JP2002264358A - インクジェット画像形成装置 - Google Patents

インクジェット画像形成装置

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JP2002264358A
JP2002264358A JP2001067976A JP2001067976A JP2002264358A JP 2002264358 A JP2002264358 A JP 2002264358A JP 2001067976 A JP2001067976 A JP 2001067976A JP 2001067976 A JP2001067976 A JP 2001067976A JP 2002264358 A JP2002264358 A JP 2002264358A
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Japan
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ink
image forming
forming apparatus
pressure
jet image
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JP2001067976A
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English (en)
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Tsuneo Maki
恒雄 牧
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気泡残留が起こり易い。 【解決手段】 インクバッファ部7にはインク供給経路
内の圧力が大気圧より上回るときに開き、大気圧より下
回るときに閉じる気泡排出用弁14を設けるとともに、
インク供給経路内の圧力を増加可能な加圧機構16を設
けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット画像形成
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プ
ロッタ等のインクジェット画像形成装置(画像記録装
置)として、インク滴を吐出するノズルと、このノズル
が連通する吐出室(圧力室、加圧液室、液室、インク流
路等とも称される。)と、この吐出室内のインクを加圧
するエネルギーを発生するエネルギー発生手段とを有す
るインクジェットヘッドで構成した記録ヘッドをキャリ
ッジに搭載し、キャリッジを主走査方向に移動させ、記
録媒体(インク滴が付着するもの)を副走査方向に搬送
して、記録ヘッドからインク滴を吐出させることで記録
媒体に画像を記録するシリアル型のものが知られてい
る。
【0003】このようなシリアル型インクジェット記録
装置においては、キャリッジに搭載した記録ヘッドにイ
ンクを供給しなければならず、一般的には、キャリッジ
に記録ヘッドと共にインクを供給するインクカートリッ
ジ(又はインクタンクとも称する。)を搭載し、或いは
ヘッド一体型のインクカートリッジを搭載するようにし
ている。
【0004】このインクカートリッジを用いる構成が最
も簡単であるが、記録装置の高速化、高精度化、高効率
化、小型化等を図る上での問題点がある。すなわち、イ
ンクカートリッジは空になる度に新しいものと交換しな
ければならないので、特に使用頻度が高い場合には、カ
ートリッジ交換回数が多くなって作業が煩雑になり、ま
た予備として保管しなければならないインクカートリン
ジが多くなり、さらに廃カートリッジ容器が多く発生す
るのでランニングコストや環境面でも問題が多くなる。
【0005】他方、このような問題を回避するために、
インクカートリッジの容量を大きくすると、キャリッジ
全体の重量が大きくなり、キャリッジの高速駆動(高速
印字)が困難になり、装置の大型化を招き、またキャリ
ッジ駆動モータの出力アップが必要となり、コスト、騒
音、振動等の面で大きな問題が生じる。さらに、キャリ
ッジの重量変動も大きくなるので、キャリッジの動作特
性が記録中に変化し、安定した印字精度の確保が困難に
なる。
