JP2010163811A - 符号錠装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】施錠および解錠のための摘み操作に負荷がかからないようにする。
【解決手段】解錠および施錠のための摘み操作時に各ダイヤル4を強制的に回動させて解錠符号列を崩すダイヤル強制駆動機構と、各ダイヤル4の回動操作によりダイヤル4を間欠送りして各符号を窓孔に順次出現させるダイヤル間欠送り機構90とを備えている。ダイヤル間欠送り機構90は、各ダイヤル4にそれぞれ一体に設けられ外周面に符号数と一致する個数の谷部45aと山部45bとが交互に形成された噛合部94と、ダイヤル4の回転に伴って噛合部94の各谷部45aに押圧状態で順次噛み合わせるための係合部材95と、アクチュエータ2の非回動時は噛合部94の谷部45aと押圧状態で噛み合う位置に係合部材95を位置させアクチュエータ2の回動時は噛合部94の谷部95aと噛み合わない位置まで係合部材95を退避させる位置決め機構93とを備える。
【選択図】図30

Description

この発明は、各種のロッカーやキャビネットなどの扉の施錠に用いられる符号錠装置に関し、特にこの発明は、解錠および施錠のための摘み操作時に符号表示部に出現している各ダイヤルの符号の並びを解錠符号列と一致しない符号の並びに強制的に崩す機能を備えた符号錠装置に関する。
この種の符号錠装置は、一般に、周面に複数の符号が表された複数個のダイヤルと、各ダイヤルについて符号の配列角度毎に噛み合う部分を備えた複数個のロックギヤとを備えている。各ダイヤルについて、対応するロックギヤといずれかの角度位置でそれぞれ噛み合わせることで解錠符号列が記憶される。ここで、「解錠符号列」とは、解錠のための摘み操作を許容する各ダイヤルの符号の並びをいう。例えば、符号が「0」〜「9」の数字で構成された4個のダイヤルをもつ符号錠装置の場合、解錠符号列は4桁の数字となり、各ダイヤルの数字は前面パネルの符号表示部に表示される。なお、以下の説明において、解錠符号列を構成する各ダイヤルの符号を、単に「解錠符号」といい、各ダイヤルの符号が解錠符号であれば解錠操作が許容され、一方、いずれかのダイヤルの符号が解錠符号でなければ、解錠操作が規制される。
符号錠装置には、符号錠装置毎に解錠符号列が固定的に設定されるタイプのものと、使用者がその都度、解錠符号列を自由に設定するタイプのものとがある。いずれのタイプの符号錠装置も、施錠操作後に各ダイヤルの符号の並びを解錠符号列と一致しない符号の並びに崩す操作が必要である。また、他人に解錠符号列を憶えられないようにするために、解錠操作後にも各ダイヤルの符号の並びを解錠符号列と一致しない符号の並びに崩しておく必要がある。そこで出願人は、施錠および解錠のための摘み操作時に、各ダイヤルを決められた角度位置まで強制的に回動させることにより符号表示部に出現している各ダイヤルの符号の並びを解錠符号列と一致しない所定の符号の並びへ移行させるダイヤル強制駆動機構を内蔵した符号錠装置を提案した(例えば、特許文献1参照)。
特許第2564238号公報
ところで、この種の符号錠装置には、各ダイヤルの回動操作によりダイヤルを間欠送りして各符号を符号表示部に順次出現させるダイヤル間欠送り機構が組み込まれている。このダイヤル間欠送り機構は、図34に示すように、各ダイヤル200の側面にそれぞれ一体に突設されたボス状部201の外周面に符号数と一致する個数の谷部202と山部203とをそれぞれ交互に形成するとともに、一対の板バネ製のアーム204,204の先端に内向きに突設された係合突部205をダイヤル200の回転に伴って各谷部202に順次押圧状態で噛み合わせるようにしたものである。
上記した構成のダイヤル200を指先で回動操作して係合突部205が谷部202と噛み合うと、符号表示部にはいずれかの符号が出現して定位する。係合突部205が山部203の傾斜に乗り上がった状態ではダイヤル200はその角度状態で定位せず、正逆いずれかの方向へ回動して係合突部205は谷部202へ転落する。係合突部205が谷部202としっかり噛み合うと、符号表示部にいずれかの符号が定位する。このようにして、ダイヤル200は回動操作により一定角度づつ間欠送りされるので、符号表示部にはダイヤル200の符号が順次導かれる。
しかしながら、ダイヤル強制駆動機構を内蔵する符号錠装置では、施錠および解錠のための摘み操作時、符号表示部に出現している各ダイヤルの符号の並びを解錠符号列と一致しない所定の符号の並びへ移行させるために、ダイヤル強制駆動機構が各ダイヤルを決められた角度位置まで強制的に回動させることになるが、このときダイヤル間欠送り機構の係合突部205がボス状部201の外周面にバネ力により常時押し付けられているため、施錠および解錠のための摘みの操作に負荷がかかり、摘みを大きな力で操作する必要がある。また、操作に要する力を軽減するために摘みを大きくすると、装置の大型化やコスト高を招くという不都合がある。
この発明は、上記の問題に着目してなされたもので、ダイヤル強制駆動機構が組み込まれた符号錠装置であっても、施錠および解錠のための摘み操作に殆ど負荷がかからず、小さな摘みをもって小さな力により摘み操作が行える符号錠装置を提供することを目的とする。
この発明の前提となる符号錠装置は、複数個のダイヤルと、各ダイヤルの回動操作によりダイヤルの周面に表された複数の符号を順次出現させる符号表示部と、解錠および施錠のための摘み操作に応動して正逆各方向へ回動するアクチュエータと、解錠のための摘み操作を許容する各ダイヤルの符号の並びを解錠符号列として記憶する記憶機構と、符号表示部に出現した各ダイヤルの符号の並びが解錠符号列と一致しないとき解錠のための摘み操作を規制するロック機構と、解錠および施錠のための摘み操作時に各ダイヤルを強制的に回動させることにより符号表示部に出現している各ダイヤルの符号の並びを解錠符号列と一致しない符号の並びへ移行させるダイヤル強制駆動機構と、各ダイヤルの回動操作によりダイヤルを間欠送りして各符号を符号表示部に順次出現させるダイヤル間欠送り機構とを備えたものである。
前記ダイヤル間欠送り機構は、各ダイヤルにそれぞれ一体に設けられ外周面に符号数と一致する個数の谷部と山部とが交互に形成された噛合部と、ダイヤルの回転に伴って噛合部の各谷部に押圧状態で順次噛み合わせるための係合部材と、アクチュエータの非回動時は噛合部の谷部と押圧状態で噛み合う位置に係合部材を位置させアクチュエータの回動時は噛合部の谷部と噛み合わない位置まで係合部材を退避させる係合部材の位置決め機構とを備えている。
上記した構成の符号錠装置において、各ダイヤルを回動操作して各ダイヤルの符号の並びを解錠符号列に揃えるとき、位置決め機構は係合部材を噛合部の谷部と押圧状態で噛み合う位置に位置させているので、係合部材はダイヤルの回転に伴って噛合部の各谷部と押圧状態で順次噛み合う。係合部材がいずれかの谷部と噛み合ったとき、符号表示部にはいずれかの符号が出現して定位する。
解錠または施錠のための摘み操作を行うと、その摘み操作に応動してアクチュエータが回動するもので、このとき位置決め機構は谷部と噛み合わない位置まで係合部材を退避させる。解錠および施錠のための摘み操作時にダイヤル強制駆動機構は各ダイヤルを強制的に回動させることにより符号表示部に出現している各ダイヤルの符号の並びを解錠符号列と一致しない符号の並びへ移行させるが、このとき係合部材は噛合部の谷部と押圧状態で噛み合っていないので、施錠および解錠のための摘みの操作に殆ど負荷がかからず、摘みを小さな力で操作できる。
