JP2010168073A - 包装形態 - Google Patents

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Abstract

【課題】容易に開封できるとともに、開封時の音で盗難を防ぐことができるようにする。
【解決手段】表側クラムシェル62の外周部の18個の溶着部91が、裏側クラムシェルパックの対応する溶着部と溶着されている。そして、この溶着部91を囲む周囲の一部(収納部93側)に切り込み92が形成されている。クラムシェルパック51の開封時、購入者が裏側クラムシェルから表側クラムシェル62を剥がそうと力を入れると、この切り込み92がガイドとなって、表側クラムシェル62の外周部における端寄りの一部が音を立てて破壊される。本発明は、製品を収納するクラムシェルパックに適用することができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、包装形態に関し、特に、容易に開封できるとともに、開封時の音で盗難を防ぐことができるようにした包装形態に関する。
透明なプラスチック製の表側クラムシェルと裏側クラムシェルによって製品を挟んで収容する構造のクラムシェルパックは、製品の販売時に製品を効果的に見せながら陳列する包装形態の1つとして幅広く利用されている。
従来のクラムシェルパックは、盗難防止のため、その外周部のほぼ全周をインパルスシーラまたは超音波で溶着されていた(特許文献1および2参照)。
図1および図2を参照して、従来のクラムシェルパックの構成について説明する。なお、図1は、従来のクラムシェルパックの構成例を示す正面図であり、図2は、従来のクラムシェルパックの構成例を示す斜視図である。
図1および図2の例において、クラムシェルパック1は、表側クラムシェル11と裏側クラムシェル12で構成されている。表側クラムシェル11と裏側クラムシェル12は、例えば、塩化ビニール、PS(ポリスチレン)、またはPET(ポリエチレンテレフタレート)などのプラスチックを材料とした薄肉可撓性の成形品であり、透明のプラスチック材料で成形される。
裏側クラムシェル12は、平らなシート状で形成されている。表側クラムシェル11には、収納部11a、収納部11b、および収納部11cが形成されている。収納部11aは、例えば、製品の付属品などを収納する。収納部11bは、製品として、例えば、ウォークマン(商標)に代表される携帯型オーディオプレーヤを収納する。収納部11cは、例えば、付属のイヤホン(耳に差し込む形式のヘッドホン)を収納する。なお、図2の例においては、収納部11bと収納部11cの図示は省略されている。
図示せぬ携帯型オーディオプレーヤとイヤホンは、それらを収納部11bおよび収納部11cに固定し、かつ、付属品を見せないように収納部11aに収納するように形成された図示せぬ台紙とともに表側クラムシェル11と裏側クラムシェル12の間に収納される。そして、それらが収納された状態で、表側クラムシェル11の外周部11dと裏側クラムシェル12の外周部12dのほぼ全周を接着することにより、表側クラムシェル11と裏側クラムシェル12が一体化される。この接着は、インパルスシーラまたは超音波で熱溶着(斜線部分)によってなされる。
また、表側クラムシェル11と裏側クラムシェル12のそれぞれの上端部には、製品の販売時にクラムシェルパック1を引掛部に吊り下げるための吊り下げ用孔部11eと12eがそれぞれ形成されている。
このクラムシェルパック1に収納される製品を取り出す場合には、クラムシェルパック1を破ることによって製品を取り出すこととなる。すなわち、表側クラムシェル11と裏側クラムシェル12には、図2に示されるように、収納部11aの周囲にミシン目21が形成されている。このミシン目21に沿って、ハサミ31等で切り込みを入れることにより、購入者は、クラムシェルパック1から製品を取り出すことができる。
以上のように、クラムシェルパックは、ハサミなどを使用しないと開封しにくい。すなわち、クラムシェルパックの外周部のほぼ全周を溶着することにより、クラムシェルパックを手で開けることが困難になり、盗難を防ぐことができた。
特開2001−287771号公報 特開2001−97444号公報 特開2004−51133号公報
しかしながら、クラムシェルパックの開封時には、ハサミ使用の注記があるにもかかわらず、購入者が購入後にすぐにクラムシェルパックを手で無理やり開けようとし、そのとき、指を切ってしまうなど怪我をしてしまうことがあった。