【0006】そこで、インクカートリッジ方式の問題を
解決するものとして、キャリッジにはインクカートリッ
ジを搭載せずに、インクカートリッジは記録装置本体側
に配置して、インク供給チューブとキャリッジに搭載し
た小容量のサブタンクを用いてインクを供給するチュー
ブ供給方式が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たチューブ供給方式にあっては、インクの供給経路が長
くなることで、チューブを透過する空気が問題になる。
また、カートリッジの交換時にもインク供給経路への気
泡の混入が懸念されるようになる。
【0008】従来のインクジェット画像形成装置では、
混入した気泡をあるところで溜めて、ヘッドのノズル回
復時にヘッドを通して経路外へ排出する手段が知られて
いるが、ヘッドの直前に設けたフィルタの気泡透過性の
問題があるとともに、ヘッドに到達した気泡がヘッドか
らスムーズに抜けずにインクの吐出不良を招いてしまう
ことがある。
【0009】また、従来のインクジェット画像形成装置
では、ヘッドのノズル面に存在するメニスカスを維持す
るために供給経路内の圧力は大気圧に対して若干負圧に
設定され、キャリッジ上に保持されるカートリッジでは
吸収体の毛管力によってその負圧を発生させているが、
チューブ供給方式では、大気とは完全に隔離された状態
を保つようにするため、上述したキャリッジ上のカート
リッジのように大気開放しつつも毛管力に頼る負圧を得
ることはできない。
【0010】このように、チューブ供給方式においては
気泡の排出が困難で、インク滴吐出不良などを招き易く
なるという課題がある。
【0011】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、ヘッドを介することなく気泡を排出できるイン
クジェット画像形成装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明に係るインクジェット画像形成装置は、イン
クバッファ部にはインク供給経路内の圧力が大気圧より
上回るときに開き、大気圧より下回るときに閉じる弁手
段を設けるとともに、インク供給経路内の圧力を増加可
能な加圧手段を設けたものである。
【0013】ここで、インクバッファ部にはインク又は
水の分子サイズより小さいサイズのメッシュ部材を設
け、弁手段はこのメッシュ部材より外側に設けることが
好ましい。この場合、インク供給経路内の圧力が大気圧
に対し負圧の状態にあるときに弁手段とメッシュ部材が
接触して密閉されることが好ましい。また、メッシュ部
材はメッシュを通る空気の流体抵抗がインクが充填され
た状態でのヘッドの各ノズルで発生するメニスカス保持
力の総和より小さくなるようにメッシュの空気が透過す
る部分の面積が設定されていることが好ましい。
【0014】本発明に係るインクジェット画像形成装置
は、インクバッファ部にはインク供給経路内の圧力が大
気圧より上回るときに開き、大気圧より下回るときに閉
じる第1弁手段を設けるとともに、インクバッファ部の
外側に容積が外力によって変形可能で、前記インクバッ
ファ部と接触した状態で第1弁手段を含んで密閉空間を
形成可能な吸盤状部材を設け、この吸盤状部材には変形
して内容積が小さくなるときに圧力の高まった内部の空
気を外部へ排出し、吸盤状部材の変形が元の形状に戻る
ときに閉じる第2弁手段を設けたものである。
【0015】ここで、吸盤状部材を記録ヘッドを搭載し
たキャリッジの動作で変形させることが好ましい。ま
た、吸盤状部材を移動させてインクバッファ部に押し付
けて変形させることが好ましい。さらに、吸盤状部材に
外部から変形力を与えて変形させることが好ましい。
【0016】また、吸盤状部材の変形を行うときに記録
ヘッドのノズル面をキャップ部材でキャッピングするこ
とが好ましい。さらに、吸盤状部材の変形を行うときに
記録ヘッドのノズル面をキャップ部材でキャッピング
し、かつ、キャップ部材よりインクの吸引を行うことが
好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。図1は本発明の第1に係るイ
ンクジェット画像形成装置の要部概略構成図、図2は図
1の上面説明図である。この画像形成装置は、図示しな
い左右の側板間に横架した主ガイドロッド1及び従ガイ
