JP2010168358A - プロピレンオキサイドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プロピレン、水素及び酸素からプロピレンオキサイドを製造する製造方法において、水素基準のプロピレンオキサイドの選択率が高い製造方法を提供すること。
【解決手段】水及びニトリル化合物を含む混合溶媒中、
貴金属触媒、酸素12員環以上の細孔を有するチタノシリケート及び有機硫黄化合物の存在下に、水素と、酸素と、プロピレンと、を反応させる工程を有するプロピレンオキサイドの製造方法の提供。
【選択図】なし

Description

本発明は、プロピレンオキサイドを製造する方法に関する。さらに詳しくは、プロピレンと、酸素と、水素と、からプロピレンオキサイドを製造する方法に関する。
チタノシリケートを触媒とするロピレンオキサイドの製造方法として、ニトリル化合物を含む混合溶媒中、貴金属触媒と、チタノシリケートと、の存在下、水素と、酸素と、プロピレンと、を反応させることによりプロピレンオキサイドを製造する方法が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特開2008−106030号公報 特開2008−81488号公報
プロピレンと、水素と、酸素と、を反応させることによるプロピレンオキサイドの製造において、水素基準のプロピレンオキシドの選択率(以下、場合により「水素基準選択率」という。)はより高いことが望ましい。
本発明者は、前記特許文献1及び前記特許文献2に記載されたプロピレンオキサイド製造方法よりも、優れた水素基準選択率を発現し得るプロピレンオキサイドの製造方法(以下、場合により「プロピレンオキサイド製造方法」という。)を見出すべく鋭意検討した結果、本発明に至った。
すなわち、本発明は、
[1] 水及びニトリル化合物の混合溶媒中、
貴金属触媒、酸素12員環以上の細孔を有するチタノシリケート及び有機硫黄化合物の存在下に、
水素と、酸素と、プロピレンと、を反応させる工程を含むプロピレンオキサイドの製造方法;
[2] 前記有機硫黄化合物が、スルフィド化合物、スルホキシド化合物及びスルホン化合物からなる群より選ばれる化合物である[1]記載の製造方法;
[3] 前記有機硫黄化合物が、スルフィド化合物及びスルホン化合物からなる群より選ばれる化合物である[1]記載の製造方法;
[4] 前記スルフィド化合物がジアルキルスルフィド、アルキルアリールスルフィド又はジアリールスルフィドである[2]記載の製造方法;
[5] 前記スルホキシド化合物がジアルキルスルホキシド、アルキルアリールスルホキシド又はジアリールスルホキシドである[2]記載の製造方法;
[6] 前記スルホン化合物がジアルキルスルホン、アルキルアリールスルホン又はジアリールスルホンである[2]記載の製造方法;
[7] 前記有機硫黄化合物が、炭素数2〜12のスルフィド化合物及び炭素数2〜12のスルホン化合物からなる群より選ばれる化合物である[1]記載の製造方法;
[8] 前記工程が、
前記有機硫黄化合物を溶解した前記混合溶媒中で、
水素と、酸素と、プロピレンと、を反応させる工程である[1]〜[7]のいずれか記載の製造方法;
[9] 前記ニトリル化合物がアセトニトリルである[1]〜[8]のいずれか記載の製造方法;
[10] 前記貴金属触媒が、パラジウム、白金、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、オスミウム及び金からなる群より選ばれる貴金属を含む触媒であるか、前記群より選ばれる2種以上の前記貴金属からなる合金を含む触媒である[1]〜[9]のいずれか記載の製造方法;
[11] 前記貴金属触媒が、少なくともパラジウムを含む触媒である[1]〜[9]のいずれか記載の製造方法;
[12] 前記貴金属触媒が、貴金属を担体に担持した触媒である[1]〜[10]のいずれか記載の製造方法;
[13] 前記貴金属触媒が貴金属を担体に担持した触媒であり、前記担体には前記有機硫黄化合物も担持されている[1]〜[10]のいずれか記載の製造方法;
[14] 前記担体が活性炭である[12]又は[13]記載の製造方法;
[15] 前記チタノシリケートが、Ti−MWW、Ti−MWW前駆体又はシリル化したTi−MWWである[1]〜[14]のいずれか記載の製造方法;及び、
[16] 混前記混合溶媒中に、さらにアントラキノンを含む[1]〜[15]のいずれか記載の製造方法;
を提供するものである。
本発明によれば、従来よりも優れた水素基準選択率で、水素と、酸素と、プロピレンと、からプロピレンオキサイドを製造することができる。
本発明のプロピレンオキサイド製造方法は、水及びニトリル化合物の混合溶媒中、
貴金属触媒、酸素12員環以上の細孔を有するチタノシリケート及び有機硫黄化合物の存在下に、水素と、酸素と、プロピレンと、を反応させる工程を含むものであり、以下場合により、当該工程を「本工程」といい、本工程における水素と、酸素と、プロピレンと、の反応を「本反応」という。
次に、本工程に用いる有機硫黄化合物、貴金属触媒及びチタノシリケートについて順次説明し、本工程を有するプロピレンオキサイド製造方法について説明する。
<有機硫黄化合物>
前記有機硫黄化合物とは、分子内に硫黄原子を含む有機化合物であり、好ましい有機硫黄化合物としては例えば、スルフィド化合物、スルホキシド化合物及びスルホン化合物からなる群より選ばれる化合物が挙げられる。本工程において、前記有機硫黄化合物は、1種のみ用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。
前記スルフィド化合物は、下記式(1):
−S−R (1)
(式中、R及びRはそれぞれ独立に、有機基を表すか、あるいは、R及びRが互いに結合して、硫黄原子とともに環構造を形成してもよい。)
で示される。
前記スルホキシド化合物としては、下記式(2):
−S(O)−R (2)
(式中、R及びRは、前記式(1)と同義である。)
で示される。
前記スルホン化合物としては、下記式(3):
−S(O)−R (3)
(式中、R及びRは、前記式(1)と同義である。)
で示される。
もしくはRで示される有機基としては、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基及び置換基を有していてもよいアルケニル基が挙げられる。
及びRが結合して環構造を形成している場合、その具体例としては、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基及びこれらを組み合わせてなる基が挙げられる。該アルキレン基としては、例えば、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基等が挙げられる。
該アリーレン基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基等が挙げられる。
