JP2010162933A - ウエビング巻取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】トーションシャフトを径方向に大型化することなく、フォースリミッタ荷重をウエビングベルトの引出し量に応じて所定の高荷重に上げることができるウエビング巻取装置を得る。
【解決手段】フォースリミッタ荷重を発生させるためにトーションシャフトの他にワイヤ60が設けられている。ワイヤ60は、ロックベース34に対してスプール18が引出方向(矢印B方向)に所定量回転した後にロックベース34側のストッパ部58によりロックベース34に対する頭部68の相対移動が規制される。その後、ロックベース34に対してスプール18が引出方向(矢印B方向)にさらに回転するとワイヤ60の挿込部がスプール18の挿通孔から抜き出されつつ順次屈曲させられる。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両の乗員の身体を拘束するウエビングベルトを巻き取って格納するウエビング巻取装置に関する。
ウエビング巻取装置では、スプールのウエビング引出方向の回転が車両急減速時にロックされてウエビングベルトの引出しが阻止される。このようなウエビング巻取装置では、ウエビングベルトの引出しを阻止する際に、所謂フォースリミッタ機構によって、ウエビングベルトの引出しを所定量許容して、エネルギーの吸収を図ることが行われている。
フォースリミッタ機構としては、例えば、スプールと同軸的にトーションシャフトを配置した構成のものが一般的である。このような機構では、ウエビングベルトの引出しを許容する際にウエビングベルトに付加される荷重(フォースリミッタ荷重)がトーションシャフトの捩り荷重によって発生するようになっている。また、例えば、下記特許文献1のフォースリミッタ機構では、フォースリミッタ荷重をウエビングベルトの引出し量に応じて上げてかつある程度持続させるために、所定時にトーションバー(トーションシャフト)の中間部をスプール側に支持させる構成としている。
米国特許出願公開第2006/0124795号明細書
しかしながら、上記従来技術では、トーションバー(トーションシャフト)の捩り荷重のみによってフォースリミッタ荷重を発生させているので、所定のフォースリミッタ荷重を確保するためにはトーションバーを径方向に大型化する必要がある。
本発明は、上記事実を考慮して、トーションシャフトを径方向に大型化することなく、フォースリミッタ荷重をウエビングベルトの引出し量に応じて所定の高荷重に上げることができるウエビング巻取装置を得ることが目的である。
請求項1に記載する本発明のウエビング巻取装置は、長尺帯状のウエビングベルトの長手方向基端側が係止され、外周部に前記ウエビングベルトを巻き取ると共に、前記ウエビングベルトの引き出しに伴い引出方向に回転するスプールと、前記スプールの軸方向一端部の側方に設けられ、前記スプールと同軸的でかつ相対回転可能とされると共に前記スプールの回転力が伝わることで回転可能なロックベースと、車両急減速状態及び前記スプールが急激に引出方向へ回転した状態の少なくともいずれかの一方の状態で前記引出方向への前記ロックベースの回転を規制するロック手段と、前記スプールの内側で前記スプールに対して同軸的に配置されて前記ロックベースを前記スプールに一体的に連結すると共に、前記ロック手段による前記ロックベースの回転規制状態で前記引出方向への所定の大きさ以上の回転力が前記スプールに付与された場合に、捩れ変形して前記ロックベースに対する前記スプールの回転を許容するトーションシャフトと、一端側が前記ロックベース及び前記スプールのいずれか一方の側に配設されて前記いずれか一方と共に移動可能とされると共に他端側が前記ロックベース及び前記スプールのいずれか他方の側に配設されて前記いずれか他方に対して相対移動可能とされ、前記ロックベースに対して前記スプールが前記引出方向に所定量回転した後に前記いずれか他方に対する前記他端側の相対移動が前記いずれか他方により規制されると共に前記ロックベースに対して前記スプールが前記引出方向にさらに回転することで前記一端側が前記いずれか一方の側の配設位置から引き出されつつ順次屈曲させられてエネルギーを吸収する長尺状部材と、を有する。
請求項1に記載する本発明のウエビング巻取装置によれば、スプールは、外周部にウエビングベルトを巻き取ると共に、ウエビングベルトの引き出しに伴い引出方向に回転する。これに対し、ロックベースは、スプールと同軸的でかつ相対回転可能とされると共にスプールの回転力が伝わることで回転可能となっている。ここで、車両急減速状態及びスプールが急激に引出方向へ回転した状態の少なくともいずれかの一方の状態になるとロック手段が引出方向へのロックベースの回転を規制する。ロックベースはトーションシャフトを介してスプールに連結されているので、引出方向へのロックベースの回転が規制されることで引出方向へのスプールの回転が規制される。これにより、スプールからのウエビングベルトの引き出しが規制され、ウエビングベルトを装着している乗員の身体がウエビングベルトにより強く拘束される。
この状態で、例えば、車両急減速時の慣性で乗員の身体によって急激にウエビングベルトが引っ張られて、引出方向への所定の大きさ以上の回転力がスプールに付与されると、トーションシャフトが捩れ変形して、ロックベースの回転規制が維持されたままスプールが引出方向に回転し、この回転分だけスプールからのウエビングベルトの引き出しが許容される。このとき、トーションシャフトの捩り荷重は、フォースリミッタ荷重としてウエビングベルトに作用する。