ドロッド2にキャリッジ4を主走査方向(図1で紙面垂
直方向)に摺動自在に保持し、このキャリッジ4には例
えばイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、
ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個のイ
ンクジェットヘッドからなる印写ヘッド5をインク滴吐
出方向を下方に向けて装着し、これらの各印写ヘッド5
の上部には、ヘッド5に対してインク接続経路6を介し
てそれぞれ各色のインクを供給するためのインクバッフ
ァ部7を取り付けている。
【0018】このインクバッファ部7はヘッド5に接続
されるとともに、チューブ接続経路8に接続したインク
供給経路をなすインク供給チューブ9を介して、装置本
体側に交換可能に設ける各色のインクカートリッジ10
に接続される。
【0019】インクバッファ部7は、図3にも示すよう
に、インク11を少量貯めるタンク本体12の上部に気
泡排出口13を形成し、この気泡排出口13を開閉する
弁手段である気泡排出用弁14を設けている。この気泡
排出用弁14はインク供給経路内の圧力、ここではイン
クバッファ部7内の圧力が大気圧より上回るときに開
き、大気圧より下回るときに閉じる。
【0020】インクカートリッジ10は、柔軟な素材で
形成した袋状容器からなり、インク供給チューブ9を接
続する部分にはメッシュ状フィルタ10aを設けてい
る。このインクカートリッジ10は、図1に示すように
印写ヘッド5のノズル面との間で水頭差を設定した状態
で設置される。そして、このインクカートリッジ10
は、図4にも示すように、装置本体又はカートリッジ支
持体15で支えられ、カートリッジ支持体15の反対側
にはインクカートリッジ10を外側から加圧することで
インク供給チューブ9内の圧力を増加させてインクバッ
ファ部7内の圧力を増加させる加圧機構16を配設して
いる。
【0021】この加圧機構16は、同図に示すように、
インクカートリッジ10の側面に当接可能な加圧ロッド
17を支軸18で揺動可能に支持し、加圧ロッド17を
揺動させる加圧ロッド駆動プランジャ19を備えてい
る。
【0022】このように構成したインクジェット記録装
置の気泡排出作用について図6をも参照して説明する。
先ず、インクバッファ部7内にインク11が充填された
状態では、図3に示すように、インクバッファ部7内に
は気泡が存在せず、気泡排出用弁14も閉じている。
【0023】そして、インク使用状況下でインク供給チ
ューブ9中に混入した気泡は、図6(a)に示すよう
に、インクバッファ部7内でエアーAとしてトラップさ
れる。ここで、気泡を排出するモードに入ると、加圧機
構16の加圧ロッド駆動プランジャ19を駆動して加圧
ロッド17を図4の矢示方向に揺動させてインクカート
リッジ10を外方から加圧する。これによって、インク
カートリッジ10の内容積が縮小してインク供給チュー
ブ9内のインクの内圧が上がり、インクバッファ部7に
インク22が圧送される。
【0024】これによりインクバッファ部7内のインク
11の水位が上昇して、エアーAの容積部分が減少する
ことでインクバッファ部7内の圧力が大気圧を越えるの
で、図6(a)に示すように、この圧力で気泡排出用弁
14が開いてインクバッファ部7内のエアーAが波矢印
21で示すように外部へと排出される。
【0025】その後、加圧機構16の加圧ロッド駆動プ
ランジャ19の駆動を停止することで、インクカートリ
ッジ10とノズル面との水頭差による負圧23がインク
の供給経路9中に復元すると、インクバッファ部7内が
大気圧より低くなるので気泡排出用弁14が閉じて、同
図(b)に示すように、インクバッファ部7は再び密閉
空間となる。
【0026】このように、インク供給経路中に、ヘッド
上部にインクバッファ部が介在し、このインクバッファ
部に内圧によって開閉する弁を設け、インク供給経路内
の圧力を加圧する加圧手段を設けているので、気泡をイ
ンクバッファ部にトラップし、供給経路内の圧力を上げ
てインクバッファ部の弁を開放することで、ヘッドを介
してノズルから吸引することなく、インクバッファ部に
一時溜めた気泡をインク供給経路外へ排出することがで
きる。
【0027】次に、本発明の第2実施形態に係るインク
ジェット画像形成装置について図7を参照して説明す