前記置換基を有していてもよいアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基及びイコシル基等の直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1〜20のアルキル基(以下、場合により、このようなアルキル基を「C1−C20アルキル基」のように表す。);ここに例示するアルキル基にある水素原子の一部が、後述の群Iから選択される置換基で置換されたアルキル基;が挙げられる。
前記置換基を有していてもよいアリール基は、窒素、酸素もしくは硫黄等のヘテロ原子を含むヘテロアリール基(複素環基)であってもよい。
該アリール基としては、炭素数4〜20のアリール基(以下、場合により、このようなアリール基を「C4−C20アリール基」のように表す。)が好ましく、具体的には、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、フラニル基、ピリジル基等;ここに例示するアリール基にある水素原子の一部が後述の群Iから選択される置換基で置換されたアリール基;が挙げられる。
前記置換基を有していてもよいアルケニル基としては、例えば、エテニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−メチルエテニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基等の炭素数2〜20のアルケニル基(以下、場合により、このようなアルケニル基を「C2−C20アルケニル基」のように表す。);ここに例示するアルケニル基にある水素原子の一部が後述の群Iから選択される置換基で置換されたアルケニル基が挙げられる。
群Iから選択される置換基としては、例えば、以下の基が挙げられる。
群I:ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子もしくはヨウ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20アリールオキシ基、アミノ基、モノ(C1−C20アルキル)アミノ基、ジ(C1−C20アルキル)アミノ基、カルボキシル基、炭素数2〜21のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜20アリールオキシカルボニル基、アルカノイル基、アリールカルボニル基、ホルミル基、(C1−C20アルキル)チオ基、(C6−C20アリール)チオ基、(C1−C20アルキル)スルフィニル基、(C6−C20アリール)スルフィニル基、(C6−C20アリール)スルフェニル基、(C1−C20アルキル)スルホニル基、及び(C6−C20アリール)スルホニル基。
前記スルフィド化合物としては、好ましくはジアルキルスルフィド、アルキルアリールスルフィド及びジアリールスルフィド等が挙げられる。なお、これらのスルフィド化合物は、アルキル基及び/又はアリール基にある水素原子の一部が、前記群Iから選択される置換基で置換されていてもよい。より好ましいスルフィド化合物としては、ジ(C1−C20アルキル)スルフィド、(C1−C20アルキル)(C6−C20アリール)スルフィド及びジ(C6−C20アリール)スルフィド、並びに、これらの化合物のアルキル基及び/又はアリール基にある水素原子の一部が、前記群Iから選択される置換基で置換されたスルフィド化合物が挙げられ、更に好ましくはジ(C1−C5アルキル)スルフィド、(C1−C5アルキル)(C6−C10アリール)スルフィド及びジ(C6−C10アリール)スルフィド、並びに、これらの化合物のアルキル基及び/又はアリール基にある水素原子の一部が、ヒドロキシル基で置換されたスルフィド化合物が挙げられる。
前記スルフィド化合物の具体例として、ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド、ジプロピルスルフィド、イソプロピルメチルスルフィド、ジイソプロピルスルフィド、ジブチルスルフィド、ターシャリーブチルメチルスルフィド、ジターシャリーブチルスルフィド、ビス(メチルチオ)メタン、チオジグリコール、2−(エチルチオ)エタノール、2−(イソプロピルチオ)エタノール、2,2’−チオジエタノール、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール、チオモルホリン、エチルビニルスルフィド、テトラヒドロチオフェン、ジフェニルスルフィド、メチルフェニルスルフィド、4−メトキシチオアニソール、2−(フェニルチオ)エタノール、メトキシメチルフェニルスルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(2−アミノフェニル)スルフィド、ビス(フェニルチオ)メタン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、チアントレン、2−アミノフェニルフェニルスルフィド、4,4’−ジピリジルスルフィド、1,2−ビス(フェニルチオ)エタン、フェニルトリフルオロメチルスルフィド、フェニルビニルスルフィド、アリルフェニルスルフィド、2−(メチルチオ)アニリン、2−(メチルチオ)ピリジン、2−フルオロチオアニソール、2−クロロチオアニソール、2−ブロモチオアニソール、4−ブロモチオアニソール、4−(メチルチオ)ベンズアルデヒド、(フェニルチオ)アセトニトリル、2−メトキシチオアニソール、2−メチル−3−(メチルチオ)フラン及びチオ酢酸S−フェニル等が挙げられる。
ここに例示するスルフィド化合物の中でも、ジブチルスルフィド、2,2’−チオジエタノール、メチルフェニルスルフィド及びジフェニルスルフィドが好ましく、メチルフェニルスルフィド及びジフェニルスルフィドがより好ましい。
前記スルホキシド化合物としては、好ましくはジアルキルスルホキシド、アルキルアリールスルホキシド及びジアリールスルホキシド等が挙げられる。なお、これらのスルホキシド化合物は、アルキル基及び/又はアリール基にある水素原子の一部が、前記群Iから選択される置換基で置換されていてもよい。より好ましいスルホキシド化合物としては、(C1−C20アルキル)スルホキシド、(C1−C20アルキル)(C6−C20アリール)スルホキシド及びジ(C6−C20アリール)スルホキシドが挙げられ、更に好ましくは(C1−C5アルキル)スルホキシド、(C1−C5アルキル)(C6−C10アリール)スルホキシド及びジ(C6−C10アリール)スルホキシドが挙げられる。
前記スルホキシド化合物の具体例としては、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジプロピルスルホキシド、ジブチルスルホキシド、テトラメチレンスルホキシド、ジフェニルスルホキシド、メチルフェニルスルホキシド、フェニルビニルスルホキシド、ジベンジルスルホキシド、メチル(メチルスルフィニル)メチルスルフィド及び1,2−ビス(フェニルスルフィニル)エタン等が挙げられる。
