される金属酸化物を、触媒全体に対して50質量%のシリカ担体に担持した触媒を下記のようにして調製した。
シリカ一次粒子の平均粒子直径が41nmのSiO2を40.6質量%含む水性シリカゾル1232gを準備した。次に、水818gに409.0gのパラモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を溶解させた液を上記水性シリカゾルに加え混合液を得た。次いで、16.6質量%濃度の硝酸429gに20.8gの硝酸ビスマス〔Bi(NO33・5H2O〕、12.5gの硝酸セリウム〔Ce(NO33・6H2O〕、110.3gの硝酸鉄〔Fe(NO33・9H2O〕、398.2gの硝酸ニッケル〔Ni(NO32・6H2O〕、140.4gの硝酸マグネシウム〔Mg(NO32・6H2O〕、4.25gの硝酸ルビジウム〔RbNO3〕を溶解させて得られた液を上記混合液に加え、さらにそこに、8.55gの三酸化アンチモン〔Sb23〕を176gの20質量%酒石酸水溶液に溶解した液を最後に加えて水性原料混合物(原料スラリー)を得た(第1の工程)。乾燥器上部中央に設置された皿型回転子を備えた噴霧装置を用い、入口温度約250℃、出口温度約140℃の条件で上記水性原料混合物の噴霧乾燥を行った(第2の工程)。次いで、乾燥した触媒前駆体に電気炉を用いて、空気雰囲気下、320℃で2時間の前焼成を施した後、空気雰囲気下、670℃で2時間の本焼成を施して(第3の工程)、最終的に821gの触媒を得た。
得られた触媒の一部を取り出し細孔分布を測定したところ、細孔直径1〜200nmの細孔の占める細孔容積が0.222cc、細孔直径8nm以下の細孔の占める細孔容積が0.007cc/gとなり、全細孔容積に対する細孔直径80nm以下の細孔の積算容積(細孔率)は3.2%となった。また、触媒の形状は中実球であり、平均粒径は65μm、見掛比重は0.91g/ccという結果が得られた。次に、この触媒50gを用いて、接触時間Θ=4.2(sec・g/cc)でプロピレンのアンモ酸化反応を行った。反応開始から24時間後のプロピレンの転化率は99.2%となり、アクリロニトリル選択率は85.7%、アクリロニトリル収率は85.0%となった。
また、上記触媒50gについてACC法に準じて耐摩耗性強度を測定したところ、摩耗損失(%)は0.5%であった。
触媒組成と焼成温度を表1に、反応結果及び物性測定結果を表2に示す。
[実施例13]
金属組成がMo13.2Bi0.24Ce0.16Fe1.5Cr0.2Ni6.5Mg2.6Rb0.07(α=0.28、β=0.006、γ=0.95、δ=0.052)で表される金属酸化物を、触媒全体に対して43質量%のシリカ担体に担持した触媒を下記のようにして調製した。
シリカ一次粒子の平均粒子直径が12nmのSiO2を30質量%含む水性シリカゾル716.7gと、シリカ一次粒子の平均粒子直径が41nmのSiO2を40.6質量%含む水性シリカゾル529.6gとを混合して第1の混合液を得た。次に、水879.9gに492.9gのパラモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を溶解させた液を上記第1の混合液に加え第2の混合液を得た。次いで、16.6質量%濃度の硝酸404gに24.85gの硝酸ビスマス〔Bi(NO33・5H2O〕、14.61gの硝酸セリウム〔Ce(NO33・6H2O〕、129.5gの硝酸鉄〔Fe(NO33・9H2O〕、16.98gの硝酸クロム〔Cr(NO33・9H2O〕、405.1gの硝酸ニッケル〔Ni(NO32・6H2O〕、141.4gの硝酸マグネシウム〔Mg(NO32・6H2O〕、2.17gの硝酸ルビジウム〔RbNO3〕を溶解させて得られた液を、上記第2の混合液に加えて水性原料混合物(原料スラリー)を得た(第1の工程)。次に、乾燥器上部中央に設置された皿型回転子を備えた噴霧装置を用い、入口温度約250℃、出口温度約140℃の条件で上記水性原料混合物の噴霧乾燥を行った(第2の工程)。次いで、乾燥した触媒前駆体に電気炉を用いて、空気雰囲気下、320℃で2時間の前焼成を施した後、空気雰囲気下、675℃で2時間の本焼成を施して(第3の工程)、最終的に798gの触媒を得た。
得られた触媒の比表面積は29m2/g、形状は中実球であり、平均粒径は55μm、見掛比重は1.01g/ccという結果が得られた。次に、この触媒50gを用いて、接触時間Θ=3.8(sec・g/cc)でプロピレンのアンモ酸化反応を行った。反応開始から24時間後のプロピレンの転化率は99.4%となり、アクリロニトリル選択率は86.6%、アクリロニトリル収率は86.1%となった。
また、上記触媒50gについてACC法に準じて耐摩耗性強度を測定したところ、摩耗損失(%)は0.7%であった。
触媒組成と焼成温度を表1に、反応結果及び物性測定結果を表2に示す。
[実施例14]
金属組成がMo11.2Bi0.24Ce0.16Fe1.5Cr0.1Ni6.5Mg2.6Rb0.15(α=0.26、β=0.013、γ=−0.90、δ=0.052)で表される金属酸化物を、触媒全体に対して43質量%のシリカ担体に担持した触媒を下記のようにして調製した。
シリカ一次粒子の平均粒子直径が12nmのSiO2を30質量%含む水性シリカゾル716.7gと、シリカ一次粒子の平均粒子直径が41nmのSiO2を40.6質量%含む水性シリカゾル529.6gとを混合して第1の混合液を得た。次に、水835.2gに467.9gのパラモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を溶解させた液を上記第1の混合液に加え第2の混合液を得た。次いで、16.6質量%濃度の硝酸405.2gに27.8gの硝酸ビスマス〔Bi(NO33・5H2O〕、16.34gの硝酸セリウム〔Ce(NO33・6H2O〕、144.9gの硝酸鉄〔Fe(NO33・9H2O〕、9.50gの硝酸クロム〔Cr(NO33・9H2O〕、453.2gの硝酸ニッケル〔Ni(NO32・6H2O〕、158.2gの硝酸マグネシウム〔Mg(NO32・6H2O〕、5.20gの硝酸ルビジウム〔RbNO3〕を溶解させて得られた液を、上記第2の混合液に加えて水性原料混合物(原料スラリー)を得た(第1の工程)。次に、乾燥器上部中央に設置された皿型回転子を備えた噴霧装置を用い、入口温度約250℃、出口温度約140℃の条件で上記水性原料混合物の噴霧乾燥を行った(第2の工程)。次いで、乾燥した触媒前駆体に電気炉を用いて、空気雰囲気下、320℃で2時間の前焼成を施した後、空気雰囲気下、620℃で2時間の本焼成を施して(第3の工程)、最終的に810gの触媒を得た。