なお、クラムシェルパックの開封時に、クラムシェルパックの収納部の破壊を防ぐべく、特許文献3には、外周部を部分的に溶着するクラムシェルパックが提案されている。しかしながら、特許文献3に記載のクラムシェルパックでは、熱溶着部の位置を囲むようにミシン目状の溝が形成されていることから、クラムシェルパックの開封が容易であるとともに、開封時の音が小さく、盗難を防止することが困難になってしまう。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、容易に開封できるとともに、開封時の音で盗難を防ぐことができるようにするものである。
本発明の一側面の包装形態は、一対のクラムシェルと、前記一対のクラムシェルの外周部に、前記一対のクラムシェルの間に製品を挟んで収納した状態で溶着される複数の溶着部と、前記一対のクラムシェルの少なくとも一方のクラムシェルの前記溶着部を囲む周囲の一部に形成される切り込みとを有する。
前記切り込みは、前記溶着部を囲む周囲のうち、製品の収納部側に形成される。
前記一対のクラムシェルの前記溶着部は、凹凸の嵌合構造で構成されることができる。
前記溶着部を囲む周囲の他の一部にはミシン目が形成されている。
前記一対のクラムシェルの間に収納されるクラムシェルであって、前記製品を収納するための収納部が形成された内側クラムシェルをさらに有することができる。
前記一対のクラムシェルおよび前記内側クラムシェルは、一体に連結された形状に成形されている。
前記一対のクラムシェルの一方には、孔部が形成されており、前記一対のクラムシェルの他方は、前記孔部において、前記内側クラムシェルと溶着されることができる。
本発明の一側面においては、一対のクラムシェルの外周部に、前記一対のクラムシェルの間に製品を挟んで収納した状態で溶着される複数の溶着部が設けられ、前記一対のクラムシェルの少なくとも一方の前記溶着部を囲む周囲の一部には切り込みが形成される。
本発明の一側面によれば、製品を効果的に見せながら収納することができる。また、本発明の一側面によれば、容易に開封できるとともに、開封時の音で盗難を防ぐことができる。
従来のクラムシェルパックの構成例を示す正面図である。 従来のクラムシェルパックの構成例を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るクラムシェルパックの部品構成を示す展開図である。 クラムシェルパックの梱包方法を説明する図である。 梱包状態のクラムシェルパックを示す図である。 熱溶着後のクラムシェルパックの構成例を示す正面図である。 溶着部の切り込み形状例を示す図である。 溶着部の開封後の形状例を示す図である。 溶着部の開封後の形状の他の例を示す図である。 図9の溶着部の再梱包方法を説明する図である。 クラムシェルパックの開封方法を説明する背面図である。 クラムシェルパックの開封方法を説明する斜視図である。 クラムシェルパックの開放状態を示す側面図である。
[クラムシェルパックの部品構成例]
図3は、本発明の一実施形態に係る包装形態としてのクラムシェルパックの部品構成例を示す展開図である。なお、図3の例において斜線は開口(孔)部分を表している。
クラムシェルパック51は、PS(ポリスチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、または、再生PETなどの透明樹脂を材料として成形される。クラムシェルパック51は、大まかには、一対のクラムシェルである、表側クラムシェル62と裏側クラムシェル63により構成され、間に製品が収納された状態でそれらが重ね合わされることにより、製品が梱包されるものである。
より具体的には、クラムシェルパック51は、差し込みフラップ61、表側クラムシェル62、裏側クラムシェル63、内側クラムシェル64、およびガイド65からなり、それらが、接続部71乃至74において一体に連結された形状で形成されている。
差し込みフラップ61は、接続部71において表側クラムシェル62に連結されており、製品の販売時にクラムシェルパック1を引掛部に吊り下げるための吊り下げ用孔部81を有している。製品の梱包時、差し込みフラップ61は、接続部71がヒンジとして用いられて、表側クラムシェル62の後方に折り込まれる。その際、差し込みフラップ61の端部61aは、表側クラムシェル62の後方に先に折り込まれる裏側クラムシェル63に形成された開口部103に差し込まれる。
表側クラムシェル62は、接続部71において差し込みフラップ61と連結されており、接続部72において裏側クラムシェル63に連結されている。表側クラムシェル62の外周部には、裏側クラムシェル63の溶着部101と熱溶着するための溶着部91が丸い凸型に形成されている。図3の例において、溶着部91は、等間隔に9個ずつ外周部の左右に設けられている。
