JP2007160861A - インク収納容器及びインク収納容器を用いたインク撹拌システム - Google Patents

インク収納容器及びインク収納容器を用いたインク撹拌システム Download PDF

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Abstract

【課題】 濃度差のない高品位な印字画像を得る為、インクを無駄に使用することなく、顔料の沈降量に応じて、印字動作休止時にでも、インクタンク内のインクの撹拌を行う。
【解決手段】 タンク内のインクを外部へ供給するためのインク供給口と、タンク内の空気を排出するための空気排出口と、タンク内に大気を導入するための大気導入口と、を有するインクタンク。及びそれを用いた撹拌システム。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インクジェット記録装置に着脱自在に搭載されるインク収納容器、並びにインク収納容器を用いたインク撹拌システムに関する。
インクジェット記録装置は、インクジェット記録ヘッドに設けられた複数の吐出口からインクを記録媒体に対して吐出し、記録を行うものである。このインクジェット記録装置において、インクジェット記録ヘッドへインクを供給するインクタンクは、インクジェット記録ヘッドと一体的にキャリッジに搭載されるオンキャリッジタイプのインクタンクと呼ばれるものと、キャリッジに搭載されずにインクジェット記録ヘッドに対して供給部材を介してインクを供給するオフキャリッジタイプのインクタンクと呼ばれるものが挙げられる。このオフキャリッジタイプのインクタンクは、記録に用いられるインクを記録ヘッドへ供給するインク供給系の末端に、着脱自在に接続される構成のものが多い。従来の着脱自在型インクタンクには、インクタンクの内部にスポンジなどの毛管力発生部材を設け、これにインクを保持するもの、可撓性の袋内や剛性を有する筐体内部に直接インクを保持するものなどが知られている。特に紙面1枚あたりのインク供給量が大きいワイドフォーマットプリンタや稼働率の高いネットワークプリンタにおいては、大容量のインクが要求される。このため、インクタンクの交換頻度の低減、且つインク収容効率を考慮して、タンク内にスポンジなどの部材を設けずに直接インクを収容するタイプのインクタンク(以下、「全生タイプインクタンク」ともいう)が望まれている。
このような全生タイプインクタンクにおいては、インク濃度を常に均一に保つことができる染料インクが従来は使用されてきた。しかしながら、染料インクを使用して記録した記録物は、耐光性、耐ガス性、耐水性が悪く、屋外掲示物や長期保存用記録物には不向きである。一方、顔料を着色剤とする顔料インクは染料インクに比べて耐光性、耐ガス性、耐水性等が優れている。しかしながら、顔料は溶媒に溶解するのではなく溶媒内に分散しているので、静止状態のインクタンク中では顔料が沈降してしまう。
上述のオンキャリッジタイプインクタンクにおいては、キャリッジの走査によってインクタンクが振動し、内部のインクも攪拌された状態で随時インクを供給するので、顔料が分散された比較的均一濃度のインクが記録ヘッドへ送られる。一方、オフキャリッジタイプインクタンクでは、所定位置に据え置かれた状態でインクを供給するので、顔料の沈降現象が無視できないものとなる。
例えば、長時間放置されたインクタンク内部では顔料が沈降して、タンクの底部から液面付近に向かって顔料粒子の濃度傾斜が発生し、底部は過度に色の濃い層である一方、液面付近は過度に色の薄い層となり、底部と液面付近で大きくインク濃度が変わっている。仮にインクタンク底部からインクを導出する構成のインクタンクであれば、最初に過度に濃いインクが導出されることになる。この状態で大量の記録を行い、記録開始直後と終了直前の記録結果を比較すると目視されうる程度の色差が生じる場合もある。この現象は、色の濃淡によって画像を構成するカラー印刷において特に顕著となる。
この問題を解決するために、インクタンク底面より気泡を発生させて、インクタンク内のインクに対流を発生させる方法がある。
