JP2005019921A - 外部電極形成方法及び電子部品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1ペースト層31にチップ素子12の端部14を浸漬して、電極膜Mをこのチップ素子12に形成する。次に第1ペースト層31より薄い第2ペースト層32に、チップ素子12の端部14を浸漬し、第1ペースト層31への浸漬時にチップ素子12の端部14に付着して厚くなり過ぎた電極膜Mの一部を取り除く。この後、第2ペースト層32と同様の厚さで平面状に形成された第3ペースト層33に、チップ素子12の端部14を再度浸漬し、電極膜Mの一部をさらに取り除く。第2ペースト層32及び第3ペースト層33の厚さを、第1ペースト層31の厚さの1/10以下とし、各ペースト層の粘度の範囲は、10〜100Pa・sとされる。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、比較的均一な厚みの外部電極を形成する外部電極形成方法及び電子部品に係り、特に端部に外部電極が形成された積層コンデンサやチップインダクタ等のような電子部品の外部電極の形成に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の一般的なチップ型の電子部品は、例えば内部電極とセラミック層とを交互に複数層積層して形成されたチップ素子の両端部に、これら内部電極と接続された外部電極をそれぞれ配置した構造となっている。そして、外部電極を有する電子部品を製造する際には、ペースト層にチップ素子を浸漬させることで、このチップ素子の端部に電極膜を形成し、この電極膜を焼成することによって、電子部品が完成されるような製造方法が、従来より採用されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−144661号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような製造方法において問題となるのは、チップ素子に形成される電極膜の厚さや量にばらつきがあり、これに伴って、ペースト層への浸漬時にチップ素子の端部等に気泡が発生したりし、この結果として、接続不良等の電子部品の欠陥に繋がる虞を有すことである。
【0005】
これらの問題点の改善の為に、チップ素子をペースト層に繰り返して浸漬させる方法や、ペースト層を形成していない平面上に、チップ素子の電極膜を接触させて不要なペーストを除去する方法を用いることで、電極膜の厚さや量のばらつきを調整することが考えられている。
【0006】
さらには、平面上に薄いペースト層を形成し、このペースト層にチップ素子を浸漬させて電極膜を形成し、さらにより薄いペースト層に電極膜が形成されたチップ素子の端部を浸漬し、チップ素子の表面に付着した電極膜の厚さ及び量を制御する方法も、例えば特許文献1等で提案されている。
【0007】
しかし、比較的大きな形状の電子部品であれば上記の各方法で対応できるが、近年要求されている小型形状の電子部品では、その電極膜の厚みも薄くなるのに伴い、ペースト層の粘度或いはペースト層からの引き上げ速度を調整する等の手段を用いても、均一な厚みの電極膜は得られなかった。
【0008】
つまり、上記のような製造方法では、除去される電極ペーストの量の制御が困難で、均一な厚みの電極膜が得られなかった。そして最も問題になるのは、電子部品が小型化されると、余分なペーストを一度に除去しようとした場合、どうしても電極膜の厚みや量にばらつきが生じることであり、特に電子部品の端部のエッジ部で電極膜が薄くなる等の欠点が有り、これに起因した不良も発生する虞を有していた。
本発明は上記事実を考慮し、比較的均一な厚みの外部電極を形成する外部電極形成方法及び、このような外部電極を有した電子部品を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1による外部電極形成方法は、平面状に形成された第1ペースト層にチップ素子の端部を浸漬して、外部電極となる電極膜を前記チップ素子に形成し、次に、第1ペースト層より薄く且つ平面状に形成された第2ペースト層に、前記電極膜が形成されたチップ素子の端部を浸漬し、
