JP2010147406A - 電子部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】角部分付近からメッキ液等の水分が素体内に進入することを防止し、電子部品の信頼性を向上させる。
【解決手段】貫通方向から見て端面2aを取り囲むことのできる大きさの貫通孔11を有する貫通孔部材10を準備する貫通孔部材準備工程S2と、貫通孔部材10を導電性ペースト12に浸して導電性ペースト膜13を形成する膜形成工程S3と、端面2aに導電性ペースト膜13を付着させることによって第一ペースト層16を形成する第一ペースト層形成工程S4を行う。膜形成工程S3で形成される導電性ペースト膜13は、表面張力の影響によって、中心から外周側へ向かうに連れて徐々に厚みが大きくなるように形成される。そのような状態の導電性ペースト膜13を端面2aに付着させて第一ペースト層16を形成することで、湾曲した角部分9付近で十分な外部電極3,4の厚みを確保する。
【選択図】図6

Description

本発明は、電子部品の製造方法に関するものである。
従来の電子部品の製造方法として、誘電体と内部電極を交互に積層して焼成することによって形成した焼結体(素体)の端面をペースト状電極材(導電性ペースト)に浸漬させた後、引き上げて乾燥を行い、焼成して外部電極を形成するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−236391号公報
上述の電子部品の製造方法においては、素体を形成した後、導電性ペーストに端部を浸漬させて焼成することによって外部電極を形成している。しかしながら、この製造方法では、浸漬後に素体を引き離す際、端面の中央位置付近で導電性ペーストが引張られることによって、ペースト膜の中央位置付近の厚みが大きくなる一方、素体の端面と側面との間の角部分付近の厚みが薄くなっていた。この結果、外部電極の厚みは、湾曲した角部分付近で薄くなり、焼成工程後のメッキ工程において、薄くなった部分からメッキ液等の水分が素体内に進入する虞があった。従って、従来の製造方法によって製造された電子部品では、メッキ工程の際に素体内に進入した水分の影響によって、電子部品の特性が劣化してしまう虞があった。特に、セラミックコンデンサにおいては、絶縁抵抗が小さくなるため、漏れ電流が発生するという不具合が生じる虞があった。
本発明は、角部分付近からメッキ液等の水分が素体内に進入することを防止し、電子部品の信頼性を向上させることができる電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る電子部品の製造方法は、一対の端面と端面同士を連結する四つの側面を有する略直方体の素体と、素体の端面に形成された外部電極とを備える電子部品の製造方法であって、端面と側面との間の角部分が湾曲した素体を準備する素体準備工程と、貫通方向から素体の端面を垂直に見た場合に、端面を取り囲むことのできる大きさの貫通孔を有する貫通孔部材を準備する貫通孔部材準備工程と、貫通孔部材を導電性ペーストに浸すことによって、貫通孔に導電性ペースト膜を形成する膜形成工程と、導電性ペースト膜を端面に接触させて、端面に導電性ペースト膜を付着させることによって第一ペースト層を形成する第一ペースト層形成工程と、を有することを特徴とする。
本発明に係る電子部品の製造方法では、貫通方向から素体の端面を垂直に見た場合に、端面を取り囲むことのできる大きさの貫通孔を有する貫通孔部材を準備する貫通孔部材準備工程と、貫通孔部材を導電性ペーストに浸すことによって、貫通孔に導電性ペースト膜を形成する膜形成工程と、導電性ペースト膜を端面に接触させて、端面に導電性ペースト膜を付着させることによって第一ペースト層を形成する第一ペースト層形成工程を有している。膜形成工程で形成される導電性ペースト膜は、表面張力の影響によって、中心から外周側、すなわち貫通孔部材側へ向かうに連れて徐々に厚みが大きくなるように形成される。従って、そのような状態の導電性ペースト膜を第一ペースト層形成工程において素体の端面に付着させて第一ペースト層を形成すると、当該第一ペースト層の厚さは、端面の中央位置付近から外周側へ向かうにつれて徐々に大きくなる。これによって、湾曲した角部分付近でも十分な外部電極の厚みを確保することが可能となり、外部電極の焼成を行った後のメッキ工程において、角部分付近からメッキ液等の水分が素体内に進入することを防止し、電子部品の信頼性を向上させることができる。
