JP2010152326A - 投影装置、投影方法及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】色順次方式による光源光の色度を、設定した内容に正確に維持する。
【解決手段】複数色の光を個別に発光する光源17〜19,22〜24と、光源17〜19,22〜24からの光を用い、1周期毎に当該光源光の複数色成分に対応した画像をそれぞれ形成し、順次投影する投影系13〜16,20,21と、光源17〜19,22〜24の各色毎の明るさを測定する照度センサ26R,26G,26Bと、測定した光源の各色毎の明るさに基づき、積算色度が目標色度となるように光源17〜19,22〜24の各色の明るさを調整する投影光処理部25、CPU27、メインメモリ28及びプログラムメモリ29とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、プロジェクタ装置等に好適な投影装置、投影方法及びプログラムに関する。
特にLEDを光源としたこの種のプログラム装置では、光量を確保するためなどの目的により、光源となるR(赤色),G(緑色),B(青色)の各色LEDを複数色同時に点灯させる技術が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
図5は、1画像フレームをRGBの各色画像を投影する3つのフィールドに分割した場合の、各色LEDの発光輝度を例示したものである。図5(A)は、例えばLCDパネルやマイクロミラー素子など光像を形成する素子での各色画像の形成タイミング(フィールド)を示すものである。
例えばRフィールドでは、図5(B)で示す赤色のLED−Rを高い電流値で発光させると同時に、図5(C)で示す緑色のLED−G及び図5(D)で示す青色のLED−Bをそれぞれ予め設定された低い電流値で発光させている。そして、それらの混色光で赤色の光像が形成される。
図6は、上記のような複数色のLEDを同時に発光駆動した場合の設定色度を単色のLEDを点灯した場合の色度と比較して例示するCIExy色度図である。図中、馬蹄形で人間の可視領域Vを示す。また、破線と頂点位置の円形がLED単色による色度の範囲を示す。一方、実線と頂点位置の三角形が複数色LEDによる設定色度の範囲を示す。
特開2004−317558号公報
ところで、LEDは、供給される電流値が変化すると輝度のみならず色度も変化する特性を有している。したがって、実際の装置動作時には、上記特性に起因して、例えば1フレーム中のRフィールドにおいて3色のLEDを発光させた場合、その混色光は予期しない色度となることがある。
そして、R,G,Bの各フィールド中の少なくとも1つで光源の色度が変動した場合、1フレームを通しての色度にもずれを生じてしまう。その結果、正しい色度での投影ができなくなる。
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、色順次方式による光源光の色度を、設定した内容に正確に維持することが可能な投影装置、投影方法及びプログラムを提供することにある。
請求項1記載の発明は、複数色の光を個別に発光する光源と、上記光源からの光を用い、1周期毎に当該光源光の複数色成分に対応した画像をそれぞれ形成し、順次投影する投影手段と、上記投影手段による上記複数色成分の各画像投影タイミングにおいて、上記光源の明るさを上記複数色毎に測定する測定手段と、上記測定手段により上記各画像投影タイミングで測定された上記光源の明るさを、同一色成分の画像投影タイミング毎に積算する積算手段と、上記積算手段により積算された明るさに基づく積算色度が、目標色度に一致もしくは近似するように上記光源の明るさを調整する光源制御手段とを具備したことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、上記光源制御手段は、上記積算手段により積算された明るさに基づく積算色度が、目標色度に一致もしくは近似するように、次の同一色成分の画像投影タイミングにおいて発光させる光源の明るさを調整することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、上記請求項1または2記載の発明において、上記積算手段は、上記測定手段により上記各画像投影タイミングで測定された上記光源の明るさを同一色成分の画像投影タイミング毎に積算する動作を、所定期間毎に繰り返すことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、上記