JP2010143050A - インクジェット記録装置およびインクタンクにおけるインク攪拌方法 - Google Patents

インクジェット記録装置およびインクタンクにおけるインク攪拌方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安価かつ簡易な構成で、短時間の内にインクタンク内部のインクを十分に攪拌でき、インクの色材の凝集及び沈降を解消できるようにする。
【解決手段】インク流路中に容積が可変であるインク収容部21と、インクタンク10との間に圧力差を発生させた後、弁23を開放し、インク収納部21内ののインクをインクタンク10へと逆流させ、インクタンク10内のインクを攪拌する。
【選択図】図9

Description

本発明は、インクを吐出する記録ヘッドに供給するインクを収納したインクタンクを備えたインクジェット記録装置に関し、特にインクタンク内のインクを攪拌する機能を有するインクジェット記録装置およびインクタンクのインク攪拌方法に関する。
現在、インクジェット記録装置としては、使用する記録ヘッド、インク、記録媒体などに応じて種々のものが提案されている。なかでも、記録媒体を横切って往復運動するキャリッジに記録ヘッドを搭載し、キャリッジと共に記録ヘッドを移動させながらインク滴を吐出して記録を行う、所謂シリアル型の記録装置は、比較的安価かつ小型な構成を実現できることから広く用いられている。このインクジェット記録装置の記録ヘッドからは吐出するインクは、通常、インクタンクに収納されており、ここから記録ヘッドへとインクを補給する。
インクジェット記録装置に使用されるインクとしては、一般に不溶性あるいは難溶性の色材を含む染料系や顔料系の水性インクが用いられている。この水溶性インクに用いられる色材は微粒子化されており、分散材で水中に分散させて乳化させたものとなっている。このような水性インクを使用した場合、特に顔料系インクでは、経時的にインク中の色材が凝集、沈降し、濃インクが生成される。このため、インクタンク下部からインクを供給する場合、インクタンク底部の濃インクが最初に供給される。このため、連続的なインクジェット記録を行った場合、インク濃度は徐々に薄くなり、記録画像に濃度ムラやスジが発生したり、色再現性が低下したりすることがあり、その場合には画像品位が著しく低下する。
このようなインク中の色材凝集及び沈降による問題を解決するために、特許文献1では、インク流路中にベローズポンプを用いたインク逆流手段を設け、インクをインクタンクへ逆流させて、インクタンク内部のインクを攪拌するものが提案されている。
また、特許文献2には、記録ヘッドとインクタンクのインク流路中にサブタンクを設け、サブタンク内を空気により加圧し、この圧力を用いてサブタンク内のインクをインクタンク内部へ逆流させ、インクタンク内部のインクを攪拌する方法が提案されている。
特開2004-243667号公報 実用新案登録第03121757号公報
しかし、特許文献1に開示された構成では、インクタンクの容量が大きくなった場合、タンク内部全体を攪拌するにはポンプ容量を大きくする必要があり、装置の大型化や動作負荷増大による駆動機構のコスト増大が懸念される。これに対し、ポンプ容量を増大させず、逆流動作を複数回繰り返して攪拌効果を得るようにすれば、前述した装置大型化やコストアップという問題点は生じないが、タンク内を十分に攪拌するには所要時間が長くなるという問題がある。
また、特許文献2に開示の技術は、サブタンク内での蒸発によるインク濃度変化を防止するため、サブタンク内から導いた空気をエアタンクで加圧し、この加圧した空気をサブタンクに戻すという構成を採る。しかしこの構成では、インク流路に加え空気流路が必要であり、またエアを加圧する加圧機構とエアタンクも必要になるため、構造の複雑化によるコスト増大や組立性の悪化が生じるといった問題がある。
本発明は、インクタンク内におけるインク色材の凝集及び沈降を短時間で解消することができる効率的な攪拌動作を行うと共に、簡易かつ安価に構成可能なインクジェット記録装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本願発明は以下の構成を有する。