る。なお、同図は同画像形成装置の要部概略構成図であ
る。この例では、インク供給チューブ9の途中にインク
の圧送をすることができる加圧手段であるインク加圧ポ
ンプ26を設けている。これらのインク供給チューブ9
とインク加圧ポンプ26との接続部には、インク供給ポ
ンプ26が作動した場合にインクカートリッジ10へと
インクが流れ込むことを防止し、通常の印字中にインク
供給チューブ9中にある負圧を逃がしてしまうことを防
ぐためのインク流路制御バルブ27を設けている。
【0028】このインク流路制御バルブ27は、通常、
インク加圧ポンプ26へのインク経路を遮断しており、
加圧時は、インク加圧ポンプ26へとインクが供給でき
る経路を確保し、インク加圧ポンプ26が作動するとイ
ンク加圧ポンプ26からインクバッファ部7へと圧送す
るインクがインクカートリッジ10へ逃げるのを防止す
るべくその経路を遮断する。
【0029】この実施形態の作用は前記第1実施形態の
加圧機構16に代えてインク加圧ポンプ26を作動させ
る点が異なるのみであるので説明を省略する。すなわ
ち、このように加圧手段として、インク加圧ポンプ26
を用いても前記の例と同様な作用効果が得られる。
【0030】次に、本発明の第3実施形態に係るインク
ジェット画像形成装置ついて図8を参照して説明する。
なお、同図は同実施形態に係るインクジェット記録装置
におけるインクバッファ部の断面説明図である。なお、
その他の部分は前記第1又は第2実施形態と同様である
ので、同じ符号を用いて説明する。この実施形態では、
インクバッファ部7の気泡排出口13の内側にメッシュ
部材29を設け、メッシュ部材29の外側に気泡排出用
弁14を設けている。このメッシュ部材29は、インク
又は水の分子サイズより小さいサイズのメッシュを有
し、空気を通すがインクは通さない微細な穴の開いたメ
ッシュフィルムからなる。
【0031】このように構成したので、気泡排出時に
は、図9(a)に示すように、加圧機構16又はインク
加圧ポンプ26が作動してインクバッファ部7にインク
22を圧送してインク11の水位を上げると、エアーA
の容積部分が減少することでインクバッファ部7内の圧
力が大気圧を越えるので、この圧力で気泡排出用弁14
が開き、インクバッファ部7内のエアーAが波矢印21
で示すようにメッシュ部材29を透過して開いている気
泡排出用弁14を通ってインクバッファ部7の外部へと
排出される。
【0032】インクバッファ部7内のインク11の水位
がメッシュ部材29に接触する位置まで来ると、加圧機
構16又はインク加圧ポンプ26の作動による圧送され
たインクはインクバッファ部7の気泡排出用弁14から
漏れることなく、ヘッド5を通して排出される。このタ
イミングで加圧機構16又はインク加圧ポンプ26の動
作を停止させることで、インクカートリッジ10とノズ
ル面との水頭差による負圧23がインクの供給経路9中
に復元すると、インクバッファ部7内が大気圧より低く
なるので気泡排出用弁14が閉じて、同図(b)に示す
ように、インクバッファ部7は再び密閉空間となる。
【0033】このように気泡排出口に空気は通るがイン
クは通らないメッシュ部材を備え、このメッシュ部材の
外側に気泡排出用弁を備えることで、インクバッファ部
の圧力が高くなったときに気泡排出口からインクが漏れ
ることなく、気泡を排出することができる。
【0034】次に、本発明の第4実施形態に係るインク
ジェット画像形成装置について図10を参照して説明す
る。なお、同図は同実施形態に係るインクジェット記録
装置におけるインクバッファ部の断面説明図である。な
お、その他の部分は前記第1又は第2実施形態の各例と
同様であるので、同じ符号を用いて説明する。この実施
形態では、上記第3実施形態のメッシュ部材29をイン
クバッファ部7の気泡排出口13の外側に設けており、
メッシュ部材29は気泡排出用弁14が閉じているとき
に気泡排出用弁14と接触した状態になる。
【0035】このように構成したので、気泡排出時に
は、図11(a)に示すように、加圧機構16又はイン
ク加圧ポンプ26が作動してインクバッファ部7にイン
ク22を圧送してインク11の水位を上げると、エアー
Aの容積部分が減少することでインクバッファ部7内の
圧力が大気圧を越えるので、この圧力で気泡排出用弁1
4が開き、インクバッファ部7内のエアーAが波矢印2