また、本発明に係る電子部品の製造方法では、第一ペースト層を乾燥させる乾燥工程と、第一ペースト層を覆うように端面を導電性ペーストに浸漬させることによって、第二ペースト層を形成する第二ペースト層形成工程を更に有することが好ましい。第一ペースト層を形成した後、更に浸漬法によって第二ペースト層を形成することによって、外部電極のうち、端面と直交する四側面に周り込む部分の大きさ(すなわちB寸法)を大きくすることができる。これによって、電子部品の実装時におけるチップ立ちを防止することが可能となる。
また、本発明に係る電子部品の製造方法において、第一ペースト層形成工程では、導電性ペースト膜を端面に接触させた後、端面よりも素体側に貫通孔部材を移動させることが好ましい。貫通孔部材を素体側に深く押し込むことによって、端面と直交する四つの側面に導電性ペーストを周り込ませることができる。従って、外部電極のうち、端面と直交する四側面に周り込む部分の大きさ(すなわちB寸法)を大きくすることができる。これによって、電子部品の実装時におけるチップ立ちを防止することが可能となる。更に、第一ペースト層のみでB寸法を確保することができるため、浸漬法によって第二ペースト層を形成することを不要とすることが可能となり、作業効率を向上させることができる。
また、本発明に係る電子部品の製造方法において、貫通孔部材を所定位置まで移動させた後、所定位置で貫通孔部材を保持することが好ましい。これによって、端面と直交する四側面に確実に導電性ペースト膜を付着させることができる。また、貫通孔部材を保持せずに速やかに上方に引き上げた場合は、側面の中央位置におけるB寸法と角部分におけるB寸法との間で差ができてしまう。一方、貫通孔部材を保持することによって、側面の中央位置にも導電性ペースト膜を行き渡らせることができるため、側面の中央位置におけるB寸法と角部分におけるB寸法との間の差を小さくすることができる。
本発明によれば、角部分付近からメッキ液等の水分が素体内に進入することを防止し、電子部品の信頼性を向上させることができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
[第一実施形態]
図1を参照して、本発明の第一実施形態に係る電子部品の製造方法によって製造された電子部品1の構成を説明する。図1は、本発明の第一実施形態に係る製造方法によって製造された電子部品1を示す断面図である。
図1に示すように、電子部品1は、例えば、セラミックコンデンサなどの電子部品であり、複数の板状のセラミックグリーンシートを積層して一体化することによって略直方体形状に構成された素体2と、素体2の両端面に形成された外部電極3,4とを備えて構成される。素体2は、素体2の長手方向に向かい合って互いに平行をなす一対の端面2a,2bと、端面2a,2bと直交すると共に端面2a,2b同士を連結する四つの側面2cを有する。外部電極3は、一方の端面2a及び端面2aと直交する四つの側面2cの各縁部の一部を覆うように形成されている。この四つの側面2cを覆う部分の大きさ、すなわち、外部電極3の端面2aを覆う部分における厚みが最大となる位置と側面2cを覆う部分における端部との間の寸法(図1においてBで示される)を以下B寸法と呼ぶ。このB寸法は、例えば、0.3〜0.5mm程度に設定される。また、外部電極4は、他方の端面2b及び端面2bと直交する四つの側面2cの各縁部の一部を覆うように形成されている。電子部品1は、例えば、縦が1.9〜2.2mm程度に設定され、横が1.1〜1.3mm程度に設定され、厚みが1.1〜1.3mm程度に設定されている。
外部電極3,4は、素体2の外面にCuやNi、あるいはAg、Pd等を主成分とする導電性ペーストを後述の方法によって付着させた後に所定温度(例えば、700℃程度)にて焼き付け、更に電気めっきを施すことにより、形成される。電気めっきには、Ni、Sn等を用いることができる。