すなわち、本願発明の第1の形態は、インクタンクに収容されているインクを記録ヘッドに供給し、前記記録ヘッドからインクを吐出させて記録を行うインクジェット記録装置であって、前記インクタンクに連通するインク収容部と、前記インク収容部と前記インクタンクとの連通、遮断を切換える切換え手段と、前記切換え手段によって前記インク収容部と前記インクタンクとの間の連通が遮断された状態で、前記インク収容部内に前記インクタンク内の圧力より高い圧力を付与する圧力付与手段と、を備え、前記切換え手段は、前記圧力発生手段によって前記インク収容部内に前記インクタンク内より高い圧力が付与された状態で、前記インクタンクと前記インク収容部とを連通させる。
本願発明の第2の形態は、インクジェット記録装置に搭載される記録ヘッドに供給するインクを収容したインクタンク内のインクを攪拌するインク攪拌方法であって、前記インクタンクとインク収納可能なインク収容部との連通、遮断を切換える切換え工程と、前記切換え手段によって前記インク収容部と前記インクタンクとの間の連通を遮断した後、前記インク収容部内に前記インクタンク内の圧力より高い圧力を付与する圧力付与工程と、を備え、前記切換え工程は、前記圧力発生手段によって前記インク収容部内に前記インクタンク内より高い圧力が付与された状態で、前記インクタンクと前記インク収容部とを連通させることを特徴とする。
本発明によれば、インク収容部とインクタンクとを遮断した状態で、インク収納部の圧力をインクタンクより高めて両者に圧力差を発生させ、その圧力差によってインク収容部内のインクを勢いよくインクタンクへ逆流させる。このため、逆流させるインク量が小さくても、大きな攪拌効果を得ることができ、安価かつ簡易に構成することが可能になる。また、逆流させる回数も削減でき、攪拌に要する時間も短縮することが可能になる。さらに、流路中に空気を導入する必要がないため、インク内のインク蒸発による濃度変化を発生させることがない。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態におけるインクジェット記録装置の構成を示す模式図である。
本実施形態におけるインクジェット記録装置では、インクタンク10から供給されたインクが、インク供給管20を経由して記録ヘッド30にインクが供給される。記録ヘッド30は、用紙搬送方向(図1の紙面と直交する方向)に対して直交する方向(X方向)に往復動作することで、プラテン43上の記録媒体50に記録を行う。吸引回復動作や予備吐出等で記録ヘッド30より吐出されるインク、すなわち記録媒体への記録を目的とせずに記録ヘッドから排出または吐出されるインクは、吸引キャップ40や予備吐口44に吐出される。吸引キャップ40に吐出されたインクは、吸引ポンプ41により吸引キャップ40から廃インクタンク42へと導かれ、ここで保持される。また予備吐口44に吐出されたインクは、予備吐口44内の吸収体に吸収される。なお、吸引キャップ40と吸引ポンプ41とにより記録ヘッド30内のインクおよび空気をインク吐出口から吸引可能な吸引手段が構成されている。
インクタンク10は柔軟部材で形成されたインク袋11とインク供給口を常には密閉するゴム栓12、インクタンク10内部とインクタンク外部を連通させる大気連通口13、インク袋11を保持するケース14で構成される。インク供給管22の一端には先端が鋭利な中空管であるインク針22aが取り付けられており、インク針22aがゴム栓12に差し込まれることでインク供給管22へのインクの導出を可能とする。
インクタンク10内のインクは、インク針22a、インク供給管(第1のインク供給流路)22、流路弁23、サブタンク21、インク流路(第2のインク供給流路)20からなるインク供給可能なインク供給流路を経由して記録ヘッド30に供給される。流路弁23は不図示の駆動機構により、任意のタイミングで開閉可能な構成を備え、インク供給流路においてインクタンク10とサブタンク21との連通、遮断を選択的に切換える切換手段として機能する。また、サブタンク21はある一定量のインクを収容可能なインク収容部として機能する。そして、このサブタンク21には、その底部からサブタンク内に圧力を付与する圧力付与手段としての加減圧ポンプ29が連結されている。この加減圧ポンプ29は、サブタンク21に対し減圧および加圧を行うものであり、サブタンクを減圧することによってインクタンク10からインク吸引を行い、サブタンク21を加圧することによってサブタンク21から記録ヘッド30へのインク供給を行う。
