JP2010167424A - 熱延鋼板の製造装置及び製造方法 - Google Patents

熱延鋼板の製造装置及び製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱間圧延されて搬送される鋼板を水冷した後に冷却水の噴射を停止して引き続いて鋼板を空冷する際に、急冷停止温度を高精度に制御する方法を提供する。
【解決手段】熱間仕上圧延機2により圧延されて搬送される鋼板1に冷却水を噴射して水冷する水冷装置5、6と、この冷却水の噴射を停止して引き続いて鋼板1を空冷してこの鋼板1を所定の温度に制御する冷却制御装置14と、冷却水の噴射を停止した後の所定の時期における鋼板1の表面温度を測定する表面温度測定手段8−1、8−2とを備える。冷却制御装置14が、表面温度測定手段8−1、8−2による鋼板1の表面温度の測定値と、鋼板1の伝熱モデルを用いた所定の時期の鋼板1の表面温度の推定演算値との偏差に基づき、冷却水の噴射の停止時における鋼板1の板厚方向平均温度を演算し、この板厚方向平均温度の演算値がその目標値となるように、水冷装置5、6による冷却水の噴射を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱延鋼板の製造装置及び製造方法に関し、具体的には熱間圧延機で熱間圧延された直後の高温の鋼板に冷却水を噴射して鋼板を水冷することにより熱延鋼板を製造する際に、この冷却を停止した時点の鋼板の温度を正確に制御することができる熱延鋼板の製造装置及び製造方法に関する。
仕上圧延機と、仕上げ圧延機の下流側に設置される搬送テーブル(ランアウトテーブル)とを備える熱間圧延設備では、仕上圧延機により仕上圧延された高温の鋼板を、この鋼板の表面に搬送テーブルに配置される水冷装置から冷却水を噴射することによって水冷してから、巻取装置により巻き取ってコイルにする。所望の機械特性を有する熱延鋼板を製造するためには、仕上圧延機により仕上圧延されてからコイルに巻き取られるまでの間の搬送テーブルにおける鋼板の温度降下履歴を高精度に制御し、析出する金属組織を積極的にコントロールすることが必要になる。
図11は、仕上圧延を終了した鋼板の降下履歴と析出する金属組織との関係を示すグラフである。図1にグラフで示すように水冷を停止した直後の鋼板の温度(以下、「急冷停止温度」という)をa、b、cと変化させることにより析出する金属組織も変化するため、急冷停止温度を適切に制御することにより熱延鋼板の金属組織をコントロールすることができる。このように、優れた機械特性を有する熱延鋼板を製造するためには、急冷停止温度を所定の温度に正確に制御して、必要な金属組織が析出する温度で正確に急冷を停止する必要がある。このため、仕上圧延された鋼板の速度や圧延温度の変動に応じて急冷停止温度が正確に所定の温度となるように、水冷装置を適切に制御することが求められる。
急冷停止温度の制御を含む、熱間仕上圧延後の鋼板の温度降下履歴を制御する発明が、これまでにもいくつか提案されている。
例えば、特許文献1には、仕上圧延後の鋼板に対して目標水冷時間及び目標空冷時間のいずれも確保することができるように水冷装置を制御することによって加速圧延による鋼板の速度の変化に影響されずに温度降下履歴を一定にするとともに巻取温度を所定の温度に制御する発明が開示されている。
また、特許文献2には、多数の冷却ゾーン毎に配置した鋼板の温度検出手段と冷却水制御手段とを用い、各冷却ゾーン毎に必要な温度降下履歴を得るための目標値を与えることにより、冷却工程全体において所望の温度降下履歴を得るための発明が開示されている。
特開平6−238312号公報 特開平6−246331号公報
しかし、特許文献1、2により開示されたいずれの発明に基づいても、鋼板の急冷停止温度を正確に制御することはできない。
すなわち、上述した図11にグラフで示すように所望の金属組織を析出させるには急冷停止温度を目標温度に制御する必要があるが、特許文献1により開示された発明は仕上圧延後の鋼板を急冷する際における水冷時間を制御するものであって急冷停止温度をその目標温度に制御するものではないため、特許文献1により開示された発明では急冷停止温度を正確に制御することはできない。
また、特許文献2により開示された発明では、多数配置された温度検出手段による検出値と目標値との差が小さくなるように水冷装置の冷却能力を調整する。しかし、この温度検出手段により検出される温度は、水冷時の鋼板の表面温度である。
図12は、水冷装置により鋼板に冷却水を噴射して鋼板を急冷する際の鋼板の表面温度と、鋼板の板厚方向平均温度とを計算により求めた結果を示すグラフである。
ここで,「板厚方向平均温度」について説明する。図12のグラフで示したように急冷時は鋼板表面から熱が奪われている状態のため表面温度が最も低い状態で,板厚方向に温度分布を持っている。そこで、板厚方向に複数点の温度計算ポイントを設定し、鋼板表面からの熱流束や鋼板内部の熱伝導等を考慮して各温度計算ポイントの温度を計算し、各ポイントの温度を平均したものを「板厚方向平均温度」と呼んでいる。
鋼板を急冷した後,鋼板表面からの熱流出が無いと仮定すると,熱拡散により板厚方向の温度分布は小さくなり,最終的には「板厚方向平均温度」と同一となることから,「板厚方向平均温度」を制御目標値としている。
図12にグラフで示すように、水冷装置の冷却ゾーンで冷却水を噴射して鋼板を急冷し、その後に冷却水の噴射を停止する場合、鋼板の表面温度は冷却水の噴射時には板厚方向平均温度よりも大幅に低下するとともに、両者の差も安定しない。そして、冷却水の噴射を停止して空冷を開始した直後の表面温度は、その後のしばらくの間(図12のグラフにおける領域A)は、鋼板の内部の熱が表面側に移動する(本明細書ではこのような熱移動を「復熱」という)ために鋼板の表面温度が上昇しており過渡的な状態にあるものの、両者の差は急速に小さくなり、この過度的な状態を過ぎると、鋼板の表面温度は板厚方向平均温度と同様に安定して低下していく。