一方、ロックベース及びスプールのいずれか一方の側には、長尺状部材の一端側が配設されて前記いずれか一方と共に移動可能となっている。これに対し、長尺状部材の他端側は、ロックベース及びスプールのいずれか他方の側に配設されて前記いずれか他方に対して相対移動可能となっている。この長尺状部材は、ロックベースに対してスプールが引出方向に所定量回転した後には、前記いずれか他方に対する他端側の相対移動が前記いずれか他方により規制されると共に、ロックベースに対してスプールが引出方向にさらに回転することで、他端側が前記いずれか一方に対して相対移動して、一端側が前記いずれか一方の側の配設位置から引き出されつつ順次屈曲させられてエネルギーを吸収する。
すなわち、トーションシャフトの捩り荷重が発生した後、スプールからウエビングベルトが所定量引き出されたタイミングで長尺状部材の変形荷重が発生し、この変形荷重がフォースリミッタ荷重として加えられてウエビングベルトに作用する。このため、フォースリミッタ荷重はウエビングベルトの引出し量に応じて所定の高荷重になる。
請求項2に記載する本発明のウエビング巻取装置は、請求項1記載の構成において、前記スプールと前記ロックベースとの間には前記スプール及び前記ロックベースと同軸的でかつ相対回転可能とされた回転体が設けられ、前記回転体は前記長尺状部材の他端側を貫通させて支持する。
請求項2に記載する本発明のウエビング巻取装置によれば、スプールとロックベースとの間に設けられた回転体は、スプール及びロックベースと同軸的でかつ相対回転可能とされ、長尺状部材の他端側を貫通させて支持する。このため、長尺状部材はその一端側が配設位置から引き出される際にはその他端側が回転体によって支持された状態で配設位置から引き出される。
以上説明したように、本発明に係る請求項1に記載のウエビング巻取装置によれば、トーションシャフトを径方向に大型化することなく、フォースリミッタ荷重をウエビングベルトの引出し量に応じて所定の高荷重に上げることができるという優れた効果を有する。
請求項2に記載のウエビング巻取装置によれば、長尺状部材の一端側が配設位置から引き出される際における長尺状部材の他端側の支持強度を比較的簡易な構成によって確保することができるという優れた効果を有する。
本発明の第1の実施形態に係るウエビング巻取装置の構成の概略を示す正面断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るウエビング巻取装置の要部の構成の概略を示す分解斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るウエビング巻取装置の要部の作動状態を示す模式的な側断面図である(図1の3−3線に沿った断面図に相当する。)。図3(A)は、ワイヤの頭部がロックベースの溝部に沿って移動する前の状態を示す。図3(B)は、ワイヤの頭部が溝部のストッパ部に当接した状態を示す。 本発明の第1の実施形態に係るウエビング巻取装置のFL荷重特性を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態に係るウエビング巻取装置の構成の概略を示す正面断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るウエビング巻取装置の要部の構成の概略を示す分解斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係るウエビング巻取装置の要部の構成の概略を示す分解斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係るウエビング巻取装置の要部の作動状態を示す模式的な側断面図である。図8(A)は、ワイヤの頭部がロックベースの溝部に沿って移動する前の状態を示す。図8(B)は、一方のワイヤの頭部が溝部のストッパ部に当接した状態を示す。 本発明の第3の実施形態に係るウエビング巻取装置の要部の作動状態を示す模式的な側断面図であり、ワイヤの頭部が両方とも溝部のストッパ部に当接した状態を示す。
[第1実施形態]
図1には本発明の第1の実施形態に係るウエビング巻取装置10の構成の概略が正面断面図により示されており、図2にはウエビング巻取装置10の要部の構成が分解斜視図により示されている。
図1に示されるように、ウエビング巻取装置10は車体の所定部位に締結固定されるフレーム12を備えている。このフレーム12は一対の脚板14、16を備えている。脚板14、16の各々は平板状に形成されており、各々の厚さ方向に互いに対向している。脚板14と脚板16との間にはスプール18が配置されている。スプール18は軸方向が脚板14と脚板16との対向方向に沿った略円筒形状に形成されており(図2参照)、自らの中心軸線周りに回転可能とされている。
スプール18には長尺帯状のウエビングベルト20の長手方向基端部(基端側)が係止されている。スプール18は自らの中心軸線周り一方である巻取方向(図2の矢印A方向)に回転すると、ウエビングベルト20をその長手方向基端側から外周部に層状に巻き取る。また、ウエビングベルト20を先端側へ引っ張るとスプール18に巻き取られているウエビングベルト20が引き出されると共にスプール18が巻取方向とは反対の引出方向(図2の矢印B方向)に回転する。
スプール18の脚板14の側にはアダプタ22が設けられている。アダプタ22はスプール18の脚板14の側の端部にて開口した嵌挿孔24に嵌め込まれている。嵌挿孔24の内周形状及びアダプタ22の外周形状は非円形とされており、嵌挿孔24に嵌挿されたアダプタ22はスプール18に対するスプール18の中心軸線周りの相対回転が不能とされ、スプール18の中心軸線周りにスプール18及びアダプタ22の何れかの一方が回転するといずれかの他方が一体的に回転する。