この後、第2ペースト層と同様の厚さで平面状に形成された第3ペースト層に、前記電極膜が形成されたチップ素子の端部を再度浸漬する外部電極形成方法であって、
第2ペースト層及び第3ペースト層の厚さが、第1ペースト層の厚さの1/10以下とされ、各ペースト層の粘度が10〜100Pa・sの範囲とされることを特徴とする。
【0010】
請求項1に係る外部電極形成方法によれば、平面状に形成された第1ペースト層にチップ素子の端部を浸漬して、電極膜をこのチップ素子に形成する。この後、それぞれ平面状に形成された第2ペースト層及び第3ペースト層に、この電極膜が形成されたチップ素子の端部を順次浸漬することで、電極膜の厚みが薄く且つ安定化されつつ、外部電極となるこの電極膜がチップ素子の端部に形成される。
【0011】
そしてこの際、第2ペースト層及び第3ペースト層の厚さが、第1ペースト層の厚さの1/10以下とされるように薄くされるだけでなく、各ペースト層の粘度が10〜100Pa・sの範囲とされている。
【0012】
つまり、電子部品が小型になれば、外部電極となる電極膜を薄く形成しなければならないが、本請求項によれば、第1ペースト層の厚さの1/10以下の厚さとされる第2ペースト層及び第3ペースト層に、第1ペースト層で電極膜が形成されたチップ素子の端部をそれぞれ浸漬して、余分なペーストを電極膜から除去するようにした。
【0013】
この結果として、第2ペースト層だけでなく、第3ペースト層にもチップ素子の端部を浸漬することで、厚みや量にばらつきが生じることなく電極膜をより確実に薄くできるのに伴い、内部に気泡の抱き込みのない比較的均一な厚みの外部電極を形成できるようになった。さらに、電極膜の厚みが比較的均一で薄く形成できるのに伴って、ペーストの消費量が削減されて製造コストが低減されるようにもなった。
【0014】
また、電極膜の厚みや量にばらつきが生じなくなるのに伴い、ペースト層が不必要な部分に付着しないようになるので、電子部品であるチップ素子の外部電極以外の部分が、ペースト層により汚れることもなくなるだけでなく、電子部品のエッジ部においては電極膜が必要以上に薄くならなくなった。
【0015】
尚この際、第2ペースト層及び第3ペースト層の厚さを第1ペースト層の厚さの1/10以下としたのは、第2ペースト層及び第3ペースト層は単に不要なペーストを取り除くだけなので、第1ペースト層の1/10以下程度の厚さがあれば十分と考えられるからである。
【0016】
一方、各ペースト層の粘度が10Pa・s未満であれば、粘度が低くなりすぎてエッジ部における膜厚が確保できないので、電極膜がエッジ部で切れてしまう虞があり、また、100Pa・sを超えると、必要以上に電極膜が厚くなり過ぎて、製造コストが増大することになる。この為、本請求項においては、各ペースト層の粘度は10〜100Pa・sの範囲とされている。
【0017】
請求項2に係る外部電極形成方法によれば、請求項1の外部電極形成方法と同様の構成の他に、第1ペースト層の厚さが、チップ素子の長さの1/2未満とされるという構成を有する。
つまり、最も厚い第1ペースト層をチップ素子の長さの1/2未満の厚さとしたことで、チップ素子の両端部に電極膜をそれぞれ形成すべく、チップ素子の両端部をそれぞれペースト層に浸漬する場合において、最大限深くチップ素子を第1ペースト層に漬けても、チップ素子の両端部に形成される電極膜同士が繋がる虞が無くなる。この結果として、歩留りが向上して電子部品の製造コストが低減されるようになる。
【0018】
請求項3に係る外部電極形成方法によれば、請求項1の外部電極形成方法と同様の構成の他に、前記電極膜が形成されたチップ素子の端部を、第2ペースト層と同様の厚さで平面状に形成されたペースト層にさらに浸漬するという構成を有する。つまり、第3ペースト層へのチップ素子の浸漬の後に、一回或いは二回以上さらにチップ素子の端部をペースト層に浸漬することで、厚みや量にばらつきが生じることなく電極膜をより一層確実に薄くできるようになった。
【0019】
請求項4による電子部品は、平面状に形成された第1ペースト層に、端部が浸漬されて外部電極となる電極膜が形成され、