前記スルホン化合物としては、好ましくはジアルキルスルホン、アルキルアリールスルホン、ジアリールスルホン及びアルキレン構造を有する環状スルホン等が挙げられる。なお、これらのスルホン化合物は、アルキル基及び/又はアリール基にある水素原子の一部が、前記群Iから選択される置換基で置換されていてもよい。より好ましいスルホン化合物としては、ジ(C1−C20アルキル)スルホン、(C1−C20アルキル)(C6−C20アリール)スルホン、ジ(C6−C20アリール)スルホン、及びC2−C8アルキレン構造を有する環状スルホンが挙げられ、更に好ましくはジ(C1−C5アルキル)スルホン、(C1−C5アルキル)(C6−C10アリール)スルホン、ジ(C6−C10アリール)スルホン及び炭素数2〜6のアルキレン構造を有する環状スルホンが挙げられる。
前記スルホン化合物の具体例としては、ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、イソプロピルメチルスルホン、ジプロピルスルホン、ジブチルスルホン、2−ヒドロキシメチルエチルスルホン、3−スルホレン、ジビニルスルホン、スルホラン、メチルフェニルスルホン、エチルフェニルスルホン、フェニルビニルスルホン、ジフェニルスルホン、ビス(ビニルスルホニル)メタン、4,4−ジオキソ−1,4−オキサチアン、3−メチルスルホラン、メチルスルホニルアセトニトリル、4−クロロフェニルメチルスルホン、(フェニルスルホニル)酢酸エチル及びアリルフェニルスルホン等が挙げられる。これらの中でも、スルホン化合物としては、ジメチルスルホン、ジフェニルスルホン、スルホランが好ましく、ジフェニルスルホンがより好ましい。
本工程における有機硫黄化合物の供給方法は、特に限定されず、例えば、該有機硫黄化合物を前記混合溶媒に溶解させた形態で供してもよいし、本工程に用いる貴金属触媒に該有機硫黄化合物を担持させた形態により供してもよい。また、本工程の間に、酸素により酸化もしくは水素により還元されることで、前記のスルフィド化合物、スルホキシド化合物、あるいはスルホン化合物に変換される化合物を用いることで、本工程に供してもよい。
前記有機硫黄化合物の使用量は、本反応に対する有効量の有機硫黄化合物、すなわち、有機硫黄化合物が存在しない場合と比較して貴金属触媒当たりのプロピレンオキシドの製造量が低下しない量を上限とする。該使用量(物質量)は、前記混合溶媒1kgあたりの使用量で表して、好ましくは0.1μmol/kg〜500mmol/kg、より好ましくは1μmol/kg〜50mmol/kg、さらに好ましくは1μmol/kg〜5mmol/kgである。
<貴金属触媒>
本工程に用いる貴金属触媒としては、パラジウム、白金、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、オスミウム及び金からなる群より選ばれる貴金属、又は、この群より選ばれる2種以上の貴金属からなる合金(貴金属合金)を含む触媒が挙げられる。中でも、パラジウム、白金及び金からなる群より選ばれる貴金属を含む触媒がより好ましく、パラジウムを含む触媒がさらに好ましい。パラジウムを含む貴金属触媒として、例えば、パラジウムコロイドを貴金属触媒として用いることができる(例えば、特開2002−294301号公報、実施例1等参照)。
前記貴金属触媒として、上述の貴金属又は貴金属合金を1種のみ用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。例えば、該貴金属触媒として、パラジウムを用いる場合、さらに白金、金、ロジウム、イリジウム、オスミウム等のパラジウム以外の貴金属をパラジウムに混合して用いたり、ここに示すパラジウム以外の貴金属とパラジウムとの合金を用いたり、することもできる。好ましいパラジウム以外の金属としては、金及び白金が挙げられる。
前記貴金属触媒は、好ましくは、担体に貴金属を担持した形態で使用される。貴金属触媒のうち、担体に貴金属を担持したものは、一般に担持貴金属触媒と呼ばれている。すなわち、本工程に用いる好ましい貴金属触媒としては、担持貴金属触媒を挙げることができる。
また、貴金属触媒は、後述のチタノシリケートを担体として用い、該チタノシリケートに貴金属を担持して使用することもできるし、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア及びニオビア等の酸化物;ニオブ酸、ジルコニウム酸、タングステン酸及びチタン酸等の水酸化物;及び炭素からなる群から選ばれるものを担体として用い、当該担体に、貴金属を担持して用いることもできる。もちろん、ここに示すチタノシリケート、酸化物、水酸化物及び炭素からなる群より選ばれる担体を複数種用いてもよい。これらのうち、チタノシリケート以外の担体の中では、炭素(炭素担体)が好ましい。炭素担体としては、活性炭、カーボンブラック、グラファイト及びカーボンナノチューブ等が知られている。より好ましい炭素担体としては、活性炭が挙げられる。
担体に対する貴金属の担持方法(担持貴金属触媒の調製方法)としては、例えば、貴金属を含む化合物(貴金属化合物)を適当な溶媒に溶解した溶液を調製し、この溶液を担体上に含浸した後、得られた担持物(含浸担体)を還元処理に供する方法が知られている。また、同様に貴金属のコロイド溶液を担体上に含浸した後、得られた担持物を必要に応じ不活性ガス雰囲気下にて焼成する方法も知られている。本工程に用いる担持貴金属触媒は、ここに示すような公知の調製方法により調製することができる。
貴金属触媒としてパラジウムを用いる場合を例にとり、前記貴金属化合物、すなわちパラジウム化合物を挙げておく。該パラジウム化合物としては、例えば、ヘキサクロロパラジウム(IV)酸ナトリウム四水和物、ヘキサクロロパラジウム(IV)酸カリウム等の4価のパラジウム化合物類;塩化パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、パラジウムアセチルアセトナート(II)、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム(II)、ジクロロ(ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロテトラアンミンパラジウム(II)、ジブロモテトラアンミンパラジウム(II)、ジクロロ(シクロオクタ−1,5−ジエン)パラジウム(II)、パラジウムトリフルオロアセテート(II)等の2価パラジウム化合物類が例示される。
担体上に担持された貴金属化合物の還元処理としては、還元剤を用いて液相あるいは気相中で還元する方法が挙げられる。気相で還元する場合(気相還元)の還元剤としては、水素が例示される。気相還元の際の、好ましい反応温度(還元温度)は、担持した貴金属化合物により適宜調節することができ、0〜500℃の範囲から選ばれる。また、不活性ガス雰囲気下、熱分解によりアンモニアガスを発生する貴金属化合物を用いた場合では、このアンモニアガスを還元剤として用いることが可能である。この場合は、貴金属化合物を担体に担持した後、得られた担持物を不活性ガス雰囲気下で熱処理すればよい。この場合の還元温度(熱処理温度)は、貴金属化合物の種類等によって異なるが、該貴金属化合物としてジクロロテトラアンミンパラジウム(II)を用いた場合は、100〜500℃の範囲が好ましく、200〜350℃の範囲がさらに好ましい。
