JP2015064418A - 位相差フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】基材と、配向層と、位相差層(液晶層)とを順次積層させた位相差フィルムにおいて、基材と配向層との密着性を弱めて基材を容易に剥離することができる位相差フィルムを提供する。【解決手段】本発明に係る位相差フィルム1は、基材11と、配向層12と、液晶組成物を含む位相差層13とが順次積層されてなり、液晶組成物には重合性液晶化合物と重合開始剤とが含まれており、その液晶組成物中の重合開始剤の一部が、配向層12を介して基材11に浸透して、その基材11における配向層12との界面に存在してなる。【選択図】図1

Description

本発明は、位相差フィルムに関し、より詳しくは、基材と、配向層と、位相差層(液晶層)とが順次積層されてなる位相差フィルムにおいて、その基材を容易に剥離することが可能な位相差フィルムに関する。
近年、3次元表示可能なフラットパネルディスプレイが提供されている。フラットパネルディスプレイにおいて3次元表示をするには、通常、何らかの方式で右目用の画像と、左目用の画像とを、それぞれ選択的に視聴者の右目及び左目に提供することが必要である。右目用の画像と左目用の画像とを選択的に提供する方法としては、例えば、パッシブ方式が知られている。このパッシブ方式では、液晶表示パネルの垂直方向に連続する画素を、順次交互に、右目用の画像を表示する右目用画素、左目用の画像を表示する左目用画素に振り分け、それぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動するようにする。これにより右目用の画像と左目用の画像とを同時に表示することが可能となる。
さらにパッシブ方式では、液晶表示パネルのパネル面に位相差フィルムを配置し、右目用及び左目用の画素からの直線偏光による出射光を、右目用及び左目用で回転方向の異なる円偏光に変換する。このため位相差フィルムは、液晶表示パネルにおける領域の設定に対応して、遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)が直交する2種類の帯状領域が順次交互に形成される。これにより、対応する偏光フィルタを備えてなる眼鏡を装着して、右目用の画像と左目用の画像とをそれぞれ選択的に視聴者の右目及び左目に提供する。
このパッシブ方式は、応答速度の遅い液晶表示装置でも適用することができ、さらに位相差フィルムと円偏光メガネとを用いた簡易な構成で3次元表示することができる。
さて、このような位相差フィルムは、透明フィルムによる基材の表面に、配向規制力を制御した配向膜(配向層)が形成され、さらに液晶材料が塗布されることで得られる。位相差フィルムは、この液晶材料の配列が配向膜の配向規制力によりパターンニングされ、これにより画像表示パネルからの出射光に対応する位相差を与えるようになる。
この位相差フィルムに関して、特許文献1には、配向規制力を制御した光配向膜をガラス基板上に形成し、この光配向膜により液晶の配列をパターニングして位相差層を作成する方法が開示されている。また、特許文献2には、全面を露光処理した後、マスクを使用して露光処理することにより光配向膜を作製し、この光配向膜の配向規制力により液晶層を配向させて硬化させることにより、位相差フィルムを作製する方法が開示されている。
ところで、このような位相差フィルムは、一般的に、基材と配向層との密着性を高めて、良好な配向性を安定的に発揮させるようにしている(例えば、特許文献3参照)。一方で、位相差フィルムを、いわゆる転写型位相差フィルムとして、例えば位相差層の基材に転写する転写用途に用いる方法も研究されており、このようなフィルムにおいては、被転写体となる基材の密着性を弱めて易剥離化させることが望まれている。
しかしながら、基材のみを容易に剥離することができ、例えば転写型位相差フィルム等として好適に用いることが可能な位相差フィルムは開発されていない。
特開2005−049865号公報 特開2012−042530号公報 特開2005−148473号公報
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、基材と、配向層と、位相差層(液晶層)とを順次積層させた位相差フィルムにおいて、基材と配向層との密着性を弱めて基材を容易に剥離することができる位相差フィルムを提供することを目的とする。
本発明者は、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、基材と、配向層と、重合性液晶化合物と重合開始剤とを少なくとも含有する液晶組成物を含む位相差層(液晶層)とを順次積層させた位相差フィルムにおいて、その液晶組成物中の重合開始剤の一部が、配向層を介して基材まで浸透して、その基材における配向層との界面に存在するようになることを確認し、これにより基材が易剥離化することを見出した。すなわち、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1)本発明は、基材と、配向層と、液晶組成物を含む位相差層とが順次積層されてなり、前記液晶組成物には重合性液晶化合物と重合開始剤とが含まれており、該液晶組成物中の重合開始剤の一部が、前記基材と前記配向層との界面に存在している位相差フィルムである。
(2)また本発明は、上述した(1)の発明において、前記重合開始剤がラジカル重合開始剤である位相差フィルムである。
(3)また本発明は、上述した(1)又は(2)の発明において、前記重合開始剤の一部に硫黄元素を含有し、該硫黄元素が前記界面に存在している位相差フィルムである。
(4)また本発明は、上述した(1)乃至(3)の何れかの発明において、前記基材がアクリル基材である位相差フィルムである。
本発明に係る位相差フィルムによれば、位相差層(液晶層)を構成する液晶組成物中の重合開始剤の一部が基材と配向層との界面に存在していることにより、基材と配向層との密着性を弱化させることができ、その界面を剥離界面として基材のみを容易に剥離することができる。
