JP2010160327A - プロキシミティ露光装置、プロキシミティ露光装置の基板位置決め方法、及び表示用パネル基板の製造方法 - Google Patents

プロキシミティ露光装置、プロキシミティ露光装置の基板位置決め方法、及び表示用パネル基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】大型の基板を精度良く回転して位置決めする。
【解決手段】チャック10を回転するθステージ8を、内輪42aと外輪42bとの間に配置した複数のころ42cが回転して、内輪42aと外輪42bとが相対的に回転するころ軸受42と、ころ軸受42の外側に環状に設置されたレール43aに沿って移動ブロック43bが移動するガイド43とで構成し、θステージ8によりチャック10を回転して基板1の位置決めを行う。ころ軸受42は、θステージ8の回転精度を保つ役目を果し、ガイド43は、チャック10及び基板1の重量による縦方向の荷重の大部分を支える役目を果す。大型の基板1が精度良く回転されて位置決めされ、露光精度が向上する。
【選択図】図7

Description

本発明は、液晶ディスプレイ装置等の表示用パネル基板の製造において、プロキシミティ方式を用いて基板の露光を行うプロキシミティ露光装置、プロキシミティ露光装置の基板位置決め方法、及びそれらを用いた表示用パネル基板の製造方法に係り、特に、大型の基板の露光を行うのに好適なプロキシミティ露光装置、プロキシミティ露光装置の基板位置決め方法、及びそれらを用いた表示用パネル基板の製造方法に関する。
表示用パネルとして用いられる液晶ディスプレイ装置のTFT(Thin Film Transistor)基板やカラーフィルタ基板、プラズマディスプレイパネル用基板、有機EL(Electroluminescence)表示パネル用基板等の製造は、露光装置を用いて、フォトリソグラフィー技術により基板上にパターンを形成して行われる。露光装置としては、レンズ又は鏡を用いてマスクのパターンを基板上に投影するプロジェクション方式と、マスクと基板との間に微小な間隙(プロキシミティギャップ)を設けてマスクのパターンを基板へ転写するプロキシミティ方式とがある。プロキシミティ方式は、プロジェクション方式に比べてパターン解像性能は劣るが、照射光学系の構成が簡単で、かつ処理能力が高く量産用に適している。
プロキシミティ露光装置は、基板を支持するチャックと、マスクを保持するマスクホルダとを備え、マスクホルダに保持されたマスクとチャックに支持された基板とを極めて接近させて露光を行う。チャックの下方には、X方向へ移動するXステージ、Y方向へ移動するYステージ、及びθ方向へ回転するθステージが設けられており、これらのステージによってチャックを移動及び回転することにより、露光時の基板の位置決めが行われる。なお、この様な露光装置として、特許文献1に記載のものがある。
特開2008−9012号公報
プロキシミティ露光装置のθステージには、チャック及び基板の重量を支持する剛性と、ぶれ無く真円度の高い回転を行う回転精度とが要求される。従来、プロキシミティ露光装置のθステージには、環状のレールと、レールに沿って移動する移動ブロックとから成るガイドが用いられていた。しかしながら、近年の表示用パネルの大画面化に伴い基板が大型化すると、チャック及びθステージも大型化し、大型のレールを高い真円度で製作及び設置することが困難になってきた。そのため、θステージによる基板の位置決めが精度良く行われず、露光精度が低下するという問題があった。
本発明の課題は、大型の基板を精度良く回転して位置決めすることである。また、本発明の課題は、大型で高品質な表示用パネル基板を製造することである。
本発明のプロキシミティ露光装置は、基板を支持するチャックと、マスクを保持するマスクホルダとを備え、マスクと基板との間に微小なギャップを設けて、マスクのパターンを基板へ転写するプロキシミティ露光装置において、内輪と外輪との間に配置した複数のころが回転して、内輪と外輪とが相対的に回転するころ軸受と、ころ軸受の外側に環状に設置されたレールに沿って移動ブロックが移動するガイドとを有し、チャックを回転して基板の位置決めを行うθステージを備えたものである。