さらに、溶着部91を囲む周囲の一部には、スリット状の切り込み92が形成(加工)されている。この切り込み92は、溶着部91を囲む周囲のうち、収納部93側に形成される。なお、切り込み92の詳細は、図7を参照して後述する。
表側クラムシェル62の中央部には、製品を収納した内側クラムシェル64を収納するための収納部93が形成されている。表側クラムシェル62は、収納部93の中に内側クラムシェル64を収納した状態で、接続部72をヒンジとして裏側クラムシェル63を後ろ側に折り込んで、裏側クラムシェル63と重ね合わされる。
また、表側クラムシェル62は、上端部(図中左側)に、吊り下げ用孔部81に対応する吊り下げ用孔部94を有している。表側クラムシェル62は、さらに、下端部(図中右側)に、表側クラムシェル62と裏側クラムシェル63の熱溶着時に、裏側クラムシェル63と内側クラムシェル64の熱溶着を同時に行うために形成された孔部95を有している。
裏側クラムシェル63は、平らなシート状に形成されている。裏側クラムシェル63は、接続部72において表側クラムシェル62と連結されており、接続部73において内側クラムシェル64と連結されている。裏側クラムシェル63の外周部には、表側クラムシェル62の溶着部91と熱溶着するための溶着部101が形成されている。
溶着部101は、一対のクラムシェルが合わさった場合に、凸型の溶着部91がそれに被さるよう、溶着部91よりも一回り小さい丸い凸型となるように形成されている。すなわち、図3においては、クラムシェルパック51が展開されているため、溶着部91が凸型であるのに対して、溶着部101は凹型で形成されている。なお、溶着部91が凹型の場合には、溶着部101は凸型で形成される。
また、裏側クラムシェル63の上端部(図中右側)には、吊り下げ用孔部81および94に対応する吊り下げ用孔部102と、差し込みフラップ61の端部61aを差し込むための開口部103が形成されている。
内側クラムシェル64は、接続部73において裏側クラムシェル63と連結されており、接続部74においてガイド65と連結されている。内側クラムシェル64には、収納部111、収納部112、および収納部113が形成されている。収納部111は、例えば、製品の付属品などを収納する。収納部112は、製品として、例えば、ウォークマン(商標)に代表される携帯型オーディオプレーヤを収納する。収納部113は、例えば、付属のイヤホン(耳に差し込む形式のヘッドホン)を収納する。
図示せぬ携帯型オーディオプレーヤとイヤホンは、図示せぬ台紙とともに内側クラムシェル64と裏側クラムシェル63の間に収納される。この台紙は、それらを収納部112および収納部113に固定し、かつ、付属品を見せないように収納部111に収納するように型抜きして形成されたものである。台紙には、例えば、商品名やPOSコードなどが印刷されており、収納部113や吊り下げ用孔部81、94、102、および114に対応する孔が形成されている。
内側クラムシェル64は、収納部111乃至113の中に製品や台紙などを収納した状態で、接続部73をヒンジとして裏側クラムシェル63の後ろ側に折り込まれて、裏側クラムシェル63と重ね合わされる。
また、内側クラムシェル64の上端部(図中左側)には、吊り下げ用孔部81、94、および102に対応する吊り下げ用孔部114が形成されている。内側クラムシェル64の下端部(図中右側)のガイド65の両側には、さらに、裏側クラムシェル63と熱溶着するための溶着部115が形成されている。溶着部115には、実際に溶着される接着箇所の周囲の一部に切り込み116が形成されている。この切り込み116は、接着箇所を囲む周囲のうち、収納部111側に形成される。
ガイド65は、梱包時、接続部74をヒンジとして、裏側クラムシェル63のシート状の面に対してほぼ垂直になるように、内側クラムシェル64の収納部111側に折り込まれる。ガイド65は、このとき、収納部111よりも出っ張り、かつ、表側クラムシェル62の収納部93に収まる長さに形成されている。したがって、開封時、購入者が、内側クラムシェル64の収納部111よりも出っ張っているガイド65を引っ張ることにより、溶着部115が溶着されていても、裏側クラムシェル63から内側クラムシェル64を容易に剥がすことができる。
なお、図3の例においては、溶着部91および溶着部101の形状が丸の例を説明したが、丸に限らず、溶着部91および溶着部101は、楕円や四角など、他の形状で形成されることもできる。