アダプタ22は、脚板14を貫通して脚板14の側方(脚板14を介して脚板16とは反対側)でフレーム12に固定されたスプリングハウジング26内に入り込んでおり、アダプタ22がスプール18の中心軸線周りに回動自在にスプリングハウジング26に支持されている。スプリングハウジング26の内部には渦巻きばね等の付勢手段(図示省略)が収容されている。この付勢手段は一部がアダプタ22に直接又は間接的に連結されており、アダプタ22が引出方向に回転すると、アダプタ22を巻取方向に付勢する。また、アダプタ22は、車両急減速時にスプール18を瞬時に巻取方向に回転させるプリテンショナーの構成部品の一つであってもよい。
一方、スプール18の軸方向一端部の側方(脚板16側)には、ロックベース34(「ベースロック」、「ロックギヤ」ともいう。)が設けられている。ロックベース34は、スプール18と同軸的とされており、軸方向寸法が比較的短い円筒状の嵌挿部36を備えている。嵌挿部36に対応してスプール18には嵌挿孔38が形成されている。嵌挿孔38は内周形状がスプール18に対して同軸の円形とされてスプール18の脚板16側の端面にて開口している。嵌挿孔38の内径寸法は嵌挿部36の外径寸法よりも極僅かに大きく、嵌挿孔38に嵌挿部36が嵌挿された状態では、スプール18の中心軸線周りにスプール18に対してロックベース34が相対回転可能とされている。
ロックベース34はラチェット部40を備えている。ラチェット部40は、外歯のラチェットホイールとされており、嵌挿部36に対して同軸的に形成され、嵌挿部36が嵌挿孔38に嵌挿された状態ではスプール18の脚板16側の端面に隣接するように配置されている。
また、脚板16の側方であって脚板16を介して脚板14とは反対側(すなわち、スプール18の軸方向一端部の側方)には、ロック手段としてのロック機構30のハウジング32がフレーム12に固定されている。なお、ロック機構30には、公知のロック機構を適用することができるので、詳細な説明は省略するが、以下簡単に説明する。
ロック機構30は、ロックパウル42を備えている。ロックパウル42は、ロックベース34の回転半径方向に沿ったラチェット部40の近傍に配設され、スプール18の軸方向と同じ向きを軸方向とする軸周りに回動自在に脚板16に支持されている。
ロックパウル42は回動することでラチェット部40の外周部に対して接離する。また、ロックパウル42にはラチェット部40の外周部に形成されたラチェット歯44に噛合可能なロック歯46が形成されており、ラチェット部40の外周部に対して接近する向きにロックパウル42が回動すると、図3に示されるように、ラチェット部40のラチェット歯44にロックパウル42のロック歯46が噛み合う。ラチェット歯44にロック歯46が噛み合った状態では、ラチェット部40、すなわち、ロックベース34の引出方向(矢印B方向)への回転が規制される。
また、このロックパウル42の他に、図1に示されるハウジング32の内側にはロック機構30を構成するセンサギヤ(図示省略)や加速度センサ(図示省略)等の各種の部材が収容されている。ロック機構30は、本ウエビング巻取装置10が搭載された車両の急減速状態及びスプール18が急激に引出方向へ回転した状態の少なくともいずれかの一方の状態で作動してセンサギヤ(図示省略)がロックパウル42を押圧し、ロック歯46をラチェット歯44に接近させて噛合させる向きにロックパウル42を回動させる。これによりロックパウル42のロック歯46がラチェット歯44に噛合し、引出方向へのロックベース34の回転が規制されるようになっている。
一方、スプール18には貫通孔48が貫通形成されている。貫通孔48はスプール18に対して同軸的に形成され、その一端は嵌挿孔38の底部にて開口し、他端は嵌挿孔24の底部にて開口している。スプール18の内側(貫通孔48の内側を含む)にはトーションシャフト50(「トーションバー」ともいい、広義には「荷重吸収部材」や「連結部材」として把握される要素である。)がスプール18に対して同軸的に配置されている。トーションシャフト50は、脚板14側の端部にてアダプタ22に対するスプール18の中心軸線周りの相対回転が不能な状態でアダプタ22に連結されている。
また、トーションシャフト50は脚板16側の端部にて嵌挿部36(ロックベース34)に対するスプール18の中心軸線周りの相対回転が不能な状態で嵌挿部36(ロックベース34)に連結されている。これにより、トーションシャフト50はロックベース34をスプール18に一体的に連結している。すなわち、上記のように、ロックベース34はスプール18の中心軸線周りにスプール18に対して相対回転可能に嵌挿部36が嵌挿孔38に嵌挿されているものの、トーションシャフト50がスプール18及びロックベース34の双方に対してスプール18の中心軸線周りの相対回転が不能であることから、基本的にロックベース34はスプール18に対して相対回転が不能で、スプール18と共にロックベース34が一体的に回転する(すなわち、スプール18の回転力が伝わることでロックベース34が回転する。)。
また、このことより、ロックパウル42のロック歯46がロックベース34のラチェット歯44に噛み合えば、引出方向へのスプール18の回転が規制される。ただし、トーションシャフト50は、ロック機構30によるロックベース34の回転規制状態で引出方向への所定の大きさ以上の回転力がスプール18に付与された場合には、捩れ変形してロックベース34に対するスプール18の回転を許容するようになっている。
