JP2010170117A - 着色感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高コントラストなカラーフィルタを得ることができる着色感光性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】着色剤、バインダー樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤及び溶剤を含み、式(A−I)で表される着色剤及び黄色染料を含む着色感光性樹脂組成物。[R〜R18は、水素原子、ハロゲン原子、C1-8脂肪族炭化水素基、ニトロ基、フェニル基、−SONHR21、−SO -又は−COOR22を表し、少なくとも一つは−SO -を表す。R19及びR20は、水素原子、メチル基、エチル基又はアミノ基を表す。Mは、Cr又はCoを表す。nは、2〜5の整数を表す。Dは、水素原子、1価の金属カチオン又はキサンテン骨格を有する化合物に由来する1価のカチオンを表す。]
Figure 2010170117

【選択図】なし

Description

本発明は、着色感光性樹脂組成物に関する。
カラーフィルタの赤色画素を形成する着色感光性樹脂組成物では、赤色顔料の補色用着色剤として黄色顔料を含むことによって、その赤色画素の分光特性を調整している。例えば、特許文献1には、赤色顔料と、補色用黄色顔料としてC.I.ピグメントイエロー150とを含む赤色感光性樹脂組成物からなる赤色画素が記載されている。
また、着色感光性樹脂組成物中の着色剤として、カラーフィルタのコントラストを高くするために、染料を用いることが知られている。例えば特許文献2には、赤色染料としてVALIFAST Red 1308を含む着色感光性樹脂組成物が記載されている。
特開2007−133131号公報 特開2003−295427号公報
しかしながら、従来の着色感光性樹脂組成物では、得られるカラーフィルタのコントラストが十分に満足できるものではない場合があった。
本発明は、着色剤(A)、バインダー樹脂(B)、光重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)及び溶剤(F)を含み、着色剤(A)が、式(A−I)で表される化合物及び黄色染料を含む着色剤である着色感光性樹脂組成物である。
Figure 2010170117
[式(A−I)中、R〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、C1-8脂肪族炭化水素基、ニトロ基、フェニル基、−SONHR211、−SO -又は−COOR212を表し、少なくとも一つは−SO -を表す。
19及びR20は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基又はアミノ基を表す。
211及びR212は、それぞれ独立に、水素原子、C1-8脂肪族炭化水素基、シクロヘキシル基、C7-10アルキルシクロヘキシル基、C2-15アルコキシアルキル基、−R31−CO−O−R32、−R31−O−CO−R32、又はC7-10アラルキル基を表す。
31は、2価のC1-8脂肪族炭化水素基を表し、R32は、1価のC1-8脂肪族炭化水素基を表す。
Mは、Cr又はCoを表す。
nは、2〜5の整数を表す。
Dは、ヒドロン、1価の金属カチオン又はキサンテン骨格を有する化合物に由来する1価のカチオンを表す。]
また本発明は、R〜R18が、それぞれ独立に、水素原子、塩素原子、メチル基、ニトロ基、−SONHR211、−SO -又は−COOR212を表し、少なくとも一つは−SO -を表す上記着色感光性樹脂組成物である。
また本発明は、黄色染料が、アゾ骨格を有する化合物を含む染料である上記着色感光性樹脂組成物である。
また本発明は、黄色染料が式(I)で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記着色感光性樹脂組成物である。
Figure 2010170117
[式(I)中、R41〜R44は、それぞれ独立に、水素原子、C1-10飽和脂肪族炭化水素基又はカルボキシ基を表す。
45〜R52は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、C1-10飽和脂肪族炭化水素基、ハロゲン化C1-10飽和脂肪族炭化水素基、C1-8アルコキシ基、カルボキシ基、スルホ基、スルファモイル基、又はN−置換スルファモイル基を表す。
53及びR54は、それぞれ独立に、水素原子、シアノ基、カルバモイル基、又はN−置換カルバモイル基を表す。]
また本発明は、バインダー樹脂(B)が、側鎖に重合性不飽和結合を有する樹脂である上記着色感光性樹脂組成物である。
また本発明は、上記着色感光性樹脂組成物から形成されるパターンである。
また本発明は、上記パターンを含んでなるカラーフィルタである。
また本発明は、カラーフィルタを製造するための上記着色感光性樹脂組成物の使用である。
本発明の着色感光性樹脂組成物によれば、高コントラストなカラーフィルタを得ることができる。
実施例の透過率を示すグラフである。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、着色剤(A)を含み、着色剤(A)が、式(A−I)で表される化合物及び黄色染料を含む。
Figure 2010170117
[式(A−I)中、R〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、C1-8脂肪族炭化水素基、ニトロ基、フェニル基、−SONHR211、−SO -又は−COOR212を表し、少なくとも一つは−SO -を表す。
19及びR20は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基又はアミノ基を表す。
21及びR22は、それぞれ独立に、水素原子、C1-8脂肪族炭化水素基、シクロヘキシル基、C7-10アルキルシクロヘキシル基、C2-15アルコキシアルキル基、−R31−CO−O−R32、−R31−O−CO−R32、又はC7-10アラルキル基を表す。
31は、2価のC1-8脂肪族炭化水素基を表し、R32は、1価のC1-8脂肪族炭化水素基を表す。
Mは、Cr又はCoを表す。
nは、2〜5の整数を表す。
Dは、ヒドロン、1価の金属カチオン又はキサンテン骨格を有する化合物に由来する1価のカチオンを表す。]
なお本明細書において、Ca-bとは、炭素数がa以上、b以下であることを意味する。
式(A−I)で表される化合物は、スルホ基、スルファモイル基、N−置換スルファモイル基を有することにより、水溶性及び油溶性を兼ね備えることができる。油溶性を向上させるために、式(A−I)中、R〜Rのいずれか1つ及びR14〜R18のいずれか1つ、R及びR16が、それぞれ独立に、−SONHR211又は−SO -であり、R211が水素原子又は炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。
式(A−I)で表される化合物は、ニトロ基を有することにより、耐熱性を向上することができる。そのため、R〜R、R〜R15、R17及びR18のうち少なくとも1個がニトロ基であることが好ましい。
前記のC1-8脂肪族炭化水素基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、デキシル基、1−メチルブチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1,5−ジメチルヘキシル基、1,6−ジメチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基及び1,1,5,5−テトラメチルヘキシル基が挙げられる。
7-10アルキルシクロヘキシル基としては、2−メチルシクロヘキシル基、2−エチルシクロヘキシル基、2−n−プロピルシクロヘキシル基、2−イソプロピルシクロヘキシル基、2−n−ブチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシルキ基、4−エチルシクロヘキシル基、4−n−プロピルシクロヘキシル基、4−イソプロピルシクロヘキシル基、4−n−ブチルシクロヘキシル基などが挙げられる。
2-15アルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、メトキシペンチル基、1−エトキシプロピル基、2−エトキシプロピル基、1−エトキシ−1−メチルエチル基、2−エトキシ−1−メチルエチル基、1−イソプロポキシプロピル基、2−イソプロポキシプロピル基、1−イソプロポキシ−1−メチルエチル基、2−イソプロポキシ−1−メチルエチル基、オクチルオキシプロピル基、3−エトキシプロピル基、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル基などが挙げられ、好ましくは1−エトキシプロピル基、オクチルオキシプロピル基、3−エトキシプロピル基、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル基が挙げられる。
−R31−CO−O−R32及び−R31−O−CO−R32(R31は、2価のC1-8脂肪族炭化水素基を表し、R32は、1価のC1-8脂肪族炭化水素基を表す。)は、カルボキシ基を有するC2-9脂肪族炭化水素基と、ヒドロキシ基を有するC1-8脂肪族炭化水素との脱水縮合により得られるエステル結合を有する基や、ヒドロキシ基を有するC1-8脂肪族炭化水素基と、カルボキシ基を有するC2-9脂肪族炭化水素との脱水縮合により得られるエステル結合を有する基である。−R31−CO−O−R32及び−R31−O−CO−R32の炭素数は、4〜10であることが好ましい。
前記のカルボキシ基を有するC2-9脂肪族炭化水素としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸などが挙げられ、好ましくは酢酸、プロピオン酸、酪酸が挙げられる。
前記のカルボキシ基を有するC2-9脂肪族炭化水素基としては、前記のカルボキシ基を有するC2-9脂肪族炭化水素から水素原子を1個除いたものが挙げられる。
前記のヒドロキシ基を有するC1-8脂肪族炭化水素としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、1−メチル−n−ブタノール、2−メチル−n−ブタノール、3−メチル−n−ブタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノールなどが挙げられ、好ましくはメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールが挙げられる。
前記のヒドロキシ基を有するC1-8脂肪族炭化水素基は、前記のヒドロキシ基を有するC1-8脂肪族炭化水素から水素原子を1個除いたものが挙げられる。
前記のカルボキシ基を有するC2-9脂肪族炭化水素基と、ヒドロキシ基を有するC1-8脂肪族炭化水素との脱水縮合により得られるエステル結合を有する炭素数4〜10の基としては、酢酸プロピル基、酢酸ブチル基、酢酸ペンチル基、酢酸へキシル基、酢酸へプチル基、酪酸エチル基、酪酸イソプロピル基、酪酸ブチル基、酪酸ペンチル基、酪酸へキシル基、酪酸へプチル基、酪酸オクチル基、吉草酸メチル基、吉草酸エチル基、吉草酸イソプロピル基、吉草酸イソブチル基、吉草酸ペンチル基、吉草酸ヘキシル基、吉草酸へプチル基、カプロン酸メチル基、カプロン酸エチル基、カプロン酸プロピル基、カプロン酸ブチル基、カプロン酸ヘキシル基、エナント酸メチル基、エナント酸エチル基、エナント酸イソプロピル基、エナント酸イソブチル基、エナント酸ペンチル基、カプリル酸メチル基、カプリル酸エチル基、カプリル酸プロピル基、カプリル酸イソプロピル基、カプリル酸ブチル基、カプリル酸イソブチル基、ペラルゴン酸メチル基、ペラルゴン酸エチル基、ペラルゴン酸プロピル基、ペラルゴン酸イソプロピル基などが挙げられ、好ましくは酢酸プロピル基、酢酸ブチル基、酪酸エチル基、酪酸ブチル基、酪酸ペンチル基、酢酸へキシル基、吉草酸メチル基、吉草酸エチル基、吉草酸イソプロピル基、吉草酸イソブチル基が挙げられる。
また、前記のカルボキシ基を有するC2-9脂肪族炭化水素基やカルボキシ基を有するC2-9脂肪族炭化水素において、該カルボキシ基を、−CO−Cl基に代えることにより、ヒドロキシ基を有するC1-8脂肪族炭化水素やヒドロキシ基を有するC1-8脂肪族炭化水素基との脱塩酸縮合によって、エステル結合を有する炭素数4〜10の基を得ることもできる。
7-10アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基及び1−メチル−3−フェニルプロピル基が挙げられる。
Dで表される1価の金属カチオンとしては、リチウムカチオン、ナトリウムカチオン、カリウムカチオンなどが挙げられる。
Dで表されるキサンテン骨格を有する化合物に由来する1価のカチオンとしては、式(A−II)で表されるカチオンが挙げられる。
Figure 2010170117
[式(A−II)中、R22〜R26は、それぞれ独立に、水素原子、C1-6脂肪族炭化水素基又は置換されていてもよいC6-10芳香族炭化水素基を表す。]
1-6脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、3−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基などが挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基が挙げられる。
置換されていてもよいC6-10芳香族炭化水素としては、フェニル基、o−トルイル基、m−トルイル基、p−トルイル基、ナフチル基などが挙げられる。
式(A−II)中、R22〜R26は任意に組合せることができるが、好ましくはR22及びR24が水素原子、R23及びR25がエチル基、R26がメチル基である組合せ、R22及びR24が水素原子、R23及びR25がエチル基、R26がエチル基である組合せが挙げられる。