素体2は、図1に示すように、複数の長方形板状の誘電体層6と、それぞれ複数の内部電極7及び内部電極8とが積層された積層体として構成されている。内部電極7と内部電極8とは、素体2内において誘電体層6の積層方向(以下、単に「積層方向」と称する。)に沿ってそれぞれ一層ずつ配置されている。内部電極7と内部電極8とは、少なくとも一層の誘電体層6を挟むように対向配置されている。実際の電子部品1では、複数の誘電体層6は、互いの間の境界が視認できない程度に一体化されている。この素体2は、内部電極7,8と誘電体層6とが交互に複数積層される領域である第一領域2Aと、第一領域2Aを積層方向に挟み込む一対の誘電体層6からなる領域である第二領域2Bとを有している。素体2には、端面2a,2bと側面2cとの間の角部分9が湾曲して所定の曲率半径を有するように面取り加工が施されている。図示されていないが、端面2a,2bを連結する側面2c同士の角部分も湾曲して曲率半径を有するように面取り加工が施されている。素体2の角部分9の曲率半径は、例えば0.05〜0.15mm程度とされている。
内部電極7,8は例えば、PbやAgなどの導電材を含んでいる。内部電極7,8の厚みは、例えば1〜5μm程度である。内部電極7,8は、積層方向から見て互いに重なりあう領域を有するような形状であれば、特に形状は限定されず、例えば矩形状などの形状をなしている。内部電極7,8は、上記導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成される。内部電極7は外部電極3と電気的に接続されており、内部電極8は外部電極4と電気的に接続されている。
続いて、図2〜7を参照して本発明の第一実施形態に係る電子部品1の製造方法について説明する。図2は、電子部品1の製造方法を示すフロー図である。
図2に示すように、電子部品1の製造工程は、素体準備工程S1から工程を開始する。この素体準備工程S1では以下の処理がなされる。すなわち、誘電体層6となるセラミックグリーンシートを形成した後、当該セラミックグリーンシート上に内部電極7,8のパターンを導電性ペーストで印刷し、乾燥することによって電極パターンを形成する。このように電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを複数枚重ね合わせ、そのセラミックグリーンシートの積層体をそれぞれ素体2の大きさのチップとなるように切断する。続いて、ポリエチレン等の材料からなる密閉回転ポットに水と複数のチップと研磨用のメディアを入れて、この密閉回転ポットを回転させることによって、チップの角部分9の面取りが行われ、それぞれの角部分9が所定の曲率半径を有することとなる(バレル研磨)。面取り加工を施したチップに所定温度で所定時間加熱処理を施すことによって脱バインダを行う。脱バインダを行った後、更に高温で加熱して焼成を行うことで素体2を得る。以上の処理によって、素体準備工程S1が終了する。
素体準備工程S1の後、貫通孔部材準備工程S2が行われる。貫通孔部材準備工程S2は、素体2に外部電極3,4を形成するペースト層を形成するための貫通孔部材10を準備する工程である。図3は、貫通孔部材準備工程S2で準備される貫通孔部材10を示す図である。図3に示すように、この貫通孔部材10は円環状の形状を有しており、中央部分に円形の貫通孔11が形成されている。この貫通孔部材10の貫通孔11の大きさは、貫通方向から素体2の端面2a,2bを垂直に見た場合に、端面2a,2bを取り囲むことのできる大きさとなっている。
貫通孔部材準備工程S2の後、膜形成工程S3が行われる。図4は、膜形成工程S3の工程内容を示す図である。この膜形成工程S3は、貫通孔部材10を導電性ペースト12に浸すことによって、貫通孔11に導電性ペースト膜13を形成する工程である。具体的には、図4(a)に示すように、容器14に溜められた導電性ペースト12の上方に貫通孔部材10を配置し、図4(b)に示すように、導電性ペースト12内に貫通孔11が浸漬するように貫通孔部材10を浸し、図4(c)に示すように、貫通孔部材10を上方に引き上げて導電性ペーストのシャボン膜を貫通孔11に形成することによって、導電性ペースト膜13を形成する。図5は、導電性ペースト膜13の厚みを示す図である。図5において、導電性ペースト膜13の色の濃い部分は厚みの大きい領域を示し、色の薄い部分は厚みの小さい領域を示す。また、図5におけるL1〜L3は、導電性ペースト膜13の等厚線を示す。図5及び図4(c)に示すように、表面張力の影響によって、導電性ペースト膜13は、中心から外周側、すなわち貫通孔部材10側へ向かうに連れて徐々に厚みが大きくなるように形成される。導電性ペースト12としては、素体2に外部電極を形成する場合に一般的に用いられるペーストを適用することができ、粘度は11〜37程度である。特に、20〜30程度の粘度とすることが好ましい。この粘度は、「JIS Z 8803」に示す測定方法に基づいて、共軸二重円筒形回転粘度計により100回転粘度を測定した値である。