位相差フィルムの一例を示す概略図である。 配向膜(パターン配向膜)の一例を示す概略図である。 位相差フィルムの製造工程の一例を示す概略図である。 基材/配向層/位相差層(液晶層)の積層体からなる位相差フィルムの剥離面(テープ側、反テープ側)に対してIR測定したときの測定結果を示すスペクトル図である。 基材/配向層/位相差層(液晶層)の積層体からなる位相差フィルムの剥離面(テープ側、基材側)に対してIR測定したときの1610cm−1付近のスペクトル図である。
以下、本発明に係る位相差フィルムの具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。
≪1.位相差フィルムの構成≫
図1は、本実施の形態に係る位相差フィルム1の一例を示す図である。図1に示すように、位相差フィルム1は、透明フィルム材からなる基材11と、配向層12と、位相差層(液晶層)13とが順次積層されてなる。位相差層13には、液晶組成物が含まれており、その液晶組成物中には、分子内に重合性官能基を有する液晶化合物(重合性液晶化合物)と、その重合性液晶化合物の重合を開始させる重合開始剤とを少なくとも含有する。
そして、この位相差フィルム1においては、位相差層13に含まれる液晶組成物中の成分である重合開始剤の少なくとも一部が、配向層12を介して基材11にまで浸透して、基材11と配向層12との界面に存在していることを特徴としている。
このような位相差フィルム1では、重合開始剤の一部が基材11に浸透して、基材11と配向層12との界面に存在していることにより、その基材11と配向層12と密着性を弱化させることができ、その界面を剥離界面として基材11のみを容易に剥離することができる。これにより、基材11上に配向層12と位相差層13とを積層させた後に、その基材11のみを容易に剥がして使用することが可能となり、例えば転写型位相差フィルムとして転写用途に好適に用いることができる。また、基材上に、配向層と位相差層とを安定的に積層させた後に、基材のみを容易に剥離可能とすることで、基材のない(基材レス化した)位相差フィルムを作製することもできる。
なお、図1に示す位相差フィルム1は、配向層12を、パターン状に配向膜を形成させてパターン配向層とした場合を例としたときの模式図であるが、これに限定されるものではなく、ベタ状に配向膜を形成して配向層12としたものであってもよい。
[基材]
基材11は、透明フィルム材であり、配向層12を支持する機能を有し、長尺に形成されている。
基材11は、位相差が小さいことが好ましく、面内位相差(面内レターデーション値、以下「Re値」ともいう。)が、0nm以上10nm以下の範囲内であることが好ましく、0nm以上5nm以下の範囲内であることがより好ましく、0nm以上3nm以下の範囲内であることがさらに好ましい。Re値が10nmを超えると、パターン配向膜を用いたフラットパネルディスプレイの表示品質が悪くなる可能性がある点で好ましくない。
Re値とは、屈折率異方体の面内方向における複屈折性の程度を示す指標をいい、面内方向において屈折率が最も大きい遅相軸方向の屈折率をNx、遅相軸方向に直交する進相軸方向の屈折率をNy、屈折率異方体の面内方向に垂直な方向の厚さをdとした場合に、
Re[nm]=(Nx−Ny)×d[nm]
で表わされる値である。Re値は、例えば位相差測定装置KOBRA−WR(王子計測機器社製)を用い、平行ニコル回転法により測定することができる。また、本明細書では、特段の記載をしない限り、Re値は波長589nmにおける値を意味するものとする。
基材11の可視光領域における透過率は、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。ここで、透明フィルム基材の透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。このようなフレキシブル材としては、アクリル系ポリマー(アクリル樹脂)、セルロース誘導体、ノルボルネン系ポリマー、シクロオレフィン系ポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、アモルファスポリオレフィン、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル類等を例示することができる。
その中でも、本実施の形態においては、PMMA等のアクリル樹脂からなるアクリル基材を用いることが好ましい。このようなアクリル基材では、詳しくは後述するように、液晶組成物中の成分である重合開始剤の一部が容易に浸透するようになり、基材11と配向層12との界面を剥離界面として、基材11をより一層に易剥離化させることができる。
アクリル基材等により構成される基材11の厚さとしては、特に限定されないが、25μm以上125μm以下の範囲内であることが好ましく、40μm以上100μm以下の範囲内であることがより好ましく、40μm以上80μm以下の範囲内であることがさらに好ましい。基材11の厚さが25μm未満であると、位相差フィルムとして最低限必要な自己支持性を付与できない場合があり好ましくない。一方で、基材11の厚さが125μmを超えると、位相差フィルムが長尺状である場合、長尺状の位相差フィルムを裁断加工し、枚葉の位相差フィルムとする際に、加工屑が増加したり、裁断刃の磨耗が早くなってしまう場合があり好ましくない。
基材11は、単一の層からなる構成に限られるものではなく、複数の層が積層された構成を有してもよい。複数の層が積層された構成を有する場合は、同一組成の層が積層されてもよく、また、異なった組成を有する複数の層が積層されてもよい。
[配向層]
図2は、配向膜2(パターン配向膜)の一例を示す概略図である。配向膜2は、基材11上に配向層用組成物(配向膜組成物)を塗布(塗工)して硬化させて得られた硬化物からなり、この配向膜2により配向層12が形成される。この配向膜2は、例えば、偏光照射により光配向性を発揮する光配向材料を用い光照射によって配向させる光配向方式により形成することができる。
なお、配向層12を構成する配向膜2は、図2に示したように、パターン状に形成したパターン配向膜とすることができる。また、この配向膜2は、基材11上にベタ状に形成したベタ膜としてもよい。このように、配向層12を構成する配向膜2がパターン状であってもベタ状であっても、基材11上に配向層12と位相差層13とを順次積層させた位相差フィルム1において、位相差層13に含まれる液晶組成物中の重合開始剤の一部が、その配向層12を介して基材11まで浸透するようになる。