構成としては特許文献1、2及び3の様に、インクジェット記録ヘッドにインクを供給するインク供給管と大気に連通した大気連通管とをインクタンクの底部に設けている。インク供給口を通じて、インクタンクから記録ヘッドにインクが供給されると、その分の体積の空気が大気連通管からインクタンク内に入ってくる。その気泡がインクタンク内のインクに対流を発生させ、インクを撹拌させることにより、顔料の沈降を解消し、濃度むらを防止させている。
特開2002−307710号公報 特許第2929804号公報 特開平9−85962号公報
しかしながら、上記従来のインクタンクにおいて、次のような問題がある。
そもそも印字動作や吸引回復動作等のインクを消費する動作の中においてのみ顔料の沈降を防止・改善できるが、インクジェット記録装置が休止状態のときは、撹拌動作が出来ない。これを解決するために、印字・回復の必要が無くとも定期的にそういった動作を行えば顔料の沈降を防止・改善できるが、破棄されるインクが無駄になり、有効な方法ではない。
さらに、インクジェット記録ヘッドに供給されるインク量分の体積の気泡がインクタンク内のインクに対流を発生させ、インクを撹拌させるが、気泡の量は印字や回復で消費するインク量で決定してしまい、顔料の沈降度合いに応じた対流を発生させることが出来ない。これを解決するために、印字・回復の必要が無くとも撹拌に必要な気泡量に見合ったインクを強制的に消費すれば、顔料の沈降を防止・改善できるが、破棄されるインクが無駄になり、これもまた同様に有効な方法ではない。
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、顔料を着色剤として使用するインクを搭載したインクタンクにおいても、供給インクの濃度むらを無くし、記録物に目視され得る程度の濃度差を生じさせないようなインク供給を行うインクタンクを提供することを目的とする。
すなわち、インクジェット記録装置が印字動作を行っていない状態においても、複数濃度層を有するインクを収容するインクタンクにおいて、該インクタンクからインクを取り出す際に、取り出したインクの濃度むらを無くし、常に一定濃度のインクを供給可能とするインクタンクを提供することを目的とする。
本発明のインク収容容器は、インクを収納するインク収納室と、前記インク収納室の底部に設けられた、前記インク収納室内のインクを外部へ供給するためのインク供給口と、前記インク収納室の上部に設けられ、前記インク収納室内の空気を排気するための空気排出口と、前記インク収納室の底部に設けられ、前記インク収納室内に大気を導入するための大気導入口と、を有するインク収納容器。
さらに、前記インク収納容器を用いたインク供給システムであって、インク収納容器底部のインク供給口に接続するインク導出手段を備え、インク収納容器底部の大気導入口に接続する大気導入手段を備え、空気排出口に接続する空気排出手段とを備えているインク撹拌システム。
以上の構成によれば、空気排出口より、インク収納室内の空気を排気することにより、大気導入口から、大気が気泡となってインクタンク内を上昇し、インクタンク内の濃度ムラの程度に応じて、インクに対流が発生し攪拌されるので、インクタンク内の濃度むらが緩和され、一定濃度の液体をインク供給口より供給することができる。
上記構成によれば、インクジェット記録装置の印字・回復動作休止時においてもインクタンク内の顔料沈降防止及び改善か可能となる。また、顔料沈降量に応じて撹拌量を変えることが可能となる。さらにインクを無駄にすること無しに撹拌することが出来る。
従って、インクタンク内の濃度むらが解消され、一定濃度の液体をインク供給口より供給することが可能となり、濃度差のない高品位な印字品位を得ることが出来る。
(実施例1)
本発明の第一の実施形態であるインクタンクについて、以下に図面を参照して説明する。
本発明のインクタンクに好適なインク供給システムを備えた記録装置について説明する。図2は本発明のインクタンクが適用される装置例としてインクジェット記録装置を示している。図2に示すインクジェット記録装置は、インクジェット記録ヘッド1の往復移動(主走査)と、一般記録紙、特殊紙、OHPフィルム等の記録用シートSの所定ピッチごとの搬送(副走査)とを繰り返しつつ、これらの動きと同期させながらインクジェット記録ヘッド1から選択的にインクを吐出させ、記録用シートSに付着させることで、文字や記号、画像等を形成するシリアル型の記録装置である。