式(A−I)で表される化合物は、キサンテン骨格を有する化合物に由来する1価のカチオンを有することにより、明度を向上することができる。そのため、Dとしては、キサンテン骨格を有する化合物に由来する1価のカチオンであることが好ましい。
式(A−I)で表される化合物として、好ましくは式(A−I−1)〜式(A−I−4)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2010170117
着色剤(A)中の、式(A−I)で表される化合物の含有量は、着色剤(A)に対して25%〜99%であることが好ましく、25%〜80%であることがより好ましい。
着色剤(A)中の式(A−I)で表される化合物の含有量が前記の範囲にあると、透過スペクトルの最適化が容易である上、高コントラスト、高明度を得るために良好であり、さらに耐熱性、耐薬品性が良好であることから好ましい。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、着色剤(A)を含み、着色剤(A)は、黄色染料を含有する。
黄色染料が、アゾ骨格を有する化合物を含む染料であることが好ましい。
黄色染料としては、式(I)で表される化合物(以下「化合物(I)」という場合がある)及びその塩からなる群から選択される少なくとも1種を含有する染料が挙げられる。
Figure 2010170117
[式(I)中、R41〜R44は、それぞれ独立に、水素原子、C1-10飽和脂肪族炭化水素基又はカルボキシ基を表す。
45〜R52は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、C1-10飽和脂肪族炭化水素基、ハロゲン化C1-10飽和脂肪族炭化水素基、C1-8アルコキシ基、カルボキシ基、スルホ基、スルファモイル基、又はN−置換スルファモイル基を表す。
53及びR54は、それぞれ独立に、水素原子、シアノ基、カルバモイル基、又はN−置換カルバモイル基を表す。]
41〜R44の飽和脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれでもよい。
飽和脂肪族炭化水素基の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。その炭素数は、1〜10、好ましくは2〜8、より好ましくは3〜6である。飽和脂肪族炭化水素基には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが含まれる。
例えば、色濃度を高めるには、R41〜R44の少なくとも1つ(好ましくは2つ以上)が、炭素数が5以下(好ましくは3以下)の飽和脂肪族炭化水素基(例えば、メチル基、エチル基など)又は水素原子であることが好ましい。
45〜R52のハロゲン原子としては、好ましくはフッ素原子、塩素原子又は臭素原子が挙げられる。
45〜R52の飽和脂肪族炭化水素基は、R41〜R44の場合と同様に、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれでもよく、その炭素数は、1〜10、好ましくは2〜8、より好ましくは3〜6である。R45〜R52の飽和脂肪族炭化水素基の具体例は、R41〜R44の場合と同じである。R45〜R52の飽和脂肪族炭化水素基は、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子により置換されていてもよい。ハロゲン化飽和脂肪族炭化水素基の具体例としては、トリフルオロメチル基などが挙げられる。
45〜R52のアルコキシ基の炭素数は、1〜8、好ましくは1〜4である。このアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、及びtert−ブトキシ基などが挙げられる。
45〜R52のN−置換スルファモイル基は、N−1置換スルファモイル基であることが好ましく、−SO2NHR55で表すことができる。R55は、C1-10飽和脂肪族炭化水素基、C1-8アルコキシ基が置換しているC1-10飽和脂肪族炭化水素基、C6-20アリール基、C7-20アラルキル基、又はC2-10アシル基である。
油溶性(すなわち有機溶剤への溶解性)を高めるために、R45〜R52のうち少なくとも1つは、分枝鎖状脂肪族炭化水素基(好ましくは、tert−ブチル基等の第三級飽和脂肪族炭化水素基)、2個以上のハロゲン原子が結合した飽和脂肪族炭化水素基(好ましくは、トリフルオロメチル基等の3個以上ハロゲン原子が結合した飽和脂肪族炭化水素基)及びN−置換スルファモイル基であることが好ましい。
45〜R52のうち2つ以上(例えばR45〜R48から1つ以上(特に1つ)と、R49〜R52から1つ以上(特に1つ))前記の基であることが好ましく、前記の基の置換位置は、アゾ基に対してメタ位又はオルト位であることがより好ましい。
嵩高い基であると、アゾ色素のビフェニル部位のスタッキングを低減でき、油溶性を高めることができる。さらに置換位置がアゾ基に対してオルト位であると、アゾ基を保護でき、耐光性を高めることもできる。
45〜R52の少なくとも1つが、N−置換スルファモイル基でることが好ましく、R45〜R48の少なくとも1つ、並びにR49〜R52の少なくとも1つがN−置換スルファモイル基であることがより好ましく、R45及びR48の少なくとも1つ、並びにR49及びR52の少なくとも1つが、N−置換スルファモイル基であることが特に好ましい。
55の飽和脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれでもよい。飽和脂肪族炭化水素基の炭素数には置換基の炭素数は含まれず、その数は、1〜10、好ましくは6〜10であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、メチルブチル基(1,1,3,3−テトラメチルブチル基など)、メチルヘキシル基(1,5−ジメチルヘキシル基など)、エチルヘキシル基(2−エチルヘキシル基など)、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基(2−メチルシクロヘキシル基など)、シクロヘキシルアルキル基などが挙げられる。R55の飽和脂肪族炭化水素基は、前述した通り、C1-8(好ましくはC1-4)アルコキシ基などの置換基で置換されていてもよい。
この置換飽和脂肪族炭化水素基としては、プロポキシプロピル基(3−(イソプロポキシ)プロピル基など)などが例示できる。
55のアリール基は、無置換であってもよく、飽和脂肪族炭化水素基又はヒドロキシ基などの置換基を有していてもよい。前記アリール基の炭素数は、置換基の炭素数を含めて数えられ、6〜20、好ましくは6〜10である。これら置換基を有していてもよいアリール基としては、例えばフェニル基、ヒドロキシフェニル基(4−ヒドロキシフェニル基など)、トリフルオロメチルフェニル基(4−トリフルオロメチルフェニル基など)などの無置換又は置換フェニル基などが挙げられる。
55のアラルキル基のアルキル部分は、直鎖状又は分枝鎖状のいずれでもよい。
アラルキル基の炭素数は、7〜20、好ましくは7〜10である。このアラルキルとしては、ベンジル基、フェニルプロピル基(1−メチル−3−フェニルプロピル基など)、フェニルブチル基(3−アミノ−1−フェニルブチル基など)などのフェニルアルキル基が挙げられる。
55のアシル基は、無置換であってもよく、飽和脂肪族炭化水素基、アルコキシ基などの置換基が結合していてもよい。アシル基の炭素数は、置換基の炭素数を含めて数えられ、その数は、2〜10、好ましくは6〜10である。前記アシル基は、例えばアセチル基、ベンゾイル基、メトキシベンゾイル基(p−メトキシベンゾイル基など)などが挙げられる。
55は、色濃度、油溶性などをより一層高めるために、例えば、メチルブチル基(1,1,3,3−テトラメチルブチル基など)、メチルへキシル基(1,5−ジメチルへキシル基など)、エチルへキシル基(2−エチルヘキシル基など)、メチルシクロへキシル基(2−メチルシクロヘキシル基など)、フェニルブチル基(3−アミノ−1−フェニルブチル基など)などの分枝鎖状飽和脂肪族炭化水素基、又はアラルキル基が好ましい。
53及びR54のカルバモイル基及びN−置換カルバモイル基は、−CON(R56)R57の構造式(式中、R56及びR57は、それぞれ独立に、水素原子、C1-10飽和脂肪族炭化水素基、C1-8アルコキシ基が置換しているC1-10飽和脂肪族炭化水素基、C6-20アリール基、C7-20アラルキル基、又はC2-10アシル基を表す。)である。R56及びR57の飽和脂肪族炭化水素基、アリール基、アラルキル基及びアシル基としては、R55について上述したものと同じものが挙げられる。但しアシル基の具体例として、さらにハロゲン原子を含有するベンゾイル基、例えばブロモベンゾイル基(p−ブロモベンゾイル基など)なども挙げられる。R53及びR54の少なくとも1つが、−CON(R56)R57基であることが好ましい。
また色濃度を高めるには、R56及びR57の少なくとも1つ(好ましくは両方)が、炭素数が3以下の飽和脂肪族炭化水素基(例えばメチル基、エチル基など、特にメチル基)、又は水素原子であることが好ましい。
化合物(I)を2種以上併用すると、その1種を単独で用いる場合よりも、有機溶媒への溶解性(油溶性)が高い。油溶性が高くなる傾向にあるため、液晶表示装置に用いられる色素として、化合物(I)の2種以上の組合せを用いることも好ましい。油溶性が向上する組合せの例として、2つのN−置換スルファモイル基を有する化合物(I)(ジスルホンアミド)と、1つのN−置換スルファモイル基及び1つのスルホ基を有する化合物(I)(モノスルホンアミド)との組合せが挙げられる。このような組合せの中でも、R45〜R48のうちの1つ並びにR49〜R52のうちの1つがN−置換スルファモイル基であり、残りが水素原子であるジスルホンアミドと、R45〜R48のうちの1つがN−置換スルファモイル基であり、R49〜R52のうちの1つがスルホ基であり、残りが水素原子であるモノスルホンアミドとの組合せが好ましい。モノスルホンアミドはジスルホンアミドと比較して分子量が低い為、色濃度が高くなる傾向にあることから特に好ましい。
式(I)の好ましい例としては、式(I−1)〜式(I−10)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2010170117
Figure 2010170117
Figure 2010170117
さらに式(I)の好ましい例には、式(I−A)で表されるような、R45〜R48の少なくとも1つ、並びにR49〜R52の少なくとも1つが、−SO2NHR55基であり、残りの6つが水素原子である化合物も含まれる。
Figure 2010170117
式(I−A)の好ましい例としては、式(I−11)〜式(I−18)が挙げられる。
Figure 2010170117
Figure 2010170117
化合物(I)の塩としては、R45〜R52がスルホ基の場合のスルホン酸塩、R45〜R52がカルボキシ基の場合のカルボン酸塩が挙げられる。またこれら塩を形成するカチオンは特に限定されないが、溶媒に対する溶解性を考慮すると、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩;アンモニウム塩;及びエタノールアミン塩、アルキルアミン塩のような有機アミン塩などが好ましい。特に、有機アミン塩は、樹脂硬化性化合物に含有させる場合に有用であり、さらには非金属塩であるため、絶縁性が重要視される分野でも有用である。
化合物(I)は、染料分野でよく知られているように、ジアゾニウム塩とピリドン類とをカップリングすることにより製造できる。例えば式(Ia)で表されるベンジジン化合物(ジアゾ成分)を亜硝酸、亜硝酸塩又は亜硝酸エステルによりジアゾ化することによって得られる式(Ib)の化合物を、前記ジアゾニウム塩として使用できる(式(Ia)及び(Ib)中、R45〜R52は、前記と同じ意味を表す)。
Figure 2010170117
Figure 2010170117
そしてジアゾニウム塩(Ib)と、式(Ic)及び/又は(Id)で表されるピリドン類(カップリング成分)とを、通常、水性溶媒中20〜60℃で反応させることにより、化合物(I)を製造することができる(式(Ic)及び(Id)中、R41〜R44、R53及びR54は、前記と同じ意味を表す。なお、式(Ic)及び(Id)とは、同一であってもよい。)。
Figure 2010170117
式(I)においてR45〜R52の少なくとも1つがN−置換スルファモイル基である化合物(以下、「スルホンアミド化合物(I)」という)は、N−置換スルファモイル基を有する化合物(Ia)を用いることによっても製造できるが、スルホ基を有する化合物(Ia)を用いてカップリング反応を行った後に、スルホ基をスルホンアミド化して製造することが好ましい。例えば式(I)においてR45〜R52の少なくとも1つがスルホ基である化合物(以下、「アゾスルホン酸(I)」という)を合成しておき、ハロゲン化チオニル化合物によってスルホ基(−SO3H)をスルホニルハライド(−SO2X;Xはハロゲン原子)してスルホニルハライド化合物を得て、次いでスルホニルハライド化合物とアミンとを反応させることによって、スルホ基をスルホンアミド化して、スルホンアミド化合物(I)を得ることができる。
アゾスルホン酸(I)の好ましい例には、式(I−1)〜(I−7)、(I−9)及び(I−10)で表される化合物が挙げられ、特に好ましい例としては、式(I−1)〜(I−3)、(I−9)及び(I−10)で表される化合物が挙げられる。ハロゲン化チオニル化合物としては、弗化チオニル、塩化チオニル、臭化チオニル、沃化チオニルなどが挙げられ、好ましくは塩化チオニル、臭化チオニルなどが挙げられ、特に好ましくは塩化チオニルが挙げられる。ハロゲン化チオニルの使用量は、アゾスルホン酸(I)1モルに対して、例えば、1〜10モル程度である。なお反応系中に水が持ち込まれる場合は、ハロゲン化チオニル化合物を過剰に使用することが好ましい。
