JP4574688B2 - 符号錠装置 - Google Patents
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Description
前記ロック機構は、作動軸の軸周面に各ロックギヤに対応して設けられた複数の凸子と、各ロックギヤの内周面の長さ方向に設けられた凸子摺動溝とを含み、解錠符号列が整列状態のとき、凸子と凸子摺動溝との位置が一致して作動軸の移動を許容し、不整列の状態のとき、凸子と凸子摺動溝との位置がずれて作動軸の移動を規制する。
前記解錠符号列設定機構は、施錠操作に応動した前記筒状体の回動に全てのロックギヤの往動を連動させて各ダイヤルに係合させることにより解錠符号列を記憶させかつ解錠操作に応動した前記筒状体の回動に全てのロックギヤの復動を連動させて各ダイヤルとの係合を解くことにより解錠符号列の記憶を解除する。
前記ダイヤル強制駆動機構は、前記作動軸の回動に対して作動軸の各凸子がそれぞれ係合する係合溝を有するダイヤル毎のダイヤル駆動板と、前記筒状体の回動に連動して各ダイヤル駆動板を各ダイヤルに対して変位させる変位機構とを含み、各ダイヤル駆動板の外周と各ダイヤル駆動板に対応するダイヤルの内周との間には、各ダイヤル駆動板が各ダイヤルの方向へ変位した状態のとき、作動軸と一体にダイヤル駆動板が決められた角度だけ回動する間に互いに引っ掛かる部分を設けて、施錠および解錠の各操作時に各ダイヤルを解錠符号列の整列状態から他の所定の符号列の整列状態へ移行させるようにしている。
アクチュエータ2は、撮み20による施錠および解錠の各操作に応動するもので、支持板15で区画された一方の空間内に筒状体21が回動可能に支持されて成る。筒状体21の上端には前記撮み20が取り付けられ、この撮み20を撮んで正逆いずれかの方向へ回動操作すると、筒状体21が一体に回動する。
外筒23の外周には、後述する往復動機構7を構成する外筒リング70が回動可能に嵌合されている。また、外筒23の外周には、後述する回動機構8を構成する第1の傘歯車80も嵌着されている。
作動軸3は、アクチュエータ2と直交する方向に水平に設けられており、先端部30は支持板15に開設された軸受孔に、基端部は軸受16に、それぞれ往復動可能かつ正逆回動可能に支持されている。作動軸3の基端部にはフランジ部31が設けられ、このフランジ部31と軸受16との間には圧縮バネ33が配備され、そのバネ圧によって作動軸3を常時、アクチュエータ2の方向へ付勢している。この圧縮バネ33は、後述する往復動機構7を構成している。
往復動機構7は、施錠および解錠の各操作に基づくアクチュエータ2の作動(筒状体21の回動)に応動して作動軸3を所定のタイミングで所定の変位量だけ往復移行させるためのもので、筒状体21の外筒23の外周面に所定の角度(この実施例では、120度)だけ隔てて形成された第1,第2の各凹部25,26と、外筒23の外周に嵌合される外筒リング70(図25に示す)に120度毎に設けられた開口部71と、外筒23の上端面に設けられ、外筒リング70の上端面に120度毎に形成された切溝75と係脱可能な爪板74(図4に示す)と、作動軸3をアクチュエータ2の方向へ付勢する前記圧縮バネ33とを含む。なお、外筒23の各凹部25,26の両側壁、および外筒リング70の開口部71の一方の側壁72は、後述するように作動軸3の先端部30が脱出し易いように傾斜させてある。また、外筒リング70の開口部71の側壁72は外筒リング70の外周面70Aから突出しており、外筒リング70の外周面70Aには、これより高さの高い突出面73が形成されている。
回動機構8は、筒状体21の外筒23の外周に装着された第1の傘歯車80と、作動軸3の先端部30に支持された第2の傘歯車81とで構成されている。第1,第2の各傘歯車80,81は噛み合い、これにより筒状体21の回動が作動軸3へ伝達されて作動軸3が回動する。作動軸3は上記した「開状態」から「閉状態」へ、また「閉状態」から「開状態」へ、それぞれ移行する間に1回転するように各傘歯車80,81の歯のピッチなどが決められている。