図2において、インクジェット記録ヘッド1は、2本のガイドレール8,9に摺動自在に支持され不図示のモータ等の駆動手段によりガイドレール8,9に沿って往復移動されるキャリッジ2に着脱可能に搭載されている。記録用シートSは、搬送ローラ3により、インクジェット記録ヘッド1のインク吐出面に対面し、かつ、インク吐出面との距離を一定に維持するように、キャリッジ2の移動方向と交差する方向(例えば、直交する方向である矢印A方向)に搬送される。
インクジェット記録ヘッド1は、それぞれ異なる色のインクを吐出するための複数のノズル列を有する。インクジェット記録ヘッド1から吐出されるインクの色に対応して、複数の独立したインクタンクが、インク供給ユニット5に着脱可能に装着される。インクタンク11をインク供給ユニット5に格納し、インク供給ユニットフタ10を上部より閉じることにより、インクタンク11はインク供給ユニット5に収納できる。
インクジェット記録ヘッド1は複数のノズルを有し、各ノズルに対応した電気熱変換体が発する熱エネルギーを利用してインク中に気泡を発生させ、この気泡の生成圧力によって前記各ノズルよりインク滴を吐出する。
インク供給ユニット5とインクジェット記録ヘッド1とは、それぞれインクの色に対応した複数のインク供給チューブ6によって接続され、インクタンク11内に収納された各色のインクを、インクジェット記録ヘッド1の各ノズル列に独立して供給することが可能となる。
インクジェット記録ヘッド1の往復移動範囲内で、かつ、記録用シートSの通過範囲外の領域である被記録領域には、回復ユニット7が、インクジェット記録ヘッド1のインク吐出面と対面するように配置されている。回復ユニット7は、インクジェット記録ヘッド1のインク吐出面をキャッピングするためのキャップ部、インク吐出口面をキャッピングした状態でインクジェット記録ヘッド1から強制的にインクを吸引するための吸引機構、インク吐出面の汚れを払拭するためのクリーニングブレード等を有する。
図3は、インクタンク11を底部から見た斜視図であり、図4は、図3のインクタンク11を上部より見た斜視図である。
図3において、21はボトムカバーであり、インクジェット記録装置に装着された際に、インクジェット記録装置側のインク供給経路とインクタンク11とを接続するものである。ボトムカバー21は、第1の接続口27、第2の接続口28を鉛直方向下向きにして装着される。つまり、ボトムカバー21がある方がインクタンク11の底部となる。
図4において、蓋15aには第3の接続口29が設けられている。第3の接続口29はインクジェット記録装置側の不図示の空気排出口とインクタンクとを接続するものである。
図5は図3に示したインクタンクを分解した状態を表す図である。
図5に示すようにインクタンクは、インク収納部14、蓋15a、弾性部材16、記憶媒体ホルダ17、記憶媒体18、両面テープ19、固定部材20、ボトムカバー21、蓋押さえ部材22から構成される。インク収納部14は天面14aが開口され、内部にインクを直接収納している。蓋15aにより、インク収納部14の天面14aの開口が塞がれる。
インク収納部14の外側の底部14bには、開口案内部14cに設けられた2つの開口に、それぞれ弾性体16が挿入され、固定部材20により固定される。不図示のインク導出用接続針及び空気導入用接続針とインク収容部14の内側空間とを弾性部材16を介して互いに連通している。さらに、蓋15aに設けられた開口に、弾性体16が挿入され、蓋固定部材22により固定される。不図示の空気排出用接続針とインク収容部14の内側空間とを弾性部材16を介して互いに連通している。
インク収納部14の下部には、記憶媒体ホルダ収納部14dが設けられている。記憶媒体ホルダ収納部14dには、液体収納容器の識別情報(ID)を電気的に記憶する記憶媒体18を有する電気配線基板26を両面テープ19で固定し保持する記憶媒体ホルダ17が隙間を介して収納される。