請求項3記載の発明において、上記所定期間は、1枚の画像を形成する1フレーム期間であることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、上記請求項4記載の発明において、上記投影手段は、上記所定期間である1フレームを複数のサブフレームに分割して、このサブフレームを1周期として上記光源光の複数色成分に対応した画像をそれぞれ形成して順次投影し、上記光源制御手段は、上記積算手段により積算された明るさに基づく積算色度が、目標色度に一致もしくは近似するように上記サブフレーム毎に上記光源の明るさを調整することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、上記請求項1乃至5いずれか記載の発明において、上記光源制御手段が上記光源の明るさを調整する調整内容を記憶する記憶手段をさらに具備し、上記光源制御手段は、上記記憶手段で記憶する調整内容を用いて次の同一色成分の画像投影タイミング以降の上記光源の明るさを調整することを特徴とする。
請求項7記載の発明は、上記請求項1乃至6いずれか記載の発明において、上記光源制御手段は、上記積算手段により積算された明るさに基づく積算色度が、目標色度に一致もしくは近似するような上記光源の明るさを算出し、この明るさに基づいて当該光源の駆動電流値を調整することを特徴とする。
請求項8記載の発明は、上記請求項1乃至7いずれか記載の発明において、上記投影手段は、上記複数色成分毎の各画像投影タイミングにおいて、当該画像投影タイミングに対応する色成分以外の色成分の光も、定格より低輝度で同時発光させることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、上記請求項1乃至8いずれか記載の発明において、上記測定手段は、スクリーンに投影される画像の明るさを測定することを特徴とする。
請求項10記載の発明は、上記請求項1乃至9いずれか記載の発明において、上記目標色度は、工場出荷時に所定値に設定されているとともに、任意に変更可能であることを特徴とする。
請求項11記載の発明は、上記請求項1乃至10いずれか記載の発明において、上記光源制御手段は、目標色度を基準とした所定の色度範囲内で上記光源の明るさを調整することを特徴とする。
請求項12記載の発明は、上記請求項1乃至11いずれか記載の発明において、上記光源はLEDであることを特徴とする。
請求項13記載の発明は、複数色の光を個別に発光する光源、及び上記光源からの光を用い、1周期毎に当該光源光の複数色成分に対応した画像をそれぞれ形成し、順次投影する投影部を備えた装置での投影方法であって、上記投影部による上記複数色成分の各画像投影タイミングにおいて、上記光源の明るさを上記複数色毎に測定する測定工程と、上記測定工程により上記各画像投影タイミングで測定された上記光源の明るさを、同一色成分の画像投影タイミング毎に積算する積算工程と、上記積算工程により積算された明るさに基づく積算色度が、目標色度に一致もしくは近似するように上記光源の明るさを調整する光源制御工程とを有したことを特徴とする。
請求項14記載の発明は、複数色の光を個別に発光する光源、及び上記光源からの光を用い、1周期毎に当該光源光の複数色成分に対応した画像をそれぞれ形成し、順次投影する投影部を備えた装置が内蔵するコンピュータが指呼するプログラムであって、上記投影部による上記複数色成分の各画像投影タイミングにおいて、上記光源の明るさを上記複数色毎に測定する測定ステップと、上記測定ステップにより上記各画像投影タイミングで測定された上記光源の明るさを、同一色成分の画像投影タイミング毎に積算する積算ステップと、上記積算ステップにより積算された明るさに基づく積算色度が、目標色度に一致もしくは近似するように上記光源の明るさを調整する光源制御ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明によれば、色順次方式による光源光の色度を、設定した内容に正確に維持することが可能となる。
本発明の一実施形態におけるプロジェクタ装置の機能回路の概略構成を示すブロック図。 同実施形態に係る光源の発光駆動内容を示すタイミングチャート図。 同実施形態に係る光源の特にRフィールドにおける発光駆動の処理内容を示すフローチャート図。 同実施形態に係るRフィールドでの発光と色度決定の遷移状態を例示する図。 同実施形態に係るLEDを光源としたデータプロジェクタ装置で複数色のLEDを同時発光する場合の各発光輝度を例示する模式図。 同実施形態に係る複数色LED同時発光時の設定色度と単色LED発光時の色度とを例示するCIExy色度図。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
