JP2005258046A - 光学異方性材料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光学異方性材料を製造する際に、基板上に、良好な密着性で且つ配向ムラなく光学異方性液晶層を形成する。
【解決手段】 基板上に光学異方性液晶層が形成されてなる光学異方性材料は、基板の表面をラビング処理し、そのラビング処理面を、アルコキシシラン化合物の加水分解物で表面処理し、その表面処理面に重合性ネマチック液晶組成物を塗工し、塗工した重合性液晶組成物を配向処理し、その配向状態を維持しながら重合性液晶組成物を硬化処理することにより光学異方性液晶層を形成することにより製造できる。
【選択図】 図1
Description
(シランカップリング剤の加水分解物の調製)
アクリロキシ基を有するトリメトキシシラン系カップリング剤(KBM−5103(3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社)1重量部に対し、10重量部の1%酢酸水溶液を混合し、60℃で2時間撹拌し、透明な水溶液を得た。この溶液をゲルパーミエーションクロマトグラフィで調べたところ、重合度2〜25(即ち2〜25量体)のポリシラノールオリゴマーが98%含まれていた。その他に、単量体が2%含まれていた。
ガラス基板の片面を、ラビング用レーヨン(Y−20、吉川化工製)で一方向にラビング処理し、そのラビング処理面を、シランカップリング剤の加水分解物(含水メタノール溶液)に浸積した。1分後、ガラス基板をシランカップリング剤の加水分解物から引き上げ、100℃で10分間乾燥することにより、ガラス基板の表面処理を行った。
4−(6−アクリロイルオキシヘキシルオキシ)安息香酸の4−シアノフェニルエステルを20wt%含有する重合性ネマチック液晶組成物(RMM34、ドイツメルク社、前出の式(13)の化合物)100重量部、光重合開始剤(イルガキュア907、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社)5重量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200重量部を混合することにより重合性液晶組成物を得た。
ガラス基材の表面処理面に、重合性液晶組成物を、100RPMで10秒、続いて680RPMで30秒という条件でスピンコートし、60℃の恒温槽中で10分間放置乾燥した。次に、重合性液晶組成物の乾燥塗工膜に対し、室温下、365nmの紫外線を照度80mW/cm2、照射量1000mJ/cm2という条件で照射し、重合性液晶化合物を硬化させることにより光学異方性液晶層を形成し、光学異方性材料を得た。
シランカップリング剤の加水分解物による表面処理の後にラビング処理を施すこと以外は、実施例1と同様の操作により光学異方性材料を得た。
アクリロキシ基を有するトリメトキシシラン系カップリング剤に代えて、メタクリロキシ基を有するトリメトキシシラン系カップリング剤(KBM−503(3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社)を使用すること以外は、実施例1と同様の操作により光学異方性材料を得た。
アクリロキシ基を有するトリメトキシシラン系カップリング剤に代えて、メルカプト基を有するトリメトキシシラン系カップリング剤(KBM−803(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社)を使用すること以外は、実施例1と同様の操作により光学異方性材料を得た。
アクリロキシ基を有するトリメトキシシラン系カップリング剤に代えて、エポキシ基を有するトリメトキシシラン系カップリング剤(KBM−403(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社)を使用すること以外は、実施例1と同様の操作により光学異方性材料を得た。
アクリロキシ基を有するトリメトキシシラン系カップリング剤に代えて、ビニル基を有するトリメトキシシラン系カップリング剤(KBM−1003(ビニルトリメトキシシラン)、信越化学工業社)を使用すること以外は、実施例1と同様の操作により光学異方性材料を得た。
アクリロキシ基を有するトリメトキシシラン系カップリング剤に代えて、アミノ基を有するトリメトキシシラン系カップリング剤(KBM−903(3−アミノプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社)を使用すること以外は、実施例1と同様の操作により光学異方性材料を得た。