さらに、底部14bにはボトムカバー21が装着され、これにより、弾性部材16を挿入した開口案内部14cと、記憶媒体18を固定した記憶媒体ホルダ17を隙間を介して収納した記憶媒体ホルダ収納部14dとが覆われる。
また、図6はインク12を導入した状態のインクタンク11を示す模式断面図である。
不図示のインク導出用接続針が挿入される第一の接続口27と、不図示の空気導入用接続針が挿入される第二の接続口28は、インクジェット記録装置に取り付けられた状態では、常に鉛直方向で下側となる。また、不図示の空気排出用接続針が挿入される第三の接続口は、インクジェット記録装置に取り付けられた状態では、常に鉛直方向で上側となる。
また、図7はインクジェット記録装置に設けられたインク供給ユニット5に取りつけられたインクジェット記録ヘッドが記録動作状態のインクタンク11を示す模式断面図である。
インク供給ユニット5には、インクタンク内のインクを導出する中空のインク導出針39と、インクタンク内に空気を導入する中空の空気導入針38と、インクタンク内の空気を排出する中空の空気排出針40が設けられている。これらの針が、それぞれインクタンクの第一の接続口27(図6に図示)、第二接続の口28(図6に図示)、第三の接続口29(図6に図示)に刺し込まれることによって、インク供給ユニット5はインクタンク内と連通する。また、空気排出針40は、弁215を通じてインクジェット記録ヘッドの吸引回復を行うポンプ62と繋がっている。しかし、弁215は、インクタンク内のインクの撹拌時以外は閉じた状態になっており、空気排出管45とインクタンク内は連通しない。
インク導出針39からインク導出管41を通ってインクジェット記録装置へ導出されたインクは、インクジェット記録ヘッド1へ送られ、吐出される。すると、このようなインクの移動に伴ってインク収容部14内のインクが減少すると、インク収容部14内の圧力が低下する。すると、空気導入管44から空気導入針38を通して、気泡70aがインク収納部14内に導入される。
ここで、図11において、ポンプ62の詳細について説明する。
図11は、図2におけるインクジェット機記録ヘッド1を吸引回復する回復ユニット7の吸引圧力を発生させるポンプの模式図である。このポンプが生み出す圧力を弁切り換えにより流用するものである。
ポンプ62における圧力を発生する駆動方式はチューブ方式ポンプである。チューブ方式ポンプは加圧コロ510を(K)位置より回転を開始し、(L)位置までチューブ211を加圧することにより、負圧を発生させる。この発生した圧力を弁215にて切り換えることによって、インクタンク側に導通させ、発生する圧力をインクタンクに伝えることができる。
また、ポンプ62はインクジェット記録ヘッドのスキャン動作を利用したピストンポンプでも同様の効果は得られる。
さらに、駆動源が電気による方式のポンプでも同様の効果は得られるが、モーターなどを必要とするため、コスト、サイズ、重量等のデメリットがある。
図7において、インクジェット記録装置側は記録ヘッド1に供給されるインクが所定の負圧状態に保持されている必要がある。本実施形態の場合、空気をインクタンク内部へ導入する空気導入針38の端面38aがインクジェット記録ヘッド1のインク吐出口面31よりも鉛直方向下方位置に配されており、この下端38aとインク吐出口面31との高さの差(水頭差H)が常に負圧としてインクジェット記録ヘッド1に作用する構成となっている。すなわち、インクタンク11内のインクの液面の高さに関わらず、常にほぼ一定の負圧がインクジェット記録ヘッド1に作用する構成となっている。
図8はインクジェット記録装置に設けられたインク供給ユニット5に取りつけられた状態で使用しない状態にて長期おかれた場合のインクタンク11のインク状態を示す模式断面図である。
本実施例のインクタンクに搭載しているインクは顔料インクであるが、顔料インクにはいくつかのタイプがある。すなわち、インク溶媒との親和性をもたせるために親水基を付与した顔料による自己分散タイプ、疎水的顔料を界面活性剤により分散安定化したもの、あるいは低分子樹脂による樹脂分散やマイクロカプセルタイプなどである。いずれも顔料は溶解系ではなく分散系である。したがって、インクタンクを長期間に渡り同じ姿勢にて保持した場合、分散している顔料が沈降する現象が起こる。インクはタンク底部に向かうほど濃度が高くなっている。