このように、急冷時の鋼板の表面温度と板厚方向平均温度には大きな差が生じるため、急冷停止時の鋼板の表面温度を直接測定してみても、鋼板の急冷停止温度を正確に測定したことにはならず、鋼板の急冷停止温度は板厚方向平均温度として求める必要がある。特許文献2により開示された発明は温度検出手段により検出された鋼板の表面温度に基づくものであるので、特許文献2により開示された発明でも急冷停止温度を正確に制御することはできない。
仮に、特許文献2により開示された発明において、水冷停止後の表面温度と板厚方向平均温度との差が小さくなるまで待って表面温度を測定する場合を検討する。例えば、板厚4.0mmで初期温度900℃の鋼板を、板厚方向の平均温度が700℃になるまで100℃/秒の冷却速度で急冷する場合の温度計算を行うと、急冷停止直後の表面温度は678℃であり、板厚方向平均温度よりも22℃低く、表面温度が安定して表面温度が上昇から降下に転じるまでには0.40秒間を要する。一般的な仕上圧延装置の仕上圧延速度(鋼板の搬送速度)である10m/秒の場合には4.0mもの距離が必要になる。
このように、急冷停止後の空冷時における鋼板の表面温度が安定する時間を得るために冷却ゾーンの終端から温度検出手段までの距離を長く設定すると、急冷停止から表面温度の検出までに時間を要し、この間に鋼板の温度が低下するため、急冷停止温度を制御することはできない。また、これでは1つの冷却ゾーンの長さが長くなり、温度降下履歴を正確に制御することができない。
このため、特許文献2により開示された発明において、仮に、急冷停止後の表面温度と板厚方向平均温度との差が小さくなるまで待って表面温度を測定したとしても、急冷停止温度を精度良く制御することができないとともに、冷却ゾーンの終端から温度検出位置までの区間で冷却水を噴射することができないので急冷時の冷却速度を高めることも難しい。さらに、この発明では、冷却ゾーン毎に個別の制御用コンピュータ、フィードフォワードコントローラ、フィードバックコントローラ、温度計さらには流量調整バルブを用いる必要があり、設備コストが嵩むという課題もある。
本発明は、従来の技術が有するこのような課題に鑑みてなされたものであり、急冷停止温度を高精度に制御することができる熱延鋼板の製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、熱間圧延されて搬送される鋼板に冷却水を噴射して鋼板を水冷した後に冷却水の噴射を停止して引き続いて鋼板を空冷する際に、冷却される鋼板の温度が安定する、冷却水の噴射を停止した後の所定の時期における鋼板の表面温度の推定演算値及び測定値の差を求め、この差と、冷却水の噴射停止時における板厚方向平均温度の推定演算値とにより急冷停止時の板厚方向平均温度を推定演算すれば、急冷停止温度を高精度に推定でき、この推定演算値を用いて水冷装置による冷却水の噴射を制御すれば、急冷停止温度を高精度に制御することができるという技術思想に基づくものである。
ここで、“冷却される鋼板の温度が安定する”について説明する。冷却水の噴射中は鋼板の表面には冷却水が直接かかるため、鋼板表面温度が鋼板板厚方向の内部温度に比べて低い状態になっており、鋼板表面温度と鋼板板厚方向の内部温度との間に大きな温度差や小さな温度差といった様々な範囲の温度差が生じ、鋼板の温度がいわば過渡的な状態にあり、不安定な状態と言える。また、噴射される冷却水による外乱の影響を受けるため、鋼板表面温度の実測値についても安定しているとは言い難い。つまり、温度差が大きくなったり、小さくなったりしており、安定しない。これに対して、冷却水の噴射を停止した後の状態は、図12のグラフに示すように、表面計算温度が一旦上昇し、その後、下降に転じる温度曲線を描き、下降に転じ始めた以降は、装置上で空冷される際の温度降下傾向を示し、板厚方向平均計算温度の温度勾配とほぼ平行な状態を示す。そのため、水冷という外乱が停止された以降は、温度変化に影響を与えていた水冷の影響がなくなるため、冷却される鋼板の温度が安定する。本願発明は、この鋼板温度が安定する領域を用いて前記制御を行うものである。
本発明は、熱間圧延機と、この熱間圧延機の出側に設置されるとともにこの熱間圧延機により圧延されて搬送される鋼板に冷却水を噴射して水冷する水冷装置と、この冷却水の噴射を停止して引き続いて鋼板を空冷することによってこの鋼板を所定の温度に制御するための冷却制御装置と、冷却水の噴射を停止した後の所定の時期における鋼板の表面温度を測定する表面温度測定手段とを備え、冷却制御装置が、表面温度測定手段による鋼板の表面温度の測定値と、鋼板の伝熱モデルを用いた所定の時期における鋼板の表面温度の推定演算値との偏差に基づいて、冷却水の噴射の停止時における鋼板の板厚方向平均温度を演算し、この板厚方向平均温度の演算値がその目標値となるように、水冷装置による冷却水の噴射を制御することを特徴とする熱延鋼板の製造装置である。
別の観点からは、本発明は、熱間圧延されて搬送される鋼板に冷却水を噴射してこの鋼板を水冷した後、この冷却水の噴射を停止して引き続いて鋼板を空冷することによって鋼板を所定の温度に制御する工程を含む熱延鋼板の製造方法であって、冷却水の噴射を停止した後の所定の時期における鋼板の表面温度の測定値と、鋼板の伝熱モデルを用いた所定の時期における鋼板の表面温度の推定演算値との偏差に基づいて、冷却水の噴射の停止時における鋼板の板厚方向平均温度を演算し、この板厚方向平均温度の演算値がその目標値となるように、冷却水の噴射を制御することを特徴とする熱延鋼板の製造方法である。