[クラムシェルパックの梱包方法例]
次に、図4を参照して、クラムシェルパック51の梱包方法を説明する。なお、図4は、図3のクラムシェルパック51の側面図である。図4の例においては、上から順に、製品の収納前、内側クラムシェル64を裏側クラムシェル63に重ね合わせた状態、および裏側クラムシェル63を表側クラムシェル62に重ね合わせた状態の3つの状態のクラムシェルパック51が示されている。
まず、ガイド65は、矢印P1に示されるように、接続部74をヒンジとして、内側クラムシェル64の収納部111の底面に沿うように、折り込まれる前の状態に対して垂直に折り込まれる。
次に、内側クラムシェル64は、収納部111乃至113の中に製品や台紙などを収納した状態で、矢印P2に示されるように、接続部73をヒンジとして裏側クラムシェル63の後ろ側に折り込まれて、裏側クラムシェル63と重ね合わされる。このとき、製品や台紙などは、内側クラムシェル64と裏側クラムシェル63の間に収納される。
その後、裏側クラムシェル63は、内側クラムシェル64を表側クラムシェル62の収納部93に収納するように、矢印P3に示されるように、接続部72をヒンジとして表側クラムシェル62の後ろ側に折り込まれて、表側クラムシェル62と重ね合わされる。このとき、製品が収納された内側クラムシェル64は、表側クラムシェル62と裏側クラムシェル63の間に収納される。
表側クラムシェル62と裏側クラムシェル63が重ね合わされた後、差し込みフラップ61は、矢印P4に示されるように、接続部71をヒンジとして、表側クラムシェル62の後方に折り込まれる。その際、差し込みフラップ61の端部61aは、表側クラムシェル62の後方に折り込まれる裏側クラムシェル63に形成される開口部103に差し込まれる。
以上により、クラムシェルパック51に製品が収納され、クラムシェルパック51が梱包される。
[梱包状態のクラムシェルパックの例]
図5は、梱包状態のクラムシェルパック51を示す図である。図5Aは、製品が収納された梱包状態のクラムシェルパック51を示す斜視図であり、図5Bは、図5Aのクラムシェルパック51を図中下側から見た底面図である。なお、図5Aの例においては、クラムシェルパック51内の図示と、溶着部91を囲む周囲の一部の切り込み92の図示は省略されている。
このように梱包された後、クラムシェルパック51に設けられた18個の溶着部91と溶着部101は、インパルスシーラまたは超音波で熱溶着されることにより、熱溶着され、表側クラムシェル62と裏側クラムシェル63が一体化される。また、このとき、同時に、内側クラムシェル64の溶着部115と裏側クラムシェル63も、表側クラムシェル62に形成される孔部95において熱溶着される。
[熱溶着後のクラムシェルパックの例]
図6は、熱溶着後のクラムシェルパック51の構成例を示す正面図である。なお、図6の例において、斜線のハッチングが熱溶着された接着箇所を表している。
すなわち、図6の例においては、表側クラムシェル62の外周部の左側の9個の溶着部91が、対応する溶着部101と溶着され、表側クラムシェル62の外周部の右側の9個の溶着部91が、対応する溶着部101と溶着されている。そして、この溶着部101を囲む周囲の一部(収納部93側)に切り込み92が形成されている。
クラムシェルパック51の開封時、購入者が裏側クラムシェル63から表側クラムシェル62を持って剥がそうと力を入れると、この切り込み92がガイドとなって、表側クラムシェル62の外周部の一部がちぎれて破壊される。これにより、裏側クラムシェル63から表側クラムシェル62を容易に剥がすことができるとともに、この破壊時の音が大きいので、盗難を抑制することができる。
また、表側クラムシェル62の下端部の孔部95においては、内側クラムシェル64に形成された溶着部115が裏側クラムシェル63と溶着されている。これにより、裏側クラムシェル63から表側クラムシェル62を剥がしたときに、製品が飛び出るのを防ぐことができる。
さらに、この溶着部115においても、溶着箇所を囲む周囲の一部(収納部93側)に切り込み116が形成されている。したがって、裏側クラムシェル63から内側クラムシェル64を剥した後、購入者がガイド65を引っ張ることで、この切り込み116がガイドとなって、内側クラムシェル64(溶着部115)の対応する部分がちぎれて破壊される。これにより、裏側クラムシェル63から内側クラムシェル64を容易に剥がすことができるとともに、この破壊時の音が大きいので、盗難を抑制することができる。
以上のようにして、クラムシェルパック51が開封され、クラムシェルパック51から製品を取り出すことができる。
