JP2010127918A - 光波レーダ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、望遠鏡の交換をすることなく、視線方向への計測可能範囲を比較的広くすることができるとともに、計測作業の円滑化を図ることができる光波レーダ装置を提供する。
【解決手段】第1及び第2コリメータ光学系106A,106Bは、第1及び第2送信光A4,A5のそれぞれを略平行化する。また、第1及び第2コリメータ光学系106A,106Bは、第1及び第2送信光A4,A5のそれぞれのビーム径及び集光距離を調整可能となっている。第1コリメータ光学系106A及び第2コリメータ光学系106Bを経た第1送信光A4及び第2送信光A5は、偏光合成分離手段108によって、互いの直交偏光成分が合成される。直交2偏光の送信光は、送受信同軸の望遠鏡109によって、大気中の所望の目標へ向けて照射される。
【選択図】図1

Description

この発明は、レーザ光を空間に放出し、空間内のハードターゲットやエアロゾル(大気中に浮遊する微小塵)の移動に伴う散乱光のドップラシフトに基づいて風速を計測する光波レーダ装置に関する。
風速の空間分布を遠隔から観測するためのコヒーレントドップラライダ(CDL)技術は、気象観測、気象予測、航空・交通安全のための乱気流検出、及び風力利用の適地調査等の多岐の応用観点からニーズがある。また、最大計測距離よりも可搬性が要求される小型CDL装置では、光送受信部を光ファイバと光ファイバ部品とから構成される全光ファイバ型CDL技術が、装置の小型化及び高信頼性化を図るために用いられる(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開2003−307567号公報 国際公開2004/106971号パンフレット 特開2003−240853号公報
ここで、図14は、特許文献1に示すような従来の光波レーダ装置を示す構成図である。図14において、従来の光波レーダ装置の一連の光路は、光ファイバ(図の太実線)によって形成されている。また、従来の光波レーダ装置は、基準光源1001、光カプラ1002、周波数強度変調器1003、光ファイバ増幅器1004、光サーキュレータ1005、大口径望遠鏡(送受信光学系)1006、小口径望遠鏡(送受信光学系)1007、光ヘテロダイン受信機1008及び信号処理手段1009を有している。
基準光源1001は、単一波長のレーザ光である基準光を発振する。基準光源1001からの基準光の光路は、光カプラ1002によって、2つの光路に分岐されている。光カプラ1002からの2つの光路のうちの一方は、周波数強度変調器1003に接続されている。また、光カプラ1002からの2つの光路のうちの他方は、光ヘテロダイン受信機1008に接続されている。光カプラ1002の基準光は、局部発振光として光ヘテロダイン受信機1008に送られる。
周波数強度変調器1003は、基準光の光強度及び周波数を変調し、変調後の基準光を光ファイバ増幅器1004へ送る。光ファイバ増幅器1004は、周波数強度変調器1003から受けた基準光を増幅し、その増幅後の基準光を送信光として、光サーキュレータ1005及び光ファイバ終端部1000aを介して大口径望遠鏡1006又は小口径望遠鏡1007へ送る。
大口径望遠鏡1006及び小口径望遠鏡1007は、互いに択一的に光ファイバ終端部1000aに接続されている。大口径望遠鏡1006及び小口径望遠鏡1007は、光ファイバ終端部1000aからの送信光を空中の所望の目標へ向けて出射する。また、大口径望遠鏡1006及び小口径望遠鏡1007は、空中へ出射された送信光がエアロゾル等に当たってなる後方散乱光を収集し、その後方散乱光を受信光として受ける。
大口径望遠鏡1006によって収集された後方散乱光は、光ファイバ終端部1000aから、光サーキュレータ1005を介して、光ヘテロダイン受信機1008に伝わる。光ヘテロダイン受信機1008は、光カプラ1002からの局部発振光と、大口径望遠鏡1006又は小口径望遠鏡1007からの受信光とを光学的に合成し、光電変換する。そして、光ヘテロダイン受信機1008は、後方散乱光と局部発振光との差分周波数成分の光強度に応じた電気信号を、ビート信号として生成する。
信号処理手段1009は、光ヘテロダイン受信機1008からのビート信号を受けて、そのビート信号に基づくドップラ周波数シフトやパルス到着時間差等に基づいて、目標の情報(目標までの距離、風速、風向等)を抽出する。
図14に示すような従来の光波レーダ装置によれば、大口径望遠鏡1006及び小口径望遠鏡1007は、送信光の出射点と受信光の集光点とが物理的に一致しているため、原理的に送信光と受信光の光軸調整が不要で、受信光の結合損失を低減するためにも極めて有効である。しかし、送受信同軸の大口径望遠鏡1006及び小口径望遠鏡1007においては、送信用開口と受信用開口とが共通であるため、原理的に、送信用開口と受信用開口とを異なる開口径に設定することはできない。これにより生じる問題点を以下に説明する。
上記のような大口径望遠鏡1006及び小口径望遠鏡1007等の送受信同軸の望遠鏡を用いた場合の従来の光波レーダ装置により得られる信号対雑音比SNRは、次の(1)式に示すライダ方程式により表すことができる。
Figure 2010127918
但し、各パラメータは、λ:送信光波長、E:送信光1パルスあたりのエネルギー、De:送信ビーム径(1/e径)、L:計測距離、β:エアロゾルの後方散乱係数、K: 大気透過係数、h:Plank定数、B:受信帯域幅、η’:システム効率(光学系の損失、光電変換での量子効率等により決定)、η:Far Field(集光距離)における送受信光学系の結合効率である。
また、(1)式におけるSRFは、受信光学系のデフォーカス及びコヒーレント長さに依存した定数であり、受信光学系の集光距離F、受信光学系の開口面におけるコヒーレント長さSを用いて、次の(2)式及び(3)式で表される。
Figure 2010127918
Figure 2010127918
但し、Aは、ビームのけられの影響を示す定数(0.75以下の値)、Hは、定数(=2.914383)、C は大気構造定数である。この大気構造定数は、地表付近で1×10−14〜3×10−13[m−2/3]程度の値をとることが知られている。
従って、(1)式によれば、送信光のビーム径De(受信開口径に一致)を大きくすることにより、信号対雑音比SNRを増加させることができることがわかる。しかし、(2)式のSRFは、送信光のビーム径Deが大きいほど集光距離Fに対する感度が大きくなる。集光距離Fに対する感度の違いの影響は、図15に示すように表れる。
図15は、図14の従来の光波レーダ装置による大口径望遠鏡使用時及び小口径望遠鏡使用時の計測特性を示すグラフである。なお、図15(a)は、大口径望遠鏡(De=200mm)1006の使用時の信号対雑音比特性を示し、図15(b)は、小口径望遠鏡(De=50mm)1007の使用時の信号対雑音比特性について示す。
ここで、開口径以外のパラメータは、いずれも共通とし、集光距離Fを3パターン(F=0.5km,1km,2km)とする。また、図15(a),(b)の破線V1,W1は、集光距離Fを0.5kmとした場合の計測特性である。さらに、図15(a),(b)の一点鎖線V2,W2は、集光距離Fを1kmとした場合の計測特性である。また、図15(a),(b)の二点鎖線V3,W3は、集光距離Fを2kmとした場合の計測特性である。