これらの本発明では、所定の時期が、鋼板の伝熱モデルを用いて推定する鋼板の表面温度の推定値が、冷却水の噴射を停止した後において上昇から下降に転じる時以降の時期であることが、望ましい。
これらの本発明では、表面温度測定手段が、鋼板の搬送方向へ複数配置されるとともに、冷却制御装置が、複数の表面温度測定手段のうちで、鋼板の伝熱モデルを用いて推定する鋼板の表面温度の推定値が冷却水の噴射を停止した後において上昇から下降に転じる位置よりも、下流側の最も近い位置に配置される表面温度測定手段であることが望ましい。
さらに、これらの本発明では、表面温度測定手段が、鋼板と対向する位置に配置された放射温度計と、鋼板と放射温度計との間に光導波路としての水柱を形成するための水柱形成手段とを備え、この水柱を介して鋼板の表面からの放射光を放射温度計で検出することにより鋼板の表面温度を測定することが、望ましい。
本発明によれば、仕上圧延機出口温度の変動や鋼板速度の変化等によって時々刻々変化する鋼板の急冷停止位置における板厚方向平均温度を、急冷停止位置の下流に設置した表面温度測定手段の測定値に基づいて高精度で推定することができる。このため、このようにして推定した急冷停止温度の推定値と、急冷停止温度の目標値との差に応じて水冷装置のバルブの開閉状態を逐次修正することによって、急冷停止温度の推定値がその目標値に一致するように正確に制御することができる。
なお、冷却水の噴射を停止した急冷停止の直後の空冷時には、鋼板の表面温度は板厚方向平均温度よりも大幅に低い状態であるので鋼板の内部から表面へ向けての復熱によって表面温度が上昇する。このため、本発明では、復熱完了位置よりも後方に設置される表面温度測定手段による測定値を用いて、急冷停止位置における鋼板の板厚方向平均温度を推定することが望ましい。
一方、急冷停止から表面温度測定までの経過時間が短いほうが、制御性能が向上する。そのため、表面温度測定手段を複数個設置しておき、復熱完了位置の後方でかつ最も近い位置の表面温度測定手段を用いて急冷停止時の鋼板の板厚方向平均温度を推定することが望ましい。
本発明により、熱間圧延されて搬送される鋼板に冷却水を噴射して鋼板を水冷した後に冷却水の噴射を停止して引き続いて鋼板を空冷する際に、簡単な構成によって、冷却水の噴射を停止した急冷停止位置における鋼板の板厚方向平均温度を高精度で推定でき、この推定演算値を用いて水冷装置による冷却水の噴射を制御することによって、鋼板の急冷停止温度を高精度に制御することができる。
図1は、本発明に係る熱延鋼板の製造装置の一例の構成を模式的に示す説明図である。 図2は、急冷停止温度の推定値の誤差が生じていることを示すグラフである。 図3は、本発明により急冷停止温度の推定値が目標値に制御されることを示すグラフである。 図4は、復熱時間に及ぼす、板厚または冷却速度の影響を示すグラフである。 図5は、本発明により急冷停止温度推定値が目標に制御されたことを示すグラフである。 図6は、従来例によりで制御した場合の鋼板の長手方向温度を示すグラフである。 図7は、本発明の第1の例を実施した場合の鋼板の長手方向温度を示すグラフである。 図8は、実施例の熱延鋼板の製造装置の全体構成を示す説明図である。 図9は、従来例により制御した場合の鋼板長手方向温度を示すグラフである。 図10は本発明例を実施した際の鋼板長手方向温度を示すグラフである。 図11は、仕上圧延を終了した鋼板の降下履歴と析出する金属組織との関係を示すグラフである。 図12は、水冷装置により鋼板に冷却水を噴射して鋼板を急冷する際の鋼板の表面温度と、鋼板の板厚方向平均温度とを計算により求めた結果を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1は、本発明に係る熱延鋼板の製造装置0の一例の構成を模式的に示す説明図である。図1において、符号1は熱間圧延を行われた鋼板を示し、符号2は仕上圧延機を示し、符号3は搬送テーブル(ランアウトテーブル)を示し、符号4は巻取装置を示し、符号5は鋼板1の上面に冷却水を噴射して急冷するための制御可能なn個の水冷ヘッダーと各水冷ヘッダーに供給する水量を調整するバルブとを備える水冷装置を示し、符号6は鋼板1の下面に冷却水を噴射して急冷するための制御可能なm個の水冷ヘッダーと各水冷ヘッダーに供給する水量を調整するバルブとを備える水冷装置を示し、符号7は水冷装置入側温度計を示し、符号8は中間温度計を示し、符号9は鋼板板厚測定装置を示し、符号10は鋼板速度測定装置を示し、符号11は急冷時鋼板温度予測装置を示し、符号12は急冷停止温度制御装置を示し、さらに、符号13は急冷停止温度推定装置を示す。
図1に示すように、この製造装置0は、熱間仕上圧延機2と、水冷装置5、6と、ランアウトテーブル3と、表面温度測定手段8と、急冷時鋼板温度予測装置11、急冷停止温度制御装置12及び急冷停止温度推定装置13からなる冷却制御装置14とを備えるので、これらの構成要素を順次説明する。
[熱間仕上圧延機2]
熱間仕上圧延機2は、鋼板1に熱間仕上圧延を行うものであり、この種の仕上圧延機として周知慣用のものであればよい。
[水冷装置5、6及びランアウトテーブル3]
水冷装置5は、熱間仕上圧延機2の出側に鋼板1の上方であって鋼板1の搬送方向に向けて並設された、制御可能なn個の水冷ヘッダーと、各水冷ヘッダー毎に配置されて供給する水量を調整するバルブとを備える。後述する急冷停止温度制御装置12から出力されるバルブ操作指令により、熱間仕上圧延機2により圧延されて搬送される鋼板1の上面に冷却水を噴射して鋼板1を急速に冷却する。水冷装置5はこの種の水冷装置として周知慣用のものであればよい。
