JP2010152069A - 重合性液晶組成物、及び光学異方体 - Google Patents
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Abstract
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも1種以上の重合性液晶化合物及び溶剤を含有する重合性液晶組成物であって、該重合性液晶組成物を、有機材料からなる基材に光配向膜を形成した基板上に塗布した状態において、前記溶剤の少なくとも一部が前記基材の一部を溶解することができる溶剤であることを特徴とする重合性液晶組成物、及び少なくとも、有機材料からなる基材、光配向膜、及び少なくとも1種以上の重合性液晶化合物及び溶剤を含有する重合性液晶組成物の重合体を順次積層した光学異方体であって、前記溶剤が前記基材の一部を溶解させることができることを特徴とする光学異方体を提供する。
【選択図】 なし
Description
以上のように、位相差フィルムの特性を悪化させることなく、剥離性を改善した高い接着性を有する重合性液晶組成物の開発が望まれていた。
また、少なくとも、有機材料からなる基材、光配向膜、及び少なくとも1種以上の重合性液晶化合物及び溶剤を含有する重合性液晶組成物の重合体を順次積層した光学異方体であって、前記溶剤が前記基材の一部を溶解させることができることを特徴とする光学異方体を提供する。
本発明に用いられる溶剤は、有機材料からなる基材の一部を溶解することができる溶剤であれば使用する溶剤としては特に限定はないが、重合性液晶化合物が良好な溶解性を示す溶媒が使用できる。例えば、トルエン、キシレン、クメン、メシチレン等の芳香族系炭化水素、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、アニソール等のエーテル系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、等のアミド系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、クロロベンゼン等が挙げられる。これらは、単独で使用することもできるし、2種類以上混合して使用することもできる。ただし、最適な溶剤は基材の溶解性が溶剤によって異なるため、基材との関係で好適な溶剤は異なる。
溶剤の比率は、本発明に用いられる重合性液晶組成物が通常塗布により行われることから、塗布した状態を著しく損なわない限りは特に制限はないが、重合性液晶組成物の固形分と溶剤の比率が0.1:99.9〜80:20が好ましく、塗布性を考慮すると、1:99〜50:50がさらに好ましい。
本発明で使用する基材は、光学異方体に通常使用する基材であって、光学異方体製造時における加熱に耐えうる耐熱性を有する有機材料であれば、特に制限はない。そのような基材としては、セルロース誘導体、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリアリレート、ポリエーテルサルホン、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ナイロン、ポリスチレン等を使用することができる。中でもポリエステル、ポリスチレン、ポリオレフィン、セルロース誘導体、ポリアリレート、ポリカーボネートが上記溶剤で溶解しやすく好ましい。
ただし、基材の種類や材質によって、基材への溶解性を示す溶剤の種類は異なるので、基材に対して溶解性を示す溶剤を重合性液晶組成物に用いる必要があり、更に、重合性液晶化合物の溶解性を考慮した上で使用する必要があるが、この範囲内であれば使用する溶剤に特に制限はない。
ポリオレフィンを使用した場合は、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶剤、トルエン、キシレン、クメン等の芳香族系炭化水素、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、クロロベンゼン等のハロゲン系溶剤が好ましい。
セルロース誘導体を使用した場合は、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、テトラヒドロフラン、アニソール等のエーテル系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、等のアミド系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等が好ましい。
ポリアリレートを使用した場合は、シクロヘキサノン、アニソール、γ−ブチロラクトン、クロロベンゼン等が好ましい。ポリカーボネートは、テトラヒドロフラン、アニソール等のエーテル系溶剤、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、クロロベンゼン等が好ましい。
(重合性液晶化合物)
本発明で用いる重合性液晶組成物中に含有する重合性液晶化合物については、特に制限はなく使用することができる。重合性液晶化合物として棒状重合性液晶化合物又は円盤状重合性液晶化合物を使用することが好ましく、棒状重合性液晶化合物が特に好ましい。
棒状重合性液晶化合物は、一般式(1)