一方、液相で還元する場合(液相還元)の還元剤としては、水素、ヒドラジン1水和物、ホルムアルデヒド及び水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられる。ヒドラジン1水和物やホルムアルデヒドを用いる場合には、反応系中にアルカリを添加して還元処理を実施してもよい。該液相還元の反応条件は、貴金属化合物及び担体の種類や、用いる還元剤の種類及び量に応じて、適切な条件を調節することができる。
前記貴金属のコロイド溶液は、市販のものを使用してもよいし、また、例えば、貴金属粒子を、クエン酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンやヘキサメタリン酸ナトリウム等の分散剤を用いることにより、適当な分散媒中に分散させることにより、貴金属のコロイド溶液を調製することもできる。
前記担持貴金属触媒は、貴金属を0.01〜20質量%の範囲で含むと好ましく、0.1〜10質量%の範囲で含むとさらに好ましい。
本工程において、前記貴金属触媒の量は、前記混合溶媒に対し、好ましくは0.00001〜1質量%、より好ましくは0.0001〜0.1質量%である。
上述のとおり、前記有機硫黄化合物は貴金属触媒に担持させて用いることもできるので、貴金属触媒として担持貴金属触媒を用いる場合には、有機硫黄化合物をこの担持貴金属触媒の担体に担持させて用いることができる。有機硫黄化合物を担持した担持貴金属触媒は、例えば、Advanced Synthesis and Catalysis 350,406−410,(2008)に記載された方法に準じて調製すればよい。具体的に調製例を挙げると、担持貴金属触媒と有機硫黄化合物とをアルコール中で攪拌し、固液分離した後、分離された担持貴金属触媒を、アルコール及び有機溶媒で洗浄するといった一連の操作による調製方法を挙げることができる。有機硫黄化合物を担持した担持貴金属触媒において、有機硫黄化合物の担持量は、担持貴金属触媒の総質量に対する硫黄原子換算で0.01〜25質量%の範囲が好ましく、0.05〜15質量%の範囲がさらに好ましい。
本反応において、チタノシリケートは、プロピレンからプロピレンオキサイドを合成する触媒となる。
チタノシリケートとは、4配位Ti(チタン原子)を持つシリケートの総称であり、多孔構造を有するものである。本発明において、チタノシリケートとは、実質的に4配位Tiを持つチタノシリケートを意味し、200nm〜400nmの波長領域における紫外可視吸収スペクトルが、210nm〜230nmの波長領域で最大の吸収ピークが現れるものを表す(例えば、Chemical Communications 1026−1027,(2002) 図2(d)、(e)参照)。上記紫外可視吸収スペクトルは、拡散反射装置を付属した紫外可視分光光度計を用いて、拡散反射法にて測定することができる。
本工程に用いるチタノシリケートは、酸素12員環以上の細孔を有する。ここでいう細孔とは、Si−O結合あるいはTi−O結合から構成される細孔を意味する。この細孔は、サイドポケットと呼ばれるハーフカップ状の細孔であってもよい。すなわち、該細孔は、チタノシリケートの一次粒子を貫通している必要はない。また、「酸素12員環以上」とは、(a)細孔において最も細い場所の断面または(b)細孔入口における環構造について酸素原子数が12以上であることを意味する。チタノシリケートが酸素12員環以上の細孔を有することは、一般にX線回折パターンの解析により確認されるが、既知の構造であれば、そのX線回折パターンと対比させることで簡便に確認できる。
本工程に用いる好ましいチタノシリケートとしては、例えば、下記1〜5に記載のチタノシリケートが挙げられる。
1. 酸素12員環の細孔を有する結晶性チタノシリケート:
IZA(国際ゼオライト学会)の構造コードでBEA構造を有するTi−Beta(例えば、Journal of Catalysis 199,41−47,(2001))、MTW構造を有するTi−ZSM−12(例えば、Zeolites 15, 236−242, (1995))、MOR構造を有するTi−MOR(例えば、The Journal of Physical Chemistry B 102, 9297−9303, (1998))、ISV構造を有するTi−ITQ−7(例えば、Chemical Communications 761−762,(2000))、MSE構造を有するTi−MCM−68(例えば、Chemical Communications 6224−6226, (2008))、MWW構造を有するTi−MWW(例えば、Chemistry Letters 774−775, (2000))等。
2. 酸素14員環の細孔を有する結晶性チタノシリケート:
DON構造を有するTi−UTD−1(例えば、Studies in Surface Science and Catalysis 15, 519−525, (1995))等。
3. 酸素12員環の細孔を有する層状チタノシリケート:
Ti−MWW前駆体(例えば、ヨーロッパ公開特許1731515A1)、Ti−YNU−1(例えば、Angewandte Chemie International Edition 43, 236−240, (2004))、Ti−MCM−36(例えば、Catalysis Letters 113, 160−164, (2007))、Ti−MCM−56(例えば、Microporous and Mesoporous Materials 113, 435−444,(2008))等
4. メソポーラスチタノシリケート:
Ti−MCM−41(例えば、Microporous Materials 10, 259−271, (1997))、Ti−MCM−48(例えば、Chemical Communications 145−146, (1996))、Ti−SBA−15(例えば、Chemistry of Materials 14, 1657−1664, (2002))等
5. シリル化チタノシリケート:
シリル化したTi−MWW等、上記1〜4記載のチタノシリケートをシリル化した化合物
前記「酸素14員環」とは、すでに説明した前記(a)又は前記(b)の場所において酸素原子数が14である環構造を意味する。
前記層状チタノシリケートとは、結晶性チタノシリケートの層状前駆体、結晶性チタノシリケートの層間を拡張したチタノシリケート、層状構造を有するチタノシリケート等を含む。層状構造を有することは、電子顕微鏡あるいはX線回折パターンの測定により確認することができる。
前記結晶性チタノシリケートの層状前駆体とは、例えば、脱水縮合等の処理を行うことにより結晶化チタノシリケートを形成する特性を備えたチタノシリケートを意味する。また、層状構造を有するチタノシリケートが、酸素12員環以上の細孔を有することは、対応する結晶性チタノシリケートの構造から容易に判定できる。
