JP2006281300A - 冷却制御方法、装置、及びコンピュータプログラム - Google Patents

冷却制御方法、装置、及びコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 高精度なダイナミック制御を可能にし、かつ、材質造り込みへの影響も少なくする。
【解決手段】 冷却制御装置100は、仕上圧延後の鋼板1を搬送しながら、冷却通板中は冷却強度が略一定となるような冷却水量で冷却する冷却装置4を制御するものであって、目標冷却終了温度情報に応じて通板速度を算出して冷却装置4に反映させるとともに、冷却装置4による鋼板1の予定冷却履歴を取得する予定冷却履歴取得部101と、冷却装置4による冷却開始前及び冷却終了後での鋼板1の長手方向の所定の部位での実績温度情報を取得する実績温度情報取得部102と、予定冷却履歴取得部101により取得される予定冷却履歴と実績温度情報取得部102により取得される実績温度情報とに基づいて、冷却装置4に反映させた通板速度を修正する通板速度修正部103とを備える。
【選択図】 図3

Description

本発明は、熱間圧延された鋼板を冷却する冷却装置を制御する冷却制御方法、装置、及びコンピュータプログラムに関する。
熱間圧延された主に厚鋼板を水冷により加速冷却し、焼入れ効果等を得るようにした鋼板製造ラインが稼動している。この熱間圧延鋼板の冷却は鋼板の材質造り込み上重要な工程の一つであり、その特性を決定付けるパラメータとしては、主に「鋼板の冷却開始温度」、「冷却強度」、「鋼板の冷却終了温度」が挙げられる。
ところで、上述したパラメータのうち「鋼板の冷却開始温度」は仕上圧延工程の仕上温度で決定付けられ、また、「冷却強度」は所望の材質造り込みの前提条件として決定付けられることから、オンライン上での冷却制御においては「鋼板の冷却終了温度」が最も重要となる。
従来から、冷却通板中の鋼板の温度を計測し、冷却終了温度が所望の温度となるように鋼板の上面や下面に噴射する冷却水量を変動させて、温度誤差を修正するようにした冷却制御が提案されている(例えば特許文献1)。
特公平7−41303号公報 特開2003−138318号公報 特開平6−71315号公報
しかしながら、冷却装置では大量の冷却水が使用されるため、冷却通板中に冷却水量を変動させるのでは、その応答性に劣ってしまい、高精度なダイナミック制御が困難であるという問題がある。
また、冷却通板中に冷却水量を変動させることは、重要なパラメータの一つである「冷却強度」そのものを変化させることになるため、材質造り込みへの影響が懸念される。
本発明は上記のような点に鑑みてなされたものであり、高精度なダイナミック制御を可能にし、かつ、材質造り込みへの影響も少なくすることを目的とする。
本発明の冷却制御方法は、仕上圧延後の鋼板を搬送しながら、冷却通板中は冷却強度が略一定となるような冷却水量で冷却する冷却装置を制御する冷却制御方法であって、前記冷却装置により冷却が終了した部分の鋼板の実績温度情報に基づいて、当該鋼板の通板速度を制御する点に特徴を有する。
本発明の冷却制御装置は、仕上圧延後の鋼板を搬送しながら、冷却通板中は冷却強度が略一定となるような冷却水量で冷却する冷却装置を制御する冷却制御装置であって、前記冷却装置により冷却が終了した部分の鋼板の実績温度情報に基づいて、当該鋼板の通板速度を制御する点に特徴を有する。
本発明のコンピュータプログラムは、仕上圧延後の鋼板を搬送しながら、冷却通板中は冷却強度が略一定となるような冷却水量で冷却する冷却装置を制御するためのコンピュータプログラムであって、前記冷却装置により冷却が終了した部分の鋼板の実績温度情報に基づいて、当該鋼板の通板速度を制御する処理をコンピュータに実行させる点に特徴を有する。
本発明によれば、冷却通板中に、冷却強度が略一定となるように冷却水量を制御し、鋼板の冷却終了温度が目標冷却終了温度となるように通板速度を制御するようにしたので、応答性に優れた高精度なダイナミック制御が可能になり、かつ、材質造り込みへの影響も少なくすることができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。図1には、本発明が適用される鋼板製造ラインの一例を示す。同図に示すように、不図示の加熱炉や粗圧延機を経て粗形成された鋼板1を目標板厚まで圧延する仕上圧延機2と、仕上圧延後の鋼板1の形状を矯正する矯正機3と、矯正後の鋼板1を加速冷却する冷却装置4とが順次配設されており、加速冷却後の鋼板1が所望の形状及び材質を有する製品となる。