ガラス基板に代えて、ケン化トリアセチルセルロース基板(ケン化TAC基板)(ケン化条件:TACフィルム(T80UZ、富士写真フィルム社)を60℃の2NのKOH水溶液中浸漬5分、0.1NのHCl水溶液で中和し、蒸留水で水洗したサンプル)を使用する以外は、実施例1と同様の操作により光学異方性材料を得た。
ガラス基板に代えて、ケン化トリアセチルセルロース基板(ケン化TAC基板)(ケン化条件:TACフィルム(T80UZ、富士写真フィルム社)を60℃の2NのKOH水溶液中浸漬5分、0.1NのHCl水溶液で中和し、蒸留水で水洗したサンプル)を使用する以外は、実施例2と同様の操作により光学異方性材料を得た。
ガラス基板に代えて、ケン化トリアセチルセルロース基板(ケン化TAC基板)(ケン化条件:TACフィルム(T80UZ、富士写真フィルム社)を60℃の2NのKOH水溶液中浸漬5分、0.1NのHCl水溶液で中和し、蒸留水で水洗したサンプル)を使用する以外は、実施例3と同様の操作により光学異方性材料を得た。
ガラス基板に代えて、ケン化トリアセチルセルロース基板(ケン化TAC基板)(ケン化条件:TACフィルム(T80UZ、富士写真フィルム社)を使用し、且つアクリロキシ基を有するトリメトキシシラン系カップリング剤に代えて、アミノ基を有するトリメトキシシラン系カップリング剤(KBM−903(3−アミノプロピルトリメトキシシラン)、信越シリコーン社)を使用すること以外は、実施例1と同様の操作により光学異方性材料を得た。
カップリング剤の加水分解物に代えて、アクリロキシ基を有するトリメトキシシラン系カップリング剤(KBM−5103、信越化学工業社)を、加水分解することなく、固形分濃度が2%となるようにメタノールに溶解することにより得たシランカップリング剤メタノール溶液を使用すること以外は、実施例1と同様の操作により光学異方性材料を得た。
カップリング剤の加水分解物に代えて、アクリロキシ基を有するトリメトキシシラン系カップリング剤(KBM−5103、信越化学工業社)を、加水分解することなく、固形分濃度が2%となるようにメタノールに溶解することにより得たシランカップリング剤メタノール溶液を使用すること以外は、実施例2と同様の操作により光学異方性材料を得た。
カップリング剤の加水分解物に代えて、メタクリロキシ基を有するトリメトキシシラン系カップリング剤(KBM−503、信越化学工業社)を、加水分解することなく、固形分濃度が2%となるようにメタノールに溶解することにより得たシランカップリング剤メタノール溶液を使用すること以外は、実施例3と同様の操作により光学異方性材料を得た。
カップリング剤の加水分解物に代えて、メルカプト基を有するトリメトキシシラン系カップリング剤(KBM−803、信越化学工業社)を、加水分解することなく、固形分濃度が2%となるようにメタノールに溶解することにより得たシランカップリング剤メタノール溶液を使用すること以外は、実施例4と同様の操作により光学異方性材料を得た。
カップリング剤の加水分解物に代えて、エポキシ基を有するトリメトキシシラン系カップリング剤(KBM−403、信越化学工業社)を、加水分解することなく、固形分濃度が2%となるようにメタノールに溶解することにより得たシランカップリング剤メタノール溶液を使用すること以外は、実施例5と同様の操作により光学異方性材料を得た。
カップリング剤の加水分解物に代えて、ビニル基を有するトリメトキシシラン系カップリング剤(KBM−1003、信越化学工業社)を、加水分解することなく、固形分濃度が2%となるようにメタノールに溶解することにより得たシランカップリング剤メタノール溶液を使用すること以外は、実施例6と同様の操作により光学異方性材料を得た。
カップリング剤の加水分解物に代えて、アミノ基を有するトリメトキシシラン系カップリング剤(KBM−903、信越化学工業社)を、加水分解することなく、固形分濃度が2%となるようにメタノールに溶解することにより得たシランカップリング剤メタノール溶液を使用すること以外は、実施例7と同様の操作により光学異方性材料を得た。
カップリング剤の加水分解物に代えて、アクリロキシ基を有するトリメトキシシラン系カップリング剤(KBM−5103、信越化学工業社)を、加水分解することなく、固形分濃度が2%となるようにメタノールに溶解することにより得たシランカップリング剤メタノール溶液を使用すること以外は、実施例8と同様の操作により光学異方性材料を得た。