1で示すようにメッシュ部材29を透過して、開いてい
る気泡排出用弁14を通ってインクバッファ部7の外部
へと排出される。
【0036】インクバッファ部7内のインク11の水位
がメッシュ部材29に接触する位置まで来ると、加圧機
構16又はインク加圧ポンプ26の作動による圧送され
たインクはインクバッファ部7の気泡排出用弁14から
漏れることなく、ヘッド5を通して排出される。
【0037】このタイミングで加圧機構16又はインク
加圧ポンプ26の動作を停止させることで、インクカー
トリッジ10とノズル面との水頭差による負圧23がイ
ンクの供給経路9中に復元すると、インクバッファ部7
内が大気圧より低くなるので気泡排出用弁14が閉じ
て、同図(b)に示すように、インクバッファ部7は再
び密閉空間となる。
【0038】このとき、メッシュ部材29が気泡排出用
弁14と密着する構造であるので、気泡排出動作後イン
ク供給チューブ9内の水頭差による負圧により気泡排出
用弁14が閉じられるときにインクバッファ部7内に気
泡を再び引き込んでしまうことを防止できる。
【0039】すなわち、第3実施形態のようにメッシュ
部材29を気泡排出口13の内側に設けた場合、気泡排
出口13に存在する空気がインク11内に引き込まれる
おそれがあるが、この第4実施形態のようにメッシュ部
材29と気泡排出用弁14が接触していることで気泡排
出口13までインクを充満することができて、気泡排出
口13にも空気がなくなり、インク11への気泡引き込
みが確実に防止される。
【0040】ここで、メッシュ部材29について説明す
ると、メッシュサイズ(フィルムに空いている微細口の
サイズ)はその機能性、即ち空気は通すがインクは通さ
ないというところで決まることになる。このメッシュ部
材29を透過する空気の抵抗はその透過面積で調節する
ことができる。
【0041】そこで、インクバッファ部7から接続経路
6を経てヘッド5まではインクが充填されている。イン
クがヘッド5を透過して外部へと流れる流体抵抗より、
インクバッファ部7にトラップされた気泡がインクを透
過する抵抗のほうが低くなるように、すなわち、メッシ
ュ部材29を通る空気の流体抵抗がインクが充填された
状態でのヘッド12の各ノズルで発生するメニスカス保
持力の総和より小さくなるようにメッシュ部材29の空
気が透過する部分の面積を決定する。
【0042】これにより、気泡排出動作時にヘッドのノ
ズルからインクが排出されることを防止できる。
【0043】次に、本発明の第5実施形態に係るインク
ジェット画像形成装置について図12を参照して説明す
る。なお、同図は同画像形成装置の要部概略構成図であ
る。この実施形態では、前述した各実施形態における加
圧手段(加圧機構16、インク加圧ポンプ26)を設け
ないで、インクバッファ部7の第1弁手段である気泡排
出用弁14を含む上面(又は上方側面)に接触すること
ができる断面略御椀状の吸盤状部材30を備えている。
【0044】この吸盤状部材30は、外力によって変形
可能な柔軟な素材で形成され、上部には通常閉塞してい
る第2弁31を設けている。この第2弁31は、吸盤状
部材30がインクバッファ部7の上面に密着した状態で
吸盤状部材30の内圧が高まったときに開弁する。ま
た、吸盤状部材30にはインクバッファ部7外壁面との
密着性を向上させる目的でリップ部32を設けている。
【0045】このように構成したので、インクバッファ
部7内部に気泡がトラップされて図12のような状態に
なったタイミング、又はある一定周期で、インクバッフ
ァ部7を吸盤状部材30の直下まで移動させて、インク
バッファ部7を吸盤状部材30に密着させる。この段階
で吸盤状部材30内は外気と隔離される。
【0046】さらに、インクバッファ部7を吸盤状部材
30の方向に移動させると、この外力によって、図13
(a)に示すように、吸盤状部材30は変形して吸盤状
部材30とインクバッファ部7外壁面との間に形成され
ている内部空間の体積が減少するので、吸盤状部材30
とインクバッファ部7壁面との間の空気は波矢印36で
示すように第2弁31を開いて外部に排出される。
【0047】この状態から、インクバッファ部7が吸盤
状部材30と離れる方向に動作すると、同図(b)に示
すように吸盤状部材30は元の形状に戻る。その結果、