一方、水冷装置6は、熱間仕上圧延機2の出側に鋼板1の下方であって鋼板1の搬送方向に向けて並設された、制御可能なm個の水冷ヘッダーと、各水冷ヘッダー毎に配置されて供給する水量を調整するバルブとを備える。後述する急冷停止温度制御装置12から出力されるバルブ操作指令により、熱間仕上圧延機2により圧延されて搬送される鋼板1の下面に冷却水を噴射して鋼板1を急速に冷却する。水冷装置6もこの種の水冷装置として周知慣用のものであればよい。
また、ランアウトテーブル3は、多数並設された搬送ロールを備え、熱間圧延を終了した鋼板1を搬送して巻取装置4へ送るものである。また、ランアウトテーブル3は、水冷装置5、6による冷却水の噴射を停止された鋼板1をその後も搬送するので、ランアウトテーブル3により搬送される鋼板1は、冷却水の噴射の停止後に引き続き空冷される。ランアウトテーブル3もこの種のランアウトテーブルとして周知慣用のものであればよい。
[表面温度測定手段8]
表面温度測定手段8は、水冷装置5、6による冷却水の噴射を停止した後の所定の時期における鋼板1の表面温度を測定するものであり、図1に示す製造装置0では、水冷装置5、6の長手方向の中程の所定の位置であって鋼板1の上方に配置された中間温度計8を用いた。
図1に示す例は、鋼板1の搬送方向へ向けて2つの中間温度計8−1、8−2を並設する場合であるが、1つ設置されていてもよいし、あるいは鋼板1の搬送方向へ3つ以上並設されていてもよい。また、中間温度計8は鋼板1の下方に配置されていてもよい。
中間温度計8としては、鋼板1の表面温度を測定することが可能なものであれば如何なる温度計であってもよく、特定の型式のものに限定する必要はない。本実施の形態では、噴射される冷却水に起因した測定誤差を低減するために、いわゆる水柱温度計を用いた。水柱温度計とは、特許第3818501号公報等により周知であるように、鋼板1と対向する位置に配置された放射温度計と、鋼板1とこの放射温度計との間に光導波路としての水柱を形成するための水柱形成手段とを備える温度計であって、この水柱を介して鋼板1の表面からの放射光を放射温度計で検出することにより、鋼板1の表面温度を高い精度で測定することができるものである。
中間温度計8による鋼板1の表面温度の測定値は、後述する急冷停止温度推定装置13に入力される。
[冷却制御装置14]
冷却制御装置14は、急冷時鋼板温度予測装置11、急冷停止温度制御装置12及び急冷停止温度推定装置13により構成される。
急冷時鋼板温度予測装置11は、水冷装置入側温度計7から入力される水冷装置入側における鋼板1の表面温度の測定値、鋼板板厚測定装置9から入力される鋼板1の板厚の測定値、及び鋼板速度測定装置10から入力される鋼板1の搬送速度の測定値に基づいて、鋼板1の伝熱モデルを用いた急冷時の鋼板1の表面温度の推定演算による予測を行う。急冷時鋼板温度予測装置11による演算内容の詳細は後述する。
急冷停止温度推定装置13は、表面温度測定手段8による鋼板1の表面温度の測定値と、鋼板1の伝熱モデルを用いた、表面温度測定手段8による測定時と同じタイミングにおける鋼板1の表面温度の推定演算値との偏差に基づいて、水冷装置5、6による冷却水の噴射の停止時における鋼板1の板厚方向平均温度を演算する。急冷停止温度推定装置13による演算内容の詳細は後述する。
さらに、急冷停止温度制御装置12は、急冷停止温度推定装置13から入力された、冷却水の噴射の停止時における鋼板1の板厚方向平均温度の演算値がその目標値となるように、水冷装置5、6のバルブの開閉状態を逐次修正する指令を出力して水冷装置5、6による冷却水の噴射を制御することによって、急冷停止温度の推定値がその目標値に一致するように正確に制御する。
このようにして、冷却制御装置14は、水冷装置5、6による冷却水の噴射を停止して引き続いて、ランアウトテーブル3を搬送される鋼板1を冷却しながら、急冷停止時における鋼板1の板厚方向平均温度の演算値がその目標値となるように水冷装置5、6による冷却水の噴射を制御する。
図1に示す製造装置0は、以上のように構成される。
次に、この製造装置0を用いた熱延鋼板を製造する方法の第1の例を説明する。この第1の例は、冷却水を噴射されて急冷される鋼板1の冷却速度を所定の速度に制御するとともに、急冷停止温度を目標値に制御するものである。
熱間仕上圧延機2により仕上圧延された鋼板1が水冷装置入側温度計7を通過する際に、水冷装置入側温度計7により鋼板1の表面温度が測定されるとともに、鋼板板厚測定装置9により鋼板1の板厚が測定される。
急冷時鋼板温度予測装置11は、測定されたこの表面温度及び板厚と、水冷装置5、6を通過する速度と、温度予測計算に必要な鋼板1の比熱、密度、水温及び気温のデータとを用いて水冷装置5、6内を通過する際の鋼板1の伝熱モデルを用いた温度予測計算を行って、急冷時の鋼板1の表面温度の推定演算及び予測を行う。
なお、水冷装置入側温度計7が設置されていない場合には、熱間仕上圧延機2の出口温度の予測値により代替してもよい。また、鋼板板厚測定装置9が設置されていない場合には熱間仕上圧延機2の出口板厚の予測値により代替してもよい。
また、この温度予測計算を行うためには、水冷装置5、6の1つの水冷ヘッダー当りの冷却水量を設定する必要があり、次の手順で実施する。先ず、全ての水冷装置5、6の水冷ヘッダーの水量がその装置の最大水量であると仮定して、熱間仕上圧延機2の出口から水冷装置5、6を通過するまでの鋼板の温度予測計算を行う。そして、急冷開始から目標急冷停止温度に達するまでの鋼板1の冷却速度を算出し、二分法等の収束計算手段を用いて算出した冷却速度が所定の冷却速度と一致する冷却水量を求め、これを設定冷却水量とする。
なお、水量調整バルブを備えていない水冷装置5、6の場合には、水冷装置5、6の最大水量(単純にバルブ開時の流出水量)を設定冷却水量とする。