この発明による符号錠装置は、符号錠装置毎に解錠符号列が固定的に設定されるタイプのものと、使用者がその都度、解錠符号列を自在に設定するタイプのものとの両方に適用できる。従って、「記憶機構」は、符号錠装置の使用者によって使用の都度、設定された解錠符号列を記憶するものと、符号錠装置の提供者によって予め設定された解錠符号列を記憶するものとの両方を含んでいる。
この発明の上記した構成において、符号表示部はダイヤル毎に符号を窓内に1個宛臨ませるような構成のものであってもよく、ダイヤル毎に窓孔より前面プレート上にダイヤルの外周部の一部分を突出させるような構成のものであってもよい。
また、解錠および施錠のための摘みは、指先で摘んで回動させるタイプの摘みが一般的であるが、これに限らず、指先で摘んで往復動させるレバー状の摘みであってもよい。
この発明の好ましい実施態様においては、前記係合部材は、一対の板バネ製のアームの先端に係合突部が設けられて成り、前記位置決め機構は、アクチュエータの非回動時は両方の係合突部が噛合部の対角位置で噛合部の谷部と押圧状態で噛み合う位置に各係合突部を位置させ、アクチュエータの回動時は一方の係合突部を噛合部の谷部と噛み合わない位置まで退避させるものである。
この実施態様によると、解錠または施錠のための摘み操作を行うと、その摘み操作に応動してアクチュエータが回動し、このとき位置決め機構は一方の係合部材を噛合部の谷部と噛み合わない位置まで退避させるので、施錠および解錠のための摘みの操作にかかる負荷が半減し、摘みを小さい力で操作できる。
この発明の他の好ましい実施態様においては、前記係合部材は、一対の板バネ製のアームの先端に係合突部が設けられて成り、前記位置決め機構は、アクチュエータの非回動時は両方の係合突部が噛合部の対角位置で噛合部の谷部と押圧状態で噛み合う位置に各係合突部を位置させ、アクチュエータの回動時は両方の係合突部を噛合部の谷部と噛み合わない位置まで退避させるものである。
この実施態様によると、解錠または施錠のための摘み操作を行うと、その摘み操作に応動してアクチュエータが回動し、このとき位置決め機構は両方の係合突部を噛合部の谷部と噛み合わない位置まで退避させるので、施錠および解錠のための摘みの操作にかかる負荷が殆どなくなり、摘みをわずかな力で操作できる。
この発明によると、ダイヤル強制駆動機構とダイヤル間欠送り機構とを内蔵する符号錠装置であっても、施錠および解錠のための摘み操作に殆ど負荷がかからず、小さな摘みをもって小さな力により操作できる。
この発明の符号錠装置の外観を示す平面図である。 この発明の符号錠装置の外観を示す側面図である。 符号錠装置の内部構造を示す正面図である。 符号錠装置の内部構造を示す平面図である。 符号錠装置の内部構造を示す開状態時の水平方向に沿う断面図である。 符号錠装置の内部構造を示す開状態時の垂直方向に沿う断面図である。 符号錠装置の内部構造を示す施錠操作時の水平方向に沿う断面図である。 符号錠装置の内部構造を示す施錠操作時の垂直方向に沿う断面図である。 符号錠装置の内部構造を示す閉状態時の水平方向に沿う断面図である。 符号錠装置の内部構造を示す閉状態時の垂直方向に沿う断面図である。 符号錠装置の内部構造を示す解錠操作時の水平方向に沿う断面図である。 符号錠装置の内部構造を示す解錠操作時の垂直方向に沿う断面図である。 外筒の平面図および底面図である。 外筒リングの斜視図である。 第1の傘歯車の平面図である。 ダイヤル本体の側面図である。 ダイヤル本体の正面図である。 図16のA−A線に沿う断面図である。 ロックギヤの側面図である。 ロックギヤの正面図である。 図19のB−B線に沿うロックギヤの断面図である。 可動体の平面図、正面図および右側面図である。 ダイヤル駆動板の正面図である。 ダイヤル駆動板の裏面図である。 ダイヤル駆動板の側面図である。 ダイヤル駆動板の斜視図である。 ダイヤル駆動板の構成を示す分解斜視図である。 ダイヤル間欠送り機構の分解斜視図である。 ダイヤル間欠送り機構の動作を示す斜視図である。 ダイヤル間欠送り機構の動作を示す斜視図である。 ダイヤル強制駆動機構の動作を示す作動軸、ダイヤル駆動板、およびダイヤルの側面図である。 ダイヤル間欠送り機構の動作を示す側面図である ゼロ定位機構の動作を示す側面図である。 従来のダイヤル間欠送り機構を示す側面図である。
図1および図2は、この発明の一実施例である符号錠装置の外観を示している。この符号錠装置は、例えば、不特定人が使用する貸しロッカーの扉に取り付けられるもので、上面が開口した合成樹脂製の箱状ケース10と、この箱状ケース10の上面開口を塞ぐ合成樹脂製の前面プレート11とでケース体1が構成されている。
このケース体1の裏側には、ロッカー本体の側に取り付けられた受け金具13に係脱する掛止め金具12が配備され、施錠および解錠に際して、掛止め金具12が120度の範囲で正逆各方向に回動して受け金具13に係脱する。掛け金具12と受け金具13とが係合した状態のとき扉が閉じられた状態であり、掛け金具12と受け金具13との係合が外れた状態のとき扉の開閉操作が可能な状態である。
なお、以下の説明において、掛止め金具12が受け金具13に係合した状態を「閉状態」、この「閉状態」がロック保持されている状態を「施錠状態」、ロック解除された状態を「解錠状態」、掛止め金具12が受け金具13より外れた状態を「開状態」という。また「開状態」から「施錠状態」へ至る操作を「施錠操作」、「施錠状態」から「開状態」へ至る操作を「解錠操作」という。
図示例の符号錠装置は、解錠符号列が揃った状態にあることにより施錠および解錠の各操作が可能となる符号錠の機構のみが組み込まれたものであるが、これに加えて、適正な鍵の挿入により施錠および解錠の各操作が可能となるシリンダ錠の機構を導入して構成することもできる。また、この実施例は、ロッカーの使用者がその都度、解錠符号列を自在に設定することが可能なタイプのものであるが、この発明はこれに限らず、解錠符号列が固定的に設定されたタイプのものにも実施できる。
前面プレート11には、板面の一端部寄りに円形の開口部14が、中央部から他端部にかけて4個の窓孔15が、それぞれ設けられている。開口部14の位置には、ロッカーの使用者が摘み20を摘んで解錠または施錠の操作を行ったときにこれに応動するアクチュエータ2が組み込まれている。摘み20は開口部14より前面プレート11上へ突出している。4個の窓孔15の位置には、解錠符号列を整列させるための符号錠の機構が組み込まれている。各窓孔15からは前面プレート11上に4個の各ダイヤル4のダイヤル操作面42が突出し、指先でダイヤル操作面42を正逆各方向へ回すことが可能である。ダイヤル操作面42には「0」から「9」の10個の符号43が表されている。
図3〜図12には、ケース体1の内部構造が示されている。図示例の符号錠装置は、ロッカーの使用者が使用に際して解錠符号列をその都度自由に設定することが可能なタイプのものであって、施錠および解錠の各操作に伴い前面プレート11上に出現していた各ダイヤル4の符号の並び(解錠符号列)が崩されて解錠符号列と一致しない符号の並び(図示例では「0」が4個並んだ状態)へ移行させるようにしたものである。以下、「0」が4個並んだ符号列を「初期符号列」という。
上記の機能を実現するために、アクチュエータ2、作動軸3、4個のダイヤル4、4個のロックギヤ5、解錠符号列の記憶機構6、往復動機構7、回動機構8、ロック機構9、ダイヤル強制駆動機構100などの各構成を備え、これに加えて、この発明の特徴をなすダイヤル間欠送り機構90が設けられている。
なお、図3〜図12において、図3は符号錠装置の内部構造を示す正面図であり、図4は摘み20を取り外した状態のアクチュエータ2の平面図である。図5,7,9,11は符号錠装置の内部構造を示す前面プレート11の側より見た水平断面図であり、図6,8,10,12は垂直断面図である。図5,6は符号錠装置の「開状態」を、図7,8は「施錠操作時」の状態を、図9,10は「閉状態」を、図11,12は「解錠操作時」の状態を、それぞれ示している。