得られた触媒の形状は中実球であり、平均粒径は55μm、見掛比重は0.93g/ccという結果が得られた。次に、この触媒50gを用いて、接触時間Θ=4.4(sec・g/cc)でプロピレンのアンモ酸化反応を行った。反応開始から24時間後のプロピレンの転化率は99.2%となり、アクリロニトリル選択率は85.2%、アクリロニトリル収率は84.5%となった。
また、上記触媒50gについてACC法に準じて耐摩耗性強度を測定したところ、摩耗損失(%)は1.2%であった。
触媒組成と焼成温度を表1に、反応結果及び物性測定結果を表2に示す。
[実施例15]
金属組成がMo12.4Bi0.24Ce0.16Fe1.5Cr0.2Ni6.5Mg2.60.1Cs0.060.1(α=0.28、β=0.014、γ=0.25、δ=0.052)で表される金属酸化物を、触媒全体に対して43質量%のシリカ担体に担持した触媒を下記のようにして調製した。
シリカ一次粒子の平均粒子直径が12nmのSiO2を30質量%含む水性シリカゾル716.7gと、シリカ一次粒子の平均粒子直径が41nmのSiO2を40.6質量%含む水性シリカゾル529.6gとを混合して第1の混合液を得た。次に、水853.4gに478.1gのパラモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕、5.67gのパラタングステン酸アンモニウム〔(NH4101241・5H2O〕を溶解させた液を上記第1の混合液に加え第2の混合液を得た。次いで、16.6質量%濃度の硝酸402.9gに25.66gの硝酸ビスマス〔Bi(NO33・5H2O〕、15.08gの硝酸セリウム〔Ce(NO33・6H2O〕、133.7gの硝酸鉄〔Fe(NO33・9H2O〕、17.53gの硝酸クロム〔Cr(NO33・9H2O〕、418.3gの硝酸ニッケル〔Ni(NO32・6H2O〕、146gの硝酸マグネシウム〔Mg(NO32・6H2O〕、2.2g硝酸カリウム〔KNO3〕、2.56gの硝酸セシウム〔CsNO3〕を溶解させて得られた液を、上記第2の混合液に加えて水性原料混合物(原料スラリー)を得た(第1の工程)。次に、乾燥器上部中央に設置された皿型回転子を備えた噴霧装置を用い、入口温度約250℃、出口温度約140℃の条件で上記水性原料混合物の噴霧乾燥を行った(第2の工程)。次いで、乾燥した触媒前駆体に電気炉を用いて、空気雰囲気下、320℃で2時間の前焼成を施した後、空気雰囲気下、595℃で2時間の本焼成を施して(第3の工程)、最終的に805gの触媒を得た。
得られた触媒の比表面積は30m2/g、形状は中実球であり、平均粒径は54μm、見掛比重は1.05g/ccという結果が得られた。次に、この触媒50gを用いて、接触時間Θ=4.5(sec・g/cc)でプロピレンのアンモ酸化反応を行った。反応開始から24時間後のプロピレンの転化率は99.5%となり、アクリロニトリル選択率は86.9%、アクリロニトリル収率は86.5%となった。
また、上記触媒50gについてACC法に準じて耐摩耗性強度を測定したところ、摩耗損失(%)は1.1%であった。
触媒組成と焼成温度を表1に、反応結果及び物性測定結果を表2に示す。
[実施例16]
金属組成がMo12.4Bi0.24Ce0.16Fe1.5Ni3.25Co3.25Mg2.6Rb0.11(α=0.25、β=0.01、γ=0.45、δ=0.053)で表される金属酸化物を、触媒全体に対して43質量%のシリカ担体に担持した触媒を下記のようにして調製した。
シリカ一次粒子の平均粒子直径が12nmのSiO2を30質量%含む水性シリカゾル716.7gと、シリカ一次粒子の平均粒子直径が41nmのSiO2を40.6質量%含む水性シリカゾル529.6gとを混合して第1の混合液を得た。次に、水866.7gに485.6gのパラモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を溶解させた液を上記第1の混合液に加え第2の混合液を得た。次いで、16.6質量%濃度の硝酸403.8gに26.06gの硝酸ビスマス〔Bi(NO33・5H2O〕、15.32gの硝酸セリウム〔Ce(NO33・6H2O〕、135.8gの硝酸鉄〔Fe(NO33・9H2O〕、212.4gの硝酸ニッケル〔Ni(NO32・6H2O〕、212.6gの硝酸コバルト〔Co(NO32・6H2O〕、148.3gの硝酸マグネシウム〔Mg(NO32・6H2O〕、3.58gの硝酸ルビジウム〔RbNO3〕を溶解させて得られた液を、上記第2の混合液に加えて水性原料混合物(原料スラリー)を得た(第1の工程)。次に、乾燥器上部中央に設置された皿型回転子を備えた噴霧装置を用い、入口温度約250℃、出口温度約140℃の条件で上記水性原料混合物の噴霧乾燥を行った(第2の工程)。次いで、乾燥した触媒前駆体に電気炉を用いて、空気雰囲気下、320℃で2時間の前焼成を施した後、空気雰囲気下、625℃で2時間の本焼成を施して(第3の工程)、最終的に820gの触媒を得た。
得られた触媒の比表面積は22m2/g、形状は中実球であり、平均粒径は57μm、見掛比重は0.92g/ccという結果が得られた。次に、この触媒50gを用いて、接触時間Θ=4.4(sec・g/cc)でプロピレンのアンモ酸化反応を行った。反応開始から24時間後のプロピレンの転化率は99.3%となり、アクリロニトリル選択率は87.0%、アクリロニトリル収率は86.4%となった。また、上記触媒50gについてACC法に準じて耐摩耗性強度を測定したところ、摩耗損失(%)は1.3であった。