すでに例示したもののうち、1〜3記載のチタノシリケート及び該チタノシリケートをシリル化して得られたものは、細孔径0.6nm〜1.0nmの細孔を有している。かかる細孔径は、一般にX線回折パターンの解析により判定される。
前記メソポーラスチタノシリケートは、規則性メソ細孔を有するチタノシリケートの総称である。規則性メソ孔とは、メソ孔が規則的に繰り返し配列された構造を意味する。かかるメソ細孔とは、細孔径2nm〜10nmの細孔を意味する。
前記シリル化チタノシリケートは、1〜4記載のチタノシリケートをシリル化剤で処理することにより得られる。このシリル化剤としては、例えば、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン及びトリメチルクロロシラン等が挙げられる(例えば、ヨーロッパ公開特許EP1488853A1参照)。
本発明におけるチタノシリケートとしては、好ましくはTi−MWW、Ti−MWW前駆体、シリル化したTi−MWWであり、より好ましくはTi−MWW前駆体が挙げられる。
本工程に用いるチタノシリケートは、過酸化水素溶液で処理することにより活性化したものであってもよい。該過酸化水素は、その濃度が0.0001質量%〜50質量%の範囲の過酸化水素溶液にして活性化処理に用いることが好ましい。過酸化水素溶液の溶媒は特に限定されないが、水あるいは後述する本反応に用いる溶媒が、工業的に簡便であるため好ましい。
<プロピレンオキサイド製造方法>
本工程において、貴金属触媒とチタノシリケートとの質量比(貴金属触媒の質量/該チタノシリケートの質量)は、0.01〜100質量%の範囲が好ましく、0.1〜100質量%の範囲がより好ましい。
本工程において、本反応は、水及びニトリル化合物の混合溶媒中で実施される。当該ニトリル化合物としては、直鎖又は分岐鎖の飽和脂肪族ニトリル、あるいは芳香族ニトリルが挙げられる。当該ニトリル化合物の具体例としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、イソブチロニトリル、ブチロニトリル等の炭素数2〜4のアルキルニトリル及び炭素数6〜10の芳香族ニトリルが例示され、これらのうちアセトニトリルが好ましい。水とニトリル化合物との質量比率(=水:ニトリル化合物)は、90:10〜0.01:99.99の範囲が好ましく、50:50〜0.1:99.9の範囲がより好ましく、40:60〜5:95の範囲がさらに好ましい。
本反応により、プロピレンオキサイドは、水素と酸素とプロピレンとから合成される。酸素としては、酸素ガス等の分子状酸素が挙げられる。酸素ガスは、安価な圧力スウィング法で製造した酸素ガスであってもよいし、必要に応じて深冷分離等で製造した高純度酸素ガスであってもよい。また、酸素としては空気を用いてよい。水素としては、一般に、水素ガスが用いられる。また、酸素ガス及び/又は水素ガスは、本反応の進行を妨げない不活性ガスで希釈してから用いることもできる。不活性ガスとしては、窒素,アルゴン,二酸化炭素、メタン,エタン,プロパンが挙げられる。酸素ガス及び水素ガスの流通量、並びに、これらのガスを希釈するための不活性ガスの濃度に特に制限は無く、用いるプロピレンの物質量や反応スケール等の他の条件に応じて調節できる。
酸素と水素との分圧比は、酸素:水素で表して1:50〜50:1の範囲が好ましく、1:5〜5:1の範囲がさらに好ましい。なお、かかる分圧比は、水素の爆発範囲外となるようにして本工程を実施することが安全上好ましい。
本反応におけるプロピレンの量は特に限定されないが、前記酸素に対するモル比(=プロピレン:酸素)で表して、1:5〜5:1の範囲が好ましい。なお、本工程を連続形式の反応形式で行う場合、プロピレンの供給量は、前記混合溶媒に対し0.01〜1g/Lの濃度であることが好ましい。
本工程に用いる反応器は、流通式固定床反応器、流通式スラリー完全混合反応器等が挙げられる。
本反応における反応温度は、0〜150℃の範囲が好ましく、40〜90℃の範囲がさらに好ましい。
一方、本反応における反応圧力は、特に制限は無いが、ゲージ圧力で0.1MPa〜20MPaの範囲が好ましく、1MPa〜10MPaの範囲がさらに好ましい。
また、本工程においては、多環化合物、キノイド化合物等のプロパン副生を抑制する作用を示す添加剤を共存させることもできる。該添加剤の共存は、水素基準選択率をさらに向上させることができる。該添加剤としては、具体的には、アントラセン、テトラセン、9−メチルアントラセン、ナフタレン、テトラセン、ジフェニルエーテル等の多環化合物(例えば、特開2009−23998号公報)、アントラキノン、9,10−フェナントラキノン、ベンゾキノン、2−エチルアントラキノン等のキノイド化合物(例えば、特開2008−106030号公報参照)等が挙げられる。上記添加剤のうち好ましい添加剤としては、アントラセン、テトラセン、9−メチルアントラセン、ナフタレン、テトラセン、アントラキノン、9,10−フェナントラキノン、2−エチルアントラキノン等の縮合多環芳香族化合物が挙げられる。より好ましい添加剤としては、アントラキノンが挙げられる。なお、このような添加剤、好ましくは、アントラキノンは、前記混合溶媒に含まれる形態で用いられることが好ましく、前記混合溶媒に溶解した形態で用いられることがより好ましい。
前記添加剤の使用量は、前記混合溶媒1kgあたりの物質量で表して、0.001mmol/kg〜500mmol/kgの範囲が好ましく、0.01mmol/kg〜50mmol/kgの範囲がさらに好ましい。
本工程においては、アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオン又はアルキルアリールアンモニウムイオンを含む塩(以下、これらの塩を「アンモニウム系塩」と総称する。)を前記混合溶媒に加えてもよい。アンモニウム系塩を加えることにより、水素の利用効率をさらに高めることができる。アンモニウム系塩としては、硫酸アンモニウム塩、硫酸水素アンモニウム塩、炭酸水素アンモニウム塩、リン酸アンモニウム塩、リン酸水素アンモニウム塩、リン酸2水素アンモニウム塩、ピロリン酸水素アンモニウム塩、ピロリン酸アンモニウム塩、ハロゲン化アンモニウム塩、硝酸アンモニウム塩などの無機酸の塩、酢酸アンモニウム塩などの有機酸塩などを挙げることができる。好ましい添加剤としては、リン酸水素2アンモニウム塩が挙げられる。
アンモニウム系塩を用いる場合、その添加量は、混合溶媒1kgあたりの物質量で表して、0.001mmol/kg〜100mmol/kgの範囲が好ましい。
<その他の工程>
本工程を経て、反応器から取り出された反応混合物は、目的物であるプロピレンオキサイド及び未反応のプロピレン等に加え、副生物であるプロパン等が含まれている。当該反応混合物からは公知の精製手段により、目的とするプロピレンオキサイドを分離することができる。かかる精製手段としては、例えば、蒸留分離等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を説明する。