(1)アクチュエータ2の構成
アクチュエータ2は、摘み20による施錠および解錠の各操作に応じて回動するもので、仕切板16で区画された一方の空間内に筒状体21が回動可能に支持されて成る。筒状体21の上端には摘み20が取り付けられ、この摘み20を摘んで正逆いずれかの方向へ回動操作すると、筒状体21が一体に回動する。
筒状体21は内筒22と外筒23とで構成されている。内筒22の内部の外筒23との間には複数のディスクタンブラーより成る錠機構(図示せず)が組み込まれている。ディスクタンブラーは、外筒23に対する内筒22の回動を規制するためのものである。鍵孔27から内筒22内へマスター鍵が挿入されていない状態では、ディスクタンブラーが内筒22と外筒23との間に介在して内筒22と外筒23とが係合した状態になるため、摘み20の回動操作により内筒22と外筒23とが一体回動する。マスター鍵が挿入された状態では、全てのディスクタンブラーが内筒22内に退くことで内筒22と外筒23との係合が外れる結果、摘み20の回動操作により外筒23内で内筒22のみが単独で回動可能な状態になる。
この実施例によると、ロッカーの使用者が解錠符号列を忘れたときなどに、内筒22内へマスター鍵を挿入すると、内筒22と外筒23との係わりが切れて、内筒22のみを回動操作することができる。内筒22の下端には、ケース体1外へ突出する取付軸24を介して掛止め金具12が取り付けられている。
外筒23の上部外周面には、図13(1)に示すように、所定の角度(この実施例では、120度)を隔てて第1、第2の各凹部25,26が形成されている。各凹部25,26は、作動軸3の先端部30が嵌まる大きさに形成されている。第1の凹部25は、筒状体21が「開状態」の角度位置にあるときに作動軸3の方向を向き、第2の凹部26は、筒状体21が「閉状態」の角度位置にあるときに作動軸3の方向を向く。第1,第2の各凹部25,26は、後述する往復動機構7を構成する。
外筒23の下部外周面には、図13(2)に示すように、筒状体21が「開状態」の角度位置にあるときに作動軸3の方向を向いて作動軸3と直交する垂直面28Aと、筒状体21が「閉状態」の角度位置にあるときに作動軸3の方向を向いて作動軸3と直交する垂直面28Bと、垂直面28Aと垂直面28Bとの間に介在する凸曲面29とがそれぞれ形成されている。これらの垂直面28A,28Bおよび凸曲面29は、後述する解錠符号列の記憶機構6を構成する。
外筒23の外周には、後述する往復動機構7を構成する外筒リング70が回動可能に嵌合されるとともに、後述する回動機構8を構成する第1の傘歯車80が嵌着されている。
(2)作動軸3の構成
作動軸3は、アクチュエータ2と直交する方向に水平に設けられている。作動軸3の先端部30は仕切板16に開設された軸受孔に、基端部は軸受17に、それぞれ往復動可能かつ正逆回動可能に支持されている。作動軸3の基端部にはフランジ部31が設けられている。このフランジ部31と軸受17との間には圧縮バネ33が配備され、そのバネ圧によって作動軸3を常時、アクチュエータ2の方向へ付勢している。この圧縮バネ33は、後述する往復動機構7を構成する。
作動軸3の先端部30には、後述する回動機構8を構成する第2の傘歯車81が摺動自由に支持されている。作動軸3の先端部30の先端面は曲面になっており、この先端部30が第2の傘歯車81よりアクチュエータ2の側へ突出したり引っ込んだりする。作動軸3の軸周面には、一定間隔毎に4個の凸子32aがそれぞれ同じ角度位置に一体突設されている。なお、この実施例では、他の同じ角度位置にも4個の凸子32bを一体突設しているが、凸子列は必ずしも2列である必要はなく、1列であってもよい。これらの凸子32a,32bは後述するロック機構9およびダイヤル強制駆動機構100を構成する。
(3)往復動機構7の構成
往復動機構7は、施錠および解錠の各操作に基づくアクチュエータ2の筒状体21の回動に応動して作動軸3を所定のタイミングで所定の変位量だけ往復移行させるためのものであり、筒状体21の外筒23の外周面に形成された第1,第2の各凹部25,26と、外筒23の外周に嵌合される外筒リング70(図14参照)に120度毎に設けられた開口部71と、外筒23の上端面に設けられ外筒リング70の上端面に120度毎に形成された切溝75と係脱可能な爪板74(図4参照)と、作動軸3をアクチュエータ2の方向へ付勢する前記の圧縮バネ33とを含んでいる。
外筒23の各凹部25,26の両側壁と外筒リング70の開口部71の一方の側壁72は、詳細は後述するが、作動軸3の先端部30が脱出し易いように傾斜させている。
図5および図6に示す「開状態」のときは、外筒23の第1の凹部25と外筒リング70のいずれかの開口部71とが重なって作動軸3の先端部30に対向位置している。作動軸3は圧縮バネ33のバネ力により押され、先端部30が外筒リング70の開口部71より外筒23の第1の凹部25へ嵌入している。この嵌入状態のとき、作動軸3はアクチュエータ2の側へ最も変位している。以下、この位置を「第1変位位置」という。
図7および図8は、アクチュエータ2が「開状態」から「閉状態」へ移行するときの状態を示している。この状態では、外筒23と外筒リング70とは前記爪板74による係合が外れているため一体回動せず、外筒23のみが回動する結果、作動軸3の先端部30は第1の凹部25より脱出して外筒23の外周面23Aに乗り上がっている。この乗り上がった状態のとき、作動軸3は圧縮バネ33のバネ力に抗して押され、アクチュエータ2に対して反対方向へ変位している。以下、この位置を「第2変位位置」という。
図9および図10に示す「閉状態」のときは、外筒23の第2の凹部26と外筒リング70の開口部71とが重なって作動軸3の先端に対向位置している。作動軸3は圧縮バネ33のバネ力により押され、先端部30が外筒23の外周面23Aから第2の凹部26へ入り込み、アクチュエータ2の側へ最も変位した「第1変位位置」で定位している。
図11および図12は、「閉状態」から「開状態」へ移行するときの状態を示している。この状態では、外筒23と外筒リング70とは爪板74により係合して一体回動する。その結果、作動軸3の先端部30は外筒23の第2の凹部26および外筒リング70の開口部71を脱出して外筒リング70の外周面70Aに乗り上がる。この乗り上った状態のとき、作動軸3は圧縮バネ33のバネ力に抗して押され、アクチュエータ2と反対方向へ最も変位している。以下、この位置を「第3変位位置」という。
「閉状態」から「開状態」へ約120度回動したときの状態、すなわち、「開状態」では、作動軸3は圧縮バネ33のバネ力を受けてその先端部30が外筒23の第1の凹部25へ嵌入している。この嵌入状態のとき、作動軸3はアクチュエータ2の側へ最も変位した「第1変位位置」になっている。
(4)回動機構8の構成
回動機構8は、筒状体21の外筒23の外周に装着された第1の傘歯車80と、作動軸3の先端部30に支持された第2の傘歯車81とで構成されている。第1,第2の各傘歯車80,81が互いに噛み合うことにより筒状体21の回動が作動軸3へ伝達され、作動軸3が回動する。作動軸3は上記した「開状態」から「閉状態」へ、また「閉状態」から「開状態」へ、それぞれ移行する間に1回転するように各傘歯車80,81の歯のピッチなどが決められている。