ここで、重合性液晶組成物に含有される化合物として、より具体的には一般式(2)
又、一般式(3)
又、一般式(4)
一般式(1)で表される化合物の具体例を以下に挙げることができる。
又、一般式(4)で表される化合物の具体例を以下に挙げることができる。
また、本発明に用いられる重合性基を有する円盤状液晶化合物は、ベンゼン誘導体、トリフェニレン誘導体、トルキセン誘導体、フタロシアニン誘導体又はシクロヘキサン誘導体を分子の中心の母核とし、直鎖のアルキル基、直鎖のアルコキシ基又は置換ベンゾイルオキシ基がその側鎖として放射状に置換した構造を有することが好ましく、一般式(5)
さらに、一般式(5-a)は具体的には一般式(5-e)
本発明の重合性液晶組成物を重合させるには、一般には紫外線等の光照射あるいは加熱により行う。光照射によって行う場合に使用する光重合開始剤としては公知慣用のものが使用でき、例えば2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(メルク社製「ダロキュア1173」)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア184」)、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(メルク社製「ダロキュア1116」)、2−メチル−1−[(メチルチオ)フェニル]−2−モリホリノプロパン−1(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア907」)。ベンジルメチルケタ−ル(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア651」)。2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬社製「カヤキュアDETX」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬社製「カヤキュアEPA」)との混合物、イソプロピルチオキサントン(ワ−ドプレキンソップ社製「カンタキュア−ITX」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチルとの混合物、アシルフォスフィンオキシド(BASF社製「ルシリンTPO」)、などが挙げられる。光重合開始剤の使用量は重合性液晶化合物に対して10質量%以下が好ましく、0.5〜5質量%が特に好ましい。
本発明の重合性液晶組成物は、重合性基を有していない液晶化合物を必要に応じて添加してもよい。しかし、添加量が多すぎると、得られた光学異方体から液晶化合物が溶出して積層部材を汚染する恐れがあり、加えて光学異方体の耐熱性が下がるおそれがあるので、添加する場合は、重合性液晶化合物全量に対して30質量%以下とすることが好ましく、15質量%以下がさらに好ましく、5質量%以下が特に好ましい。
本発明で使用する重合性液晶組成物は、重合性基を有するが重合性液晶化合物ではない化合物を添加することもできる。このような化合物としては、通常、この技術分野で重合性モノマーあるいは重合性オリゴマーとして認識されるものであれば特に制限なく使用することができる。添加する場合は、本発明の重合性液晶組成物に対して、10質量%以下であることが好ましく、3質量%以下が更に好ましい。
本発明で使用する重合性液晶組成物を均一に塗布し、膜厚の均一な光配向膜を得るために、汎用の添加剤を使用することもできる。例えば、レベリング剤、チキソ剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、酸化防止剤、表面処理剤、等の添加剤を液晶の配向能を著しく低下させない程度添加することができる。
本発明に用いられる光配向膜は、公知慣用の光配向性の化合物を用いることができ、具体的には、クマリン化合物、カルコン化合物、シンナメート化合物、フルギド化合物、アントラキノン化合物、アゾ化合物、アリールエテン化合物等、光異性化、もしくは、光二量化する化合物が挙げられるが、特にアゾ化合物が好ましい。
アゾ化合物としては、より具体的には、一般式(7)で表されるアゾ化合物を含有する。
ハロゲン原子としては、フッ素原子や塩素原子が挙げられる。ハロゲン化アルキル基としては、トリクロロメチル基やトリフルオロメチル基が挙げられる。ハロゲン化メトキシ基としては、クロロメトキシ基やトリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
カルバモイル基としては、アルキル基部分が炭素原子数1〜6のものが挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、1−メチルエチル基等が挙げられる。
一般式(7)で表されるアゾ化合物は、具体的には下記構造のアゾ化合物が好ましい。
本発明で使用する親水性基を有する(メタ)アクリレートの親水性基としては、水酸基、カルボキシル基、スルホ基、アミノ基等が挙げられるが、水酸基あるいはカルボキシル基を有する(メタ)アクリレートが、一般式(1)で表される化合物との混和性の面から好ましい。1分子あたりの(メタ)アクリロイル基の数には特に制限はなく、1つでも2つ以上でも良い。
トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリス2―ヒドロキシエチルイソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレートなどの、ヒドロキシル残基を有するアルコール性ジ(メタ)アクリレート、
少なくとも1個の芳香環を有する多価フェノール又はそのアルキレンオキサイド付加体のポリグリシジルエーテル等のエポキシ化合物に(メタ)アクリル酸を付加させて得られた(メタ)アクリレート、芳香族エポキシアクリレートの水添タイプの脂環式エポキシアクリレート等が挙げられる。尚、ここでいう多価フェノールとしては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール化合物又はビスフェノール化合物のアルキレンオキサイド付加体、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等を用いることができる。
また、前記親水性基を有する(メタ)アクリレートは親水性が高いため、一般式(1)で表されるアゾ化合物との相溶性は良好であるが、まれに結晶化が生じる組み合わせがある。その場合、平滑な塗膜が得られないため配向規制力に影響が生じるおそれがあるので、配合した状態で結晶性が著しく高くならないような前記親水性基を有する(メタ)アクリレートと一般式(1)で表されるアゾ化合物との組み合わせが好ましい。結晶化の有無は、例えば、光学的観察や分光分析、散乱実験等により判断が可能である。
本発明の光学異方体は、少なくとも、有機材料からなる基材、光配向膜、及び少なくとも1種以上の重合性液晶化合物及び溶剤を含有する重合性液晶組成物の重合体を順次積層した光学異方体であって、前記溶剤が前記基材の一部を溶解させることができることを特徴とする光学異方体である。
以下に本発明をより具体的に説明する。
布法としては、スピンコーティング法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、インクジェット法、ダイコーティング法、キャップコーティング法、ディッピング等、公知慣用の方法を行うことができる。通常は、有機溶剤で希釈した溶液を塗布するので、塗布後は乾燥させ、光配向膜用塗膜を得る。
前記方法により得た塗膜に、異方性を有する光を照射(以下、光異性化工程と略す)して、光配向膜用組成物からなる層に光照射して本発明の基板を作成する。光異方性化工程で使用する、異方性を有する光としては、直線偏光や楕円偏光等の偏光、もしくは基材面に対して斜めの方向から非偏光があげられる。偏光は直線偏光、楕円偏光のいずれでも良いが、効率よく光配向を行うためには、消光比の高い直線偏光を使用することが好ましい。
また、光照射装置において偏光を得るためには偏光フィルタ等を使用する必要があるので、膜面に照射される光強度が減少するといった欠点があるが、膜面に対して斜め方向から非偏光を照射する方法では、照射装置に偏光フィルタ等を必要とせず、大きな照射強度が得られ、光配向のための照射時間を短縮することができるという利点がある。このときの非偏光の入射角は基材法線に対して10°〜80°の範囲が好ましく、照射面における照射エネルギ−の均一性、得られるプレチルト角、配向効率等を考慮すると、20°〜60°の範囲が更に好ましく、45°が最も好ましい。
照射光の光源としては、キセノンランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、KrF、ArF等の紫外光レ−ザ−等が挙げられる。本発明においては光配向性基がアゾベンゼン構造であるので、365nmの紫外線の発光強度が特に大きい超高圧水銀ランプを有効に使用することができる。
また、偏光を照射する際に、フォトマスクを使用すれば、光配向膜にパターン状に2以上の異なった方向に液晶配向能を生じさせることができる。具体的には、本発明の光配向膜用組成物を塗布乾燥した後に、基材にフォトマスクを被せて全面に偏光もしくは非偏光を照射し、パターン状に露光部分に液晶配向能を与える。必要に応じてこれを複数回繰り返すことで、複数方向に液晶配向能を生じさせることができる。さらにフォトマスクが350nm以下の短波長を吸収する場合には、照射された350nmを超える紫外可視光のみが光配向膜に吸収されるため、短波長由来の副反応を低減することができ、より好ましい液晶配向能を生じさせることができる。
本発明の基材上に接触している配向膜が光異性化反応を経由して異方性を有する配向膜となる場合であって予め重合させる場合は、光異方性化工程後、重合させる。この場合は、後述の光重合開始剤を添加しておくことが好ましい。重合方法は光照射又は熱でよいが、光照射で行う場合は、光異性化工程で得られた配向状態を乱さないようにする。例えば、アゾ化合物の場合には、アゾベンゼン骨格が持つ吸収帯以外の波長で行われることが好ましいとされる。このような光は、具体的には320nm以下の紫外光であるが、320nm以下の紫外光により光配向膜及び重合性液晶組成物が分解などを引き起こす場合は、320nm以上の紫外光で重合処理を行ったほうが好ましい場合もある。
本発明で使用する光重合開始剤は公知慣用のものが使用できる。
