JP2008088106A - エポキシ化合物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】オレフィンと酸素と水素からエポキシ化合物をより効率的に製造する方法を提供すること。
【解決手段】オレフィンと酸素と水素からエポキシ化合物を製造する方法であって、MFI構造を有する結晶性チタノシリケート触媒を過酸化物と接触させ、次いで液相中、貴金属触媒および先の工程で得られたMFI構造を有する結晶性チタノシリケート触媒の存在下、オレフィン、酸素および水素を反応させることを特徴とするエポキシ化合物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、オレフィンと酸素と水素からエポキシ化合物を製造する方法に関するものである。
オレフィンと酸素と水素からエポキシ化合物を製造する方法としては、MFI構造を有する結晶性チタノシリケートであるTS-1とパラジウムを触媒として水素、酸素及びプロピレンからプロピレンオキサイドを製造する反応に水とメタノールの混合溶媒として用いる方法(例えば、非特許文献1参照)が知られており、この反応においてはプロピレンオキサイドの選択性を向上させるため反応に塩類等を添加し、反応させプロピレンオキサイドの選択率の向上を図る方法が報告されている(例えば、特許文献1参照)。
ジャーナルオブキャタリシス(Journal of Catalysis), 176, 376-386 , (1998) 特表2002-511455
本発明は、オレフィンと酸素と水素からエポキシ化合物をより効率的に製造する方法を提供する。
すなわち、本発明は、MFI構造を有する結晶性チタノシリケート触媒を過酸化物と接触させ、次いで液相中、貴金属触媒および先の工程で得られたMFI構造を有する結晶性チタノシリケート触媒の存在下、オレフィン、酸素および水素を反応させることを特徴とするエポキシ化合物の製造方法に関するものである。
本発明によれば、過酸化物と接触させて処理されたMFI構造を有する結晶性チタノシリケートを使用する簡便な方法により、オレフィンと酸素と水素からエポキシ化合物を良好な選択性で、効率よく得ることができる。
本発明で用いられる貴金属としては、パラジウム、白金、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、オスミウム、金、またはそれらの合金もしくは混合物があげられる。好ましい貴金属としては、パラジウム、白金、金があげられる。さらにより好ましい貴金属はパラジウムである。パラジウムには、白金、金、ロジウム、イリジウム、オスミウム等の金属を添加混合して用いることができる。好ましい添加金属としては、白金があげられる。
また、これらの貴金属は、酸化物や水酸化物等の化合物の状態であっても良い。貴金属化合物の状態で反応器に充填し、反応条件下、反応原料中の水素により部分的あるいは全てを還元することもできる。
貴金属は、通常、担体に担持して使用される。貴金属は、MFI構造を有する結晶性チタノシリケートに担持して使用することもできるし、MFI構造を有する結晶性チタノシリケート以外のチタノシリケートや、チタノシリケート以外の担体であるシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ニオビア等の酸化物、ニオブ酸、ジルコニウム酸、タングステン酸、チタン酸等の水化物または炭素およびそれらの混合物に担持して使用することもできる。MFI構造を有する結晶性チタノシリケート以外に貴金属を担持させた場合、貴金属を担持した担体と過酸化物で処理されたMFI構造を有する結晶性チタノシリケートの混合物を触媒として使用することができる。チタノシリケート以外の担体の中では、炭素が好ましい担体として挙げられる。炭素担体としては、活性炭、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ等が知られている。