第1の傘歯車80は、図3および図15に示すように、その下面に所定の角度βにわたって切り欠かれた切欠溝82が形成されている。筒状体21の外筒23の外周には、図3および図13(1)に示すように、前記の角度βより小さな角度αにわたる係合突起83が形成されている。この係合突起83に切欠溝82が係合するようにして外筒23の外周に第1の傘歯車80が装着されている。切欠溝82と係合突起83とは、筒状体21が所定の角度(β―α)(この実施例では、約30度)回動した時点で第1の傘歯車80が筒状体21と一体回動を開始するもので、これにより第2の傘歯車81の回動を開始させる作動遅延機構を構成している。
施錠および解錠の各操作に際して、筒状体21が回動するとき、回動当初は係合突起83が切欠溝82内を空転する結果、第1の傘歯車80は一体回動しない。筒状体21が所定の角度(β―α)だけ空転して係合突起83が係合溝82の端に達した後、第1の傘歯車80は一体回動を開始する。この作動遅延機構は、まず、作動軸3を回動させずに軸方向に移動させ、引き続き、作動軸3を軸方向へ移動させかつ回動動作させるためのもので、後述するロック機構9やダイヤル強制駆動機構100の動作と関わっている。
(5)ダイヤル4とロックギヤ5の構成
4個の各ダイヤル4は、作動軸3上の決められた等間隔位置にそれぞれロックギヤ5を介して回動可能に支持されている。各ダイヤル4は、図16〜図18に示すように、ダイヤル本体40の外周面の等角度位置毎に「0」〜「9」の符号43が表され、ダイヤル操作面42が構成されている。また、ダイヤル本体40の一方の側面には、後述するダイヤル間欠送り機構90を構成するボス状部44が一体に設けられている。
各ダイヤル本体40の他方の側面には、後述する各ダイヤル駆動板101が各ダイヤル4に向かって近づいたときに、ダイヤル駆動板101に設けられた係合突片104が突き当たる摺動面106が1周にわたって形成されるとともに、摺動面106の所定の角度位置に係合突片104と係脱が可能な係合凹部105が形成されている。この係合凹部105および摺動面106はダイヤル強制駆動機構100を構成するもので、その詳細は後述する。
各ロックギヤ5は、作動軸3上の各ダイヤル4の位置に、回動可能かつ作動軸3に沿って往復動可能に支持されている。各ダイヤル4のダイヤル本体40の内周面には、符号数に一致する数(10個)の嵌合溝46を等角度間隔で一周配置して成る溝列41が形成されている。各ダイヤル本体40の内周面の隣り合う嵌合溝46,46間には係合突子47が位置し、係合突子列48が形成されている。
各ロックギヤ5の前端部の外周面には、図19〜図21に示すように、ダイヤル4の嵌合溝46と嵌合可能な所定数(この実施例では5個)の嵌合突子51が等角度間隔で一周配置されて成る2列の突子列50a,50bが形成されている。各ロックギヤ5の突子列50a,50b間にはダイヤル4の係合突子列48の長さよりやや広い幅の摺動凹溝52が形成されている。
ロックギヤ5がダイヤル4に向けて移動し、ロックギヤ5のいずれかの突子列50a,50bの各嵌合突子51がダイヤル4の嵌合溝46と噛み合ったとき、ダイヤル4とロックギヤ5とが結合して一体回動が可能となる。一方、ロックギヤ5がダイヤル4から離れてロックギヤ5の各嵌合突子51とダイヤル4の嵌合溝46との噛み合いが外れたとき、ダイヤル4はロックギヤ5との係わりが切れて単独で回動可能となる。
(6)解錠符号列の記憶機構6の構成
解錠符号列の記憶機構6は、解錠符号列を自由に設定しかつ記憶させるための機構であって、各ダイヤル4と各ロックギヤ5とを上記した嵌合部分を介していずれかの嵌合角度位置で噛み合わせることにより解錠符号列を記憶させるものである。ロックギヤ5に対するダイヤル4の嵌合角度位置、すなわち、ロックギヤ5の突子列50a,50bとダイヤル本体40の溝列41との噛み合い角度位置は符号数に一致する数だけ存在するので、両者の噛み合い角度位置に応じて解錠符号を10通り記憶させることが可能である。
この実施例での解錠符号列の記憶機構6は、各ダイヤル4のダイヤル本体40の内周面に形成された溝列41と、各ロックギヤ5の外周面に形成された突子列50a,50bと、解錠符号列の設定操作が可能な状態、すなわち、ロックギヤ5とダイヤル4との係わりが切れた状態と、ロックギヤ5とダイヤル4とが係わった状態(解錠符号列が記憶された状態)とを形成するための変位機構60とで構成されている。
(7)変位機構60の構成
変位機構60は、施錠および解錠の各操作に応動する筒状体21に全てのロックギヤ5と後述する全てのダイヤル駆動板101とを連動させて一斉に往復変位させることにより各ダイヤル4に近づけたり遠ざけたりする機構であり、外筒23の下部外周面の所定角度位置に形成された凸曲面29と(図13(2)参照)、外筒23の回動時に作動軸3に沿う方向へ往復動する可動体61(図3および図22参照)と、アクチュエータ2に最も近いダイヤル駆動板101と仕切板16との間に設けられた復帰バネ67(図3および図5〜図12参照)とで構成されている。各ロックギヤ5は隣り合う各ダイヤル駆動板101と当接するよう配備されている。復帰バネ67は、連なったロックギヤ5およびダイヤル駆動板101の列をアクチュエータ2と反対方向へ付勢する。なお、この変位機構60は4個のダイヤル駆動板101とともに後述するダイヤル強制駆動機構100を構成する。
図22に示す可動体61は、箱状ケース10の底面上に垂直かつ互いに平行に配備される駆動板62およびストッパー63と、駆動板62とストッパー63とを所定の間隔をあけた状態で一体化する2本の連結棒64a,64bとから成るもので、ストッパー63によりロックギヤ5およびダイヤル駆動板101の列の移行を規制する位置が設定される。ストッパー63の頂部には凹状に切り欠かれた凹溝65が形成され、この凹溝65を作動軸3の基端部が貫通する。駆動板62の内側面には、その中央に突起部66が一体形成されている。
可動体61の一方の連結棒64aの外周面には各ダイヤル4に対応してカム面91がそれぞれ形成されている。各カム面91はダイヤル間欠送り機構90を構成するもので、その詳細は後述する。
この可動体61は、図5および図6に示す「開状態」のとき、駆動板62の外側面が外筒23の下部外周面の垂直面28Aに当接し、ストッパー63の内側面がアクチュエータ2に最も遠いロックギヤ(以下、「終端のロックギヤ」という。)5に当接した状態にある。可動体61の駆動板62と箱状ケース10の底面上の所定位置に立設された立壁68との間には、駆動板62(可動体61)をアクチュエータ2の側へ押す圧縮バネ69が設けられている。この圧縮バネ69は、駆動板62の突起部66に嵌められて固定されている。
この「開状態」では、可動体61のストッパー63により終端のロックギヤ5がアクチュエータ2に向けて押され、これと連なった他のロックギヤ5が各ダイヤル駆動板101とともにアクチュエータ2の側へ変位している。このとき、各ダイヤル4の溝列41は各ロックギヤ5のいずれの突子列50a,50bとも噛み合っておらず、各ダイヤル4と各ロックギヤ5との係わりは切れているので、各ダイヤル4は単独で回動することが可能な状態であり、任意の解錠符号を設定できる。
この「開状態」では、各ダイヤル駆動板101は、対応する各ダイヤル4から離れて位置している。また、可動体61の連結棒64aの各カム面91は各ダイヤル4に対応する位置にあり、後述するダイヤル間欠送り機構90の係合部材92に押圧力を作用させている。