ここに示す加減圧ポンプ29は、図2に示すように、内部が中空になっているゴム製で容積可変のベローズ(構造体)24を備えたベローズポンプである。なお、図2は図1のA部拡大図である。図2(b)に示すように、ベローズ24が伸びると、サブタンク21の内部に負圧が発生し、内部にインクタンク10からインクが流入する。
ベローズ24は、その一端部が前記サブタンクに連通し、他端部がポンプ保持アーム25によって保持されており、ポンプ保持アーム25の回動に合わせて伸縮する。ポンプ保持アーム25は加圧ばね26の付勢力によって上方に押圧されており、サブタンク21内に正圧を加える。制御カム27は、後述のカム駆動モータによって回転し、加圧バネ26によって付勢されているポンプ保持アーム25の押圧、解放を行う。アーム位置検出センサ28は、ポンプ保持アーム25の一端部が一定の上昇位置に達したか否かを検出し、その検出結果に基づき、後述の制御部が、ポンプ保持アーム25の動作、すなわち制御カム27の回転を制御するカム制御モータの駆動を制御している。なお、前記ポンプ保持アーム25、加圧バネ26、制御カム27によってベローズ内の容積を変更する変更機構を構成しており、この変更手段とベローズ24とによって圧力発生手段としての加減圧ポンプ29を構成している。
記録ヘッド30は、その壁の一部が可撓膜31により構成されている。可撓膜31は、インクの消費に伴う記録ヘッド内の圧力変化に応じて伸縮動作を行う。この可撓膜31は、常には図1に示すように記録ヘッド30の外方へ膨らんだ(伸張した)状態を維持するよう、負図示のバネ機構により付勢されている。可撓膜31の伸縮動作は、可撓膜31に接続されたアーム32を通じ、インク供給管20と記録ヘッド30の接続部を塞いでいるヘッド内流路弁33へ伝達され、ヘッド内流路弁33の開閉動作に用いられる。
次に、本実施形態におけるインクジェット記録装置における制御系の概略構成を図3のブロック図に基づき説明する。
図3において、制御部100は、例えばCPU101、プログラムや所要のテーブルその他の固定データを格納したROM103、および画像データを展開する領域や作業用の領域等を設けたRAM105などを有する。また、この制御部100は、画像データの供給源であるホスト装置110とインタフェース(I/F)112を介して接続されている。ホスト装置110は、記録に係る画像等のデータの作成、処理などを行うと共に、入力・設定処理などを行うプリンタドライバなどを備えたコンピュータによって構成されている。なお、ホスト装置としては、コンピュータ形態のものだけでなく、画像読み取り用のリーダ部等の形態のものを使用することも可能である。そして、画像データや、その他のコマンド、ステータス信号等が、インタフェース(I/F)112を介してコントローラ100へと送受信される。
操作部120は操作者による指示入力を受容するスイッチ群である。このスイッチ群は、電源スイッチ122、吸引回復動作の起動を指示するための回復スイッチ126、連続給紙記録スイッチ127などを有する。この連続給紙記録設定スイッチは、自動給紙装置32の給紙トレイ32aに積載されている記録媒体を一枚ずつ給送して順次記録する際に使用するスイッチである。なお、コントローラ100には、記録時において先行する記録媒体8の後端がペーパーセンサ33を検知する前に、後続の記録媒体40の給送を行うか否かを設定する連続給紙スイッチ機能が備えられている。
センサ群130は装置の状態を検出するためのセンサ群である。このセンサ群130は、上述のホームポジションセンサ131、記録媒体の有無を検出するためのペーパセンサ132、環境温度を検出するために適宜の部位に設けられた温度センサ133、および前述のアーム位置検出センサ28等を含む。
ヘッドドライバ140は、記録データ等に応じて記録ヘッド1に多数配列されているインク吐出用のノズルそれぞれに配置された吐出ヒータを駆動するドライバである。このドライバによって駆動された吐出ヒータは熱エネルギーを発生し、その熱エネルギーによってノズル内のインクに気泡を発生させ、その気泡の発生エネルギーによってインク滴をノズルのインク吐出口から外部へと吐出させる。