スルホニルハライド化は、溶媒中で行われる。溶媒としては、例えば、1,4−ジオキサンなどのエーテル類(特に好ましくは環状エーテル類);クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、ジクロロプロパン、塩化アミル、1,2−ジブロモエタンなどのハロゲン化炭化水素類などが使用できる。溶媒の使用量は、アゾスルホン酸(I)1質量部に対して、例えば、3質量部以上(好ましくは5質量部以上)、10質量部以下(好ましくは8質量部以下)程度である。
またスルホニルハライド化では、N,N−ジアルキルホルムアミド(例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなど)を併用することが好ましい。N,N−ジアルキルホルムアミドを用いる場合、その使用量は、ハロゲン化チオニル化合物1モルに対して、例えば、0.05〜1モル程度である。アゾスルホン酸(I)とN,N−ジアルキルホルムアミドとを溶媒中で予め混合した後、ハロゲン化チオニル化合物を添加すると、発熱を抑制することができる。
スルホニルハライド化における反応温度は、例えば、0℃以上(好ましくは30℃以上)、70℃以下(好ましくは60℃以下)である。反応時間は、例えば、0.5時間以上(好ましくは3時間以上)、8時間以下(好ましくは5時間以下)程度である。
上記のようにして調製されたスルホニルハライド化合物は、単離してからアミンと反応させてもよく、単離することなく反応混合物のままでアミンと反応させてもよい。なお単離する場合には、例えば、反応混合物と水とを混合し、析出した結晶を濾取すればよい。取得したスルホニルハライド化合物の結晶は、アミンとの反応前に、必要に応じて水洗及び乾燥してもよい。なお本明細書では、このアミンを、後述の塩基性触媒と区別するため、以下、反応性アミンという場合がある。
反応性アミンとしては、例えば、1級アミンが挙げられ、この1級アミンは、式H2N−R55で表わされる(R55は前記と同じ)。
2N−R55の具体例には、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、n−ヘキシルアミン、ジメチルヘキシルアミン(1,5−ジメチルヘキシルアミンなど)、テトラメチルブチルアミン(1,1,3,3−テトラメチルブチルアミンなど)、エチルヘキシルアミン(2−エチルヘキシルアミンなど)、アミノフェニルブタン(3−アミノ−1−フェニルブタンなど)、イソプロポキシプロピルアミンなどが含まれる。反応性アミンの使用量は、スルホニルハライド化合物1モルに対して、3モル以上、10モル以下(好ましくは7モル以下)程度である。
スルホニルハライド化合物と反応性アミンとの添加順は特に限定されないが、スルホニルハライド化合物に反応性アミンを添加(滴下)することが好ましい。またスルホニルハライド化合物と反応性アミンとの反応は、溶媒中で行う。溶媒としては、スルホニルハライド化合物を調製するときと同様の溶媒が挙げられる。
またスルホニルハライドと反応性アミンとの反応は、好ましくは、塩基性触媒の存在下で行われる。塩基性触媒としては、例えば3級アミン(特にトリエチルアミン、トリエタノールアミンなどの脂肪族第三級アミン)、ピリジン、メチルピリジンなどのピリジン塩基等が挙げられる。これらの中でも、第三級アミン、特にトリエチルアミンなどの脂肪族第三級アミンが好ましい。塩基性触媒の使用量は、反応性アミン(スルホニルハライドと反応させる前記アミン)に対して、1.1モル以上、6モル以下(好ましくは5モル以下)程度である。
スルホニルハライド化合物に反応性アミンと塩基性触媒とを添加する場合、塩基性触媒の添加タイミングは特に限定されず、反応性アミンの添加前及び添加後のどちらであってもよく、反応性アミンと同じタイミングで添加してもよい。また反応性アミンと予め混合してから添加してもよく、反応性アミンとは別に添加してもよい。
スルホニルハライド化合物と反応性アミンとの反応温度は、例えば、0℃以上、50℃以下(好ましくは30℃以下)である。また反応時間は、1〜5時間程度である。
反応混合物から目的化合物であるスルホンアミド化合物(I)を取得する方法は特に限定されず、公知の種々の手法が採用できる。例えば、反応混合物を酸(例えば、酢酸)及び水と共に混合し、析出した結晶を濾取することが好ましい。前記酸と水は、予め酸の水溶液を調製してから、反応混合物を前記水溶液に添加することが好ましい。反応混合物を添加するときの温度は、10℃以上、好ましくは20℃以上50℃以下、好ましくは30℃以下である。また添加後は、同温度で0.5〜2時間程度攪拌することが好ましい。濾取した結晶は、水などで洗浄し、次いで乾燥する。また必要に応じて、再結晶などの公知の手法によってさらに精製してもよい。
黄色染料としては、式(II)で表される化合物(以下「化合物(II)」という場合がある)及びその塩からなる群から選択される少なくとも1種を含有する染料が挙げられる。
Figure 2010170117
〔式(II)中、Z61は、酸素原子又は硫黄原子を表す。
61は、カルボキシ基、スルホ基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を1個又は2個有するフェニル基、或いはスルホ基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を1〜3個有するナフチル基を表す。
61及びR62は、それぞれ独立して、水素原子、C1-10飽和脂肪族炭化水素基、ヒドロキシ基が置換しているC1-10飽和脂肪族炭化水素基、C1-8アルコキシ基が置換しているC1-10飽和脂肪族炭化水素基、C1-8チオアルコキシ基が置換しているC1-10飽和脂肪族炭化水素基、C6-20アリール基、C7-20アラルキル基、又はC2-10アシル基を表す。
63〜R66は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1-10飽和脂肪族炭化水素基、ハロゲン化C1-10飽和脂肪族炭化水素基、C1-8アルコキシ基、カルボキシ基、スルホ基、スルファモイル基又はN−置換スルファモイル基を表す。〕
61のフェニル基はカルボキシ基、スルホ基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を2種有していてもよく、A61のナフチル基は、スルホ基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基2種以上有していてもよい。A61のフェニル基又はナフチル基としては、スルホ基及びN−置換スルファモイル基の一方又は両方を有するものが挙げられ、スルホ基のみ又はN−置換スルファモイル基のみを有するものが好ましい。N−置換スルファモイル基が存在すれば、化合物(II)は、水溶性及び油溶性の両方に優れ、液晶表示装置分野の色素として好ましい。A61が、1つのN−置換スルファモイル基を有するフェニル基又は2つのN−置換スルファモイル基を有するナフチル基であることが好ましく、1つのN−置換スルファモイル基を有するフェニル基であることが特に好ましい。
スルホ基を有するフェニル基A61の具体例として、スルホ基のみを有するもの、例えば1つのスルホ基を有するフェニル基(2−、3−又は4−スルホフェニル基)、2つのスルホ基を有するフェニル基(2,4−ジスルホフェニル基など);スルホ基と1種の他の置換基を有するもの、例えばメチル−スルホフェニル基(4−メチル−2−スルホフェニル基、4−メチル−3−スルホフェニル基、2−メチル−3−スルホフェニル基など)、ジメチル−スルホフェニル基(4,6−ジメチル−2−スルホフェニル基など)、メトキシ−スルホフェニル基(4−メトキシ−2−スルホフェニル基、4−メトキシ−3−スルホフェニル基、2−メトキシ−3−スルホフェニル基、2−メトキシ−4−スルホフェニル基など)、ヒドロキシ−スルホフェニル基(2−ヒドロキシ−3−スルホフェニル基、2−ヒドロキシ−4−スルホフェニル基など;及びスルホ基と2種以上の他の置換基を有するもの、例えばヒドロキシ−ニトロ−スルホフェニル基(2−ヒドロキシ−3−ニトロ−5−スルホフェニル基など)などが挙げられる。これらの中でも、1つのスルホ基を有するフェニル基(モノスルホフェニル基とも言う);及びスルホ基とC1-4飽和脂肪族炭化水素基を有するフェニル基が好ましく、3−スルホフェニル基、4−スルホフェニル基及び4−メチル−3−スルホフェニル基がより好ましく、4−スルホフェニル基が特に好ましい。
スルホ基を有するナフチル基A61の具体例として、1つのスルホ基を有するナフチル基(5−、6−、7−又は8−スルホ−2−ナフチル基、4−、5−、6−又は7−スルホ−1−ナフチル基など)、2つのスルホフェニル基を有するナフチル基(6,8−、4,8−、5,7−又は3,6−ジスルホ−2−ナフチル基、3,6−又は4,6−ジスルホ−1−ナフチル基など)、および3つのスルホ基を有するナフチル基(3,6,8−又は4,6,8−トリスルホ−2−ナフチル基など)などが挙げられる。これらの中でも、2つのスルホフェニル基を有するナフチル基(ジスルホナフチル基とも言う)が好ましく、ジスルホ−2−ナフチル基がより好ましい。
スルファモイル基又はN−置換スルファモイル基を有するフェニル又はナフチル基の例としては、スルホ基を有するフェニル又はナフチル基の例で、スルホ基をスルファモイル基又はN−置換スルファモイル基で置き換えたものが挙げられる。N−置換スルファモイル基としては、例えばN−1置換スルファモイル基が挙げられ、式−SO2NHR67で表すことができる。このR67は、C1-10飽和脂肪族炭化水素基、C1-8アルコキシ基が置換しているC1-10飽和脂肪族炭化水素基、C6-20アリール基、C7-20アラルキル基、又はC2-10アシル基である。
67の飽和脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれでもよい。飽和脂肪族炭化水素基の炭素数には置換基の炭素数は含まれず、その数は、1〜10、好ましくは6〜10である。該飽和脂肪族炭化水素基は、アルコキシ基などの置換基で置換されていてもよい。
67のアリール基は、無置換であってもよく、アルキル基又はヒドロキシ基などの置換基を有していてもよい。前記アリール基の炭素数は、置換基の炭素数を含めて数えられ、6〜20、好ましくは6〜10である。
67のアラルキル基(アリールアルキル基)のアルキル部分は、直鎖状又は分枝鎖状のいずれでもよい。アラルキル基の炭素数は、通常、7〜20、好ましくは7〜10である。
67のアシル基は、無置換であってもよく、飽和脂肪族炭化水素基、アルコキシ基などの置換基を有していてもよい。アシル基の炭素数は、置換基の炭素数を含めて数えられ、その数は、2〜10、好ましくは6〜10である。
67の具体例としては、R55について上述したものと同じものが挙げられる。
67としては、色濃度、油溶性などをより一層高めるために、分枝鎖状飽和脂肪族炭化水素基、又はアラルキル基が好ましい。
61のフェニル基又はナフチル基は、前記必須の置換基(フェニル基の場合、カルボキシ基、スルホ基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基の少なくとも1種、ナフチル基の場合、スルホ基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基の少なくとも1種)以外にも、他の置換基、例えばC1-4飽和脂肪族炭化水素基(メチル基、エチル基など)、C1-4アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基など)、ヒドロキシ基又はニトロ基を、1種または2種以上有していてもよい。
61及びR62の飽和脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれでもよい。飽和脂肪族炭化水素基の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。その炭素数は、1〜10、好ましくは2〜8、より好ましくは3〜6である。飽和脂肪族炭化水素基には、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、エチルヘキシル基(2−エチルヘキシル基など)、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルアルキル基などが含まれる。また飽和脂肪族炭化水素基には、前述した通り、ヒドロキシ基、C1-8(好ましくはC1-4)アルコキシ基、又はC1-8(好ましくはC1-4)チオアルコキシ基などの置換基が置換していてもよい。この置換飽和脂肪族炭化水素基としては、例えばヒドロキシエチル基(2−ヒドロキシエチル基など)、エトキシエチル基(2−エトキシエチル基など)、エチルヘキシルオキシプロピル基(3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル基など)、メチルチオプロピル基(3−メチルチオプロピル基など)などが挙げられる。
61及びR62のアリール基は、無置換であってもよく、飽和脂肪族炭化水素基、アルコキシ基、カルボキシ基、スルホ基又はエステル結合を有する基などの置換基を有していてもよい。
前記アリール基の炭素数は、置換基の炭素数を含めて数えられ、6〜20、好ましくは6〜10である。これらアリール基としては、例えばフェニル基、2−、3−、4−メチルフェニル基、2−、3−、4−スルホフェニル基などの置換又は無置換フェニル基などが挙げられる。
61及びR62のアラルキル基のアルキル部分は、直鎖状又は分枝鎖状のいずれでもよい。アラルキル基の炭素数は、置換基の炭素数を含めて数えられ、7〜20、好ましくは7〜10である。このアラルキル基としては、ベンジル基などのフェニルアルキル基等が挙げられる。
61及びR62のアシル基は、無置換であってもよく、飽和脂肪族炭化水素基、アルコキシ基などの置換基が結合していてもよい。アシル基の炭素数は、置換基の炭素数を含めて数えられ、その数は、通常、2〜10、好ましくは6〜10である。前記アシル基は、例えばアセチル基、ベンゾイル基、メトキシベンゾイル基(p−メトキシベンゾイル基など)などが挙げられる。