図7および図8に示す「開状態」から「閉状態」の移行時では、外筒23の回動に伴い、駆動板62が外筒23の凸曲面29へ乗り上がる。これにより、可動体61の駆動板62はアクチュエータ2と反対方向へ押され、その後、一定量だけ変位した状態で凸曲面29上を摺動する。可動体61がアクチュエータ2と反対方向へ変位すると、ストッパー63によって拘束されていたロックギヤ5およびダイヤル駆動板101の列が復帰バネ67のバネ力により押されて変位する。このとき作動軸3は「第2変位位置」にあり、作動軸3のフランジ部31が終端のロックギヤ5の後端面に形成されたリング溝55(図21に示す)に係合するため、ロックギヤ5およびダイヤル駆動板101の列はそれ以上の変位が規制される。この状態では、各ダイヤル4の溝列41と各ロックギヤ5の一方の突子列50bとが噛み合って係わり合うもので、設定された解錠符号列が記憶される。
この状態では、各ダイヤル駆動板101は、対応する各ダイヤル4に近づいて位置している。また、可動体61の連結棒64aの各カム面91は各ダイヤル4に対応する位置から位置ずれすることで、後述するダイヤル間欠送り機構90の係合部材92への押圧力を解除している。
図9および図10の「閉状態」では、作動軸3は「第1変位位置」にあり、ロックギヤ5およびダイヤル駆動板101の列は、終端のロックギヤ5が作動軸3のフランジ部31によりアクチュエータ2に向けて押されることにより、アクチュエータ2の側に変位した状態にある。この状態では、各ロックギヤ5は変位しても、その変位量はわずかであるため、ダイヤル4との噛み合いが維持され、解錠符号の記憶が保持されている。従って、各ダイヤル4と各ロックギヤ5とは一体回動が可能な状態にあり、解錠のためのダイヤル操作により解錠符号を整列させることができる。このとき、可動体61は、駆動板62が圧縮バネ69のバネ力により押されることにより、アクチュエータ2の側へ変位しており、駆動板62は外筒23の垂直面28Bと当接している。
この「閉状態」では、各ダイヤル駆動板101は、対応する各ダイヤル4から遠ざかって位置している。また、可動体61の連結棒64aの各カム面91は各ダイヤル4に対応する位置にあり、後述するダイヤル間欠送り機構90の係合部材92に押圧力を作用させている。
図11および図12に示す「閉状態」から「開状態」への移行時では、作動軸3がアクチュエータ2と反対方向に変位する「第3変位位置」にあり、作動軸3のフランジ部31に可動体61のストッパー63が押されることにより、可動体61はアクチュエータ2と反対方向に変位している。作動軸3のフランジ部31がロックギヤ5およびダイヤル駆動板101の列から離れるため、復帰バネ67のバネ力によりロックギヤ5およびダイヤル駆動板101の列はアクチュエータ2と反対方向へ変位する。
この状態では、各ダイヤル4の係合突子列48が各ロックギヤ5の摺動凹溝52に位置し、各ダイヤル4の溝列41は各ロックギヤ5のいずれの突子列50a,50bとも噛み合っておらず、各ダイヤル4と各ロックギヤ5との係わりは切れているので、各ダイヤル4は単独で回動が可能な状態となる。
この状態では、各ダイヤル駆動板101は、対応する各ダイヤル4に近づいて位置している。また、可動体61の連結棒64aの各カム面91は各ダイヤル4に対応する位置から位置ずれすることで、後述するダイヤル間欠送り機構90の係合部材92への押圧力を解除している。
(8)ロック機構9の構成
ロック機構9は、前面プレーと11の各窓孔13に現れる各ダイヤル4の符号43がすべて解錠符号であるとき(解錠符号列が生成されたとき)、作動軸3の移動を許容して施錠および解錠の各操作に伴う筒状体21の回動を許容する。一方、各窓孔13に現れる各ダイヤル4の符号43のいずれかが解錠符号でないとき(解錠符号列が崩れているとき)、作動軸3の移動を規制して筒状体21の回動を規制するものである。この実施例のロック機構9は、作動軸3の軸周面に突設された1列につき4個の2列の凸子32a,32bの列と、各ロックギヤ5の内周面の長さ方向に設けられ各凸子32a,32bが摺動して出入りする2個の凸子摺動溝53a,53b(図19参照)とで構成されている。
各凸子摺動溝53a,53bと各凸子32a,32bの列とが同じ角度位置にあるとき、各凸子摺動溝53a,53bへ各凸子32a,32bが進入できるので、作動軸3の移動が許容され、その結果、筒状体21の回動が許容される。なお、図19において、54は凸子係合穴であり、いずれかの凸子32a,32bが凸子係合穴54と係合する角度位置にあるとき、作動軸3の移動が規制され、その結果、筒状体21の回動が規制される。
図5および図6に示す「開状態」のときは、作動軸3は「第1変位位置」にあり、作動軸3の各凸子32a,32bは各ロックギヤ5の凸子摺動溝53a,53b内に係入しているので、筒状体21の回動規制は解除されている。
図7および図8に示す「開状態」から「閉状態」への移行時には、作動軸3の各凸子32a,32bは各ロックギヤ5の凸子係合溝53a,53bより脱出し、各ロックギヤ5は作動軸3に対し独立して回動が可能な状態にある。このとき、各ロックギヤ5は各ダイヤル4と係わり合った状態にあり、各ロックギヤ5と各ダイヤル4とは一体回動する。
図9および図10に示す「閉状態」のときも、作動軸3の各凸子32a,32bは各ロックギヤ5の凸子係合溝53a,53bから脱出した状態が維持されており、各ロックギヤ5は作動軸3に対して独立して回動可能な状態にある。この状態において、もし、作動軸3の凸子32a,32bと各ロックギヤ5の凸子摺動溝53a,53bとの位置がずれていれば、凸子32a,32bはロックギヤ5のいずれかの凸子係合穴54と対向するため、作動軸3がアクチュエータ2と反対の方向へ移行するのが阻止される。一方、作動軸3の凸子32a,32bと各ロックギヤ5の凸子摺動溝53a,53bとの位置が一致すれば、作動軸3がアクチュエータ2と反対の方向へ移行するのが許容される。
図11および図12の「閉状態」から「開状態」への移行時には、作動軸3の各凸子32a,32bは各ロックギヤ5の凸子摺動溝53a,53b内に係入し、各ロックギヤ5は作動軸3と一体回動可能な状態にある。このとき、各ダイヤル4は各ロックギヤ5との係わりが切れた状態にあり、各ダイヤル4は単独で回動する。
(9)ダイヤル強制駆動機構100の構成
ダイヤル強制駆動機構100は、解錠符号列を整列状態に設定した後、「開状態」から「閉状態」へ移行させるとき、整列した状態の解錠符号列を崩して各ダイヤル4を決められた角度位置まで回動させるものである。さらに、解錠符号列を整列させた後、「閉状態」から「開状態」へ移行させるときに、同様に、整列した状態の解錠符号列を崩して各ダイヤル4を決められた角度位置まで回動させるものである。この実施例では、いずれの場合も、前面プレーと11の各窓孔15にそれぞれ「0」が出現する角度位置に各ダイヤル4を強制回動させることにより、「0」が4個並んだ初期符号列の整列させるが、これに限らず、他の決められた符号が各窓孔15に出現するように構成することもできる。
この実施例のダイヤル強制駆動機構100は、作動軸3上に各ダイヤル4に対応させて作動軸3と一体回動可能に設けられる4個のダイヤル駆動板101と、各ダイヤル駆動板101を対応するダイヤル4に対して往復変位させる前記の変位機構60とで構成されている。変位機構60は、各ダイヤル駆動板101をアクチュエータ2の側へ変位させて対応するダイヤル4から遠ざけたり、アクチュエータ2と反対方向へ変位させて対応するダイヤル4に近づけたりする。
各ダイヤル駆動板101と各ダイヤル駆動板101にそれぞれ対応するダイヤル4との間には、施錠および解錠の各操作時に各ダイヤル4を解錠符号列が整列した状態から初期符号列が整列した状態へ強制的に移行させるために、ダイヤル駆動板101が対応するダイヤル4に向けて変位した(近づいた)状態で作動軸3と一体回動する間にダイヤル4と係合する係合部分がそれぞれ設けられている。この実施例の係合部分は、ダイヤル駆動板101に設けられた係合突片104と、ダイヤル4の前記係合突片104と対向する側の側面に一周形成された摺動面106(図18参照)に前記係合突片104と係脱可能に凹設された係合凹部105とで構成されている。