図8において説明すると、インクタンク11内のインクは上側から低濃度層インク層12a、中濃度層インク層12b、高濃度インク層12cというように鉛直方向に対し下側に行くに従って、顔料濃度が高いインクになっている。このままの状態にて、タンク底部よりインクタンクのインクを導出すると、顔料リッチ領域からインクを導出することになり、顔料濃度が増大したインクが供給されることになってしまう。また、インクタンク11内のインクを使いきるまでの過程で、いつかは初期製造された顔料処方比から大きく濃度低下したインクが導出されることになる。
図1は本発明におけるインクタンク内の顔料成分が沈降したインクの撹拌方法を説明する図である。
図1において、まずインクジェット記録ヘッド1にインクを供給するインク導出管41の途中に設けられた弁61を閉じる。その後インクタンク11内の空気65を空気排出針40を通じて、ポンプ62により、空気排出管45から大気に排出する。するとインクタンク11内の空気65部の圧力が低下する。その分空気導入管44を通じて、空気導入針38より空気が導入される。空気導入は空気導入針38端部のインクと空気が接している部分のメニスカス力とインクタンク11内の圧力が釣り合う時点で終了する。導入された空気は気泡70bとなり、インクタンク内を上昇していく。
ところで、顔料濃度が高いほど所定量のインクの重さは重くなるので、攪拌されない状況ではインクの重さが重い高濃度層のインクよりも軽い中、低濃度層のインクが鉛直方向で下側にくることはない。ここで、気泡70bが上昇するのに伴ってインク収納部14内のインクが攪拌され、高濃度層のインクが中濃度層の上に押し上げられる。押し上げられた後、高濃度層のインク自体が有する重さにより、高濃度層のインクが沈もうとするため、対流Eが発生し、インクの攪拌が促進され、顔料がさらに拡散し、均一に分布することになる。
インク顔料成分が沈降している度合いに応じて、インクタンク11内から排出する短時間当たりの空気量を加減することにより、空気導入針から発生する気泡の量を制御することが出来る。さらに、空気導入針から気泡が発生している時間は、インクタンク11内から空気65を排出している時間により制御することが出来る。
したがって、インクジェット記録装置の印字動作及び回復動作に寄与しないインクを、インク導出針より排出し、破棄することもなく、常に均一濃度のインクをインクジェット記録ヘッドに供給することができる。
よって、インクタンク内の濃度むらが緩和され、一定濃度の液体をインク供給口より供給することが可能となり、濃度差のない高品位な印字品位を得ることが出来る。
また、紙面1枚あたりのインク供給量が大きいワイドフォーマットプリンタや稼働率の高いネットワークプリンタにおいては、大容量のインクが要求される。インクタンクの容量増加に伴い、インクタンクの底面積が大きくなってくると、沈降している顔料を撹拌するために本発明のインクタンクはより効果的である。
(実施例2)
本発明の第一の実施形態ではインクタンク上部の空気排出針より強制的にインクタンク内の空気を排出したが、第二の実施例ではインクタンク底部の空気導入針より、空気を加圧導入することにより、インクタンク内のインクを撹拌するものである。以下に図面を参照して説明する。
図9は第二の実施例におけるインクタンク内の顔料成分が沈降したインクの撹拌方法を説明する図である。図9において、インクタンク内のインクを導出する中空のインク導出針39と、インクタンク内に空気を導入する中空の空気導入針38と、インクタンク内の空気を排出する中空の空気排出針40が設けられている。これらの針が、それぞれインクタンクの第一の接続口27(図6に図示)、第二接続の口28(図6に図示)、第三の接続口29(図6に図示)に刺し込まれることによって、インク供給ユニット5はインクタンク内と連通する。しかし、弁216は、強制的に空気をインクタンクに導入しない時は、インク空気導入針38を通じ大気とインクタンク内は連通している状態となっている。さらに、弁64は閉じた状態となっている。ここで、弁61、弁64共に電磁弁を用いている。