また、本発明のプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法は、基板を支持するチャックと、マスクを保持するマスクホルダとを備え、マスクと基板との間に微小なギャップを設けて、マスクのパターンを基板へ転写するプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法であって、チャックを回転するθステージを、内輪と外輪との間に配置した複数のころが回転して、内輪と外輪とが相対的に回転するころ軸受と、ころ軸受の外側に環状に設置されたレールに沿って移動ブロックが移動するガイドとで構成し、θステージによりチャックを回転して基板の位置決めを行うものである。
本発明で用いるころ軸受は、内輪と、外輪と、内輪と外輪との間に配置した複数のころとを有し、複数のころが内輪と外輪との間で回転して、内輪と外輪とが相対的に回転するものである。この様なころ軸受は、レールと移動ブロックから成るガイドに比べて回転精度は高いが、大型のものを製作するのが困難である。そこで、本発明では、チャックを回転するθステージを、ころ軸受と、ころ軸受の外側に環状に設置されたレールに沿って移動ブロックが移動するガイドとで構成し、θステージによりチャックを回転して基板の位置決めを行う。ころ軸受は、θステージの回転精度を保つ役目を果し、ガイドは、チャック及び基板の重量による縦方向の荷重の大部分を支える役目を果す。また、チャックをXY方向へ移動する際、ころ軸受は、横方向の荷重を支える役目を果し、ガイドは、減速時に掛かる回転モーメントによる荷重を支える役目を果す。
さらに、本発明のプロキシミティ露光装置は、ころ軸受が、内輪と外輪との間に複数のころを交互に直交させて配置したクロスローラベアリングであるものである。また、本発明のプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法は、ころ軸受として、内輪と外輪との間に複数のころを交互に直交させて配置したクロスローラベアリングを用いるものである。クロスローラベアリングは、複数のころを交互に直交させて配置しているため、縦方向及び横方向の荷重を支えることができ、ガイドの荷重の負担が少なくなる。
さらに、本発明のプロキシミティ露光装置は、ガイドのレールが、ころ軸受に取り付けた測定器具を用いて真円度を測定しながら、ころ軸受の外側に環状に設置されたものである。また、本発明のプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法は、ころ軸受に取り付けた測定器具を用いて、ガイドのレールの真円度を測定しながら、ガイドのレールをころ軸受の外側に環状に設置するものである。ころ軸受に取り付けた測定器具を用いて、ガイドのレールが高い真円度で設置される。
さらに、本発明のプロキシミティ露光装置は、θステージが、ころ軸受とガイドとの間に設けられ、両者の高さの差により変位する弾性体を有するものである。また、本発明のプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法は、ころ軸受とガイドとの間に、両者の高さの差により変位する弾性体を設けるものである。ころ軸受又はガイドの設置高さに誤差があっても、両者の間に設けた弾性体が変位して、両者の高さの差を吸収する。
本発明の表示用パネル基板の製造方法は、上記のいずれかのプロキシミティ露光装置を用いて基板の露光を行い、あるいは、上記のいずれかのプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法を用いて基板を位置決めして、基板の露光を行うものである。大型の基板が精度良く回転されて位置決めされ、露光精度が向上するので、大型で高品質な表示用パネル基板が製造される。
本発明のプロキシミティ露光装置及びプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法によれば、チャックを回転するθステージを、内輪と外輪との間に配置した複数のころが回転して、内輪と外輪とが相対的に回転するころ軸受と、ころ軸受の外側に環状に設置されたレールに沿って移動ブロックが移動するガイドとで構成し、θステージによりチャックを回転して基板の位置決めを行うことにより、ころ軸受によってθステージの回転精度を保ち、かつ、ガイドによってチャック及び基板の重量による縦方向の荷重の大部分を支えることができるので、大型の基板を精度良く回転して位置決めすることができる。従って、露光精度を向上させることができる。
