JP2010156191A - L形補強構造物、該l形補強構造物を設置した補強構造及び補強方法 - Google Patents

L形補強構造物、該l形補強構造物を設置した補強構造及び補強方法 Download PDF

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Abstract

【課題】既設の矢板岸壁を的確かつ経済的に補強することができる補強構造物を提供する。
【解決手段】鋼管矢板11を用いた矢板岸壁10を補強する際に設置される補強構造物30であって、設置された状態において、鉛直断面がL形であり、そのL形断面の一辺をなす垂直部32が鋼管矢板11に連結・一体化するとともに、そのL形断面の他の辺をなす水平部31が、矢板岸壁10から所定距離離れた位置に鋼管矢板11と対向するように打ち込まれた杭21に連結することを特徴とするL形補強構造物。
【選択図】図2

Description

本発明は、既設の矢板岸壁を補強するために用いられるL形断面の補強構造物(L形補強構造物)、該L形補強構造物を設置した補強構造及び補強方法に関するものである。
岸壁の代表的な形式である矢板岸壁は、図7に一例を示すように、矢板(鋼矢板、鋼管矢板等)11を水底地盤1に打ち込んで、土圧および水圧を受ける矢板壁を形成し、その矢板壁と控え杭(図示せず)をタイ材(例えばタイロッド)14で結合した構造の岸壁10である。なお、図7中において、2は水底、3は水面、4は岸壁側の地盤、12は上部工(コーピング)、13は防舷材、15はエプロン、20は岸壁法線である。
このような矢板岸壁においては、老朽化した場合や古い設計基準で構築されている場合に、地震や集中豪雨等で崩壊し、大きな被害が生じることが危惧されており、地震等による崩壊を未然に防止すべく、補強工事が急務となっている。
従来、矢板岸壁の補強方法としては、矢板の部分的な補強(鋼板当て板による溶接補強あるいは鉄筋コンクリートによる水中補強)が行われてきた。
また、特許文献1には、既設の矢板岸壁の前面に新たな岸壁を構築するという補強方法が示されている。
特開2005−139680号公報
しかし、上記のような、矢板の部分的な補強(鋼板当て板による溶接補強あるいは鉄筋コンクリートによる水中補強)は、矢板自体の補修に過ぎず、矢板岸壁の構造的な補強ではないので、地震や集中豪雨等に対して充分な補強とはなっていない。
また、特許文献1に記載のような、既設の矢板岸壁の前面に新たな岸壁を構築するという補強方法は、大掛かりな補強工事となり、多大な費用がかかるという問題がある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、既設の矢板岸壁を的確かつ経済的に補強することができる補強構造物該L形補強構造物を設置した補強構造及び補強方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有する。
[1]矢板を水底地盤に打ち込んで矢板壁を形成してなる矢板岸壁を補強する際に設置される補強構造物であって、設置された状態において、鉛直断面がL形部を有し、そのL形断面の一辺をなす垂直部が前記矢板と連結・一体化されるとともに、そのL形断面の他の辺をなす水平部が、前記矢板岸壁から所定距離離れた位置に打ち込まれた杭に連結されることを特徴とするL形補強構造物。
[2]前記L形補強構造物は鉛直断面がL形であることを特徴とする[1]記載のL形補強構造物。
[3]前記L形補強構造物は、設置される矢板岸壁のとの関係において前記垂直部の厚みが岸壁法線を変えない厚みに設定されていることを特徴とする[1]または[2]に記載のL形補強構造物。
[4]前記垂直部の厚みが、高さ方向で変化していることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一項に記載のL形補強構造物。
[5]鋼コンクリート合成構造または鉄筋コンクリート構造あるいは鋼構造のいずれか又はこれらの複合構造であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のL形補強構造物。
[6]既設の矢板岸壁に、[1]〜[5]のいずれかに記載のL形補強構造物を設置したことを特徴とする既設矢板岸壁の補強構造。
