JP4057030B2 - 自立性ブリスター包装材 - Google Patents
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Description
従来より、商品収納用のブリスターを有する熱可塑性樹脂シートを台紙に取り付ける方法として、熱可塑性樹脂シートと同系統の樹脂を塗布した台紙に、ブリスター部のフランジを熱溶着する方法、長方形のブリスター部の三辺の端をコの字形に折り曲げ加工し、その凹部に沿って台紙をスライドさせる方法、ブリスター部のフランジと台紙を感圧接着剤を用いて接着する方法などが採用されてきた。
しかし、このようなブリスター包装材は、商品を収納するブリスターの四周に台紙が存在するので、多数個のブリスター包装材を輸送のために箱詰めするときなどに、台紙が邪魔になって密度の高い充填をすることができない。また、店頭において展示する場合は、篭などにバラ積みするか、あるいは、ブリスター包装材に吊下孔を備えたヘッダー部を設けて、吊下棒から吊り下げて展示する以外に展示方法がない。
すなわち、本発明は、
(1)表裏2枚の合成樹脂フィルムからなる袋体とブリスターの周縁にフランジを有するブリスター部とからなるブリスター包装材において、ブリスターの下側面が袋体と略直交する平面であり、袋体の下縁が該平面の近傍に存在し、ブリスターの下側面につながる部分のフランジがブリスターの内側に折り曲げられて舌片となり、袋体の表面側の合成樹脂フィルムに窓穴が開けられ、ブリスターが窓穴より突出し、フランジが表裏2枚の合成樹脂フィルムにより挟持されてなることを特徴とする自立性ブリスター包装材、
(2)ブリスター部の横側方のフランジの二つの側縁が略平行な二直線であり、該二直線間の距離が、袋体の幅に略等しい(1)記載の自立性ブリスター包装材、
(3)ブリスター部と接しない部分の合成樹脂フィルムに、幅方向の開口部が設けられてなる(1)記載の自立性ブリスター包装材、
(4)開口部を覆う開口部舌片を有し、該開口部舌片又は該開口部舌片と接する部分の袋体に、剥離材により覆われた粘着剤層を有する(3)記載の自立性ブリスター包装材、
(5)ブリスター部のフランジが、合成樹脂フィルムに断続的に部分接着されてなる(1)記載の自立性ブリスター包装材、
(6)表裏2枚の合成樹脂フィルムの間に、合成樹脂シート又は合成紙からなる芯材が設けられてなる(1)記載の自立性ブリスター包装材、及び、
(7)表裏2枚の合成樹脂フィルムにそれぞれ窓穴が設けられ、ブリスターの下側面につながる部分のフランジがブリスターの内側に折り曲げられた舌片となり、フランジが合成樹脂フィルムと芯材により挟持され、それぞれの窓穴よりブリスターが外側へ突出してなる(6)記載の自立性ブリスター包装材、
を提供するものである。
さらに、本発明の好ましい態様として、
(8)窓穴が、ブリスターから、ブリスターの内側に折り曲げられた舌片を除いた形状である(1)記載の自立性ブリスター包装材、
(9)ブリスターの下側面につながる舌片が、窓穴の下縁を越えて延設され、該延設部が窓穴の下縁において裏面側の合成樹脂フィルム側に折り曲げられ、表裏2枚の合成樹脂フィルムにより挟持されてなる(8)記載の自立性ブリスター包装材、
(10)開口部舌片及び表裏2枚の合成樹脂フィルムが、捲回された1枚の合成樹脂フィルムからなる(5)記載の自立性ブリスター包装材、及び、
(11)上部に吊下孔を備えたヘッダー部を有する(1)ないし(10)のいずれか1項に記載の自立性ブリスター包装材、
を挙げることができる。