(光配向材料)
光配向方式によって配向層12を形成する場合、配向層12を構成する配向層用組成物(配向膜組成物)としては、偏光照射により光配向性を発揮する光配向材料を含む。ここで、光配向材料とは、偏光紫外線の照射により配向規制力を発現できる材料をいう。また、配向規制力とは、光配向材料を含む配向層を形成し、この配向層上に重合性液晶化合物(「棒状化合物」ともいう)からなる層(位相差層13)を形成したとき、その液晶化合物を所定の方向に配列させる機能をいう。
光配向材料としては、偏光を照射することにより配向規制力を発現するものであれば特に限定されるものではない。このような光配向材料は、シス−トランス変化によって分子形状のみを変化させて配向規制力を可逆的に変化させる光異性化材料と、偏光を照射することにより分子そのものを変化させる光反応材料とに大別することができる。位相差フィルム1においては、上述した光異性化材料及び光反応材料のいずれであっても好適に用いることができるが、光反応材料を用いることがより好ましい。光反応材料は、偏光が照射されることによって分子が反応して配向規制力を発現するものであるため、不可逆的に配向規制力を発現することが可能になり、配向規制力の経時安定性において優れる。
また、光反応材料は、光二量化反応が生じることによって配向規制力を発現する光二量化型材料、光分解反応が生じることによって配向規制力を発現する光分解型材料、光結合反応が生じることによって配向規制力を発現する光結合型材料、及び光分解反応と光結合反応とが生じることによって配向規制力を発現する光分解−結合型材料等に分けることができる。位相差フィルム1においては、上述した光反応材料のいずれであっても好適に用いることができるが、光二量化型材料を用いることがより好ましい。
光二量化型材料としては、光二量化反応を生じることにより配向規制力を発現できる材料であれば特に限定されないが、配向規制力が良好である点から、光二量化反応を生じる光の波長が280nm以上であることが好ましく、280nm以上400nm以下の範囲内であることがより好ましく、300nm以上380nm以下の範囲内であることがさらに好ましい。このような光二量化型材料としては、シンナメート、クマリン、ベンジリデンフタルイミジン、ベンジリデンアセトフェノン、ジフェニルアセチレン、スチルバゾール、ウラシル、キノリノン、マレインイミド、又はシンナミリデン酢酸誘導体を有するポリマーが挙げられる。その中でも、配向規制力が良好である点で、シンナメート、クマリンの一方又は両方を有するポリマーが好ましく用いられる。このような光二量化型材料の具体例としては、例えば特開平9−118717号公報、特表平10−506420号公報、特表2003−505561号公報及びWO2010/150748号公報に記載された化合物を挙げることができる。
なお、本実施の形態において用いられる光配向材料は、1種類のみであってもよく、2種類以上を混合させて用いてもよい。
(溶媒)
配向膜組成物中に用いる溶媒は、光配向材料を所望の濃度に溶解できるものであれば特に限定されるものでなく、例えば、ベンゼン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン(CHN)等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGME)等のエーテル系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化アルキル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等のエステル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、シクロヘキサン等のアノン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(以下「IPA」という。)等のアルコール系溶媒を例示することができるが、これらに限られるものではない。また、溶媒は、1種類であってもよいし、2種類以上の溶媒の混合溶媒であってもよい。
溶媒の量としては、例えば光配向材料100質量部に対して600質量部以上3900質量部以下であることが好ましい。溶媒の量が600質量部未満であると、光配向材料を均一に溶かすことができない可能性があり好ましくない。一方で、溶媒の量が3900質量部を超えると、光配向性が低下してしまう可能性があり好ましくない。
[位相差層(液晶層)]
位相差層(液晶層)12は、重合性液晶組成物を含有する。この重合性液晶組成物は、液晶性を示し分子内に重合性官能基を有する液晶化合物(棒状化合物)を含有する。
(液晶化合物)
液晶化合物は、屈折率異方性を有し、規則的に配列することにより所望の位相差性を付与する機能を有する。液晶化合物として、例えば、ネマチック相、スメクチック相等の液晶相を示す材料が挙げられるが、他の液晶相を示す液晶化合物と比較して規則的に配列させることが容易である点で、ネマチック相を示す液晶化合物を用いることがより好ましい。ネマチック相を示す液晶化合物としては、メソゲン両端にスペーサを有する材料を用いることが好ましい。メソゲン両端にスペーサを有する液晶化合物は、柔軟性に優れるため、このような液晶化合物を用いることによって位相差フィルム1を透明性に優れたものにすることができる。
液晶化合物は、上述したように分子内に重合性官能基を有する重合性液晶化合物である。重合性官能基を有することにより、液晶化合物を重合して固定することが可能になるため、配列安定性に優れ、位相差性の経時変化が生じにくくなる。また、重合性液晶化合物は、分子内に三次元架橋可能な重合性官能基を有することがより好ましい。三次元架橋可能な重合性官能基を有することで、配列安定性をより一層に高めることができる。なお、「三次元架橋」とは、液晶性分子を互いに三次元に重合して、網目(ネットワーク)構造の状態にすることをいう。