貴金属担持触媒の調製方法としては、貴金属粒子をクエン酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヘキサメタリン酸ナトリウム等の分散剤で分散させた貴金属のコロイド溶液を含浸法等によって担体に担持し、不活性ガス下にて焼成する方法があげられる。これと異なって、貴金属源となる貴金属化合物、例えば、硝酸パラジウム等の貴金属の硝酸塩、硫酸パラジウム2水和物等の硫酸塩、塩化パラジウム等の貴金属のハロゲン化物、酢酸パラジウムカルボン酸塩、あるいはPdテトラアンミンクロリド等のアンミン錯体等、を担体上に含浸法等によって担持した後、還元剤を用いて還元することにより調製することもできるし、水酸化ナトリウム等のアルカリを用いて一旦貴金属の水酸化物にした後、還元剤を用いて液相あるいは気相で還元することにより調製することもできる。液相で還元する場合の還元剤としては、水素、ヒドラジン1水和物、ホルムアルデヒド、水素化ホウ素ナトリウム等があげられる。ヒドラジン1水和物やホルムアルデヒドを用いる場合には、アルカリを添加して実施する方法も知られている。気相で還元する場合の還元の還元剤としては、水素、アンモニア等があげられる。水素ガス存在下にて貴金属源を担持した担体を焼成・還元することにより調製することもできる。好適に還元する温度は、担持した貴金属源により異なるが、0℃から500℃が一般的である。一方、Pdテトラアンミンクロリド等の貴金属のアンミン錯体を担体上に含浸法等によって担持し、不活性ガス下、熱分解時に発生するアンモニアガスで還元する方法もあげられる。還元温度は、貴金属アンミン錯体によって異なるがPdテトラアンミンクロリドを用いた場合は100℃から500℃が一般的であり、200℃から350℃が好ましい。
いずれの方法においても、必要により、得られた触媒を不活性ガス、アンモニアガス、真空、水素或いは空気の中での熱処理を行い活性化することもできる。また、貴金属の酸化物や水酸化物等の化合物を反応器内に充填した後、反応条件下で還元することもできる。
かくして、得られる貴金属担持物は、貴金属を、通常、0.01〜20重量%の範囲、好ましくは0.1〜5重量%含むものである。
貴金属のMFI構造を有する結晶性チタノシリケートに対する重量比(貴金属の重量/ MFI構造を有する結晶性チタノシリケートの重量)は、好ましくは、0.01〜100重量%、より好ましくは0.1〜20重量%である。
本発明において用いられる、MFI構造を有する結晶性チタノシリケートとしては、IZA(国際ゼオライト学会)の構造コードでMFI構造を有する結晶性チタノシリケートを意味し、具体的にはTS-1が例示される。また、TS-1とメソポーラスチタノシリケートであるTi-MCM-41の混相からなるTi-MMM-1(Microporous and Mesoporous Materials, volume 52, page 11 18, 2002)や、TS-1をシリカ等の担体に担持したような混合物でも、本発明の効果を損ねない範囲で使用できる。
チタノシリケートとは、多孔質シリケート(SiO2)のSiの一部がTiに置き換わったものの総称である。チタノシリケートのTiはSiO2骨格内に入っており、TiがSiO2骨格内に入っていることは、紫外可視吸収スペクトルで210 nm〜230 nmにピークを持つことにより容易に確認できる。あるいは、TiO2のTiは通常6配位であるが、チタノシリケートのTiは4配位であるため、チタンK殻XAFS分析等で配位数を測定することにより容易に確認することもできる。
チタノシリケートがMFI構造を有していることは、X線回折パターンを測定することにより容易に確認できることが知られている(例えば、Advances Catalysis, volume 41, 253 - 334)。MFI構造を有する結晶性チタノシリケートを合成する一般的な方法は、型剤あるいは構造規定剤であるテトラ−n−プロピルアンモニウムハイドロオキサイド等の界面活性剤を使用し、テトラ−n−ブチルオルソチタネートやテトラエチルオルソチタネート等のチタン化合物とテトラエチルオルソシリケート等のケイ素化合物を加水分解させ、必要に応じて加水分解により生じたアルコールを除去した後、水熱合成等で結晶化させた後、焼成あるいは抽出により界面活性剤を除去する方法である。
MFI構造を有する結晶性チタノシリケートは、過酸化物で処理した後、触媒に使用される。過酸化物で処理することにより、選択的にプロピレンオキサイドを合成できるため、より効率的にプロピレンオキサイドを製造することができる。