以下、本発明の一実施の形態を図に従って説明する。図1は、同実施形態に係るデータプロジェクタ装置10が備える電子回路の概略機能構成を示すブロック図である。
入出力コネクタ部11は、例えばピンジャック(RCA)タイプのビデオ入力端子、D−sub15タイプのRGB入力端子、及びUSB(Universal Serial Bus)コネクタを含む。
入出力コネクタ部11より入力される各種規格の画像信号は、入出力インタフェース(I/F)12、システムバスSBを介し、一般にスケーラとも称される画像変換部13に入力される。画像変換部13は、入力された画像信号を投影に適した所定のフォーマットの画像信号に統一する。そして、適宜表示用のバッファメモリであるビデオRAM14に記憶した後に、投影画像処理部15へ送る。
この際、OSD(On Screen Display)用の各種動作状態を示すシンボル等のデータも必要に応じてビデオRAM14で画像信号に重畳加工され、加工後の画像信号が投影画像処理部15へ送られる。
投影画像処理部15は、送られてきた画像信号に応じて、所定のフォーマットに従ったフレームレート、例えば60[フレーム/秒]と色成分の分割数、及び表示階調数を乗算した、より高速な時分割駆動により、空間的光変調素子(SOM)であるマイクロミラー素子16を表示駆動する。
このマイクロミラー素子16は、アレイ状に配列された複数、例えばXGA(横1024×縦768ドット)分の微小ミラーの各傾斜角度を個々に高速でオン/オフ動作する。そして、その反射光により光像を形成する。
一方で、本データプロジェクタ装置10の光源として、LEDアレイ17を用いる。このLEDアレイ17は、RGBの各色で発光する多数のLEDが規則的に混在するようにアレイ配置して構成される。そしてその各色成分毎の時分割による発光が、内面全面に反射ミラーを貼設した角錐台状のハウジング18により集光され、インテグレータ19で輝度分布が均一な光束とされた後に、ミラー20で全反射して上記マイクロミラー素子16に照射される。そして、マイクロミラー素子16での反射光により形成された光像は、投影レンズユニット21を介して、投影対象となるここでは図示しないスクリーンに投影表示される。
上記LEDアレイ17は、Rドライバ22、Gドライバ23、及びBドライバ24によりそれぞれ対応する色のLED群が駆動制御されることにより、RGBの各原色を時分割で発光する。
上記Rドライバ22、Gドライバ23、及びBドライバ24は、投影光処理部25からの制御信号に基づいたタイミング及び駆動電流でLEDアレイ17を構成する個々の色成分のLED群を駆動する。
投影光処理部25は、投影画像処理部15から与えられる画像データに応じて上記Rドライバ22、Gドライバ23、及びBドライバ24による発光タイミングと駆動電流とを制御する。さらに投影光処理部25は、上記マイクロミラー素子16で形成される光像の各色の明るさを色毎に検出する照度センサ26R,26G,26Bから各検出信号を受信する。投影光処理部25は、これら照度センサ26R,26G,26Bで検出した明るさと、その時点での各LEDの発光電流値と、を色度を示す情報として記憶する色度記憶部25aを備える。
上記各回路の動作すべてをCPU27が制御する。このCPU27は、メインメモリ28及びプログラムメモリ29と接続される。メインメモリ28は、DRAMで構成され、ワークメモリとして機能する。プログラムメモリ29は、動作プログラムや各種定型データ等を記憶した電気的書換可能な不揮発性メモリで構成される。CPU27は、メインメモリ28及びプログラムメモリ29を用いることで、このデータプロジェクタ装置10内の制御動作を実行する。
上記CPU27は、操作部30からのキー操作信号に応じて各種投影動作を実行する。この操作部30は、データプロジェクタ装置10の本体に設けられるキー操作部と、このデータプロジェクタ装置10専用の図示しないリモートコントローラからの赤外光を受信するレーザ受光部を含む。そして、ユーザが直接またはリモートコントローラを介して操作したキーに基づくキー操作信号をCPU27へ直接出力する。