次に、インクタンク11内のインクを撹拌する状況を説明する。まずインクジェット記録ヘッド1にインクを供給するインク導出管41の途中に設けられた弁61を閉じる。その後、空気導入針38を通じて、大気をポンプ63により空気導入管44からインクタンク11内に導入する。それと同時に空気排出管45の途中に設けられた弁64を開ける。
ここで、ポンプ63は、例えば、インクジェット記録装置のキャリッジが印字によって走査するのを駆動源として、ピストンポンプを作動させる方式等が、コスト的に好ましい。インクジェット記録装置のキャリッジは、印字動作などで、図2のガイドレール8と同じ方向(D方向)に往復動作を行なう。この往復動作と、ピストンポンプのピストンの往復動作を連結し、キャリッジが往復動作を行なうごとに、ピストンポンプが駆動し、インクタンクに空気を導入する。
図12、図13及び図14、図15を参照してポンプ63の詳細の動作説明をする。
図12は、図9におけるポンプ63の模式図である。また図9には、インクジェット記録装置が示してあり、矢印Dは、キャリッジ2の走査方向の往復動作を示している。
ポンプ63は、ピストンポンプ91、大気吸引弁93、気体逆流防止弁92を図に示すように連結した構造である。大気吸引弁93、気体逆流防止弁92は、一方向のみに気体が流れる一方向弁の構造となっていて、それぞれ、矢印F5,F6の方向のみ気体が流れ、逆方向には流れないように、球状の弁部材と弁部材を付勢するバネなどの付勢から構成されている。ピストンポンプ91は、往復運動を行なうピストン95と、ピストン95が内部を摺動する筒状のシリンジ94から構成されている。
ピストン94は、キャリッジ2のD方向(図2に図示)の往復動作に連動していて、キャリッジ2が往復動作を行なうと、矢印F3、F4の往復動作を行なう。ピストンポンプ91は、キャリッジ2に組み込まれていて、キャリッジ2の往復動作と同時に動作する。
図14の状態は、キャリッジ2が往復動作(F8)を行なっている状態を示している。このとき、ピストンポンプ91のピストン95は、シリンジ94内のバネなどの付勢部材96に、図の右方に付勢されている状態にあり、シリンジ94内の容積は、最大となっている。次に、図15は、キャリッジ2が、インクジェット記録装置の端部、即ち往復動作の反転位置にある状態を示している。このとき、ピストンポンプ91のピストン95の先端部97は、インクジェット記録装置のピストン受け98に当たり、ピストン95は、シリンジ94内に押し込まれる(矢印F9)。これによって、シリンジ94内の容積は縮小し、内部の気体は圧縮、加圧状態になる。
このようなキャリッジ2およびピストンポンプ91の動作に伴う気体の動きを図12において説明する。ピストン95が矢印F4方向に移動すると、シリンジ94内部が減圧され、大気吸引弁93が開放し、外気を吸引する(F5)。その後、ピストン95が矢印F4方向に移動すると、シリンジ94内部は加圧状態となり、大気吸引弁93は閉鎖し、気体逆流防止弁92が開放して、空気導入管44と通って、インクタンク11に空気が導入される。その後、気体逆流防止弁92は閉鎖する。このようにキャリッジ2の往復動作に伴うポンプ63の繰り返し動作で、インクタンク11に大気を導入する。
次にインクタンクに空気を導入しない状態は、図13の様に弁216が回転し、ポンプ63に押し出される空気は大気に開放される。同時にインクタンクに連結している空気導入管44も大気に開放状態となる。
また駆動源が、実施例1にて説明したチューブポンプの回転方向を逆にした場合でも同様の効果は得られる。
さらに、駆動源が電気による方式のポンプでも同様の効果は得られるが、モーターなどを必要とするため、コスト、サイズ、重量等のデメリットがある。
図9において、導入された空気は気泡70bとなり、インクタンク内を上昇していく。気泡70bが上昇するのに伴って対流Eが発生し、この対流によりインクの攪拌が促進され、顔料が拡散し均一に分布することになる。