第1ペースト層より薄く且つ平面状に形成された第2ペースト層に、前記電極膜が形成された端部を浸漬し、
第2ペースト層と同様の厚さで平面状に形成された第3ペースト層に、前記電極膜が形成された端部を再度浸漬した電子部品であって、
第2ペースト層及び第3ペースト層の厚さが、第1ペースト層の厚さの1/10以下とされ、各ペースト層の粘度が10〜100Pa・sの範囲とされることを特徴とする。
【0020】
請求項4に係る電子部品によれば、平面状に形成された第1ペースト層に端部が浸漬されることで、電極膜が形成される。それぞれ平面状に形成された第2ペースト層及び第3ペースト層に、この電極膜が形成された端部を順次浸漬することで、厚みが薄く且つ安定化されつつ電極膜がチップ素子の端部に形成される。この際、第2ペースト層及び第3ペースト層の厚さが、第1ペースト層の1/10以下の厚さとされるように薄くされるだけでなく、各ペースト層の粘度が10〜100Pa・sの範囲とされる。
【0021】
従って、電子部品が小型になれば、外部電極となる電極膜を薄く形成しなければならないが、本請求項によれば請求項1と同様に、電極膜の厚みや量にばらつきが生じることなく電極膜を薄くできるのに伴い、内部に気泡の抱き込みのない比較的均一な厚みの外部電極を形成できるようになった。
【0022】
また、電極膜の厚みや量にばらつきが生じなくなるのに伴い、電子部品の外部電極以外の部分がペースト層により汚れることがなくなるだけでなく、電子部品のエッジ部における電極膜が必要以上に薄くならなくなった。
【0023】
請求項5に係る電子部品によれば、請求項4の電子部品と同様の構成の他に、第1ペースト層の厚さが、長さ寸法の1/2未満とされるという構成を有する。つまり、最も厚い第1ペースト層を長さ寸法の1/2未満の厚さとしたことで、最大限深くチップ素子を第1ペースト層に漬けても、請求項2と同様に、チップ素子の両端部に形成される電極膜同士が繋がる虞が無くなる。この結果として、請求項2と同様に、歩留りが向上して電子部品の製造コストが低減されるようになる。
【0024】
請求項6に係る電子部品によれば、請求項4の電子部品と同様の構成の他に、前記電極膜が形成された端部を、第2ペースト層と同様の厚さで平面状に形成されたペースト層にさらに浸漬したという構成を有する。つまり、第3ペースト層へのチップ素子の浸漬の後に、請求項3と同様に、一回或いは二回以上さらにチップ素子の端部をペースト層に浸漬することで、厚みや量にばらつきが生じることなく、外部電極となる電極膜をより一層確実に薄くできるようになった。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る外部電極形成方法及び電子部品の一実施の形態を図面に基づき説明する。
図1及び図2に示すように、誘電体シートであるセラミックグリーンシートを複数枚積層した積層体を切断すると共に焼成することで得られた直方体状の焼結体であるチップ素子12を主要部として、本実施の形態に係るチップ型の例えば積層セラミックチップコンデンサである電子部品10が構成されている。
【0026】
図2に示すように、このチップ素子12内には、セラミックグリーンシートが焼結されたものであるセラミック層12Aを介して、チップ素子12の図2の長手方向に沿って延びる内部電極21A、21Bが複数枚配置されている。具体的には、チップ素子12の右側寄りに配置された内部電極21A及び、チップ素子12の左側寄りに配置された内部電極21Bの2種類により、構成されている。そして、これら内部電極21Aと内部電極21Bとが交互にチップ素子12内に配置され、これら内部電極21A、21B間にそれぞれセラミック層12Aが存在する形となっている。
【0027】
さらに、図1及び図2に示すように、このチップ素子12の複数の内部電極21Aの右側端がそれぞれ接続されるように、外部電極22がチップ素子12の右側の端部14に配置されており、また、これら複数の内部電極21Bの左側端がそれぞれ接続されるように、外部電極23がチップ素子12の左側の端部14に配置されている。
【0028】