上記CPU27はさらに、上記システムバスSBを介して音声処理部31、及び無線LANインターフェイス(I/F)32と接続される。音声処理部31は、PCM音源等の音源回路を備え、投影動作時に与えられる音声データをアナログ化し、スピーカ部33を駆動して拡声放音させ、あるいは必要によりビープ音等を発生させる。無線LANインターフェイス32は、無線LANアンテナ34を介し、例えばIEEE802.11b/g規格に則って2.4[GHz]帯の電波でパーソナルコンピュータを含む複数の外部機器とのデータの送受を行なう。
次に上記実施形態の動作について説明する。
本実施形態において、データプロジェクタ1は、図2に示す1フレームを第1、第2、第3の3つのサブフレームに分割する。そして、各サブフレームにおいて、R,G,Bの各フィールド毎の色画像を順次繰返し投影するものとする。
図2(A)は、上記マイクロミラー素子16でR,G,Bの各フィールドで各色画像による光像を形成するタイミングを示す。また、図2(B)〜図2(D)は、上記R,G,Bの各フィールドに同期して点灯するLEDアレイ17の駆動電流値を例示する。
例えば、プロジェクタ1は、各サブフレーム中のRフィールドでは、図2(B)に示すように、赤色のLED−Rを高い電流値で発光させる。それに加え、図2(C)で示す緑色のLED−G及び図2(D)で示す青色のLED−Bをそれぞれ低い電流値で発光させている。その結果、これらのR、G、Bの混色光で赤色の光像を形成することとなる。Gフィールド及びBフィールドにおいても同様であり、3色のLEDを必要に応じて同時発光させ、その混色光で緑色の光像、青色の光像を形成する。
図3は、1フレーム毎に各サブフレーム中の特にRフィールドで色度を調整する場合の処理内容について示すものである。この処理内容は、基本的にプログラムメモリ29に記憶される動作プログラムをメインメモリ28に展開記憶させてCPU27が実行する。そして、そのCPU27の制御の下に投影光処理部25がRドライバ22、Gドライバ23、及びBドライバ24の駆動制御を行なう。
なお、同様の動作はサブフレーム中のGフィールド、及びBフィールドでも行なわれるが、ここでは説明を簡略化するためにここではRフィールドでの動作についてのみ説明する。
はじめに、CPU27は、Rフィールドの点灯タイミングとなるのを待機する(ステップS01)。そして同タイミングとなったと判断した時点で、投影光処理部25の色度記憶部25aにLEDアレイ17のR,G,Bの各LEDを発光させるための電流値が記憶されているか否か判断する(ステップS02)。換言すると、当該画像フレームの第2サブフレーム以降でのRフィールドの発光タイミングであるか否かを判断する。
ここで、まだ色度記憶部25aに各発光電流値がまだ記憶されていない場合は、CPU27は、発光タイミングが最初のサブフレームである第1サブフレームでのRフィールドであるものと認識する。そして、予め設定されている目標色度に基づいた初期のLEDの発光電流値を色度記憶部25aに記憶させる(ステップS103)。その後、サブフレーム数を表す変数nに初期値「1」を設定する(ステップS104)。
次いで、CPU27は、色度記憶部25aに記憶しているLEDアレイ17の各色LEDの発光電流値を読出す。そして、読出した発光電流値で、現時点の変数nを用いた第nサブフレーム(すなわちここでは第1サブフレーム)において、Rドライバ22、Gドライバ23、及びBドライバ24を用いてLEDアレイ17を発光駆動させる(ステップS105)。
CPU27は、このLEDアレイ17の発光に合わせて、照度センサ26R,26G,26Bにより光源光の各色成分の明るさを測定させる(ステップS106)。そして、この測定した各色の明るさに基づいて、第1サブフレームのRフィールドにおける合計色度を算出する。そして、算出した合計色度と目標色度との差分値から、次のサブフレームのRフィールドにおいて点灯させる色度を算出する(ステップS107)。
図4(A)は、第1サブフレームのRフィールドで測定した色度r1と、目標色度OCとの関係を例示するものである。同図(A)中の破線は、LEDアレイ17を構成する各LEDの特性や経年劣化等に起因する誤差範囲ERを示している。すなわち、同図(A)中の破線は、上記ステップS105で各LEDの合計色度が目標色度OCとなるように設定された各LEDの発光電流値で実際に各LEDを点灯させてみた場合に、生じる実際の測定色度r1と、目標色度OCとの誤差範囲を表すものである。同図(A)中において、実際の測定色度r1が誤差範囲ER内に収まっていることが理解できる。
このような測定結果に対して、図4(B)で示すように、色度空間上で上記目標色度OCを中心に測定色度r1と点対称となる位置を次のサブフレームのRフィールドで発光させる目標色度O(r2)として算出する。