まず、大口径望遠鏡1006の場合では、図15(a)の二点破線V3に示すように、集光距離Fを遠距離(F=2km)に設定することによって、遠方でも、比較的高い信号対雑音比SNRを確保することができる。例えば、風速検出可能な信号対雑音比SNRの限界値(閾値)を、限界値信号対雑音比SNRth=4.5dBとすると、視線方向(望遠鏡の対物側の方向)への計測可能範囲(最大計測距離範囲)が約1.83kmとなる。
これに対して、小口径望遠鏡1007の場合では、図15(b)の二点破線W3に示すように、集光距離Fを遠距離(F=2km)に設定した場合でも、計測可能範囲は、1.38kmとなり、大口径望遠鏡1006の計測可能範囲である1.83kmよりも小さくなる。
また、小口径望遠鏡1007の集光距離Fを1kmから2kmに変更した場合には、図15(b)の一点鎖線W2及び二点破線W3に示すように、信号対雑音比SNRの距離に対するプロファイルは平坦になるが、最大計測距離を拡大する効果は表れないことが分かる。従って、同一の送信光エネルギーで最大計測距離を拡大したい場合には、大口径望遠鏡1006が有効であることが分かる。
ここで、大口径望遠鏡1006を用いる場合においては、送信光の集光効果により、比較的近距離側の信号対雑音比SNRが制限される。即ち、集光距離F=0.5km,1km,2kmに対して、風速検出可能な信号対雑音比SNRの限界値信号対雑音比SNRth=4.5dB以上の最小計測距離は、それぞれ0.17km、0.34km、0.69kmとなる。また、最も計測距離が長く取れるF=2kmにおいては、最小計測距離が0.69km以上に制限される。
これに対して、小口径望遠鏡1007を用いる場合、送信光の集光作用の影響は小さく、集光距離F=0.5kmから2kmに変化した場合でも近距離側の信号対雑音比SNRを、限界値信号対雑音比SNRthよりも高い値に保持できる。従って、近距離〜中距離(1km以下)付近の風速を安定して計測するためには小口径望遠鏡1007が適した構成であることが分かる。
以上の特性により、従来の光波レーダ装置では、図14に示すように、計測条件に応じて、大口径望遠鏡1006と小口径望遠鏡1007とを交換する必要があった。これに加えて、望遠鏡交換に際して、開口径Deと集光距離Fとを変更して、計測可能範囲の信号対雑音比SNRが最大となるように設定する必要があった。これらの要因により、計測作業が煩雑化するという問題があった。
ここで、将来的に光波レーダ装置が廉価に得られるようになった場合には、望遠鏡の開口径が異なる複数の光波レーダ装置を組み合わせて、同一空間の風の風速を計測するシステム構成が想定される。この場合、複数の光アンテナの観測視野をμradオーダで一致させる必要があり、光軸調整の難易度が増すだけではなく、望遠鏡の周囲環境変化(振動、温度)に対して光軸ずれの影響が現れるため、送受信同軸の望遠鏡の利点が失われる。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、望遠鏡の交換をすることなく、視線方向への計測可能範囲を比較的広くすることができるとともに、計測作業の円滑化を図ることができる光波レーダ装置を得ることを目的とする。
この発明に係る光波レーダ装置は、単一周波数でかつ直線偏光の基準光を発振する基準光源部を有し、基準光から複数の送信光と複数の局部発振光とを生成する光信号生成部と、複数の送信光のそれぞれの光軸を略平行化するとともに、それらの複数の送信光のそれぞれのビーム径及び集光距離を調整可能な複数のコリメータ光学系と、複数のコリメータ光学系からの複数の送信光を合成する光合成手段と、光合成手段から受けた複数の送信光を所望の目標へ向けて照射し、目標からの複数の散乱光を複数の受信光として受ける送受信同軸の送受信光学系と、送受信光学系からの複数の受信光と、信号生成部からの複数の局部発振光とを受けて、ヘテロダイン検波により、複数の受信光のそれぞれについて、局部発振光との差分周波数成分の光強度に応じた電気信号を生成する光ヘテロダイン受信部と、光ヘテロダイン受信部から受けた電気信号に基づいて、目標の情報を抽出する信号処理手段とを備えるものである。
この発明の光波レーダ装置によれば、複数のコリメータ光学系によって複数の送信光のそれぞれのビーム径及び集光距離が調整可能となっており、複数のコリメータ光学系からの複数の送信光が光合成手段によって合成されて、送受信光学系から目標へ向けて照射されるので、それぞれ異なるビーム径及び集光距離の複数の送信光が合成されて送受信光学系から目標へ向けて照射されることにより、望遠鏡の交換をすることなく、視線方向への計測可能範囲を比較的広くすることができるとともに、計測作業の円滑化を図ることができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による光波レーダ装置を示す構成図である。なお、図1では、各ブロックの接続線のうち、太実線は光ファイバによる光路を示し、細実線は電気信号の伝送経路を示し、破線は送信光及び受信光の空間伝搬経路を示す。
図1において、実施の形態1の光波レーダ装置では、偏光保持型シングルモードの光ファイバによって、一連の光路が形成されている。この光ファイバは、第1及び第2光ファイバ終端部100a,100bを有している。第1及び第2光ファイバ終端部100a,100bの開口数(NA)は、0.1となるように予め設計(設定)されている。
また、実施の形態1の光波レーダ装置は、基準光源(基準光源部)101、光ファイバ型の第1及び第2光カプラ(光路分岐手段)102A,102B、周波数強度変調器(周波数強度変調手段)103、光ファイバ増幅器(光ファイバ増幅手段)104、第1及び第2光サーキュレータ105A,105B、第1及び第2コリメータ光学系106A,106B、第1及び第2偏光90度回転手段107A,107B、偏光合成分離手段(光合成手段)108、送受信同軸の望遠鏡(送受信光学系)109、第1及び第2光ヘテロダイン受信機(光ヘテロダイン受信部)110A,110B、並びに信号処理手段111を有している。
ここで、基準光源101、光ファイバ型の第1及び第2光カプラ102A,102B、周波数強度変調器103、光ファイバ増幅器104、第1及び第2光サーキュレータ105A,105B、第1及び第2コリメータ光学系106A,106B、並びに第1及び第2偏光90度回転手段107A,107Bは、複数の送信光と複数の局部発振光とを生成する光信号生成部を構成している。また、第1及び第2光カプラ102A,102B、並びに第1及び第2光サーキュレータ105A,105Bには、偏光保持型の素子が用いられている。
基準光源101は、単一波長でかつ直線偏光(図1の紙面に対して平行な偏光状態)のレーザ光を基準光A1として発振する。基準光源101からの光路は、第1光カプラ102Aによって3つの光路に分岐されている。基準光源101からの基準光A1は、第1光カプラ102Aを通過することによって、送信光の種光A1と、第1局部発振光A2と、第2局部発振光A3とに分けられる。
第1光カプラ102Aからの種光A1は、周波数強度変調器103に送られる。周波数強度変調器103は、種光A1の偏光状態を保持したままで、種光A1の光周波数にオフセット周波数を与えるとともに、パルス光の切り出しを行う。即ち、周波数強度変調器103は、種光A1の周波数及び光強度を変調する。ここで、代表的な周波数強度変調器103の一例としては、音響光学変調器(Acousto Optic Modulator:AOM)がある。