仕上圧延機2の前面位置及び後面位置には、仕上前面温度計5及び仕上後面温度計6がそれぞれ配置される。また、冷却装置4の前面位置S及び後面位置Fには、冷却前面温度計7及び冷却後面温度計8がそれぞれ配置される。なお、本実施形態では、各温度計が鋼板1の上面で表面温度を計測する例を説明するが、例えば鋼板1の上面及び下面の両方で表面温度を計測するようにしてもよい。また、本実施形態では冷却後面温度計8を冷却装置4の外に設置しているが、冷却ゾーン部分使用する場合などの為に冷却装置4内部で表面温度を計測するようにしてもよい。
図2は、冷却装置4の内部構成例を示す図である。冷却装置4の内部では、鋼板1を搬送するローラ群41が多数配列されるとともに、各冷却ゾーン1Z〜19Zにおいて鋼板1の上面及び下面に冷却水を噴射するノズル群(不図示)が多数配列される。これらノズル群からの冷却水の噴射は流量制御弁によってそれぞれ制御され、鋼板の板厚や板長等の諸条件によって使用ゾーン数や各ノズルからの噴射量を調整できるようになっている。
図3は、本実施形態の冷却制御装置100を含む制御系の概略構成を示す図である。冷却制御装置100には、仕上圧延機2を含む各圧延機の総括的な制御を行う圧延制御装置200と、主に生産管理を行う生産管理装置300と、冷却制御装置100から出力される各種データを表示したり、冷却制御装置100に対してオペレータからの入力等を出力したりするデータ入出力装置400と、冷却前面温度計7、冷却後面温度計8とが接続する。
また、冷却制御装置100には、冷却装置4の各冷却ゾーン1Z〜19Zの流量制御弁501を制御して冷却水量を制御する冷却水量制御装置500と、鋼板1を搬送する際に駆動される冷却装置4の鋼板送りモータ601を制御して通板速度を制御する通板速度制御装置600とが接続する。
すなわち、冷却制御装置100は、冷却前面温度計7及び冷却後面温度計8、圧延制御装置200、生産管理装置300、及びデータ入出力装置400等から入力されるデータに基づいて、冷却水量制御装置500や通板速度制御装置600を介して冷却水量や通板速度の制御を行う。
特に本実施形態の冷却制御装置100は、仕上圧延後の鋼板1を搬送しながら、冷却水量制御装置500に所要の冷却水量を送信することで、冷却装置の注水量を制御するとともに、冷却装置4により冷却が終了した部分の鋼板1の実績温度情報に基づき通板速度制御装置600を介して通板速度を制御するものである。
より具体的に、本実施形態の冷却制御装置100は、目標冷却終了温度情報に応じて通板速度を算出して冷却装置4に反映させるとともに、冷却装置4による鋼板1の予定冷却履歴を取得する予定冷却履歴取得部101と、冷却装置4による冷却開始前及び冷却終了後での鋼板1の長手方向の所定の部位での実績温度情報を取得する実績温度情報取得部102と、予定冷却履歴取得部101により取得される予定冷却履歴と実績温度情報取得部102により取得される実績温度情報とに基づいて、冷却装置4に反映させた通板速度を修正する通板速度修正部103とを備える。
図4は、本実施形態の冷却制御装置100による冷却制御処理を説明するためのフローチャートである。また、図5は、冷却開始からの時間と鋼板1の温度(板厚方向平均温度)変化との関係を示す特性図である。
ステップS100では、目標冷却終了温度情報に応じて通板速度を算出して冷却装置4に反映させるとともに、冷却装置4による鋼板1の予定冷却履歴を取得する。以下、図6を参照して、ステップS100の予定冷却履歴の取得処理について説明する。
まず、冷却装置4の入側(冷却開始位置)における鋼板1の長手方向の各セグメントでの冷却開始温度情報を算出する(ステップS101)。