さらに、本発明のプロキシミティ露光装置及びプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法によれば、ころ軸受として、内輪と外輪との間に複数のころを交互に直交させて配置したクロスローラベアリングを用いることにより、ガイドの荷重の負担を少なくすることができる。
さらに、本発明のプロキシミティ露光装置及びプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法によれば、ころ軸受に取り付けた測定器具を用いて、ガイドのレールの真円度を測定しながら、ガイドのレールをころ軸受の外側に環状に設置することにより、ガイドのレールを高い真円度で設置することができる。
さらに、本発明のプロキシミティ露光装置及びプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法によれば、ころ軸受とガイドとの間に、両者の高さの差により変位する弾性体を設けることにより、ころ軸受又はガイドの設置高さに誤差があっても、両者の高さの差を吸収することができる。
本発明の表示用パネル基板の製造方法によれば、大型の基板を精度良く回転して位置決めすることができ、露光精度を向上させることができるので、大型で高品質な表示用パネル基板を製造することができる。
本発明の一実施の形態によるプロキシミティ露光装置の概略構成を示す図である。 本発明の一実施の形態によるプロキシミティ露光装置の平面図である。 図3(a)はチャックの上面図、図3(b)はチャック及びチャック支持台の側面図である。 図4(a)はチャック支持台の上面図、図4(b)はチャック支持台の側面図である。 高さ調整機構の一部断面側面図である。 本発明の一実施の形態によるプロキシミティ露光装置のθステージの平面図である。 図6のA−A部の一部断面側面図である。 図8(a)はころ軸受の平面図、図8(b)は図8(a)のB−B部の断面図である。 ガイドのレールの設置方法を説明する図である。 θステージに掛かる荷重を説明する図である。 液晶ディスプレイ装置のTFT基板の製造工程の一例を示すフローチャートである。 液晶ディスプレイ装置のカラーフィルタ基板の製造工程の一例を示すフローチャートである。
図1は、本発明の一実施の形態によるプロキシミティ露光装置の概略構成を示す図である。また、図2は、本発明の一実施の形態によるプロキシミティ露光装置の平面図である。プロキシミティ露光装置は、ベース3、Xガイド4、Xステージ5、Yガイド6、Yステージ7、θステージ8、チャック支持台9、チャック10、及びマスクホルダ20を含んで構成されている。プロキシミティ露光装置は、これらの他に、基板1をチャック10へ搬入し、また基板1をチャック10から搬出する基板搬送ロボット、露光光を照射する照射光学系、装置内の温度管理を行う温度制御ユニット等を備えている。
なお、以下に説明する実施の形態におけるXY方向は例示であって、X方向とY方向とを入れ替えてもよい。
図2において、チャック10は、基板1のロード及びアンロードを行うロード/アンロード位置にある。ロード/アンロード位置において、図示しない基板搬送ロボットにより、基板1がチャック10へ搬入され、また基板1がチャック10から搬出される。チャック10への基板1のロード及びチャック10からの基板1のアンロードは、チャック10に設けた複数の突き上げピンを用いて行われる。突き上げピンは、チャック10の内部に収納されており、チャック10の内部から上昇して、基板1をチャック10にロードする際、基板搬送ロボットから基板1を受け取り、基板1をチャック10からアンロードする際、基板搬送ロボットへ基板1を受け渡す。
基板1の露光を行う露光位置の上空には、マスク2を保持するマスクホルダ20が設置されている。マスクホルダ20は、マスク2の周辺部を真空吸着して保持する。マスクホルダ20に保持されたマスク2の上空には、図示しない照射光学系が配置されている。露光時、照射光学系からの露光光がマスク2を透過して基板1へ照射されることにより、マスク2のパターンが基板1の表面に転写され、基板1上にパターンが形成される。
