JP4481317B2 - 符号錠装置 - Google Patents
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Description
ここで、「解錠符号列」とは、符号錠装置を解錠にするための各ダイヤルの符号の並びをいう。例えば、4個のダイヤルをもつ符号錠装置であってダイヤルの符号が「0」〜「9」の数字で構成されている場合、解錠符号列は4桁の数字になる。なお、以下の説明において、解錠符号列を構成する各ダイヤルの符号を、単に解錠符号という。
解錠に際しては、ダイヤル操作により設定した解錠符号列を整列させた後、撮みや鍵を掴んで前記と反対方向へ回動操作する。これにより掛止片が扉側の受け金具より外れ、ロッカーなどの扉の開放が可能となる。
解錠符号列を揃えた後、解錠操作を行うと、アクチュエータの筒状体が応動して回動し、これに連動して作動軸が復動方向に変位して、各ロックギヤと各ダイヤルとの噛み合いが外れた状態となり、解錠符号列の記憶が解除される。
この実施態様によると、作動軸の一端部が筒状体の凹凸カム面の凹面に嵌入するとき、作動軸がばね部材の付勢力により復動方向へ変位することで各ロックギヤと各ダイヤルとの係合が解かれる状態が形成される。一方、作動軸の一端部が筒状体の凹凸カム面の凸面に乗り上がるとき、作動軸がばね部材の付勢力に抗して前記とは逆の往動方向に変位することで各ロックギヤが各ダイヤルに係合した状態が形成される。
前記開口部13の位置には撮み20による施錠および解錠の各操作に応動するアクチュエータ2が、4個の窓孔14の位置には解錠符号列を整列させるためのダイヤル機構が、それぞれ組み込まれている。撮み20は開口部13より前面プレート11上へ突出している。各窓孔14には、前面プレート11上に4個のダイヤル4のダイヤル操作面42が突出している。ダイヤル操作面42には「0」〜「9」の10個の符号43が表されている。
また、図3〜図10は、解錠符号列を自由に設定することができる「自由符号タイプ」における構成を、図11〜図16は解錠符号列が固定的に設定される「固定符号タイプ」の構成を、それぞれ示している。
アクチュエータ2は、解錠操作および施錠操作に応動するもので、支持板15で区画された一方の空間A内に筒状体21が回動可能に支持されて成る。筒状体21の上端には前記撮み20が取り付けられ、この撮み20を撮んで正逆いずれかの方向へ回動操作すると、筒状体21が一体に回動する。
この実施例によると、解錠符号列が忘れられたときなどに、内筒21a内へマスター鍵を挿入すると、内筒21aと外筒21bとの係わりが切れて、内筒21aのみを回動操作することができ、これにより解錠操作が可能となる。
なお、このような構成のシリンダー錠はすでに公知であって、ここでは錠機構についての詳細な説明は省略する。
筒状体21を構成する外筒21bの外周面には、筒状体21が「開状態」の角度位置にあるときに作動軸3の方向を向く凹面23と、筒状体21が「開状態」または「閉状態」の角度位置にあるときに後述するロックプレート90の規制片92の方向を向く2つの係合部25,26とが設けてある。凹面23は、作動軸3の先端に取り付けられた後述する前部ブッシュ30が一体で嵌まる大きさに形成されており、外筒21bの外周面を凸面24とする凹凸カム面を構成する。この凹凸カム面は後述する往復動機構7を、前記の係合部25,26は後述するロック機構9を、それぞれ構成する。
作動軸3は、アクチュエータ2と直交する方向に水平に設けられ、作動軸3の先端部には前部ブッシュ30が嵌められている。前部ブッシュ30は支持板15に開設された軸受孔(図示せず)に支持され、作動軸3の基端部は軸受16に支持されている。作動軸3はアクチュエータ2と直交する水平方向に往復動可能である。
作動軸3の軸周面には、一定間隔毎に5枚のリング状の仕切板31〜35がそれぞれ一体に装着されるとともに、隣り合う仕切板間に合成樹脂製の中間ブッシュ54が嵌められている。作動軸3の基端部寄りの仕切板35と軸受16との間には圧縮バネ36が配備され、そのバネ圧によって作動軸3を常時、アクチュエータ2の方向へ付勢している。前記圧縮バネ36は、後述する往復動機構7を構成している。