具体的には、圧延制御装置200から仕上後面温度計6により計測される鋼板1の表面温度を取得し、仕上圧延終了時点の各セグメントでの板厚方向の温度分布を求める。表面温度から板厚方向の温度分布を求める手法として、板厚方向の温度分布は板厚方向の中間位置で温度が最高となる放物線状となることが知られており、例えば特許文献1に開示された手法を用いて板厚方向11点の温度分布を決定すればよい(図7を参照)。概要を説明すれば、上表面温度TFは、計測された温度である。上表面と板温最高点との温度差ΔTは、下式(1)
ΔT=33.8−3.63h(−0.0371+0.00528h)・TF・・・(1)
但し、ΔT:上表面と板温最高点との温度差、h:板厚
で与える。下表面温度TLは、下式(2)
L=TF+K1ξ(ΔTScon+ΔTSclass)+K2・・・(2)
但し、ξ:学習により得た温度変換係数、ΔTS:学習により得た入側温度上下面温度差、K1,K2:調整要素
により決定する。以上の条件を満たす放射線状の温度分布を決定し、板厚方向の温度分布を決定する。その他にも、詳細な説明は省略するが、表面温度から板厚方向の温度分布を求める手法については特許文献2、3等にも開示されており、いずれの手法を用いてもかまわない。
そして、仕上圧延終了時点の各セグメントでの板厚方向の温度分布を初期値として、上述した板厚方向11点を計算対象点とし、冷却装置4の冷却開始位置までの温度推移を熱伝導差分方程式を解くことにより、冷却装置4の冷却開始位置における各セグメントでの板厚方向平均温度TSi *(以下、「冷却開始温度TSi *」と称する)を冷却開始温度情報として算出する。熱伝導差分方程式を解くことにより温度推移を解析する手法についても、例えば特許文献1に開示されているように、概要を説明すれば、板厚方向の初期温度分布状態に基づいて、板上の代表点における11点を計算対象点として、下式(3)に示す1次元熱伝導差分方程式
Q(i)t+Δt
=Q(i)t+Δt・(λi+1−2λi+λi-1)/ρ・Δx2 (i=1〜11)
ΔQs
=4.88[{(Tg+273)/100}4−{(T(i)+273)/100}4] (i=1、11)
=0 (i=2〜10)・・・(3)
但し、Q(i)t:時刻tでの要素iの含熱量、T(i)t:同温表示、Δt:差分計算の刻み時間(=const,150msec)、ρ:密度、λ:要素iの熱伝導率、Tg:気温、ΔQs:境界条件、Δx:板厚分割厚
を解く。この場合に、板温度Tから含熱量Qへの変換を、
T>880であれば、Q=3.333+0.16T
T≦880であれば、Q=−149.05+0.481・T−1.68×10-4・T2
とし、含熱量Qから温度Tへの変換(含熱量:比熱を0℃からTまで積分した値)を、
Q>144.13であれば、T=−20.8+6.25×Q
0<Q≦144.13であれば、T=1431.5−√(1.162×106−5.95×103×Q)
とする。
本実施形態では、冷却開始温度TSi *を、仕上圧延終了時点の各セグメントでの板厚方向の温度分布を初期値として1次元熱伝導差分方程式を解くことにより取得するようにしたが、冷却前面温度計7より計測された温度から取得するようにしてもよい。
次に、ステップS101で求められた冷却開始温度TSi *と、製造標準値として生産管理装置300等により設定される各冷却ゾーン1Z〜19Zでの冷却水量と、製造標準値として生産管理装置300等により設定される目標とする冷却終了時点の板厚方向平均温度TE*(以下、「目標冷却終了温度TE*」と称する)と、冷却装置4の使用ゾーンの全長と等に基づいて通板速度を算出し、その通板速度を初期設定速度として冷却装置4に反映させる(ステップS102)。本実施形態では、冷却処理の前提として、冷却通板中は冷却強度が略一定となるように各冷却ゾーン1Z〜19Zでの冷却水量、すなわち使用ゾーン数や各ノズルからの噴射量が制御される。
次に、鋼板1の各セグメントでの後面位置Fにおける予定板厚方向平均温度TFi *(i:セグメントの番号)(以下、「予定後面位置温度TFi *」と称する)を予定後面位置温度情報として算出する(ステップS103)。この場合も、例えば目標冷却終了温度TE*を初期値として、ステップS101にて冷却開始温度TSi *を算出したのと同様に熱伝導差分方程式により空冷計算を行って温度推移を解析すればよい。例えば使用する冷却ゾーンが短く、冷却終了位置と後面位置Fとの距離が離れるような場合、冷却終了位置での鋼板1の温度と後面位置Fでの鋼板1の温度とが相違する可能性があることから本ステップの処理を行うようにしたものであるが、冷却終了位置と後面位置Fとの距離が近かったり、目標冷却流量温度TE*が後面位置Fでの温度として与えられていたりするような場合には本ステップの処理を省略してもよい。