[7]前記L形補強構造物の垂直部の上端が、前記矢板の水底からの高さの1/5〜3/5の範囲に位置するように前記L形補強構造物を設置したことを特徴とする[6]記載の既設矢板岸壁の補強構造。
[8]前記L形補強構造物が岸壁法線を変えないように設置されていることを特徴とする[6]または[7]記載の既設矢板岸壁の補強構造。
[9][1]〜[5]のいずれかに記載のL形補強構造物を用いて既設の矢板岸壁を補強する補強方法であって、
既設の矢板岸壁における岸壁前方の海底を掘削する工程と、掘削した箇所に杭を打設する工程と、打設した杭と水平部を連結させると共に垂直部を前記矢板と連結・一体化する工程とを備えたことを特徴とする矢板岸壁の補強方法。
本発明においては、L形補強構造物の垂直部が矢板と連結・一体化することによって矢板自体が補強されるとともに、その一体化された矢板と垂直部を矢板と対向するように打ち込まれた杭がL形補強構造物の水平部を介して支持するという構造的な補強を行うことができる。しかも、特許文献1に記載のような、既設の矢板岸壁の前面に新たな岸壁を構築するという大掛かりな補強方法に比べて、安価な費用で実施することができる。
したがって、本発明を適用することによって、既設の矢板岸壁を的確かつ経済的に補強することが可能となる。
本発明の一実施形態を示す斜視図である。 本発明の一実施形態を示す鉛直断面図である。 図2のA−A矢視断面図である。 既設の矢板岸壁のままの場合と、本発明の一実施形態に基づいて既設の矢板岸壁を補強した場合とで、鋼管矢板に生じる応力等を比較した図である。 本発明の他の実施形態を示す鉛直断面図である。 本発明の他の実施形態を示す鉛直断面図である。 既設の矢板岸壁を示す鉛直断面図である。 本発明の実施の形態2に係るL形補強構造物の施工方法の説明図である。 本発明の実施の形態2に係るL形補強構造物の施工方法の説明図である。
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
[実施の形態1]
図1は本発明の一実施形態を示す斜視図であり、図2は本発明の一実施形態を示す鉛直断面図、図3は図2のA−A矢視断面図である。
まず、図1、図2に示すように、この実施形態において対象とする矢板岸壁は、図7に示した矢板岸壁10と同様の構造である。すなわち、矢板(ここでは、鋼管矢板)11を水底地盤1に打ち込んで、土圧および水圧を受ける矢板壁を形成し、その矢板壁(鋼管矢板)11と控え杭(図示せず)をタイロッド14で結合した構造である。また、図1、2中において、2は水底、3は水面、4は岸壁側の地盤、12は上部工(コーピング)、13は防舷材、15はエプロン、20は岸壁法線である。
その上で、この実施形態においては、図1、図2に示すように、矢板岸壁10から所定距離離れた位置に鋼管矢板11と対向するように複数の杭21を列状(ここでは2列)に水底地盤1に打ち込み、その杭21と鋼管矢板11の間に垂直断面がL形の補強構造物(L形補強構造物)30を設置するようにしている。
ここで、杭21の上端は水底2下近傍に位置しており、L形補強構造物30の一辺をなす水平部31が水底2直下に位置して、杭21の上端部に連結しているとともに、L形補強構造物30の他の辺をなす垂直部32が岸壁法線20の内側(岸壁法線20と鋼管矢板11との間)に位置して、鋼管矢板11に連結・一体化している。なお、垂直部32の上端は、水底2からタイロッド14までの中間に位置しており、詳細は後述するが、鋼管矢板11の水底2からの高さの1/5〜3/5の範囲に位置するのが好適である。
そして、L形補強構造物30の垂直部32は、図3に示すように、鋼管矢板11と型枠を兼ねる補強鋼板35にそれぞれ接合されたずれ止め37と内部に充填される水中コンクリート36により一体化された鋼コンクリート合成構造となっている。ずれ止め37としては、図3(a)に示すようなスタッド37a、図3(b)に示すような鉄筋37b、図3(c)に示すような形鋼37c等が用いられる。
また、L形補強構造物30の水平部31も同様の鋼コンクリート合成構造となっている。なお、図1においては、水平部31の内部構造を明らかにするため、水平部に打設されているコンクリートの記載を省略している。
上記のようにして、この実施形態においては、L形補強構造物30の垂直部32が鋼管矢板11と連結・一体化することによって、鋼管矢板11自体が補強されるとともに、その一体化された鋼管矢板11と垂直部32を鋼管矢板11と対向するように列状に打ち込まれた杭21が水平部31を介して支持するという構造的な補強を行うようにしている。