なお、図中、39は切換機構8を構成する押圧部材87により押圧を受ける当たり面であり、詳細は後述するが、押圧部材87が当たり面39を押して前部ブッシュ30をアクチュエータ2に対して反対方向へ強制移動させる。
4個の各ダイヤル4は、作動軸3上の決められた等間隔位置にそれぞれロックギヤ5を介して回動可能に支持されている。各ダイヤル4は、図19〜図21に示すように、ダイヤル本体40の外周面の等角度位置毎に「0」〜「9」の符号43が表され、ダイヤル操作面42が構成されている。また、ダイヤル本体40の側面には、ダイヤル間欠送り機構19を構成するボス部44が一体に設けられている。
前記の各ばね部材17は、基端が適所に固定され、その先端部には一対の押圧部17A,17Bが構成されている。押圧部17A,17Bはボス部44の外周縁にそれぞれ押し当てられており、ダイヤル4の自由回動が規制されている。ダイヤル4のダイヤル操作面42を手操作してダイヤル4を回すと、前記ばね部材17の各押圧部17A,17Bがボス部44の各谷部45と順次係合することにより、ダイヤル4が所定の回動角度位置に順次止まり、前面プレート11の窓孔14に「0」〜「9」の符号が順次出現する。
解錠符号列の一時記憶機構6は、解錠符号列を自由に設定しかつ記憶させるための機構である。この一時記憶機構6は、各ダイヤル4と各ロックギヤ5とを上記した噛合部を介していずれかの嵌合角度位置で噛み合わせることにより解錠符号列を一時記憶させるものである。
ロックギヤ5に対するダイヤル4の嵌合角度位置、すなわちロックギヤ5の突子列50とダイヤル本体40の溝列41との噛み合い角度位置は、符号数に一致する数だけ存在するもので、従って、両者の噛み合い角度位置に応じて解錠符号を10とおり記憶することが可能である。
「自由符号タイプ」の「開状態」(図3および図4に示す。)のときは、各ロックギヤ5はアクチュエータ2の側へ変位した状態にあるので、各ダイヤル本体40の嵌合溝46と各ロックギヤ5の嵌合突子51とは噛み合っておらず、各ダイヤル4と各ロックギヤ5との係わりは切れている。これにより、「開状態」のときの各ダイヤル4は、それ単独で回動することが可能な状態にあり、任意の解錠符号を設定できる。
「閉状態」(図7および図8に示す。)のときも、各ロックギヤ5はアクチュエータ2と反対側へ変位した状態に保持されており、各ダイヤル4の嵌合溝46は各ロックギヤ5の嵌合突子51と噛み合い、解錠符号列が記憶された状態が維持されている。
切換機構8は、上記した解錠操作毎に解錠符号列の記憶が解除される「自由符号タイプ」と、解錠操作があっても解錠符号列の記憶が保持される「固定符号タイプ」とを切り換えるためのものである。
このような切換動作を実現するための構成として、この実施例では、図26に示すように、人手により操作される回動可能な切換シャフト80と、前記前部ブッシュ30と、作動軸3を往復変位させるための駆動筒82とを含んでいる。
切換シャフト80の一端部は、回動操作が可能な切換つまみ88を構成しており、切換シャフト80の他端部上には駆動筒82の一端部が被せられるとともに、切換シャフト80と駆動筒82との間にはコイルバネ83が設けられている。
なお、図中、84は回動防止用の突起であり、通常時は、この突起84が前記小孔18の開口縁に設けられた係合凹部18A,18B(図2に示す。)と係合することにより切換シャフト80の回動が防止される。
切換シャフト80は、切換つまみ88の反対側の端面80Bより一対の凸壁85A,85Bを突出させた形態のものであり、凸壁85A,85B間に前記コイルバネ83が嵌装されている。
まず、「自由符号タイプ」において、「開状態」では図4および図26(1)に示すように、駆動筒82の押圧部材87はアクチュエータ2の側へ変位した状態にあり、前部ブッシュ30の当たり面39に押圧部材87が当接している。この状態では、各ダイヤル4と各ロックギヤ5とは噛み合っておらず、係わりが切れており、各ダイヤル4は任意の解錠符号を設定できる。