図1において、チャック10は、チャック支持台9を介してθステージ8に搭載されており、θステージ8の下にはYステージ7及びXステージ5が設けられている。Xステージ5は、ベース3に設けられたXガイド4に搭載され、Xガイド4に沿ってX方向(図1の図面横方向)へ移動する。Yステージ7は、Xステージ5に設けられたYガイド6に搭載され、Yガイド6に沿ってY方向(図1の図面奥行き方向)へ移動する。θステージ8は、Yステージ7に搭載され、θ方向へ回転する。チャック支持台9は、θステージ8に搭載され、チャック10を支持する。
Xステージ5のX方向への移動及びYステージ7のY方向への移動により、チャック10は、ロード/アンロード位置と露光位置との間を移動される。ロード/アンロード位置において、Xステージ5のX方向への移動、Yステージ7のY方向への移動、及びθステージ8のθ方向への回転により、チャック10に搭載された基板1のプリアライメントが行われる。露光位置において、Xステージ5のX方向への移動及びYステージ7のY方向への移動により、チャック10に搭載された基板1のXY方向へのステップ移動が行われる。そして、Xステージ5のX方向への移動、Yステージ7のY方向への移動、及びθステージ8のθ方向への回転により、基板1の位置決めが行われる。また、図示しないZ−チルト機構によりマスクホルダ20をZ方向(図1の図面上下方向)へ移動及びチルトすることにより、マスク2と基板1とのギャップ合わせが行われる。
なお、本実施の形態では、マスクホルダ20をZ方向へ移動及びチルトすることにより、マスク2と基板1とのギャップ合わせを行っているが、チャック支持台9にZ−チルト機構を設けて、チャック10をZ方向へ移動及びチルトすることにより、マスク2と基板1とのギャップ合わせを行ってもよい。
図3(a)はチャックの上面図、図3(b)はチャック及びチャック支持台の側面図である。図3(a)において、チャック10の表面には、図示しない凸部と土手と吸着孔とが設けられている。凸部は、直径数mmのピン形状であり、チャック10の表面に所定の間隔で複数設けられている。チャック10に基板1が搭載されたとき、凸部は、基板1を複数の点で支持する。このとき、チャック10の表面の凸部以外の部分と基板1との間には、空間が形成される。土手は、所定の幅の連続した壁であり、チャック10の表面の凸部以外の部分と基板1との空間に、真空区画を形成する。土手は、チャック10の表面形状が基板1の表面に焼き付けられる裏面転写が発生したときに人間の目で認識され難い様に、直線ではなく不規則な線で構成されている。吸着孔は、チャック10の表面の凸部及び土手以外の部分に所定の間隔で複数設けられ、土手により形成された真空区画の真空引きを行う。
なお、チャック10の表面には、凸部と土手と吸着孔の他に、突き上げピンが通る貫通孔が設けられているが、図3(a)ではそれらも省略されている。
図3(b)において、チャック支持台9は、チャック10の裏面を複数箇所で支持する。チャック支持台9には、後述する様に、チャック支持台9がチャック10の裏面を支持する高さを調整する複数の高さ調整機構が設けられている。
図4(a)はチャック支持台の上面図、図4(b)はチャック支持台の側面図である。チャック支持台9は、フレーム30、及び調整ねじ31を含む高さ調整機構を含んで構成されている。フレーム30は、図1のθステージ8に搭載されている。フレーム30は、放射状又は縦横に伸びる所定の厚さの複数のスポークを有し、各スポークの中間及び先端には、所定の厚さのリムが取り付けられて、格子状の枠を形成している。フレーム30の上面には、調整ねじ31を含む高さ調整機構が取り付けられている。
なお、本実施の形態では、高さ調整機構が72箇所に取り付けられているが、高さ調整機構の数及びそれらの配置は、チャックの大きさ及び形状に応じて適宜決定される。
図3(b)において、チャック10の裏面には、調整ねじ31が接触する複数の支持部15が設けられている。調整ねじ31は、チャック10の裏面に設けられた支持部15に接触し、チャック10の裏面を複数の点で支持する。
図5は、高さ調整機構の一部断面側面図である。高さ調整機構は、フレーム30に設けられたねじ穴と、調整ねじ31、ばね座金32、平座金33、及び止めナット34とを含んで構成されている。チャック10の裏面に設けられた支持部15は、ねじ受け16、カバー17、及びボルト18から成る。
調整ねじ31の頭は、球面の一部を形成しており、その頂点がねじ受け16に接触している。調整ねじ31の頭とカバー17との間には、ばね座金32が入れられ、カバー17は、ボルト18によりねじ受け16に固定されている。ばね座金32を調整ねじ31の頭とカバー17との間に入れることにより、チャック10の横方向へのずれが防止される。
