JP2010168057A - 包装袋用蓋ラベルシート及び包装体 - Google Patents
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【解決手段】包装袋10天面に貼付可能なしわ防止シートからなる蓋ラベルシートにおいて、しわ防止シートが互いに貼合されてなる上部樹脂シート40と下部樹脂シート30から形成されており、上部シート40は包装袋10本体の開閉蓋42を形成可能となるように開ループ状の切り込み線41が設けられ、且つ開ループの該切り込み線41は予め下部樹脂シート30に形成されたくりぬき線31の外側を囲むように設けられ、さらに上部樹脂シート40の下面が下部樹脂シート30のくりぬき域を介して包装袋10天面に貼付可能にした。
【選択図】図1
Description
また、本発明は、多数枚の柔軟シートを収納したフラップ状開閉蓋付きの包装袋又は包装体(以下、「包装体」という)であって、開閉蓋の開閉によって包装袋内部に収納する商品を多数回取出可能とした包装体に関する。
さらに詳しくは、本発明は、アルコールなどの清浄液や化粧水を繊維素材(例えば不織布、ガーゼ、コットン等)に含浸させたウェットシート類を収納する包装袋の取出口の補強のために用いるしわ防止用蓋ラベルシートに関する。
なお、本発明では、包装袋は袋本体を意味し、包装体は包装袋を含みしわ防止のための蓋ラベルシート等が貼着された完成状態のものを意味する。
包装袋の伸びやしわを発生させないためには包装袋を形成するシート材の厚みを増す必要がありコストアップに繋がる問題があった。
この技術では、保形シートと開閉蓋とは別体であるために、包装袋における開口予定部と、補強シートに設けたくりぬき部とをまず一致させ、次いで該補強シートに貼着する開閉蓋を所定位置になるように設けることが必要であるが、上記のズレ発生の問題から製造工程において歩留まり低下を招きやすかった。
また、この技術によると、開閉蓋と保形シートとの間の接着面積が小さいために、開閉操作を繰り返しているうちに接着部位が汚れてくるとシール性が低下しやすい問題があった。また、開閉蓋の開閉を繰り返すうちに、開閉蓋が外れたり、位置がずれやすいという使用上の問題も存在していた。
また、既存の製袋設備を改造することなくそのまま利用でき、袋包材量が低減できることによって原価低減が図れるとともに、従来技術では達成できなかった高価値の包装体製品を提供しようとするものである。
さらには、揮発性成分を多量に含む湿潤内容物を収容する包装体であっても、また、多数枚のウェットシートを収容する嵩高の包装体であっても、上記課題を満足しつつ、多用なニーズにも応えられる包装体製品とそのための蓋ラベルシートを提供しようとするものである。
なお、上記用語を数式的表現すると、包装袋用蓋ラベルシート=しわ防止シート=[上部樹脂シート+下部樹脂シート(下部樹脂シートのみに開口に相当するくり抜き域が形成される)]で表される。
開ループとは、例えばフラップ状開閉蓋において、完全に独立して切り離されるのでなく、開閉蓋基部が繋がった状態を意味する。
閉ループとは、楕円やひょうたん形状等の任意の幾何学的形状で、完全に切り離し可能な連続した状態を意味する。ハーフカットとは、薄肉シートなどに半抜き加工を施したもので、ミシン目加工と同様わずかな力で切り離すことができる加工で、ハーフカットをミシン目加工とすることもできる。
本発明の蓋ラベルシートは、上部樹脂シートと下部樹脂シートとが互いに密着するように貼合され、外周縁と下部樹脂シートの外周縁を一致させた構造であるので、それぞれのシートの作用は異なるにしても恰も一枚のラベルシートと同じように取り扱いができるので、設備の増設又は改造を必要とせず既存の製造ラインをそのまま活用することが出来る。また、一枚モノと同じように視認できるので違和感もなく、かつデザイン上、美観上も優れるので製品品位を高めることができる。
本発明の包装体には、しわ防止機能を有する包装袋用蓋ラベルシートを、接着剤、熱溶着又は超音波溶着などの手段で接着しているので、包装袋の素材は、比較的柔らかくて薄い素材を使用することができるので、包装袋を形成するプラスチック材料の使用量を少なくでき、原価低減が図れる。
本発明の蓋ラベルシートは、包装袋の取出し口付近の伸長による波打ち挙動を解消し、繰り返し開閉蓋を開閉し、内容物が減っていっても優れた密封性を維持でき、多量の収納物を収容できる嵩高の包装体にも使用することが出来る。
蓋ラベルシートは、その下部樹脂シートに設けられたくり抜き部が包装袋本体の天面、あるいは側面部に形成された閉ループのハーフカットの開口予定部より面積的に少なくとも大きく形成されているので、包装袋への貼り付け誤差を吸収できるとともに、確実にハーフカットで囲まれた領域を開閉蓋側へ貼着できる。