参考例1(MWW前駆体構造を有するチタノシリケートの調製)
室温、空気雰囲気下、オートクレーブ中で、ピペリジン899g、純水2402g、TBOT(テトラ−n−ブチルオルソチタネート)112g、ホウ酸565g及びヒュームドシリカ(cab−o−sil M7D)410gを撹拌することによりゲルを調製した。得られたゲルを1.5時間熟成させた後、オートクレーブを密閉し、さらに撹拌しながら8時間かけて160℃まで昇温した後、同温度で120時間保持することにより、水熱合成を行った。
該水熱合成で得られた懸濁溶液をろ過した後、ろ液がpH10付近になるまで水洗した。次に、ろ塊を質量減少が見られなくなるまで50℃で乾燥し、515gの固体aを得た。得られた固体a75gに2M硝酸3750mLを加え、20時間リフラックスさせた。
次いで、得られた混合物をろ過し、中性付近まで水洗し、質量減少が見られなくなるまで150℃で真空乾燥して61gの白色粉末aを得た。白色粉末aのX線回折パターン及び紫外可視吸収スペクトルを測定した結果、この白色粉末aはTi−MWW前駆体であり、酸素12員環以上の細孔を有する構造であることが確認された(以下、このTi−MWW前駆体を、「Ti−MWW前駆体a」ということがある)。
得られた白色粉末a60gを530℃で6時間焼成し、54gの粉末(Ti−MWW)を得た。得られた粉末は、Ti−MWWであり、酸素12員環以上の細孔を有する構造であることはX線回折パターン、紫外可視吸収スペクトルを測定することにより確認した。さらに、上記と同様の操作を2回実施し、合わせて162gのTi−MWWを得た。
室温、空気雰囲気下、得られたTi−MWW135gをオートクレーブに入れ、さらに、ピペリジン300g及び純水600gを仕込み、これらを撹拌することによりゲルを調製した。得られたゲルを1.5時間熟成させた後、オートクレーブを密閉し、さらに撹拌しながら4時間かけて160℃まで昇温した後、同温度で24時間保持することで、水熱処理を行った。
このような水熱合成で得られた懸濁溶液をろ過した後、ろ液がpH9付近になるまで水洗した。ろ塊(固体b)を質量減少が見られなくなるまで150℃で真空乾燥し、141gの白色粉末bを得た。この白色粉末bのX線回折分析を測定した結果、Ti−MWW前駆体と同様のX線回折パターンを示し、酸素12員環以上の細孔を有する構造であることが判明した。また、紫外可視吸収スペクトル測定結果からチタノシリケートであることが判明した(以下、このTi−MWW前駆体を、「Ti−MWW前駆体b」という)。また、ICP発光分析から求められたTi含量は1.61質量%であった。
なお、得られたTi−MWW前駆体b及びTi−MWWは、それぞれ、0.1質量%の過酸化水素を含む水/アセトニトリル=20/80(質量比)の混合溶媒80g中で1時間撹拌した後、ろ過し、さらに水/アセトニトリル=20/80の混合溶媒80gで洗浄した後に、以下の実施例に供した。
参考例2[貴金属触媒(Pd/活性炭(AC)触媒)の調製)]
予め2Lの水にて洗浄した活性炭(和光純薬製)6gと、水300mLと、を1Lナスフラスコ中に仕込み、空気雰囲気下、室温にて撹拌した。攪拌後の懸濁液に、パラジウム(Pd)コロイド(日揮触媒化成製)0.60mmolを含む水分散液100mLを、空気雰囲気下、室温にてゆっくり滴下した。滴下終了後、さらに懸濁液を空気雰囲気下、室温にて8時間撹拌した。攪拌終了後、ロータリーエバポレータを用いて水分を除去し、80℃にて6時間真空乾燥し、さらに窒素雰囲気下300℃で6時間焼成することで、Pd/AC触媒を得た。ICP発光分析から求められたPd含量は、0.95質量%であった。
実施例1
容量0.3Lのオートクレーブを反応器として用い、当該反応器にチタノシリケート(Ti−MWW前駆体b)及びPd/AC触媒(参考例2で得られたPd/AC触媒)を仕込んだ後、密閉し、反応器中に、プロピレン/酸素/水素/窒素の体積比が8/4.2/4.4/83.4である原料ガスを20L/時間の供給速度で、0.7mmol/kgのアントラキノン及び9μmol/kgのジフェニルスルフィドを含む水/アセトニトリル=20/80(質量比)の溶液を108mL/時間の供給速度で、それぞれ供給し、反応器からフィルターを介して反応生成物を含む溶液(液相)及び生成ガス(気相)を反応混合物から抜き出すという連続式反応(滞留時間:90分間)を行った。この間、反応器中の内容物の温度を60℃、反応器中圧力を0.8MPa(ゲージ圧)とした。反応中は、反応器内に供給された混合溶媒133gに対し、チタノシリケート(Ti−MWW前駆体b)の量が0.6g、Pd/AC触媒の量が0.06gとなるように、Ti−MWW前駆体b及びPd/AC触媒の使用量は調節した。
反応開始から5時間後に抜き出した液相及び気相を、ガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、チタノシリケート単位質量あたりのプロピレンオキサイド生成活性は15.7mmol−PO/g−チタノシリケート・時間(ここに示す「PO」はプロピレンオキサイドを意味する。)であり、プロピレン基準の選択率は97%、水素基準選択率(生成したプロピレンオキサイドモル量/消費した水素モル量)は84%であった。
実施例2
0.7mmol/kgのアントラキノン及び9μmol/kgのジフェニルスルフィドを含む水/アセトニトリル=20/80(質量比)の溶液の代わりに、0.7mmol/kgのアントラキノン及び450μmol/kgのジフェニルスルホンを含む水/アセトニトリル=20/80(質量比)の溶液を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
反応開始から5時間後に抜き出した液相及び気相を、ガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、チタノシリケート単位質量あたりのプロピレンオキサイド生成活性は18.5mmol−PO/g−チタノシリケート・時間であり、プロピレン基準の選択率は97%、水素基準選択率は81%であった。
実施例3
0.7mmol/kgのアントラキノン及び9μmol/kgのジフェニルスルフィドを含む水/アセトニトリル=20/80(質量比)の溶液の代わりに、0.7mmol/kgのアントラキノン及び9μmol/kgのメチルフェニルスルフィドを含む水/アセトニトリル=20/80(質量比)の溶液を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
反応開始から5時間後に抜き出した液相及び気相を、ガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、チタノシリケート単位質量あたりのプロピレンオキサイド生成活性は17.1mmol−PO/g−チタノシリケート・時間であり、プロピレン基準の選択率は96%、水素基準選択率は86%であった。
実施例4