色濃度をさらに高めるには、R61及びR62の少なくとも一つ(好ましくは両方)に、炭素数が5以下(好ましくは3以下)の基(例えば、メチル基、エチル基など)か、水素原子を選択することが好ましい。一方、アゾ化合物(II)の油溶性を高めるには、R61及びR62の少なくとも1つ(好ましくは両方)に、炭素数が6以上の基を選択するのが望ましく、特に置換又は無置換アリール基(好ましくはフェニル基)が望ましい。
63〜R66のハロゲン原子としては、好ましくはフッ素、塩素又は臭素原子が挙げられる。
63〜R66の飽和脂肪族炭化水素基は、R61及びR62の場合と同様に、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれでもよく、その炭素数は、1〜10、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜4である。R63〜R66の飽和脂肪族炭化水素基の具体例は、R61及びR62と同じものが挙げられる。R63〜R66の飽和脂肪族炭化水素基は、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子により置換されていてもよい。ハロゲン化飽和脂肪族炭化水素基の具体例としては、トリフルオロメチル基などが挙げられる。
63〜R66のアルコキシ基の炭素数は、1〜8、好ましくは1〜4である。このアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、及びtert−ブトキシ基などが挙げられる。
63〜R66のN−置換スルファモイル基としては、式(II)中のA61と同じものが挙げられる。
61がスルホ基を有するフェニル基又はナフチル基である場合、色濃度を高めるために、好ましくはR63〜R66が水素原子又はC1-4飽和脂肪族炭化水素基であり、より好ましくはR63〜R66のうち1つがC1-4飽和脂肪族炭化水素基(特にメチル基またはエチル基)で、残りが水素原子であり、さらに好ましくはR63〜R66の全てが水素原子である。
色濃度と油溶性を高めるために、R63〜R66のうち1つ又は2つ以上に、トリフルオロメチル基、N−置換スルファモイル基を採用することが好ましい。なお残りのR63〜R66にスルホ基以外の基であると、より一層、油溶性が高まるため好ましい。
耐光性を高めるために、R63〜R66のうち少なくとも1つは、分枝鎖状脂肪族炭化水素基(好ましくは、tert−ブチル基等の第三級飽和脂肪族炭化水素基)、2個以上のハロゲン原子が結合した飽和脂肪族炭化水素基(好ましくは、トリフルオロメチル基等の3個以上ハロゲン原子が結合した飽和脂肪族炭化水素基)及びN−置換スルファモイル基であることが好ましい。
嵩高い基であると、アゾ色素のスタッキングを低減でき、油溶性を高めることができる。さらに置換位置がアゾ基に対してオルト位であると、アゾ基を保護でき、耐光性を高めることもできる。
式(II)のうちで、A61がスルホ基を有する場合の好ましい例としては、式(II−1)〜式(II−10)が挙げられる。
Figure 2010170117
Figure 2010170117
Figure 2010170117
式(II)のうちで、A61がN−置換スルファモイル基を有する場合の好ましい例としては、式(II−11)〜式(II−20)が挙げられる。
Figure 2010170117
Figure 2010170117
Figure 2010170117
化合物(II)の塩としては、スルホン酸塩又はカルボン酸塩などが挙げられる。またこれら塩を形成するカチオンは特に限定されないが、溶媒に対する溶解性が高い傾向にあることから、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩;アンモニウム塩;及びエタノールアミン塩、アルキルアミン塩のような有機アミン塩などが好ましい。有機アミン塩は、樹脂硬化性化合物に含有させる場合に有用であり、さらには非金属塩であるため、絶縁性が重要視される分野でも有用である。
化合物(II)は、染料分野でよく知られているように、ジアゾニウム塩とバルビツル酸又はチオバルビツル酸(以下これらを合わせて「(チオ)バルビツル酸」という)とをカップリングすることにより化合物(I)の製造方法と同様の方法で製造できる。例えば式(IIa)で表されるアミン類(ジアゾ成分)を、亜硝酸、亜硝酸塩又は亜硝酸エステルによりジアゾ化することによって得られる式(IIb)の化合物を、前記ジアゾニウム塩として使用できる(式(IIa)及び(IIb)中、A61及びR63〜R66は、前記と同じ意味を表す)。
Figure 2010170117
Figure 2010170117
そしてジアゾニウム塩(IIb)と、式(IIc)で表される(チオ)バルビツル酸(カップリング成分)とを反応させることにより、化合物(II)を製造することができる(式(IIc)中、R61及びR62は、前記と同じ意味を表す)。
Figure 2010170117
例えば式(II)においてスルホ基を有する化合物(以下、「アゾスルホン酸(II)」という)の好ましい例には、式(II−1)〜(II−10)で表される化合物が挙げられ、特に好ましい例としては、式(II−1)、(II−2)、(II−5)、(II−6)及び(II−9)で表される化合物が挙げられる。
黄色染料としては、式(III)で表される化合物(以下「化合物(III)」という場合がある)及びその塩からなる群から選択される少なくとも1種を含有する染料が挙げられる。
Figure 2010170117
〔式(III)中、Z71及びZ72は、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子を表す。
71〜R74は、それぞれ独立して、水素原子、C1-10飽和脂肪族炭化水素基、ヒドロキシ基が置換しているC1-10飽和脂肪族炭化水素基、C1-8アルコキシ基が置換しているC1-10飽和脂肪族炭化水素基、C1-8チオアルコキシ基が置換しているC1-10飽和脂肪族炭化水素基、C6-20アリール基、C7-20アラルキル基、又はC2-10アシル基を表す。
75〜R82は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1-10飽和脂肪族炭化水素基、ハロゲン化C1-10飽和脂肪族炭化水素基、C1-8アルコキシ基、カルボキシ基、スルホ基、スルファモイル基又はN−置換スルファモイル基を表す。〕
71〜R74の飽和脂肪族炭化水素基は、直鎖状、環状または分枝鎖状のいずれでもよい。飽和脂肪族炭化水素基の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。その炭素数は、1〜10、好ましくは2〜8、より好ましくは3〜6である。該飽和脂肪族炭化水素基は、ヒドロキシ基、C1-8(好ましくはC1-4)アルコキシ基、又はC1-8(好ましくはC1-4)チオアルコキシ基などの置換基を有していてもよい。
該飽和脂肪族炭化水素基の具体例としては、上述したR61及びR62におけるものと同じものが挙げられる。
71〜R74のアリール基は、無置換であってもよく、飽和脂肪族炭化水素基、アルコキシ基、カルボキシ基、スルホ基又はエステル結合を有する基などの置換基を有していてもよい。前記アリール基の炭素数は、置換基の炭素数を含めて数えられ、6〜20、好ましくは6〜10である。これらアリール基としては、例えばフェニル基、2−、3−、4−メチルフェニル基、2−、3−、4−メトキシフェニル基、2−、3−、4−スルホフェニル基、エトキシカルボニルフェニル基(4−(COOC25)Ph基など)などの置換又は無置換フェニル基などが挙げられる。
71〜R74のアラルキル基(アリールアルキル基)のアルキル部分は、直鎖状又は分枝鎖状のいずれでもよい。アラルキル基の炭素数は、置換基の炭素数を含めて数えられ、通常、7〜20、好ましくは7〜10である。該アラルキル基の具体例としては、R61及びR62について上述したものと同じものが挙げられる
71〜R74のアシル基は、無置換であってもよく、飽和脂肪族炭化水素基、アルコキシ基などの置換基が結合していてもよい。アシル基の炭素数は、置換基の炭素数を含めて数えられ、その数は、2〜10、好ましくは6〜10である。該アシル基の具体例としては、R61及びR62について上述したものと同じものが挙げられる
色濃度をさらに高めるには、R71〜R74の少なくとも一つ(好ましくは全部)に、炭素数が5以下(好ましくは3以下)の基(例えば、メチル基、エチル基など)か、水素原子を選択することが好ましい。一方、化合物(III)の油溶性を高めるには、R71〜R74の少なくとも1つ(好ましくは全部)に、炭素数が6以上の基を選択するのが望ましく、特に置換又は無置換アリール基(好ましくはフェニル基)が望ましい。
75〜R82のハロゲン原子としては、好ましくはフッ素原子、塩素原子又は臭素原子が挙げられる。
75〜R82の飽和脂肪族炭化水素基は、R71〜R74の場合と同様に、直鎖状、分枝鎖状または環状のいずれでもよく、その炭素数は、1〜10、好ましくは2〜8、より好ましくは3〜6である。R75〜R82の飽和脂肪族炭化水素基の具体例は、R71〜R74の場合と同じである。R75〜R82の飽和脂肪族炭化水素基は、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子により置換されていてもよい。ハロゲン化飽和脂肪族炭化水素基の具体例としては、トリフルオロメチル基などが挙げられる。
75〜R82のアルコキシ基の炭素数は、1〜8、好ましくは1〜4である。例えば、R63〜R66について上述したものと同じものが挙げられる。
75〜R82のN−置換スルファモイル基は、例えば、N−1置換スルファモイル基であり、式−SO2NHR83基で表すことができる。この式中、R83は、C1-10飽和脂肪族炭化水素基、C1-8アルコキシ基が置換しているC1-10飽和脂肪族炭化水素基、C6-20アリール基、C7-20アラルキル基、又はC2-10アシル基である。
油溶性(すなわち有機溶剤への溶解性)を高めるために、R75〜R82のうち少なくとも1つは、分枝鎖状脂肪族炭化水素基(好ましくは、tert−ブチル基等の第三級飽和脂肪族炭化水素基)、2個以上のハロゲン原子が結合した飽和脂肪族炭化水素基(好ましくは、トリフルオロメチル基等の3個以上ハロゲン原子が結合した飽和脂肪族炭化水素基)及びN−置換スルファモイル基であることが好ましい。
75〜R82のうち2つ以上(例えばR75〜R82から1つ以上(特に1つ)と、R75〜R82から1つ以上(特に1つ))前記の基であることが好ましく、前記の基の置換位置は、アゾ基に対してメタ位又はオルト位であることがより好ましい。
嵩高い基であると、アゾ色素のビフェニル部位のスタッキングを低減でき、油溶性を高めることができる。さらに置換位置がアゾ基に対してオルト位であると、アゾ基を保護でき、耐光性を高めることもできる。
75〜R82の少なくとも1つが、N−置換スルファモイル基でることが好ましく、R75〜R78の少なくとも1つ、並びにR79〜R82の少なくとも1つがN−置換スルファモイル基であることがより好ましく、R75及びR78の少なくとも1つ、並びにR79及びR82の少なくとも1つが、N−置換スルファモイル基であることが特に好ましい。
83の飽和脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分枝鎖状または環状のいずれでもよい。飽和脂肪族炭化水素基の炭素数には置換基の炭素数は含まれず、その数は、1〜10、好ましくは6〜10である。
83のアリール基は、無置換であってもよく、飽和脂肪族炭化水素基又はヒドロキシ基などの置換基を有していてもよい。前記アリール基の炭素数は、置換基の炭素数を含めて数えられ、6〜20、好ましくは6〜10である。
83のアラルキル基のアルキル部分は、直鎖状又は分枝鎖状のいずれでもよい。アラルキル基の炭素数は、7〜20、好ましくは7〜10である。
83のアシル基は、無置換であってもよく、飽和脂肪族炭化水素基、アルコキシ基などの置換基を有していてもよい。アシル基の炭素数は、置換基の炭素数を含めて数えられ、その数は、2〜10、好ましくは6〜10である。
83の具体例としては、R55について上述したものと同じものが挙げられる。
83は、色濃度、油溶性などをより一層高めるために、例えば、メチルブチル基(1,1,3,3−テトラメチルブチル基など)、メチルへキシル基(1,5−ジメチルへキシル基など)、エチルへキシル基(2−エチルヘキシル基など)、メチルシクロへキシル基(2−メチルシクロヘキシル基など)、フェニルブチル基(3−アミノ−1−フェニルブチル基など)などの分枝鎖状飽和脂肪族炭化水素基、又はアラルキル基が好ましい。
化合物(III)は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
化合物(III)を2種以上併用すると、その1種を単独で用いる場合よりも、有機溶媒への溶解性(油溶性)が高い。油溶性が高くなる傾向にあるため、液晶表示装置の色素として、化合物(III)の2種以上の組合せを用いることも好ましい。油溶性が向上する組合せの例として、2つのN−置換スルファモイル基を有する化合物(III)(ジスルホンアミド)と、1つのN−置換スルファモイル基及び1つのスルホ基を有する化合物(III)(モノスルホンアミド)との組合せが挙げられる。このような組合せの中でも、R75〜R78のうちの1つ及びR79〜R82のうちの1つがN−置換スルファモイル基であり、残りが水素原子であるジスルホンアミドと、R75〜R78のうちの1つがN−置換スルファモイル基であり、R79〜R82のうちの1つがスルホ基であり、残りが水素原子であるモノスルホンアミドとの組合せが好ましい。モノスルホンアミドはジスルホンアミドと比較して分子量が低い為、色濃度が高くなる傾向にあるから特に好ましい。
N−置換スルファモイル基を有する化合物(III)の中でも、式(III−A)で表されるような、R75〜R78の少なくとも1つ、並びにR79〜R82の少なくとも1つが、−SO2NHR83基であり、残りが水素原子である化合物が好ましい。
Figure 2010170117
式(III)の好ましい例には、式(III−1)〜式(III−13)が挙げられる。
Figure 2010170117