言い換えれば、杭21とL形補強構造物30とによって構築された構造物によって矢板岸壁10を一体化補強するようにしている。
図4は、図7に示した既設の矢板岸壁10のままの場合と、この実施形態に基づいて既設の矢板岸壁10を補強した場合とで、設計モデル、鋼管矢板11に作用する曲げモーメント、鋼管矢板11に発生する応力、タイロッド14に作用する反力について比較したものである。なお、図中の16は控え杭である。
まず、図4(a)に示す既設の矢板岸壁10のままの場合は、設計モデルは、鋼管矢板11がタイロッド14と水底地盤面2で支持された単純梁モデルとなる。
そして、土圧・水圧等により鋼管矢板11に作用する曲げモーメント分布については、鋼管矢板11の中間付近で最大曲げモーメントM1が発生する。
その曲げモーメントにより鋼管矢板11に発生する応力分布は、中間付近で最大応力σb1が発生する。
また、タイロッドには反力(引張力)R1が作用する。
これに対して、図4(b)に示すこの実施形態に基づいて既設の矢板岸壁10を補強した場合は、設計モデルについては、L形補強構造物30を付加したことにより、鋼管矢板11およびL形補強構造物30がタイロッド14部で直線バネ支持され、水底部2で回転ばね支持された梁としてモデル化される。また、梁の下部(鋼管矢板11をL形補強構造物30の垂直部32と一体化させた部分)は、L形補強構造物30の垂直部32と一体化させた効果により曲げ剛性が増える。
そして、土圧・水圧等により鋼管矢板11に作用する曲げモーメント分布については、鋼管矢板11の中間付近で最大曲げモーメントM2が発生するが、鋼管矢板11の下部(梁の下部)の曲げ剛性が増大し、その補強構造が曲げを負担するために、補強前の鋼管矢板11の最大曲げモーメントM1に較べて大幅に低減する。
その曲げモーメントにより鋼管矢板11に発生する応力分布については、中間付近で最大応力σb2が発生するが、作用曲げモーメントが低減したこと、およびL形補強構造物30の垂直部32と一体化した鋼管矢板11の断面性能が改善されたことにより、補強前の鋼管矢板11の最大応力σb1に比べて大幅に低減する。
また、タイロッドに作用する反力(引張力)R2についても、鋼管矢板11の下部(梁の下部)の剛性が増大したために、発生力が下方に誘導され、鋼管矢板11の上部に配置されているタイロッド14の反力が軽減されることとなり、補強前のタイロッド反力R1に比べて大幅に減少する。
すなわち、
鋼管矢板11に作用する最大曲げモーメント:M2≪M1
鋼管矢板11に発生する最大応力:σb2≪σb1
タイロッド14に作用する反力:R2≪R1
となる。
そして、垂直部32の上端の位置が、タイロッド14に作用する反力(タイロッド反力)および鋼管矢板11に作用する曲げ応力度(矢板の曲げ応力度)に及ぼす影響を表1に示す。ここでは、鋼管矢板11上端の水底2からの高さ位置を5/5(=1.0)とし、垂直部32上端の位置を1/5(=0.2)、2/5(=0.4)、3/5(=0.6)、4/5(=0.8)、5/5(=1.0)と変化させて、その際のタイロッド反力と矢板の曲げ応力度について、既設の矢板岸壁10のままの場合(補強なしの場合)をそれぞれ100として示している。
Figure 2010156191
表1に示す結果から、タイロッド反力については、垂直部上端位置が水底から鋼管矢板上端までの高さの1/5〜3/5の範囲では、補強なしの場合に比べて80%以下になり、20%以上の低減効果がある。また、矢板の曲げ応力度については、垂直部上端位置が水底から鋼管矢板上端までの高さの3/5の場合、他の場合に比べて低減は少なくなるが、それでも補強なしの場合に比べて70%以下になり、30%以上の低減効果がある。したがって、前述したように、垂直部32の上端を、鋼管矢板11の水底2からの高さの1/5〜3/5の範囲に位置させるのが好適である。
このようにして、この実施形態においては、鋼管矢板11に作用する最大曲げモーメントや鋼管矢板11に発生する最大応力およびタイロッドに作用する反力を大幅に低減することができる。また、水底2直下に配置されたL形補強構造物30の水平部31は、杭21と相まって、鋼管矢板11の前面の地盤を補強し、受動抵抗を増大させる。これにより、既設の矢板岸壁10を地震や集中豪雨等に対して的確に補強することができる。