周波数強度変調器103による変調後の種光A1は、光ファイバ増幅器104に送られる。そして、種光A1は、光ファイバ増幅器104よって増幅される。光ファイバ増幅器104からの光路は、第2光カプラ102Bによって、2つの光路に分岐されている。この第2光カプラ102Bを通過することによって、光ファイバ増幅器104からの種光A1は、偏光状態を保持したままで、第1送信光A4と第2送信光A5とに分けられる。
第1送信光A4は、第1光サーキュレータ105A及び第1光ファイバ終端部100aを介して、第1コリメータ光学系106Aに伝わる。これに対して、第2光カプラ102Bからの第2送信光A5は、第1偏光90度回転手段107Aに伝わる。この第1偏光90度回転手段107Aよって、第2送信光A5の偏光面が90度回転される。そして、第1偏光90度回転手段107Aからの第2送信光A5は、第2光サーキュレータ105B及び第2光ファイバ終端部100bを介して、第2コリメータ光学系106Bに伝わる。
第1及び第2コリメータ光学系106A,106Bは、第1及び第2送信光A4,A5のそれぞれを略平行化する。また、第1及び第2コリメータ光学系106A,106Bは、第1及び第2送信光A4,A5のそれぞれのビーム径及び集光距離を調整可能となっている。
第1コリメータ光学系106Aは、第1送信光A4の集光距離がアフォーカル(無限遠)となり、かつ第1送信光A4のビーム径が比較的大きくなるように、予め設定されている。これに対して、第2コリメータ光学系106Bは、第2送信光A5の集光距離が比較的近距離となり、かつ第2送信光A5のビーム径が比較的小さくなるように、予め設定されている。つまり、第1送信光A4は、遠距離計測用の送信光として用いられ、第2送信光A5は、近距離計測用の送信光として用いられる。
次に、実施の形態1の光波レーダ装置の第1送信光A4の伝送経路に関連する構成について説明する。第1光ファイバ終端部100aの偏光保持シングルモードファイバの開口数(NA)は、0.1に設定されている。このため、第1コリメータ光学系106Aの焦点距離fcolを設定することにより、略平行化される第1送信光A4のビーム径dcolを次の(4)式のように決めることができる。
Figure 2010127918
第1コリメータ光学系106Aにより略平行化された第1送信光A4は、偏光合成分離手段108を介して、望遠鏡109に空間的に伝送(結合)される。ここで、偏光合成分離手段108は、紙面に平行な偏光成分が透過し、かつ紙面に垂直な偏光成分が反射するように、予め光軸調整されている。従って、第1コリメータ光学系106Aから出射された第1送信光A4は、偏光合成分離手段108を透過(完全透過)して望遠鏡109に空間伝搬する。
望遠鏡109において、第1送信光A4(入射コリメートビーム)は、そのビーム径を角度倍率M倍だけ拡大したコリメート光に変換される。なお、望遠鏡109の対物側における有効開口径をDteleとした場合には、コリメート光の望遠鏡109によるけられが生じない条件は、dcol≦Dtele/Mとなる。
また、第1送信光A4のビーム径dcolは、遠距離計測用の送信光として最大の有効開口径を確保するため、次の(5)式に示す関係となる。
Figure 2010127918
なお、実施の形態1では、実効的な第1送信光A4のビーム径dcolは、例えば、200mmである。
さらに、第1光ファイバ終端部100aと第1コリメータ光学系106Aとの間隔が調整されることにより、第1送信光A4の送受信集光距離Fが設定される。実施の形態1では、第1送信光A4の送受信集光距離Fが遠方(例えば、2km)に設定されている。
次に、実施の形態1の光波レーダ装置の第2送信光A5の伝送経路に関連する構成について説明する。第2送信光A5は、第1偏光90度回転手段107Aによって、伝送する偏光状態を、紙面に垂直な方向に回転された後、第2光サーキュレータ105Bを介して第2コリメータ光学系106Bに伝送される。
第2光ファイバ終端部100bの開口数(NA)は、0.1に設定(設計)されている。従って、第2コリメータ光学系106Bの第2焦点距離fを設定することにより、略平行化される第2送信光A5のビーム径dcol2を、次の(6)式のように決めることができる。
Figure 2010127918
第2コリメータ光学系106Bにより略平行化された第2送信光A5は、偏光合成分離手段108を介して望遠鏡109に空間的に結合させる。ここで、偏光合成分離手段108は、紙面に平行な偏光が透過し、かつ紙面に垂直な偏光状態が反射するように予め光軸調整されており、第2コリメータ光学系106Bを通過した第2送信光A5が紙面に対して垂直な偏光状態となっている。このため、その第2送信光A5が偏光合成分離手段108を反射して望遠鏡109に空間伝搬される。
望遠鏡109において、第2送信光A5(入射コリメートビーム)は、そのビーム径を角度倍率M倍だけ拡大したコリメート光に変換される。なお、望遠鏡109の対物側における有効開口径をDteleとした場合、望遠鏡109による第2送信光A5のけられが生じない条件はdcol2≦Dtele/Mとなる。
また、第2送信光A5のビーム径dcol2は、近距離での信号対雑音比SNRを確保するため、次の(7)式に示すものとなる。
Figure 2010127918
なお、実施の形態1における第2送信光A5の実効的なビーム径は、例えば、対物側のビーム径M×dcol2換算で50mmとなる。
さらに、第2光ファイバ終端部100bと第2コリメータ光学系106Bとの間隔を調整されることにより、第2送信光A5の集光距離が設定される。なお、実施の形態1では、第2送信光A5の送受信集光距離Fが1kmに設定されている。
従って、第1コリメータ光学系106A及び第2コリメータ光学系106Bによって、第1送信光A4及び第2送信光A5のそれぞれの集光距離及びビームが調整される。
次に、実施の形態1の光波レーダ装置の望遠鏡109の信号送受信に関連する構成について説明する。第1コリメータ光学系106A及び第2コリメータ光学系106Bを経た第1送信光A4及び第2送信光A5は、偏光合成分離手段108によって、互いの直交偏光成分が合成される。この結果、第1送信光A4及び第2送信光A5は、直交2偏光の送信光として望遠鏡109の接眼側に送られる。そして、直交2偏光の送信光は、望遠鏡109によって、大気中の所望の目標へ向けて照射される。
照射された第1及び第2送信光A4,A5は、観測空間における散乱対象(例えば風速と同じ速度で移動するエアロゾル)により後方散乱され、散乱対象の移動速度に応じたドップラ周波数シフトを受ける。第1送信光A4の後方散乱光、及び第2送信光A5の後方散乱光は、望遠鏡109によってその接眼側に、それぞれ第1受信光(遠距離用受信光)A6及び第2受信光(近距離用受信光)A7として収集される。望遠鏡109の接眼側に収集された第1及び第2受信光A6,A7は、偏光合成分離手段108を通過することによって、互いに分離され、互いに異なる光路へ伝送(結合)される。
ここで、散乱対象のエアロゾルによる後方散乱は、等方的に生じ、後方散乱光に対する偏光回転は無視できる。従って、偏光合成分離手段108を透過した第1送信光A4の偏光状態と、第1受信光A6(エアロゾルによる後方散乱光)の偏光状態とは、互いに同一である。このため、第1受信光A6も偏光合成分離手段108を透過して、再び第1コリメータ光学系106Aを経て、第1光ファイバ終端部100aに集光されて、光ファイバ内に伝送される。