急冷時鋼板温度予測装置11は、次に、全ての水冷装置5、6の水冷ヘッダー水量が、上記の方法で求めた設定水量であるとして、熱間仕上圧延機2の出口から水冷装置5、6内を通過するまでの温度予測計算を行い、その計算結果を急冷停止温度制御装置12に送信する。
なお、送信する温度予測計算結果は、各水冷ヘッダー位置の板厚方向平均温度と表面温度、及び板厚方向温度分布である。
急冷停止温度制御装置12は、計算された板厚方向平均温度が目標急冷停止温度に達する位置(急冷停止位置)を求め、熱間仕上圧延機2に最も近い水冷ヘッダーからこの急冷停止位置までの間に配置される水冷ヘッダーに対して、求めた設定水量が流出するようなバルブ操作指令を水冷装置5、6に送信する。
図2は、急冷停止温度の推定値の誤差が生じていることを示すグラフである。
以上のようにして水冷装置5、6を操作すると、図2にグラフで示すように急冷時鋼板温度予測装置11が予測した板厚方向平均計算温度が目標急冷停止温度に制御されることとなる。しかし、この板厚方向平均計算温度は水冷装置5、6の冷却能力の見積もり誤差により生じた温度予測誤差を含んでいるため、実際の板厚方向平均温度は必ずしも目標とする温度に制御されるわけではない。さらに、熱間仕上圧延機2により仕上圧延された鋼板1の表面温度に予測値を用いる場合には板厚方向平均計算温度にその予測誤差が加算され、同様に鋼板1の板厚に予測値を用いる場合にはその予測誤差も加算される。
そこで、本発明では、急冷停止位置よりも下流側に設置された中間温度計8による鋼板1の表面温度の測定値を用いて、急冷停止温度を高精度に制御する。
図2にグラフで示すように、急冷時鋼板温度予測装置11は、急冷停止位置から中間温度計8による測定位置まで、空冷部の温度予測計算を行うことにより、中間温度計8による測定位置における表面温度の計算値を求める。そして、急冷停止温度推定装置13は、急冷時鋼板温度予測装置11が演算した表面温度の計算値と、中間温度計8による鋼板1の表面温度の測定値との差を算出し、算出したこの差を、急冷時鋼板温度予測装置11が演算した急冷停止位置における板厚方向平均計算温度に加算することによって、急冷停止温度推定値を算出する。
急冷停止温度推定装置13により求められる急冷停止温度推定値は、急冷停止位置から中間温度計8による測定位置までの空冷部の温度予測計算誤差を含むものの、この空冷部は急冷される水冷部に比較すると、冷却能力が小さいため温度降下量そのものが少なく、かつ水冷に特有の沸騰状態が変化して冷却能力が急変するような予測が困難な現象も生じないので、水冷装置5、6の入側温度測定値から水冷部を経て算出される予測値よりも、極めて正確で誤差が小さい。
図3は、本発明により急冷停止温度の推定値が目標値に制御されることを示すグラフである。
本発明では、この誤差が小さい急冷停止温度推定値を用いて、図3にグラフで示すように、この急冷停止温度推定値が目標急冷停止温度に一致するように、水冷装置5、6をフィードバック制御し、これにより、急冷停止直後の板厚方向平均温度を高精度に制御することができる。
なお、図3に示す例では、急冷時の鋼板1の冷却速度が一定の値であることから、急冷停止温度推定値を目標急冷停止温度に一致させるためには、急冷停止位置を修正しなければならない。修正すべき急冷停止位置は、急冷停止温度推定値と目標急冷停止温度の差と冷却速度とから容易に算出され、修正前の急冷停止位置から修正後の急冷停止位置までの水冷ヘッダーに対して設定水量バルブの操作指令を行う(バルブ開なら閉に、バルブ閉なら開に)。
さらに、これまでに説明した一連の計算及び設定を0.4秒間〜2.0秒間の周期で周期的に行うことにより鋼板1の長手方向の制御も可能であり、加速圧延によって鋼板1の搬送速度が連続的に変化する場合でも急冷停止温度を目標値に制御することができる。
なお、本発明において急冷停止温度を高精度に制御するためには、中間温度計8の測定位置を適切に設定することが有効である。
すなわち、急冷停止位置における鋼板1の表面温度は、板厚方向平均温度よりも低く、急冷停止位置の直後では鋼板1の内部では復熱を生じて熱が表面に移動して表面温度が急速に上昇している過渡的な状態となっているため、そのような状態の中間温度計測定値を急冷停止温度の推定値の算出に用いないことが望ましい。具体的には、中間温度計8の測定位置は、鋼板1の表面温度の急速な変化が終了し、表面温度と板厚方向平均温度との差が小さい、表面温度が上昇から下降に転じる位置よりも後方であること、換言すると、鋼板1の伝熱モデルを用いて推定する鋼板1の表面温度の推定値が、冷却水の噴射を停止した後において上昇から下降に転じる時(鋼板の伝熱モデルを用いて推定する前記鋼板の表面温度の推定曲線の微分値が0となる時)以降の所定の時期に、中間温度計8による鋼板の表面温度の測定を行うことが望ましい。
図4は、急冷停止直後から表面温度が上昇から下降に転じる時間(以下「復熱時間」という)に及ぼす、板厚または冷却速度の影響を示すグラフである。
復熱時間は、温度計算によって求めることが可能であり、図4にグラフで示すように板厚および冷却速度によって整理することができる。
このため、中間温度計8の設置位置は、急冷停止位置、鋼板速度、板厚さらには冷却速度に応じた最適な位置がある。中間温度計8を1つだけ設置する場合には、色々な操業条件の中で最も設置位置が熱間仕上圧延機2から離れた位置に設置すればよい。
一方、本発明は、中間温度計8による測定値から急冷停止温度を推定するものであることから、急冷停止位置から中間温度計8の設置位置までの距離が長くなればなるほど、無駄時間が長くなるためにフィードバック制御の制御性能が低下するとともに、空冷部の温度予測計算の誤差が拡大し、制御精度の低下につながることから、中間温度計8の設置位置は急冷停止位置に可能な範囲で近づけることが望ましい。