係合突片104は、図23〜図27に示すように、基端部がダイヤル駆動板101に固定された板ばね103の先端部に、対応するダイヤル4に向けて突出するように設けられている。板ばね103は円板状であり、基端部はその中央に円形の開口部103aを有するリング状部103bとなっている。板ばね103の先端部は外周方向へ突出し、その突出部分の先端をダイヤル4の側に鉤状に折り曲げることで前記係合突片104が形成されている。
各係合突片104は、施錠および解錠の各操作時にダイヤル駆動板101が往復変位機構60によって対応するダイヤル4に向けて変位したとき、各ダイヤル4の摺動面106に突き当たった後、摺動面106により後方へ押されて板ばね103が弾性変形するように、「開状態」および「閉状態」における係合突片104の突出した端部と摺動面106との対向距離が、ダイヤル駆動板101の変位量よりも小さくなるように設定されている。これにより、係合突片104とダイヤル4の係合凹部105との位置が一致していない間は、板ばね103は弾性変形した状態が維持され(図8および図12参照)、係合突片104とダイヤル4の係合凹部105との位置が一致すると、係合突片104が摺動面106による押圧力から解放され、板ばね103が復元力により元の状態に復帰することにより、係合突片104が係合凹部105に係入する。
図23〜図27に示した各ダイヤル駆動板101は、板ばね103の基端部のリング状部103bを両面から挟んで板ばね103を保持する固定板107および支持板108とを含んでいる。固定板107は、円盤形状の本体部109を有し、本体部109の一側面には、板ばね103の開口部103aに挿入されるボス部110が一体形成されている。固定板107の本体部109およびボス部110には、中央に作動軸3を通す円形の貫通孔111が開設され、内周面に作動軸3と一体回動が可能なように作動軸3の各凸子32a,32bと係合する係合溝102a,102bが形成されている。ボス部110は、図24に示すように、板ばね103の開口部103aの形状に沿う外形を有する上半部110aと、外形が半円状の下半部110bとから成り、上半部110aと下半部110bとの境目は段部110cになっている。固定板107の本体部109には、左右一対の係合孔112,112が形成されている。
前記支持板108は、半円筒状であり、内周面が固定板107の下半部110bの外周面に沿う形態となっている。支持板108の内周面には作動軸3の凸子32bと係合する係合溝102bが形成されている。支持板108の両端部108a,108bの一方の側面には、固定板107の各係合孔112にそれぞれ嵌合される連結部113,113が形成されている。板ばね103の開口部103aに固定板107のボス部110を挿入し、板ばね103のリング状部103bを固定板107の本体部109の一側面の外周部に当接させた状態で、支持板108の各連結部113を固定板107の各係合孔112に係入することで、板ばね103はリング状部103bが固定板107と支持板108とで狭持される。
支持板108の両端部108a,108bの上端面は、板ばね103のほぼ長さ中央部に位置している。これにより、ダイヤル駆動板101が対応するダイヤル4に近づいて係合突片104がダイヤル4の摺動面106に突き当たったとき、板ばね103は前記長さ中央部で曲がって後方に弾性変形する。
作動軸3は、上記した「開状態」と「閉状態」との間、「閉状態」と「開状態」との間を移行する間にちょうど1回転するので、作動軸3の凸子32a,32bは「開状態」および「閉状態」のとき同じ角度位置にあり、各ダイヤル駆動板101の係合突片104も「開状態」および「閉状態」のとき同じ角度位置にある。この実施例では、「開状態」および「閉状態」のとき、ダイヤル駆動板101の係合突片104が最上位置、すなわち、前面プレート11の側に位置するようダイヤル駆動板101の作動軸3への取付角度位置が設定してある。一方、ダイヤル4が窓孔15に符号の「0」が出現する角度位置にあるとき、係合凹部105が最上位置に位置するように係合凹部105の各ダイヤル4への設置位置が設定してある。従って「開状態」および「閉状態」のときに、ダイヤル4の係合凹部105にダイヤル駆動板101の係合突片104が係合していると、窓孔15に出現するダイヤル4の符号は「0」である。
(10)ダイヤル間欠送り機構90の構成
ダイヤル間欠送り機構90は、ダイヤル4毎に設けられ、ダイヤル4の回動操作によりダイヤル4を所定の角度づつ間欠送りして前面プレート11の窓孔15に「0」〜「9」の各符号を順次出現させて定位させる。図示例のダイヤル間欠送り機構90は、図28〜図30に示すように、噛合部94と係合部材95と係合部材の位置決め機構93とを備えている。
噛合部94は、各ダイヤル4の一側面にそれぞれ一体に設けられたボス状部44の外周面の先端側に符号数と一致する個数(10個)の谷部45aと同数の山部45bとが交互に形成されたものである。各谷部45aは正面から見た形状が逆三角形状、各山部45bは三角形状であり、10個の谷部45aのうちのひとつは他の谷部よりやや深い形状になっている。
係合部材95は、全体がU字形状であり、左右一対の板バネ製のアーム96L,96Rの先端に係合突部97L,97Rがそれぞれ内向きに一体形成されて成る。各アーム96L,96Rは、中心線cに対して左右非対称であり、弾性変形していない状態(復元状態)では、一方のアーム96Rは他方のアーム96Lより外側へ開いている。各係合突部97L,97Rは正面から見た形状が三角形状をなし、ダイヤル4の回転に伴って噛合部94の各谷部45aと押圧状態で順次噛み合うことが可能となっている。一方のアーム96Rの基端部には後述する位置決め機構93と協働してアーム96Rを内方向へ弾性変形させるための突起部98が外向きに一体形成されている。各アーム96L,96Rは基端が一体結合され、箱状ケース10の底部に取付け固定するための取付部99が形成されている。
係合部材の位置決め機構93は、アクチュエータ2が回動しないとき、すなわち、ダイヤル操作される開状態および施錠状態のときは、両方の係合突部97L,97Rを噛合部94の対角位置であって谷部45aと押圧状態で噛み合う位置に位置させ(図29参照)、アクチュエータ2が回動するとき、すなわち、施錠および解錠の各操作が行われるときは、一方の係合突部96Rを噛合部94の谷部45aと噛み合わない位置まで退避させるものである(図30参照)。
この実施例の位置決め機構120は、前記した可動体61の一方の連結棒64aの外周面に形成されたダイヤル4毎の4個のカム面91により構成されている。各カム面91は一定の厚みだけ外周面に突き出た水平カム面92aと連結棒64aの外周面と水平カム面92aとの間に設けられた傾斜カム面92bによって構成されている。
可動体61は、図5,6に示す「開状態」のときと図9,10に示す「開状態」のときはアクチュエータの側へ変位しており、このとき、一方のアーム96Rの突起部98が水平カム面92aに乗り上がって押圧されているので、アーム96Rが内方へ弾性変形して係合突部97Rが谷部45aと押圧状態で噛み合う位置に位置し、対角位置にある両方の係合突部97L,97Rが噛合部94と噛み合う(図29参照)。