そして、第1光ファイバ終端部100aから光ファイバ内に伝送された第1受信光A6は、第1光ファイバサーキュレータ105Aを介して、第1光ヘテロダイン受信機110Aに伝送される。また、第1光カプラ102Aからの第1局部発振光A2は、第1光ヘテロダイン受信機110Aに伝送される。第1光ヘテロダイン受信機110Aは、第1受信光A6及び第1局部発振光A2を光学的に合成する。そして、第1光ヘテロダイン受信機110Aは、合成した第1受信光A6及び第1局部発振光A2を光電変換し、合成した第1受信光A6及び第1局部発振光A2の差分周波数成分の光強度に応じたビート信号を生成する。
第2送信光A5及び第2受信光A7についても、第1送信光A4及び第1受信光A6の場合と同様に、偏光合成分離手段108を透過した第2送信光A5の偏光状態と、第2受信光A7(エアロゾルによる後方散乱光)の偏光状態とは、互いに同一である。このため、第2受信光A7も、偏光合成分離手段108を反射して、再び第2コリメータ光学系106Bを経て、第2光ファイバ終端部100bに集光されて、光ファイバ内に伝送される。
そして、第2光ファイバ終端部100bから光ファイバ内に伝送された第2受信光A7は、第2光ファイバサーキュレータ5Bを介して、第2光ヘテロダイン受信機110Bに伝送される。また、第1光カプラ102Aからの第2局部発振光A3は、第2光ヘテロダイン受信機110Bに伝送される。第2光ヘテロダイン受信機110Bは、第2受信光A7及び第2局部発振光A3を光学的に合成する。そして、第2光ヘテロダイン受信機110Bは、合成した第2受信光A7及び第2局部発振光A3を光電変換し、合成した第2受信光A7及び第2局部発振光A3の差分周波数成分の光強度に応じたビート信号を生成する。
信号処理手段111は、第1光ヘテロダイン受信機110Aによって生成されたビート信号と、第2光ヘテロダイン受信機110Bによって生成されたビート信号とを受ける。また、信号処理手段111は、各ビート信号をそれぞれAD変換して時系列信号を取得する。さらに、信号処理手段111は、時間ゲートごとに、取得した時系列信号をフーリエ変換してパワースペクトルを算出する。
また、信号処理手段111は、算出した各パワースペクトルのピーク値から、距離ごとの風速を算出する。即ち、信号処理手段111は、第1光ヘテロダイン受信機110Aからのビート信号と第2光ヘテロダイン受信機110Bからのビート信号とに基づいて、目標の情報を抽出する。なお、信号処理手段111は、例えばマイコンやコンピュータ等である。
次に、実施の形態1の光波レーダ装置の計測特性について説明する。図2は、図1の光波レーダ装置の計測特性を示すグラフである。なお、図2では、SNR=4.5dBを、限界値信号対雑音比SNRthとして示す(図5以降のグラフも同様)。図2において、遠距離計測用の第1送信光A4についての計測距離と、信号対雑音比SNRとの関係は一点鎖線X1及び実線X2のようになる。
図2の一点鎖線X1及び実線X2よれば、第1送信光A4についての限界値信号対雑音比SNRth=4.5dB以上の信号対雑音比SNRとなる計測可能範囲は、0.69kmから1.83kmまでとなる。従って、実施の形態1の遠距離側の計測可能範囲は、図14に示す従来の光波レーダ装置の大口径望遠鏡1006によって遠距離集光した状態(図15(a))と同様となる。
また、図2において、近距離計測用の第2送信光A5についての計測距離と、信号対雑音比SNRとの関係は、破線Y1及び実線Y2に示すようになる。図2の破線Y1及び実線Y2によれば、第2送信光A5についての限界値信号対雑音比SNRth=4.5dB以上の信号対雑音比SNRとなる計測可能範囲は、0kmから1.38kmまでとなる。従って、実施の形態1の近距離側の計測可能範囲は、図14に示す従来の光波レーダ装置の小口径望遠鏡1007によって近距離集光した状態(図15(b))と同様になる。
従って、信号処理手段111では、第1光ヘテロダイン受信機110Aにより得られた計測結果と、第2光ヘテロダイン受信機110Bにより得られた計測結果とを合成することにより、図2の実線X2及び実線Y2に示すような計測距離−信号対雑音比特性が得られる。つまり、実施の形態1の光波レーダ装置の計測可能範囲は、0kmから1.83kmまでとなる。
ここで、図14に示すような従来の光波レーダ装置のような望遠鏡1006,1007の交換及び集光距離調整を併用する方法では、1回の計測の際の設定で、比較的広い計測可能範囲を同時に得ることは困難であった。また、例えば、図14に示すような従来の光波レーダ装置に、望遠鏡の集光距離を計測更新時間以内に高速に設定できる装置を付加した場合でも、望遠鏡1006,1007を交換する必要があった。
これに対して、実施の形態1の光波レーダ装置では、第1及び第2コリメータ光学系106A,106Bによって、第1送信光A4及び第2送信光A5のそれぞれのビーム径及び集光距離が調整可能となっている。また、第1及び第2コリメータ光学系106A,106Bからの第1及び第2送信光A4,A5が、偏光合成分離手段108によって、互いに合成されて、望遠鏡109から目標へ向けて照射される。この構成により、互いに異なるビーム径及び集光距離の第1及び第2送信光A4,A5が合成されて望遠鏡109から目標へ向けて照射されることにより、望遠鏡の交換をすることなく、視線方向への計測可能範囲を比較的広くすることができるとともに、計測作業の円滑化を図ることができる。
ここで、図1における偏光合成分離手段108の代わりに50:50の光分岐カプラを用いた光波レーダ装置について簡単に説明する。50:50の光分岐カプラを用いた光波レーダ装置では、直交する2つの直線偏光光(P偏光、S偏光)を入力すると、P偏光成分及びS偏光成分は、ともに光分岐カプラの透過ポートと反射ポートとに、50:50の割合で分岐される。このため、P偏光成分を第1光ファイバ終端部100aから出力させ、S偏光成分を第2光ファイバ終端部100bから出力させるときに、送受信望遠鏡109には、直交する2つの直線偏光光をその入力パワーの50%しか伝送できない。なお、この現象は、3dB分の分岐損失に相当する。
これに対して、実施の形態1の光波レーダ装置では、理想的な偏光合成分離手段108を用いる場合、直交する2つの直線偏光光(P偏光、S偏光)のうちP偏光を偏光合成分離手段108の偏光主軸に一致させて入力すると、P偏光成分は偏光合成分離手段108の透過ポートに、S偏光成分は偏光合成分離手段108の反射ポートに各々損失無く出力される。この結果、P偏光成分を第1光ファイバ終端部100aから出力させることが可能になるとともに、S偏光成分を第2光ファイバ終端部100bから出力させることが可能となる。これにより、送受信望遠鏡109に損失無く、直交する2つの直線偏光光を伝送することができる。
従って、実施の形態1の光波レーダ装置では、第1及び第2送信光A4,A5には、互いに直交関係を持つ直線偏光成分が用いられ、これらの第1及び第2送信光A4,A5が偏光合成分離手段108によって合成・分離される。この構成により、送受信同軸の望遠鏡109の接眼側で送受信の際の光路分岐の損失を、50:50の光カプラを用いる場合に比較して3dB改善できる(送信光及び受信光のそれぞれに対して3dB改善できる)。よって、比較的高感度に後方散乱光を受信することができる。
なお、実施の形態1では、周波数強度変調器103の一例として音響光学変調器を示した。しかしながら、周波数強度変調器103は、音響光学変調器に限定するものではなく、光周波数のシフトと光強度変調とを実現できるものであればよい。
実施の形態2.