主走査モータ151は、記録ヘッド30を保持するキャリッジをX方向へと移動させるモータであり、モータドライバ150によって駆動される。搬送モータ171は記録媒体8を搬送するためのモータであり、モータドライバ170によって駆動される。給紙モータ161は、自動給紙装置の給紙ローラを駆動するモータであり、モータドライバ160によって駆動される。また、ポンプ駆動モータ181は、前述の吸引ポンプ41を駆動するモータであり、モータドライバ180によって駆動される。カム駆動モータ191は、加減圧ポンプ27のカム27を回転させるモータであり、モータドライバ190によって駆動される。キャップ移動モータ201は、前述のキャップ40を記録ヘッド30に対して進退させるためのモータであり、モータドライバ200によって駆動される。また、バルブドライバ210は、前述の流路弁23の開閉させる。
次に本実施形態におけるインクジェット記録装置の作用を図4ないし図10に基づき説明する。
(初期充填動作)
始めに、記録ヘッド30内部へインクを充填する際の動作について、図4ないし図6を用いて説明する。
まず図4に示すように、吸引キャップ40を記録ヘッド30の吐出口形成面に当接させてインク吐出口を周囲から遮断した密閉状態とし、流路弁23を開放する。また制御カム27を回動させて加減圧ポンプ29のベローズ24を伸した状態(図2(b)に示す状態)にする。この状態で吸引ポンプ41を作動させると、記録ヘッド30の内部が減圧される。このとき、図4に示すように、記録ヘッド30の内部が負圧になるに連れて可撓膜31は図中の矢印に示す方向、すなわち記録ヘッド30の内部方向へと変形する。可撓膜31が変形すると、変形時の変位量がアーム32によりヘッド内流路弁33へ伝達され、ヘッド内流路弁33は図4の矢印方向に変位し、開放状態になる。この状態のまま吸引ポンプ41を動作させ続けると、インク供給管20を通じサブタンク21から吸引される空気量に応じて、インクがサブタンク21へ流入する。サブタンク21内の空気が全て吸引されインクがサブタンク21内部に充填されると、次にインクは記録ヘッド30の内部へ流入し始める。所定の時間が経過しインクが記録ヘッド30内に所定量供給されたら吸引ポンプ41の駆動を停止する。この時吸引ポンプ41の駆動開始から停止までの時間は、予め動作試験などによって計測することにより求める。
吸引ポンプ41を止めると、図5に示すように可撓膜31は通常の位置(初期位置)に復帰すると共に、この可撓膜31の移動に伴ってヘッド内流路弁33は閉状態になる。また、このとき記録ヘッド30内部はインクで満たされており、可撓膜31が初期位置へと復元することによって記録ヘッド30内は負圧状態に保持される。この時点で、流路弁23を閉状態にする。
次に図6に示すように、吸引キャップ40を開放状態にすると共に、制御カム27を回動させて、ポンプ保持アーム25を通じて加圧バネ26の圧力をベローズ24にかける。その結果、サブタンク21内部及びインク供給管20内部のインクは加圧状態になり、記録可能な状態になる。この時、記録ヘッド30内のヘッド内流路弁33がインク供給管20を塞ぐ力は前記サブタンク21の内部及びインク供給管20内部の圧力よりも大きくなるように設定されている。従って、このままではインク供給管20と記録ヘッド30とが連通することはない。また、記録ヘッド30内の圧力は、ノズル内に形成されているメニスカスによって保持されているため、ノズルから記録ヘッド30の内部へ空気が逆流することはない。
以上がインクの初期充填時の動作である。本実施形態の構成及び動作によれば、サブタンク内21の空気を全て吸い出した後に、記録ヘッド30にインクが充填されるため、サブタンク21及び流路20,22中に空気を混入させることなく、記録ヘッド30へのインク充填が可能である。
(記録中のインク供給動作)
次に、記録中のインク供給動作について説明する。記録動作によりインクが消費されていくと、記録ヘッド30の内部の負圧値は大きくなっていく。記録ヘッド30の内部の負圧値が高まるに連れて可撓膜31は、記録ヘッド30の内部へと変形する。可撓膜31が変形すると、変形時の変位量がアーム32によりヘッド内流路弁33に伝達され、ヘッド内流路弁33は弁開放状態になる。ヘッド内流路弁33が開放状態になるとサブタンク21内の加圧されたインクが記録ヘッド30の内部へ流入する。記録ヘッド30内部にインクが流入し圧力が上昇するに連れて、可撓膜31は記録ヘッド30の外部側へ変形し、これに伴ってヘッド内流路弁33も閉状態へ移行しインクの流入は停止する。以上の動作を繰り返すことで、記録ヘッド30へのインク供給が実施される。