MFI構造を有する結晶性チタノシリケートを過酸化物と接触させる処理は、例えば、適切な濃度の過酸化物を含む溶液と接触させることにより行われる。過酸化物としては、エチルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酢酸等の有機過酸化物、過酸化水素等の無機過酸化物が挙げられる。過酸化水素を使用する場合、分解生成物が水と酸素であるため、分解生成物が発生しても処理が容易であり、好ましく使用できる。過酸化物の溶媒は、過酸化物によってそれぞれ適した溶媒が異なるが、過酸化水素を用いる場合、溶媒は、特に限定されないが、水あるいはプロピレンオキサイド合成反応に用いる溶媒が、工業的に簡便であり、好ましい。
過酸化物の濃度は、用いる過酸化物の安定性により異なるが、通常、0.0001重量%以上で実施することができる。例えば、過酸化水素を用いる場合、過酸化水素の濃度は、通常、0.0001重量%〜50重量%の範囲で実施することができる。好ましい過酸化水素の濃度は、0.01重量%〜5重量%であり、溶媒にプロピレンオキサイド合成反応に用いる溶媒を用いた場合、水素、酸素およびプロピレンからプロピレンオキサイドを合成する反応溶液中の過酸化水素濃度よりも高い過酸化水素濃度で実施することが望ましい。
過酸化水素をMFI構造を有する結晶性チタノシリケートと接触させる方法としては、例えば、反応前に、MFI構造を有する結晶性チタノシリケートに過酸化水素の水溶液を添加し、MFI構造を有する結晶性チタノシリケートを過酸化水素溶液から濾別後、反応に使用する方法や、貴金属担持物とMFI構造を有する結晶性チタノシリケートの触媒混合物に、過酸化水素を含む反応溶媒を流通し、反応器内で過酸化物と接触させMFI構造を有する結晶性チタノシリケートを処理して反応に用いる方法があげられる。
MFI構造を有する結晶性チタノシリケートと過酸化物との接触は、通常0℃以上で実施される。上限の温度は用いる過酸化物溶液の安定性により異なり、過酸化物の自己分解で生じる発熱による危険の無い範囲で実施される。
過酸化水素を用いる場合、過酸化水素処理の温度は、通常、0℃〜100℃の範囲で実施可能である。好ましい温度は、0℃から60℃である。また、処理時間は、過酸化水素の濃度にもよるが、通常10分〜5時間行われるが、1時間〜3時間が好ましい。
本発明の反応は、通常、水、有機溶媒あるいはその両者の混合物からなる液相中で行われる。有機溶媒としては、アルコール、ケトン、ニトリル、エーテル、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エステル、グリコール、またはそれらの混合物があげられる。好適な有機溶媒として、直鎖または分岐鎖飽和脂肪族ニトリルまたは芳香族ニトリルがあげられる。これらのニトリル化合物としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、イソブチロニトリル、ブチロニトリル等のC2〜C4のアルキルニトリルおよびベンゾニトリルが例示され、アセトニトリルが好ましい。
通常、水と有機溶媒の比率は、重量比で90:10〜0.01:99.99であり、好ましくは、50:50〜0.01:99.99である。水の比率が大きくなりすぎると、エポキシ化合物が水と反応して開環劣化しやすくなる場合があり、エポキシ化合物の選択率が低くなる場合もある。逆に有機溶媒の比率が大きくなりすぎると、溶媒の回収コストが高くなる。
本発明の方法においては、アンモニウム、アルキルアンモニウムまたはアルキルアリールアンモニウムからなる塩を、MFI構造を有する結晶性チタノシリケート、貴金属触媒とともに反応溶媒に加える方法も、触媒活性の減少を防止したり、触媒活性をさらに増大させ、水素の利用効率を高めることができるため有効である。アンモニウム、アルキルアンモニウムまたはアルキルアリールアンモニウムからなる塩の添加量は、単位溶媒重量(水および有機溶媒の混合物の場合その合計重量)あたり、通常、0.001 mmol /kg〜100 mmol/kgである。
アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルキルアリールアンモニウムからなる塩としては、1)硫酸イオン、硫酸水素イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオン、リン酸2水素イオン、ピロリン酸水素イオン、ピロリン酸イオン、ハロゲンイオン、硝酸イオン、水酸化物イオンもしくはC1-C10カルボン酸イオンから選ばれるアニオンと、2)アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルキルアリールアンモニウムから選ばれるカチオンとからなる塩が例示される。