一方、図1及び図2に示されるように、スプール18の脚板16側の端部(軸方向一端部)には環状溝52が形成されている。図2に示されるように、環状溝52は、スプール18の中心軸線(回転軸心位置)から回転半径方向に離間した位置においてスプール18の中心軸線に対して同軸の円形とされており、スプール18の脚板16側の端面にて開口している。さらに、図1及び図2に示されるように、スプール18には挿通孔54が形成されている。挿通孔54は、一端が環状溝52の底部にて開口しており、図1に示されるように他端がスプール18の脚板14側の端面にて開口している。挿通孔54の一端から他端への向きはスプール18の中心軸線の向きと同じ向きとされている。
また、図2に示されるように、本ウエビング巻取装置10は長尺状部材としての荷重吸収用のワイヤ60(広義には「(長尺状の)荷重吸収部材」として把握される要素である。)を備えている。ワイヤ60は、硬質な材料で構成された棒材が第一屈曲部63及び第二屈曲部65の二箇所で屈曲されてクランク状に形成されたものであり、一端側に挿込部62を備えている。挿込部62は、スプール18の挿通孔54に挿し込まれて収容(配設)される部位であり、その先端が先細りとなるテーパ状に形成された断面円形の棒形状とされている。挿込部62の外径寸法は、挿通孔54の内径寸法以下でかつ環状溝52の内幅寸法(環状溝52におけるスプール18の径方向に沿った寸法)以下とされている。また、挿込部62は、スプール18の挿通孔54に収容(配設)された状態でスプール18と共に移動可能とされている。なお、本実施形態では、スプール18が請求項1記載の「ロックベース及びスプールのいずれか一方」となっている。
挿込部62の基端側となる第一屈曲部63側の端部には、湾曲部64が連続して形成されている。湾曲部64は外径寸法が環状溝52の内幅寸法以下であって短い棒状とされ、環状溝52に沿って収容可能な湾曲形状とされている。湾曲部64の挿込部62とは反対側(すなわち、第二屈曲部65側)の端部には、係止部66が連続して短い直線棒状に形成されている。
係止部66の湾曲部64とは反対側の端部には、頭部68が連続して形成されている。ワイヤ60の他端側とされる頭部68は、スプール18の軸方向一端部の側方に配置されるようになっており(詳細後述)、その外径が係止部66に比べて大径とされている。
上記のように、ワイヤ60の湾曲部64はスプール18の環状溝52に沿って収容可能な湾曲形状とされているので、挿込部62を挿通孔54に挿し込んだ状態では湾曲部64を環状溝52に入り込ませることができる。湾曲部64を環状溝52に入り込ませた状態では、係止部66の軸心が挿込部62の軸心にスプール18の軸心周りに若干ずれている。
また、図1及び図2に示されるように、スプール18とロックベース34との間には、回転体としてのワイヤホルダ70が設けられている。ワイヤホルダ70は、薄板の円板状(円環状)に形成されている。
ワイヤホルダ70には、ロックベース34の嵌挿部36に対応して嵌挿孔72が形成されている。嵌挿孔72は内周形状がロックベース34及びスプール18に対して同軸の円形とされている。この嵌挿孔72の内径寸法は嵌挿部36の外径寸法よりも極僅かに大きく、嵌挿孔72に嵌挿部36が嵌挿された状態では、スプール18の中心軸線周りにロックベース34及びスプール18に対してワイヤホルダ70が相対回転可能とされている。すなわち、ワイヤホルダ70は、スプール18及びロックベース34と同軸的でかつ相対回転可能とされており、本実施形態では、トーションシャフト50が回転可能に貫通している。
また、ワイヤホルダ70には、ワイヤ60の他端側を貫通させて支持するための支持孔74がワイヤホルダ70の厚さ方向(ワイヤホルダ70の中心軸線の向きと同じ向き)に貫通して形成されている。組付け状態では、この支持孔74の内側にワイヤ60の係止部66が配置されている。
また、図2に示されるように、ロックベース34のワイヤホルダ70との対向部には溝部56が形成されている。図2及び図3に示されるように、溝部56は、ワイヤ60の頭部68を配置することができる位置に設けられてロックベース34の中心軸線(スプール18の中心軸線)を中心とする円弧状に形成されており、ロックベース34のワイヤホルダ70側へ向けられた端面にて開口している。溝部56の内幅寸法(溝部56におけるロックベース34の径方向に沿った寸法)は、一定とされており、ワイヤ60の頭部68の直径よりも僅かに大きい寸法に設定されている。これにより、ワイヤ60の頭部68は、ロックベース34の側において溝部56内に配設されてロックベース34に対して相対移動可能とされている。なお、本実施形態では、ロックベース34が請求項1記載の「ロックベース及びスプールのいずれか他方」となっている。
また、溝部56にてスプール18の引出方向(矢印B方向)の終端側の溝縁部は、ストッパ部58(規制部)とされている。このストッパ部58は、ロックベース34に対してスプール18が引出方向(矢印B方向)に所定量回転した後にワイヤ60の頭部68のロックベース34に対する相対回転移動を当接によって直接規制する(止める)ようになっている(図3(B)参照)。換言すれば、(いずれか他方としての)ロックベース34に対するワイヤ60の(他端側の)頭部68の相対移動がロックベース34の一部により規制される構成となっている。
以上の構成により、ワイヤ60は、ロックベース34に対してスプール18が引出方向(矢印B方向)に所定量回転した後にロックベース34側のストッパ部58によりロックベース34に対する他端側の頭部68の相対移動が規制されると共にロックベース34に対してスプール18が引出方向(矢印B方向)にさらに回転することで図1に示される一端側の挿込部62がスプール18の挿通孔54(収容位置(配設位置))から引き出されつつ順次屈曲(抜き出されつつ変形)させられてエネルギーを吸収するようになっている。