こうしたインク供給動作において、記録ヘッド30にインクが供給されると、その供給されたインク量だけ加減圧ポンプ29は縮んで行く。さらに加減圧ポンプ29が限界まで縮んで図7に示す状態に至ると、ポンプアーム位置検出センサ28からは検出信号が出力される。この検出信号を受けて制御部100のCPU101は、バルブドライバ210、モータドライバ190などを制御し、流路弁23およびカム駆動モータ191の駆動を制御してインクタンク10からサブタンク21へのインク供給動作を以下のようにして行う。
図8に示すように、始めに流路弁23を開放し、その後、制御カム27を回転させて、ポンプ保持アーム25を介して加減圧ポンプ29を伸ばした状態にする。その結果、加減圧ポンプ29を伸ばした分だけ、加減圧ポンプ29を含めたサブタンク21の内部の容積が大きくなり、サブタンク21の内部には負圧が発生する。このサブタンク21の内部の負圧作用により、インクタンク10よりサブタンク21へインクが流入する。このとき、記録ヘッド30内のヘッド内流路弁33は閉じたままなので、記録ヘッド30内のインクがサブタンク21に供給されることはない。
制御カム27を回転した後、所定時間が経過すると、サブタンク21内のインクが所定量に達する。その後、流路弁23を閉じ、制御カム27を回動させてポンプ保持アーム25を移動させることによりベローズ24を加圧状態にして図6の状態に復帰させ、サブタンク21へのインク供給を終了する。なお、このサブタンク21へのインク供給動作において、加減圧ポンプ29へのインク充填中はインク供給管20およびサブタンク21の内部は加圧されていないため、記録ヘッド30へのインク供給はできない。このため、インク供給動作は、記録動作中以外のタイミングで行われることが望ましい。記録動作中に実施する場合は、記録ヘッド30へのインク供給が終了してから、次に記録ヘッド30内部に保持しているインクが消費されてヘッド内流路弁33が開放状態に至るまでの間に、前述したサブタンク21への供給動作を終了させる必要がある。
以上が記録中のインク供給動作の詳細である。
(インクタンク内のインク攪拌動作)
次に、本実施形態の特徴の一つであるインクタンク10の内部のインク攪拌動作について詳細に説明する。
前述したように、インクジェットプリンタにおいては、インクタンク10がある一定期間以上放置されると、色材が沈降してインク内に濃度差が発生し、画像に悪影響を及ぼすことがある。こうした問題は、顔料を色材として用いる顔料インクにおいて特に顕著である。そこで、本実施形態では以下に示すインク攪拌動作を実施し、この問題を解消している。以下、このインク攪拌動作の詳細を図1ないし図10を用いて説明する。
まず、図10のS101において、制御部100に含まれる不図示のタイマーが前回の攪拌動作からの経過時間を計測し、その経過時間が予め定めた閾値を超えたか否かをS102において判断する。ここで、閾値を超えたと判断された場合には、S103において制御部100におけるCPU101が攪拌動作の開始と、経過時間に基づく攪拌動作の繰り返し回数を決定する。
攪拌動作が開始されると、S104において、インク流路20およびサブタンク21内が図6に示すように加圧状態になるよう制御される。こうして加圧状態を形成した後、S105において流路弁23を開放すると、サブタンク21内のインクは、インク流路22を図9の矢印に示すように逆流し、インクタンク10の内部のインク袋11へと流入する。