4個の各ダイヤル4は、作動軸3上の決められた等間隔位置にそれぞれロックギヤ5を介して回動可能に支持されている。各ダイヤル4は、図15〜図17に示すように、ダイヤル本体40の外周面の等角度位置毎に「0」〜「9」の符号43が表され、ダイヤル操作面42が構成されている。また、ダイヤル本体40の側面には、ダイヤル間欠送り機構17を構成するボス部44が一体に設けられている。
前記の各ばね部材18は、基端が適所に固定され、その先端部には一対の押圧部19A,19Bが構成されている(図3参照)。押圧部19A,19Bはボス部44の外周縁にそれぞれ押し当てられており、ダイヤル4の自由回動が規制されている。ダイヤル4のダイヤル操作面42を手操作してダイヤル4を回すと、ばね部材18の各押圧部19A,19Bがボス部44の各谷部45と順次係合することにより、ダイヤル4が所定の回動角度位置に順次止まり、前面プレート14の窓孔13に「0」〜「9」の符号が順次出現する。
解錠符号記憶機構6は、解錠符号列を自由に設定しかつ記憶させるための機構であって、各ダイヤル4と各ロックギヤ5とを前記した嵌合部を介していずれかの嵌合角度位置で噛み合わせることにより解錠符号列を記憶させるものである。ロックギヤ5に対するダイヤル4の嵌合角度位置、すなわちロックギヤ5の突子列50a,50bとダイヤル本体40の溝列41との噛み合い角度位置は、符号数に一致する数だけ存在するもので、従って、両者の噛み合い角度位置に応じて解錠符号を10通り記憶することが可能である。
この変位機構60は、施錠および解錠の各操作に応動した筒状体21の回動に連動させて全てのロックギヤ5、さらには、後述する全てのダイヤル駆動板90を一斉に往復変位させて各ダイヤル3に近づけたり遠ざけたりする機構である。このような動作を実現するために、この実施例では、外筒23の下部外周面の所定角度位置に形成された凸曲面29(図24(2)に示す)と、外筒23の回動時に作動軸3に沿う方向へ往復動する可動体61と、アクチュエータ2に最も近いダイヤル駆動板90と仕切板15との間に設けられた復帰バネ67とから構成されている。各ロックギヤ5は隣り合う各ダイヤル駆動板90と互いに当接するように配備され、復帰バネ67は、全てのロックギヤ5とダイヤル駆動板90とが連なったロックギヤ5およびダイヤル駆動板90の列をアクチュエータ2に対して反対方向へ付勢している。
なお、詳細は後述するが、この「開状態」では、各ダイヤル駆動板90もアクチュエータ2の側に変位して、対応する各ダイヤル4から遠ざかった位置に位置している。
なお、この状態では、各ダイヤル駆動板90もアクチュエータ2に対して反対方向に変位して、対応する各ダイヤル4に近づいた位置に位置しており、各ダイヤル4と各ロックギヤ5とは後述するダイヤル強制復帰機構100の作用により一体回動する。
このとき、可動体61は、駆動板62が圧縮バネ69のバネ力により押されることにより、アクチュエータ2の側へ変位しており、駆動板62は外筒23の垂直面29B(図24(2)に示す)と当接している。
なお、この「閉状態」では、各ダイヤル駆動板90もアクチュエータ2の側に変位して、対応する各ダイヤル4から遠ざかった位置に位置している。
この状態では、各ダイヤル4の溝列41は各ロックギヤ5の一方の突子列50aと噛み合って係わり合い、各ダイヤル4は単独では回動が不可能な状態にある。
なお、この状態では、各ダイヤル駆動板90もアクチュエータ2と反対方向に変位して、対応する各ダイヤル4に近づいた位置に位置している。
この状態では、各ダイヤル4の突子列48が各ロックギヤ5の摺動凹溝52に位置し、各ダイヤル4の溝列41は各ロックギヤ5のいずれの突子列50a,50bとも噛み合っておらず、各ダイヤル4と各ロックギヤ5との係わりは切れている。そのため、各ダイヤル4は単独で回動が可能な状態となる。