吸盤状部材30内部の空間は負圧になり、第2弁31が
閉じるとともに、インクバッファ部7内部の気泡排出用
弁14が開いて、インクバッファ部7内にトラップされ
たエアーAは波矢印39で示すようにメッシュ部材29
を経て第1気泡排出用弁14から吸引される。この動作
を繰り返すことでインクバッファ部7内部のエアーAを
完全に外部へと排出することができる。
【0048】このように、インクバッファ部内から第1
弁を介して気泡を吸引する吸盤状部材を設けることによ
って、応答性が高く、効率的な気泡の排出を行うことが
できる。
【0049】次に、本発明の第6実施形態に係るインク
ジェット画像形成装置について図14を参照して説明す
る。なお、同図は同画像形成装置をその動作状態ととも
に説明する要部概略説明図である。この実施形態では、
ヘッド5を搭載したキャリッジ4をガイドロッド1とガ
イド板42とで摺動自在に保持している。このガイド板
42は印写領域では同図(a)に示すように平坦面をな
し、主走査方向端部では同図(b)に示すように傾斜面
を経て立ち上がる立ち上がり部42aを有する。なお、
キャリッジ4にはガイド板42との接触面にはボール4
3を設けて移動を滑らかにしている。一方、主走査方向
端部においては吸盤状部材30を図14の状態で固定配
置している。
【0050】したがって、同図(a)に示す状態からキ
ャリッジ4を主走査方向端部まで移動することによて、
キャリッジ4は同図(b)に示すようにガイド板42の
立ち上り部42aに乗り上げて行くことで、徐々に斜め
に傾いてた状態になり、インクバッファ部7の上面が吸
盤状部材30に押し付けられる。これにより、上述した
と同様にしてインクバッファ部7内でトラップされた気
泡(エアーA)が排出される。
【0051】このようにキャリッジの移動走査に関連し
て吸盤状部材30に外力を与えて変形させることで、吸
盤状部材30をインクバッファ部7の外壁面に押し付け
るための特別の駆動装置が不要になって構成が簡単にな
る。
【0052】次に、本発明の第7実施形態に係るインク
ジェット画像形成装置について図15を参照して説明す
る。なお、同図は同画像形成装置をその動作状態ととも
に説明する要部概略説明図である。ここでは、キャリッ
ジ4の主走査方向端部で、ヘッド5の信頼性回復動作を
行う信頼性回復機構40を配置した部位の上方に吸盤状
部材30を昇降可能に配置して、この吸盤状部材30を
昇降させる図示しない昇降手段を設けている。したがっ
て、同図(a)に示すように、キャリッジ4を主走査方
向端部に移動させた後、昇降手段を作動させて、同図
(b)に吸盤状部材30を下降させてインクバッファ部
7の外壁面に密着させることによって、前述したと同様
にして、吸盤状部材30の第2弁31が開き、その後同
図(c)に示すように吸盤状部材30を上昇させること
によってインクバッファ部7の気泡排出用弁14が開い
て内部でトラップされているエアーが排出される。
【0053】このとき、信頼性回復機構50のキャップ
部材51でヘッド5のノズル面をキャッピングした状態
で、吸盤状部材30による気泡排出動作を行う。これに
よって、インクバッファ部7の内部圧力が負圧になって
もノズルから気泡を巻き込むことを低減することができ
る。
【0054】次に、本発明の第8実施形態係るインクジ
ェット画像形成装置について図16を参照して説明す
る。なお、同図は同画像形成装置をその動作状態ととも
に説明する要部概略説明図である。ここでは、上述した
第7実施形態と同様の構成を採用した上で、吸盤状部材
30による気泡排出動作を行うときに、信頼性回復機構
50のキャップ部材51にチューブ52を介して連通す
る吸引ポンプ53を作動させて、キャップ部材51内を
負圧にしてノズルからの吸引を並行して行う。これによ
って、ノズルからの気泡巻き込みを確実に防止できる。
なお、ノズルから吸引したインクはドレン54から廃液
タンクに排出される。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るイン
クジェット画像形成装置によれば、インクバッファ部に
はインク供給経路内の圧力が大気圧より上回るときに開
き、大気圧より下回るときに閉じて弁手段を設けるとと
もに、インク供給経路内の圧力を増加可能な加圧手段を
設けたので、ヘッドを介することなく気泡を排出するこ
とができる。