触媒組成と焼成温度を表1に、反応結果及び物性測定結果を表2に示す。
[実施例17]
金属組成がMo12.4Bi0.24Ce0.16Fe1.5Ni6.5Zn2.6Rb0.11(α=0.25、β=0.01、γ=0.45、δ=0.053)で表される金属酸化物を、触媒全体に対して43質量%のシリカ担体に担持した触媒を下記のようにして調製した。
シリカ一次粒子の平均粒子直径が12nmのSiO2を30質量%含む水性シリカゾル716.7gと、シリカ一次粒子の平均粒子直径が41nmのSiO2を40.6質量%含む水性シリカゾル529.6gとを混合して第1の混合液を得た。次に、水832.6gに466.4gのパラモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を溶解させた液を上記第1の混合液に加え第2の混合液を得た。次いで、16.6質量%濃度の硝酸397gに25.03gの硝酸ビスマス〔Bi(NO33・5H2O〕、14.71gの硝酸セリウム〔Ce(NO33・6H2O〕、130.4gの硝酸鉄〔Fe(NO33・9H2O〕、408.1gの硝酸ニッケル〔Ni(NO32・6H2O〕、165.3gの硝酸亜鉛〔Zn(NO32・6H2O〕、3.44gの硝酸ルビジウム〔RbNO3〕を溶解させて得られた液を、上記第2の混合液に加えて水性原料混合物(原料スラリー)を得た(第1の工程)。次に、乾燥器上部中央に設置された皿型回転子を備えた噴霧装置を用い、入口温度約250℃、出口温度約140℃の条件で上記水性原料混合物の噴霧乾燥を行った(第2の工程)。次いで、乾燥した触媒前駆体に電気炉を用いて、空気雰囲気下、320℃で2時間の前焼成を施した後、空気雰囲気下、625℃で2時間の本焼成を施して(第3の工程)、最終的に819gの触媒を得た。
得られた触媒の比表面積は24m2/g、形状は中実球であり、平均粒径は58μm、見掛比重は0.99g/ccという結果が得られた。次に、この触媒50gを用いて、接触時間Θ=5.0(sec・g/cc)でプロピレンのアンモ酸化反応を行った。反応開始から24時間後のプロピレンの転化率は99.3%となり、アクリロニトリル選択率は87.2%、アクリロニトリル収率は86.6%となった。
また、上記触媒50gについてACC法に準じて耐摩耗性強度を測定したところ、摩耗損失(%)は1.3であった。
触媒組成と焼成温度を表1に、反応結果及び物性測定結果を表2に示す。
[実施例18]
金属組成がMo12.4Bi0.24Ce0.16Fe1.5Ni6.5Mg1.95Mn0.65Rb0.11(α=0.27、β=0.01、γ=0.45、δ=0.056)で表される金属酸化物を、触媒全体に対して43質量%のシリカ担体に担持した触媒を下記のようにして調製した。
シリカ一次粒子の平均粒子直径が12nmのSiO2を30質量%含む水性シリカゾル716.7gと、シリカ一次粒子の平均粒子直径が41nmのSiO2を40.6質量%含む水性シリカゾル529.6gとを混合して第1の混合液を得た。次に、水860.4gに482gのパラモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を溶解させた液を上記第1の混合液に加え第2の混合液を得た。次いで、16.6質量%濃度の硝酸402.6gに25.87gの硝酸ビスマス〔Bi(NO33・5H2O〕、15.2gの硝酸セリウム〔Ce(NO33・6H2O〕、134.8gの硝酸鉄〔Fe(NO33・9H2O〕、421.7gの硝酸ニッケル〔Ni(NO32・6H2O〕、110.4gの硝酸マグネシウム〔Mg(NO32・6H2O〕、41.2gの硝酸マンガン〔Mn(NO32・6H2O〕、3.55gの硝酸ルビジウム〔RbNO3〕を溶解させて得られた液を、上記第2の混合液に加えて水性原料混合物(原料スラリー)を得た(第1の工程)。次に、乾燥器上部中央に設置された皿型回転子を備えた噴霧装置を用い、入口温度約250℃、出口温度約140℃の条件で上記水性原料混合物の噴霧乾燥を行った(第2の工程)。次いで、乾燥した触媒前駆体に電気炉を用いて、空気雰囲気下、320℃で2時間の前焼成を施した後、空気雰囲気下、625℃で2時間の本焼成を施して(第3の工程)、最終的に808gの触媒を得た。
得られた触媒の比表面積は28m2/g、形状は中実球であり、平均粒径は51μm、見掛比重は1.06g/ccという結果が得られた。次に、この触媒50gを用いて、接触時間Θ=4.4(sec・g/cc)でプロピレンのアンモ酸化反応を行った。反応開始から24時間後のプロピレンの転化率は99.2%となり、アクリロニトリル選択率は85.9%、アクリロニトリル収率は85.2%となった。
また、上記触媒50gについてACC法に準じて耐摩耗性強度を測定したところ、摩耗損失(%)は1.0であった。
触媒組成と焼成温度を表1に、反応結果及び物性測定結果を表2に示す。
[比較例1]
金属組成がMo13.0Bi0.73Fe0.35Ni6.23Mg4.160.07(α=0.05、β=0.006、γ=0.99、δ=0.1)で表される金属酸化物を、触媒全体に対して50質量%のシリカ担体に担持した触媒を下記のようにして調製した。
シリカ一次粒子の平均粒子直径が12nmのSiO2を30質量%含む水性シリカゾル1666.7gを準備した。次に、水854gに427.2gのパラモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を溶解させた液を上記シリカゾルに加え混合液を得た。次いで、16.6質量%濃度の硝酸409.1gに66.5gの硝酸ビスマス〔Bi(NO33・5H2O〕、26.6gの硝酸鉄〔Fe(NO33・9H2O〕、341.7gの硝酸ニッケル〔Ni(NO32・6H2O〕、201.1gの硝酸マグネシウム〔Mg(NO32・6H2O〕、1.32gの硝酸カリウム〔KNO3〕を溶解させて得られた液を、上記混合液に加えて水性原料混合物(原料スラリー)を得た。次に、乾燥器上部中央に設置された皿型回転子を備えた噴霧装置を用い、入口温度約250℃、出口温度約140℃の条件で上記水性原料混合物の噴霧乾燥を行った。次いで、乾燥した触媒前駆体に電気炉を用いて、空気雰囲気下、320℃で2時間の前焼成を施した後、空気雰囲気下、560℃で2時間の本焼成を施して、最終的に811gの触媒を得た。