調整ねじ31のねじ部31aは、フレーム30に設けられたねじ穴にねじ込まれている。調整ねじ31のねじ部31aには、平座金33及び止めナット34が取り付けられており、止めナット34により調整ねじ31がフレーム30に固定されている。止めナット34を緩め、調整ねじ31のねじ込み量を調整して、再び止めナット34を締めることにより、調整ねじ31がチャック10の裏面を支持する点の高さが調整される。
図6は、本発明の一実施の形態によるプロキシミティ露光装置のθステージの平面図である。また、図7は、図6のA−A部の一部断面側面図である。θステージ8は、回転テーブル40、軸受けベース41、ころ軸受42、ガイド43、板ばね44、及びθステージ駆動機構を含んで構成されている。図6及び図7において、回転テーブル40の中央部には円形の開口が形成されており、開口にはころ軸受42が取り付けられている。
図8(a)はころ軸受の平面図、図8(b)は図8(a)のB−B部の断面図である。図8(b)に示す様に、ころ軸受42は、内輪42aと、外輪42bと、内輪42aと外輪42bとの間に配置した複数のころ42cとを有する。内輪42aの外周面及び外輪42bの内周面には、V字状の溝が設けられている。両者の溝の間には、筒状のころ42cが組み込まれており、複数のころ42cが溝内で回転して、内輪42aと外輪42bとが相対的に回転する。
本実施の形態では、ころ軸受42として、内輪42aと外輪42bとの間に複数のころ42cを交互に直交させて配置したクロスローラベアリングを用いる。クロスローラベアリングは、複数のころ42cを交互に直交させて配置しているため、縦方向及び横方向の荷重を支えることができ、後述するガイド43の荷重の負担が少なくなる。
図7において、ころ軸受42の内輪42aは、Yステージ7上に設けられた軸受けベース41に固定されている。ころ軸受42の外輪42bは、回転テーブル40の開口に取り付けられている。回転テーブル40には、図1のチャック支持台9が搭載されており、ころ軸受42の外輪42bが回転テーブル40と伴に回転することにより、チャック支持台9に支持されたチャック10が回転して、基板1のプリアライメント及び位置決めが行われる。
回転テーブル40の下方には、レール43aと移動ブロック43bとから成るガイド43が設けられている。レール43aは、Yステージ7上のころ軸受42の外側に環状に設置されている。移動ブロック43bは、回転テーブル40の下面に取り付けられており、レール43aに搭載され、レール43aに沿って移動する。
図9は、ガイドのレールの設置方法を説明する図である。ころ軸受42の外輪42bにゲージブロック51を取り付け、ゲージブロック51から伸びたアームの先端にダイヤルゲージ50を取り付ける。ころ軸受42の外輪42bを回転して、ダイヤルゲージ50によりレール43bの真円度を測定しながら、レール43bをころ軸受42の外側に環状に設置する。ころ軸受42に取り付けたダイヤルゲージ50を用いて、レール43bが高い真円度で設置される。
図6及び図7において、回転テーブル40ところ軸受42の外輪42bとは、複数の板ばね44によって接続されている。ころ軸受42又はガイド43の設置高さに誤差があっても、両者の間に設けた板ばね44が変位して、両者の高さの差を吸収する。
図6において、θステージ駆動機構は、モータ45、ボールねじ46、及びコイルバネ47を含んで構成されている。回転テーブル40には、回転テーブル40を駆動するための突起40aが設けられている。突起40aには、コイルバネ47を介して、ボールねじ46のナットが接続されている。モータ45がボールねじ46を回転することにより、ボールねじ46のナットが移動して、回転テーブル40がθ方向に回転する。
図10は、θステージに掛かる荷重を説明する図である。チャック支持台9、チャック10及び基板1の重量により、θステージ8には、矢印Cで示す縦方向に荷重が掛かる。ガイド43は、この縦方向の荷重の大部分を支える役目を果す。また、チャック10をXY方向へ移動する際、θステージ8には、矢印Dで示す横方向に荷重が掛かる。ころ軸受42は、θステージ8の回転精度を保つ役目を果すと伴に、この横方向の荷重を支える役目を果す。さらに、チャック10をXY方向へ移動して停止する際の減速時に、θステージ8には、矢印Eで示す方向に回転モーメントによる荷重が掛かる。ガイド43は、この回転モーメントによる荷重を支える役目を果す。