実際に第2サブフレームのRフィールドで、上記目標色度O(r2)での発光を行なわせることができた場合、第1及び第2サブフレームの各Rフィールドの合計色度を目標色度OCとすることができる。すなわち、このように第2サブフレームのRフィールドで発光させる色度を設定することにより、第1サブフレームのRフィールドで生じた全体の目標色度OCとの誤差を相殺することができる。一方で、第2サブフレームのRフィールドで目標色度O(r2)での発光を行わせることができなかった場合であっても、第1サブフレームと第2サブフレームの各Rフィールドの合計色度を確実に目標色度OCに近づけることができる。
そのために、上記ステップS107で算出した目標色度O(r2)を実現できるような各色LEDの発光電流値を算出する(ステップS108)。算出した各色LEDの発光電流値を色度記憶部25aに更新記憶する(ステップS109)。
次いで、サブフレームを示す変数nの値を「+1」更新設定する(ステップS110)。更新設定した変数nの値が、1フレーム全体のサブフレーム数N(ここでは「3」)を超えていないことを確認した上で(ステップS111)、再び上記ステップS101からの処理に戻る。
しかるに、当該フレーム中の第2サブフレームのRフィールドのタイミングとなると、ステップS101でそれを判断する。続くステップS102で色度記憶部25aに各LEDの発光電流値が記憶されているためステップS105に進み、色度記憶部25aから上記ステップS109で更新記憶された各LEDの発光電流値を読出す。そして読出した発光電流値で、第2サブフレームのRフィールドにおいてRドライバ22、Gドライバ23、及びBドライバ24を用いてLEDアレイ17を発光駆動させる。
合わせてステップS106で照度センサ26R,26G,26Bにより光源光の各色成分の明るさを測定する。そして、ステップS107で、測定した各色成分の明るさに基づいて、第2サブフレームのRフィールドにおける合計色度を算出する。続いて、算出した第2フレームにおける合計色度に基づいて、第1サブフレームと第2サブフレームのRフィールドの合計色度を算出する。そして、算出した第1フレームと第2フレームの合計色度と、目標色度との差分値から、次のサブフレームのRフィールドにおいて点灯させる色度を算出する。
図4(C)は、上記目標色度O(r2)と、第2サブフレームのRフィールドで実際に測定した合計色度r2の関係を例示する。同図(C)中に破線で示す如く、目標色度O(r2)を基準とした、LEDアレイ17を構成する各LEDの特性や経年劣化等に起因する誤差範囲ER内に実際の測定色度r2が収まっていることが理解できる。
このような測定結果に対して、図4(D)で示すように、測定色度r1と測定色度r2の色度空間上の中点を、上記2つの測定結果を合算する色度M(1,2)とする。そして、第1サブフレームと第2サブフレームのRフィールドにおいて実際に点灯した色度の合計色度であるこの色度M(1,2)と、上記目標色度OCとの差分値に基づき、図4(E)で示すように次の第3サブフレームのRフィールドで発光させる目標色度O(r3)を算出する。
ここでは、目標色度OCを挟んで、2つの色度を合計する上記中点色度M(1,2)までの距離を「1」とした場合に、該目標色度OCからの距離が「2」となるような対象位置に目標色度O(r3)を設定する。
実際に第3サブフレームのRフィールドで、上記目標色度O(r3)での発光を行なわせることができた場合、第1乃至第3サブフレームの各Rフィールドの合計色度を目標色度OCとすることができる。すなわち、このように第3サブフレームのRフィールドで発光させる色度を設定することにより、第1サブフレーム及び第2サブフレームの各Rフィールドで生じた全体の目標色度OCとの誤差を相殺することができる。
一方で、実際に第3サブフレームのRフィールドで上記目標色度O(r3)での発光ができなかった場合であっても、LEDの誤差範囲ERを考慮した上で上述のように第3サブフレームにおける目標色度を設定しているため、1フレーム内におけるRフィールドでの合計色度を確実に目標色度OCに近づけることができる。
そして、上記ステップS107で算出した目標色度O(r3)を実現できるような各色LEDの発光電流値を算出する(ステップS108)。算出した各色LEDの発光電流値を色度記憶部25aに更新記憶する(ステップS109)。
次いで、サブフレームを示す変数nの値を「+1」更新設定する(ステップS110)。更新設定した変数nの値が、1フレーム全体のサブフレーム数N、ここでは「3」を超えていないことを確認した上で(ステップS111)、再び上記ステップS101からの処理に戻る。