0.7mmol/kgのアントラキノン及び9μmol/kgのジフェニルスルフィドを含む水/アセトニトリル=20/80(質量比)の溶液の代わりに、0.7mmol/kgのアントラキノン及び9μmol/kgのジブチルスルフィドを含む水/アセトニトリル=20/80(質量比)の溶液を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
反応開始から5時間後に抜き出した液相及び気相を、ガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、チタノシリケート単位質量あたりのプロピレンオキサイド生成活性は18.2mmol−PO/g−チタノシリケート・時間であり、プロピレン基準の選択率は97%、水素基準選択率は78%であった。
実施例5
0.7mmol/kgのアントラキノン及び9μmol/kgのジフェニルスルフィドを含む水/アセトニトリル=20/80(質量比)の溶液の代わりに、0.7mmol/kgのアントラキノン及び450μmol/kgのジメチルスルホンを含む水/アセトニトリル=20/80(質量比)の溶液を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
反応開始から5時間後に抜き出した液相及び気相を、ガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、チタノシリケート単位質量あたりのプロピレンオキサイド生成活性は18.7mmol−PO/g−チタノシリケート・時間であり、プロピレン基準の選択率は98%、水素基準選択率は79%であった。
実施例6
0.7mmol/kgのアントラキノン及び9μmol/kgのジフェニルスルフィドを含む水/アセトニトリル=20/80(質量比)の溶液の代わりに、0.7mmol/kgのアントラキノン及び39μmol/kgの2,2’−チオジエタノールを含む水/アセトニトリル=20/80(質量比)の溶液を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
反応開始から5時間後に抜き出した液相及び気相を、ガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、チタノシリケート単位質量あたりのプロピレンオキサイド生成活性は14.9mmol−PO/g−チタノシリケート・時間であり、プロピレン基準の選択率は94%、水素基準選択率は79%であった。
実施例7
0.7mmol/kgのアントラキノン及び9μmol/kgのジフェニルスルフィドを含む水/アセトニトリル=20/80(質量比)の溶液の代わりに、700μmol/kgのジフェニルスルホンを含む水/アセトニトリル=20/80(質量比)の溶液を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
反応開始から5時間後に抜き出した液相及び気相を、ガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、チタノシリケート単位質量あたりのプロピレンオキサイド生成活性は15.5mmol−PO/g−チタノシリケート・時間であり、プロピレン基準の選択率は69%、水素基準選択率は39%であった。
実施例8
0.7mmol/kgのアントラキノン及び9μmol/kgのジフェニルスルフィドを含む水/アセトニトリル=20/80(質量比)の溶液の代わりに、700μmol/kgのスルホランを含む水/アセトニトリル=20/80(質量比)の溶液を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
反応開始から5時間後に抜き出した液相および気相をガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、チタノシリケート単位質量あたりのプロピレンオキサイド生成活性は9.6mmol−PO/g−チタノシリケート・時間であり、プロピレン基準の選択率は47%、水素基準選択率は23%であった。
実施例9
容量0.3Lのオートクレーブを反応器として用い、当該反応器にチタノシリケート(Ti−MWW前駆体b)及びPd/AC触媒を仕込んだ後、密閉し、反応器中に、酸素/水素/窒素の体積比が3.3/3.6/93.1であるガスを281L/時間の供給速度で、0.7mmol/kgのアントラキノン、3.0mmol/kgのリン酸水素2アンモニウム塩及び20μmol/kgのジフェニルスルフィドを含む水/アセトニトリル=30/70(質量比)の溶液を90g/時間の供給速度で、プロピレンを36g/時間の供給速度で、それぞれ供給し、反応器からフィルターを介して反応生成物を含む溶液(液相)及び生成ガス(気相)を反応混合物から抜き出すという連続式反応(滞留時間:60分間)を行った。この間、反応器中の内容物の温度を50℃、反応器中圧力を4.0MPa(ゲージ圧)とした。反応中は、反応器内に供給された混合溶媒133gに対し、チタノシリケート(Ti−MWW前駆体b)の量が2.28g、Pd/AC触媒の量が1.05gとなるように、Ti−MWW前駆体b及びPd/AC触媒の使用量は調節した。
反応開始から6時間後に抜き出した液相及び気相を、ガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、チタノシリケート単位質量あたりのプロピレンオキサイド生成活性は82.0mmol−PO/g−チタノシリケート・時間であり、プロピレン基準の選択率は91%、水素基準選択率は75%であった。
参考例3(PhS処理Pd/AC触媒の調製)
活性炭(和光純薬製)は、予め10Lの熱水(100℃)で洗浄し、さらに洗浄後の活性炭20gを、150℃、窒素気流下で6時間乾燥させた。上記活性炭6gと水1Lとを1Lナスフラスコ中に仕込み、空気雰囲気下、室温にて撹拌した。攪拌後の懸濁液に、パラジウム(Pd)コロイド(日揮触媒化成製)0.60mmolを含む水分散液100mLを、空気雰囲気下、室温にてゆっくり滴下した。滴下終了後、さらに懸濁液を空気雰囲気下、室温にて8時間撹拌した。攪拌終了後、ロータリーエバポレータを用いて水分を除去し、80℃にて6時間真空乾燥させて、黒色粉末を得た。
かくして得られた黒色粉末を、2Lの水、3Lの熱水(100℃)の順で洗浄し、150℃窒素気流下で6時間乾燥させ、Pd/AC触媒を得た。ICP発光分析から求められたS(硫黄)含量は0.041質量%であった。
上記の方法で得られたPd/AC触媒0.6gと、ジフェニルスルフィド(PhS)0.021gを含むメタノール溶液8mLと、を10mL二口ナスフラスコ中に仕込み、空気雰囲気下、室温にて5日間攪拌した。得られた懸濁液をろ過した後、メタノール及びジエチルエーテルで洗浄し、50℃にて2時間真空乾燥し、PhS処理Pd/AC触媒を得た。また、ICP発光分析からPd含量が1.06質量%であり、S(硫黄)含量が0.067質量%であることが判明した。
実施例10