カップリング剤の加水分解物に代えて、アクリロキシ基を有するトリメトキシシラン系カップリング剤(KBM−5103、信越化学工業社)を、加水分解することなく、固形分濃度が2%となるようにメタノールに溶解することにより得たシランカップリング剤メタノール溶液を使用すること以外は、実施例9と同様の操作により光学異方性材料を得た。
カップリング剤の加水分解物に代えて、メタクリロキシ基を有するトリメトキシシラン系カップリング剤(KBM−503、信越化学工業社)を、加水分解することなく、固形分濃度が2%となるようにメタノールに溶解することにより得たシランカップリング剤メタノール溶液を使用すること以外は、実施例10と同様の操作により光学異方性材料を得た。
カップリング剤の加水分解物に代えて、アミノ基を有するトリメトキシシラン系カップリング剤(KBM−903、信越化学工業社)を、加水分解することなく、固形分濃度が2%となるようにメタノールに溶解することにより得たシランカップリング剤メタノール溶液を使用すること以外は、実施例11と同様の操作により光学異方性材料を得た。
カップリング剤の加水分解物による表面処理操作を省略すること以外は、実施例1と同様の操作により光学異方性材料を得た。
カップリング剤の加水分解物による表面処理操作を省略すること以外は、実施例6と同様の操作により光学異方性材料を得た。
得られた光学異方性材料について、基版に対する光学異方性液晶層の密着性と、光学異方性液晶層の液晶配向(水平(ホモジニアス)配向)状態を目視法により評価した。具体的には、得られたホモジニアス配向した液晶光学異方性フィルムサンプルを、クロスニコルさせた2枚の偏光板光間に、偏光板光軸に対し45°の角度となるように挟み、正面からとフィルムを傾斜させた状態で観察する。正面から観察した場合、液晶フィルムサンプルに位相の遅れがあるため、光の透過が観察される。他方、左右に液晶フィルムを傾斜させた状態で観察した場合、液晶フィルムに左右同程度にリタデーション値が小さくなるため、左右同程度に透過光の変化(低下)が観察される。
JIS K5400に従い、光学異方性材料サンプルの光学異方性液晶層の10mm角の領域に、カッターで縦横1mm間隔で切れ目を入れ、100個に切り分けた。その領域にJIS Z 1522に規定されているセロハン粘着テープを貼着し、そのテープを剥離することにより密着性を評価した。切り分けた100個が一つも剥がれない場合(100/100)を、良好と判定し、それ以外を不良と判定した。得られた結果を表1に示す。
(目視法)
水平配向した光学異方性材料サンプルを、クロスニコルさせた2枚の偏光板間に挟み、正面から観察し、光の均一な透過が観察されるか否かを評価した。光の均一な透過が観察された場合を良好「○」と判定し、不均一な場合を不良「×」と判定した。配向ムラが観察されたが実用上問題がない場合を普通「△」と判定した。
2…光学異方性フィルム(視野角及び色補償フィルム)
3…位相差板3
4…偏光板
5…バックライト
6…ハードコート層
Claims (8)
- 基板上に光学異方性液晶層が形成されてなる光学異方性材料の製造方法であって、基板の表面をラビング処理し、そのラビング処理面を、アルコキシシラン化合物の加水分解物で表面処理し、その表面処理面に重合性ネマチック液晶組成物を塗工し、塗工した重合性液晶組成物を配向処理し、その配向状態を維持しながら重合性液晶組成物を硬化処理することにより光学異方性液晶層を形成する光学異方性材料の製造方法。
- 基板上に光学異方性液晶層が形成されてなる光学異方性材料の製造方法であって、基板の表面をアルコキシシラン化合物の加水分解物で表面処理し、その表面処理面をラビング処理し、そのラビング処理面に重合性ネマチック液晶組成物を塗工し、塗工した重合性液晶組成物を配向処理し、その配向状態を維持しながら重合性液晶組成物を硬化処理することにより光学異方性液晶層を形成する光学異方性材料の製造方法。
- 官能基が、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、メルカプト基、エポキシ基、及びアミノ基のいずれかである請求項1又は2記載の製造方法。
- 官能基が、アクリロキシ基又はメタクリロキシ基である請求項3記載の製造方法。
- 基板が、ガラス基板又はケン化トリアセチルセルロース基板である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- 請求項1又は2記載の製造方法により得られた光学異方性材料。
- 液晶パネルの少なくとも片面に、請求項1又は2記載の製造方法により得られた光学異方性材料を備えた液晶表示装置。
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