そして、当該フレーム中の第3サブフレームのRフィールドのタイミングとなると、ステップS101でそれを判断する。続くステップS102で色度記憶部25aに各LEDの発光電流値が記憶されているためステップS105に進み、色度記憶部25aからステップS109で更新記憶された各LEDの発光電流値を読出す。そして読出した発光電流値で、第3サブフレームのRフィールドにおいてRドライバ22、Gドライバ23、及びBドライバ24を用いてLEDアレイ17を発光駆動させる。
合わせてステップS106で照度センサ26R,26G,26Bにより光源光の各色成分の明るさを測定する。そして、ステップS107で、測定した各色成分の明るさに基づいて、第3サブフレームのRフィールドにおける合計色度を算出する。続いて、算出した第3サブフレームにおける合計色度に基づいて、第1サブフレームから第3サブフレームの各Rフィールドの合計色度を算出する。
そして、算出した第1サブフレームから第3サブフレームの合計色度と、目標色度との差分値から、次のサブフレームでのRフィールドにおける色度を算出する。そして、算出した目標色度を実現できるような各色LEDの発光電流値を算出する(ステップS108)。算出した各色LEDの発光電流値を色度記憶部25aに更新記憶する(ステップS109)。
次いで、サブフレームを示す変数nの値を「+1」更新設定所定「4」とする(ステップS110)。続くステップS111で、更新設定した変数nの値「4」が1フレーム全体のサブフレーム数「3」を超えていると判断すると、次のフレームに備えるべく変数nの値を初期値「1」に設定した上で(ステップS112)、再び上記ステップS101からの処理に戻る。
こうして、1画像フレーム中の複数のRフィールドで色度を調整した赤色光を光源として赤色の光像を形成し、投影を実行することとなる。同様の動作は上述した如くGフィールド、及びBフィールドでも実行されるため、結果としてR,G,Bの各フィールド全てにおいて正しく調整された色度でLEDアレイ17が発光駆動され、投影動作が実行される。
また、上述のRフィールド、Gフィールド、Bフィールドにおける各目標色度は、工場出荷時に所定値が記憶されているものとする。またその一方で、適宜変更可能な値としてもよい。すなわち、プロジェクタ装置10は、予め輝度モード、色度モード等の複数の選択可能な投影モードを用意しておく。そして、例えば輝度モードが選択された場合は、ある色フィールドで同時点灯させる他の色LEDの発光量を増加させる。
例えば、Rフィールドにおいては、本来点灯するLED−R以外のLED−GとLED−Bの発光量を増加させる。そして、これらの発光量が調整された各LEDの合計色度を新たな目標色度として設定する。
このようにして目標色度が変更された場合には、色度記憶部25aに記憶されている各LEDの発光電流値をリセットし、新たな目標色度に基づいて再度図3の処理を行うこととする。
以上詳記した如く本実施形態によれば、色順次方式による光源光の色度を、設定した内容に正確に維持することが可能となる。
加えて、上記実施形態では、色度記憶部25aに記憶した内容を続くフレーム以降においても利用するものとしたので、温度変化や経年劣化等に起因する、LEDアレイ17を構成する個々のLEDの輝度変化を収束させて、光源光の色度をより正確に維持することが可能となる。
なお、上記実施形態では示さなかったが、サブフレーム毎に次のサブフレームで目標とする色度を算出するにあたっては、フレーム全体で実現しようとする目標輝度を基準として、一定の範囲を超えないように調整範囲を制限するものとしてもよい。
その場合、隣り合うサブフレーム間で色度の変動する範囲を一定値内に抑えることにより、光源の輝度そのものが大きく変化するのを防止し、色彩よりも明るさの変化により敏感な人間の目の特性上においても、投影画像の劣化を未然に防止できる。
また、上述の実施例では、目標色度が変更されない限り、最初の第1フレームからの積算色度が目標色度となるように順次LEDの発光電流値を調整していく構成した。しかし、色度を積算する期間が長くなればなるほど、人(ユーザ)の色識別能力によって、その積算した色度を認識できなくなる恐れが生じる。そうなると、積算色度が目標色度となるようにLED電流値を調整しているにもかかわらず、かえって目標色度からはなれた色度を認識してしまう恐れがある。
この事態に対応するため、例えば、所定期間毎(例えば1フレーム毎)に色度記憶部25aに記憶された各LEDの発光電流値をリセットする構成としてもよい。すなわち、所定期間毎に上記図3の処理をやり直すこととするものである。そして、この所定期間は、人(ユーザ)の色識別能力に基づいて設定されることが好ましい。