(作用・効果)
次に、上記実施形態の作用及び効果について説明する。
図1に示される本ウエビング巻取装置10では、車両の乗員の身体にスプール18から引き出されたウエビングベルト20が装着されている状態で車両減速状態になり、この状態をロック機構30の加速度センサ(図示省略)が検知したり、また、車両減速状態での慣性により乗員の身体がスプール18を急激に引っ張ることでスプール18が急激に引出方向へ回転したりすると、ロック機構30が作動する。ロック機構30が作動すると、ロックパウル42がロックベース34のラチェット部40へ接近する向きに回動し、これにより、ロックパウル42のロック歯46がラチェット部40のラチェット歯44に噛み合う。
これにより、ロックベース34の引出方向への回転が規制され、ひいては、トーションシャフト50を介してロックベース34と連結されたスプール18の引出方向への回転が規制される。このように、スプール18の引出方向への回転が規制されることで、スプール18に巻き取られているウエビングベルト20の引き出しが規制されるので、車両急減速時に車両前方側へ慣性移動しようとする乗員の身体がウエビングベルト20により強く拘束される。
このような状態で、車両前方側へ慣性移動しようとする乗員の身体によってウエビングベルト20が引っ張られることでスプール18に付与される引出方向への回転力が、トーションシャフト50の機械的強度を上回る(所定の大きさ以上になる)と、トーションシャフト50の脚板16の側に対して脚板14の側が引出方向に捩じれるように塑性変形を開始して、ロックパウル42により引出方向への回転が規制されたロックベース34に対し、スプール18が引出方向に回転を開始する。この回転分だけスプール18からのウエビングベルト20の引き出しが許容される。このとき、トーションシャフト50の捩り荷重は、フォースリミッタ荷重としてウエビングベルト20に作用する。
このようにロックベース34に対してスプール18が引出方向に回転を開始すると、図3に示されるように、ワイヤ60の頭部68がロックベース34に形成された溝部56の形成方向に沿ってロックベース34の中心軸線(スプール18の中心軸線)周りに回転移動する。このとき、ワイヤホルダ70は、ワイヤ60の回転移動に伴ってスプール18と共にロックベース34に対し相対回転する。このため、ワイヤ60の変形荷重は発生しない。
ロックベース34に対してスプール18が引出方向に所定量(本実施形態では一回転弱)相対回転すると、図3(B)に示されるように、ワイヤ60の頭部68が溝部56のストッパ部58に当接してロックベース34に対して相対回転移動が規制される。これにより、ワイヤ60の頭部68及び係止部66が溝部56のストッパ部58やワイヤホルダ70の支持孔74(図1参照)によって所定位置にて保持され(係止状態とされ)、その後さらにロックベース34に対してスプール18が引出方向(矢印B方向)に回転することで図1に示されるワイヤ60の挿込部62が挿通孔54から抜け出る(収容位置(配設位置)から引き出される。)。このようにして挿通孔54から抜け出た挿込部62は、挿通孔54の開口縁にしごかれて変形(すなわち、順次継続的に屈曲させられてエネルギーを吸収)するようになっており、環状溝52の周方向(図2参照)に屈曲すると共に、環状溝52に倣って湾曲する。
すなわち、トーションシャフト50の捩り荷重が発生した後、スプール18からウエビングベルト20が所定量引き出されたタイミングでワイヤ60の変形荷重が発生し、この変形荷重がフォースリミッタ荷重として加えられてウエビングベルト20に作用する。このように、本ウエビング巻取装置10では、トーションシャフト50及びワイヤ60の作動タイミングをずらしてフォースリミッタ荷重をコントロールしている(二段フォースリミッタの付加荷重コントロール)。このため、フォースリミッタ荷重はウエビングベルト20の引出し量に応じて所定の高荷重になる。
また、このときのワイヤ60の保持側(他端側)での荷重の一部は係止部66にてワイヤホルダ70の支持孔74の孔縁によって支持されるので、ワイヤ60の係止部66、頭部68側の支持強度は比較的簡易な構成によって確保される。なお、フォースリミッタ荷重として作用するワイヤ60の変形荷重は、ワイヤ60の挿込部62が挿通孔54から完全に抜け切ってワイヤ60の変形が終了するまで持続する。
図4には、本実施形態に係るウエビング巻取装置10のFL荷重特性(フォースリミッタ荷重特性)がグラフにて示されている。FL荷重F1は、トーションシャフト50の変形荷重であり、FL荷重F2は、トーションシャフト50の変形荷重とワイヤ60の変形荷重との和である。また、ストロークS1は、図3(B)に示されるワイヤ60の頭部68が溝部56のストッパ部58に当接した時点でのストロークであり、ストロークS2は、ワイヤ60の挿込部62が挿通孔54から完全に抜け切ってワイヤ60の変形が終了した時点でのストロークである。この図に示されるように、ウエビング巻取装置10では、フォースリミッタ荷重がウエビングベルト20の引出し量に応じて上げられ、エネルギーの吸収が図られる。
以上説明したように、本実施形態に係るウエビング巻取装置10によれば、トーションシャフト50を径方向に大型化することなく、フォースリミッタ荷重をウエビングベルト20の引出し量に応じて所定の高荷重に上げることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係るウエビング巻取装置について、図5及び図6を用いて説明する。図5は、本発明の第2の実施形態に係るウエビング巻取装置80の構成の概略が正面断面図(第1の実施形態の図1に相当する図)により示されており、図6にはウエビング巻取装置80の要部の構成が分解斜視図(第1の実施形態の図2に相当する図)により示されている。