膜形成工程S3の後、第一ペースト層形成工程S4が行われる。図6は、第一ペースト層形成工程S4の工程内容を示す図である。この第一ペースト層形成工程S4は、導電性ペースト膜13を素体2の端面2aに接触させて、端面2aに導電性ペースト膜13を付着させることによって第一ペースト層16を形成する工程である。第一ペースト層形成工程S4では、具体的には、図6(a)に示すように、素体2の端面2aと導電性ペースト膜13が対向するように、端面2aの上方に貫通孔部材10を配置する。このとき、端面2aの中央部分と導電性ペースト膜13の中央部分が貫通孔の貫通方向から見て一致するような位置関係とする。次に、図6(b)に示すように、貫通孔部材10を降下させることによって、導電性ペースト膜13を素体2の端面2aに接触させる。そして、図6(c)に示すように、貫通孔部材10を上方に引き上げて、導電性ペースト膜13の一部を貫通孔部材10から切り離し、端面2aに付着させることによって第一ペースト層16を形成する。このとき、導電性ペースト膜13は中央位置から外周へ向かって厚みが大きくなると共に一定の粘度を有しているため、端面2aに付着して第一ペースト層になった後も、中央位置よりも外周側の方が大きな厚みを有している形状を維持する。従って、第一ペースト層16の素体2の角部分9付近の厚みは、端面2aの中央位置付近の厚みよりも大きくなる。
第一ペースト層形成工程S4の後、乾燥工程S5が行われる。乾燥工程S5では、素体2の端面2aに形成された第一ペースト層16を150〜170℃で7〜9分加熱して乾燥を行うことによって、第一ペースト層16の硬化が行われる。端面2a側の第一ペースト層16についての乾燥工程S5の後、上述の膜形成工程S3及び第一ペースト層形成工程S4と同様の工程内容を行うことによって、端面2b側にも第一ペースト層16が形成され、乾燥によって硬化が行われる。ここで、乾燥工程S5における乾燥を自然乾燥で行った場合は、角部分9に印刷されたペーストが表面張力によるレベリングによって平坦化してしまい、厚く形成したとしても結果として厚みが薄くなってしまう虞がある。しかし、本実施形態では、乾燥工程S5における乾燥を積極的に加熱して行うことによって、角部分9におけるペーストの厚みが薄くなってしまうことを防止することができる。
図7は第二ペースト層形成工程S6からメッキ工程S9までの工程内容を示す図である。乾燥工程S5で第一ペースト層16の乾燥が行われた後、図7(a)に示すような素体2に対して、第二ペースト層形成工程S6が行われる。第二ペースト層形成工程S6は、第一ペースト層16を覆うように素体2の端面2aをプレート状の塗布用ベッド上に載せられた導電性ペースト中に浸漬させることによって、第二ペースト層17を形成する工程である。この第二ペースト層形成工程S6を行うことによって、端面2aを周り込ませて素体2の四つの側面2cにも導電性ペーストを付着させることができる。
第二ペースト層形成工程S6が行われた後、ブロット工程S7が行われる。第二ペースト層形成工程S6において、端面2aを導電性ペーストに浸漬させて引き上げると、付着した第二ペースト層17が引張られて端面2aの中央位置付近の厚みが大きくなる。従って、ブロット工程S7では、第二ペースト層17をプレートに押付けて引き離すことによって厚みの大きな部分の導電性ペーストを拭い取り、中央位置における第二ペースト層17の厚みを薄くすることができる。導電性ペーストを拭い取った後、乾燥を行って第二ペースト層17を硬化させる。素体2の端面2a側の第二ペースト層17のブロット工程S7が終了した後、端面2b側についても同様に第二ペースト層形成工程S6及びブロット工程S7が行われる。以上によって、図7(b)に示すように、素体2の端面2a及び端面2bに第一ペースト層16及び第二ペースト層17が形成される。
ブロット工程S7が行われた後、焼成工程S8が行われる。焼成工程S8では、700〜800℃で熱処理を行うことによって、図7(c)に示すように外部電極3,4を焼成する。焼成工程S8が行われた後、メッキ工程S9が行われる。メッキ工程S9は、電子部品1の表面にNiメッキ層やSnメッキ層を形成する工程である。具体的に、このメッキ工程S9では、バレル内のメッキ液に電子部品1を浸漬させた後、バレルを回転させつつ電子部品1の表面にめっきが施される。以上によって、図2に示す工程が終了し、電子部品1を得ることができる。