一方、可動体61は、図7,8に示す「開状態」から「閉状態」への移行時および図11,12に示す「開状態」から「閉状態」への移行時はアクチュエータ2と反対方向へ変位するので、前記突起部98は水平カム面92a上から傾斜カム面92bを経て連結棒64aの外周面上へ移行するので、アーム96Rが弾性復元力により外方へ復帰動作して係合突部97Rが谷部45aと噛み合わない位置まで退避し、一方の係合突部97Lのみが噛合部94と噛み合った状態となる(図30参照)。移行終了時には、可動体61はアクチュエータ2の側へ復帰し、突起部98は連結棒64aの外周面上から傾斜カム面92bを経て水平カム面92a上に乗り上がって押圧されるので、アーム96Rは内方へ弾性変形する。
なお、係合部材95は、上記の実施例のように、必ずしも2個の係合突部97L,97Rを有するものである必要はなく、1個の係合突部を有するものであってもよい、この場合、1個の係合突部を噛合部94の谷部45aと押圧状態で噛み合う位置に位置させたり噛み合わない位置まで退避させたりすることはいうまでもない。
また、係合部材95は、2個の係合突部97L,97Rの両方を噛合部94の谷部45aと押圧状態で噛み合う位置に位置させたり噛み合わない位置まで退避させたりすることもできる。
各ダイヤル4の前記ボス状部44の外周面の基端側には摺動面121が周設されるとともに、前記噛合部94の谷部45aのうちの最も深い谷部45aと同じ角度位置にはその深い谷部45aと同形状の谷部122が形成されている。前記ダイヤル間欠送り機構90の係合部材95に重なるように第2の係合部材123が併設されている。この第2の係合部材123は、板バネ製のアーム124の先端にダイヤル4の回転に伴って摺動面121を押圧状態で滑りかつ谷部122に噛み合うことが可能な係合突部125が内向きに一体形成されて成るもので、アーム124の基端部には箱状ケース10の底部に取付け固定される取付部126が形成されている。
図33(1)に示すように、係合突部125が谷部122に押圧状態で噛み合うとき、そのダイヤル4の前面プレート11の窓孔15には「0」が出現して定位している。前面プレート11の窓孔15に「0」以外の数字が出現しているときは、図33(2)に示すように、係合突部125は摺動面121に乗り上がって摺動している。窓孔15に「0」が出現しているときはそれ以外の数字が出現しているときより、係合突部125と谷部122との係合によりダイヤル4は強く拘束されている。この第2の係合部材123と谷部122とでダイヤル4をゼロ位置でしっかりと定位させるゼロ定位機構120が構成されている。
次に、上記した構成の符号錠装置について施錠操作時および解錠操作時の一連の動作を詳細に説明する。
いま、符号錠装置が図5および図6に示された「開状態」にあるとき、作動軸3は、先端部30が外筒23の第1の凹部25に嵌まってアクチュエータ2の側へ最も変位した状態にある(第1変位位置)。
この「開状態」では、各ダイヤル4は各ロックギヤ5との係わりが切れた状態、すなわち、各ダイヤル4の溝列41が各ロックギヤ5のいずれの突子列50a,50bとも噛み合っていない状態にある。また、各ダイヤル駆動板101は各ダイヤル4から遠ざかった位置にあり、各ダイヤル4と係わり合っていないので、各ダイヤル4を回して解錠符号列を自在に設定することが可能である。
各ダイヤル駆動板101の板ばね103の係合突片104は、図31(1)に示すように、最上位置、すなわち、前面プレート11の側にあり、各ダイヤル4の係合凹部105も前面プレート11の側にある。
この「開状態」のときは、作動軸3の各凸子32a,32bは各ロックギヤ5の凸子摺動溝53a,53b内に係入しているので、筒状体21の回動規制は解除されており、符号錠装置は施錠操作が可能な状態にある。
各ダイヤル4のダイヤル操作面42を回動操作して、任意の解錠符号列(例えば、「2222」)を設定すると、図31(2)に示すように、各ダイヤル4の係合凹部105は窓孔15に出現する符号に応じた角度位置(この実施例では、前面プレート11に対して72度回転した角度位置)にそれぞれ移動する。
上記の「開状態」において、各ダイヤル4のダイヤル操作面42を回動操作して解錠符号列を設定するとき、ダイヤル間欠送り機構90における係合部材の位置決め機構93は、図32(1)に示すように、可動体61の連結棒64aのカム面91が係合部材95の突起部98を押圧することで、一方のアーム96Rを弾性変形させるので、両方の係合突部97L,97Rが噛合部94の谷部45a,45aと押圧状態で噛み合う位置に位置することになる。これにより、各係合突部97L,97Rはダイヤル4の回転に伴って噛合部94の対角位置にある各谷部45aと押圧状態で順次噛み合い、ダイヤル4は間欠的に送られる。係合突部97L,97Rがいずれかの谷部45aと噛み合った状態のとき、窓孔15にいずれかの符号が出現して定位する。
次に、摘み20を回動操作すると、筒状体21が回動し、作動軸3の先端部30が外筒23の第1の凹部25から外周面23Aに乗り上がり、作動軸3がアクチュエータ2に対して反対方向へ押される結果、作動軸3は「第2変位位置」へ移行する。
この状態では、変位機構60により各ロックギヤ5が各ダイヤル4に向かって変位して各ダイヤル4の溝列41と各ロックギヤ5の一方の突子列50bとが噛み合って係わり合うので、設定された解錠符号列が記憶される。この乗り上がった段階で各ロックギヤ5と各ダイヤル4とは一体回動が可能な状態になる。また、この状態では、各ロックギヤ5は作動軸3と係わりが切れた状態、すなわち、作動軸3の凸子32a,32bが各ロックギヤ5の凸子摺動溝53a,53bより脱出した状態にある。従って、各ダイヤル4および各ロックギヤ5は、作動軸3と独立して回動可能な状態にある。
さらに、各ダイヤル駆動板101は変位機構60の働きにより各ダイヤル4に近づいている。このとき、各ダイヤル駆動板101の係合突片104は対応するダイヤル4の摺動面106に突き当たり、摺動面106によって板ばね103の付勢力に抗して後方へ押圧されることにより、各ダイヤル4と反対方向へ弾性変形した状態にある(図8参照)。
摘み20を回動操作して、筒状体21がさらに回動すると、回動機構8の第1の傘歯車80が筒状体21の外筒23と一体回動して第2の傘歯車81の回動を開始させるので、筒状体21の回動が作動軸3に伝達されて作動軸3が回動する。
作動軸3が回動を始めると、各ダイヤル駆動板101は作動軸3と一体に回動する(図31(3)参照)。その結果、各ダイヤル駆動板101の係合突片104は、当初は対応するダイヤル4の摺動面106上を摺動し、その後、作動軸3とダイヤル駆動板101とが適当な角度(この実施例では、288度)だけ一体回動すると、各ダイヤル駆動板101の係合突片104の位置と、対応するダイヤル4の係合凹部105の位置とが一致し(図31(4)参照)、各係合突片104は板ばね103の復元力により元の状態に復帰して各ダイヤル4の係合凹部105に係合する。それ以後は、ダイヤル4とロックギヤ5とはダイヤル駆動板101と一体に回動するので、各ロックギヤ5の凸子摺動溝53a,53bは作動軸3の凸子32a,32bに対して位置ずれする。
施錠のための摘み操作に応動してアクチュエータ2が回動するとき、ダイヤル間欠送り機構90における係合部材の位置決め機構93は、図32(2)に示すように、可動体61の連結棒64aのカム面91が係合部材95の突起部98を押圧解除することで、一方のアーム96Rを弾性復元力により復帰動作させるので、係合突部97Rは噛合部94の谷部45aと噛み合わない位置まで退避する。施錠のための摘み操作時にダイヤル強制駆動機構100は各ダイヤル4を強制的に回動させることにより解錠符号列を崩すが、このとき、一方の係合突部97Rは噛合部94の谷部45aと押圧状態で順次噛み合わないので、施錠のための摘みの操作に殆ど負荷がかからず、摘み20を小さな力で操作できる。