Figure 2010170117
Figure 2010170117
Figure 2010170117
Figure 2010170117
式(III)の好ましい例としては、式(III−14)〜式(III−20)が挙げられる。
Figure 2010170117
Figure 2010170117
化合物(III)の塩としては、R75〜R82がスルホ基の場合のスルホン酸塩、R75〜R82がカルボキシ基の場合のカルボン酸塩が挙げられる。またこれら塩を形成するカチオンは特に限定されないが、溶媒に対する溶解性を考慮すると、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩;アンモニウム塩;及びエタノールアミン塩、アルキルアミン塩のような有機アミン塩などが好ましい。特に、有機アミン塩は、樹脂硬化性化合物に含有させる場合に有用であり、さらには非金属塩であるため、絶縁性が重要視される分野でも有用である。
化合物(III)は、染料分野でよく知られているように、ジアゾニウム塩とバルビツル酸又はチオバルビツル酸(以下これらを合わせて「(チオ)バルビツル酸」という)とをカップリングすることにより化合物(I)の製造方法と同様の方法で製造できる。例えば式(IIIa)で表されるベンジジン化合物(ジアゾ成分)を、亜硝酸、亜硝酸塩又は亜硝酸エステルによりジアゾ化することによって得られる式(IIIb)の化合物を、前記ジアゾニウム塩として使用できる(式(IIIa)及び(IIIb)中、R75〜R82は、前記と同じ意味を表す)。
Figure 2010170117
Figure 2010170117
そしてジアゾニウム塩(IIIb)と、式(IIIc)及び式(IIId)で表される(チオ)バルビツル酸(カップリング成分)とを反応させることにより、化合物(III)を製造することができる(式(IIIc)及び式(IIId)中、R84及びR85は、前記R71〜R74と同じものを表す)。
Figure 2010170117
例えば式(I)においてR75〜R82の少なくとも1つがスルホ基である化合物(以下、「アゾスルホン酸(I)」という)の好ましい例には、式(III−1)及び(III−3)〜(III−13)で表される化合物が挙げられ、特に好ましい例としては、式(III−1)、(III−3)、(III−4)、(III−5)、(III−7)で表される化合物が挙げられる。
黄色染料としては、式(IV)で表される化合物(以下「化合物(IV)」という場合がある)及びその塩からなる群から選択される少なくとも1種を含有する染料が挙げられる。
Figure 2010170117
〔式(IV)中、A91は、カルボキシ基、スルホ基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を1個又は2個有するフェニル基、或いはスルホ基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を1〜3個有するナフチル基を表す。
91は、水素原子、カルバモイル基、N−置換カルバモイル基又はシアノ基を表す。
92及びR93は、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6飽和脂肪族炭化水素基を表す。
94〜R97は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1-10飽和脂肪族炭化水素基、ハロゲン化C1-10飽和脂肪族炭化水素基、C1-8アルコキシ基、カルボキシ基、スルホ基、スルファモイル基又はN−置換スルファモイル基を表す。〕
91のフェニル基はカルボキシ基、スルホ基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を2種以上有していてもよく、A91のナフチル基は、スルホ基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を2種以上有していてもよい。A91のフェニル基又はナフチル基としては、スルホ基及びN−置換スルファモイル基の一方又は両方を有するものが挙げられ、スルホ基のみ、又はN−置換スルファモイル基のみを有するものが好ましい。N−置換スルファモイル基が存在すれば、化合物(IV)は、水溶性及び油溶性の両方に優れ、液晶表示装置分野の色素として好ましい。A91が、1つのN−置換スルファモイル基を有するフェニル基又は2つのN−置換スルファモイル基を有するナフチル基であることが好ましく、1つのN−置換スルファモイル基を有するフェニル基であることが特に好ましい。
91の具体例としては、A61について上述したものと同じものが挙げられる。
スルファモイル基又はN−置換スルファモイル基を有するフェニル又はナフチル基の例としては、スルホ基を有するフェニル又はナフチル基の例で、スルホ基をスルファモイル基又はN−置換スルファモイル基で置き換えたものが挙げられる。N−置換スルファモイル基としては、例えばN−1置換スルファモイル基が挙げられ、式−SO2NHR98で表すことができる。このR98は、C1-10飽和脂肪族炭化水素基、C1-8アルコキシ基が置換しているC1-10飽和脂肪族炭化水素基、C6-20アリール基、C7-20アラルキル基、又はC2-10アシル基である。
98としては、R55について上述したものと同じものが挙げられる。
91のフェニル基又はナフチル基は、前記必須の置換基(フェニル基の場合、カルボキシ基、スルホ基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基の少なくとも1種、ナフチル基の場合スルホ基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基の少なくとも1種)以外にも、他の置換基、例えばC1-4飽和脂肪族炭化水素基(メチル基、エチル基など)、C1-4アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基など)、ヒドロキシ基又はニトロ基を、1種又は2種以上有していてもよい。
92及びR93の飽和脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれでもよい。飽和脂肪族炭化水素基の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。その炭素数は、1〜6、好ましくは1〜4、より好ましくは1又は2である。飽和脂肪族炭化水素基には、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが含まれる。色濃度が高くなる傾向にあるため、R92及びR93は、水素原子又は炭素数が4以下(殊に2以下)の飽和脂肪族炭化水素基が好ましい。R92の飽和脂肪族炭化水素基は、色濃度及び入手容易性から、好ましくはメチル基又はエチル基、より好ましくはメチル基である。R93の飽和脂肪族炭化水素基は、色濃度及び入手容易性から、好ましくはC2-4飽和脂肪族炭化水素基であり、より好ましくはエチル基又はn−ブチル基であり、さらに好ましくはエチル基である。
94〜R97のハロゲン原子としては、好ましくはフッ素、塩素又は臭素原子が挙げられる。
94〜R97の飽和脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれでもよく、その炭素数は、1〜10、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜4である。
94〜R97のアルコキシ基の炭素数は、1〜8、好ましくは1〜4である
94〜R97の具体例としては、R63〜R66について上述したものと同じものが挙げられる。
91がスルホ基を有するフェニル基又はナフチル基である場合、色濃度を高めるために、好ましくはR94〜R97が水素原子又はC1-4飽和脂肪族炭化水素基であり、より好ましくはR94〜R97のうち2つ(特に1つ)がC1-4飽和脂肪族炭化水素基(特にメチル基又はエチル基)で、残りが水素原子であり、さらに好ましくはR94〜R97の全てが水素原子である。
色濃度と油溶性を高めるために、R94〜R97のうち1つ又は2つ以上に、トリフルオロメチル基、N−置換スルファモイル基を採用することが好ましい。なお残りのR94〜R97にスルホ基以外の基であると、より一層、油溶性が高まるため好ましい。
耐光性を高めるために、R94〜R97のうち少なくとも1つは、分枝鎖状脂肪族炭化水素基(好ましくは、tert−ブチル基等の第三級飽和脂肪族炭化水素基)、2個以上のハロゲン原子が結合した飽和脂肪族炭化水素基(好ましくは、トリフルオロメチル基等の3個以上ハロゲン原子が結合した飽和脂肪族炭化水素基)及びN−置換スルファモイル基であることが好ましい。
嵩高い基であると、アゾ色素のスタッキングを低減でき、油溶性を高めることができる。さらに置換位置がアゾ基に対してオルト位であると、アゾ基を保護でき、耐光性を高めることもできる。
式(IV)のうちで、A91がスルホ基を有する場合の好ましい例としては、式(IV−1)〜式(IV−11)が挙げられる。
Figure 2010170117
Figure 2010170117
Figure 2010170117
式(IV)のうちで、A91がN−置換スルファモイル基を有する場合の好ましい例としては、式(IV−12)〜式(IV−19)が挙げられる。
Figure 2010170117
Figure 2010170117
化合物(IV)の塩としては、スルホン酸塩又はカルボン酸塩などが挙げられる。またこれら塩を形成するカチオンは特に限定されないが、溶媒に対する溶解性が高い傾向にあることから、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩;アンモニウム塩;及びエタノールアミン塩、アルキルアミン塩のような有機アミン塩などが好ましい。有機アミン塩は、樹脂硬化性化合物に含有させる場合に有用であり、さらには非金属塩であるため、絶縁性が重要視される分野でも有用である。
化合物(IV)は、染料分野でよく知られているように、ジアゾニウム塩とピリドン類とをカップリングすることにより化合物(I)の製造方法と同様の方法で製造できる。例えば式(IVa)で表されるアミン類(ジアゾ成分)を、亜硝酸、亜硝酸塩又は亜硝酸エステルによりジアゾ化することによって得られる式(IVb)の化合物を、前記ジアゾニウム塩として使用できる(式(IVa)及び(IVb)中、A91及びR94〜R97は、前記と同じ意味を表す)。
Figure 2010170117
Figure 2010170117
そしてジアゾニウム塩(IVb)と、式(IVc)で表されるピリドン類(カップリング成分)とを反応させることにより、化合物(IV)を製造することができる(式(IVc)中、R91〜R93は、前記と同じ意味を表す)。
Figure 2010170117
例えば式(IV)においてスルホ基を有する化合物(以下、「アゾスルホン酸(IV)」という)の好ましい例には、式(IV−1)〜(IV−11)で表される化合物が挙げられ、特に好ましい例としては、式(IV−1)、(IV−2)、(IV−5)、(IV−6)、(IV−8)、(IV−9)及び(IV−11)で表される化合物が挙げられる。
黄色染料としては、式(V)で表される化合物(以下「化合物(V)」という場合がある)及びその塩からなる群から選択される少なくとも1種を含有する染料が挙げられる。
Figure 2010170117
〔式(V)中、A101は、カルボキシ基、スルホ基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を1個又は2個有するフェニル基、或いはスルホ基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を1〜3個有するナフチル基を表す。
101及びR102は、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6飽和脂肪族炭化水素基を表す。
103及びR104は、それぞれ独立して、水素原子、C1-10飽和脂肪族炭化水素基、C1-8アルコキシ基が置換しているC1-10飽和脂肪族炭化水素基、C6-20アリール基、C7-20アラルキル基、又はC2-10アシル基を表す。〕
101のフェニル基はカルボキシ基、スルホ基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を2種以上有していてもよく、A101のナフチル基は、スルホ基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を2種以上有していてもよい。A101のフェニル基又はナフチル基としては、スルホ基及びN−置換スルファモイル基の一方又は両方を有するものが挙げられ、スルホ基のみ又はN−置換スルファモイル基のみを有するものが好ましい。N−置換スルファモイル基が存在すれば、化合物(V)は、水溶性及び油溶性の両方に優れ、液晶表示装置分野の色素として好ましい。A101が、1つのN−置換スルファモイル基を有するフェニル基又は2つのN−置換スルファモイル基を有するナフチル基であることが好ましく、1つのN−置換スルファモイル基を有するフェニル基であることが特に好ましい。
スルホ基を有するフェニル基A101の具体例として、スルホ基とカルボキシ基とを有するもの、即ちカルボキシ−スルホフェニル基(2−カルボキシ−4−スルホフェニルなど);スルホ基のみを有するもの、例えば1つのスルホ基を有するフェニル基(2−、3−又は4−スルホフェニル基)、2つのスルホ基を有するフェニル基(2,4−ジスルホフェニル基など);スルホ基と1種の他の置換基を有するもの、例えばメチル−スルホフェニル基(4−メチル−2−スルホフェニル基、4−メチル−3−スルホフェニル基、2−メチル−3−スルホフェニル基、2−メチル−5−スルホフェニル基など)、ジメチル−スルホフェニル基(4,6−ジメチル−2−スルホフェニル基、2,4−ジメチル−6−スルホフェニル基など)、メトキシ−スルホフェニル基(4−メトキシ−2−スルホフェニル基、4−メトキシ−3−スルホフェニル基、2−メトキシ−3−スルホフェニル基、2−メトキシ−4−スルホフェニル基など)、ヒドロキシ−スルホフェニル基(2−ヒドロキシ−3−スルホフェニル基、2−ヒドロキシ−4−スルホフェニル基、2−ヒドロキシ−5−スルホフェニル基など);及びスルホ基と2種以上の他の置換基を有するもの、例えばヒドロキシ−ニトロ−スルホフェニル基(2−ヒドロキシ−3−ニトロ−5−スルホフェニル基など)などが挙げられる。これらの中でも色濃度及び水溶性の観点から、1つのスルホ基を有するフェニル基(モノスルホフェニル基とも言う);スルホ基とヒドロキシ基を有するフェニル基;スルホ基とメチル基を有するフェニル基;及びスルホ基とメトキシ基を有するフェニル基が好ましく、3−スルホフェニル基、4−スルホフェニル基及び4−メチル−3−スルホフェニル基がより好ましく、4−スルホフェニル基が特に好ましい。