次に、本発明の第一実施形態に係る電子部品1の製造方法の作用・効果について説明する。
従来の電子部品の製造方法においては、素体を形成した後、導電性ペーストに端部を浸漬させて(本実施形態のS6と同様の処理を行う)焼成することによって外部電極を形成していた。しかし、この製造方法では、浸漬後に素体を引き離す際、端面の中央位置付近で導電性ペーストが引張られることによって、ペースト膜の中央位置付近の厚みが大きくなる一方、素体の角部分付近の厚みが薄くなっていた。この結果、外部電極の厚みは、曲率半径を有する角部分付近で薄くなり、焼成工程後のメッキ工程において、薄くなった部分からメッキ液等の水分が素体内に進入する虞があった。従って、従来の製造方法によって製造された電子部品では、メッキ工程の際に素体内に進入した水分の影響によって、電子部品の特性が劣化してしまう虞があった。
本発明の第一実施形態に係る電子部品1の製造方法では、貫通方向から素体2の端面2a,2bを垂直に見た場合に、端面2a,2bを取り囲むことのできる大きさの貫通孔11を有する貫通孔部材10を準備する貫通孔部材準備工程S2と、貫通孔部材10を導電性ペースト12に浸すことによって、貫通孔11に導電性ペースト膜13を形成する膜形成工程S3と、導電性ペースト膜13を端面2a,2bに接触させて、端面2a,2bに導電性ペースト膜13を付着させることによって第一ペースト層16を形成する第一ペースト層形成工程S4を有している。膜形成工程S3で形成される導電性ペースト膜13は、表面張力の影響によって、中心から外周側、すなわち貫通孔部材10側へ向かうに連れて徐々に厚みが大きくなるように形成される。従って、そのような状態の導電性ペースト膜13を第一ペースト層形成工程S4において素体2の端面2a,2bに付着させて第一ペースト層16を形成すると、当該第一ペースト層16の厚さは、端面の2a,2bの中央位置付近から外周側へ向かうにつれて徐々に大きくなる。これによって、曲率半径を有する角部分9付近でも十分な外部電極3,4の厚みを確保することが可能となり、焼成工程S8後のメッキ工程S9において、角部分9付近からメッキ液等の水分が素体2内に進入することを防止し、電子部品1の信頼性を向上させることができる。
また、本発明の第一実施形態に係る電子部品1の製造方法では、第一ペースト層16を覆うように端面2a,2bを導電性ペーストに浸漬させることによって、第二ペースト層17を形成する第二ペースト層形成工程S6を更に有している。第一ペースト層16を形成した後、更に浸漬法によって第二ペースト層17を形成することによって、外部電極3,4のうち、端面2a,2bと直交する四側面に周り込む部分の大きさ、すなわちB寸法を大きくすることができる。これによって、電子部品1の実装時におけるチップ立ちを防止することが可能となる。なお、第二ペースト層形成工程S6では、乾燥工程S5で第一ペースト層を乾燥させた後に端面2a,2bを導電性ペーストに浸漬させることで、第一ペースト層16を導電性ペーストに浸漬させる際に、第一ペースト層16の形状が崩れることを防止することができる。
ここで、図8は、本発明の実施形態に係る電子部品1の製造方法における第二ペースト層形成工程S6を終えてブロット工程S7を行った後の電子部品1の一例を示す断面図である。図8に示すように、本発明の実施形態に係る製造方法によって製造される電子部品1では、第一ペースト層16のうち、角部分9に対応する部分における厚み(図8においてR1と示される)の大きさを、素体2の第一領域2Aの中央位置に対応する部分における厚さ(図8においてT1と示される)に比べて大きくすることができる。すなわち、R1>T1の関係がなりたつ。また、素体2の第一領域2Aと第二領域2Bの境界部分、すなわち積層方向の最も外側の内部電極8の位置における第一ペースト層16の厚さ(図8においてF1と示される)を、寸法T1よりも大きくすることができる。すなわち、F1>T1の関係が成り立つ。このように、第一ペースト層16の角部分9付近の大きさを十分に確保することによって、第二ペースト層17のうち、角部分9に対応する部分における厚み(図8においてR2と示される)の大きさ、及び素体2の第一領域2Aと第二領域2Bの境界部分、すなわち積層方向の最も外側の内部電極8の位置における第二ペースト層17の厚さ(図8においてF2と示される)を十分に確保することができる。