なお、この状態では、各ダイヤル駆動板90は変位しても、その変位量はわずかであるため、対応する各ダイヤル4に近づいた位置に位置しており、各ダイヤル4は後述するダイヤル強制駆動機構100の作用により回動する。
ロック機構9は、各窓孔13に現れる各ダイヤル4の符号43がすべて解錠符号であるとき(解錠符号列が生成されたとき)、施錠および解錠の各操作に伴う筒状体21の回動を許容し、いずれかのダイヤル4の符号43が解錠符号でないとき(解錠符号列が崩れているとき)、筒状体21の回動を規制するものである。この実施例のロック機構9は、作動軸3の軸周面に突設された1列につき4個の各凸子32a,32bと、各ロックギヤ5の内周面の長さ方向に設けられた前記の各凸子32a,32bが摺動して出入りする凸子摺動溝53a,53b(図18)とで構成されている。
図7および図8に示す「開状態」から「閉状態」への移行時には、作動軸3の各凸子32a,32bは各ロックギヤ5の凸子係合溝53a,53bより脱出し、各ロックギヤ5は作動軸3に対し独立して回動が可能な状態にある。このとき各ダイヤル4は各ロックギヤ5と係わり合った状態にあって、ダイヤル強制復帰機構100の作用により各ダイヤル4と各ロックギヤ5とは一体回動する。
この実施例のダイヤル強制駆動機構100は、解錠符号列を整列状態に設定した後、「開状態」から「閉状態」へ移行させるとき、整列状態の解錠符号列を崩して各ダイヤル4を決められた角度位置まで回動させ、一方、解錠符号列を整列させた後、「閉状態」から「開状態」へ移行させるとき、同様に、整列状態の解錠符号列を崩して各ダイヤル4を決められた角度位置まで回動させるものである。この実施例では、いずれの場合も、各ダイヤル4の窓孔13に「0」が出現するような角度位置に各ダイヤル4を強制回動させることにより、「0」が4個並んだ初期符号列の整列状態へ移行させる構成となっているが、これに限らず、他の決められた符号が各窓孔13に出現するように構成してもよい。
作動軸3は、上記した「開状態」と「閉状態」との間、「閉状態」と「開状態」との間を移行する間にちょうど1回転するので、作動軸3の凸子32a,32bは「開状態」および「閉状態」のとき同じ角度位置にある。
この状態からさらに作動軸3が所定の角度(この実施例では、288度)回動して、作動軸3が1回転すると(図28−2(5)参照)、ダイヤル4も初期の状態から1回転して窓孔13に出現するダイヤル操作面42の符号43が「0」となる位置で回動が停止する。
まず、施錠操作時の動作について説明すると、符号錠装置が図5および図6に示された「開状態」にあるとき、作動軸3は、先端部30が外筒23の第1の凹部25に嵌まってアクチュエータ2の側へ最も変位した状態にある(第1変位位置)。この状態では、各ダイヤル4は各ロックギヤ5との係わりが切れた状態、すなわち、各ダイヤル4の溝列41が各ロックギヤ5のいずれの突子列50a,50bとも噛み合っていない状態にある。また、各ダイヤル4は各ダイヤル駆動板90との係わりが切れた状態にあるので、単独回動が可能な状態であり、各ダイヤル4を回して解錠符号列を自在に設定することが可能である。
また、ダイヤル駆動板90の突片92は所定の角度位置θにあり、ダイヤル4の凸部94は前面プレート14の方向を向いている(図28−1(1)参照)。
さらに、各ダイヤル駆動板90は変位機構60により各ダイヤル4に近づいて係わり合っている。
なお、各ダイヤル4は各ダイヤル駆動板90と係わりが切れた状態にある。