【0056】ここで、インクバッファ部にはインク又は
水の分子サイズより小さいサイズのメッシュ部材を設
け、弁手段はこのメッシュ部材より外側に設けること
で、気泡排出時に弁手段からのインクの漏出を防止でき
る。この場合、インク供給経路内の圧力が大気圧に対し
負圧の状態にあるときに弁手段とメッシュ部材が接触し
て密閉されることで、インクバッファ部内の空気を完全
に排出することができる。
【0057】また、メッシュ部材はメッシュを通る空気
の流体抵抗がインクが充填された状態でのヘッドの各ノ
ズルで発生するメニスカス保持力の総和より小さくなる
ようにメッシュの空気が透過する部分の面積が設定され
ていることで、ノズルからのインクの排出が低減し、気
泡排出効率が向上する。
【0058】本発明に係るインクジェット画像形成装置
によれば、インクバッファ部にはインク供給経路内の圧
力が大気圧より上回るときに開き、大気圧より下回ると
きに閉じる第1弁手段を設けるとともに、インクバッフ
ァ部の外側に容積が外力によって変形可能で、前記イン
クバッファ部と接触した状態で第1弁手段を含んで密閉
空間を形成可能な吸盤状部材を設け、この吸盤状部材に
は変形して内容積が小さくなるときに圧力の高まった内
部の空気を外部へ排出し、吸盤状部材の変形が元の形状
に戻るときに閉じる第2弁手段を設けたので、ヘッドを
介することなく気泡を排出できるとともに、インクバッ
ファ部内でトラップした気泡を直接吸引排出できて、効
率的な排出を行うことができる。
【0059】ここで、吸盤状部材を記録ヘッドを搭載し
たキャリッジの動作で変形させることで、気泡排出用の
特別な駆動装置などを設ける必要がなく、構成が簡単に
なる。また、吸盤状部材を移動させてインクバッファ部
に押し付けて変形させることで、確実な気泡排出とヘッ
ドからの気泡巻き込みを防止できる。さらに、吸盤状部
材に変形力を与えて変形させることで、吸盤状部材を移
動させてインクバッファ部に押し付けて変形させること
で、確実な気泡排出とヘッドからの気泡巻き込みを防止
できる。
【0060】また、吸盤状部材の変形を行うときに記録
ヘッドのノズル面をキャップ部材でキャッピングするこ
とで、インクバッファ部内が負圧になったときにもノズ
ルから外部の気泡を巻き込むことを防止できる。或い
は、吸盤状部材の変形を行うときに記録ヘッドのノズル
面をキャップ部材でキャッピングし、かつ、キャップ部
材よりインクの吸引を行うことで、インクバッファ部内
が負圧になったときにもノズルから外部だけでなくキャ
ップ部材内の気泡をも巻き込むことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るインクジェット画
像形成装置の要部概略構成図
【図2】図1の上面説明図
【図3】同画像形成装置にインクバッファ部の要部断面
説明図
【図4】同画像形成装置の加圧機構の説明図
【図5】同加圧機構の説明図
【図6】同画像形成装置の動作説明に供する説明図
【図7】本発明の第2実施形態に係るインクジェット画
像形成装置の要部概略構成図
【図8】本発明の第3実施形態に係るインクジェット画
像形成装置のインクバッファ部の断面説明図
【図9】同画像形成装置の動作説明に供する説明図
【図10】本発明の第4実施形態に係るインクジェット
画像形成装置のインクバッファ部の断面説明図
【図11】同画像形成装置の動作説明に供する説明図
【図12】本発明の第5実施形態に係るインクジェット
画像形成装置のインクバッファ部の断面説明図
【図13】同画像形成装置の動作説明に供する説明図
【図14】本発明の第6実施形態に係るインクジェット
画像形成装置をその動作とともに説明する説明図
【図15】本発明の第7実施形態に係るインクジェット
画像形成装置をその動作とともに説明する説明図
【図16】本発明の第7実施形態に係るインクジェット
画像形成装置をその動作とともに説明する説明図
【符号の説明】
1…主ガイドロッド、4…キャリッジ、5…ヘッド、7
…インクバッファ部、9…インク供給チューブ(インク
供給経路)、10…インクカートリッジ、11…イン
ク、13…気泡排出口、14…気泡排出用弁(第1弁手
段)、15…加圧機構、29…メッシュ部材、30…吸
盤状部材。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録ヘッドの上部に記録ヘッドにインク