重合性官能基としては、例えば、紫外線、電子線等の電離放射線、あるいは熱の作用によって重合するものを挙げることができる。これら重合性官能基としては、ラジカル重合性官能基が挙げられる。ラジカル重合性官能基の代表例としては、少なくとも1つの付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を持つ官能基が挙げられ、具体例として、置換基を有する若しくは有さないビニル基、アクリレート基(アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基を包含する総称)等が挙げられる。
さらにまた、重合性液晶化合物は、末端に重合性官能基を有するものが特に好ましい。このような液晶化合物を用いることにより、例えば、互いに三次元に重合して、網目(ネットワーク)構造の状態にすることができるため、列安定性を備え、かつ、光学特性の発現性に優れた位相差フィルム1を形成することができる。
重合性液晶化合物の量としては、配向層12上に塗布する塗布方法に応じて、位相差層形成用塗工液(液晶組成物)の粘度を所望の値に調整できるものであれば特に限定されないが、液晶組成物中の量として5質量部以上40質量部以下の範囲内であることが好ましく、10質量部以上30質量部以下の範囲内であることがより好ましい。重合性液晶化合物の量が5質量部未満であると、含有量が少なすぎるために位相差層13への入射光を適切に配向できない可能性があり好ましくない。一方で、30質量部を超えると、液晶組成物の粘度が高くなりすぎるために作業性が悪くなり好ましくない。
また、重合性液晶化合物は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。例えば、重合性液晶化合物として、両末端に重合性官能基を1つ以上有する液晶化合物と片末端に重合性官能基を1つ以上有する液晶化合物とを混合して用いると、両者の配合比の調整により重合密度(架橋密度)及び光学特性を任意に調整できる。また、信頼性確保の観点からは両末端に重合性官能基を1つ以上有する重合性液晶化合物を用いることが好ましいが、液晶配向の観点からは両末端の重合性官能基が1つであるものを用いることが好ましい。
(重合開始剤)
また、重合性液晶組成物には、重合開始剤が含まれている。重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤を用いることができる。
ラジカル重合開始剤は、紫外線や電子線等の電離放射線、あるいは熱等の作用によってフリーラジカルを発生する化合物である。具体的に、ラジカル重合開始剤としては、ベンジル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、ベンジルメチルケタール、ジメチルアミノメチルベンゾエート、2−n−ブトキシエチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、3、3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、メチロベンゾイルフォーメート、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェルニケトン、2−ヒロドキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロキシチオキサントン、2−ヒドロキシ−2−メチル−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノールオリゴマー等を挙げることができる。
本実施の形態に係る位相差フィルム1においては、詳しくは後述するが、位相差層13を構成する液晶組成物に含まれる重合開始剤の一部が、配向層12を介して基材11にまで浸透して、その基材11と配向層12との界面に存在するようになる。このような位相差フィルム1では、界面に存在するようになった重合開始剤の作用により、基材11と配向層との密着性を弱くすることができ、容易に基材11を剥がすことが可能となる。
上述した重合開始剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。2種以上を併用する場合には、吸収分光特性を阻害しないように、吸収波長の異なる開始剤を組み合わせるのが好ましい。このように重合開始剤が配合された液晶組成物を配向層12上に塗工して塗膜を形成し、その塗膜中に存在する液晶化合物を配向させた後、例えば重合開始剤の感光波長の光を照射することによって、配向した液晶化合物同士を良好に架橋させることができる。
重合開始剤の量としては、液晶化合物の配向を大きく損なわない範囲で添加することが必要であり、液晶組成物中の液晶化合物100質量部に対して、0.01〜15質量部であることが好ましく、0.1〜12質量部であることがより好ましく、0.1〜10質量部であることがさらに好ましく、0.5〜10質量部であることが特に好ましい。
(溶媒)
上述した液晶化合物は、通常、溶媒に溶かされている。溶媒としては、液晶化合物等を均一に分散できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ベンゼン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン(CHN)等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGME)等のエーテル系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化アルキル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等のエステル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、シクロヘキサン等のアノン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(以下「IPA」という。)等のアルコール系溶媒を例示することができるが、これらに限られるものではない。また、溶媒は、1種類であってもよいし、2種類以上の溶媒の混合溶媒であってもよい。