得られた触媒の一部を取り出し細孔分布を測定したところ、細孔直径1〜200nmの細孔の占める細孔容積が0.192cc、細孔直径8nm以下の細孔の占める細孔容積が0.052cc/gとなり、全細孔容積に対する細孔直径80nm以下の細孔の積算容積(細孔率)は27.1%となった。また、触媒の形状は中実球であり、平均粒径は64μm、見掛比重は1.08g/ccという結果が得られた。次に、この触媒50gを用いて、接触時間Θ=6.0(sec・g/cc)でプロピレンのアンモ酸化反応を行った。反応開始から24時間後のプロピレンの転化率は99.3%となり、アクリロニトリル選択率は74.6%、アクリロニトリル収率は74.1%となった。
尚、反応出口の未反応アンモニアの濃度を実施例と同様に0.5%前後に設定すると、原料比率はプロピレン1に対して、アンモニア1.09、空気10.3と、アンモニアの原料比率が著しく低くなった。そのため、反応出口の未反応アンモニアの濃度を0.8%に上げる条件に設定して反応を行ったところ、プロピレン1に対して、アンモニア1.35、空気10.5と、アンモニア比率が高くなり、接触時間Θ=5.9(sec・g/cc)でプロピレンの転化率は99.1%となり、アクリロニトリル選択率は75.5%、アクリロニトリル収率は74.8%となった。
また、上記触媒50gについてACC法に準じて耐摩耗性強度を測定したところ、摩耗損失(%)は0.3%であった。
触媒組成と焼成温度を表1に、アンモニア比率を高めた条件での反応結果及び物性測定結果を表2に示す。
[比較例2]
金属組成がMo13.6Bi0.03Ce0.05Fe1.32Ni9.9Cs0.04(α=0.2、β=0.003、γ=1.6、δ=0.01)で表される金属酸化物を、触媒全体に対して50質量%のシリカ担体に担持した触媒を下記のようにして調製した。
シリカ一次粒子の平均粒子直径が12nmのSiO2を30質量%含む水性シリカゾル1667gを準備した。次に、水856gに428.2gのパラモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を溶解させた液を上記水性シリカゾルに加え混合液を得た。次いで、16.6質量%濃度の硝酸408gに2.62gの硝酸ビスマス〔Bi(NO33・5H2O〕、3.85gの硝酸セリウム〔Ce(NO33・6H2O〕、96.08gの硝酸鉄〔Fe(NO33・9H2O〕、520.3gの硝酸ニッケル〔Ni(NO32・6H2O〕、1.395gの硝酸セシウム〔CsNO3〕を溶解させて得られた液を、上記混合液に加えて水性原料混合物(原料スラリー)を得た。次に、乾燥器上部中央に設置された皿型回転子を備えた噴霧装置を用い、入口温度約250℃、出口温度約140℃の条件で上記水性原料混合物の噴霧乾燥を行った。次いで、乾燥した触媒前駆体に電気炉を用いて、空気雰囲気下、320℃で2時間の前焼成を施した後、空気雰囲気下、600℃で2時間の本焼成を施して、最終的に788gの触媒を得た。
得られた触媒の一部を取り出し細孔分布を測定したところ、細孔直径1〜200nmの細孔の占める細孔容積が0.197cc、細孔直径8nm以下の細孔の占める細孔容積が0.061cc/gとなり、全細孔容積に対する細孔直径80nm以下の細孔の積算容積(細孔率)は31.0%となった。また、触媒の形状は中実球であり、平均粒径は63μm、見掛比重は1.01g/ccという結果が得られた。次に、この触媒50gを用いて、接触時間Θ=3.5(sec・g/cc)でプロピレンのアンモ酸化反応を行った。反応開始から24時間後のプロピレンの転化率は99.2%となり、アクリロニトリル選択率は45.4%、アクリロニトリル収率は45.0%となった。
尚、反応出口の未反応アンモニアの濃度を実施例と同様に0.5%前後に設定すると、原料比率は、プロピレン1に対して、アンモニア0.72、空気12.7と、アンモニアの原料比率が著しく低くなった。そのため、反応出口の未反応アンモニアの濃度を0.8%に上げる条件に設定して反応を行ったところ、プロピレン1に対して、アンモニア1.15、空気13.2と、アンモニア比率が高くなり、接触時間Θ=3.5(sec・g/cc)でプロピレンの転化率は99.3%となり、アクリロニトリル選択率は47.9%、アクリロニトリル収率は47.6%となった。
また、上記触媒50gについてACC法に準じて耐摩耗性強度を測定したところ、摩耗損失(%)は0.2%であった。
触媒組成と焼成温度を表1に、アンモニア比率を高めた条件での反応結果及び物性測定結果を表2に示す。
[比較例3]
金属組成がMo11.0Bi0.24Ce0.12Fe2Ni6Mg2Rb0.2(α=0.38、β=0.018、γ=−0.54、δ=0.049)で表される金属酸化物を、触媒全体に対して40質量%のシリカ担体に担持した触媒を下記のようにして調製した。
シリカ一次粒子の平均粒子直径が12nmのSiO2を30質量%含む水性シリカゾル666.7gと、シリカ一次粒子の平均粒子直径が41nmのSiO2を40.6質量%含む水性シリカゾル492.6gとを混合して第1の混合液を得た。次に、水885.3gに496gのパラモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を溶解させた液を上記水性シリカゾルに加え混合液を得た。次いで、16.6質量%濃度の硝酸405.8gに30gの硝酸ビスマス〔Bi(NO33・5H2O〕、13.23gの硝酸セリウム〔Ce(NO33・6H2O〕、208.4gの硝酸鉄〔Fe(NO33・9H2O〕、451.5gの硝酸ニッケル〔Ni(NO32・6H2O〕、131.3gの硝酸マグネシウム〔Mg(NO32・6H2O〕、7.49gの硝酸ルビジウム〔RbNO3〕を溶解させて得られた液を、上記混合液に加えて水性原料混合物(原料スラリー)を得た。次に、乾燥器上部中央に設置された皿型回転子を備えた噴霧装置を用い、入口温度約250℃、出口温度約140℃の条件で上記水性原料混合物の噴霧乾燥を行った。次いで、乾燥した触媒前駆体に電気炉を用いて、空気雰囲気下、320℃で2時間の前焼成を施した後、空気雰囲気下、560℃で2時間の本焼成を施して、最終的に796gの触媒を得た。