以上より、上下面である積層面等のチップ素子12の側部13に対して略垂直な平面として形成される端部14に、外部電極22、23がそれぞれ設けられ、これら外部電極22、23にそれぞれ繋がる内部電極21A、21Bがコンデンサの電極を構成する形とされている。尚、これら内部電極21A、21Bは単に図2に示す層数だけでなく、さらに多数層配置しても良い。
【0029】
尚ここで、図2に示すこの電子部品10及びチップ素子12の端部14の縦寸法H及び横寸法Dはそれぞれ例えば1.2mmとされ、長さ寸法Lは例えば2.0mmとされている。つまり、本実施の形態の電子部品10はC2012と呼ばれる積層セラミックチップコンデンサを形成することになる。
【0030】
次に、本実施の形態に係る外部電極形成方法を用いた電子部品10の製造を説明する。
予め、所定の厚みを有したセラミックグリーンシートの表面上に、内部電極21A、21Bを複数個配置した形で、このセラミックグリーンシートを多数枚作製し、これらセラミックグリーンシートを複数積み重ねて圧力を加えることで、プレート状の積層体を作製する。この後、ダイサー等によりこの積層体を個々のチップ素子12に切断することで、多数のチップ素子12をそれぞれ形成し、さらにこのチップ素子12を焼成するようにする。
【0031】
この一方、チップ素子12の長さ寸法Lの1/2未満となる0.5mm〜0.75mmの厚さを有して平面状に形成された図3に示す第1ペースト層31を平面板30上に設け、また、それぞれ0.05mmの厚さであって平面状に形成された第2ペースト層32及び第3ペースト層33を、平面板30上に同じく設けておくことにする。
【0032】
つまり、本実施の形態では、第2ペースト層32及び第3ペースト層33の厚さを、第1ペースト層31の厚さの1/10以下とした。尚、これら各ペースト層としては、例えば銀、ガラス材料及び溶剤を混合したものが用いられ、各ペースト層の粘度の範囲は、10〜100Pa・sとされている。
【0033】
そしてまず、図3(A)に示す左から右に向かう手順のように、この第1ペースト層31にチップ素子12の端部14を浸漬して、電極膜Mをこのチップ素子12に形成する。
【0034】
次に、図3(B)に示す左から右に向かう手順のように、第1ペースト層31より薄い第2ペースト層32に、電極膜Mが形成されたチップ素子12の端部14を浸漬することで、第1ペースト層31への浸漬時にチップ素子12の端部14に多量に付着して厚くなり過ぎた電極膜Mの一部を取り除くようにする。
【0035】
この後、図3(C)に示す左から右に向かう手順のように、第2ペースト層32と同様の厚さで平面状に形成された第3ペースト層33に、電極膜Mが形成されたチップ素子12の端部14を再度浸漬することで、電極膜Mの一部をさらに取り除くようにする。
【0036】
この結果として、電子部品10の外部電極22、23を形成することになる電極膜Mの各部の厚みや量にばらつきが生じることなく、電極膜Mを薄くできるようになった。つまり、図4に示すように、端部14における厚みT1、端部14と側部13との間の稜線となるエッジ部15における厚みT2及び、側部13における厚みT3が、それぞれ薄く且つ比較的均一化されるようになる。
【0037】
そして、外部電極22、23をチップ素子12の両端部14に取り付ける為に、このチップ素子12の他方の端部14を上記と同様に各ペースト層に順次漬けることで、図1及び図2に示す電子部品10が完成される。
【0038】
次に、本実施の形態に係る電子部品10の作用を説明する。
本実施の形態に係る電子部品10によれば、内部電極21A、21Bを内蔵したチップ素子12の両端部14に、内部電極21Aと接続された外部電極22及び、内部電極21Bと接続された外部電極23をそれぞれ配置した。
【0039】
つまり、平面状に形成された第1ペースト層31に端部14が浸漬されることで、電極膜Mが形成される。さらに、それぞれ平面状に形成された第2ペースト層32及び第3ペースト層33に、この電極膜Mが形成された端部14を順次浸漬することで、厚みが薄く且つ安定化されつつ電極膜Mがチップ素子12の端部14に形成され、この電極膜Mが最終的に電子部品10の外部電極22、23となる。
【0040】