また、第二ペースト層17の厚さ、すなわち図8においてT2と示される部分の寸法と、寸法T1、寸法F1、寸法F2との間には、(T2−T1)>(F2−F1)の関係が成り立つ。以上によって、第一ペースト層16の角部分9の大きさを大きくし、第一領域2Aの中央位置付近の大きさを小さくすることで、外部電極3,4の角部分9付近の厚みを確保してメッキ工程S9における水分の進入を防止しつつ、製品規格寸法に合わせた厚みの外部電極3,4を形成することができる。なお、第二ペースト層17の厚みが最大となる位置と側面2cまで回り込んだ部分の端部との間の寸法(図8においてB2と示される)は、第一ペースト層16の厚みが最大となる位置と側面2cまで回り込んだ部分の端部との間の寸法(図8においてB1と示される)よりも大きくなる。すなわち、第二ペースト層17を形成することによって、外部電極3,4のB寸法を十分に確保することができる。ここで、本発明者らは、寸法R1を厚く形成することでメッキ液の浸入を防止することが可能であるが、積層方向の最も外側の内部電極8により近い領域に影響を及ぼす寸法Fを調整する方が、メッキ液の浸入に対して一層効果が顕著であることを見出した。この理由として、積層方向の最も外側の内部電極8の位置における外部電極3,4の厚みが、メッキ工程S9にて素体2に水分が到達する際における最短距離となるからであることも見出した。従って、本実施形態においては、(T2−T1)>(F2−F1)の関係を成り立たせることによって、単に寸法R1を大きくする場合に比して、メッキ液の浸入に対して一層有利な効果を得ることができる。
[第二実施形態]
図9は、本発明の第二実施形態に係る電子部品1の製造方法の第一ペースト層形成工程S4の工程の内容を示す図であり、図6に対応する図である。この第二実施形態に係る電子部品1の製造方法が第一実施形態に係る電子部品1の製造方法と異なる点は、第一ペースト層形成工程S4内で外部電極3,4のB寸法を大きくする作業を行うと共に、第二ペースト層形成工程S6とブロット工程S7を省略した点である。
第二実施形態に係る製造方法における第一ペースト層形成工程S4では、導電性ペースト膜13を端面2aに接触させて、端面2aに導電性ペースト膜13を付着させた後、端面2aよりも素体2側に貫通孔部材10を移動させることによって、第一ペースト層26を形成する。第一ペースト層形成工程S4では、まず、図9(a)に示すように、素体2の端面2aと導電性ペースト膜13が対向するように、端面2aの上方に貫通孔部材10を配置する。このとき、端面2aの中央部分と導電性ペースト膜13の中央部分が貫通孔の貫通方向から見て一致するような位置関係とする。次に、図9(b)に示すように、貫通孔部材10を降下させることによって、導電性ペースト膜13を素体2の端面2aに接触させ、接触した後も更に降下させることによって、端面2aと直交する四つの側面2cにも導電性ペースト膜13を接触させる。所定の位置まで降下させたら、その位置で0.1〜1.0秒程度、貫通孔部材10を保持する。なお、所定位置とは、外部電極3,4において、端面2a,2bと直交する四つの側面2cに周り込む部分の素体2側の端部の位置である。そして、図9(c)に示すように、貫通孔部材10を上方に引き上げて、導電性ペースト膜13の一部を貫通孔部材10から切り離し、端面2aに付着させることによって第一ペースト層26を形成する。
第一ペースト層形成工程S4を行った後は、乾燥工程S5を行い、第二ペースト層形成工程S6及びブロット工程S7を行うことなく、焼成工程S8及びメッキ工程S9を行う。以上によって、電子部品1を得ることができる。
本発明の第二実施形態に係る電子部品1の製造方法では、第一ペースト層形成工程S4において、導電性ペースト膜13を端面2aに接触させた後、端面2aよりも素体2側に貫通孔部材10を移動させている。貫通孔部材10を素体2側に深く押し込むことによって、端面2a,2bと直交する四側面に導電性ペーストを周り込ませることができる。従って、外部電極3,4のうち、端面2a,2bと直交する四つの側面2cに周り込む部分の大きさ、すなわちB寸法を大きくすることができる。これによって、電子部品1の実装時におけるチップ立ちを防止することが可能となる。更に、第一ペースト層26のみでB寸法を確保することができるため、浸漬法によって第二ペースト層を形成することを不要とすることが可能となり、作業効率を向上させることができる。