    を供給するインクバッファ部を設け、このインクバッフ
    ァ部にインクを供給する交換可能なインクカートリッジ
    を装置本体側に備えるインクジェット画像形成装置にお
    いて、前記インクバッファ部にはインク供給経路内の圧
    力が大気圧より上回るときに開き、大気圧より下回ると
    きに閉じる弁手段を設けるとともに、前記インク供給経
    路内の圧力を増加可能な加圧手段を設けたことを特徴と
    するインクジェット画像形成装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のインクジェット画像形
    成装置において、前記インクバッファ部にはインク又は
    水の分子サイズより小さいサイズのメッシュ部材を設
    け、前記弁手段はこのメッシュ部材より外側に設けたこ
    とを特徴とするインクジェット画像形成装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のインクジェット画像形
    成装置において、前記インク供給経路内の圧力が大気圧
    に対し負圧の状態にあるときに弁手段とメッシュ部材が
    接触して密閉されることを特徴とするインクジェット画
    像形成装置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3に記載のインクジェット
    画像形成装置において、前記メッシュ部材はメッシュを
    通る空気の流体抵抗がインクが充填された状態での前記
    ヘッドの各ノズルで発生するメニスカス保持力の総和よ
    り小さくなるようにメッシュの空気が透過する部分の面
    積が設定されていることを特徴とするインクジェット画
    像形成装置。
  5. 【請求項5】 記録ヘッドの上部に記録ヘッドにインク
    を供給するインクバッファ部を設けたインクジェット画
    像形成装置において、前記インクバッファ部にはインク
    供給経路内の圧力が大気圧より上回るときに開き、大気
    圧より下回るときに閉じる第1弁手段を設けるととも
    に、前記インクバッファ部の外側に容積が外力によって
    変形可能で、前記インクバッファ部と接触した状態で前
    記第1弁手段を含んで密閉空間を形成可能な吸盤状部材
    を設け、この吸盤状部材には変形して内容積が小さくな
    るときに圧力の高まった内部の空気を外部へ排出し、吸
    盤状部材の変形が元の形状に戻るときに閉じる第2弁手
    段を設けたことを特徴とするインクジェット画像形成装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のインクジェット画像形
    成装置において、前記吸盤状部材を前記記録ヘッドを搭
    載したキャリッジの動作で変形させることを特徴とする
    インクジェット画像形成装置。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載のインクジェット画像形
    成装置において、前記吸盤状部材を移動させて前記イン
    クバッファ部に押し付けて変形させることを特徴とする
    インクジェット画像形成装置。
  8. 【請求項8】 請求項5に記載のインクジェット画像形
    成装置において、前記吸盤状部材に外部から変形力を与
    えて変形させることを特徴とするインクジェット画像形
    成装置。
  9. 【請求項9】 請求項5乃至8のいずれかに記載のイン
    クジェット画像形成装置において、前記吸盤状部材の変
    形を行うときに前記記録ヘッドのノズル面をキャップ部
    材でキャッピングすることを特徴とするインクジェット
    画像形成装置。
  10. 【請求項10】 請求項5乃至8のいずれかに記載のイ
    ンクジェット画像形成装置において、前記吸盤状部材の
    変形を行うときに前記記録ヘッドのノズル面をキャップ
    部材でキャッピングし、かつ、キャップ部材よりインク
    の吸引を行うことを特徴とするインクジェット画像形成
    装置。
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