容量0.3Lのオートクレーブを反応器として用い、当該反応器にチタノシリケート(Ti−MWW前駆体b)及びPd/AC触媒(参考例3で得られたPhS処理Pd/AC触媒)を仕込んだ後、密閉し、反応器中に、プロピレン/酸素/水素/窒素の体積比が8/4.2/4.4/83.4となる原料ガスを281L/時間の供給速度で、0.7mmol/kgのアントラキノンを含む水/アセトニトリル=20/80(質量比)の溶液を108mL/時間の供給速度で、それぞれ供給し、反応器からフィルターを介して反応生成物を含む溶液(液相)及び生成ガス(気相)を反応混合物から抜き出すという連続式反応(滞留時間:90分間)を行った。この間、反応器中の内容物の温度を60℃、反応器中圧力を0.8MPa(ゲージ圧)とした。反応中は、反応器内に供給された混合溶媒133gに対し、チタノシリケート(Ti−MWW前駆体b)の量が0.6g、PhS処理Pd/AC触媒の量が0.06gとなるように、Ti−MWW前駆体b及びPhS処理Pd/AC触媒の使用量は調節した。
反応開始から5時間後に抜き出した液相及び気相を、ガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、チタノシリケート単位質量あたりのプロピレンオキサイド生成活性は15.9mmol−PO/g−チタノシリケート・時間であり、プロピレン基準の選択率は98%、水素基準選択率(生成したプロピレンオキサイドモル量/消費した水素モル量)は88%であった。
比較例1
0.7mmol/kgのアントラキノン及び9μmol/kgのジフェニルスルフィドを含む水/アセトニトリル=20/80(質量比)の溶液の代わりに、0.7mmol/kgのアントラキノンを含む水/アセトニトリル=20/80の溶液を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
反応開始から5時間後に抜き出した液相及び気相を、ガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、チタノシリケート単位質量あたりのプロピレンオキサイド生成活性は、16.8mmol−PO/g−チタノシリケート・時間であり、プロピレン基準の選択率は、96%、水素基準選択率は70%であった。
比較例2
700μmol/kgのジフェニルスルホンを含む水/アセトニトリル=20/80(質量比)の溶液の代わりに、添加剤を含まない水/アセトニトリル=20/80の溶液(を用いた以外は、実施例7と同様の操作を行った。
反応開始から5時間後に抜き出した液相及び気相を、ガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、チタノシリケート単位質量あたりのプロピレンオキサイド生成活性は、3.6mmol−PO/g−チタノシリケート・時間であり、プロピレン基準の選択率は22%、水素基準選択率は11%であった。
比較例3
0.7mmol/kgのアントラキノン、3.0mmol/kgのりん酸水素2アンモニウム塩及び20μmol/kgのジフェニルスルフィドを含む水/アセトニトリル=30/70(質量比)の溶液の代わりに、0.7mmol/kgのアントラキノン、3.0mmol/kgのリン酸水素2アンモニウム塩を含む水/アセトニトリル=30/70の溶液を用いた以外は、実施例9と同様の操作を行った。
反応開始から5時間後に抜き出した液相及び気相を、ガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、チタノシリケート単位質量あたりのプロピレンオキサイド生成活性は74.1mmol−PO/g−チタノシリケート・時間であり、プロピレン基準の選択率は92%、水素基準選択率は61%であった。
比較例4
PhS処理Pd/AC触媒の代わりに、ジフェニルスルフィドによる処理を行わなかったPd/ACを用いた以外は、実施例10と同様の操作を行った。
反応開始から5時間後に抜き出した液相及び気相を、ガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、チタノシリケート単位質量あたりのプロピレンオキサイド生成活性は16.9mmol−PO/g−チタノシリケート・時間であり、プロピレン基準の選択率は97%、水素基準選択率は70%であった。
本発明のプロピレンオキサイド製造方法は、優れた水素基準選択率を発現し得るため、より効率的にプロピレンオキサイドを製造することができる。

Claims (16)

  1. 水及びニトリル化合物を含む混合溶媒中、
    貴金属触媒、酸素12員環以上の細孔を有するチタノシリケート及び有機硫黄化合物の存在下に、
    水素と、酸素と、プロピレンと、を反応させる工程を有するプロピレンオキサイドの製造方法。
  2. 前記有機硫黄化合物が、スルフィド化合物、スルホキシド化合物及びスルホン化合物からなる群より選ばれる化合物である請求項1記載の製造方法。
  3. 前記有機硫黄化合物が、スルフィド化合物及びスルホン化合物からなる群より選ばれる化合物である請求項1記載の製造方法。
  4. 前記スルフィド化合物が、ジアルキルスルフィド、アルキルアリールスルフィド又はジアリールスルフィドである請求項2記載の製造方法。
  5. 前記スルホキシド化合物が、ジアルキルスルホキシド、アルキルアリールスルホキシド又はジアリールスルホキシドである請求項2記載の製造方法。
  6. 前記スルホン化合物が、ジアルキルスルホン、アルキルアリールスルホン又はジアリールスルホンである請求項2記載の製造方法。
  7. 前記有機硫黄化合物が、炭素数2〜12のスルフィド化合物及び炭素数2〜12のスルホン化合物からなる群より選ばれる化合物である請求項1記載の製造方法。
  8. 前記工程が、
    前記有機硫黄化合物を溶解した前記混合溶媒中で、
    水素と、酸素と、プロピレンと、を反応させる工程である請求項1〜7のいずれか記載の製造方法。
  9. 前記ニトリル化合物がアセトニトリルである請求項1〜8のいずれか記載の製造方法。
  10. 前記貴金属触媒が、パラジウム、白金、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、オスミウム及び金からなる群より選ばれる貴金属を含む触媒であるか、前記群より選ばれる2種以上の前記貴金属からなる合金を含む触媒である請求項1〜9のいずれか記載の製造方法。
  11. 前記貴金属触媒が、少なくともパラジウムを含む触媒である請求項1〜9のいずれか記載の製造方法。
  12. 前記貴金属触媒が、貴金属を担体に担持した触媒である請求項1〜11のいずれか記載の製造方法。
  13. 前記貴金属触媒が貴金属を担体に担持した触媒であり、前記担体には前記有機硫黄化合物も担持されている請求項1〜11のいずれか記載の製造方法。
  14. 前記担体が活性炭である請求項12又は13記載の製造方法。
  15. 前記チタノシリケートが、Ti−MWW、Ti−MWW前駆体又はシリル化したTi−MWWである請求項1〜14のいずれか記載の製造方法。
  16. 前記混合溶媒中に、さらにアントラキノンを含む請求項1〜15のいずれか記載の製造方法。
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