320nm以下の紫外光で使用できる光重合開始剤としては1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア184」)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(メルク社製「ダロキュア1173」)などが挙げられる。
その他の光重合開始剤としては、例えば、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(メルク社製「ダロキュア1116」)、2−メチル−1−[(メチルチオ)フェニル]−2−モリホリノプロパン−1(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア907」)。ベンジルメチルケタ−ル(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア651」)。2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬社製「カヤキュアDETX」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬社製「カヤキュアEPA」)との混合物、イソプロピルチオキサントン(ワ−ドプレキンソップ社製「カンタキュア−ITX」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチルとの混合物、アシルフォスフィンオキシド(BASF社製「ルシリンTPO」)、などが挙げられる。光重合開始剤の使用量は添加剤に対して10質量%以下が好ましく、0.5〜5質量%が特に好ましい。
本発明の重合性液晶組成物の重合操作については、重合性液晶組成物中の溶剤を加熱等で除去した後、一般に紫外線等の光照射あるいは加熱によって行われる。重合を光照射で行う場合は、具体的には390nm以下の紫外光を照射することが好ましく、250〜370nmの波長の光を照射することが最も好ましい。但し、390nm以下の紫外光により光配向膜及び重合性液晶組成物が分解などを引き起こす場合は、390nm以上の紫外光で重合処理を行ったほうが好ましい場合もある。
この光は、既に得られた光配向性基の配向を乱さないために、拡散光で、かつ偏光していない光であることが好ましい。
得られた光学異方体の耐溶剤特性や耐熱性の安定化のために、光学異方体を加熱処理することもできる。この場合、前期重合性液晶膜のガラス転移点以上で加熱することが好ましい。通常は、有機材料からなる基材のガラス転移点を越えない範囲での加熱が好ましい。
(光配向膜用組成物(1)の調整)
式(A)で表される化合物0.5部を2−(2−エトキシエトキシ)エタノール49部に溶解させ、溶液1を得た。次にDA−212(ナガセケムテックス株式会社製)1部を2−ブトキシエタノール49部に溶解させ、溶液2を得た。溶液1に溶液2を加え、光配向膜用組成物Bを得た。得られた溶液を0.45μmのメンブランフィルターでろ過し、光配向膜用組成物(2)を得た。
式(B)で示される化合物15部、式(C)で示される化合物15部をプロピレングリコールモノメチルエーテル70部に溶解させた後、イルガキュア907(チバスペシャリティケミカルズ(株)社製)1.2部、式(D)で示されるアクリル共重合体0.3部を加え、溶液を得た。得られた溶液を0.45μmのメンブランフィルターでろ過し、重合性液晶組成物(LC−1)を得た。
式(B)で示される化合物15部、式(C)で示される化合物15部をアニソール70部に溶解させた後、イルガキュア907(チバスペシャリティケミカルズ(株)社製)1.2部、式(D)で示されるアクリル共重合体0.3部を加え、溶液を得た。得られた溶液を0.45μmのメンブランフィルターでろ過し、重合性液晶組成物(LC−2)を得た。
式(B)で示される化合物15部、式(C)で示される化合物15部をキシレン35部、アニソール35部に溶解させた後、イルガキュア907(チバスペシャリティケミカルズ(株)社製)1.2部、式(D)で示されるアクリル共重合体0.3部を加え、溶液を得た。得られた溶液を0.45μmのメンブランフィルターでろ過し、重合性液晶組成物(LC−3)を得た。
式(B)で示される化合物15部、式(C)で示される化合物15部をキシレン70部に溶解させた後、イルガキュア907(チバスペシャリティケミカルズ(株)社製)1.2部、式(D)で示されるアクリル共重合体0.3部を加え、溶液を得た。得られた溶液を0.45μmのメンブランフィルターでろ過し、重合性液晶組成物(LC−4)を得た。
式(B)で示される化合物15部、式(C)で示される化合物15部をキシレン35部、メシチレン35部に溶解させた後、イルガキュア907(チバスペシャリティケミカルズ(株)社製)1.2部、式(D)で示されるアクリル共重合体0.3部を加え、溶液を得た。得られた溶液を0.45μmのメンブランフィルターでろ過し、重合性液晶組成物(LC−5)を得た。
(実施例1)
光配向膜用組成物(1)をスピンコーターで基材である80μmのトリアセチルセルロース誘導体からなるフィルム上に塗布し、80℃で1分間乾燥した。このときの乾燥膜厚は15nmであった。
次に超高圧水銀ランプに波長カットフィルター、バンドパスフィルター、及び、偏光フィルターを介して、波長365nm付近の可視紫外光(照射強度:20mW/cm2)の直線偏光でかつ平行光を、基材に対して垂直方向から照射し、光配向膜を得た。照射量は100mJ/cm2であった。