スルホ基を有するナフチル基A101の具体例として、1つのスルホ基を有するナフチル基(5−、6−、7−又は8−スルホ−2−ナフチル基、4−、5−、6−又は7−スルホ−1−ナフチル基など)、2つのスルホフェニル基を有するナフチル基(6,8−、4,8−、5,7−又は3,6−ジスルホ−2−ナフチル基、3,6−又は4,6−ジスルホ−1−ナフチル基など)、および3つのスルホ基を有するナフチル基(3,6,8−又は4,6,8−トリスルホ−2−ナフチル基など)などが挙げられる。これらの中でも、2つのスルホフェニル基を有するナフチル基(ジスルホナフチル基とも言う)が好ましく、ジスルホ−2−ナフチル基がより好ましく、6,8−ジスルホ−2−ナフチル基がさらに好ましい。
スルファモイル基又はN−置換スルファモイル基を有するフェニル又はナフチル基の例としては、スルホ基を有するフェニル又はナフチル基の例で、スルホ基をスルファモイル基又はN−置換スルファモイル基で置き換えたものが挙げられる。N−置換スルファモイル基としては、例えばN−1置換スルファモイル基が挙げられ、式−SO2NHR105で表すことができる。このR105は、C1-10飽和脂肪族炭化水素基、C1-8アルコキシ基が置換しているC1-10飽和脂肪族炭化水素基、C6-20アリール基、C7-20アラルキル基、又はC2-10アシル基である。
105としては、R55について上述したものと同じものが挙げられる。
前記R105としては、色濃度、油溶性などをより一層高めるために、分枝鎖状飽和脂肪族炭化水素基、又はアラルキル基が好ましい。
101のフェニル基又はナフチル基は、前記必須の置換基(フェニル基の場合、カルボキシ基、スルホ基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基の少なくとも1種、ナフチル基の場合スルホ基、スルファモイル基及びN−置換スルファモイル基の少なくとも1種)以外にも、他の置換基、例えばC1-4飽和脂肪族炭化水素基(メチル基、エチル基など)、C1-4アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基など)、ヒドロキシ基又はニトロ基を、1種又は2種以上有していてもよい。
101及びR102の飽和脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれでもよい。飽和脂肪族炭化水素基の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。その炭素数は、1〜6、好ましくは1〜4、より好ましくは1又は2である。飽和脂肪族炭化水素基には、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが含まれる。色濃度が高くなるため、R101及びR102は、水素原子又は炭素数が4以下の飽和脂肪族炭化水素基が好ましい。R101の飽和脂肪族炭化水素基は、色濃度及び入手容易性から、好ましくはC2-4飽和脂肪族炭化水素基であり、より好ましくはエチル基又はn−ブチル基であり、さらに好ましくはエチル基である。R102の飽和脂肪族炭化水素基は、色濃度及び入手容易性から、好ましくはメチル基又はエチル基、より好ましくはメチル基である。
103及びR104の飽和脂肪族炭化水素基、アリール基、アラルキル基及びアシル基としては、R55について上述したものと同じである。色濃度を高めるには、R103及びR104の少なくとも一つ(好ましくは両方)に、炭素数が3以下の飽和脂肪族炭化水素基(例えば、メチル基、エチル基など、特にメチル基)か、水素原子を選択することが好ましい。また溶解性を高めるためには、R103及びR104の少なくとも一つに、アセチル基を選択することが好ましい。
式(V)のうちで、A101がスルホ基を有する場合の好ましい例としては、式(V−1)〜(V−13)が挙げられる。
Figure 2010170117
式(V)のうちで、A101がN−置換スルファモイル基を有する場合の好ましい例としては、式(V−14)〜(V−17)が挙げられる。
Figure 2010170117
化合物(V)の塩としては、スルホン酸塩又はカルボン酸塩などが挙げられる。またこれら塩を形成するカチオンは特に限定されないが、溶媒に対する溶解性を考慮すると、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩;アンモニウム塩;及びエタノールアミン塩、アルキルアミン塩のような有機アミン塩などが好ましい。有機アミン塩は、樹脂硬化性化合物に含有させる場合に有用であり、さらには非金属塩であるため、絶縁性が重要視される分野でも有用である。
化合物(V)は、染料分野でよく知られているように、ジアゾニウム塩とピリドン類とをカップリングすることにより化合物(I)の製造方法と同様の方法で製造できる。例えば式(Va):
101−NH2 (Va)
で示されるアミン類(ジアゾ成分)を、亜硝酸、亜硝酸塩又は亜硝酸エステルによりジアゾ化することによって得られる式(Vb)
101−N≡N+ (Vb)
の化合物を、前記ジアゾニウム塩として使用できる(式(Va)及び(Vb)中、A101は前記と同じ意味を表す)。
そしてジアゾニウム塩(Vb)と、式(Vc)で示されるピリドン類(カップリング成分)とを反応させることにより、化合物(V)を製造することができる(式(Vc)中、R101〜R104は、前記と同じ意味を表す)。
Figure 2010170117
例えば式(V)においてスルホ基を有する化合物(以下、「アゾスルホン酸(V)」という)の好ましい例には、式(V−1)〜(V−3)で表される化合物が挙げられ、特に好ましい例としては、式(V−1)及び(V−2)で表される化合物が挙げられる。
着色剤(A)中の黄色染料の含有量は、着色剤(A)に対して1%〜50%であることが好ましく、1%〜30%であることがより好ましい。
着色剤(A)の含有量は、着色感光性樹脂組成物中の固形分に対して質量分率で、好ましくは25〜60質量%であり、より好ましくは27〜55質量%であり、さらに好ましくは30〜50質量%である。ここで、着色感光性樹脂組成物中の固形分は、着色感光性樹脂組成物に含まれる溶剤を除いた成分の合計量をいう。
本発明の効果に影響を与えない範囲であれば、他の色素を併用してもよい。
着色剤(A)の含有量が前記の範囲にあると、カラーフィルタとしたときの色濃度が十分であり、かつ組成物中にバインダー樹脂(B)を必要量含有させることができるので、機械的強度が十分なパターンを形成することができることから好ましい。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、バインダー樹脂(B)を含む。前記のバインダー樹脂(B)は、好ましくは(メタ)アクリル酸から導かれる構成単位を含有する。ここで、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を表す。前記の(メタ)アクリル酸から導かれる構成単位の含有量は、バインダー樹脂(B)を構成する全構成単位の合計モル数を100モル%としたときに、モル分率で、好ましくは16〜40モル%、より好ましくは18〜38モル%である。(メタ)アクリル酸から導かれる構成単位の含有量が前記の範囲にあると、現像時に、非画素部の溶解性が良好であり、かつ、現像後の非画素部に残渣が残りにくい傾向があり、好ましい。
(メタ)アクリル酸から導かれる構成単位以外のバインダー樹脂の構成単位を導く他のモノマーとしては、例えば、芳香族ビニル化合物、不飽和カルボン酸エステル類、不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類、不飽和カルボン酸グリシジルエステル類、カルボン酸ビニルエステル類、不飽和エーテル類、シアン化ビニル化合物、不飽和アミド類、不飽和イミド類、脂肪族共役ジエン類、重合体分子鎖の末端にモノアクリロイル基又はモノメタクリロイル基を有するマクロモノマー類、側鎖に重合性不飽和結合を導入することができる化合物などを挙げることができる。側鎖に重合性不飽和結合を導入することができる化合物としては、式(B−I)で表される単位を導く化合物及び式(B−III)で表される単位を導く化合物などを挙げることができる。
Figure 2010170117
[式(B−I)及び式(B−III)中、Q及びQは、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基を表す。]
前記のバインダー樹脂としては、具体的には、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/イソボルニルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/スチレン/ベンジルメタクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、メタクリル酸/式(B−I)で表される構成成分(ただし、ここでは、式(B−I)中、Qはメチル基を表し、Qは水素原子を表す。)/ベンジルメタクリレート共重合体、式(B−I)で表される構成成分(ただし、ここでは、式(B−I)中、Qはメチル基を表し、Qは水素原子を表す。)/ベンジルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/式(B−III)で表される構成成分(ただし、ここでは、式(B−III)中、Qはメチル基を表し、Qは水素原子を表す。)/スチレン共重合体/トリシクロデカニルメタクリレート共重合体などが挙げられ、好ましくは、メタクリル酸/式(B−I)で表される構成成分(ただし、ここでは、式(B−I)中、Qはメチル基を表し、Qは水素原子を表す。)/ベンジルメタクリレート共重合体、式(B−I)で表される構成成分(ただし、ここでは、式(B−I)中、Qはメチル基を表し、Qは水素原子を表す。)/ベンジルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/式(B−III)で表される構成成分(ただし、ここでは、式(B−III)中、Qはメチル基を表し、Qは水素原子を表す。)/スチレン共重合体/トリシクロデカニルメタクリレート共重合体が挙げられる。
側鎖に重合性不飽和結合を有する樹脂を用いると、得られる塗膜において、耐溶剤性が高くなる傾向があり、好ましい。
バインダー樹脂(B)の酸価は、50〜150であり、好ましくは60〜135、より好ましくは70〜135である。酸価が、前記の範囲にあると、現像液に対する溶解性が向上して未露光部が溶解しやすくなり、また高感度化して現像時に露光部のパターンが残って残膜率が向上する傾向があり、好ましい。ここで酸価はアクリル酸系重合体1gを中和するに必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、通常は水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより求めることができる。
バインダー樹脂(B)の含有量は、着色感光性樹脂組成物の固形分に対して質量分率で、10〜35質量%であり、好ましくは12〜33質量%であり、より好ましくは13〜32質量%である。バインダー樹脂(B)の含有量が、前記の範囲にあると、パターンが形成でき、また解像度及び残膜率が向上する傾向にあり好ましい。
式(B−I)で表される構成成分を有するバインダー樹脂、例えば、メタクリル酸/式(B−I)で表される構成成分(ただし、ここでは、式(B−I)中、Qはメチル基を表し、Rは水素原子を表す。)/ベンジルメタクリレート共重合体は、メタクリル酸とベンジルメタクリレートとを重合させて2成分重合体を得て、得られた2成分重合体と式(B−II)で表される化合物(ただし、ここでは、式(B−II)中、Qは水素原子を表す。)とを反応させて得ることができる。
Figure 2010170117
メタクリル酸/式(B−III)で表される構成成分(ただし、ここでは、式(B−III)中、Qはメチル基を表し、Qは水素原子を表す。)/スチレン共重合体/トリシクロデカニルメタクリレート共重合体は、ベンジルメタクリレート、メタクリル酸、トリシクロデカン骨格のモノメタクリレート共重合体に、グリシジルメタクリレートを反応させて得ることができる。
バインダー樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量は、5,000〜35,000であり、好ましくは6,000〜30,000であり、より好ましくは7,000〜28,000である。ポリスチレン換算重量平均分子量が前記の範囲にあると、塗膜の硬度が向上し、残膜率も高く、未露光部の現像液に対する溶解性が良好で、解像度が向上する傾向にあり、好ましい。
本発明の着色感光性樹脂組成物は光重合性化合物(C)を含む。光重合性化合物(C)は、光を照射されることによって光重合開始剤(D)から発生した活性ラジカル、酸などによって重合しうる化合物であって、例えば、重合性の炭素−炭素不飽和結合を有する化合物などが挙げられる。
前記の光重合性化合物(C)としては、3官能以上の光重合性化合物であることが好ましい。3官能以上の光重合性化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレートなどが挙げられる。
前記の光重合性化合物(C)は、単独でも2種以上を組合せて用いてもよい。