次に、ステップS102で設定された通板速度に基づいて、鋼板1の各セグメントでの予定全冷却時間tei *(i:セグメントの番号)を算出する(ステップS104)。
そして、目標冷却終了温度TE*、冷却開始温度TSi *、及び予定全冷却時間tei *に基づいて、鋼板1の各セグメントが冷却開始位置から冷却終了位置に達するまでの期間での予定冷却強度(予定冷速)Vci *(i:セグメントの番号)を算出する(ステップS105)。上述したように冷却通板中は冷却強度が略一定となるように各冷却ゾーン1Z〜19Zでの冷却水量が制御されるので、予定冷却強度Vci *はほぼリニアに変化するものと扱うことができ、下式(4)
Vci *=(TSi *−TE*)/tei *・・・(4)
として算出することができる。
図4に説明を戻して、ステップS200では、冷却装置4の前面位置S(冷却開始前)及び後面位置E(冷却終了後)における鋼板1の長手方向の所定の部位での実績温度情報を取得する。以下、図8を参照して、ステップS200の実績温度情報の取得処理について説明する。
まず、前面温度計7により計測される鋼板1の表面温度を定周期(各セグメント)で読み込んで、板厚方向平均温度TSi Rを算出する(ステップS201)。表面温度から板厚方向の温度分布を求める手法については既述したとおりである。
また、後面温度計8により計測される鋼板1の表面温度を定周期(各セグメント)で読み込んで、板厚方向平均温度TFi Rを算出する(ステップS202)。表面温度から板厚方向の温度分布を求める手法については既述したとおりである。
そして、鋼板1の通板状況をトラッキング機能により監視し、指定距離だけ進行するごとに、換言すれば、鋼板1の複数セグメント分について、ステップS201、S202で算出された板厚方向平均温度TSi R、TFi Rそれぞれの指定距離分の平均値TSR、TSR(以下、「実績温度TSR、TSR」と称する)を、下式(5)、(6)
TSR=Ave(TSi R:i=指定距離分のサンプリング個数分)・・・(5)
TFR=Ave(TFi R:i=指定距離分のサンプリング個数分)・・・(6)
により実績温度情報として算出する(ステップS203)。なお、指定距離をどの程度のセグメント分とするかは、通板速度の修正制御に有意効果のある長さを過去の実績等から定めればよい。
図4に説明を戻して、ステップS300では、ステップS100により取得される予定冷却履歴とステップS200により取得される実績温度TSR、TSRとに基づいて、冷却装置4に反映させた通板速度を修正する(ステップS300)。以下、図9を参照して、ステップS300の通板速度の修正処理について説明する。
まず、鋼板1が指定距離だけ進行するごとに、指定長さ分が冷却開始位置から冷却終了位置に達するまでの実績冷却強度VcRを、下式(7)
VcR=(TSR−TFR)/teR・・・(7)
により算出する(ステップS301)。なお、teRは鋼板1の指定長さ分の実績平均冷却時間である。
次に、ステップS301により算出された実績冷却強度VcRを前提として、鋼板1の指定長さ分の必要全冷却時間teei´を、下式(8)
teei´=(TSR−TE*)/VcR・・・(8)
により算出する(ステップS302)。
次に、修正ゲインGvEを用いて、修正全冷却時間teei´sを、下式(9)
teei´s=tei *−(tei *−teei´)・GvE・・・(9)
により算出する(ステップS303)。ここで、修正ゲインGvEは制御の応答性と収束性を調節するものであり、通常0.8〜1.0の値とするが、実際の温度誤差の大きさや変動に応じて適切に調整すればよい。
次に、修正全冷却時間teei´sと予定全冷却時間tei *との比率をもって、全冷却時間修正率KvEjを、下式(10)
KvEj=tei */teei´s・・・(10)
但し、j:制御回数インデックス