実施の形態1では、遠距離計測用の第1受信光A6と近距離計測用の第2受信光A7とのそれぞれの検波に、互いに独立した第1及び第2光ヘテロダイン受信機110A,110Bを用いた。これに対して、実施の形態2では、第1受信光A6及び第2受信光A7の偏光状態が互いに直交している特徴を利用して、単一の光ヘテロダイン受信機210で、第1受信光A6及び第2受信光A7を検波する。
図3は、この発明の実施の形態2による光波レーダ装置を示す構成図である。図3において、各ブロックの接続線は、図1と同様に、太実線は偏光保持光ファイバを示し、細実線は電気信号を示し、破線は空間伝搬光を示す。また、偏光保持光ファイバ内に伝送される光の偏光状態を図3の吹き出し内の矢印の向きで示す。具体的には、図3の上下の矢印は、紙面に対して平行な偏光状態を示し、図3の左右の矢印は、紙面に対して垂直な偏光状態を示す(図4以降も同様)。さらに、実施の形態2以降の図において、先の実施の形態と同一の符号については、先の実施の形態と同一の構成を示す。
図3において、実施の形態2の光波レーダ装置は、第1偏光合成手段208Aと、第1偏光合成手段208Aとをさらに有している。第1偏光合成手段208Aは、第1光カプラ102Aからの第1局部発振光A2と、第1偏光90度回転手段107Bからの第2局部発振光A3とを受ける。また、第1偏光合成手段208Aは、受けた第1局部発振光A2及び第2局部発振光A3のそれぞれの直線偏光成分を合成(反射・透過によって光学的に合成)し、直交2偏光の合成局部発振光A21とする。
第2偏光合成手段208Bは、第1光サーキュレータ105Aから第1受信光A6と、第2光サーキュレータ105Bから第2受信光A7とを受ける。また、第2偏光合成手段208Bは、第1受信光A6及び第2受信光A7のそれぞれの直線偏光成分を合成(反射・透過によって光学的に合成)し、直交2偏光の合成受信光A22とする。
また、実施の形態2の光波レーダ装置は、実施の形態1における第1光ヘテロダイン受信機110A及び第2光ヘテロダイン受信機110Bに代えて、1つの光ヘテロダイン受信機210を有している。光ヘテロダイン受信機210は、第1偏光合成手段208Aから合成局部発振光A21を受ける。また、光ヘテロダイン受信機210は、第2偏光合成手段208Bから合成受信光A22を受ける。
ここで、光ヘテロダイン受信機210と第1偏光合成手段208Aとの間の光路、及び光ヘテロダイン受信機210と第2偏光合成手段208Bとの間の光路は、それぞれ偏光保持光ファイバによって形成されている。この偏光保持光ファイバによって、合成局部発振光A21及び合成受信光A22は、それぞれの偏光状態が保持された状態で、光ヘテロダイン受信機210に伝わる。
光ヘテロダイン受信機210は、合成局部発振光A21に含まれている第1及び第2局部発振光A2,A3のそれぞれと、合成受信光A22に含まれている第1及び第2受信光A6,A7のそれぞれとを、インコヒーレント(不干渉)に光電変換する。また、光ヘテロダイン受信機210は、第1及び第2受信光A6,A7のそれぞれについて、ヘテロダイン検波によって、第1及び第2局部発振光A2,A3のそれぞれとの差分周波数成分を算出する。
そして、光ヘテロダイン受信機210は、算出した差分周波数成分に基づいて、第1及び第2受信光A6,A7のそれぞれについて、ビート信号を生成し、そのビート信号を信号処理手段111に送る。信号処理手段111は、実施の形態1の場合と同様に、光ヘテロダイン受信機210からのビート信号について、AD変換、時系列毎のフーリエ変換、及びスペクトルピーク検出を実行して、距離毎の風速を算出する。他の構成は、実施の形態1と同様である。
これにより、実施の形態2の光波レーダ装置でも、先の図2に示すような計測特性を得ることができ、近距離から遠距離までの比較的広い範囲で限界値信号対雑音比SNRth以上の風速計測が実現することができる。
上記のような光波レーダ装置によれば、実施の形態1と同様に、比較的広い範囲に渡って、単一の光ヘテロダイン受信機210により風速検出を実現可能となる。このため、実施の形態1のものに比較して、第1及び第2偏光合成手段208A,208Bを追加する必要があるものの、第2光ヘテロダイン受信機110Bが省略される。ここで、第1及び第2偏光合成手段208A,208Bには、電力供給が不要である。従って、実施の形態2の光波レーダ装置では、電力供給を要する第2光ヘテロダイン受信機110Bを省略したことによって、実施の形態1のものに比べて、電力供給経路及び電気信号伝達経路が簡素化される。この結果、実施の形態2の光波レーダ装置では、実施の形態1のものに比べて、製造コストを低減させることができる。
また、第1及び第2受信光A6,A7の検波に、単一の光ヘテロダイン受信機210を用いているので、実施の形態1における第1及び第2光ヘテロダイン受信機110A,110B間の感度ばらつき、帯域のちがい、及び雑音特性の違い等を校正する必要がない。このため、製造時や運用時での校正作業や調整作業を軽減させることができ、これによっても、高信頼性化を図ることができる。
実施の形態3.