また印刷された紙製の包装袋にも上記包装袋用蓋ラベルシート使用することができ、開閉蓋の粘着下面は、蓋ラベルシートの上部シートに常に接することになるので印刷面を剥がすことがない等種々の優れた効果を奏する。
以下の実施例の説明では包装袋10に収納される内容物20をウェットティッシュとして説明するが、本発明における内容物20はウェットティッシュに限定されない。
用途別では、クリーニング用シート、ワイピングシート、清拭シート、クレンジングシート、パックシート、ボディシート、清涼シート、デオドラントシートなどの各種ウェットシート製品の収納に好適である。
該内容物20は、普通、一回の使い捨てでなく、少量ずつ繰返し包装袋から小出しに取り出されて使用されるものであり、基本物性として包装袋としての保存安定性、防塵性、防菌性、気密性又は液密性等を要求される。また、携帯性、取り扱い性、コスト、製袋加工性の観点では、薄くて柔軟な積層シート材が好ましく使用できる。
ウェットティッシュ20が収納されている包装袋10を構成するシート11としては、自己保形性のあるものは勿論にして、薄い柔軟性の素材でも使用可能である。内容物であるウェットティッシュ、及び含浸されている中液の保存性を考えると、アルミニウム層とポリオレフィン(例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等)層を有するラミネートシートを用いればよい。具体的には、PET/アルミニウム/低密度ポリエチレン(LLDPE)、PET/アルミニウム/未延伸ポリプロピレン(CPP)、PET/アルミ蒸着PET/LLDPE、PET/アルミ蒸着PET/CPPなどの三層型ラミネートシートなどを例示できるが、これらに限定されるものではない。ラミネートシートの全体厚みとしては、特に限定はされないが30μm〜100μm程度のものを好ましく使用できる。
本発明の包装袋10は、ピロータイプの袋(長手方向の端部10a、及び図示されない袋底面で横方向の両端部10bがシールされた袋)からなるものを例示しているが、別にピロー包装袋に限定されるわけではなく、平袋、ガゼット袋など他の形態の袋であってもよい。
同図において、40は上部樹脂シートで、例えば、厚みが25μmと50μmのPETフィルムが積層一体化されたもので、30は硬質の下部樹脂シートで、例えば、厚みが50μmのPETフィルムである。
上部樹脂シートは、特段限定されるものではないが、例えば、ナイロンフィルム、PETフィルム、OPP(延伸PP)フィルム、CPP(未延伸PP)フィルムなどを使用できる。これらを積層したシートも好ましく使用できる。開閉操作に適するものであれば好ましく使用できる。厚みは、20μm〜100μm程度が好ましく、さらに好ましくは、40μm〜100μm程度である。
この特性を満足する好ましい合成樹脂の例として、2,6−ポリエチレンナフタレート(2,6−PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのように芳香族環を分子鎖に有する剛性の高い合成樹脂類を挙げることができる。
なお、上部樹脂シート40の下面が、下部樹脂シート30のくりぬき域33を介して包装袋10天面に貼付されている。(なお、図では接着剤層は省略している。)
さらに摘み部44を把持して引っ張ることにより、図5に示すように、包装袋10天面の閉ループのハーフカット開口予定部12部が、上部樹脂シート40下面の粘着面に貼着されて包装袋10から切り離される。一方、開ループ状の切込み線41に沿って切り離されて、開閉蓋42となる。開閉蓋42(開ループ状の切込み線41に囲まれた部分)は、その根元に押罫45を設けておくと、その箇所で曲り易くなり一層開閉し易くなる。
以下に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこの実施例に制限されるものではない。
ウェットシートの供給部と、包装袋用蓋ラベルシート貼付部と、包装フィルムシート供給部と、熱シール部を備えた製袋装置を使用し、折り畳まれたウェットシートを包装袋に46枚収容し、本発明の包装袋用蓋ラベルシートを装着したピロー包装体を製造した。包装袋を構成するフィルムシートの積層構成は、PET(12)/アルミニウム(7)/LLDPE(40)の三層構成である。カッコ内数値は、各層の厚みをμm単位で示す。包装袋用蓋ラベルを最初に開封するまでは、ウェットシート取り出し口予定部は、ハーフカット状態となっている。
包装袋用蓋ラベルシートとしては、PETフィルム(25μm)とPETフィルム(50μm)をラミネートした上部樹脂シートと、PETフィルム(50μm)からなる下部樹脂シートとを積層一体化したものを「包装袋用蓋ラベルシートA」、OPPフィルム(70μm)からなる上部樹脂シートと、PETフィルム(50μm)からなる下部樹脂シートとを積層一体化したものを「包装袋用蓋ラベルシートB」とする。
また、比較のため、PET単体(100μm)の一枚フィルムからなる蓋ラベルシートを「包装袋用蓋ラベルシートC」とした。