得られた触媒の形状は中実球であり、平均粒径は51μm、見掛比重は1.00g/ccという結果が得られた。次に、この触媒50gを用いて、接触時間Θ=4.8(sec・g/cc)でプロピレンのアンモ酸化反応を行った。反応開始から24時間後のプロピレンの転化率は99.4%となり、アクリロニトリル選択率は82.9%、アクリロニトリル収率は82.4%となった。
尚、反応出口の未反応アンモニアの濃度を実施例と同様に0.5%前後に設定すると、原料比率はプロピレン1に対して、アンモニア1.05、空気8.81と、アンモニアの原料比率が著しく低くなった。そのため、反応出口の未反応アンモニアの濃度を0.8%に上げる条件に設定して反応を行ったところ、プロピレン1に対して、アンモニア1.28、空気9.5と、アンモニア比率が高くなり、接触時間Θ=4.9(sec・g/cc)でプロピレンの転化率は99.5%となり、アクリロニトリル選択率は83.6%、アクリロニトリル収率は83.2%となった。
また、上記触媒50gについてACC法に準じて耐摩耗性強度を測定したところ、摩耗損失(%)は1.2%であった。
触媒組成と焼成温度を表1に、アンモニア比率を高めた条件での反応結果及び物性測定結果を表2に示す。
[比較例4]
金属組成がMo12Bi0.45Ce0.9Fe1.80Ni5Mg2Sb0.5Rb0.15(α=0.39、β=0.015、γ=0.77、δ=0.209)で表される金属酸化物を、触媒全体に対して40質量%のシリカ担体に担持した触媒を下記のようにして調製した。
シリカ一次粒子の平均粒子直径が12nmのSiO2を30質量%含む水性シリカゾル666.7gと、シリカ一次粒子の平均粒子直径が41nmのSiO2を40.6質量%含む水性シリカゾル492.6gとを混合して第1の混合液を得た。次に、水961gに480.4gのパラモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を溶解させた液を上記第1の混合液に加えて第2の混合液を得た。次いで、16.6質量%濃度の硝酸442.7gに50.0gの硝酸ビスマス〔Bi(NO33・5H2O〕、88.1gの硝酸セリウム〔Ce(NO33・6H2O〕、166.6gの硝酸鉄〔Fe(NO33・9H2O〕、334.1gの硝酸ニッケル〔Ni(NO32・6H2O〕、117.8gの硝酸マグネシウム〔Mg(NO32・6H2O〕、4.99gの硝酸カリウム〔KNO3〕を溶解させて得られた液を、上記第2の混合液に加え、さらにそこに、16.74gの三酸化アンチモン〔Sb23〕を344.2gの20質量%酒石酸水溶液に溶解した液を最後に加えて水性原料混合物(原料スラリー)を得た。次に、乾燥器上部中央に設置された皿型回転子を備えた噴霧装置を用い、入口温度約250℃、出口温度約140℃の条件で上記水性原料混合物の噴霧乾燥を行った。次いで、乾燥した触媒前駆体に電気炉を用いて、空気雰囲気下、320℃で2時間の前焼成を施した後、空気雰囲気下、615℃で2時間の本焼成を施して、最終的に793gの触媒を得た。
得られた触媒の一部を取り出し細孔分布を測定したところ、細孔直径1〜200nmの細孔の占める細孔容積が0.210cc、細孔直径8nm以下の細孔の占める細孔容積が0.006cc/gとなり、全細孔容積に対する細孔直径80nm以下の細孔の積算容積(細孔率)は2.9%となった。また、触媒の形状は中実球であり、平均粒径は56μm、見掛比重は0.98g/ccという結果が得られた。次に、この触媒50gを用いて、接触時間4.9(sec・g/cc)でプロピレンのアンモ酸化反応を行った。反応開始から24時間後のプロピレンの転化率は99.2%となり、アクリロニトリル選択率は82.2%、アクリロニトリル収率は81.5%となった。
また、上記触媒50gについてACC法に準じて耐摩耗性強度を測定したところ、摩耗損失(%)は0.9%であった。
触媒組成と焼成温度を表1に、反応結果及び物性測定結果を表2に示す。
[比較例5]
金属組成がMo12.2Bi0.22Ce0.14Fe1.45Ni6.63Mg2.65Cs0.03(α=0.23、β=0.003、γ=0.21、δ=0.047)で表される金属酸化物を、触媒全体に対して40質量%のシリカ担体に担持した触媒を下記のようにして調製した。
シリカ一次粒子の平均粒子直径が12nmのSiO2を30質量%含む水性シリカゾル666.7gと、シリカ一次粒子の平均粒子直径が41nmのSiO2を40.6質量%含む水性シリカゾル492.6gとを混合して第1の混合液を得た。次に、水910.2gに509.9gのパラモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を溶解させた液を上記水性シリカゾルに加え混合液を得た。次いで、16.6質量%濃度の硝酸406gに25.5gの硝酸ビスマス〔Bi(NO33・5H2O〕、14.31gの硝酸セリウム〔Ce(NO33・6H2O〕、140.1gの硝酸鉄〔Fe(NO33・9H2O〕、462.5gの硝酸ニッケル〔Ni(NO32・6H2O〕、161.3gの硝酸マグネシウム〔Mg(NO32・6H2O〕、1.39gの硝酸セシウム〔CsNO3〕を溶解させて得られた液を、上記混合液に加えて水性原料混合物(原料スラリー)を得た。次に、乾燥器上部中央に設置された皿型回転子を備えた噴霧装置を用い、入口温度約250℃、出口温度約140℃の条件で上記水性原料混合物の噴霧乾燥を行った。次いで、乾燥した触媒前駆体に電気炉を用いて、空気雰囲気下、320℃で2時間の前焼成を施した後、空気雰囲気下、670℃で2時間の本焼成を施して、最終的に805gの触媒を得た。