図1は、本発明に用いるブリスター部の一態様の正面図及びA−A線断面図である。本態様のブリスター部1は、ブリスター2の周縁にフランジ3を有し、ブリスターの下側面4につながる部分のフランジがブリスターの内側に折り曲げられて舌片5となっている。また、ブリスターの両側面の下部とフランジが接するところに切り込み6が設けられている。切り込みは、袋体を構成する合成樹脂フィルムを挿し込むことができればよいが、本図では理解を容易にするために、幅を有する形状として表している。このようなブリスター部は、合成樹脂シートから真空成形法などにより略直方体のブリスターを形成し、図1の左方の正面図に示す形状にフランジを切断し、ブリスターの下側面につながる部分のフランジを内側に折り込んで舌片5とすることにより作製することができる。
本発明の自立性ブリスター包装材を箱詰めするとき、ブリスターの下側面4がブリスターの上側面12と接するように箱詰めし、上下方向にはブリスター間に隙間なく詰めることができるので、密度高く充填して、輸送効率を高めることができる。
図3に示す態様の自立性ブリスター包装材は、表面側の合成樹脂フィルム9と裏面側の合成樹脂フィルム10からなる袋体8の表面側の合成樹脂フィルムに窓穴11が開けられている。窓穴は熱溶断により打ち抜き、窓穴の縁部を強化して破れにくくすることが好ましい。ブリスター部のブリスター2が窓穴11から突出し、ブリスター部のフランジ3が表裏2枚の合成樹脂フィルムにより挟持されている。
図5は、本発明の自立性ブリスター包装材の他の態様の背面図及びG−G線切断部端面図である。本態様の自立性ブリスター包装材においては、裏面側の合成樹脂フィルム10に、幅方向の開口部18が設けられている。開口部を経由して、ブリスターに商品を差し入れ、ブリスターから商品を取り出すことができる。開口部には、開口部を覆う開口部舌片19が設けられ、舌片には、剥離材20により覆われた粘着剤層21が設けられている。剥離材としては、例えば、剥離紙、剥離フィルムなどを用いることができる。商品が収納された自立性ブリスター包装体を出荷するとき、剥離材を剥がして開口部舌片を粘着剤層により裏面側フィルムに接着して開口部を封鎖し、輸送、貯蔵中のブリスターへの塵埃などの侵入を防止することができる。自立性ブリスター包装材を購入した消費者は、舌片を開いて反復して商品を開口部より出し入れすることができる。
本発明の自立性ブリスター包装材に用いる合成樹脂フィルム製の袋体は、長尺の合成樹脂フィルムを半折重合し、両側縁を熱溶断した一辺に開口部を有する平袋とすることもできる。
本発明の自立性ブリスター包装材においては、ブリスター部のフランジが、袋体を構成する合成樹脂フィルムに断続的に部分接着されてなることが好ましい。図6は、本発明の自立性ブリスター包装材の他の態様の正面図、H−H線切断部端面図、I−I線切断部端面図及びJ−J線切断部端面図である。本態様の自立性ブリスター包装材は、ブリスター部のフランジ3が、袋体を構成する合成樹脂フィルムに7個の円形の接着部22により断続的に部分接着されている。ブリスター部のフランジを合成樹脂フィルムに断続的に部分接着することにより、ブリスター部と合成樹脂フィルムの変形を最小限に抑えて、美麗な自立性ブリスター包装材とすることができる。フランジと合成樹脂フィルムを部分接着する方法に特に制限はないが、熱溶着、超音波溶着及び高周波溶着を好適に用いることができる。
本発明の自立性ブリスター包装材においては、表裏2枚の合成樹脂フィルムにそれぞれ窓穴を設け、ブリスターの下側面につながる舌片をブリスターの内側に折り曲げ、フランジを合成樹脂フィルムと芯材により挟持し、それぞれの窓穴よりブリスターを外側へ突出させることができる。