実施の形態1,2では、種光A1が光ファイバ増幅器104によって増幅されて、第1及び第2送信光A4,A5とされた。即ち、第1及び第2送信光A4,A5の増幅率が互いに同一であった。これに対して、実施の形態3では、第1及び第2送信光A4,A5の増幅率が互いに異なっている。
図4は、この発明の実施の形態3による光波レーダ装置を示す構成図である。図4において、実施の形態3の光波レーダ装置は、先の光ファイバ増幅器104に代えて、第1及び第2光ファイバ増幅器(光ファイバ増幅手段)304A,304Bを有している。第1及び第2光ファイバ増幅器304A,304Bは、互いに直列に接続されている。ここで、実施の形態3の第2光カプラ102Bは、第1光ファイバ増幅器304Aと第2光ファイバ増幅器304Bとの間に介在されている。
第1光ファイバ増幅器304Aは、第1光カプラ102Aから種光A1を受ける。また、第1光ファイバ増幅器304Aは、種光A1を増幅して、第2光カプラ102Bに送る。増幅後の種光A1の光路は、第2光カプラ102Bによって、2つの光路に分岐される。第2光カプラ102Bによって2つに分けられた種光A1は、互いに別々の光路を通って、第2光ファイバ増幅器304Bと、第1偏光90度回転手段107Aとに送られる。
第2光ファイバ増幅器304Bは、第1光ファイバ増幅器304Aによって増幅された種光A1をさらに増幅し、第1送信光A4とする。即ち、第1送信光A4は、第1及び第2光ファイバ増幅器304A,304Bによって、2段階で増幅される。第2光ファイバ増幅器304Aからの第1送信光A4は、第1光サーキュレータ105Aを介して、第1コリメータ光学系106Aへ送られ、実施の形態1,2と同様に扱われる。
また、第1偏光90度回転手段107Aは、第2光カプラ102Bからの種光A1の偏光面を90度回転させて、第2送信光A5とする。即ち、第2送信光A5は、第1光ファイバ増幅器304Aのみによって増幅される。第1偏光90度回転手段107Aからの第2送信光A5は、第2光サーキュレータ105Bを介して、第2コリメータ光学系106Bへ送られ、実施の形態1,2と同様に扱われる。
従って、第1及び第2送信光A4,A5の増幅率が互いに異なっており、第1及び第2送信光A4,A5に出力パワー差が設定されている。なお、第1及び第2送信光A4,A5のそれぞれの出力パワーの一例として、遠距離計測用の第1送信光A4のピークパワーが10Wであり、近距離計測用の第2送信光A5のピークパワーが2Wである。他の構成は、実施の形態2と同様である。
次に、実施の形態3の光波レーダ装置の計測特性について説明する。図5は、図4の光波レーダ装置の計測特性を示すグラフである。図5において、遠距離計測用の第1送信光A4についての計測距離と信号対雑音比SNRとの関係は、一点鎖線X3及び実線X4のようになる。図5の一点鎖線X3及び実線X4によれば、第1送信光A4の信号対雑音比SNRの計測距離依存特性は、実施の形態1の第1送信光A4の信号対雑音比SNRの計測距離依存特性と同様になる。
これに対して、近距離計測用の第2送信光A5についての計測距離と信号対雑音比SNRとの関係は、実線Y3及び破線Y4のようになる。図5の実線Y3及び破線Y4によれば、第2送信光A5の信号対雑音比SNRの計測距離依存特性は、実施の形態1の第2送信光A5の信号対雑音比SNRの計測距離依存特性に比べて、全体的に7dB低下する。
従って、実施の形態3の光波レーダ装置の計測距離−信号対雑音比特性は、図5の実線Y3及び実線X4を合成した特性となる。これにより、実施の形態3の光波レーダ装置では、近距離側での信号対雑音比SNRマージンは減少するものの、実施の形態1,2で得られる計測距離範囲と同等の計測範囲が得られることが分かる。
上記のような光波レーダ装置では、第1及び第2光ファイバ増幅器304A,304Bが互いに直列に接続されており、第1及び第2光ファイバ増幅器304A,304B間に第2光カプラ102Bが配置されている。この構成により、近距離計測を行うための第2送信光A5のパワーを小さく、遠距離計測を行うための第1送信光A4のパワーを大きく設定することが可能となる。また、計測可能範囲全体に渡って、SNRマージンを平坦にとることができ、実質的な送信パワーや消費電力を低減させることができる。
さらに、第2光カプラ102Bが第2光ファイバ増幅器304Bの前段に配置されている。この構成により、第2光カプラ102Bに入力される光パワーが低減される。この結果、第2光カプラ102Bの発熱に伴う損傷や、高ピークパワーの光入力による第2光カプラ102Bの光学コーティング膜の損傷を回避することができる。第2光カプラ102Bの損傷を回避することができることにより、光波レーダ装置の故障率を比較的低減させることができ、信頼性を比較的高めることができる。
なお、実施の形態3では、実施の形態2と同様に、第1及び第2受信光A6,A7を単一の光ヘテロダイン受信機210を用いて検波している。しかしながら、実施の形態1と同様に、第1及び第2光ヘテロダイン受信機110A,110Bを用いて、第1及び第2受信光A6,A7を、互いに独立して検波してもよい。
また、実施の形態3では、第1及び第2光ファイバ増幅器304A,304Bがそれぞれ1段ずつの増幅器構成であったが、第1及び第2光ファイバ増幅器304A,304Bがそれぞれ複数段の増幅器構成であってもよい。つまり、種光A1を3段以上増幅して第1送信光A4としてもよく、また、種光A1を2段以上増幅して第2送信光A5としてもよい。
実施の形態4.
実施の形態1〜3では、第1及び第2送信光A4,A5の2種類のビームを風速計測に用いた。これに対して、実施の形態4では、第1送信光A4、第2送信光A41及び第3送信光A43の3種類のビームを風速計測に用いる。
図6は、この発明の実施の形態4による光波レーダ装置を示す構成図である。図6において、実施の形態4の光波レーダ装置は、実施の形態1〜3の第1及び第2光カプラ102A,102Bに加えて、中近合成分離用光カプラとしての第3光カプラ(光路分岐合成カプラ)402Cをさらに有している。第3光カプラ402Cは、偏光合成分離手段108と第2光サーキュレータ105Bとの間の光路を2つの光路に分岐するとともに合成する。
また、実施の形態4の光波レーダ装置の光ファイバは、実施の形態1〜3の第1及び第2光ファイバ終端部100a,100bに加えて、第3光ファイバ終端部100cをさらに有している。第2及び第3光ファイバ終端部100b,cは、それぞれ第3光カプラ402Cによって2つに分岐された光路の終端部を構成している。
さらに、実施の形態4の光波レーダ装置には、実施の形態1〜3の第2コリメータ光学系106Bに代えて、第2コリメータ光学系406Bが用いられている。また、光波レーダ装置は、実施の形態1〜3の第1及び第2コリメータ光学系106A,406Bに加えて、第3コリメータ光学系406Cをさらに有している。第2コリメータ光学系406Bは、第2光ファイバ終端部100bと偏光合成分離手段108との間に配置されている。第3コリメータ光学系406Cは、第3光ファイバ終端部100cと偏光合成分離手段108との間に配置されている。
ここで、実施の形態4の第1偏光90度回転手段107A及び第2光サーキュレータ105Bを経た光信号(実施の形態1〜3の第2送信光A5)は、第3光カプラ402Cによって、第2送信光A41と第3送信光A42との2つの送信光に分けられる。