また、本発明の第二実施形態に係る電子部品1の製造方法では、貫通孔部材10を所定位置まで移動させた後、当該所定位置で貫通孔部材10を保持している。これによって、端面2a,2bと直交する四側面に確実に導電性ペースト膜13を付着させることができる。また、貫通孔部材10を保持せずに速やかに上方に引き上げた場合は、図10(a)に示すように、側面2cの中央位置におけるB寸法と側面2c同士の角部分におけるB寸法との間で差ができてしまう。一方、貫通孔部材10を所定時間保持することによって、側面の中央位置にも導電性ペースト膜13を行き渡らせることができるため、図10(b)に示すように、側面の中央位置におけるB寸法と角部分におけるB寸法との間の差を小さくすることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施形態では、貫通孔部材として、円環状の貫通孔部材10を適用したが、貫通孔部材の形状及び貫通孔の形状は特に限定されない。例えば、図11に示すように、矩形環状の貫通孔部材20を適用してもよい。この貫通孔部材20を適用した場合であっても、導電性ペースト膜23の厚さは、中央位置から外周に向かって徐々に大きくなっているため、貫通孔部材10を適用した場合と同様の作用・効果を奏することができる。
また、第一ペースト層形成工程S4においては、導電性ペースト膜13を素体2に接近させることによって導電性ペースト膜13を付着させていたが、これに代えて、素体2を導電性ペースト膜13に接近させてもよい。
本発明の第一実施形態に係る製造方法によって製造された電子部品を示す断面図である。 電子部品の製造方法を示すフロー図である。 貫通孔部材準備工程で準備される貫通孔部材を示す図である。 膜形成工程の工程内容を示す図である。 導電性ペースト膜の厚みを示す図である。 第一ペースト層形成工程の工程内容を示す図である。 第二ペースト層形成工程からメッキ工程までの工程内容を示す図である。 本発明の第一実施形態に係る電子部品の製造方法における第二ペースト層形成工程を終えてブロット工程を行った後の電子部品の一例を示す断面図である。 本発明の第二実施形態に係る電子部品の製造方法の第一ペースト層形成工程の内容を示す図であり、図6に対応する図である。 第一ペースト層形成工程後の第一ペースト層の状態を示す図であり、(a)は貫通孔部材を保持しなかった場合における図、(b)は貫通孔部材を保持した場合における図である。 変形例に係る貫通孔部材を示す図である。
符号の説明
1…電子部品、2…素体、2a,2b…端面、3,4…外部電極、9…角部分、10…貫通孔部材、11…貫通孔、12…導電性ペースト、13…導電性ペースト膜、16…第一ペースト層、17…第二ペースト層、S1…素体準備工程、S2…貫通孔部材準備工程、S3…膜形成工程、S4…第一ペースト層形成工程、S6…第二ペースト層形成工程。

Claims (4)

  1. 一対の端面と前記端面同士を連結する四つの側面を有する略直方体の素体と、前記素体の前記端面に形成された外部電極とを備える電子部品の製造方法であって、
    前記端面と前記側面との間の角部分が湾曲した前記素体を準備する素体準備工程と、
    貫通方向から前記素体の前記端面を垂直に見た場合に、前記端面を取り囲むことのできる大きさの貫通孔を有する貫通孔部材を準備する貫通孔部材準備工程と、
    前記貫通孔部材を導電性ペーストに浸すことによって、前記貫通孔に導電性ペースト膜を形成する膜形成工程と、
    前記導電性ペースト膜を前記端面に接触させて、前記端面に前記導電性ペースト膜を付着させることによって第一ペースト層を形成する第一ペースト層形成工程と、を有することを特徴とする電子部品の製造方法。
  2. 前記第一ペースト層を乾燥させる乾燥工程と、
    前記第一ペースト層を覆うように前記端面を導電性ペーストに浸漬させることによって、第二ペースト層を形成する第二ペースト層形成工程を更に有することを特徴とする請求項1記載の電子部品の製造方法。
  3. 前記第一ペースト層形成工程では、前記導電性ペースト膜を前記端面に接触させた後、前記端面よりも前記素体側に前記貫通孔部材を移動させることを特徴とする請求項1記載の電子部品の製造方法。
  4. 前記貫通孔部材を所定位置まで移動させた後、前記所定位置で前記貫通孔部材を保持することを特徴とする請求項3記載の電子部品の製造方法。
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