得られた触媒の形状は中実球であり、平均粒径は48μm、見掛比重は0.96g/ccという結果が得られた。次に、この触媒50gを用いて、接触時間Θ=3.7(sec・g/cc)でプロピレンのアンモ酸化反応を行った。反応開始から24時間後のプロピレンの転化率は99.1%となり、アクリロニトリル選択率は82.4%、アクリロニトリル収率は81.7%となった。
また、上記触媒50gについてACC法に準じて耐摩耗性強度を測定したところ、摩耗損失(%)は1.6%であった。
触媒組成と焼成温度を表1に、反応結果及び物性測定結果を表2に示す。
[比較例6]
金属組成がMo12Bi0.42Ce0.1Fe2.8Ni5.61Mg1.40.25(α=0.6、β=0.022、γ=0.01、δ=0.07)で表される金属酸化物を、触媒全体に対して45質量%のシリカ担体に担持した触媒を下記のようにして調製した。
シリカ一次粒子の平均粒子直径が12nmのSiO2を30質量%含む水性シリカゾル750gと、シリカ一次粒子の平均粒子直径が41nmのSiO2を40.6質量%含む水性シリカゾル554.2gとを混合して第1の混合液を得た。次に、水820.7gに459.8gのパラモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を溶解させた液を上記水性シリカゾルに加え混合液を得た。次いで、16.6質量%濃度の硝酸402gに44.6gの硝酸ビスマス〔Bi(NO33・5H2O〕、9.37gの硝酸セリウム〔Ce(NO33・6H2O〕、248gの硝酸鉄〔Fe(NO33・9H2O〕、358.7gの硝酸ニッケル〔Ni(NO32・6H2O〕、78.1gの硝酸マグネシウム〔Mg(NO32・6H2O〕、5.47gの硝酸カリウム〔KNO3〕を溶解させて得られた液を、上記混合液に加えて水性原料混合物(原料スラリー)を得た。次に、乾燥器上部中央に設置された皿型回転子を備えた噴霧装置を用い、入口温度約250℃、出口温度約140℃の条件で上記水性原料混合物の噴霧乾燥を行った。次いで、乾燥した触媒前駆体に電気炉を用いて、空気雰囲気下、320℃で2時間の前焼成を施した後、空気雰囲気下、590℃で2時間の本焼成を施して、最終的に813gの触媒を得た。
得られた触媒の形状は中実球であり、平均粒径は59μm、見掛比重は0.96g/ccという結果が得られた。次に、この触媒50gを用いて、接触時間Θ=3.9(sec・g/cc)でプロピレンのアンモ酸化反応を行った。反応開始から24時間後のプロピレンの転化率は99.4%となり、アクリロニトリル選択率は83.3%、アクリロニトリル収率は82.8%となった。
また、上記触媒50gについてACC法に準じて耐摩耗性強度を測定したところ、摩耗損失(%)は1.2%であった。
触媒組成と焼成温度を表1に、反応結果及び物性測定結果を表2に示す。
[比較例7]
金属組成がMo11.5Bi0.19Ce0.08Fe0.83Ni7.76Mg2.590.23(α=0.12、β=0.02、γ=−0.5、δ=0.035)で表される金属酸化物を、触媒全体に対して50質量%のシリカ担体に担持した触媒を下記のようにして調製した。
シリカ一次粒子の平均粒子直径が12nmのSiO2を30質量%含む水性シリカゾル833.3gと、シリカ一次粒子の平均粒子直径が41nmのSiO2を40.6質量%含む水性シリカゾル615.8gとを混合して第1の混合液を得た。次に、水737.7gに413.3gのパラモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を溶解させた液を上記水性シリカゾルに加え混合液を得た。次いで、16.6質量%濃度の硝酸401.4gに18.93gの硝酸ビスマス〔Bi(NO33・5H2O〕、7.03gの硝酸セリウム〔Ce(NO33・6H2O〕、68.95gの硝酸鉄〔Fe(NO33・9H2O〕、465.4gの硝酸ニッケル〔Ni(NO32・6H2O〕、135.5gの硝酸マグネシウム〔Mg(NO32・6H2O〕、4.72gの硝酸カリウム〔KNO3〕を溶解させて得られた液を、上記混合液に加えて水性原料混合物(原料スラリー)を得た。次に、乾燥器上部中央に設置された皿型回転子を備えた噴霧装置を用い、入口温度約250℃、出口温度約140℃の条件で上記水性原料混合物の噴霧乾燥を行った。次いで、乾燥した触媒前駆体に電気炉を用いて、空気雰囲気下、320℃で2時間の前焼成を施した後、空気雰囲気下、480℃で2時間の本焼成を施して、最終的に788gの触媒を得た。
得られた触媒の形状は中実球であり、平均粒径は54μm、見掛比重は1.02g/ccという結果が得られた。次に、この触媒50gを用いて、反応評価を実施しようとしたところ活性が低すぎて評価に至らなかった。
触媒組成と焼成温度を表1に、反応結果及び物性測定結果を表2に示す。
[実施例19]
金属組成がMo12Bi0.22Ce0.15Fe1.2Ni7Mg2.8Rb0.12(α=0.18、β=0.01、γ=−0.16、δ=0.048)で表される金属酸化物を、触媒全体に対して35質量%のシリカ担体に担持した触媒を下記のようにして調製した。