第2送信光A41は、中距離計測用の送信光である。また、第2送信光A41は、第3光カプラ402Cから、第2光ファイバ終端部100b及び第2コリメータ光学系406Bを経て偏光合成分離手段108へ送られる。第3送信光A42は、近距離計測用の送信光である。また、第3送信光A42は、第3光カプラ402Cから、第3光ファイバ終端部100c及び第3コリメータ光学系406Cを経て偏光合成分離手段108へ送られる。
ここで、望遠鏡109における第1送信光A4の光軸は、実施の形態1〜3における第1送信光A4の光軸と同様である。これに対して、第2及び第3送信光A41,A42のそれぞれの光軸は、互いに平行で、かつ望遠鏡109の対物面で互いに重ならないように配置されている。即ち、第2及び第3送信光A41,A42のそれぞれの光軸が互いに平行で、かつ望遠鏡109の対物面で互いに重ならないように、第2及び第3光ファイバ終端部100b,100c並びに第2及び第3コリメータ光学系406B,406Cのそれぞれの向きが予め調整されている。
次に、図6の光波レーダ装置の第2及び第3送信光A41,A42の伝送経路に関する構成について説明する。第2コリメータ光学系406Bは、第2送信光A41を略平行化するとともに、第2送信光A41のビーム径及び集光距離を設定する。具体的には、第2光ファイバ終端部100bと第2コリメータ光学系406Bとの間の間隔を調整することにより、中距離計測用の第2送信光A41の集光距離が設定される。なお、第2送信光A41の集光距離の一例としては、0.8kmである。
また、第2送信光A41のビーム径dcol3は、次の(8)式で表すように設定される。なお、第3送信光A42のビーム径dcol3の一例としては、100mmである。
Figure 2010127918
但し、Dteleは、望遠鏡109の対物側における有効開口径を示し、Mは、望遠鏡109の角度倍率を示す。
第3コリメータ光学系406Cは、第3送信光A42を略平行化するとともに、第3送信光A42のビーム径及び集光距離を調整する。具体的には、第3光ファイバ終端部100cと第3コリメータ光学系406Cの間の間隔を調整することにより、近距離計測用の第3送信光A42の集光距離が設定される。なお、第3送信光A42の集光距離の一例としては、0.5kmである。
また、近距離計測用の第3送信光A42のビーム径dcol4を、次の(9)式で表されるように設定する。なお、第3送信光A42のビーム径dcol4の一例としては、実施の形態1と同様に、50mmである。
Figure 2010127918
ここで、第2光カプラ102Bと第3光カプラ402Cとの分岐比(分配比)を設定することにより、遠距離計測用の第1送信光A4、中距離計測用の第2送信光A41、及び近距離計測用の第3送信光A42のそれぞれのパワーを調整することができる。例えば、実施の形態4では、第1送信光A4のピークパワーを10Wとし、第2及び第3送信光A41,A42のピークパワーを各2Wとする。これらのパワーは、設置環境や製品仕様等に応じて適宜変更可能である。他の構成は、実施の形態1,2と同様である。
次に、図6の光波レーダ装置の計測特性について説明する。図7は、図6の光波レーダ装置の計測特性を示すグラフである。図7において、遠距離計測用の第1送信光A4についての計測距離と信号対雑音比SNRとの関係は、一点鎖線X5及び実線X6のようになる。図7の一点鎖線X5及び実線X6によれば、第1送信光A4の信号対雑音比SNRの計測距離依存特性は、実施の形態1,3の第1送信光A4の信号対雑音比SNRの計測距離依存特性と同様になる。
また、中距離計測用の第2送信光A41についての計測距離と信号対雑音比SNRとの関係は、図7の二点破線Y5、実線Y6及び二点破線Y7のようになる。図7の二点破線Y5、実線Y6及び二点破線Y7によれば、第2送信光A41の信号対雑音比SNRの計測距離依存特性は、計測距離0.7km付近で信号対雑音比SNRのピークが生じていることが分かる。
さらに、近距離計測用の第3送信光A42についての計測距離と信号対雑音比SNRとの関係は、図7の実線Z1及び破線Z2のようになる。図7の実線Z1及び破線Z2によれば、第3送信光A42の信号対雑音比SNRの計測距離依存特性は、図5に示す実施の形態3の第2送信光A5の信号対雑音比SNRの計測距離依存特性と同様になる。
従って、実施の形態4の光波レーダ装置の計測距離−信号対雑音比特性は、図7の実線Z1、実線Y6及び実線X6を合成した特性となる。これにより、実施の形態4の光波レーダ装置では、実施の形態3の光波レーダ装置の計測距離−信号対雑音比特性に比べて、計測距離0.7km付近における信号対雑音比SNRの低下が改善されている。この結果、実施の形態4の光波レーダ装置では、実施の形態1〜3の光波レーダ装置と同等の計測範囲が得られるとともに、全体としてより平坦な距離信号対雑音比SNR特性が実現できていることが分かる。
上記のような光波レーダ装置では、遠距離計測用の第1送信光A4と近距離計測用の第3送信光A42とに加えて、中距離計測用の第2送信光A41が用いられている。この構成により、近距離から遠距離に渡って、平坦な信号対雑音比SNRマージンをもった風速計測を実現することができる。このため、図14に示すような従来の光波レーダ装置の小口径望遠鏡1007の近距離集光時に存在した過剰な信号対雑音比SNRマージン(図15(b))や、大口径望遠鏡1006の遠距離集光時の近距離側での信号対雑音比SNRマージン不足(図15(a))を改善することができる。この結果、同一の送信パワーにおいて、図14に示すような従来の光波レーダ装置よりも、計測可能範囲を広げることができ、消費電力を低減させることができる。
ここで、偏光合成分離手段108による偏光合成では、異なる口径のビームを2系統までしか合成できない。このため、3種類以上のビーム径を組み合わせて同一の望遠鏡109で空間照射するために第3光カプラ402C(光路分岐合成カプラ)を用いて合成するが、この第3カプラ402Cの光波合成の際に余剰損失が発生する(例えば50:50カプラを用いる際、シングルパスで3dB)。これにより、実施の形態4の光波レーダ装置では、SNR確保の観点から、より大きな出力パワーが必要な遠距離測定には光波合成による余剰損失が発生しない偏光合成分離手段108を用いて光路分岐合成を行い、比較的低パワーでSNRを確保できる中距離計測及び近距離計測には第3光路分岐合成カプラ402Cを用いて光路分岐合成を行う。
従って、実施の形態4の光波レーダ装置では、遠距離計測に比べて所要送信パワーの小さな中距離計測及び近距離計測のための送信光の分岐には、遠距離計測に比べてSNRマージンに余裕があることにより、第3光カプラ402C(通常の光分岐カプラ)が用いられる。また、中距離計測及び近距離計測に比べて大きな所要送信パワーが必要となる遠距離計測用の送信光との分岐には偏光合成分離手段108が用いられる。これによって、実質的な送信パワーを比較的低減させることが可能となり、低消費電力化に寄与する
なお、実施の形態4では、光ファイバ増幅器104の1段構成によって、種光A1を増幅していた。しかしながら、この例に限定するものではなく、実施の形態3のように、光ファイバ増幅器を複数用いて、種光を多段増幅させてもよい。
また、光ファイバ増幅器を複数用いる場合において、互いに直列に接続されている光ファイバ増幅器同士の間(中継部分)に、第2光カプラ102Bを設けてもよい。つまり、初段の光ファイバ増幅器によって増幅された種光を、第2光カプラ102Bによって、遠距離測定用の第1送信光A4と中距離・近距離測定用の第2及び第3送信光A41,A42とに分けてもよい。この場合、遠距離計測用の送信パワーと中距離・近距離計測用の送信パワーとの差を大きく設定することができる。この結果、計測可能範囲をより広くすることができる。
実施の形態5.