作動軸3が1回転して各ダイヤル駆動板101の係合突片104が最上位置に至ったとき、各窓孔15には各ダイヤル4の符号「0」が出現し、図9および図10に示された「閉状態」となる。このとき、作動軸3は先端部30が外筒23の第2の凹部26に嵌まり込み、アクチュエータ2の側へ変位した「第1変位位置」になっており、作動軸3の各凸子32a,32bと各ロックギヤ5の凸子摺動溝53a,53bとが位置ずれしているので、作動軸3がアクチュエータ2と反対方向へ移動するのが規制され、施錠状態が形成される。
次に、解錠操作時の動作について説明すると、符号錠装置が上記した「閉状態」にあるとき、作動軸3は、先端部30が外筒23の第2の凹部26に嵌まってアクチュエータ2の側へ最も変位した状態にある(第1変位位置)。この状態では、各ダイヤル4と各ロックギヤ5とは係わり合った状態にあり、しかも各ロックギヤ5は作動軸3と係わりが切れた状態にあるので、各ダイヤル4を回して設定した解錠符号列を揃えることが可能となっている。また、各ダイヤル駆動板101は各ダイヤル4から離れた位置にあり、各ダイヤル4と係わりが切れた状態にある。
いま、各ダイヤル4のダイヤル操作面42を回動操作して、前記の解錠符号列(「2222」)を整列させると、作動軸3の凸子32a,32bの位置と各ロックギヤ5の凸子摺動溝53a,53bの位置とが揃うので、作動軸3がアクチュエータ2と反対方向へ移動するのが許容され、符号錠装置は解錠操作が可能な状態に設定される。また、各ダイヤル4の係合凹部105は窓孔15に出現する符号に応じた角度位置(この実施例では、前面プレート11に対して72度回転した角度位置)にそれぞれ移動する。
上記の「閉状態」において、各ダイヤル4のダイヤル操作面42を回動操作して解錠符号列に揃えるとき、ダイヤル間欠送り機構90における係合部材の位置決め機構93は、図32(3)に示すように、可動体61の連結棒64aのカム面91が係合部材95の突起部98を押圧することで、一方のアーム96Rを弾性変形させるので、両方の係合突部97L,97Rが噛合部94の谷部45a,45aと押圧状態で噛み合う位置に位置することになる。これにより、各係合突部97L,97Rはダイヤル4の回転に伴って噛合部94の対角位置にある各谷部45aと押圧状態で順次噛み合い、ダイヤル4は間欠的に送られる。係合突部97L,97Rがいずれかの谷部45aと噛み合った状態のとき、窓孔15にいずれかの符号が出現して定位する。
摘み20を前記とは逆方向へ回動操作すると、アクチュエータ2の筒状体21が回動し、作動軸3の先端部30が外筒リング70の外周面70Aに乗り上がり、作動軸3がアクチュエータ2と反対方向へ押される結果、作動軸3は「第3変位位置」へ移行する。この状態では、各ダイヤル4の溝列41は各ロックギヤ5のいずれの突子列50a,50bとも噛み合っておらず、各ダイヤル4と各ロックギヤ5との係わりは切れているため、解錠符号列の記憶が解除される。従って、各ダイヤル4は単独で回動可能な状態となる。作動軸3の各凸子32a,32bは各ロックギヤ5の凸子摺動溝53a,53b内に進入した状態を維持している。
さらに、各ダイヤル駆動板101は往復変位機構60の働きにより各ダイヤル4に近づいている。このとき、各ダイヤル駆動板101の係合突片104は対応するダイヤル4の摺動面106に突き当たり、摺動面106によって板ばね103の付勢力に抗して後方へ押圧されることにより、各ダイヤル4と反対方向に弾性変形した状態にある(図12参照)。
筒状体21がさらに回動すると、回動機構8の第1の傘歯車80が外筒23と一体回動して第2の傘歯車81の回動を開始させるので、筒状体21の回動が作動軸3に伝達されて作動軸3が回動する。
作動軸3が回動すると、各ダイヤル駆動板101は作動軸3と一体回動し、各ダイヤル駆動板101の係合突片104は、対応するダイヤル4について、摺動面106上を摺動する。係合凹部105の位置へ係合突片104がくると、弾性変形した板ばね103の復元力により、係合突片104が解錠符号に応じた設定角度位置でダイヤル4の係合凹部105と係合し、それ以後はダイヤル4のみを強制回動させる。
解錠のための摘み操作に応動してアクチュエータ2が回動するとき、ダイヤル間欠送り機構90における係合部材の位置決め機構93は、図32(2)に示すように、可動体61の連結棒64aのカム面91が係合部材95の突起部98を押圧解除することで、一方のアーム96Rを弾性復元力により復帰動作させるので、係合突部97Rは噛合部94の谷部45aと噛み合わない位置まで退避する。解錠のための摘み操作時にダイヤル強制駆動機構100は各ダイヤル4を強制的に回動させることにより解錠符号列を崩すが、このとき、一方の係合突部97Rは噛合部94の谷部45aと押圧状態で順次噛み合っていないので、解錠のための摘みの操作に殆ど負荷がかからず、摘み20を小さな力で操作できる。
作動軸3が1回転してダイヤル駆動板101の係合突片104が最上位置に至ったとき、各窓孔13には各ダイヤル4の符号「0」が出現し、図5および図6に示された「開状態」となる。このとき、作動軸3は先端部30が外筒23の第1の凹部25に嵌り込み、アクチュエータ2の側へ変位して「第1変位位置」になっている。
2 アクチュエータ
4 ダイヤル
6 解錠符号列の記憶機構
9 ロック機構
20 摘み
45a 谷部
45b 山部
90 ダイヤル間欠送り機構
93 位置決め機構
94 噛合部
95 係合部材
96L,96R アーム
97L,97R 係合突部
100 ダイヤル強制駆動機構

Claims (3)

  1. 複数個のダイヤルと、各ダイヤルの回動操作によりダイヤルの周面に表された複数の符号を順次出現させる符号表示部と、解錠および施錠のための摘み操作に応動して正逆各方向へ回動するアクチュエータと、解錠のための摘み操作を許容する各ダイヤルの符号の並びを解錠符号列として記憶する記憶機構と、符号表示部に出現した各ダイヤルの符号の並びが解錠符号列と一致しないとき解錠のための摘み操作を規制するロック機構と、解錠および施錠のための摘み操作時に各ダイヤルを強制的に回動させることにより符号表示部に出現している各ダイヤルの符号の並びを解錠符号列と一致しない符号の並びへ移行させるダイヤル強制駆動機構と、各ダイヤルの回動操作によりダイヤルを間欠送りして各符号を符号表示部に順次出現させるダイヤル間欠送り機構とを備えた符号錠装置において、
    前記ダイヤル間欠送り機構は、各ダイヤルにそれぞれ一体に設けられ外周面に符号数と一致する個数の谷部と山部とが交互に形成された噛合部と、ダイヤルの回転に伴って噛合部の各谷部に押圧状態で順次噛み合わせるための係合部材と、アクチュエータの非回動時は噛合部の谷部と押圧状態で噛み合う位置に係合部材を位置させアクチュエータの回動時は噛合部の谷部と噛み合わない位置まで係合部材を退避させる係合部材の位置決め機構とを備えて成る符号錠装置。
  2. 前記係合部材は、一対の板バネ製のアームの先端に係合突部が設けられて成り、前記位置決め機構は、アクチュエータの非回動時は両方の係合突部が噛合部の対角位置で噛合部の谷部と押圧状態で噛み合う位置に各係合突部を位置させ、アクチュエータの回動時は一方の係合突部を噛合部の谷部と噛み合わない位置まで退避させる請求項1に記載された符号錠装置。
  3. 前記係合部材は、一対の板バネ製のアームの先端に係合突部が設けられて成り、前記位置決め機構は、アクチュエータの非回動時は両方の係合突部が噛合部の対角位置で噛合部の谷部と押圧状態で噛み合う位置に各係合突部を位置させ、アクチュエータの回動時は両方の係合突部を噛合部の谷部と噛み合わない位置まで退避させる請求項1に記載された符号錠装置。
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