により算出する(ステップS304)。
そして、通板速度の修正係数ΔVEjを、下式(11)
ΔVEj=KvEj/KvE(j-1)・・・(11)
により算出し、通板速度の修正設定出力を行う(ステップS305)。なお、ここでは現在の通板速度に対する修正係数ΔVEjを算出するようにしたが、初期設定速度に対する修正係数を算出するようにしてもかまわない。
これにより、鋼板1の指定長さ分以降の部位が冷却終了位置に達した時点で目標冷却終了温度TE*を満たすように通板速度を修正することができる。
図4に説明を戻して、これらステップS200、300の処理を、鋼板1の全長が通過するまで所定回数Jだけ繰返し実行する(ステップS400)。
以上述べたように、冷却通板中に、冷却強度が略一定となるように冷却水量を制御するとともに、鋼板の冷却終了温度が目標冷却終了温度となるように通板速度を制御するようにしたので、応答性に優れた高精度なダイナミック制御が可能になり、かつ、材質造り込みへの影響も少なくすることができる。
上記実施形態では、冷却開始温度TSi *、実績温度TSR、TSR等の各種温度情報として、鋼板1の表面温度ではなく、板厚方向平均温度を用いるようにしたが、これは下記の理由による。すなわち、(1)目標冷却終了温度TE*が板厚方向平均温度で与えられる、(2)鋼板1の表面での温度変化は非常に激しく、大きな誤差が生じて逐次修正が発散するおそれがある等の理由による。
(実施例)
図10に示すように、同一の冷却条件下で、本発明による冷却制御を適用した場合と適用しない場合との結果を比較した。冷却条件は、仕上圧延後の鋼板の板厚を20[mm]、板長を28[m]、冷却開始温度を750[℃]、目標冷却終了温度をTE*=465±25[℃]、初期通板速度を70[m/min]、修正ゲインをGvE=0.9としている。
図10に示すように、本発明を適用しない場合、実際の冷却終了温度が各板長方向位置で大きく変化するとともに、鋼板の後端に近づくにつれて目標冷却終了温度の範囲465±25[℃]から離れる(高くなる)傾向があった。
それに対して、本発明を適用した場合、実際の冷却終了温度が各板長方向位置でさほど大きく変化することはなく、鋼板の後端付近でも目標冷却終了温度の範囲465±25[℃]内にあり、良好な結果が得られた。
上述した実施形態の冷却制御装置100は、具体的にはCPU、RAM、ROM等を含むコンピュータ装置或いはコンピュータシステムにより構成されるものである。したがって、本発明の各機能処理を実現するために、コンピュータにインストールされるコンピュータプログラム自体も本発明に含まれる。
また、上記実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本発明を適用する鋼板製造ラインの一例を示す図である。 冷却装置の内部構成例を示す図である。 本実施形態の冷却制御装置を含む制御系の概略構成を示す図である。 本実施形態の冷却制御装置による冷却制御処理を説明するためのフローチャートである。 冷却開始からの時間と鋼板の温度変化との関係を示す特性図である。 予定冷却履歴の取得処理について説明するためのフローチャートである。 板厚方向の温度分布を説明するための図である。 実績温度情報の取得処理について説明するためのフローチャートである。 通板速度の修正処理について説明するためのフローチャートである。 実施例における結果を示す特性図である。
符号の説明
1 鋼板
2 仕上圧延機
3 矯正機
4 冷却装置
5 仕上前面温度計
6 仕上後面温度計
7 冷却前面温度計
8 冷却後面温度計
100 冷却制御装置
101 予定冷却履歴取得部
102 実績温度情報取得部
103 通板速度修正部

Claims (10)

  1. 仕上圧延後の鋼板を搬送しながら、冷却通板中は冷却強度が略一定となるような冷却水量で冷却する冷却装置を制御する冷却制御方法であって、
    前記冷却装置により冷却が終了した部分の鋼板の実績温度情報に基づいて、当該鋼板の通板速度を制御することを特徴とする冷却制御方法。
  2. 目標冷却終了温度情報に応じて通板速度を算出して前記冷却装置に反映させるとともに、前記冷却装置による前記鋼板の予定冷却履歴を取得する予定冷却履歴取得手順と、