溶媒の量は、液晶化合物100質量部に対して66質量部以上900質量部以下であることが好ましい。溶媒の量が66質量部未満であると、液晶化合物を均一に溶かすことができない可能性があり好ましくない。一方で、900質量部を超えると、溶媒の一部が残存し、信頼性が低下する可能性、及び均一に塗工できない可能性があり好ましくない。
(他の化合物)
また、液晶組成物は、必要に応じて他の化合物を含むものであってもよい。他の化合物としては、上述した液晶化合物の配列秩序を害するものでなければ特に限定されるものではなく、例えば、重合禁止剤、可塑剤、界面活性剤及びシランカップリング剤等を挙げることができる。なお、例えば、レベリング剤としてシリコーン系の高分子量レベリング剤を添加する場合においての添加量は、0.1%以上1%未満程度である。
(位相差層の厚さ)
位相差層13の厚さとしては、特に限定されるものでないが、適切な配向性能を得るためには、500nm以上2000nm以下であることが好ましい。
≪2.基材の易剥離化≫
本発明者は、基材11と、配向層12と、重合性液晶化合物を含有する液晶組成物を含む位相差層13とが順次積層されてなる位相差フィルム1において、所定の重合開始剤を含有する液晶組成物により形成された位相差層13を構成することにより、基材11と配向層12との密着性が弱くなり、その界面において基材11を容易に剥離することができるようになることを見出した。
このことは、位相差層13に含まれる液晶組成物中の重合開始剤の一部が、配向層12を介して基材11にまで浸透して、その基材11と配向層12との界面に存在するようになることによる。
そして、易剥離化の詳細なメカニズムは定かではないが、例えば硫黄(S)元素を含有するラジカル重合開始剤が液晶組成物中の溶剤と共に基材11にまで浸透して、その基材11と配向層12との界面に存在するようになると、その界面において紫外線や電子線の照射等によりフリーラジカルを発生させるものと考えられる。すると、その発生したフリーラジカルが基材11に作用して、基材11と配向層12との密着性を弱化させるようになることで、位相差フィルム1において基材11の易剥離化が生じると考えられる。
位相差層13から基材11に浸透してきた液晶組成物中の重合開始剤の基材11と配向層12との界面における存在量としては、その重合開始剤に基づくフリーラジカルの発生により、基材11と配向層12との密着性を弱化させることができる量であれば特に限定されるものではなく、使用する基材の種類等に応じて適宜設定することができる。
このような位相差フィルム1によれば、基材11を容易に剥離することができることにより、いわゆる転写型位相差フィルムとして転写用途に好適に活用することができる。具体的には、アクリル系ポリマー等からなるアクリル基材を被転写体とし、そのアクリル基材上に配向層と位相差層とを順次積層させて、例えばその位相差層を転写用位相差層としてアクリル基材に転写されるようにする。そして、この位相差フィルム1では、液晶組成物中の重合開始剤がアクリル基材にまで浸透することによって基材を易剥離化させていることから、その被転写体であるアクリル基材を容易に剥離して利用することができる。
≪3.位相差フィルムの製造方法≫
次に、位相差フィルム1の製造方法について説明する。図3は、位相差フィルム1の製造工程の流れを示す模式図である。なお、配向層12として、パターン状に配向膜を形成してなるパターン配向層とする場合を例に挙げるが、これに限られるものではない。
位相差フィルム1の製造においては、先ず、(A)ロール31に巻き取った長尺フィルムから基材11を提供し、この基材11上に配向層用組成物(配向膜組成物)32を塗工する配向膜組成物塗工処理を行う。続いて、(B)その配向膜組成物を乾燥機33で熱硬化させて薄膜状の配向層形成用層を形成する配向層形成用層形成処理を行う。そして、(C)配向層形成用層に対して紫外線照射装置34,35から紫外線を照射する紫外線照射処理を行う。これら(A)〜(C)の処理によって、基材11上に配向層12(パターン配向層)が形成される。
続いて、(D)重合性液晶組成物と重合開始剤とを少なくとも含有する位相差層形成用塗工液(液晶組成物)13’を供給装置36から供給して配向層12上に塗工し、位相差層形成用層を形成する位相差層形成用塗工液塗工処理を行う。その後、(E)レベリング装置37を用いて、位相差層形成用層の層厚を均一にするレベリング処理を行う。そして、(F)乾燥機38を用いて塗膜に含まれる液晶化合物を液晶相形成温度以上に加温することで、上述した配向層12(パターン配向層)が有する、右目用の領域に対応する第1配向領域12Aと、左目用の領域に対応する第2配向領域12Bとの異なる配向方向に沿って、液晶化合物を配列させる配向処理を行う。この配向処理により位相差層形成用層が位相差層13となる。
その後、(G)冷却機39を用いて、基材11/配向層12/位相差層(液晶層)13からなる積層体を冷却する冷却処理を行い、(H)紫外線照射装置40等を用いて、重合性液晶化合物に紫外線等を照射する。そして、(I)フィルムを巻き取りリール41に巻き取った後、所望の大きさに切り出す切断処理を行う。以上のような工程を経て位相差フィルム1が作製される。
(A)配向膜組成物塗工処理
先ず、ロール31に巻き取った長尺フィルムから、アクリルフィルム等からなる基材11を提供し、その基材11上に配向膜組成物32を塗工する配向膜組成物塗工処理を行う。なお、基材11に対しては、ロール31から引き出し、防眩処理(AG処理)や反射防止処理(AR処理)等を施すことによって、基材11の表面に防眩層や反射防止層を形成することができる。
配向膜組成物32を塗工するにあたっての塗工方法としては、ダイコート法、グラビアコート法、リバースコート法、ナイフコート法、ディップコート法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、スピンコート法、ロールコート法、プリント法、浸漬引き上げ法、カーテンコート法、キャスティング法、バーコート法、エクストルージョンコート法、E型塗布方法等を用いることができる。これら塗工方法により配向膜組成物32を基材11に塗工することで、配向層形成用層を形成する。
(B)配向層形成用層形成処理
配向層形成用層形成処理では、乾燥機33を用いて基材11に塗工した配向膜組成物32を熱硬化させる。この処理では、配向膜組成物32が塗工された基材11を乾燥機33に導き、配向膜組成物32を熱硬化させた後、半乾きの状態で次の工程に送出する。