このため、中間温度計8を鋼板1の搬送方向に複数個並設し、急冷停止位置から必要な復熱時間を経た後であって最も近い位置に存在する中間温度計8の測定値を制御に用いることにより、制御精度の低下を抑制することができる。また、加速圧延によって鋼板1の搬送速度が連続的に変化し、これに伴って急冷停止位置も連続的に変化する場合には、制御に用いる中間温度計8を、急冷停止位置から必要な復熱時間を経た後の最も近い中間温度計8に連続的に切り替えることにより制御精度の低下を抑制することができる。
次に、図1に示す製造装置0を用いて熱延鋼板を製造する方法の第2の例を説明する。この第2の例は、急冷停止位置を一定に保ちつつ、急冷時の冷却速度を変化させて急冷停止温度を目標値に制御するものである。
熱間仕上圧延機2により仕上圧延された鋼板1が水冷装置入側温度計7を通過する際に、水冷装置入側温度計7により鋼板1の表面温度が測定されるとともに、鋼板板厚測定装置9により鋼板1の板厚が測定される。
急冷時鋼板温度予測装置11は、測定されたこの表面温度及び板厚と、水冷装置5、6を通過する速度と、温度予測計算に必要な鋼板1の比熱、密度、水温及び気温のデータとを用いて水冷装置5、6内を通過する際の鋼板1の伝熱モデルを用いた温度予測計算を行って、急冷時の鋼板1の表面温度の推定演算及び予測を行う。この時、急冷停止位置は予め設定されており、この急冷停止位置までの温度予測計算を行う。
なお、水冷装置入側温度計7が設置されていない場合には、熱間仕上圧延機2の出口温度の予測値により代替してもよい。また、鋼板板厚測定装置9が設置されていない場合には熱間仕上圧延機2の出口板厚の予測値により代替してもよい。
また、この温度予測計算を行うためには、水冷装置5、6の1つの水冷ヘッダー当りの冷却水量を設定する必要があり、次の手順で実施する。先ず、全ての水冷装置5、6の水冷ヘッダーの水量がその装置の最大水量であると仮定して、熱間仕上圧延機2の出口から水冷装置5、6を通過するまでの鋼板の温度予測計算を行う。そして、急冷停止位置の板厚方向平均温度計算値を算出し、二分法等の収束計算手段を用いて板厚方向平均温度計算値が目標急冷停止温度と一致するような冷却水量を求め、これを設定冷却水量とする。
次に、急冷時鋼板温度予測装置11は、急冷停止位置までの水冷装置5、6の水冷ヘッダー水量が、上記の方法で求めた設定水量であるとして、熱間仕上圧延機2の出口から急冷停止位置までの間の温度予測計算を行い、その計算結果を急冷停止温度制御装置12に送信する。なお、送信する温度予測計算結果は、急冷停止位置における板厚方向の平均温度と表面温度、及び板厚方向の温度分布である。
急冷停止温度制御装置12は、熱間仕上圧延機2に最も近い水冷ヘッダーから急冷停止位置までの水冷ヘッダーに対して、求めた設定水量が流出するようなバルブ操作指令を水冷装置5、6に送信する。
以上の方法により水冷装置5、6を操作すると、図2にグラフで示すように、急冷時鋼板温度予測装置11が予測した板厚方向平均計算温度が目標急冷停止温度に制御される。しかし、この板厚方向平均計算温度は、水冷装置5、6の冷却能力の見積もり誤差により生じた温度予測誤差を含んでいるため、実際の温度は必ずしも目標とする温度に制御されるわけではない。さらに、熱間仕上圧延機2により仕上圧延された鋼板1の表面温度に予測値を用いる場合には板厚方向平均計算温度にその予測誤差が加算され、同様に鋼板1の板厚に予測値を用いる場合にはその予測誤差も加算される。
そこで、本発明では、急冷停止位置よりも後方に設置された中間温度計8の測定値を用い、急冷停止温度を高精度に制御する。
図2にグラフで示すように、急冷時鋼板温度予測装置11は、急冷停止位置から中間温度計8の測定位置まで、空冷部の温度予測計算を実施し、温度計測定値と表面温度計算値との誤差を算出する。そして、急冷停止位置の板厚方向平均計算温度にこの誤差分を加え、急冷停止温度推定値を算出する。
この急冷停止温度推定値は、急冷停止位置から中間温度計8による測定位置までの空冷部の温度予測計算誤差を含むものの、空冷部は水冷部に比較すると冷却能力が小さいため温度降下量そのものが少なく、かつ水冷に特有の沸騰状態が変化して冷却能力が急変するような予測が困難な現象もないため、水冷装置入側温度計7による測定値から水冷部を経て算出した値よりも、正確で誤差が小さい。
図5は、本発明により急冷停止温度推定値が目標に制御されたことを示すグラフである。
この誤差が小さい急冷停止温度推定値を用い、図5にグラフで示すように、この急冷停止温度推定値が目標急冷停止温度に一致するように水冷装置5、6をフィードバック制御すれば、急冷停止直後の板厚方向平均温度を高精度に制御することができる。
なお、この第2の例では、急冷停止位置が予め決められていることから、急冷停止温度推定値を目標急冷停止温度に一致させるためには、水冷装置5、6の設定水量を修正しなければならない。急冷停止温度推定値が目標急冷停止温度に一致するように、二分法等の収束計算手段を用いて修正すべき設定水量を算出し、修正した設定水量で急冷できるように、水冷ヘッダーに対して設定水量バルブの操作指令を行う。
さらに、これまでに説明した一連の計算及び設定を、0.4秒間〜2.0秒間の周期で周期的に行うことにより、鋼板1の長手方向の制御も可能であり、加速圧延によって鋼板1の搬送速度が連続的に変化するような場合でも急冷停止温度を目標値に制御することができる。
この実施形態2においても、実施形態1と同様に、中間温度計8の測定位置を適切に設定する必要があるが、急冷停止位置が予め決められた位置であることから、急冷停止位置の変化を考慮する必要が無いため、中間温度計8の最適な設置範囲は実施形態1よりも狭い範囲となる。