この場合、最初の上記所定期間内において調整した各LEDの発光電流値を、次の所定期間においてもそのまま用いて発光を行うこともできる。このようにすることで、目標色度自体が変更されない限りは、最初の所定期間内において調整した各LEDの発光電流値を用いてその後の発光を行うことができるため、光源光の色度を適正に保ちながら、処理を簡易化することができる。
また上記実施形態では、図1にあるように、LED光源の輝度を測定するために照度センサ26R,26G、26Bを光源付近に配置する構成としたが、これに限らず、上記照度センサはLED光源からの光の正規光路上近傍に配置して正規光路上からの漏れ光を測定する構成や、正規光路上の光の一部を測定用光としてセンサ側に反射させる構成としてもよい。
さらには、照度センサをプロジェクタ前面に配置し、スクリーンに投影される照射光の照度を測定してもよい。何れにしても、各色毎のLED光源から射出される光の明るさを測定できればよい。
また上記実施形態は、R,G,Bの各フィールドにおいて、それぞれLEDアレイ17を構成するR,G,Bの各LEDが同時に発光する場合について説明したものであるが、本発明はこれに限らず、各フィールドで対応する色のLEDのみを発光する場合であっても同様に適用することが可能となる。
さらに上記実施形態は、LEDを光源の発光素子として用いた場合について説明したものであるが、本発明はこれに限らず、例えばレーザ光を蛍光体に照射することでRGBの各光源光を励起するような光源など、その他の光源を用いた色順次方式の投影装置でも有効である。
また、上記実施形態では、図2に示したように、1フレームを第1乃至第3の3つのサブフレームに分割した場合を想定したが、これに限らず、少なくとも2つ以上であれば1フレームをいくつのサブフレームに分割してもよい。すなわち、上述のように、サブフレーム数が多いほどLED光源の持つ誤差範囲が小さくなるように調整していくことができるものである。
さらに、上記実施形態では、目標色度に対して調整設定された電流値をかけた場合であっても、LEDアレイ17を構成する各LEDの特性や経年劣化等に起因する誤差範囲ERを生じることとしている。しかし、この誤差範囲ERは当然固定値ではなく、各LEDの個体差や使用された状況や環境によって変動するため、例えば一定期間ごとに測定誤差範囲を修正する構成や、各LEDごとに異なる測定誤差値を設定する構成としてもよい。
その他、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上述した実施形態で実行される機能は可能な限り適宜組み合わせて実施しても良い。上述した実施形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件による適宜の組み合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、効果が得られるのであれば、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
10…データプロジェクタ装置、11…入出力コネクタ部、12…入出力インタフェース(I/F)、13…画像変換部(スケーラ)、14…ビデオRAM、15…投影画像処理部、16…マイクロミラー素子(SOM)、17…LEDアレイ、18…ハウジング、19…インテグレータ、20…ミラー、21…投影レンズユニット、22…Rドライバ、23…Gドライバ、24…Bドライバ、25…投影光処理部、25a…色度記憶部、26R,26G,26B…照度センサ、27…CPU、28…メインメモリ、29…プログラムメモリ、30…操作部、31…音声処理部、32…無線LANインターフェイス(I/F)、33…スピーカ部、34…無線LANアンテナ、SB…システムバス。

Claims (14)

  1. 複数色の光を個別に発光する光源と、
    上記光源からの光を用い、1周期毎に当該光源光の複数色成分に対応した画像をそれぞれ形成し、順次投影する投影手段と、
    上記投影手段による上記複数色成分の各画像投影タイミングにおいて、上記光源の明るさを上記複数色毎に測定する測定手段と、
    上記測定手段により上記各画像投影タイミングで測定された上記光源の明るさを、同一色成分の画像投影タイミング毎に積算する積算手段と、
    上記積算手段により積算された明るさに基づく積算色度が、目標色度に一致もしくは近似するように上記光源の明るさを調整する光源制御手段と