光重合性化合物(C)の含有量は、着色感光性樹脂組成物に対して質量分率で、好ましくは5〜90質量%であり、より好ましくは10〜80質量%であり、さらに好ましくは20〜70質量%であり、特に好ましくは、20〜50質量%であり、とりわけ好ましくは20〜35質量%である。光重合性化合物(C)の含有量が前記の範囲にあると、塗膜の硬化が十分におこり、現像前後での膜厚比率が向上し、パターンにアンダーカットが入りにくくなって密着性が良好になる傾向があることから好ましい。
本発明の着色感光性樹脂組成物は光重合開始剤(D)を含む。前記の光重合開始剤(D)としては、アセトフェノン系化合物、活性ラジカル発生剤、酸発生剤などが挙げられる。
前記のアセトフェノン系化合物としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパン−1−オンのオリゴマーなどが挙げられ、好ましくは2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オンなどが挙げられる。
前記の活性ラジカル発生剤は光を照射されることによって活性ラジカルを発生する。前記の活性ラジカル発生剤としては、例えば、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物、オキシム系化合物などが挙げられる。
前記のベンゾイン系化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。
前記のベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノンなどが挙げられる。
前記のチオキサントン系化合物としては、例えば、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。
前記のトリアジン系化合物としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記のオキシム系化合物としては、例えば、O−アシルオキシム系化合物が挙げられ、その具体例としては、1−(4−フェニルスルファニル−フェニル)−ブタン−1,2−ジオン2−オキシム−O−ベンゾアート、1−(4−フェニルスルファニル−フェニル)−オクタン−1,2−ジオン2−オキシム−O−ベンゾアート、1−(4−フェニルスルファニル−フェニル)−オクタン−1−オンオキシム−O−アセタート、1−(4−フェニルスルファニル−フェニル)−ブタン−1−オンオキシム−O−アセタート等が挙げられる。その市販品としては、イルガキュアOXE01(チバ・ジャパン社製)などが挙げられる。
前記の例示以外の活性ラジカル発生剤として、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアントラキノン、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物などを用いることもできる。
前記の酸発生剤としては、例えば、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムp−トルエンスルホナート、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムp−トルエンスルホナート、4−アセトキシフェニル・メチル・ベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホナート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホナート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートなどのオニウム塩類や、ニトロベンジルトシレート類、ベンゾイントシレート類などを挙げることができる。
また、前記の活性ラジカル発生剤として上記した化合物の中には、活性ラジカルと同時に酸を発生する化合物もあり、例えば、トリアジン系光重合開始剤は、酸発生剤としても使用される。
光重合開始剤(D)の含有量は、バインダーポリマー(B)及び光重合性化合物(C)の合計量に対して質量分率で、好ましくは0.1〜35質量部であり、より好ましくは3〜25質量%である。光重合開始剤の含有量が、前記の範囲にあると、高感度化して露光時間が短縮され生産性が向上し、一方感度が高すぎることによってラインアンドスペースのパターンが解像する最小線幅において線幅が太くなりすぎない傾向があることから好ましい。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、さらに光重合開始助剤(G)を含んでもよい。光重合開始助剤(G)は、通常、光重合開始剤(D)と組合せて用いられ、光重合開始剤によって重合が開始された光重合性化合物(C)の重合を促進するために用いられる化合物である。
光重合開始助剤(G)としては、アミン系化合物、アルコキシアントラセン系化合物、チオキサントン系化合物などが挙げられる。
前記のアミン系化合物としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられ、中でも4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
前記のアルコキシアントラセン系化合物としては、例えば、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセンなどが挙げられる。
前記のチオキサントン系化合物としては、例えば、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。
光重合開始助剤(G)は、単独でも2種以上を組合せて用いてもよい。また、光重合開始助剤(G)としては、市販のものを用いることもでき、市販の光重合開始助剤(G)としては、例えば、商品名「EAB−F」(保土谷化学工業(株)製)などが挙げられる。
本発明の着色感光性樹脂組成物における光重合開始剤(D)及び光重合開始助剤(G)の組合せとしては、例えば、ジエトキシアセトフェノン/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパン−1−オンのオリゴマー/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられ、好ましくは2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが挙げられる。
これらの光重合開始助剤(G)を用いる場合、その使用量は、光重合開始剤(D)1モルあたり、0.01〜10モル、好ましくは0.01〜5モルである。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、架橋向上剤(E)を含んでもよい。架橋向上剤が含まれると、得られる塗膜の耐薬品性が良好になる傾向があり、好ましい。
前記の架橋向上剤(E)としては、エポキシ系化合物、メラミン誘導体などが挙げられ、好ましくはエポキシ系化合物が挙げられる。
前記のエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂などの芳香族系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル型樹脂、グリシジルアミン型樹脂、エポキシ化などのエポキシ樹脂、前記各エポキシ樹脂の臭素化誘導体、脂肪族化合物のエポキシ化物、脂環式化合物のエポキシ化物、芳香族化合物のエポキシ化合物、ブタジエンの(共)重合体のエポキシ化物、イソプレンの(共)重合体のエポキシ化物、グリシジル(メタ)アクリレートの(共)重合体、トリグリシジルイソシアヌレートなどが挙げられ、好ましくはビスフェノールA型エポキシ樹脂、芳香族系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂が挙げられる。
本発明の着色感光性樹脂組成物における架橋向上剤(E)の含有量は、バインダー樹脂(B)及び光重合性化合物(C)の合計量100質量部に対して、2質量部以上、好ましくは4質量部以上、さらに好ましくは10質量部以上、特に好ましくは20質量部以上であり、また、40質量部以下、好ましくは35質量部以下である。
本発明の着色感光性樹脂組成物は溶剤(F)を含む。溶剤(F)としては、例えば、エーテル類、芳香族炭化水素類、ケトン類、アルコール類、エステル類、アミド類、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホオキシドなどが挙げられる。
前記のエーテル類としては、例えば、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート、アニソール、フェネトール、メチルアニソールなどが挙げられる。
前記の芳香族炭化水素類としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどが挙げられる。
前記のケトン類としては、例えば、アセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
前記のアルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリン、ヒドロキシメチルペンタノン、メトキシブタノールなどが挙げられる。
前記のエステル類としては、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
前記のアミド類としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。
これらの中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンが好ましく、これらを併用することがより好ましい。
さらに前記の溶剤は、単独でも2種類以上を組合せて用いてもよい。
着色感光性樹脂組成物における溶剤(F)の含有量は、着色感光性樹脂組成物に対して質量分率で、好ましくは70〜95質量%であり、より好ましくは75〜90質量%である。溶剤(F)の含有量が前記の範囲にあると、塗布時の平坦性が良好になり、またカラーフィルタを形成した際に色濃度が不足しないために表示特性が良好となる傾向があるため好ましい。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、さらに、界面活性剤(H)を含んでもよい。前記の界面活性剤(H)としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤及びフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
前記のシリコーン系界面活性剤としては、シロキサン結合を有する界面活性剤などが挙げられる。具体的には、トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、ポリエーテル変性シリコンオイルSH8400(商品名:トーレシリコーン;東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341(信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF−4446、TSF4452、TSF4460(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)などが挙げられる。
前記のフッ素系界面活性剤としては、フルオロカーボン鎖を有する界面活性剤などが挙げられる。具体的には、フロラード(商品名)FC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、メガファック(商品名)F142D、同F171、同F172、同F173、同F177、同F183、同R30(DIC(株)製)、エフトップ(商品名)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(三菱マテリアル電子化成(株)製)、サーフロン(商品名)S381、同S382、同SC101、同SC105(旭硝子(株)製)、E5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)、BM−1000、BM−1100(いずれも商品名:BM Chemie社製)などが挙げられる。
前記のフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤としては、シロキサン結合及びフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤などが挙げられる。具体的には、メガファック(登録商標)R08、同BL20、同F475、同F477、同F443(DIC(株)製)などがあげられる。
これらの界面活性剤は、単独でも2種類以上を組合せて用いてもよい。
界面活性剤(H)の含有量は、着色感光性樹脂組成物に対し質量分率で、好ましくは0.0005〜0.6質量%であり、より好ましくは0.001〜0.5質量%である。界面活性剤(H)の含有量が、前記の範囲にあると、着色感光性樹脂組成物を塗布した際に、得られる塗膜の平坦性が良好になる傾向があり好ましい。
本発明の着色感光性樹脂組成物を用いてカラーフィルタのパターンを形成する方法としては、例えば、本発明の着色感光性樹脂組成物を、基板又は別の樹脂層(例えば、基板の上に先に形成された別の着色感光性樹脂組成物層など)の上に塗布し、溶剤など揮発成分を除去して着色層を形成し、フォトマスクを介して該着色層を露光して、現像後、加熱又は露光の少なくともいずれか一つにより硬化させるフォトリソ法と、着色感光性樹脂組成物を、インクジェット装置により、基板上又は別の樹脂層上に塗布し、溶剤など揮発成分を除去して着色層を形成し、加熱又は露光の少なくともいずれか一つにより硬化させるインクジェット法などが挙げられる。
前記の塗布に用いる装置としては、スピンコーター、スリットコーター、カーテンフローコーター、流延塗布装置、インクジェット装置などが挙げられる。