すなわち、本実施形態では、インク袋11を収納するタンクケース14内の空間が大気連通口13を通じて大気に開放されているため、インク袋11内部の圧力も大気圧となっている。これに対し、サブタンク21内は、前述のように加圧バネ26によって加圧状態になっているため、流路弁23が開放される前の段階では、流路22を含むサブタンク21と、インク袋11との間には、差圧が生じている。従って、この差圧が生じた状態で流路弁23が開放されると、サブタンク21内のインクは、インク袋11へと勢い良く逆流する。この逆流作用により、インク袋11の内部には、図9の矢印に示すように、大きな対流が発生し、沈降した顔料成分を巻き上げるため、インク袋11内のインクは十分に攪拌される。また、発生した対流は、インク袋11の内部のインクを攪拌しつつ粘性抵抗により勢いを失っていく。本実施形態では発生した対流が十分な攪拌効果を失うまでの時間を計測し、これを攪拌動作開始後の待機時間として設定している。
流路弁23の開放により攪拌動作が開始されてから前記の待機時間が経過すると、S106において制御カム27が回動し、加減圧ポンプ29が伸ばされる。その後、所定時間が経過すると、前述のインク供給動作と同様に、図8に示すようなインクタンク10側からサブタンク21へのインクの流入が発生し、サブタンク21内がインクで満たされる。この後、S107において流路弁23が閉じられると、初期状態に復帰する。S102において複数回の攪拌動作を行うと判断された場合には、S104〜S107の動作がS103で決定された回数だけ繰り返される。繰り返し動作が終了すると、S108にて攪拌動作を終了する。
以上がインクタンク内攪拌動作の詳細である。
このように本実施形態では、このような圧力差を利用することで単に逆流させるよりも大きな攪拌効果を得ることができる。もしかなりの長期に渡りインクタンク10を含むプリンタ本体が放置され、顔料成分の沈降がより進んだ場合でも、数回繰り返すことで十分インク袋11内部のインクを攪拌することが可能である。またサブタンク21内部のインクも、同時に攪拌されることになる。また、本実施形態にあるように、インク袋11の下部よりインクを逆流させると、より大きな効果が得ることが可能である。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を、図11ないし図13を用いて説明する。なお、図11ないし図13において、第1の実施形態と同一もしくは相当部分には同一符号を付してある。
この第2の実施形態では、インクタンク10からバッファタンク21に至る流路を、供給流路50と、攪拌流路51の2系統設けると共に、供給流路50中に一方向弁52を設けており、これが上記第1の実施形態との構造上の相違点である。以下、この相違点を中心に、この第2の実施形態の作用を説明する。
(初期充填動作及び記録中のインク供給動作)
この第2の実施形態では、サブタンク21および記録ヘッド30へのインク供給動作において、上記第1の実施形態のように流路弁23を開放する必要がなく、この点がまず上記第1の実施形態と異なる。すなわちこの第2の実施形態では供給流路50と一方向弁52を設けたことにより、インクは、吸引ポンプ41や加減圧ポンプ29によって生じる負圧に応じてインクタンク10より供給される。またサブタンク21を加圧しても、52は一方向弁であるため、インクがインクタンク側へ逆流することはない。このため本実施形態では、初期充填動作及び記録中のインク供給動作では流路弁23を制御する必要がなく、図10において流路弁23を閉じたまま、実施形態1同様の動作を行えば、初期充填及び記録中のインク供給を実施することができる。
(インクタンク内攪拌動作)
この第2の実施形態におけるインクタンク10内のインク攪拌動作を、図11ないし図13を用いて説明する。
まず、図13のS101〜S105に至る動作は、上記第1の実施形のS101〜S105に至る動作と同様である。すなわち、S104の動作によって、サブタンク21内を加圧し、インク袋11との間に差圧を発生させ、S105において流路弁23を開放する。これにより、サブタンク21内のインクはインク袋11へと勢い良く逆流し、インク袋11内に、図14に示すようなインクの対流を発生させ、インクを十分に攪拌する。このとき、この第2の実施形態では、インクが逆流する際の流路がインク供給流路100とは別に設けられた攪拌流路51であり、この点が上記第1の実施形態とは異なるが、インク袋11に対するインクの攪拌効果は、上記第1の実施形態と同様である。