この際、第2ペースト層32及び第3ペースト層33の厚さが、第1ペースト層31の1/10以下の厚さとされるように薄くされるだけでなく、各ペースト層の粘度が10〜100Pa・sの範囲とされている。
【0041】
つまり、電子部品が小型になれば、外部電極22、23となる電極膜Mを薄く形成しなければならないが、本実施の形態によれば、第1ペースト層31の厚さの1/10以下の厚さとされる第2ペースト層32及び第3ペースト層33に、第1ペースト層31で電極膜Mが形成されたチップ素子12の端部14をそれぞれ浸漬して、余分なペーストを電極膜Mから除去するようにした。
【0042】
この結果として、第2ペースト層32だけでなく、第3ペースト層33にもチップ素子12の端部14を浸漬することで、電極膜Mの厚みや量にばらつきが生じることなく、電極膜Mを薄くできるのに伴い、内部に気泡の抱き込みのない比較的均一な厚みの外部電極22、23を形成できるようになった。すなわち、第2ペースト層32にだけチップ素子12を浸漬した場合と比較して、第3ペースト層33にもチップ素子12を浸漬したことで、例えば電極膜Mの厚みT1が約40%も薄くなった。そして、電極膜Mの厚みが比較的均一で薄く形成できるのに伴って、ペーストの消費量が削減されて電子部品10の製造コストが低減されるようにもなった。
【0043】
また、電極膜Mの各部分の厚みT1、T2、T3や量にばらつきが生じなくなるのに伴い、ペースト層が不必要な部分に付着しないようになるので、電子部品10であるチップ素子12がペースト層により汚れることもなるだけでなく、電子部品10のエッジ部15における電極膜Mの厚みT2が必要以上に薄くならなくなった。
【0044】
尚この際、第2ペースト層32及び第3ペースト層33の厚さを第1ペースト層31の厚さの1/10以下としたのは、第2ペースト層32及び第3ペースト層33は単に不要なペーストを取り除くだけなので、第1ペースト層31の1/10以下程度の厚さがあれば十分と考えられるからである。
【0045】
一他、各ペースト層の粘度が10Pa・s未満であれば、粘度が低くなりすぎてエッジ部15における膜厚が確保できないので、電極膜Mがエッジ部15で切れてしまう虞があり、また、100Pa・sを超えると、必要以上に電極膜Mが厚くなり過ぎて、製造コストが増大することになる。この為、本実施の形態においては、各ペースト層の粘度は10〜100Pa・sの範囲とされている。
【0046】
この一方、本実施の形態では、第1ペースト層31の厚さを、チップ素子12の長さ寸法Lの1/2未満としたことで、チップ素子12の両端部14に電極膜Mをそれぞれ形成すべく、チップ素子12の両端部14をそれぞれペースト層に浸漬する場合において、最大限深くチップ素子12を第1ペースト層31に漬けても、チップ素子12の両端部14に形成される電極膜M同士が繋がる虞が無くなる。この結果として、歩留りが向上して電子部品10の製造コストが低減されるようになる。
【0047】
次に、電子部品10及びチップ素子12の端部14の縦寸法H及び横寸法Dがそれぞれ例えば0.8mmとされると共に、長さ寸法Lが例えば1.6mmとされるC1608の場合についての各ペースト層の条件を以下に説明する。つまり、この場合には、各ペースト層の粘度を上記と同一とするものの、第1ペースト層31の厚さを0.4mm〜0.65mmとし、第2ペースト層32及び第3ペースト層33の厚さを0.01mmとする。
【0048】
次に、電子部品10及びチップ素子12の端部14の縦寸法H及び横寸法Dがそれぞれ例えば0.5mmとされると共に、長さ寸法Lが例えば1.0mmとされるC1005の場合についての各ペースト層の条件を以下に説明する。つまり、この場合には、各ペースト層の粘度を上記と同一とするものの、第1ペースト層31の厚さを0.3mm〜0.4mmとし、第2ペースト層32及び第3ペースト層33の厚さを0.01mmとする。
【0049】
尚、上記実施の形態では、第1ペースト層31に浸漬して電極膜Mをチップ素子12の端部14に形成するだけでなく、第2ペースト層32及び第3ペースト層33に、電極膜Mが形成されたこのチップ素子12の端部14をそれぞれ浸漬するようにしたが、第2ペースト層32及び第3ペースト層33と同様の厚さで平面状に形成されたペースト層に、電極膜Mが形成されたこのチップ素子12の端部14をこの後さらに、浸漬しても良い。