溶剤などの揮発成分を除去するためには、例えば、加熱したり、減圧することにより除去することができる。
フォトマスクには、必要とされるパターンの形状に応じて、遮光部と非遮光部が形成されている。
露光は、例えば、g線、h線、i線などの光源を用いて、ステッパやマスクアライナーなどの装置を用いて行われる。
露光後の着色層は、現像処理され、パターンが形成される。
現像処理は、現像装置を用いて行われ、通常、アルカリ性溶液中に浸漬するか、着色層にアルカリ性溶液を噴射して行われる。現像後、通常、リンス処理が行われ、着色層に接触したアルカリ性溶液が除去される。
リンス処理の後、通常、ドライヤー等の乾燥装置を用いて、着色層は乾燥される。
乾燥後の着色層は、加熱又は露光されることによって、硬化させられ、パターンが得られる。
得られたパターンは、カラーフィルタの赤色層をなし、例えば、緑色層、青色層を別途形成し、これらを合せてカラーフィルタとすることができる。
なお、赤色層の形成は、他の色の層と、その形成順序が異なってもよい。
得られたカラーフィルタは、耐熱性が良好であることから、例えば、優れた品質のイメージセンサや表示装置のカラーフィルタを製造することができる。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例において、含有量又は使用量を表す%及び部は、特に断らないかぎり質量基準である。
合成例1
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート182gを導入し、フラスコ内雰囲気を空気から窒素にした後、100℃に昇温した。ベンジルメタクリレート70.5g(0.40モル)、メタクリル酸43.0g(0.5モル)、トリシクロデカン骨格のモノメタクリレート(日立化成(株)製FA−513M)22.0g(0.10モル)及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート136gからなる混合物に2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3.6gを添加した溶液を、ベンジルメタクリレートに滴下し、さらに100℃で撹拌し続けた。次に、フラスコ内雰囲気を窒素から空気にし、グリシジルメタクリレート35.5g[0.25モル、(本反応に用いたメタクリル酸のカルボキシ基に対して50モル%)]、トリスジメチルアミノメチルフェノール0.9g及びハイドロキノン0.145gをフラスコ内に投入し、110℃で反応を続け、固形分酸価が79mgKOH/gの樹脂溶液B1を得た。GPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は3.0×10であった。
上記の樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量の測定については、GPC法を用いて、以下の条件で行った。
装置 ;HLC−8120GPC(東ソー(株)製)
カラム ;TSK−GELG2000HXL
カラム温度 ;40℃
溶媒 ;THF(テトラヒドロフラン)
流速 ;1.0mL/min
被検液固型分濃度;0.001〜0.01質量%
注入量 ;50μL
検出器 ;RI
校正用標準物質 ;TSK STANDARD POLYSTYRENE
F−40、F−4、F−1、A−2500、A−500
(東ソー(株)製)
合成例2
式(a−1)で表される2−アミノ−4−ニトロフェノール10.5部に水80部を加えた後、氷冷下、35%塩酸16.3部を少しずつ加えて溶解させ、20%亜硝酸ナトリウム水溶液24.7部を加え、2時間撹拌し、ジアゾニウム塩を含む懸濁液を得た。
Figure 2010170117
式(c−1)で表される3−メチル−1−(4−スルホフェニル)−5−ピラゾロン19部に水65部と水酸化ナトリウム3部を加えた後、氷冷下、10%酢酸ナトリウム水溶液100部を加えて、ピラゾロン溶液を得た。
Figure 2010170117
以下の操作は氷冷下で行った。前記ピラゾロン溶液を撹拌しながら、前記ジアゾニウム塩を含む懸濁液を15分かけてポンプで滴下した。滴下終了後、さらに30分間撹拌することで暗色溶液を得た。精製塩(塩化ナトリウム)20部を反応溶液に加えて、1時間攪拌した。濾過して得た赤色固体を減圧下60℃で乾燥し、式(b−1)で表されるアゾ化合物を27.1部(収率95%)得た。
Figure 2010170117
得られた式(b−1)で表されるアゾ化合物18.2部に水150部とジメチルホルムアミド100部とを加え溶解した後、ギ酸クロム2.8部を加え、100℃で5時間加熱し、撹拌することで暗色溶液を得た。25℃に冷却後、20%水酸化ナトリウム水溶液12部を加え、30分間撹拌後、精製塩(塩化ナトリウム)60部を反応溶液に加えて、30分間撹拌した。濾過して得た暗色固体を減圧下60℃で乾燥し、式(A−I−0)で表されるクロム錯塩を13.0部(収率95%)得た。
Figure 2010170117

得られた式(A−I−0)で表されるクロム錯塩9.1部にメタノール200部とジメチルホルムアミド100部を加え溶解した後、式(II−113)で表されるローダミン化合物4.8部を加え、30分間撹拌することで暗赤色溶液を得た。減圧下50℃で濃縮し、暗色固体を得た。得られた暗色固体に水250部を加え、濾過して得た暗色固体を減圧下60℃で乾燥し、式(A−I−1)で表される化合物を10.6部(収率76%)得た。式(e−1)で表される化合物の透過率を、紫外可視分光光度計(V‐650DS;日本分光社製)(石英セル、光路長;1cm)を用いて測定した。図1は、式(A−I−1)で表される化合物の透過率を示すグラフである。縦軸は透過率(%)を、横軸は波長(nm)を表す。
式(A−I−1)で表される化合物の構造は、元素分析によって決定した。分析機器はICP発光分析装置(ICPS−8100;(株)島津製作所製)を使用した。
C58.0 H5.1 N9.7 Cr1.11
Figure 2010170117
実施例1
[着色感光性樹脂組成物1の調製]
(A)着色剤:式(A−I−1)で表される化合物 66 部
(A)着色剤:式(Ia)で表される化合物 17 部
(A)着色剤:C.I.ソルベントレッド125
(オラゾールレッドG;チバ・ジャパン社製) 17 部
(B)樹脂:樹脂溶液B1 157 部
(C)光重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD DPHA;日本化薬(株)製) 50 部
(D)光重合開始剤:イルガキュアOXE01
(チバ・ジャパン社製) 15 部
(E)溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 189 部
(E)溶剤:ジアセトンアルコール 100 部
を混合して着色感光性樹脂組成物1を得た。
Figure 2010170117
〔パターンの形成〕
2インチ角のガラス基板(イーグル2000;コーニング社製)上に、着色感光性樹脂組成物1をスピンコート法で塗布したのち、100℃で3分間プリベークした。冷却後、この着色感光性樹脂組成物を塗布した基板とパターンを有する石英ガラス製フォトマスクとの間隔を100μmとして、露光機(TME−150RSK;トプコン(株)製)を用いて、大気雰囲気下、150mJ/cmの露光量(365nm基準)で光照射した。光照射後、上記塗膜を、非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%を含む水系現像液に23℃で80秒間浸漬現像し、水洗後、オーブン中、220℃で20分間ポストベークを行い、硬化パターンを得た。放冷後、得られた硬化パターンの膜厚を、膜厚測定装置(DEKTAK3;日本真空技術(株)製))を用いて測定したところ、2.2μmであった。
〔評価〕
フォトマスクを用いない以外はパターン形成と同じ操作を行い、硬化塗膜を得た。得られた硬化塗膜について、測色機(OSP−SP−200;オリンパス(株)製)にてC光源を用いてCIEのXYZ表色系におけるxy色度座標(Rx、Ry)を測定し、コントラスト計(色彩色差計BM−5A;トプコン社製)を用いてコントラストを測定した。結果を表1に示す
比較例1
[比較着色感光性樹脂組成物1の調製]
(A)着色剤:C.I.ピグメントレッド177 46 部 (A)着色剤:C.I.ピグメントレッド254 43 部
(A)着色剤:ゲスト化合物としてメラミンを含有する下記式(6)で表される化合物 (通称ピグメントイエロー150) 11 部
アクリル系顔料分散剤 5 部 プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 137 部を混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させ、ついで、
(B)樹脂:樹脂溶液B1 157 部 (C)光重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD DPHA;日本化薬(株)製) 50 部
(D)光重合開始剤:OXE−01
(チバ・ジャパン社製) 15 部
(E)溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 289 部を混合して比較着色感光性樹脂組成物1を得た。実施例1と同様にして膜厚2.2μmのパターンを形成し、評価した。結果を表1に示す。
Figure 2010170117
比較例2
[比較着色感光性樹脂組成物2の調製]
(A)着色剤:式(A−I−1)で表される化合物 9 部 (A)着色剤:式(7)で表される化合物(VALIFAST Red 1308;
オリエント化学工業(株)製) 24 部 (B)樹脂:樹脂溶液B1 143 部 (C)光重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD DPHA;日本化薬(株)製) 50 部
(D)光重合開始剤:OXE−01
(チバ・ジャパン社製) 15 部
(E)溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 189 部
(E)溶剤:ジアセトンアルコール 100 部を混合して比較着色感光性樹脂組成物2を得た。実施例1と同様にして膜厚2.2μmのパターンを形成し、評価した。結果を表1に示す。
Figure 2010170117
Figure 2010170117
実施例1の着色感光性樹脂組成物を用いて形成された着色パターンにおいては、比較例1および比較例2の着色感光性樹脂組成物を用いて形成された着色パターンと比べて、高いコントラストが確認された。実施例の着色感光性樹脂組成物を用いた場合、コントラストが高いカラーフィルタを作成することができる。
本発明の着色感光性樹脂組成物によれば、高コントラストなカラーフィルタを得ることができる。

Claims (8)

  1. 着色剤(A)、バインダー樹脂(B)、光重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)及び溶剤(F)を含み、着色剤(A)が、式(A−I)で表される化合物及び黄色染料を含む着色剤である着色感光性樹脂組成物。
    Figure 2010170117
    [式(A−I)中、R〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、C1-8脂肪族炭化水素基、ニトロ基、フェニル基、−SONHR211、−SO -又は−COOR212を表し、少なくとも一つは−SO -を表す。
    19及びR20は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基又はアミノ基を表す。
    211及びR212は、それぞれ独立に、水素原子、C1-8脂肪族炭化水素基、シクロヘキシル基、C7-10アルキルシクロヘキシル基、C2-15アルコキシアルキル基、−R31−CO−O−R32、−R31−O−CO−R32、又はC7-10アラルキル基を表す。
    31は、2価のC1-8脂肪族炭化水素基を表し、R32は、1価のC1-8脂肪族炭化水素基を表す。
    Mは、Cr又はCoを表す。
    nは、2〜5の整数を表す。
    Dは、ヒドロン、1価の金属カチオン又はキサンテン骨格を有する化合物に由来する1価のカチオンを表す。]
  2. 〜R18が、それぞれ独立に、水素原子、塩素原子、メチル基、ニトロ基、−SONHR211、−SO -又は−COOR212を表し、少なくとも一つは−SO -を表す請求項1記載の着色感光性樹脂組成物。
  3. 黄色染料が、アゾ骨格を有する化合物を含む染料である請求項1又は2記載の着色感光性樹脂組成物。
  4. 黄色染料が式(I)で表される化合物及びその塩からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか記載の着色感光性樹脂組成物。

    Figure 2010170117
    [式(I)中、R41〜R44は、それぞれ独立に、水素原子、C1-10飽和脂肪族炭化水素基又はカルボキシ基を表す。
    45〜R52は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、C1-10飽和脂肪族炭化水素基、ハロゲン化C1-10飽和脂肪族炭化水素基、C1-8アルコキシ基、カルボキシ基、スルホ基、スルファモイル基、又はN−置換スルファモイル基を表す。
    53及びR54は、それぞれ独立に、水素原子、シアノ基、カルバモイル基、又はN−置換カルバモイル基を表す。]
  5. バインダー樹脂(B)が、側鎖に重合性不飽和結合を有する樹脂である請求項1〜4のいずれか記載の着色感光性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか記載の着色感光性樹脂組成物から形成されるパターン。
  7. 請求項6記載のパターンを含んでなるカラーフィルタ。
  8. カラーフィルタを製造するための請求項1〜5のいずれか記載の着色感光性樹脂組成物の使用。
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