S105において流路弁23を開放してから所定の待機時間が経過すると、この第2の実施形態ではS106において流路弁23を閉鎖した後、S107にて制御カム27を回動させ、加減圧ポンプ29による負圧発生作用で、インクをサブタンク21へ供給する。この第2の実施形態では、流路弁23を開放させたまま制御カム27を回動しても、インクはサブタンク21から攪拌流路51および供給流路50を経て再びサブタンク21へ入るといった流路を循環するのみで、インクタンク10からのインクの吸引は行われない。このため、この第2の実施形態では、図13に示すように、流路弁の閉鎖と、制御カムの回動とを、第1の実施形態とは逆の順序で行っている。
このように、この第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様のインク攪拌効果が得られることに加え、初期充填動作及び記録中のインク供給動作では流路弁23を開閉させないため、流路弁23の制御が容易になるという利点がある。また流路弁23の動作回数が減少するため耐久回数の点でも有利であり、流路弁23のコスト削減効果も期待できる。但し、第2の実施形態では、流路を2系統設ける必要があるのに対し、第1の実施形態では、1系統の流路で済むため、流路構造については、第1の実施形態の方が単純化でき、安価に構成することができる。
以上のように上記各実施形態によれば、簡易かつ安価な構成で、流路中への空気混入を防止し、サブタンク内のインク蒸発による濃度変化を防止できる。さらに、サブタンク内と、インクタンクとの間に差圧を発生させ、その差圧によってインクを勢いよくインクタンクへと逆流させるため、逆流させるインク量が小さくても、大きな攪拌効果を得ることができ、インクタンク内のインクを十分攪拌することができる。また逆流させる回数も削減できるため、攪拌に要する時間も短縮することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の技術思想に包含されるあらゆる変更や修正が可能である。
本発明の第1の実施形態におけるインクジェット記録装置の構成を示す模式図である。 図1のA部拡大図であり、主として加減圧ポンプのベローズの動作を模式的に示している。 第1の実施形態における制御系の概略構成を示すブロック図である。 第1の実施形態におけるインクの初期充填動作を示す模式図であり、記録ヘッドに対してインクが充填されている状態を示している。 第1の実施形態におけるインクの初期充填動作を示す模式図であり、記録ヘッドへのインクの充填が終了した状態を示している。 第1の実施形態におけるインクの初期充填動作を示す模式図であり、サブタンクを加圧した状態を示している。 第1の実施形態において記録ヘッド内へのインク供給によってベローズが限界まで縮んだ状態を示す模式図である。 第1の実施形態におけるインクタンクからサブタンクへのインク供給状態を示す模式図である。 第1の実施形態におけるインクタンク内のインク攪拌動作状態を示す模式図である。 第1の実施形態におけるインクタンク内のインク攪拌動作手順を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態における記録装置の構成を示す模式図である。 第2の実施形態におけるインクタンク内のインク攪拌動作時の状態を示す模式図である。 第2の実施形態におけるインクタンク内のインク攪拌動作手順を示すフローチャートである。
符号の説明
10 インクタンク
11 インク袋
14 ケース
20 インク供給管
21 サブタンク
22 インク針
23 流路弁
24 ベローズ
25 ポンプ保持アーム
26 加圧バネ
27 制御カム
28 ポンプアーム位置検出センサ
29 加減圧ポンプ
30 記録ヘッド
31 可撓膜
32 アーム
33 ヘッド内流路弁
40 吸引キャップ
41 吸引ポンプ
50 供給流路
51 攪拌流路
52 一方向弁
100 制御部
101 CPU

Claims (9)

  1. インクタンクに収容されているインクを記録ヘッドに供給し、前記記録ヘッドからインクを吐出させて記録を行うインクジェット記録装置であって、
    前記インクタンクに連通するインク収容部と、
    前記インク収容部と前記インクタンクとの連通、遮断を切換える切換手段と、
    前記切換手段によって前記インク収容部と前記インクタンクとの間の連通が遮断された状態で、前記インク収容部内に前記インクタンク内の圧力より高い圧力を付与する圧力付与手段と、を備え、