シリカ一次粒子の平均粒子直径が41nmのSiO2を40.6質量%含む水性シリカゾル862.1gを準備した。次に、水1089gに544.7gのパラモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を溶解させた液を上記水性シリカゾルに加えて混合液を得た。次いで、16.6質量%濃度の硝酸421.4gに27.7gの硝酸ビスマス〔Bi(NO33・5H2O〕、16.6gの硝酸セリウム〔Ce(NO33・6H2O〕、125.9gの硝酸鉄〔Fe(NO33・9H2O〕、530.4gの硝酸ニッケル〔Ni(NO32・6H2O〕、187.0gの硝酸マグネシウム〔Mg(NO32・6H2O〕、4.52gの硝酸ルビジウム〔RbNO3〕を溶解させて得られた液を、上記混合液に加えて水性原料混合物(原料スラリー)を得た(第1の工程)。次に、乾燥器上部中央に設置された皿型回転子を備えた噴霧装置を用い、入口温度約250℃、出口温度約140℃の条件で上記水性原料混合物の噴霧乾燥を行った(第2の工程)。次いで、乾燥した触媒前駆体に電気炉を用いて、空気雰囲気下、320℃で2時間の前焼成を施した後、空気雰囲気下、640℃で2時間の本焼成を施して(第3の工程)、最終的に811gの触媒を得た。
得られた触媒の一部を取り出し細孔分布を測定したところ、細孔直径1〜200nmの細孔の占める細孔容積が0.229cc、細孔直径8nm以下の細孔の占める細孔容積が0.005cc/gとなり、全細孔容積に対する細孔直径80nm以下の細孔の積算容積(細孔率)は2.2%となった。また、触媒の形状は中実球であり、平均粒径は66μm、見掛比重は1.02g/ccという結果が得られた。次に、この触媒50gを用いて、接触時間Θ=4.9(sec・g/cc)でプロピレンのアンモ酸化反応を行った。反応開始から24時間後のプロピレンの転化率は99.2%となり、アクリロニトリル選択率は86.9%、アクリロニトリル収率は86.2%となった。
また、上記触媒50gについてACC法に準じて耐摩耗性強度を測定したところ、摩耗損失(%)は1.7%であった。
触媒組成と焼成温度を表3に、反応結果及び物性測定結果を表4に示す。
[実施例20]
金属組成がMo12.5Bi0.22Ce0.15Fe1.4Ni7Mg2.8Rb0.15(α=0.21、β=0.013、γ=0.04、δ=0.047)で表される金属酸化物を、触媒全体に対して60質量%のシリカ担体に担持した触媒を下記のようにして調製した。
シリカ一次粒子の平均粒子直径が41nmのSiO2を40.6質量%含む水性シリカゾル1478gに、水602gに337.2gのパラモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を溶解させた液を加えて第1の混合液を得た。次いで、16.6質量%濃度の硝酸397.2gに16.5gの硝酸ビスマス〔Bi(NO33・5H2O〕、9.89gの硝酸セリウム〔Ce(NO33・6H2O〕、87.3gの硝酸鉄〔Fe(NO33・9H2O〕、315.1gの硝酸ニッケル〔Ni(NO32・6H2O〕、110gの硝酸マグネシウム〔Mg(NO32・6H2O〕、3.36gの硝酸カリウム〔KNO3〕を溶解させて得られた液を、上記第1の混合液に加えて水性原料混合物(原料スラリー)を得た(第1の工程)。次に、乾燥器上部中央に設置された皿型回転子を備えた噴霧装置を用い、入口温度約250℃、出口温度約140℃の条件で上記水性原料混合物の噴霧乾燥を行った(第2の工程)。次いで、乾燥した触媒前駆体に電気炉を用いて、空気雰囲気下、320℃で2時間の前焼成を施した後、空気雰囲気下、640℃で2時間の本焼成を施して(第3の工程)、最終的に795gの触媒を得た。
得られた触媒の形状は中実球であり、平均粒径は67μm、見掛比重は0.88g/ccという結果が得られた。次に、この触媒50gを用いて、接触時間Θ=4.3(sec・g/cc)でプロピレンのアンモ酸化反応を行った。反応開始から24時間後のプロピレンの転化率は99.2%となり、アクリロニトリル選択率は85.7%、アクリロニトリル収率は85.0%となった。
また、上記触媒50gについてACC法に準じて耐摩耗性強度を測定したところ、摩耗損失(%)は0.5%であった。
触媒組成と焼成温度を表3に、反応結果及び物性測定結果を表4に示す。
[比較例8]
金属組成がMo11.2Bi0.35Ce0.35Fe0.15Ni8.92Mg2.240.13(α=0.02、β=0.011、γ=−1.24、δ=0.092)で表される金属酸化物を、触媒全体に対して80質量%のシリカ担体に担持した触媒を下記のようにして調製した。
シリカ一次粒子の平均粒子直径が12nmのSiO2を30質量%含む水性シリカゾル2667gを準備した。次に、水315gに157.7gのパラモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を溶解させた液を上記水性シリカゾルに加えて混合液を得た。次いで、16.6質量%濃度の硝酸391gに13.66gの硝酸ビスマス〔Bi(NO33・5H2O〕、12.05gの硝酸セリウム〔Ce(NO33・6H2O〕、4.88gの硝酸鉄〔Fe(NO33・9H2O〕、209.6gの硝酸ニッケル〔Ni(NO32・6H2O〕、46.39gの硝酸マグネシウム〔Mg(NO32・6H2O〕、1.05gの硝酸カリウム〔KNO3〕を溶解させて得られた液を、上記混合液に加えて水性原料混合物(原料スラリー)を得た。次に、乾燥器上部中央に設置された皿型回転子を備えた噴霧装置を用い、入口温度約250℃、出口温度約140℃の条件で上記水性原料混合物の噴霧乾燥を行った。次いで、乾燥した触媒前駆体に電気炉を用いて、空気雰囲気下、320℃で2時間の前焼成を施した後、空気雰囲気下、600℃で2時間の本焼成を施して、最終的に781gの触媒を得た。
この触媒の形状は中実球のもの、穴があいたもの、球体表面所々に窪みがあり歪な形状をしたものが混ざった粉体であることが確認された。また、この触媒の平均粒径を測定したところ60μmであったが、見掛比重が0.83g/ccと低い結果となった。
次に、この触媒50gを用いてプロピレンのアンモ酸化反応を行おうと試みたが、接触時間Θ=6(sec・g/cc)にしても全く反応が進まないため中止した。なお、細孔分布測定は行わなかった。
触媒組成と焼成温度を表3に、物性測定結果を表4に示す。
[比較例9]
金属組成がMo11.6Bi1.85Fe2.05Ni6.150.3(α=0.5、β=0.033、γ=−0.40、δ=0.301)で表される金属酸化物を、触媒全体に対して25質量%のシリカ担体に担持した触媒を下記のようにして調製した。