C1-C10カルボン酸イオンとしては、蟻酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、酪酸イオン、吉草酸イオン、カプロン酸イオン、カプリル酸イオン、カプリン酸イオンが例示される。
アルキルアンモニウムの例としては、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラ-n-プロピルアンモニウム、テトラ-n-ブチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウムが挙げられる。
好ましいアンモニウム、アルキルアンモニウム、アルキルアリールアンモニウムからなる塩としては、硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、リン酸水素2アンモニウム、リン酸2水素アンモニウム、リン酸アンモニウム、ピロリン酸水素アンモニウム、ピロリン酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム等の無機酸のアンモニウム塩または酢酸アンモニウム等のC1-C10のカルボン酸のアンモニウム塩が例示され、好ましいアンモニウム塩としては、リン酸2水素アンモニウムがあげられる。
本発明に使用されるオレフィンは、1つ以上の炭素―炭素二重結合を有する炭化水素を意味する。本発明に使用されるオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン等の脂肪族のオレフィン、シクロペンテン、シクロヘキセン等の環状オレフィン、ブタジエン等のジオレフィン、スチレン等の芳香族環を有するオレフィンがあげられる。
本発明は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、シクロペンテン、シクロヘキセン、ブタジエン等のC2〜C6のオレフィンからエポキサイドを製造する方法に好適に使用でき、プロピレンからプロピレンオキサイドを製造する方法に特に好適に使用できる。
本発明による反応の反応方法としては、流通式固定床反応、流通式スラリー完全混合反応等があげられる。
反応器に供給する酸素と水素の分圧比は、通常、1:50〜50:1の範囲で実施される。好ましい酸素と水素の分圧比は、1:2〜10:1である。酸素と水素の分圧比(酸素/水素)が高すぎるとエポキサイドの生成速度が低下する場合がある。また、酸素と水素の分圧比(酸素/水素)が低すぎると、パラフィン副生の増大によりエポキシ化合物の選択率が低下する場合がある。本反応で用いられる酸素および水素ガスは希釈用のガスで希釈して反応を行うことができる。希釈用のガスとしては、窒素,アルゴン,二酸化炭素、メタン,エタン,プロパンがあげられる。希釈用ガスの濃度に特に制限は無いが、必要により、酸素あるいは水素を希釈して反応は行われる。
酸素原料としては、酸素ガス、あるいは空気等があげられる。酸素ガスは安価な圧力スウィング法で製造した酸素ガスも使用できるし、必要に応じて深冷分離等で製造した高純度酸素ガスを用いることもできる。
本反応における反応温度は、通常0℃〜150℃、好ましくは40℃〜90℃である。
反応温度が低すぎると反応速度が遅くなり、反応温度が高くなりすぎると副反応による副生成物が増加する。
反応圧力は、特に制限は無いが、通常、ゲージ圧力で0.1 MPa〜20 MPa、好ましくは、1MPa〜10MPaである。反応圧力が低すぎると原料ガスの溶解が不十分となり、反応速度が遅くなる。反応圧力が高すぎると反応に係わる機器のコストが増大する。本発明の生成物であるエポキシ化合物の回収は、通常の蒸留分離により行うことができる。
実施例
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
本反応に用いたTS-1は、ジャーナルオブキャタリシス(Journal of Catalysis) 130, (1991), 1-8に記載の方法により調製した。得られた粉末がTS-1であることは、X線回折パターンを測定することにより確認し、ICP発光分析によるチタン含量は1.3重量%であった。
触媒A