また、大気の導入によりインクタンク11内の空気65部の圧力が上昇する。その分空気排出針40を通じて、空気排出管45より空気が排出される。大気導入動作が終了した後、ポンプ63は導通を遮断したまま、その状態を保持し、インクタンク内の圧力が大気と同じになった時点において、弁64を閉じる。次に、弁216を回転させ、空気導入針38と大気とが導通状態になるようにする。そして最後に弁61を開ける。この状態にて、インクジェット記録装置にインクを供給できる状態に戻る。
(実施例3)
本発明の第三の実施形態は、第二の実施例におけるインクタンク上部の空気排出針、空気排出管、弁などの空気排出機能をもった構成をより簡略な圧力調整弁にした実施例である。以下に図面を参照して説明する。
図10は第三の実施例におけるインクタンク内の顔料成分が沈降したインクの撹拌方法を説明する図である。図10において、インクタンク内のインクを導出する中空のインク導出針39と、インクタンク内に空気を導入する中空の空気導入針38が設けられている。これらの針が、それぞれインクタンクの第一の接続口27(図6に図示)、第二接続の口28(図6に図示)に刺し込まれることによって、インク供給ユニット5はインクタンク内と連通する。しかし、ポンプ63は稼働していないときは開いた状態になっており、インク空気導入管とインクタンク内は連通している。ここで、弁61は電磁弁を用いている。
また、弁部材67は蓋15bとの間のオイル68のメニスカス力にて付着しており、さらに弁部材カバー69により外周を覆われている。弁部材67は、インクタンク内の圧力がインクタンク外の圧力(大気圧)に比べ大きくなり、その力がオイル68のメニスカス力よりも大きくなると鉛直上向きに動き、インクタンク内の空気をインクタンク外に逃がす働きを持つ。逆に、インクタンク内の圧力がインクタンク外の圧力(大気圧)に比べ小さくなっても、弁部材が動くことはない。
次に、インクタンク11内のインクを撹拌する状況を説明する。まずインクジェット記録ヘッド1にインクを供給するインク導出管41の途中に設けられた弁61を閉じる。その後、空気導入管44を通じて、大気をポンプ63により空気導入針38からインクタンク11内に導入する。
注入された空気は気泡70bとなり、インクタンク内を上昇していく。気泡70bが上昇するのに伴って対流Eが発生し、この対流によりインクの攪拌が促進され、顔料が拡散し均一に分布することになる。
また、大気の導入により、インクタンク11内の空気65部の圧力が上昇するが、弁部材65が動き、空気がインクタンク外に排出される。大気導入動作が終了した後、ポンプ63は導通を遮断したまま、その状態を保持する。その間に弁部材67の働きにより、インクタンク内の圧力が大気とほぼ同じになる。次に、弁216を回転させ、空気導入針38と大気とが導通状態になるようにする。そして最後に弁61を開ける。この状態にて、インクジェット記録装置にインクを供給できる状態に戻る。
本実施例1、2及び3に記載のインクジェット記録ヘッドは、熱エネルギーを用いてインクに膜沸騰による状態変化を生起させることによって、インク滴を吐出する方式のインクジェット記録ヘッドであるが、圧電素子を用いてインクを吐出するインクジェット記録装置でも本実施例と同等の効果が得られる。
本発明の第一の実施形態におけるインクタンクを用いたインクジェット記録ヘッドへのインク供給システムの撹拌状況を説明する図である。 本発明の第一の実施形態におけるインク供給システムを好適に実施するインクジェット記録装置を説明する図である。 本発明の第一の実施形態におけるインク収納容器を斜め下から見た外観図である。 図3に示したインク収納容器を斜め上から見た外観図である。 図3に示したインク収納容器の構成部材を説明する分解斜視図である。 図3に示したインク収納容器の短手方向の中心を通る線で切った断面図である。 本発明の第一の実施形態におけるインクタンクを用いたインクジェット記録ヘッドへのインク供給システムのインク供給状況を説明する図である。 図7に示したインクタンクが、静止状態にて長期間おかれた場合のインク状態を示す模式断面図である。 