以上説明したように、本発明によれば、熱間圧延されて搬送される鋼板1に冷却水を噴射して鋼板1を水冷した後に冷却水の噴射を停止して引き続いて鋼板を空冷する際に、簡単な構成によって、冷却水の噴射を停止した急冷停止位置における鋼板の板厚方向平均温度を高精度で推定でき、この推定演算値を用いて水冷装置による冷却水の噴射を制御することによって、鋼板の急冷停止温度を高精度に制御することができる。
さらに、本発明を、実施例を参照しながら、より具体的に説明する。
図1に示す熱延鋼板の製造装置0を用いて、下記に列記の条件で熱延鋼板を製造した。本実施例では、熱間仕上圧延機2の出口に水量調整機能のないオン/オフバルブを有する、複数の水冷ヘッダーから構成される水冷装置5、6を設置し、水冷装置5、6の入口から24m後方に第1の中間温度計8−1を、30m後方に第2の中間温度計8−2を設置した。
鋼板1の鋼種 440MPa級高強度熱延鋼板
鋼板1の板厚 約3.7mm(測定値)
水冷装置入側温度 約860℃(測定値)
目標急冷停止温度 800℃
鋼板1の速度 640mpm→920mpm(加速圧延実施)
水冷ヘッダーバルブ形式 オン/オフバルブ(設定水量調整機能なし)
水冷装置5の長さ(上面) 36.0m
水冷装置6の長さ(下面) 36.0m
水冷装置5のバルブ数(上面) 48個
水冷装置6のバルブ数(下面) 30個
水冷装置5の水量密度(上面) 1.1m/mhr(バルブオン時)
水冷装置6の水量密度(下面) 0.8m/mhr(バルブオン時)
中間温度計8−1の位置 水冷装置5、6の入口から後方に24.0m位置
中間温度計8−2の位置 水冷装置5、6の入口から後方に30.0m位置
図6は、従来例によりで制御した場合の鋼板1の長手方向温度を示すグラフであり、図7は、上述した本発明の第1の例を実施した場合の鋼板1の長手方向温度を示すグラフである。
図6、7に示す急冷停止温度制御結果のグラフでは、上段に、上から順に、鋼板長手方向の水冷装置入側(仕上出口)温度測定値、急冷停止位置の板厚方向平均計算温度、急冷停止温度推定値、中間温度計8−1の測定値、中間温度計8−2の測定値を示し、中段に鋼板1の速度を示し、下段に急冷位置を示す。なお、急冷停止位置が15m未満の場合は中間温度計8−1の測定値を基に急冷停止温度推定値を算出し、15mを越えたところで中間温度計8−2に切り替える。
図6に示す従来例では、中間温度計8−1、8−2の測定値を用いずに急冷停止位置の板厚方向平均計算温度が目標の800℃になるように水冷装置5、6の制御を行った結果である。
水冷装置5、6の水冷ヘッダーバルブには設定水量調整機能がなく、冷却能力が不足すると急冷停止位置を後方に移動させ、全体の冷却水量を増やす必要がある。この実施例では加速圧延を行っているため、鋼板1の速度は最高速度の920mpmまで上昇してゆくが、急冷停止位置の板厚方向平均温度を目標温度に制御するため、速度上昇に対応して急冷停止位置を後方に移動させている。
図6にグラフで示すように、従来例では、中間温度計8の測定値を用いて算出した急冷停止温度推定値は、目標の800℃よりも約20℃低く、この制御方法では十分な精度が得られない。
これに対し、図7にグラフで示すように、本発明例では、中間温度計8−1、8−2による鋼板1の表面温度の測定値を用い、急冷停止位置の急冷停止温度推定値が目標の800℃になるように水冷装置5、6を制御したので、鋼板1の先端部分は急冷停止温度推定値が目標を下回っているものの、急冷停止温度推定値と目標温度との誤差を縮小するようにするフィードバック制御機能が働き、急冷停止温度推定値が目標温度に正確に制御されることがわかる。
次に、実施例2を説明する。
図8は、実施例2の熱延鋼板の製造装置0−1の全体構成を示す説明図である。以降の説明では、図1に示す熱延鋼板の製造装置0と相違する部分を説明し、同一である部分には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図8に示す製造装置8−1が、図1に示す製造装置と相違するのは、熱間仕上圧延機2の出口に水量密度の調整が可能な水冷装置5、6を配置し、水冷装置5、6の出口から1m後方に中間温度計8−1を設置するとともに、3m後方に中間温度計8−2を設置した点である。
この中間温度計8−1は、特許文献2に記載された技術の一部を再現するためのものである。この技術は、仕上圧延から巻取までの間の鋼板長手方向の冷却速度をきめ細かく制御することを目的としており、これを実現するため、ランアウトテーブル上に多数の水冷装置と、それぞれの出側に温度検出装置を設け、温度検出装置毎に目標温度を設定しておき、それぞれの温度検出値が目標に一致するように多数の水冷装置をフィードバック制御している。このように、多数の水冷装置と温度検出装置が必要なことから、水冷装置から温度検出装置まで距離は必然的に短くなり、必要な復熱時間を確保することが困難である。
ここで、従来技術の一部を再現するため、1つの水冷装置と温度検出装置に着目し、中間温度計8−1を水冷装置5,6に近接配置し、中間温度計8−1の測定値を直接用いてフィードバック制御を実施する。
図8の製造装置を用い、下記条件にて熱延鋼板を製造した。なお、この条件での復熱完了時間は計算上0.3秒であり、距離にすると2.4mであるので、中間温度計8−1による鋼板1の表面温度の測定は、復熱途中で行われる。
鋼板1の鋼種 440MPa級高強度熱延鋼板
鋼板1の板厚 約3.0mm(測定値)
水冷装置5、6の入側温度 約860℃(測定値)
目標急冷停止速度 60℃/秒
目標急冷停止温度 740℃
鋼板1の速度 480mpm(加速圧延なし)
水冷装置5、6の長さ 16.0m
水冷ヘッダーバルブ形式 設定水量調整機能あり
水冷装置5、6の水量密度(上面) 0.0〜1.1m/mhr(バルブ開度0〜10
0%)