    を具備したことを特徴とする投影装置。
  2. 上記光源制御手段は、上記積算手段により積算された明るさに基づく積算色度が、目標色度に一致もしくは近似するように、次の同一色成分の画像投影タイミングにおいて発光させる光源の明るさを調整することを特徴とする請求項1記載の投影装置。
  3. 上記積算手段は、上記測定手段により上記各画像投影タイミングで測定された上記光源の明るさを同一色成分の画像投影タイミング毎に積算する動作を、所定期間毎に繰り返すことを特徴とする請求項1または2記載の投影装置。
  4. 上記所定期間は、1枚の画像を形成する1フレーム期間であることを特徴とする請求項3記載の投影装置。
  5. 上記投影手段は、上記所定期間である1フレームを複数のサブフレームに分割して、このサブフレームを1周期として上記光源光の複数色成分に対応した画像をそれぞれ形成して順次投影し、
    上記光源制御手段は、上記積算手段により積算された明るさに基づく積算色度が、目標色度に一致もしくは近似するように上記サブフレーム毎に上記光源の明るさを調整する
    ことを特徴とする請求項4記載の投影装置。
  6. 上記光源制御手段が上記光源の明るさを調整する調整内容を記憶する記憶手段をさらに具備し、
    上記光源制御手段は、上記記憶手段で記憶する調整内容を用いて次の同一色成分の画像投影タイミング以降の上記光源の明るさを調整する
    ことを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載の投影装置。
  7. 上記光源制御手段は、上記積算手段により積算された明るさに基づく積算色度が、目標色度に一致もしくは近似するような上記光源の明るさを算出し、この明るさに基づいて当該光源の駆動電流値を調整することを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載の投影装置。
  8. 上記投影手段は、上記複数色成分毎の各画像投影タイミングにおいて、当該画像投影タイミングに対応する色成分以外の色成分の光も、定格より低輝度で同時発光させることを特徴とする請求項1乃至7いずれか記載の投影装置。
  9. 上記測定手段は、スクリーンに投影される画像の明るさを測定することを特徴とする請求項1乃至8いずれか記載の投影装置。
  10. 上記目標色度は、工場出荷時に所定値に設定されているとともに、任意に変更可能であることを特徴とする請求項1乃至9いずれか記載の投影装置。
  11. 上記光源制御手段は、目標色度を基準とした所定の色度範囲内で上記光源の明るさを調整することを特徴とする請求項1乃至10いずれか記載の投影装置。
  12. 上記光源はLEDであることを特徴とする請求項1乃至11いずれか記載の投影装置。
  13. 複数色の光を個別に発光する光源、及び上記光源からの光を用い、1周期毎に当該光源光の複数色成分に対応した画像をそれぞれ形成し、順次投影する投影部を備えた装置での投影方法であって、
    上記投影部による上記複数色成分の各画像投影タイミングにおいて、上記光源の明るさを上記複数色毎に測定する測定工程と、
    上記測定工程により上記各画像投影タイミングで測定された上記光源の明るさを、同一色成分の画像投影タイミング毎に積算する積算工程と、
    上記積算工程により積算された明るさに基づく積算色度が、目標色度に一致もしくは近似するように上記光源の明るさを調整する光源制御工程と
    を有したことを特徴とする投影方法。
  14. 複数色の光を個別に発光する光源、及び上記光源からの光を用い、1周期毎に当該光源光の複数色成分に対応した画像をそれぞれ形成し、順次投影する投影部を備えた装置が内蔵するコンピュータが指呼するプログラムであって、
    上記投影部による上記複数色成分の各画像投影タイミングにおいて、上記光源の明るさを上記複数色毎に測定する測定ステップと、
    上記測定ステップにより上記各画像投影タイミングで測定された上記光源の明るさを、同一色成分の画像投影タイミング毎に積算する積算ステップと、
    上記積算ステップにより積算された明るさに基づく積算色度が、目標色度に一致もしくは近似するように上記光源の明るさを調整する光源制御ステップと
    をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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