以上説明した実施の形態によれば、チャック10を回転するθステージ8を、内輪42aと外輪42bとの間に配置した複数のころ42cが回転して、内輪42aと外輪42bとが相対的に回転するころ軸受42と、ころ軸受42の外側に環状に設置されたレール43aに沿って移動ブロック43bが移動するガイド43とで構成し、θステージ8によりチャック10を回転して基板1の位置決めを行うことにより、ころ軸受42によってθステージ8の回転精度を保ち、かつ、ガイド43によってチャック支持台9、チャック10及び基板1の重量による縦方向の荷重の大部分を支えることができるので、大型の基板1を精度良く回転して位置決めすることができる。従って、露光精度を向上させることができる。
さらに、ころ軸受42として、内輪42aと外輪42bとの間に複数のころ42cを交互に直交させて配置したクロスローラベアリングを用いることにより、ガイド43の荷重の負担を少なくすることができる。
さらに、ころ軸受42に取り付けたダイヤルゲージ50を用いて、レール43aの真円度を測定しながら、レール43aをころ軸受42の外側に環状に設置することにより、レール43aを高い真円度で設置することができる。
さらに、ころ軸受42とガイド43との間に、両者の高さの差により変位する板ばね44を設けることにより、ころ軸受42又はガイド43の設置高さに誤差があっても、両者の高さの差を吸収することができる。
本発明のプロキシミティ露光装置を用いて基板の露光を行い、あるいは、本発明のプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法を用いて基板を位置決めして、基板の露光を行うことにより、大型の基板を精度良く回転して位置決めすることができ、露光精度を向上させることができるので、大型で高品質な表示用パネル基板を製造することができる。
例えば、図11は、液晶ディスプレイ装置のTFT基板の製造工程の一例を示すフローチャートである。薄膜形成工程(ステップ101)では、スパッタ法やプラズマ化学気相成長(CVD)法等により、基板上に液晶駆動用の透明電極となる導電体膜や絶縁体膜等の薄膜を形成する。レジスト塗布工程(ステップ102)では、ロール塗布法等により感光樹脂材料(フォトレジスト)を塗布して、薄膜形成工程(ステップ101)で形成した薄膜上にフォトレジスト膜を形成する。露光工程(ステップ103)では、プロキシミティ露光装置や投影露光装置等を用いて、マスクのパターンをフォトレジスト膜に転写する。現像工程(ステップ104)では、シャワー現像法等により現像液をフォトレジスト膜上に供給して、フォトレジスト膜の不要部分を除去する。エッチング工程(ステップ105)では、ウエットエッチングにより、薄膜形成工程(ステップ101)で形成した薄膜の内、フォトレジスト膜でマスクされていない部分を除去する。剥離工程(ステップ106)では、エッチング工程(ステップ105)でのマスクの役目を終えたフォトレジスト膜を、剥離液によって剥離する。これらの各工程の前又は後には、必要に応じて、基板の洗浄/乾燥工程が実施される。これらの工程を数回繰り返して、基板上にTFTアレイが形成される。
また、図12は、液晶ディスプレイ装置のカラーフィルタ基板の製造工程の一例を示すフローチャートである。ブラックマトリクス形成工程(ステップ201)では、レジスト塗布、露光、現像、エッチング、剥離等の処理により、基板上にブラックマトリクスを形成する。着色パターン形成工程(ステップ202)では、染色法、顔料分散法、印刷法、電着法等により、基板上に着色パターンを形成する。この工程を、R、G、Bの着色パターンについて繰り返す。保護膜形成工程(ステップ203)では、着色パターンの上に保護膜を形成し、透明電極膜形成工程(ステップ204)では、保護膜の上に透明電極膜を形成する。これらの各工程の前、途中又は後には、必要に応じて、基板の洗浄/乾燥工程が実施される。
図11に示したTFT基板の製造工程では、露光工程(ステップ103)において、図12に示したカラーフィルタ基板の製造工程では、ブラックマトリクス形成工程(ステップ201)及び着色パターン形成工程(ステップ202)の露光処理において、本発明のプロキシミティ露光装置又は本発明のプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法を適用することができる。