同じく本反応に用いたPd/カーボンブラック(CB)触媒は、米国公開特許第2005-0014636号に記載の方法に従い、調製した。500 mLナスフラスコ中に、塩化パラジウム0.56 mmol、塩化白金0.026 mmol、ポリアクリル酸ナトリウム(分子量:1200、1.27 mmol)、塩化水素30 mmolを含む水溶液500 mLを混合し、室温、Air雰囲気下で1時間攪拌した。この混合液に室温にて20分間、水素ガスを100 mL/分で導入し、Pdコロイドを形成させた。上記のコロイド溶液に市販のCB(シースト9、東海カーボン株式会社製)6 gを加え、8時間攪拌した。攪拌終了後、ロータリーエバポレータを用いて水分を除去し、さらに50℃にて12時間真空乾燥を行った。得られた触媒前駆体粉末を窒素雰囲気下300℃で6時間焼成し、Pd/CB触媒を得た。ICP発光分析によるパラジウム含量は0.9重量%であり、白金含量は0.1重量%であった。
TS-1触媒0.133gを、0.1重量%の過酸化水素を含む水/メタノール=20/80(重量比)の溶液100 gで室温下、1時間処理した。さらに、500 mLの水で洗浄後、ろ過し、過酸化水素処理されたTS-1触媒を得た。
反応は導入した容量0.5 Lのオートクレーブを反応器として用い、この中に、プロピレン/酸素/水素/窒素の体積比が4/3/8/85となる原料ガスを16 L/時間、水/メタノール=20/80(重量比)の溶液を108 mL/時間の速度で供給し、反応器からフィルターを介して反応混合物の液相を抜き出すことにより、温度60℃、圧力0.8MPa (ゲージ圧)、滞留時間90分の条件で連続式反応を行った。この間、反応器内の反応混合物中には、反応溶媒131 g、過酸化水素処理されたTS-1 0.133 g、Pd/CB 0.03 gを存在させた。
反応開始から5時間後に抜き出した液相および気相をガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、単位TS-1重量あたりのプロピレンオキサイド(PO)生成活性は6.55 mmol-PO/g-TS-1・h、プロピレン基準の選択率43%であった。
実施例2
0.1重量%の過酸化水素を含む水/メタノール=20/80(重量比)の溶液の代わりに、0.1重量%の過酸化水素を含む水/アセトニトリル=20/80(重量比)の溶液を用いて処理されたTS-1を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行なった。反応開始から5時間後に抜き出した液相および気相をガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、単位TS-1重量あたりのプロピレンオキサイド生成活性は4.82 mmol-PO/g-TS-1・h、プロピレン基準の選択率36%であった。
比較例1
0.1重量%の過酸化水素を含む水/メタノール=20/80(重量比)の溶液を用いて処理したTS-1の代わりに、処理を行なわないTS-1を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行なった。反応開始から5時間後に抜き出した液相および気相をガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、単位TS-1重量あたりのプロピレンオキサイド生成活性は6.45 mmol-PO/g-TS-1・h、プロピレン基準の選択率27%であった。

Claims (6)

  1. MFI構造を有する結晶性チタノシリケート触媒を過酸化物と接触させ、次いで液相中、貴金属触媒および先の工程で得られたMFI構造を有する結晶性チタノシリケート触媒の存在下、オレフィン、酸素および水素を反応させることを特徴とするエポキシ化合物の製造方法。
  2. 過酸化物が、過酸化水素である請求項1記載の製造方法。
  3. 貴金属触媒がパラジウム、白金、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、オスミウム、金またはそれらの合金もしくは混合物である請求項1〜2の何れかに記載の製造方法。
  4. 貴金属触媒がパラジウムである請求項3記載の製造方法。
  5. オレフィンがC2〜C6のオレフィンである請求項1〜4の何れかに記載の製造方法。
  6. オレフィンがプロピレンである請求項5記載の製造方法。
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