配向膜組成物32の硬化温度としては、100℃以上130℃以下であることが好ましい。硬化温度が100℃未満であると、配向膜組成物32を均一に熱硬化できず、薄膜が不均一になる可能性があるため好ましくない。一方で、硬化温度が130℃を超えると、基材11や薄膜が収縮する可能性があるため好ましくない。また、配向膜組成物32の硬化時間としては、1分以上10分未満であることが好ましい。硬化時間が1分未満であると、熱硬化できず、薄膜が不均一になる可能性があるため好ましくない。また、配向膜表面に配向成分が出現しなくなり、良好な配向性を発揮させることができない可能性がある。一方で、硬化時間が10分以上であると、ハジキや欠点が発生する可能性や、基材11や薄膜が収縮する可能性があるため好ましくない。
(C)紫外線照射処理
続いて、配向層形成用層に対して紫外線を照射する紫外線照射処理を行う。紫外線照射処理では、例えば、先ず、第1配向準備領域を遮光せずに第2配向準備領域だけを遮光したマスクを介して、直線偏光による紫外線(偏光紫外線)を配向層形成用層に向けて照射することにより、遮光されていない第1配向準備領域を所望の方向に配向させる。次に、第1配向準備領域だけを遮光して第2配向準備領域を遮光しないマスクを介して、1回目の照射とは偏光方向が90°異なる直線偏光により紫外線を配向層形成用層に向けて照射し、遮光されていない第2配向準備領域を所望の方向に配向させる。これら2回の紫外線照射により、2種類の配向パターンを形成する。なお、マスクのパターンは、特に限定されるものではなく、帯状パターン、モザイク状パターン、千鳥配置状パターン等のパターンとすることができる。
偏光紫外線の波長は、光配向材料等に応じて適宜設定されるものであり、一般的な光配向材料に配向規制力を発現させる際に用いられる波長とすることができる。具体的には、波長が210nm以上380nm以下、好ましくは230nm以上380nm以下、さらに好ましくは250nm以上380nm以下の照射光を用いることが好ましい。
また、偏光紫外線の照射量(積算光量)としては、所望の配向規制力を有する配向領域を形成できるものであれば特に限定されるものではない。例えば、波長310nmである場合には、5mJ/cm以上500mJ/cm以下の範囲内であることが好ましく、7mJ/cm以上300mJ/cm以下の範囲内であることがより好ましく、10mJ/cm以上100mJ/cm以下の範囲内であることがさらに好ましい。
また、薄膜に対して偏光紫外線を照射するに際しては、薄膜の温度が一定となるように温度調節することが好ましい。これにより、配向領域を精度良く形成することができる。薄膜の温度としては、15℃以上90℃以下であることが好ましく、15℃以上60℃以下であることがより好ましい。温度調節の方法としては、一般的な加熱・冷却装置等の温度調節装置を用いる方法を挙げることができる。
(D)位相差層形成用塗工液塗工処理
次に、位相差層形成用塗工液塗工処理では、形成した配向層12上に、重合性液晶化合物と重合開始剤とを少なくとも含有する位相差層形成用塗工液(液晶組成物)13’を供給装置36から供給して塗工する。塗工方法としては、配向層12上に液晶組成物13’からなる塗膜を安定的に塗布できる方法であれば特に限定されず、(A)配向膜組成物塗工処理で説明したものと同じものを例示できる。
位相差層13は、液晶化合物が含有されることにより、位相差性を発現するものになっているところ、その位相差性の程度は、液晶化合物の種類及び当該位相差層13の厚さに依存して決定される。したがって、位相差層形成用層の厚さとしては、所定の位相差性を達成できる範囲内であれば特に限定されるものではなく、位相差フィルム1の用途等に応じて適宜決定することができる。
ここで、本実施の形態においては、液晶組成物13’に含まれる重合開始剤の一部を、例えば液晶組成物13’中の溶剤と共に配向層12を介して基材11にまで浸透させるようにする。これにより、基材11と配向層12との界面に、その重合開始剤の一部が存在する状態とする。
(E)レベリング処理
続いて、レベリング装置37を用いて、位相差層形成用層の層厚を均一にするレベリング処理を行う。位相差層形成用層は、その後に形成される位相差層13の面内位相差がλ/4分に相当するような範囲内の厚さとなるように、位相差層形成用塗工液を塗布することが好ましい。
(F)配向処理
続いて、位相差層形成用塗工液の塗膜に含まれる液晶化合物を、配向層12(パターン配向層)に含まれる第1配向領域12A及び第2配向領域12Bの異なる配向方向に沿って、液晶化合物を配列させる。液晶化合物を配列させる方法としては、所望の方向に配列させることができる方法であれば特に限定されず、例えば、乾燥機38を用いて液晶化合物を液晶相形成温度以上に加温する方法等が挙げられる。この配向処理によって形成される位相差層13のパターンは、配向層12のパターンと同一となり、第1配向領域12A上には第1位相差領域13A(右目用の領域に対応)が形成され、第2配向領域12B上には第2位相差領域13B(左目用の領域に対応)が形成される。
(G)冷却処理
その後、冷却機39を用いて、基材11/配向層12/位相差層13からなる積層体を冷却する冷却処理を行う。冷却処理は、例えば積層体が室温になる程度まで行えばよい。
(H)硬化処理
続いて、重合性液晶化合物を重合し硬化させる硬化処理を行う。重合性液晶化合物を重合させるに際しては、液晶組成物中に含まれる重合開始剤を介して紫外線や電子線等の活性放射線を照射して重合させる。その活性放射線としては、重合性液晶化合物を重合することが可能な放射線であれば特に限定されないが、通常は装置の容易性等の観点から紫外光を使用することが好ましい。このような硬化処理を行うことで、液晶化合物が互いに重合して、網目(ネットワーク)構造の状態にすることができ、列安定性を備え、かつ、光学特性の発現性に優れた位相差層13を形成できる。
本実施の形態においては、上述したように、液晶組成物中の重合開始剤の一部が配向層12を介して基材11にまで浸透し、基材11と配向層12との界面に存在するようになっている。この状態において紫外線等を照射することによって、界面に存在する重合開始剤の一部に基づいてフリーラジカルが生じ、そのフリーラジカルが基材11に作用して基材11と配向層12との密着性を弱化させ、基材11を易剥離化させる。