ロック機構9は、各窓孔14に現れる各ダイヤル4の符号43がすべて解錠符号であるとき(解錠符号列が揃ったとき)、施錠および解錠の各操作に伴うアクチュエータ2の回動を許容し、いずれかダイヤル4の符号43が解錠符号でないとき(解錠符号列が崩れているとき)、アクチュエータ2の回動を規制するものである。
この実施例のロック機構9は、各ロックギヤ5の外周面に形成された凹部52と、図33に示す形状のロックプレート90と、アクチュエータ2の筒状体21の外筒21bの外周面の2箇所に形成された係合部25,26とで構成されている。
この「固定符号タイプ」では、駆動筒82の押圧部材87がアクチュエータ2に対して反対方向に変位し、前部ブッシュ30の当たり面39を押して作動軸3をアクチュエータ2に対して反対方向へ強制移動させる(図12参照)。作動軸3がアクチュエータ2に対して反対方向に移動する結果、全てのロックギヤ5が一斉にアクチュエータ2に対して反対方向へ変位し、各ダイヤル4と噛み合って係わり合い、解錠符号列が記憶される。それ以後は、解錠操作があっても作動軸3が往復移動することなく、各ダイヤル4と各ロックギヤ5とが噛み合った状態が維持されるため、解錠符号列の記憶が保持される。
3 作動軸
4 ダイヤル
5 ロックギヤ
6 往復動機構
7 解錠符号列の一時記憶機構
8 切換機構
9 ロック機構
21 筒状体
21a 内筒
21b 外筒
23 凹面
24 凸面
30 前部ブッシュ
36 圧縮バネ
39 当たり面
80 切換シャフト
81 操作溝
82 駆動筒
87 押圧部材
88 切換つまみ
90 ロックプレート
Claims (2)
- 周面に複数の符号が表された複数個のダイヤルと、各ダイヤルを決められた位置で回動可能に支持する軸方向へ往復動可能な作動軸と、解錠操作および施錠操作に応動して回動する筒状体を有するアクチュエータと、前記筒状体と前記作動軸との間に設けられ筒状体の正逆回動に応動して作動軸を往復移動させる往復動機構と、前記作動軸上の各ダイヤルの位置に対応して設けられるロックギヤを有し施錠操作に応動した前記作動軸の往動により全てのロックギヤを各ダイヤルに係合させて解錠符号列を記憶させかつ解錠操作に応動した前記作動軸の復動により全てのロックギヤと各ダイヤルとの係合を解いて解錠符号列の記憶を解除する一時記憶機構と、作動軸を復動方向へ付勢するばね部材と、各ダイヤルの符号が解錠符号列を構成する整列状態にあるときアクチュエータの作動を許容し整列状態にないときアクチュエータの作動を規制するロック機構とを備えた符号錠装置において、
前記解錠操作毎に解錠符号列の記憶を解除する前記一時記憶機構による第1の記憶方式と、解錠操作に対して前記作動軸を往動方向へ変位させた状態に保持することにより全てのロックギヤと各ダイヤルとの係合を解かずに解錠符号列の記憶を保持する第2の記憶方式とを切り換える切換機構を備えて成り、
前記切換機構は、一端部が外部より回動操作の可能な切換つまみになっている回動可能な切換シャフトと、一端部が前記切換シャフトの他端部上に被せられ他端面には切換シャフトの正逆回動と一体に偏心回動するカム軸を構成する円柱状の押圧部材が設けられた駆動筒と、前記作動軸の先端部分に作動軸と一体に往復動するように嵌められ前記駆動筒の押圧部材の周面が当接する当たり面を備えたブッシュとを含み、前記押圧部材は、前記第2の記憶方式に設定するための切換つまみによる回動操作と一体に偏心回動してブッシュの当たり面を押圧することにより作動軸を往動方向へ変位させるとともに、前記第1の記憶方式に設定するための切換つまみによる回動操作と一体に偏心回動してブッシュの当たり面への押圧を解除することにより前記ばね部材と協動して作動軸を復動方向へ変位させる駆動機構を構成して成る符号錠装置。 - 前記アクチュエータの筒状体は、その外周面に凹凸カム面が形成され、この凹凸カム面と前記ばね部材とで往復動機構が構成されている請求項1に記載された符号錠装置。
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