もし、ここで解錠符号列でない間違った符号を整列させると、作動軸3の凸子32a,32bの位置と各ロックギヤ5の凸子摺動溝53a,53bの位置とは揃わず、各ロックギヤ5の凸子係合穴54が作動軸3の凸子32a,32bの対向位置に位置する。このとき、撮み20を回動操作すると、作動軸3は各凸子32a,32bがロックギヤ5の凸子係合穴54に突き当たるまでアクチュエータ2に対して反対方向へ移動するが、作動軸3の先端部30は外筒リング70の突出面73まで到達せず、突出面73を乗り超えられないので、これ以上の撮み20の回動操作が規制される。
また、作動軸3の各凸子32a,32bは各ロックギヤ5の凸子摺動溝53a,53b内に進入した状態を維持している。
さらに、各ダイヤル駆動板90は各ダイヤル4に近づいて係わっている。
3 作動軸
4 ダイヤル
5 ロックギヤ
6 解錠符号列設定機構
7 往復動機構
8 回動機構
9 ロック機構
21 筒状体
32 凸子
43 符号
53 凸子摺動溝
60 変位機構
90 ダイヤル駆動板
91 係合溝
92 突片
93 摺動溝
94 凸部
100 ダイヤル強制駆動機構
Claims (3)
- 周面に複数の符号が表された複数個のダイヤルと、各ダイヤルを決められた位置で回動操作可能に支持する軸方向への往復動と回動とが可能な作動軸と、前記作動軸上の各ダイヤルの位置に回動可能かつ作動軸に沿って往復動可能に設けられる複数個のロックギヤと、施錠および解錠の各操作に応動して回動する筒状体を有するアクチュエータと、前記筒状体と前記作動軸との間に設けられ筒状体の正逆回動に応動して作動軸を往復動させる往復動機構と、前記筒状体と前記作動軸との間に設けられ筒状体の正逆回動に応動して作動軸を回動させる回動機構と、解錠符号列を任意に設定することが可能な解錠符号列設定機構と、各ダイヤルの符号が解錠符号列を構成する整列状態にないとき前記往復動機構による作動軸の移動を規制して筒状体の回動を規制するロック機構と、施錠および解錠の各操作時に各ダイヤルを強制回動させて解錠符号列を整列状態から不整列の状態へ移行させるダイヤル強制駆動機構とを備え、前記ロック機構は、作動軸の軸周面に各ロックギヤに対応して設けられた複数の凸子と、各ロックギヤの内周面の長さ方向に設けられた凸子摺動溝とを含み、解錠符号列が整列状態のとき、凸子と凸子摺動溝との位置が一致して作動軸の移動を許容し、不整列の状態のとき、凸子と凸子摺動溝との位置がずれて作動軸の移動を規制するようにした符号錠装置において、
前記解錠符号列設定機構は、施錠操作に応動した前記筒状体の回動に全てのロックギヤの往動を連動させて各ダイヤルに係合させることにより解錠符号列を記憶させかつ解錠操作に応動した前記筒状体の回動に全てのロックギヤの復動を連動させて各ダイヤルとの係合を解くことにより解錠符号列の記憶を解除し、
前記ダイヤル強制駆動機構は、前記作動軸の回動に対して作動軸の各凸子がそれぞれ係合する係合溝を有するダイヤル毎のダイヤル駆動板と、前記筒状体の回動に連動して各ダイヤル駆動板を各ダイヤルに対して変位させる変位機構とを含み、各ダイヤル駆動板の外周と各ダイヤル駆動板に対応するダイヤルの内周との間には、各ダイヤル駆動板が各ダイヤルの方向へ変位した状態のとき、作動軸と一体にダイヤル駆動板が決められた角度だけ回動する間に互いに引っ掛かる部分を設けて、施錠および解錠の各操作時に各ダイヤルを解錠符号列の整列状態から他の所定の符号列の整列状態へ移行させるようにした符号錠装置。 - 各ダイヤルは、周面に0を含むn個の数字が表されたものであり、前記ダイヤル強制駆動機構の各ダイヤル駆動板は、施錠および解錠の各操作時に各ダイヤルを、最大で(360度−360度/n)の角度だけ回動させて、符号の0がダイヤルの数だけ並んだ状態へ移行させる請求項1に記載された符号錠装置。
- 各ダイヤル駆動板の外周には突片が形成され、各ダイヤルの内周に前記突片が摺動する摺動溝が形成されるとともに、摺動溝内に突片が引っ掛かる凸部が設けられている請求項1または2に記載された符号錠装置。
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