(I)位相差フィルム1の作製
続いて、フィルムを巻き取りリール41に巻き取る。その後、フィルムを所望の大きさに切り出す。以上のような工程を経て、位相差フィルム1が作製される。
≪4.位相差フィルムにおける基材と配向層との密着性弱化方法≫
ここで、上述したように、基材と、配向層と、位相差層とが順次積層されてなる位相差フィルムを転写型位相差フィルムとして転写用途に用いる場合、被転写体である基材を容易に剥離できるようにすることが望まれる。また、例えば基材のない(基材レス化した)位相差フィルムを作製する場合においても、位相差フィルムを構成した後に基材のみを容易に剥離可能とすることが望ましい。
本実施の形態では、位相差フィルム1において、所定の重合開始剤を含有する液晶組成物により形成された位相差層13を構成することにより、その液晶組成物中の重合開始剤の一部が、配向層12を介して基材11にまで浸透して、その基材11と配向層12との界面に存在するようになり、これにより基材11と配向層12との密着性を弱化させて、その界面において基材11を容易に剥離することを可能にしている。
すなわち、基材と、配向層と、液晶組成物を含む位相差層とを順次積層させて得られる位相差フィルムにおける基材と配向層との密着性を弱化させる方法として、先ず、配向層上に位相差層を形成するに際して、重合性液晶化合物と重合開始剤とを含有させた液晶組成物を配向層上に塗工し、その重合開始剤の一部を、配向層を介して基材に浸透させて基材と配向層との界面に存在させるようにする。次に、液晶組成物を塗工して得られた重合性液晶化合物からなる塗膜に対して、紫外線等を照射することによって重合硬化させて位相差層を形成する。
このような方法によれば、界面に存在するようになった重合開始剤の作用により、基材の易剥離化が生じ、例えば転写型位相差フィルムとして、基材のみを容易に剥離することができるようになる。
≪5.位相差フィルムにおける基材と配向層との密着性評価方法≫
また、上述した位相差フィルム1の作用メカニズムを利用して、位相差フィルムにおける基材と配向層との密着性の程度の評価を行うようにすることもできる。
すなわち、上述したように、位相差フィルム1においては、所定の重合開始剤を含有する液晶組成物により形成された位相差層13を構成することで、その液晶組成物中の重合開始剤の一部が、配向層12を介して基材11にまで浸透して、その基材11と配向層12との界面に存在するようになる。すると、界面に存在するようになった重合開始剤の一部が基材11に作用して、配向層12との密着性を弱化させるようになる。そして、この密着性の弱化のメカニズムとしては、基材と配向層との界面に存在するようになった重合開始剤が、液晶組成物の重合硬化処理に際しての紫外線等の照射によってフリーラジカルを発生させるようになり、そのフリーラジカルが基材11に作用するものと推定される。
したがって、位相差層を構成する液晶組成物に含まれる重合開始剤におけるフリーラジカルを発生させる元素、例えば硫黄(S)元素等を対象元素として、位相差フィルムの基材と配向層との界面での対象元素の存在量を定量測定するようにする。このように、S元素等の対象元素の界面における存在量を測定し、その多寡を分析することによって、基材と配向層との密着性を定量的に評価することができる。
以下、本発明についての具体的な実施例を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
≪位相差フィルムの密着性試験≫
基材/配向層/位相差層(液晶層)の積層体からなる位相差フィルム1を作製し、その位相差フィルム1について密着性試験を行った。
(位相差フィルム1の作製)
先ず、試験サンプルとなる位相差フィルム1を以下のようにして作製した。すなわち、基材としてアクリルフィルムを用い、その基材上に、硬化後の膜厚がおよそ100nm程度となるように、ポリビニルシンナメート(PVCi)基を有する光配向材料を含有する光配向膜組成物(溶剤としてPGMEを使用)をダイコート法により塗布した。そして、100℃で調整した乾燥機内で2分間乾燥させ、溶媒を蒸発させるとともに組成物を熱硬化させて光配向膜(配向層)を形成した。なお、基材、及びその基材上に形成された配向層は、硫黄(S)元素が含有されていないものであった。
続いて、形成した配向層上に、光重合性ネマチック相を示す液晶化合物と、硫黄(S)元素を含む光重合開始剤とを含有する液晶組成物(固形分30%、溶剤としてMIBKを使用)をダイコート法により塗布して乾燥させて1μmの液晶層を形成し、位相差フィルム1を得た。
(密着性試験)
得られた位相差フィルム1に対して密着性試験を行った。密着性試験は、得られた位相差フィルム1の表面(液晶層表面)に剥離試験用テープを貼り付け、その剥離試験用テープを剥がすことにより行った。
(密着性試験の評価)
上述した密着性試験により、剥がした剥離試験用テープにフィルムの一部が接着し、積層体のフィルムの途中で剥離したため、得られたフィルム剥離面に対して赤外線を照射して赤外分光法(IR)により剥離面のIRスペクトルを測定した。
[1]剥離面の検証(フィルムにおける剥離箇所の検証)
図4は、基材/配向層/位相差層(液晶層)の積層体からなる位相差フィルム1の密着性試験後に得られた剥離面(テープ側、反テープ側)に対してIR測定したときの測定結果(剥離結果)を示すスペクトル図である。
ここで、図4のスペクトル図において、「アクリル基材」、「配向層表面」、「液晶層表面」と表記したスペクトルは、参照として、それぞれ単独の層の表面についてIR測定したときのスペクトル(参照スペクトル)である。この参照スペクトルに示されるように、配向層は3500cm−1付近にブロードなピークを有する。
そして、図4の測定結果から明らかなように、位相差フィルム1において得られた剥離面のうち、剥離試験用テープに接着した側(テープ側)の剥離面では、配向層単独のスペクトルと同様に3500cm−1付近にブロードなピークを有していることが分かる。つまり、剥離したテープ側の剥離面には配向層が存在しているといえる。一方で、テープ側とは反対側(反テープ側)の剥離面では、3500cm−1付近にピークが確認されず、アクリル基材単独層と同様のスペクトルが得られた。つまり、反テープ側には配向層が存在せず、アクリル基材であることが分かる。