図8は、本発明の自立性ブリスター包装材の他の態様の正面図、K−K線切断部端面図及びL−L線切断部端面図である。表面側の合成樹脂フィルム9と裏面側の合成樹脂フィルム10の間に、芯材23が設けられている。表裏2枚の合成樹脂フィルムにそれぞれ窓穴11が設けられ、それぞれの窓穴よりブリスター2が外側へ突出している。ブリスターの下側面につながる舌片5が、ブリスターの内側に折り曲げられ、ブリスター部のフランジ3が、表面側の合成樹脂フィルム9又は裏面側の合成樹脂フィルム10と芯材23により挟持されている。本態様の自立性ブリスター包装材は、2個のブリスターを有するので、例えば、機器本体と附属部品を同時に販売するときに、一つのブリスターに機器本体を収納し、他のブリスターに付属部品を収納することができる。また、本態様の自立性ブリスター包装材は、ブリスターの下側面が広くなるので、極めて安定した自立性を有する。
本発明に用いる合成樹脂フィルム、合成樹脂シート及び合成紙の材質に特に制限はなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミドなどを挙げることができる。本発明においては、合成樹脂フィルムと合成樹脂シート又は合成紙の材質が同じであることが好ましい。同じ材質の合成樹脂フィルムと合成樹脂シート又は合成紙を用いることにより、両側縁の熱溶断に際して、良好な状態の溶着を形成することができる。本発明においては、合成樹脂フィルムとして積層フィルムを用いることができる。積層フィルムとしては、例えば、二軸延伸ポリプロピレンフィルムと無延伸ポリプロピレンフィルムとの積層フィルムなどを挙げることができる。積層フィルムは、例えば、ドライラミネーション、押出ラミネーションなどにより製造することができる。
本発明において、ブリスター部を構成する合成樹脂シートの材質は、透明で真空成形、圧空成形などが可能であれば特に制限はなく、例えば、硬質塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネートなどを挙げることができる。
2 ブリスター
3 フランジ
4 下側面
5 舌片
6 切り込み
7 脚
8 袋体
9 表面側の合成樹脂フィルム
10 裏面側の合成樹脂フィルム
11 窓穴
12 上側面
13 側縁
14 袋体の下縁
15 合成樹脂フィルムの下部
16 窓穴の下縁
17 延設部
18 開口部
19 舌片
20 剥離材
21 粘着剤層
22 接着部
23 芯材
24 吊下孔
25 ヘッダー部
Claims (7)
- 表裏2枚の合成樹脂フィルムからなる袋体とブリスターの周縁にフランジを有するブリスター部とからなるブリスター包装材において、ブリスターの下側面が袋体と略直交する平面であり、袋体の下縁が該平面の近傍に存在し、ブリスターの下側面につながる部分のフランジがブリスターの内側に折り曲げられて舌片となり、袋体の表面側の合成樹脂フィルムに窓穴が開けられ、ブリスターが窓穴より突出し、フランジが表裏2枚の合成樹脂フィルムにより挟持されてなることを特徴とする自立性ブリスター包装材。
- ブリスター部の横側方のフランジの二つの側縁が略平行な二直線であり、該二直線間の距離が、袋体の幅に略等しい請求項1記載の自立性ブリスター包装材。
- ブリスター部と接しない部分の合成樹脂フィルムに、幅方向の開口部が設けられてなる請求項1記載の自立性ブリスター包装材。
- 開口部を覆う開口部舌片を有し、該開口部舌片又は該開口部舌片と接する部分の袋体に、剥離材により覆われた粘着剤層を有する請求項3記載の自立性ブリスター包装材。
- ブリスター部のフランジが、合成樹脂フィルムに断続的に部分接着されてなる請求項1記載の自立性ブリスター包装材。
- 表裏2枚の合成樹脂フィルムの間に、合成樹脂シート又は合成紙からなる芯材が設けられてなる請求項1記載の自立性ブリスター包装材。
- 表裏2枚の合成樹脂フィルムにそれぞれ窓穴が設けられ、ブリスターの下側面につながる部分のフランジがブリスターの内側に折り曲げられた舌片となり、フランジが合成樹脂フィルムと芯材により挟持され、それぞれの窓穴よりブリスターが外側へ突出してなる請求項6記載の自立性ブリスター包装材。
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