これらの図に示されるように、ウエビング巻取装置80は、ロックベース34の溝部56(図2等参照)に代えてワイヤホルダ70に溝部82が形成される点、及びロックベース34にストッパ部84(図6参照)が形成される点で、第1の実施形態に係るウエビング巻取装置10とは異なる。他の構成は、第1の実施形態とほぼ同様の構成となっている。よって、第1の実施形態と実質的に同様の構成部については、同一符号を付して説明を省略する。また、本実施形態においても、スプール18が請求項1記載の「ロックベース及びスプールのいずれか一方」となっており、ロックベース34が請求項1記載の「ロックベース及びスプールのいずれか他方」となっている。
ワイヤホルダ70に形成された溝部82は、ロックベース34との対向部に設けられてワイヤホルダ70の中心軸線(スプール18の中心軸線)を中心とする円弧状に形成されており、ワイヤホルダ70のロックベース34側へ向けられた端面にて開口している。この溝部82の内幅寸法(溝部82におけるワイヤホルダ70の径方向に沿った寸法)は、一定とされている。なお、本実施形態では、溝部82にて巻取方向(矢印A方向)の終端側に支持孔74が貫通形成され、支持孔74の一端が溝部82の底部にて開口した構造とされている。
一方、図6に示されるように、ロックベース34に形成されたストッパ部84は、ワイヤホルダ70との対向部でワイヤホルダ70の溝部82内に配置可能な位置に設けられて短円柱状とされ、直径が溝部82の内幅寸法よりも僅かに小さい寸法に設定されている。このストッパ部84は、ロックベース34に対してスプール18が引出方向(矢印B方向)に所定量回転した後にワイヤ60の頭部68のロックベース34に対する相対回転移動を当接によって直接規制する(止める)ようになっている。このような構成によっても、前述した第1実施形態と同様の作用及び効果が得られる。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態に係るウエビング巻取装置について、図7〜図9を用いて説明する。図7には、本発明の第3の実施形態に係るウエビング巻取装置90の要部の構成が分解斜視図(第1の実施形態の図2に相当する図)により示されており、図8及び図9には、ウエビング巻取装置90の要部の作動状態が模式的な側断面図により示されている。
これらの図に示されるように、ウエビング巻取装置90は、複数本(本実施形態では二本)の長尺状部材としてのワイヤ60、92が配設される構成になっている点で、第1の実施形態に係るウエビング巻取装置10(図2等参照)とは異なる。他の構成は、第1の実施形態とほぼ同様の構成となっている。よって、第1の実施形態と実質的に同様の構成部については、同一符号を付して説明を省略する。また、本実施形態においても、スプール18が請求項1記載の「ロックベース及びスプールのいずれか一方」となっており、ロックベース34が請求項1記載の「ロックベース及びスプールのいずれか他方」となっている。
図7に示されるように、ウエビング巻取装置90は、複数本(本実施形態では二本)のワイヤ60、92を備えている。ワイヤ92は、ワイヤ60と同様の構成とされており、一端側に挿込部62と同様の挿込部94を備えると共に、他端側に頭部68と同様の頭部100を備えている。また、ワイヤ92において、挿込部94と頭部100との間には、第一屈曲部63と同様の第一屈曲部95、湾曲部64と同様の湾曲部96、第二屈曲部65と同様の第二屈曲部97、及び係止部66と同様の係止部98が形成されている。
ワイヤ92の挿込部94は、スプール18に形成された挿通孔102に挿し込まれて収容(配設)されている。挿通孔102は、挿通孔54と同様に一端が環状溝52の底部にて開口しており、スプール18の中心軸線の向きに貫通している。また、この挿通孔102は、スプール18の中心軸線を挟んで挿通孔54の反対側の位置からスプール18の中心軸線周りにずれた位置に形成されている。
この挿通孔102に対応して、ワイヤホルダ70には、ワイヤ92の他端側を貫通させて支持するための支持孔104が形成されている。この支持孔104は、ワイヤホルダ70の中心軸線を挟んで支持孔74の反対側の位置からワイヤホルダ70の中心軸線周りにずれた位置に形成されており、ワイヤホルダ70の厚さ方向(ワイヤホルダ70の中心軸線の向きと同じ向き)に貫通している。また、組付け状態では、この支持孔104の内側にワイヤ92の係止部98が配置されている。
ワイヤ92の頭部100は、ロックベース34に形成された溝部106内に配設されている。溝部106は、ロックベース34のワイヤホルダ70との対向部において、ロックベース34の中心軸線(スプール18の中心軸線)を中心とする半円弧状に形成されており、ロックベース34のワイヤホルダ70側へ向けられた端面にて開口している。これにより、ワイヤ92の頭部100は、ロックベース34の側において溝部106内に配設されてロックベース34に対して相対移動可能とされている。一方、同様にロックベース34に形成された溝部56は、第1の実施形態ではロックベース34の中心軸線の周りを一周弱しているが、本実施形態では半円弧よりも短い円弧形状に形成されている。すなわち、溝部106は、溝部56よりも円弧方向の長さが長く設定されている。