[切り込み形状の例]
図7は、溶着部91の切り込み形状の例を示す図である。図7の例においては、裏側クラムシェル63の溶着部101は、表側クラムシェル62の溶着部91よりもひとまわり小さく形成されている。そして、溶着部91と溶着部101は、丸い凸型に形成されており、その中央の接着箇所(斜線部分)において熱溶着されている。
図7の例においては、5種類の切り込み92a乃至92eの例が示されている。また、図7の例の場合、溶着部91の左側に収納部93が配置されているものとする。
切り込み92aは、溶着部91を囲む円の周囲のうち、収納部93側の半円に形成されている。切り込み92bは、溶着部91を囲む円の周囲のうち、収納部93側の半円より少し出るように形成されている。すなわち、切り込み92bの長さは、切り込み92aの長さよりも少し長い。
切り込み92cは、溶着部91を囲む円の周囲のうち、収納部93側の半円を通り、半円から少し外へ広がるように形成されている。
切り込み92dは、溶着部91を囲む正方形の周囲のうち、収納部93側の2/3ほどで形成されている。
切り込み92eは、溶着部91の接着箇所を囲む円の周囲のうちほぼ半円に形成されている。溶着部91の接着箇所を囲む円の周囲のうちの切り込み92e以外の部分には、ミシン目状の溝加工(以下、ミシン目と称する)151が形成されている。なお、切り込み92eの例の場合、溶着部91と溶着部101は、クラムシェルパック51が再梱包可能となるように、凹凸の嵌合構造で構成されている。切り込み92eの詳細は、図9および図10を参照して後述する。
なお、切り込み92の形状や長さは、図7の例に限定されず、開封しやすさと音の大きさの兼ね合いに応じて、さまざまな形状や長さで形成されることができる。
[溶着部の開封後の形状例]
図8は、切り込み92aの場合における溶着部の開封後の形状の例を示す図である。
図8Aに示されるように、開封時には、切り込み92aをガイドとして、表側クラムシェル62の外周部における端寄りの一部141が破壊される。すなわち、切り込み92aが収納部93側に形成されることにより、収納部93が破壊されることを防ぐことができる。また、開封が容易であり、かつ、ある程度破壊部分がわかることから、開封時の怪我も防止される。さらに、この破壊の際、切り込み92a以外の場所にミシン目もないことから、大きな音が発生する。これにより、このクラムシェルパック51を破壊しての盗難を抑制することができる。
そして、図8Bに示されるように、開封後には、溶着部91を含む、切り込み92aと破壊された外周部における端寄りの一部141に囲まれた部分142は、表側クラムシェル62から切り落とされる。そして、切り落とされた溶着部91を含む部分142は、溶着部101と溶着されているので裏側クラムシェル63側に残ることになる。この場合、破壊された部分142がバラバラになることがないので、ゴミの片付けが楽になる。
なお、図8の例においては、切り込み92aの場合を例に説明したが、切り込み92b乃至92dの場合も同じである。
図9は、切り込み92eの場合における溶着部の開封後の形状の例を示す図である。
図9の例の場合、溶着部91の内側の接着箇所を囲む円の周囲には、切り込み92eとミシン目151が形成される。この場合、開封時には、ミシン目151に沿って、表側クラムシェル62が切断されて、図9Aに示されるように、溶着部91には、開口部171が形成される。したがって、開封時の音は、図8の例の場合よりも小さくなってしまうが、表側クラムシェル62が破壊されることを抑制することができる。
すなわち、開封後には、図9Bに示されるように、切り込み92eとミシン目151からなる円の接着箇所161が、表側クラムシェル62から切り落とされてしまい、表側クラムシェル62には、開口部171が形成される。このとき、裏側クラムシェル63の溶着部101の接着箇所あたりに、切断された接着箇所161が残ることになる。
さらに、切り込み92eの場合の溶着部91および溶着部101には、図10に示されるように、突形状(アンダー)181および182がそれぞれ設けられており、溶着部91および溶着部101は、凹凸の嵌合構造からなるロック機構を有する。したがって、開封後に、溶着部91には開口部171が形成され、溶着部101には溶着部91の接着箇所161が残ったとしても、それらの嵌合構造には影響がないため、矢印に示されるように、溶着部91と溶着部101は、再度、合わせ嵌めることができる。すなわち、クラムシェルパック51を再梱包することが可能になる。