得られた光配向膜上にスピンコーターで重合性液晶組成物(LC−1)を塗布し、80℃で2分乾燥後、窒素雰囲気下で紫外線を1J/cm2照射することにより均一な光学異方体を得た。リタデーションは270nmであった。得られた光学異方体の膜状態を観察した結果を、外観評価に従い評価した。その結果を表1に示す。
トリアセチルセルロース誘導体からなるフィルムを各溶剤に浸漬して、1時間後のフィルムの溶解状態を外観で確認した。
○:フィルムが一部、もしくは全部溶解
×:フィルムは不溶
(外観評価)
A:目視で欠陥が全くなく、偏光顕微鏡観察でも欠陥が全くない
B:目視では欠陥は全くないが、偏光顕微鏡観察では無配向部分が存在している
C:目視では欠陥はないが、偏光顕微鏡観察で全体的に無配向部分が存在している
D:目視では一部欠陥が生じており、偏光顕微鏡観察でも全体的に無配向部分が存在している
E:目視で光配向膜全体にむらが生じている
(接着性評価)
また、得られた光学異方体の基材/光配向層(A)/重合性液晶層(B)の接着力を評価するため、得られた光学異方体1cm四方にカッターで碁盤目状に切り目を入れ、2mm角の碁盤目にした。次に碁盤目の部分にセロハンテープを貼って、垂直方向に引き上げ、残った碁盤目の数を数えた。以上の操作を5回繰り返し、平均値を求めた。得られた結果を表1に示す。
重合性液晶組成物として重合性液晶組成物(LC−2)を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2の光学異方体を作製し評価結果を表1に示す。
(実施例3)
重合性液晶組成物として重合性液晶組成物(LC−3)を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例3の光学異方体を作製し評価結果を表1に示す。
(実施例4)
光配向膜用組成物として光配向膜用組成物(2)を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例4の光学異方体を作製し評価結果を表1に示す。
(実施例5)
光配向膜用組成物として光配向膜用組成物(2)を用い、重合性液晶組成物として重合性液晶組成物(LC−2)を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例5の光学異方体を作製し評価結果を表1に示す。
(実施例6)
光配向膜用組成物として光配向膜用組成物(2)を用い、重合性液晶組成物として重合性液晶組成物(LC−3)を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例6の光学異方体を作製し評価結果を表1に示す。
重合性液晶組成物として重合性液晶組成物(LC−4)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1の光学異方体を作製し評価結果を表1に示す。
(比較例2)
光配向膜用組成物として光配向膜用組成物(2)を用い、重合性液晶組成物として重合性液晶組成物(LC−4)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例2の光学異方体を作製し評価結果を表1に示す。
重合性液晶組成物として重合性液晶組成物(LC−5)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例3の光学異方体を作製し評価結果を表1に示す。
Claims (19)
- 少なくとも1種以上の重合性液晶化合物及び溶剤を含有する重合性液晶組成物であって、該重合性液晶組成物を、有機材料からなる基材に光配向膜を形成した基板上に塗布した状態において、前記溶剤の少なくとも一部が前記基材の一部を溶解することができる溶剤であることを特徴とする重合性液晶組成物。
- 前記重合性液晶組成物が、少なくとも2つ以上の重合性官能基を有する棒状重合性液晶化合物を2種類以上含有する請求項1記載の重合性液晶組成物。
- 前記重合性液晶組成物中が、少なくとも2つ以上の重合性官能基を有する棒状重合性液晶化合物、及び、1つの重合性官能基を有する棒状重合性液晶化合物を含有する請求項1記載の重合性液晶組成物。
- 棒状重合性液晶化合物が一般式(1)で表される請求項2又は3記載の重合性液晶組成物。
- 一般式(1)において、Spがアルキレン基を表し、(該アルキレン基は1つ以上のハロゲン原子又はCNにより置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-、-SCO-、-COS-又は-C≡C-により置き換えられていても良い。)MGが一般式(1-b)
- 一般式(3)
- 一般式(4)
- 前記重合性液晶組成物中の重合性液晶化合物が、少なくとも1つ以上の重合性官能基を有する円盤状液晶化合物を2種類以上含有することを特徴とする請求項1記載の重合性液晶組成物。
- 少なくとも1つ以上の重合性官能基を有する円盤状液晶化合物がベンゼン誘導体、トリフェニレン誘導体、トルキセン誘導体、フタロシアニン誘導体又はシクロヘキサン誘導体を分子の中心の母核とし、直鎖のアルキル基、直鎖のアルコキシ基又は置換ベンゾイルオキシ基がその側鎖として放射状に置換した構造であることを特徴とする請求項1、もしくは9記載の重合性液晶組成物。