また、溝部106にてスプール18の引出方向(矢印B方向)の終端側の溝縁部は、ストッパ部108(規制部)とされている。このストッパ部108は、ロックベース34に対してスプール18が引出方向(矢印B方向)に所定量回転した後にワイヤ92の頭部100のロックベース34に対する相対回転移動を当接によって直接規制する(止める)ようになっている(図9参照)。換言すれば、(いずれか他方としての)ロックベース34に対するワイヤ92の(他端側の)頭部100の相対移動がロックベース34の一部により規制される構成となっている。
以上の構成により、ワイヤ92は、ロックベース34に対してスプール18が引出方向(矢印B方向)に所定量回転した後にロックベース34側のストッパ部108によりロックベース34に対する他端側の頭部100の相対移動が規制されると共にロックベース34に対してスプール18が引出方向(矢印B方向)にさらに回転することで一端側の挿込部94がスプール18の挿通孔102(収容位置(配設位置))から引き出されつつ順次屈曲(抜き出されつつ変形)させられてエネルギーを吸収するようになっている。
(作用・効果)
次に、上記実施形態の作用及び効果について説明する。
ロックベース34に対してスプール18が引出方向(矢印B方向)に回転を開始すると、図8に示されるように、ワイヤ60の頭部68がロックベース34の溝部56の形成方向に沿って回転移動すると共に、ワイヤ92の頭部100がロックベース34の溝部106の形成方向に沿って回転移動する。このとき、ワイヤホルダ70は、ワイヤ60、92の回転移動に伴ってスプール18と共にロックベース34に対し相対回転する。このため、ワイヤ60、92の変形荷重は発生しない。
ロックベース34に対してスプール18が引出方向(矢印B方向)に所定量相対回転すると、図8(B)に示されるように、まずワイヤ60の頭部68が溝部56のストッパ部58に当接し、ロックベース34に対するワイヤ60の相対回転移動が規制される。その後、ロックベース34に対してスプール18が引出方向(矢印B方向)に回転すると、図7に示されるワイヤ60の挿込部62が挿通孔54から抜け出されつつ挿通孔54の開口縁にしごかれて変形(順次屈曲させられてエネルギーを吸収)すると共に、図9に示されるように、ワイヤ92の頭部100が溝部106のストッパ部108に当接し、ロックベース34に対するワイヤ92の相対回転移動が規制される。
その後さらにロックベース34に対してスプール18が引出方向(矢印B方向)に回転することで図7に示されるワイヤ92の挿込部94が挿通孔102から抜け出る(収容位置(配設位置)から引き出される。)。このようにして挿通孔102から抜け出た挿込部94は、挿通孔102の開口縁にしごかれて変形(すなわち、順次屈曲させられてエネルギーを吸収)し、環状溝52の周方向に屈曲すると共に、環状溝52に倣って湾曲する。
すなわち、トーションシャフト50の捩り荷重が発生した後、まず、スプール18からウエビングベルト20が所定量引き出されたタイミングでワイヤ60の変形荷重が発生し、さらにスプール18からウエビングベルト20が所定量引き出されたタイミングでワイヤ92の変形荷重が発生する。これらの変形荷重がフォースリミッタ荷重として加えられてウエビングベルト20に作用する。このように、本ウエビング巻取装置90では、トーションシャフト50、ワイヤ60及びワイヤ92の作動タイミングをずらしてフォースリミッタ荷重をコントロールしている。このため、フォースリミッタ荷重はウエビングベルト20の引出し量に応じて所定の高荷重になる。
[第4の実施形態]
また、図示を省略するが、第4の実施形態として、長尺状部材としてのワイヤは、一端側がロックベースの側に収容(配設)されてロックベースと共に移動可能とされると共に他端側がスプールの側に配設されてスプールに対して相対移動可能とされ、ロックベースに対してスプールが引出方向に所定量回転した後にスプールに対するワイヤの他端側の相対移動がスプールにより規制されると共にロックベースに対してスプールが引出方向にさらに回転することでワイヤの一端側がロックベースの収容位置(配設位置)から引き出されつつ順次屈曲させられてエネルギーを吸収してもよい。
より具体的には、例えば、図2に示される構成の変形例として説明すると、スプール18には、環状溝52に代えて、溝部56に相当してワイヤホルダ70側に開口した円弧状の溝部が形成され、この溝部内にワイヤ60の頭部68が配設されると共に、ロックベース34には、溝部56に代えて、環状溝52に相当してワイヤホルダ70側に開口した円形の環状溝が形成され、この環状溝の所定部位にてワイヤ60の一端側がロックベース34を厚さ方向に貫通し、さらに、ロックベース34を貫通したワイヤ60の一端側は、ロックベース34におけるワイヤホルダ70とは反対側の部位にてロックベース34の中心軸線を中心とする円弧状の収容溝部内(又は円筒部)に巻き付けられて配設されているような構成にしてもよい。
[実施形態の補足説明]
なお、上記第1〜第3の実施形態のストッパ部58、84、108は、ロックベース34に対してスプール18が引出方向(矢印B方向)に所定量回転した後にワイヤ60、92の頭部68、100のロックベース34に対する相対回転移動を当接によって直接規制する(止める)ようになっているが、ロックベースに形成されるストッパ部は、ロックベースに対してスプールが引出方向に所定量回転した後にロックベースに対する長尺状部材の他端側の相対回転移動を間接的に規制するストッパ部であってもよい。一例として、例えば、図6に示されるワイヤホルダ70の溝部82が支持孔74から離れて形成され、ロックベース34に対してスプール18が引出方向(矢印B方向)に所定量回転した後にストッパ部84が当該溝部(支持孔74から離れて形成された溝部)の溝縁部に当接することによって、ロックベース34に対するワイヤホルダ70及びワイヤ60の頭部68の相対回転移動を規制する(止める)ような構成でもよい。