    前記切換え手段は、前記圧力発生手段によって前記インク収容部内に前記インクタンク内より高い圧力が付与された状態で、前記インクタンクと前記インク収容部とを連通させることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記インク収容部は、前記インクタンクから前記記録ヘッドへとインクを供給可能なインク供給流路に連通し、
    前記切換手段は、前記インク供給流路のうち、前記インクタンクと前記インク収容部とを連通させる部分に設けられ、
    前記圧力発生手段によって前記インク収容部内に前記インクタンク内より高い圧力が付与された状態で、前記インクタンクと前記インク収容部とを連通させることにより、前記インク収容部から前記インク供給流路を介して前記インクタンク内へとインクを逆流させて前記インクタンク内のインクを攪拌することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記インク収容部は、前記インクタンクから前記インク収容部へのインクの流動のみを可能とする第1のインク供給流路と、前記記録ヘッドに連通する第2のインク供給流路と、前記インクタンクに連通するインク流路とに連結され、
    前記切換え手段は、前記第1のインク供給流路に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記圧力付与手段は、前記インク収容部に連通する容積可変の構造体と、該構造体の容積を変化させる変更機構と、からなり、前記インク収容部と前記インクタンクとの連通を遮断した状態で、前記変更機構によって前記構造体の容積を縮めることによって前記インク収容部内に、前記インクタンク内の圧力より高い圧力を付与することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記圧力付与手段は、前記インク収容部と前記インクタンクとを連通させた状態で、前記変更機構によって前記構造体の容積を拡大することによって前記インク収容部内に前記インクタンク内の圧力より低い圧力を付与し、前記インクタンクから前記インク収容部へとインクを供給することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記インク収容部は、一定の容積を有するサブタンクであり、
    前記構造体は、一端部が前記サブタンクに連通するベローズにより構成されることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記変更機構は、付勢手段の付勢力を受けて前記ベローズの他端部を前記ベローズ内の容積を縮める方向に押圧するアームと、該アームを前記付勢手段に抗して前記ベローズの容積を拡大する方向に移動させ得るカムと、を備えることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記記録ヘッドのインク吐出口から前記記録ヘッド内のインクまたは空気を吸引可能な吸引手段を、さらに備え、
    前記吸引手段によって前記記録ヘッド内のインクまたは空気を吸引することによって記録ヘッドないに負圧を発生させ、前記記録ヘッド内に前記インク収容部内のインクを充填させることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  9. インクジェット記録装置に搭載される記録ヘッドに供給するインクを収容したインクタンク内のインクを攪拌するインク攪拌方法であって、
    前記インクタンクとインクを収納するインク収容部との連通、遮断を切換える切換え工程と、
    前記切換え手段によって前記インク収容部と前記インクタンクとの間の連通を遮断した後、前記インク収容部内に前記インクタンク内の圧力より高い圧力を付与する圧力付与工程と、を備え、
    前記切換え工程は、前記圧力発生手段によって前記インク収容部内に前記インクタンク内より高い圧力が付与された状態で、前記インクタンクと前記インク収容部とを連通させることを特徴とするインクタンクにおけるインク攪拌方法。
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