少なくとも1つ以上の重合性官能基を有する円盤状液晶化合物が、一般式(5)で表されることを特徴とする請求項9もしくは10記載の重合性液晶組成物。
- 前記重合性液晶組成物中の重合性液晶化合物が、少なくとも1つ以上の重合性官能基を有するバナナ型液晶化合物を2種類以上含有することを特徴とする重合性液晶組成物。
- 前記重合性液晶組成物中の溶剤が、前記基材を溶解する溶剤、及び、前記基材を溶解しない溶剤を含有することを特徴とする請求項1記載の重合性液晶組成物。
- 少なくとも、有機材料からなる基材、光配向膜、及び少なくとも1種以上の重合性液晶化合物及び溶剤を含有する重合性液晶組成物の重合体を順次積層した光学異方体であって、前記溶剤が前記基材の一部を溶解させることができることを特徴とする光学異方体。
- 前記基材がポリエステル、ポリスチレン、ポリオレフィン、セルロース誘導体、ポリアリレート、ポリカーボネートからなることを特徴とする請求項13記載の光学異方体。
- 光配向膜が少なくとも1つ以上のシンナモイル基、カルコン基、クマリン基、アゾ基を有する化合物、もしくは、アリールエテン誘導体であることを特徴とする請求項13もしくは14記載の光学異方体。
- 光配向膜が少なくとも一般式(6)で表されるアゾ化合物を含有することを特徴とする請求項13〜15記載の光学異方体。
A1及びA2は各々独立して単結合又はアルコキシ基によって置換されていてもよい二価の炭化水素基を表し、B1及びB2は各々独立して単結合、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−CO−O−又は−O−CO−NH−を表すが、R1及びR2の結合において、−O−O−結合を形成することはなく、
m及びnは各々独立して0〜4の整数を表すが、m又はnが2以上のとき、複数あるA1、B1、A2及びB2は同じであっても異なっていても良く、二つのB1又はB2の間に挟まれたA1又はA2はアルコキシ基によって置換されていてもよい二価の炭化水素基を表し、
R3〜R6は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、アリルオキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、カルボキシ基若しくはそのアルカリ金属塩、アルコキシカルボニル基、ハロゲン化メトキシ基、ヒドロキシ基、スルホ基若しくはそのアルカリ金属塩、アミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基又は(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、ビニル基、ビニルオキシ基及びマレイミド基からなる群から選ばれる重合性官能基を表す。) - 光配向膜光が少なくとも親水性基と(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物、及び、一般式(7)で表されるアゾ化合物と相溶性を有する重合体を含有することを特徴とする請求項13〜16記載の光学異方体。
A1及びA2は各々独立して単結合又はアルコキシ基によって置換されていてもよい二価の炭化水素基を表し、B1及びB2は各々独立して単結合、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−CO−O−又は−O−CO−NH−を表すが、R1及びR2の結合において、−O−O−結合を形成することはなく、
m及びnは各々独立して0〜4の整数を表すが、m又はnが2以上のとき、複数あるA1、B1、A2及びB2は同じであっても異なっていても良く、二つのB1又はB2の間に挟まれたA1又はA2はアルコキシ基によって置換されていてもよい二価の炭化水素基を表し、
R3〜R6は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、アリルオキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、カルボキシ基若しくはそのアルカリ金属塩、アルコキシカルボニル基、ハロゲン化メトキシ基、ヒドロキシ基、スルホ基若しくはそのアルカリ金属塩、アミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基又は(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、ビニル基、ビニルオキシ基及びマレイミド基からなる群から選ばれる重合性官能基を表す。) - 光配向膜が、パターン状に2以上の異なった方向に液晶配向能を生じさせた層である、請求項13〜17に記載の光学異方体。
- 少なくとも有機材料からなる基材、光配向膜、及び少なくとも1種以上の重合性液晶化合物を含有する前記基材を溶解させる溶剤を含有する重合性液晶組成物を塗布乾燥した後に重合してなる重合した液晶層が順次積層され、さらに光配向膜、前記基材を溶解させる溶剤を含有する重合性液晶組成物を塗布乾燥した後に重合してなる重合した液晶層が順次された光学異方体。
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