また、上記実施形態では、長尺状部材がワイヤ60、92で構成されているが、長尺状部材は、例えば、プレート等のような他の長尺状部材としてもよいし、このような他の長尺状部材は複数あってもよい。
また、上記実施形態では、ワイヤ60、92は初期形状がクランク状とされているが、長尺状部材としてのワイヤは初期形状が直線形状であってもよい。
さらに、上記第1〜第3の実施形態では、スプール18とロックベース34との間に設けられた回転体としてのワイヤホルダ70がワイヤ60、92の他端側を貫通させて支持しているが、例えば、このようなワイヤホルダ70を設けずに、ロックベースに直接長尺状部材の他端側を支持させる構造を設けてもよい。
さらにまた、第1、第2の実施形態の変形例として、例えば、ワイヤホルダ70とロックベース34との間に回転部材を配置し、ロックベース34に対するワイヤ60の他端側の相対回転移動を規制するタイミングをさらに遅らせる構成としてもよい。一例として、例えば、図2のワイヤホルダ70とロックベース34との間にワイヤホルダ70と同様のサイズの円環状の回転部材を配置し、この回転部材のワイヤホルダ70との対向部にはロックベース34の溝部56と同様の溝部が形成されると共に、前記回転部材のロックベース34との対向部にはロックベース34の溝部56内に配置される短円柱部が形成されるような構成としてもよい。また、さらに、前記回転部材とロックベース34との間に単一の又は複数の前記回転部材と同様の回転部材を配置してもよい。
なお、上記第1〜第3の実施形態では、挿通孔54、102は、スプール18をスプール18の中心軸方向に貫通しているが、挿通孔は、スプール(18)の脚板(14)側(軸方向他端部側)の端面にて開口していない構成の挿通孔でもよい。また、スプール(18)には、挿通孔(54、102)に代えて、挿通孔(54、102)とほぼ同様の位置に形成されてスプール(18)の外周部(ウエビングベルト(20)が巻き取られる側)にて開口した収容溝部が形成されて、この収容溝部にワイヤ(60、92)が収容(配設)されてもよい。
すなわち、スプール(18)には、挿通孔(54、102)が形成されていなくても、ワイヤ(60、92)が順次屈曲される際にワイヤ(60、92)の屈曲内側で支持する第一支持部(第一の壁部やピン等)が形成されると共に、ワイヤ(60、92)を挟んで第一支持部とは反対側(例えば、斜向かい)でワイヤ(60、92)が順次屈曲される際にワイヤ(60、92)が屈曲される側とは反対側でワイヤ(60、92)の一端側(先端側)を支持する第二支持部(第二の壁部やピン等)が形成されていればよい。また、これらに加えて、ロックベース(34)に対するワイヤ(60、92)の他端側(頭部68、100や係止部66、98)の相対移動を当接によって所定位置で規制する第三支持部(第三の壁部やピン等)がロックベース(34)に形成されていれば、ワイヤ(60、92)は、ロックベース(34)に対してスプール(18)が引出方向(矢印B方向)に所定量回転した後に順次屈曲させられる。
また、上記第1〜第3の実施形態では、環状溝52がスプール18の脚板16側の端部(軸方向一端部)に形成されているが、このような環状溝は回転体としてのワイヤホルダ(70)のスプール(18)との対向部に形成されてもよい。
10 ウエビング巻取装置
18 スプール
20 ウエビングベルト
30 ロック機構(ロック手段)
34 ロックベース
50 トーションシャフト
60 ワイヤ(長尺状部材)
70 ワイヤホルダ(回転体)
80 ウエビング巻取装置
90 ウエビング巻取装置
92 ワイヤ(長尺状部材)
B 引出方向

Claims (2)

  1. 長尺帯状のウエビングベルトの長手方向基端側が係止され、外周部に前記ウエビングベルトを巻き取ると共に、前記ウエビングベルトの引き出しに伴い引出方向に回転するスプールと、
    前記スプールの軸方向一端部の側方に設けられ、前記スプールと同軸的でかつ相対回転可能とされると共に前記スプールの回転力が伝わることで回転可能なロックベースと、
    車両急減速状態及び前記スプールが急激に引出方向へ回転した状態の少なくともいずれかの一方の状態で前記引出方向への前記ロックベースの回転を規制するロック手段と、
    前記スプールの内側で前記スプールに対して同軸的に配置されて前記ロックベースを前記スプールに一体的に連結すると共に、前記ロック手段による前記ロックベースの回転規制状態で前記引出方向への所定の大きさ以上の回転力が前記スプールに付与された場合に、捩れ変形して前記ロックベースに対する前記スプールの回転を許容するトーションシャフトと、
    一端側が前記ロックベース及び前記スプールのいずれか一方の側に配設されて前記いずれか一方と共に移動可能とされると共に他端側が前記ロックベース及び前記スプールのいずれか他方の側に配設されて前記いずれか他方に対して相対移動可能とされ、前記ロックベースに対して前記スプールが前記引出方向に所定量回転した後に前記いずれか他方に対する前記他端側の相対移動が前記いずれか他方により規制されると共に前記ロックベースに対して前記スプールが前記引出方向にさらに回転することで前記一端側が前記いずれか一方の側の配設位置から引き出されつつ順次屈曲させられてエネルギーを吸収する長尺状部材と、
    を有するウエビング巻取装置。
  2. 前記スプールと前記ロックベースとの間には前記スプール及び前記ロックベースと同軸的でかつ相対回転可能とされた回転体が設けられ、前記回転体は前記長尺状部材の他端側を貫通させて支持する請求項1記載のウエビング巻取装置。
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