以上の結果から、この位相差フィルム1では、基材と配向層との界面を剥離界面として、アクリルフィルムからなる基材のみが剥離したことが分かった。
[2]剥離界面における存在成分の検証
続いて、図5は、基材/配向層/位相差層(液晶層)の積層体からなる位相差フィルム1の密着性試験後に得られた剥離面(テープ側、基材側)に対してIR測定したときの、1610cm−1付近におけるスペクトル図である。
ここで、図5のスペクトル図においても、「アクリル基材」、「配向層表面」、「液晶層表面」と表記したスペクトルは、参照として、それぞれ単独の層の表面についてIR測定したときのスペクトル(参照スペクトル)である。この参照スペクトルに示されるように、液晶層のスペクトルは液晶組成物中に含まれる成分に由来すると考えられる1610cm−1付近のピークを有する。
そして、図5の測定結果から明らかなように、テープ側の剥離面、すなわち剥離界面となった配向層の表面には、液晶成分を含有する液晶層のスペクトルと同様に1610cm−1付近にピークを有していることが分かる。また、テープ側と反対側の剥離面、すなわち基材の表面においても、強度は小さいものの、図中の矢印Xで示すように1610cm−1付近に明らかなピークを有していることが分かる。
アクリル基材単独、配向層単独の参照スペクトルに示されるように、通常、アクリル基材や配向層の表面は1610cm−1付近にピークを有しない。このことから、作製した位相差フィルム1では、液晶層を構成する液晶組成物中の成分の一部が、配向層を介してアクリル基材に浸透したと考えられ、その成分がアクリル基材の表面(基材における配向層との界面)に存在するようになったといえる。
≪剥離界面におけるXPS試験≫
次に、上述した剥離試験用テープにより剥離したフィルム剥離界面(最表面〜数nm)に存在する元素成分をXPS(X線光電子分光分析)により定量測定した。測定対象は、配向層/液晶層/剥離試験用テープからなる“液晶層側”の剥離界面(配向層の剥離界面)と、アクリル基材からなる“基材側”の剥離界面とした。また、参照例(Ref.)として、アクリル基材に配向膜(配向層)を塗膜しただけのサンプル、すなわち液晶組成物未塗布の配向膜サンプルを参照サンプルとして用意し、その参照サンプルの基材と配向膜との剥離界面に存在する元素成分についても同様に定量分析した。
なお、XPSの測定条件としては、以下の通りとした。
[XPS測定条件]
使用装置:ESCALAB 220i-XL(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)
入射X線:Monochromated Al Kα(単色化X線、hν=1486.6eV)
X線出力:10kV・16mA(160W)
レンズ :Large Area XL(磁場レンズ)
アパーチャ開度:F.O.V.=open、A.A.=open
測定領域:700μmφ
光電子取込角度:90度(試料法線上にインプットレンズを配置)
帯電中和:電子中和銃 +4(V)・0.08(mA)、中和補助マスク使用
下記表1に、“液晶層側”の剥離界面と“基材側”の剥離界面のそれぞれの元素含有量(単位:atomic%)の分析結果を示す。なお、表中の「−」は元素が検出されなかったことを示す。
Figure 2015064418
表1に示す分析結果から分かるように、参照サンプルとして分析した配向膜の界面(配向膜とアクリル基材との界面)においては検出されなかったS元素が、液晶層側の剥離界面及び基材側の剥離界面の両方に0.2at%の含有量で検出された。このことは、液晶層を構成する液晶組成物中のS(硫黄)元素含有成分(重合開始剤)の一部が、配向層を介して基材にまで浸透して、その剥離界面に存在するようになったということができる。
また、この表1に示すように、配向膜に特有の元素であるSi元素が液晶層側に多く存在しており、基材側には極僅かであったという結果から、位相差フィルム1の剥離界面は、やはり、基材と配向層との界面であることが分かった。
≪易剥離性についての試験≫
上述のように作製した位相差フィルム1と同様の位相差フィルム1(試験サンプル)を、碁盤目(100マス;1マス=1mm×1mm)の切り込みを入れたアクリル基材を用いて作製し、上述の密着性試験と同様に剥離試験用テープを引張り剥がす試験を行った。また、参照例として、碁盤目の切込みを入れたアクリル基材に配向膜(配向層)を塗膜しただけのサンプル(液晶未塗布の配向膜サンプル)を用意し、その参照サンプルについても同様にして試験を行った。
その結果、試験サンプルである位相差フィルム1では、アクリル基材に全てのマスが残留した。すなわち、フィルム1では、アクリル基材を極めて容易に剥離することができた。一方で、上述した参照サンプル(アクリル基材に配向膜(配向層)を塗膜しただけのサンプル)については、アクリル基材のマスの全てが配向膜側に接着し、アクリル基材を容易に剥離することができなかった。
この結果から、位相差フィルム1においては、配向層上に積層させた液晶組成物を含有する位相差層(液晶層)がアクリル基材の易剥離化に重要であり、上述した試験を踏まえて、液晶組成物中の成分が基材にまで浸透し、基材における配向層との界面に存在するようになることで、容易にアクリル基材を剥離することができることが分かった。
1 位相差フィルム
2 配向膜
11 基材
12 配向層
13 位相差層

Claims (4)

  1. 基材と、配向層と、液晶組成物を含む位相差層とが順次積層されてなり、
    前記液晶組成物には重合性液晶化合物と重合開始剤とが含まれており、該液晶組成物中の重合開始剤の一部が、前記基材と前記配向層との界面に存在している位相差フィルム。
  2. 前記重合開始剤がラジカル重合開始剤である請求項1に記載の位相差フィルム。
  3. 前記重合開始剤の一部に硫黄元素を含有し、該硫黄元素が前記界面に存在している請求項1又は2に記載の位相差フィルム。
  4. 前記基材がアクリル基材である請求項1乃至3の何れかに記載の位相差フィルム。
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