このように溶着部を凹凸の嵌合構造に形成して再梱包可能にするようにしたので、収納部を嵌合構造にする場合と異なり、収納部の形状が制約されることがなく、収納部を製品に合わせて、どのようにでも形成可能となる。
なお、図9および図10の例の場合であっても、ミシン目151を形成することなく、切り込み92eのみで形成するようにしてもよい。
[クラムシェルパックの開封例]
図11は、溶着後のクラムシェルパック51を後ろから見た背面図である。図11の例においては、差し込みフラップ61の端部61aが、裏側クラムシェル63に形成された開口部103に差し込まれている。
開封時、購入者は、図12に示されるように、この差し込みフラップ61の端部61aを開口部103から抜き出し、この差し込みフラップ61と表側クラムシェル62をそれぞれどちらかの手に持ち、それぞれ逆方向に引っ張る。例えば、差し込みフラップ61は、矢印P5の方向に引っ張られる。
この引っ張る力により、溶着部91を囲む周囲に形成される切り込み92をガイドとして、表側クラムシェル62の外周部の一部が大きな音をたてて破られる。これにより、図13に示されるように、溶着された表側クラムシェル62と裏側クラムシェル63とを容易に開けることができるとともに、破られたときの音で盗難を抑制することができる。
そして、さらに、矢印P6に示されるように、ガイド65が裏側クラムシェル63に対してほぼ垂直に、かつ、収納部111の底面に沿うように収納部111よりも長く出ている。したがって、裏側クラムシェル63を抑えながら、このガイド65を引っ張ることで、内側クラムシェル64を裏側クラムシェル63から容易に剥がすことができる。
また、このとき、内側クラムシェル64に形成された溶着部115においても、切り込み116をガイドとして溶着部115の一部が大きな音を立てて破られる。これにより、製品を内側クラムシェル64から取り出すことができるとともに、破られたときの音で盗難を抑制することができる。
なお、上記説明においては、溶着部91および溶着部101の数は、収納部93を挟んで左右に9個ずつとしたが、溶着部の数、大きさ、位置、および設置間隔は限定されず、収納する製品、必要とする開封時の音の大きさなどに応じた構成とすることができる。また、溶着部は等間隔に設置されるとしたが、必ずしも等間隔ではなくてもよい。
また、上記説明においては、表側クラムシェル62の溶着部91を囲む周囲の一部に切り込み92を設ける例を説明したが、裏側クラムシェル63の溶着部101を囲む周囲の一部に切り込みを設けるようにすることもできる。さらに、両方のクラムシェルの溶着部を囲む周囲の一部に切り込みを設けるようにすることもできる。
さらに、上記説明においては、内側クラムシェル64を設ける例を説明したが、内側クラムシェル64がない場合にも本発明は適用される。
本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
51 クラムシェルパック, 61 差し込みフラップ, 62 表側クラムシェル, 63 裏側クラムシェル,64 内側クラムシェル, 65 ガイド, 91 溶着部, 92 切り込み, 101 溶着部, 115 溶着部, 116 切り込み, 151 ミシン線

Claims (7)

  1. 一対のクラムシェルと、
    前記一対のクラムシェルの外周部に、前記一対のクラムシェルの間に製品を挟んで収納した状態で溶着される複数の溶着部と、
    前記一対のクラムシェルの少なくとも一方のクラムシェルの前記溶着部を囲む周囲の一部に形成される切り込みと
    を有する包装形態。
  2. 前記切り込みは、前記溶着部を囲む周囲のうち、製品の収納部側に形成される
    請求項1に記載の包装形態。
  3. 前記一対のクラムシェルの前記溶着部は、凹凸の嵌合構造で構成される
    請求項2に記載の包装形態。
  4. 前記溶着部を囲む周囲の他の一部にはミシン目が形成されている
    請求項3に記載の包装形態。
  5. 前記一対のクラムシェルの間に収納されるクラムシェルであって、前記製品を収納するための収納部が形成された内側クラムシェルをさらに有する
    請求項2に記載の包装形態。
  6. 前記一対のクラムシェルおよび前記内側クラムシェルは、一体に連結された形状に成形されている
    請求項5に記載の包装形態。
  7. 前記一対のクラムシェルの一方には、孔部が形成されており、
    前記一対のクラムシェルの他方は、前記孔部において、前記内側クラムシェルと溶着される
    請求項6に記載の包装形態。
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