1 基板
2 マスク
3 ベース
4 Xガイド
5 Xステージ
6 Yガイド
7 Yステージ
8 θステージ
9 チャック支持台
10 チャック
15 支持部
16 ねじ受け
17 カバー
18 ボルト
20 マスクホルダ
30 フレーム
31 調整ねじ
32 ばね座金
33 平座金
34 止めナット
40 回転テーブル
40a 突起
41 軸受けベース
42 ころ軸受
42a 内輪
42b 外輪
42c ころ
43 ガイド
43a レール
43b 移動ブロック
44 板ばね
45 モータ
46 ボールねじ
47 コイルバネ
50 ダイヤルゲージ
51 ゲージブロック

Claims (10)

  1. 基板を支持するチャックと、マスクを保持するマスクホルダとを備え、マスクと基板との間に微小なギャップを設けて、マスクのパターンを基板へ転写するプロキシミティ露光装置において、
    内輪と外輪との間に配置した複数のころが回転して、内輪と外輪とが相対的に回転するころ軸受と、該ころ軸受の外側に環状に設置されたレールに沿って移動ブロックが移動するガイドとを有し、前記チャックを回転して基板の位置決めを行うθステージを備えたことを特徴とするプロキシミティ露光装置。
  2. 前記ころ軸受は、内輪と外輪との間に複数のころを交互に直交させて配置したクロスローラベアリングであることを特徴とする請求項1に記載のプロキシミティ露光装置。
  3. 前記ガイドのレールは、前記ころ軸受に取り付けた測定器具を用いて真円度を測定しながら、前記ころ軸受の外側に環状に設置されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプロキシミティ露光装置。
  4. 前記θステージは、前記ころ軸受と前記ガイドとの間に設けられ、両者の高さの差により変位する弾性体を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のプロキシミティ露光装置。
  5. 基板を支持するチャックと、マスクを保持するマスクホルダとを備え、マスクと基板との間に微小なギャップを設けて、マスクのパターンを基板へ転写するプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法であって、
    チャックを回転するθステージを、内輪と外輪との間に配置した複数のころが回転して、内輪と外輪とが相対的に回転するころ軸受と、ころ軸受の外側に環状に設置されたレールに沿って移動ブロックが移動するガイドとで構成し、
    θステージによりチャックを回転して基板の位置決めを行うことを特徴とするプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法。
  6. ころ軸受として、内輪と外輪との間に複数のころを交互に直交させて配置したクロスローラベアリングを用いることを特徴とする請求項5に記載のプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法。
  7. ころ軸受に取り付けた測定器具を用いて、ガイドのレールの真円度を測定しながら、ガイドのレールをころ軸受の外側に環状に設置することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法。
  8. ころ軸受とガイドとの間に、両者の高さの差により変位する弾性体を設けることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか一項に記載のプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法。
  9. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のプロキシミティ露光装置を用いて基板の露光を行うことを特徴とする表示用パネル基板の製造方法。
  10. 請求項5乃至請求項8のいずれか一項に記載のプロキシミティ露光装置の基板位置決め方法を用いて基板を位置決めして、基板の露光を行うことを特徴とする表示用パネル基板の製造方法。
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