本発明の第二の実施形態におけるインクタンクを用いたインクジェット記録ヘッドへのインク供給システムの撹拌状況を説明する図である。 本発明の第三の実施形態におけるインクタンクを用いたインクジェット記録ヘッドへのインク供給システムの撹拌状況を説明する図である。 図7に示したポンプの構成を示す模式図である。 図9に示したポンプの構成を示す模式図で、インクタンクに大気を導入している状態を説明する図である。 図9に示したポンプの構成を示す模式図で、インクタンクに大気を導入していない状態を説明する図である。 図9に示したポンプの動作状態を説明する模式図である。 図9に示したポンプの動作状態を説明する模式図である。
符号の説明
1 インクジェット記録ヘッド
2 キャリッジ
3 搬送ローラ
5 インク吸引ユニット
5a キャップ
6 インク供給チューブ
7 回復ユニット
8,9 ガイドレール
11 インクタンク
12 インク
12a 顔料低濃度インク層
12b 顔料中濃度インク層
12c 顔料高濃度インク層
14 インク収納部
15a、15b 蓋
16 弾性部材
17 記憶媒体ホルダ
18 記憶媒体
19 両面テープ
20 固定部材
21 ボトムカバー
22 蓋固定部材
27 第1の接続口
28 第2の接続口
29 第3の接続口
38 インク導出針
39 大気導入針
40 空気排出針
41 インク導出管
44 大気導入管
45 空気排出管
51 気液分離膜
61、64 弁
62,63 ポンプ
65 空気
67 弁部材
68 オイル
69 弁部材カバー
70a、70b 気泡
91 ピストンポンプ
92 気体逆流防止弁
93 大気吸引弁
215,216 弁
E 対流
S 記録用シート

Claims (6)

  1. インクジェット記録装置に搭載されたインクジェット記録ヘッドにインクを供給するインク収納容器において、
    前記インクを収納するインク収納室と、
    前記インク収納室の底部に設けられた、前記インク収納室内のインクを外部へ供給するためのインク供給口と、
    前記インク収納室の上部に設けられ、前記インク収納室内の空気を排出するための空気排出口と、
    前記インク収納室の底部に設けられ、前記インク収納室内に大気を導入するための大気導入口と、を有することを特徴とするインク収納容器。
  2. 請求項1に記載のインク収納容器を用いたインク撹拌システムであって、
    インク収納容器底部のインク供給口に接続するインク導出手段を備え、インク収納容器底部の大気導入口に接続する大気導入手段を備え、空気排出口に接続する空気排出手段とを備えていることを特徴とするインク撹拌システム。
  3. 前記空気排出手段が、インクジェット記録ヘッドに対し回復動作を行うポンプによって、強制的に空気を排出する機能を備えていることを特徴とする請求項2に記載のインク撹拌システム。
  4. 前記空気排出手段が、インクジェット記録ヘッドのスキャン動作を利用したピストンポンプによって、強制的に空気を排出する機能を備えていることを特徴とする請求項2に記載のインク撹拌システム。
  5. 前記空気導入手段が、インクジェット記録ヘッドに対し回復動作を行うポンプによって、強制的に空気を導入する機能を備えていることを特徴とする請求項2に記載のインク撹拌システム。
  6. 前記空気導入手段が、インクジェット記録ヘッドのスキャン動作を利用したピストンポンプによって、強制的に空気を導入する機能を備えていることを特徴とする請求項2に記載のインク撹拌システム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009255477A (ja) * 2008-04-21 2009-11-05 Canon Inc インクジェット記録装置
JP2010069345A (ja) * 2008-09-16 2010-04-02 Ricoh Co Ltd 液体収納容器および液滴塗布装置
JP2010137411A (ja) * 2008-12-10 2010-06-24 Canon Inc 記録装置における記録方法

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