しわ防止シートとして、包装袋用蓋ラベルシートAを取り出し口に装着したピロー包装体の開閉蓋部の気密シール性評価例を実施例1、包装袋用蓋ラベルシートBを同様に貼着したピロー包装体の開閉蓋部の気密シール性評価例を実施例2、また、PET単体フィルム100μmの蓋ラベルシートCを使用したピロー包装体の開閉蓋部の気密シール性評価例を比較例とした。
いずれの場合も、ウェットシート(ウェットシートに含有させる中液のアルコール成分含有量は20重量%)を46枚収容したピロー包装体を使用して試験を行った。
まず、感圧接着剤層を備えた包装袋用蓋ラベルシートの開閉蓋を最初に引き剥がし、取り出し口予定部に設けられたハーフカット部を開封し、再び開閉蓋を封止してから室温下9時間保管後、包装体の重量変化を求めた。(第1回目)
次いで、再び開閉蓋を開いてウェットシートを3枚取り出してから開閉蓋を再び封止してから室温下15時間保管後、包装体の重量変化を求めた。(第2回目)
以下、開閉蓋の開封、ウェットシート取り出し(3枚)、開閉蓋の再封止、室温下での所定時間保持、の一連の操作をサイクル的に繰り返し、内容物のウェットシートがほとんどなくなるまでこの試験を反復した。(第3回目から第16回目、各々の保持時間は表1に記載)
それぞれのサイクルにおいて、所定時間保持前後のピロー包装体の重量を測定し、重量変化量をグラム数で表示した。(ウェットシート取り出し口における開閉蓋のシール性が良ければ、重量減少量は小さく、逆にシール性が悪いと、重量減少量が大きくなることを示す。負の数値は重量が保管中に液分が減少していることを示す)
以下の表1は、試験例1、試験例2と、比較例におけるサイクル毎の重量変化量を比較しまとめたものである。
なお、図6は、サイクル数を横軸の値として、各サイクルにおける重量変化量を縦軸の値としてプロットし対比したものである。
上記実施例1、実施例2いずれの場合も、包装袋用蓋ラベルシートに設けられた開閉蓋の剥離・貼着操作を反復してもウェットシートの取り出し口付近にしわ、波打ちはほとんど発生せず、開閉蓋部でのシール性が低下する度合いは小さく、かつ、内容物のウェットシートが減ってもシール性を良好な状態に保てることが判った。また、シール部分の外観上も気泡を含んだ状態はほとんど観察されなかった。
一方、比較例の場合は、開閉蓋の剥離・貼着操作を反復するとウェットシートの取り出し口付近にしわ、波打ちが発生しやすく、これに伴いシール性が不良となり、水分などの液体分が蒸散しやすいために重量減少が大きく、ことに内容物が減ってくるとその傾向は顕著であった。また、シール部分の外観面では気泡を含んだ状態が目立った。
10a 端部
10b 両端部
11 シート
12 開口
20 内容物
30 下部樹脂シート
31 くり抜き線
32 外周縁
33 くり抜き域
40 上部樹脂シート
41 開ループ状の切込み線
41a 切込み線
41b 剥離停止部
42 開閉蓋
43 外周縁
44 摘み部
45 押罫
46 細幅部分
47 細幅部分46より外側の部分
48 押罫
50 接着剤
60 しわ防止シート、包装袋用蓋ラベルシート
Claims (6)
- 包装袋に貼付可能なしわ防止シートからなる包装袋用蓋ラベルシートにおいて、上記しわ防止シートが互いに貼合されてなる上部樹脂シートと下部樹脂シートから形成されており、上記上部シートは、(1)該包装袋本体の開閉蓋を形成可能となるように開ループ状の切り込み線が設けられ、且つ、(2)該開ループの該切り込み線は、下部樹脂シートに予め設けているくりぬき域の外側を囲むように設けられ、さらに(3)上記上部樹脂シートの下面が下部樹脂シートのくりぬき域を介して包装袋に貼付可能であることを特徴とする包装袋用蓋ラベルシート。
- 上記しわ防止シートを形成する上部樹脂シートの外周縁と下部樹脂シートの外周縁がほぼ一致していることを特徴とする請求項1に記載の包装袋用蓋ラベルシート。
- 上記しわ防止シートが、包装袋本体の面に形成された閉ループ状ハーフカット線で囲まれる開口予定部より面積的に少なくとも大であることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装袋用蓋ラベルシート。
- 上記しわ防止シートが、袋本体に対し、接着剤、熱溶着又は超音波溶着による接着手段で貼付されるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の包装袋用蓋ラベルシート。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の包装袋用蓋ラベルシートが貼付されてなることを特徴とする包装体。
- 前記包装袋が、ウェットシート包装袋であることを特徴とする請求項5の包装体。
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