そして、この実施形態においては、L形補強構造物30の水平部31が水底2直下に位置し、L形補強構造物30の垂直部32が既存の岸壁法線20の内側に位置しているので、岸壁法線20はそのまま変わらず、船舶の係留に支障がない。しかも、矢板岸壁10そのものを改変する必要がないため、補強工事後も矢板岸壁10の設備を継続して供用することが可能となる。
さらに、杭21とL形補強構造物30とによって矢板岸壁10を一体化補強するようにしているので、特許文献1に記載のような、既設の矢板岸壁の前面に新たな岸壁を構築するという大掛かりな補強方法に比べて、安価な費用で実施することができる。加えて、L形補強構造物30の垂直部32は新規の補強鋼板34と既設の鋼管矢板11をコンクリート36で一体化させた鋼コンクリート合成断面としており、既設構造を一部活用したことで経済的である。
したがって、この実施形態を適用することによって、既設の矢板岸壁10を的確かつ経済的に補強することが可能となる。
なお、L形補強構造物30の水平部31と垂直部32の寸法や構造等および杭21の断面形状・寸法や打込み深さあるいは打込みピッチ等については、地震時等の外力に応じて適宜決定すればよい。
例えば、上記の実施形態では、L形補強構造物30の水平部31と垂直部32が鋼コンクリート合成構造となっているが、鉄筋コンクリート構造あるいは鋼構造であってもよい。さらに、例えば垂直部32を鉄筋コンクリート構造とし、水平部31を鋼コンクリート合成構造にするように、垂直部32と水平部31が異なる構造からなる複合構造であってもよい。
また、L形補強構造物30の垂直部32については、上記の実施形態では、垂直部32の上端が水底2からタイロッド14までの中間に位置していたが、場合によっては、図5に示すように、垂直部32の上端を上部工12の下面まで延ばすようにしてもよい。さらに、垂直部32の厚みを高さ方向で変化させてもよい。例えば、図5に示すように、垂直部32の上部(ここでは、水面3近傍)の厚みを下部の厚みに比べて薄くしてもよい。
また、上記の実施形態では、矢板岸壁10を利用する船舶40が喫水によって制限されることがないように、杭21の上端位置を水底2下近傍とし、その杭21の上端部にL形補強構造物30の水平部31を連結するようにしているが、矢板岸壁10を利用する船舶40の喫水が比較的小さい場合には、杭21の上端位置が水底2下になるまで杭21を打ち込む必要はなく、船舶40の喫水に応じて、杭21の上端位置が水面3から水底2下近傍までの適切な位置になるようにすればよいし、L形補強構造物30の水平部31の高さ位置(水平部31と杭21との連結位置)も杭21の上端位置以下の適切な位置にすればよい。
例えば、図6に示すように、杭21の上端が水底2から所定高さだけ上方に位置し、その杭21の上端にL形補強構造物30の水平部31を連結するようにしてもよい。
また、岸壁法線を海側に移動させてもよい場合は、図6に示すように、L形補強構造物30の垂直部32の上端を上部工12の上面まで延ばすようにしてもよい。
そして、本発明は、矢板岸壁だけでなく、矢板護岸(矢板を用いた護岸)にも同様に適用することができる。
なお、上記の実施の形態の説明においては、L形補強構造物30の形状として、鉛直断面がL形のものを示したが、本発明のL形補強構造物30の形状はこれに限られるものではなく、鉛直断面がL形部を有しておればよく、例えば水平部31が垂直部32よりも水平方向に延出していたり、あるいは垂直部32が水平部31よりも鉛直方向に延出していたりして、鉛直断面の全体形状が略十字形や略T字形になっていてもよい。
[実施の形態2]
図8、図9に基づいて本発明の実施の形態2である、L形補強構造物の施工方法を説明する。なお、図8、図9において、図1乃至図6と同一部分には同一の符号を付してある。
補強対象の既設の矢板岸壁(図8(a)参照)における、矢板11の前面側の海底2を所定の幅と深さだけ掘削する(図8(b)参照)。所定の幅と深さとは、設置するL形補強構造物30の水平部31(図2参照)が設置可能な幅と深さである。所定深さの掘削をすることで、海底2の位置をL形補強構造物30設置前の位置と変更しないので、船舶の航行に支障をきたさない。