【0050】
つまり、第3ペースト層33への浸漬の後に、一回或いは二回以上さらにチップ素子12の端部14をペースト層に浸漬することで、厚みや量にばらつきが生じることなく、外部電極22、23となる電極膜Mをより一層確実に薄くできるようになる。
【0051】
また、上記実施の形態に係る電子部品10は、2種類で8枚の内部電極21A、21Bを有する構造とされているものの、層数、内部電極の枚数はこれらの数に限定されず、さらに多数としても良く、また、電子部品10の大きさも本実施の形態に限定されない。
【0052】
そして、上記実施の形態では積層セラミックチップコンデンサを例として本発明を説明したが、他のチップ型の電子部品にも本発明は適用可能であり、例えば長さ寸法が0.6mm以下、幅寸法が0.3mm以下、厚み寸法が0.3mm以下といった極小サイズのチップ型の電子部品にも適用可能である。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、比較的均一な厚みの外部電極を形成する外部電極形成方法及び、このような外部電極を有した電子部品を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る電子部品を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る電子部品を示す断面図である。
【図3】外部電極の形成の手順を示す説明図であって、(A)は第1ペースト層にチップ素子を浸漬する状態を示す図であり、(B)は第2ペースト層にチップ素子を浸漬する状態を示す図であり、(C)は第3ペースト層にチップ素子を浸漬する状態を示す図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る電子部品の外部電極の断面状態を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
10 電子部品
12 チップ素子
14 端部
22 外部電極
23 外部電極
31 第1ペースト層
32 第2ペースト層
33 第3ペースト層
M 電極膜
Claims (6)
- 平面状に形成された第1ペースト層にチップ素子の端部を浸漬して、外部電極となる電極膜を前記チップ素子に形成し、
次に、第1ペースト層より薄く且つ平面状に形成された第2ペースト層に、前記電極膜が形成されたチップ素子の端部を浸漬し、
この後、第2ペースト層と同様の厚さで平面状に形成された第3ペースト層に、前記電極膜が形成されたチップ素子の端部を再度浸漬する外部電極形成方法であって、
第2ペースト層及び第3ペースト層の厚さが、第1ペースト層の厚さの1/10以下とされ、各ペースト層の粘度が10〜100Pa・sの範囲とされることを特徴とする外部電極形成方法。 - 第1ペースト層の厚さが、チップ素子の長さの1/2未満とされることを特徴とする請求項1記載の外部電極形成方法。
- 前記電極膜が形成されたチップ素子の端部を、第2ペースト層と同様の厚さで平面状に形成されたペースト層にさらに浸漬することを特徴とする請求項1記載の外部電極形成方法。
- 平面状に形成された第1ペースト層に、端部が浸漬されて外部電極となる電極膜が形成され、
第1ペースト層より薄く且つ平面状に形成された第2ペースト層に、前記電極膜が形成された端部を浸漬し、
第2ペースト層と同様の厚さで平面状に形成された第3ペースト層に、前記電極膜が形成された端部を再度浸漬した電子部品であって、
第2ペースト層及び第3ペースト層の厚さが、第1ペースト層の厚さの1/10以下とされ、各ペースト層の粘度が10〜100Pa・sの範囲とされることを特徴とする電子部品。 - 第1ペースト層の厚さが、長さ寸法の1/2未満とされることを特徴とする請求項4記載の電子部品。
- 前記電極膜が形成された端部を、第2ペースト層と同様の厚さで平面状に形成されたペースト層にさらに浸漬したことを特徴とする請求項4記載の電子部品。
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