水冷装置5、6の水量密度(下面) 0.0〜0.8m/mhr(バルブ開度0〜10
0%)
中間温度計8−1の位置 水冷装置5、6の出口から後方に1.0m位置
中間温度計8−2の位置 水冷装置5、6の出口から後方に3.0m位置
図9は、従来例により制御した場合の鋼板長手方向温度を示すグラフであり、図10は本発明例を実施した際の鋼板長手方向温度を示すグラフである。
図9、10に示す急冷停止温度制御結果のグラフは、上段に、上から順に、鋼板長手方向の中間温度計8−2による鋼板1の表面温度の測定値を基に算出した急冷停止温度推定値、中間温度計8−1による鋼板1の表面温度の測定値、中間温度計8−2による鋼板1の表面温度の測定値を示し、下段に、水冷装置5、6の水量密度(上下面同水量密度)を示す。なお、加速圧延は実施しておらず鋼板速度は一定で、急冷停止位置の変化もない。
図9は、特開平6−246331号公報に記載された発明に基づくものであり、1つの冷却ゾーンを模して急冷制御実験を行ったものである。中間温度計8−1の測定値を目標急冷停止温度である740℃に制御したものであるが、中間温度計8−1の設置位置は復熱時間を経たものではなく、鋼板表面温度が上昇中であるので、中間温度計8−21の測定値は復熱時間を経た中間温度計8−2の測定値よりも低い。
中間温度計8−2の測定値を基に推定した急冷停止温度推定値は目標よりも約10℃高い温度になり、この制御方法では急冷停止温度の制御精度は、不芳であった。
これに対し、図10は、中間温度計2による鋼板1の表面温度の測定値を用い、急冷停止位置の急冷停止温度推定値が目標の740℃になるように水冷装置5、6の制御を行った制御結果である。
鋼板1の先端部分は急冷停止温度推定値が目標を上回っているものの、急冷停止温度推定値と目標温度との誤差を縮小するようにするフィードバック制御機能が働き、急冷停止温度推定値が目標温度に正確に制御されることがわかる。
0、0−1 熱延鋼板の製造装置
1 鋼板
2 熱間仕上圧延機
3 搬送テーブル(ランアウトテーブル)
4 巻取装置
5、6 水冷装置
7 水冷装置入側温度計
8、8−1、8−2 表面温度測定手段(中間温度計)
9 鋼板板厚測定装置
10 鋼板速度測定装置
11 急冷時鋼板温度予測装置
12 急冷停止温度制御装置
13 急冷停止温度推定装置
14 冷却制御装置

Claims (7)

  1. 熱間圧延機と、該熱間圧延機の出側に設置されるとともに該熱間圧延機により圧延されて搬送される鋼板に冷却水を噴射して水冷する水冷装置と、該冷却水の噴射を停止して引き続いて前記鋼板を空冷することによって該鋼板を所定の温度に制御するための冷却制御装置と、前記冷却水の噴射を停止した後の所定の時期における前記鋼板の表面温度を測定する表面温度測定手段とを備え、
    前記冷却制御装置は、前記表面温度測定手段による前記鋼板の表面温度の測定値と、前記鋼板の伝熱モデルを用いた前記所定の時期における前記鋼板の表面温度の推定演算値との差に基づいて、前記冷却水の噴射の停止時における前記鋼板の板厚方向平均温度を演算し、該板厚方向平均温度の演算値がその目標値となるように、前記水冷装置による前記冷却水の噴射を制御すること
    を特徴とする熱延鋼板の製造装置。
  2. 前記所定の時期は、前記鋼板の伝熱モデルを用いて推定する前記鋼板の表面温度の推定値が、前記冷却水の噴射を停止した後において上昇から下降に転じる時以降の時期である請求項1に記載された熱延鋼板の製造装置。
  3. 前記表面温度測定手段は、前記鋼板の搬送方向へ複数配置されるとともに、前記冷却制御装置は、複数の該表面温度測定手段のうちで、前記鋼板の伝熱モデルを用いて推定する前記鋼板の表面温度の推定値が前記冷却水の噴射を停止した後において上昇から下降に転じる位置よりも、下流側の最も近い位置に配置される表面温度測定手段である請求項1または請求項2に記載された熱延鋼板の製造装置。
  4. 前記表面温度測定手段は、前記鋼板と対向する位置に配置された放射温度計と、前記鋼板と該放射温度計との間に光導波路としての水柱を形成するための水柱形成手段とを備え、該水柱を介して前記鋼板の表面からの放射光を前記放射温度計で検出することにより前記鋼板の表面温度を測定する請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された熱延鋼板の製造装置。
  5. 熱間圧延されて搬送される鋼板に冷却水を噴射して該鋼板を水冷した後、該冷却水の噴射を停止して引き続いて前記鋼板を空冷することによって該鋼板を所定の温度に制御する工程を含む熱延鋼板の製造方法であって、
    前記冷却水の噴射を停止した後の所定の時期における前記鋼板の表面温度の測定値と、前記鋼板の伝熱モデルを用いた前記所定の時期における前記鋼板の表面温度の推定演算値との差に基づいて、前記冷却水の噴射の停止時における前記鋼板の板厚方向平均温度を演算し、該板厚方向平均温度の演算値がその目標値となるように、前記冷却水の噴射を制御すること
    を特徴とする熱延鋼板の製造方法。
  6. 前記所定の時期は、前記鋼板の伝熱モデルを用いて推定する前記鋼板の表面温度の推定値が、前記冷却水の噴射を停止した後において上昇から下降に転じる時以降の時期である請求項5に記載された熱延鋼板の製造方法。
  7. 前記鋼板の表面温度は、前記鋼板と対向する位置に配置された放射温度計と、前記鋼板と該放射温度計との間に光導波路としての水柱を形成するための水柱形成手段を備え、該水柱を介して前記鋼板の表面からの放射光を放射温度計で検出することにより鋼板の表面温度を測定する装置を用いて、測定する請求項5または請求項6に記載された熱延鋼板の製造方法。
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