シリカ一次粒子の平均粒子直径が12nmのSiO2を30質量%含む水性シリカゾル833.3gを準備した。次に、水1130gに565.0gのパラモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を溶解させた液を上記水性シリカゾルに加えて混合液を得た。次いで、16.6質量%濃度の硝酸401.3gに249.8gの硝酸ビスマス〔Bi(NO33・5H2O〕、230.8gの硝酸鉄〔Fe(NO33・9H2O〕、499.9gの硝酸ニッケル〔Ni(NO32・6H2O〕、8.35gの硝酸カリウム〔KNO3〕を溶解させて得られた液を、上記混合液に加えて水性原料混合物(原料スラリー)を得た。乾燥器上部中央に設置された皿型回転子を備えた噴霧装置を用い、入口温度約250℃、出口温度約140℃の条件で上記水性原料混合物の噴霧乾燥を行った。次いで、乾燥した触媒前駆体に電気炉を用いて、空気雰囲気下、320℃で2時間の前焼成を施した後、空気雰囲気下、600℃で2時間の本焼成を施して、最終的に808gの触媒を得た。この触媒の形状は中実球であり、平均粒径を測定したところ63μmであり、見掛比重は1.10g/ccという結果になった。次に、この触媒50gを用いて、接触時間Θ=4.4(sec・g/cc)でプロピレンのアンモ酸化反応を行った。反応開始から24時間後のプロピレンの転化率は99.2%となり、アクリロニトリル選択率は80.6%、アクリロニトリル収率は80.0%となった。
尚、反応出口の未反応アンモニアの濃度を0.5%前後に設定した際の原料比率は、プロピレン1に対して、アンモニア1.08、空気8.55と、アンモニアの原料比率が著しく低くなった。そのため、反応出口の未反応アンモニアの濃度を0.8%に上げる条件に設定して反応を行ったところ、プロピレン1に対して、アンモニア1.15、空気8.85と、アンモニア比率が高くなり、接触時間Θ=4.4(sec・g/cc)でプロピレンの転化率は99.4%となり、アクリロニトリル選択率は82.7%、アクリロニトリル収率は82.2%となった。
また、上記触媒50gについてACC法に準じて耐摩耗性強度を測定したところ、摩耗損失(%)は4.2%であり、工業使用に適用可能な強度は示さなかった。
触媒組成と焼成温度を表3に、アンモニア比率を高めた条件での反応結果及び物性測定結果を表4に示す。
Figure 2010172851
Figure 2010172851
Figure 2010172851
Figure 2010172851
表1〜表4の結果から明らかなように、本実施形態のアンモ酸化触媒(実施例1〜20)を用いることにより、プロピレンのアンモ酸化反応によるアクリロニトリルの製造に際して、プロピレンに対して過剰量のアンモニアが少ない条件下であっても、アクリロニトリルを高収率で生産することが可能である。
本発明のアンモ酸化触媒は、プロピレンに対して過剰量のアンモニアが少ない条件下で目的生成物の収率が高く、また、工業的に使用する場合においての耐摩耗性、見掛比重、粒径等、流動床触媒としての取扱性にも優れている。本発明の触媒を用いて流動床反応器でプロピレンのアンモ酸化反応を行うことにより、高収率でアクリロニトリルを製造することができ、工業的に有利である。

Claims (6)

  1. プロピレンと、分子状酸素と、アンモニアとを反応させてアクリロニトリルを製造する際に用いる触媒であって、下記一般式(1)
    MoaBibCecdegjmn・・・(1)
    (式(1)中、Dは鉄又は鉄及びクロムを示し、Eはニッケル及びコバルトからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、Gはマグネシウム、亜鉛及びマンガンからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、Jはカリウム、ルビジウム及びセシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、Mはタングステン及びアンチモンからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、a、b、c、d、e、g、j及びmは、それぞれ各元素の原子比を示し、10.5≦(a+m)≦13.3、0.05≦b≦1、0.05≦c≦1、0.3≦d≦4、2≦e≦10、0≦g≦6、0.03≦j≦0.3、0≦m≦3であり、nは酸素以外の構成元素の原子価を満足する酸素原子の原子比を示す。)
    で表される元素組成を有し、各元素の前記原子比から下記式(2)及び(3)により算出されるα及びβが、0.06≦α≦0.33、0.004≦β≦0.016を同時に満たす酸化物と、
    α=1.5d/(e+g)・・・(2)
    β=j/(1.5d+e+g)・・・(3)
    前記酸化物を担持した担体と、
    を有するアンモ酸化触媒。
  2. 各元素の前記原子比から下記式(4)により算出されるγが、−1≦γ≦1.5を満たす、請求項1記載のアンモ酸化触媒。
    γ=(a+m)−1.5(b+c+d)+e+g・・・(4)
  3. 各元素の前記原子比から下記式(5)により算出されるδが、0.02≦δ≦0.08を満たす、請求項1又は2記載のアンモ酸化触媒。
    δ=1.5(b+c)/(1.5d+e+g)・・・(5)
  4. 前記担体がシリカを含有する、請求項1〜3のいずれか1項記載のアンモ酸化触媒。
  5. 前記担体の含有量が、触媒全体に対して30〜70質量%である、請求項1〜4のいずれか1項記載のアンモ酸化触媒。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載のアンモ酸化触媒を用い、プロピレンと、分子状酸素と、アンモニアとを反応させるアクリロニトリルの製造方法。
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