    前記冷却装置による冷却開始前及び冷却終了後での前記鋼板の長手方向の所定の部位での実績温度情報を取得する実績温度情報取得手順と、
    前記予定冷却履歴取得手順により取得される予定冷却履歴と前記実績温度情報取得手順により取得される実績温度情報とに基づいて、前記冷却装置に反映させた通板速度を修正する通板速度修正手順とを有することを特徴とする請求項1に記載の冷却制御方法。
  3. 前記予定冷却履歴取得手順では、前記鋼板の長手方向の各部での冷却開始温度情報を取得する手順と、前記鋼板の長手方向の各部が冷却開始位置から冷却終了位置に達するまでの予定全冷却時間を算出する手順と、前記目標冷却終了温度情報、前記冷却開始温度情報、及び前記予定全冷却時間に基づいて、前記鋼板の長手方向の各部が冷却開始位置から冷却終了位置に達するまでの期間での予定冷却強度を求める手順とを含むことを特徴とする請求項2に記載の冷却制御方法。
  4. 前記通板速度修正手順では、前記予定冷却履歴取得手順により求められる予定冷却強度と、前記実績温度情報取得手順により取得される実績温度情報とに基づいて、前記鋼板の所定の部位の温度が前記目標冷却終了温度情報を満たすための必要全冷却時間を算出し、その必要全冷却時間に基づいて前記通板速度を修正することを特徴とする請求項3に記載の冷却制御方法。
  5. 前記目標冷却終了温度情報は、前記鋼板の板厚方向平均温度で与えられることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の冷却制御方法。
  6. 前記実績温度情報取得手順では、前記冷却装置の前面位置及び後面位置にそれぞれ配置された温度計により計測される前記鋼板の表面温度から板厚方向平均温度を算出し、前記所定の部位での各板厚方向平均温度の平均値を前記実績温度情報として求めることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の冷却制御方法。
  7. 仕上圧延後の鋼板を搬送しながら、冷却通板中は冷却強度が略一定となるような冷却水量で冷却する冷却装置を制御する冷却制御装置であって、
    前記冷却装置により冷却が終了した部分の鋼板の実績温度情報に基づいて、当該鋼板の通板速度を制御することを特徴とする冷却制御装置。
  8. 目標冷却終了温度情報に応じて通板速度を算出して前記冷却装置に反映させるとともに、前記冷却装置による前記鋼板の予定冷却履歴を取得する予定冷却履歴取得手段と、
    前記冷却装置による冷却開始前及び冷却終了後での前記鋼板の長手方向の所定の部位での実績温度情報を取得する実績温度情報取得手段と、
    前記予定冷却履歴取得手段により取得される予定冷却履歴と前記実績温度情報取得手順により取得される実績温度情報とに基づいて、前記冷却装置に反映させた通板速度を修正する通板速度修正手段とを備えたことを特徴とする請求項7に記載の冷却制御装置。
  9. 仕上圧延後の鋼板を搬送しながら、冷却通板中は冷却強度が略一定となるような冷却水量で冷却する冷却装置を制御するためのコンピュータプログラムであって、
    前記冷却装置により冷却が終了した部分の鋼板の実績温度情報に基づいて、当該鋼板の通板速度を制御する処理をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  10. 目標冷却終了温度情報に応じて通板速度を算出して前記冷却装置に反映させるとともに、前記冷却装置による前記鋼板の予定冷却履歴を取得する予定冷却履歴取得処理と、
    前記冷却装置による冷却開始前及び冷却終了後での前記鋼板の長手方向の所定の部位での実績温度情報を取得する実績温度情報取得処理と、
    前記予定冷却履歴取得手段により取得される予定冷却履歴と前記実績温度情報取得手順により取得される実績温度情報とに基づいて、前記冷却装置に反映させた通板速度を修正する通板速度修正処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする請求項9に記載のコンピュータプログラム。
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