次に、掘削した箇所に杭21(直杭と斜杭)を打設する(図8(c)参照)。次に、L形補強構造物30の骨組みとなる鉄骨構造物30aを設置する。鉄骨構造物30aは、例えば、垂直部においては、実施の形態1で説明したように、ずれ止め37を接合した補強鋼板35(図3参照)を備えてなり、水平部においては、図1に示されるように、所定間隔離してH形鋼を岸壁の長手方向に設置すると共に杭21ごとに矢板11に直交方向にH形鋼を設置したものとする。H形鋼には、打設された杭21に対して、後から被せることが可能な鋼管形状(あるいは角形状)の部材が取り付けられているので、これを打設した杭21に被せることによって鉄骨構造物30aを杭21に設置することができる(図9(d)、図1参照)。
鉄骨構造物30aの設置が終了すると、必要な型枠を設置して垂直部および水平部に水中コンクリート36を打設する(図9(e)参照)。水中コンクリート36が固化すれば、型枠を外して完成する(図9(f)参照)。
なお、上記のL形補強構造物の施工方法においては、海底2の掘削、杭21の打設、鉄骨構造物30aの設置、水中コンクリート36の打設という手順を説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、以下のような施工手順であってよい。
海底2の掘削、杭21のうちの一部の杭21を打設、鉄骨構造物30aを設置、残りの杭21を打設、水中コンクリート36の打設。
また、別の施工手順として、海底2の掘削、鉄骨構造物30aを設置、杭21の打設、水中コンクリート36の打設。
1 水底地盤
2 水底
3 水面
4 岸壁側
10 矢板岸壁
11 矢板(鋼矢板、鋼管矢板)
12 上部工
13 防舷材
14 タイロッド
15 エプロン
16 控え杭
20 岸壁法線
21 杭
30 L形補強構造物
30a 鉄骨構造物
31 L形補強構造物の水平部
32 L形補強構造物の垂直部
35 補強鋼板(型枠)
36 水中コンクリート
37 ずれ止め
37a スタッド
37b 鉄筋
37c 形鋼
40 船舶

Claims (9)

  1. 矢板を水底地盤に打ち込んで矢板壁を形成してなる矢板岸壁を補強する際に設置される補強構造物であって、設置された状態において、鉛直断面がL形部を有し、そのL形断面の一辺をなす垂直部が前記矢板と連結・一体化されるとともに、そのL形断面の他の辺をなす水平部が、前記矢板岸壁から所定距離離れた位置に打ち込まれた杭に連結されることを特徴とするL形補強構造物。
  2. 前記L形補強構造物は鉛直断面がL形であることを特徴とする請求項1記載のL形補強構造物。
  3. 前記L形補強構造物は、設置される矢板岸壁のとの関係において前記垂直部の厚みが岸壁法線を変えない厚みに設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のL形補強構造物。
  4. 前記垂直部の厚みが、高さ方向で変化していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のL形補強構造物。
  5. 鋼コンクリート合成構造または鉄筋コンクリート構造あるいは鋼構造のいずれか又はこれらの複合構造であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のL形補強構造物。
  6. 既設の矢板岸壁に、請求項1〜5のいずれか1項に記載のL形補強構造物を設置したことを特徴とする既設矢板岸壁の補強構造。
  7. 前記L形補強構造物の垂直部の上端が、前記矢板の水底からの高さの1/5〜3/5の範囲に位置するように前記L形補強構造物を設置したことを特徴とする請求項6記載の既設矢板岸壁の補強構造。
  8. 前記L形補強構造物が岸壁法線を変えないように設置されていることを特徴とする請求項6または7記載の既設矢板岸壁の補強構造。
  9. 請求項1〜5のいずれかに記載のL形補強構造物を用いて既設の矢板岸壁を補強する補強方法であって、
    既設の矢板岸壁における岸壁前方の海底を掘削する工程と、掘削した箇所に杭を打設する工程と、打設した杭と前記L形補強構造物の水平部を連結させると共に前記L形補強構造物の垂直部を前記矢板と連結・一体化する工程とを備えたことを特徴とする矢板岸壁の補強方法。
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