実施の形態4では、単一波長で発振された基準光A1から3種類の第1〜第3送信光A4,A41,A42が生成された。これに対して、実施の形態5では、異なる波長の第1〜第3基準光A51,A52,A53から、それぞれ第1〜第3送信光A56,A57,A58が生成される。
図8は、この発明の実施の形態5による光波レーダ装置を示す構成図である。図8において、実施の形態5の光波レーダ装置は、実施の形態1〜4の基準光源101に代えて、第1〜第3基準光源(複数の基準光源部)501A〜501Cを有している。第1〜第3基準光源501A〜501Cは、それぞれ波長の異なる基準光A51〜A53を生成する。第1〜第3基準光A51〜A53の波長は、それぞれλ1〜λ3である。
また、実施の形態5の光波レーダ装置は、第1波長合成手段(基準光合成手段)512A、及び第2波長合成手段(受信光合成手段)512Bをさらに有している。第1及び第2波長合成手段512A,512Bは、波長の異なる複数の光信号を合成して1つの光信号とする。さらに、実施の形態5の光波レーダ装置は、実施の形態1〜4の第1光カプラ102Aに代えて、光カプラ(光路分岐手段)502を有している。光カプラ502は、実施の形態1〜4の第1光カプラ102Aと同様に、1つの光路を複数の光路に分岐する。
さらに、実施の形態5の光波レーダ装置は、実施の形態1〜4の偏光合成分離手段108に代えて、波長合成分離手段(光合成手段)508を有している。波長合成分離手段508には、波長λ1の光信号のみが透過し波長λ2及び波長λ3の光信号が反射するように予め光軸調整された波長フィルタが用いられる。
また、実施の形態5の光波レーダ装置は、実施の形態1〜4の第2光カプラ102Bに代えて、波長分離手段513を有している。波長分離手段513は、入力された光信号を、その光信号に含まれる波長毎に分離する。
さらに、実施の形態5の光波レーダ装置は、実施の形態1〜4の第1及び第2光サーキュレータ105A,105Bに加えて、第3光サーキュレータ505Cを有している。第3光サーキュレータ505Cの機能は、実施の形態1〜4の第1及び第2光サーキュレータ105A,105Bの機能と同様である。なお、実施の形態5の光波レーダ装置の周波数強度変調器103及び光ファイバ増幅器104は、変調増幅手段を構成している。他の構成は、実施の形態1,2,4と同様である。
ここで、基準光A51〜A53の波長λ1〜λ3は、光ファイバ増幅器104の増幅波長帯域内に設定されている。光ファイバ増幅器104には、例えば、Erbium添加光ファイバ増幅器が用いられる。このErbium添加光ファイバ増幅器の増幅帯域は、1.53μm〜1.56μm帯(標準波長1.55μm帯)である。従って、この増幅帯域の範囲内で、波長λ1〜λ3をそれぞれ異なる値に設定することによって、全ての波長の光信号が同時に増幅される。
次に、図8の光波レーダ装置の各光信号の送受信について説明する。基準光A51〜A53は、第1波長合成手段512Aによって合成される。合成された基準光A51〜A53は、光カプラ502によって、合成種光A54と、合成局部発振光A55とに分けられる。
光カプラ102Aからの合成種光A54は、周波数強度変調器103による周波数及び光強度変調を受けて、光ファイバ増幅器104によって増幅され、波長分離手段513に送られる。そして、合成種光A54は、波長分離手段513によって、遠距離測定用の第1送信光A56と、中距離測定用の第2送信光A57と、近距離測定用の第3送信光A56〜A58とに分けられる。
第1送信光A56は、第1光サーキュレータ105A及び第1光ファイバ終端部100aを介して、第1コリメータ光学系106Aに伝送される。そして、第1送信光A56は、第1コリメータ光学系106Aによって、略平行化される。これとともに、第1送信光A56は、実施の形態1,2のように、第1コリメータ光学系106Aによって、ビーム径及び集光距離が調整される。なお、調整後の第1送信光A56のビーム径の一例は、200mmであり、調整後の第1送信光A56の集光距離の一例は、2kmである。そして、第1コリメータ光学系106Aを経た第1送信光A56は、波長合成分離手段508に入射される。
一方、第2送信光A57は、第2光サーキュレータ105B及び第2光ファイバ終端部100bを介して、第2コリメータ光学系406Bに伝送される。そして、第2送信光A57は、第2コリメータ光学系406Bによって、略平行化される。これとともに、第2送信光A57は、実施の形態1,2と同様に、第2コリメータ光学系406Bによって、ビーム径及び集光距離が調整される。なお、調整後の第2送信光A57のビーム径の一例は、100mmであり、調整後の第2送信光A57の集光距離の一例は、0.8kmである。そして、第2コリメータ光学系406Bを経た第2送信光A57は、波長合成分離手段508に入射される。
他方、第3送信光A58は、第3光サーキュレータ505C及び第3光ファイバ終端部100cを介して、第3コリメータ光学系406Cに伝送される。そして、第3送信光A58は、第3コリメータ光学系406Cによって、略平行化される。これとともに、第3送信光A58は、実施の形態4を同様に、第3コリメータ光学系406Cによって、ビーム径及び集光距離が調整される。なお、調整後の第3送信光A58のビーム径の一例は、50mmであり、調整後の第3送信光A58の集光距離の一例は、0.5kmである。そして、第3コリメータ光学系406Cを経た第3送信光A58は、波長合成分離手段508に入射される。
波長合成分離手段508に入射された第1〜第3送信光A56〜A58は、波長合成分離手段508によって、1つの送信光に合成されて、望遠鏡109の接眼側に送られる。そして、合成された送信光A56〜A58は、望遠鏡109から大気中の所望の目標へ向けて照射される。
望遠鏡109から大気中に照射された第1〜第3送信光A56〜A58は、実施の形態1,2,4と同様に、観測空間における散乱対象(たとえば風速と同じ速度で移動するエアロゾル)により後方散乱され、散乱対象の移動速度に応じたドップラ周波数シフトを受ける。そして、大気中の散乱対象からの後方散乱光は、望遠鏡109により収集され、波長合成分離手段508へと導かれる。波長合成分離手段508へ導かれた後方散乱光波、波長合成分離手段508によって、波長成分毎に分離され、第1〜第3受信光A59〜A61とされる。
ここで、エアロゾルによる後方散乱は、等方的に生じる。また、後方散乱光におけるエアロゾルの移動に伴うドップラシフトは、波長変化に換算すると無視できる程度に小さい。例えば、波長1.55μmを用いてドップラシフトを観測する場合には、10m/sの移動速度に対するドップラシフトは、約13MHzである。この値を、波長変化の長さに換算すると、約0.1pmである。これに対して、λ1,λ2,λ3の波長間隔は、ドップラシフトによる波長変化の長さよりも十分大きな波長間隔となるように設定されている。なお、λ1,λ2,λ3の波長間隔の一例は、10nm等である。
従って、後方散乱光におけるエアロゾルの移動に伴うドップラシフトが波長変化に換算すると無視できる程度に小さいため、後方散乱光による第1〜第3受信光A59〜A61の波長と、第1〜第3送信光A56〜A58の波長とはほぼ同一である。この結果、第1〜第3受信光A59〜A61は、それぞれ第1〜第3送信光A56〜A58と同一の光路を通る。
そして、第1〜第3受信光A59〜A61は、それぞれ第1〜第3光サーキュレータ105A,105B,505Cによって、第2波長合成手段512Bへ導かれる。第2波長合成手段512Bへ導かれた第1〜第3受信光A59〜A61は、第2波長合成手段512Bによって合成されて、合成受信光A62とされ、光ヘテロダイン受信機210へ送られる。
また、光ヘテロダイン受信機210は、光カプラ502からの合成局部発振光A55を受けて、合成受信光A62と合成局部発振光A55とを混合(ミキシング)して光電変換する。さらに、光ヘテロダイン受信機210は、合成受信光A62の波長λ1,λ2,λ3毎に、差分周波数成分を算出する。そして、光ヘテロダイン受信機210は、算出した差分周波数成分に基づいて、合成受信光A62の波長λ1,λ2,λ3毎に、ビート信号を生成し、そのビート信号を信号処理手段111に送る。信号処理手段111による信号処理については、実施の形態4と同様である。以上によって、実施の形態5の光波レーダ装置では、実施の形態4の光波レーダ装置と同様に、図7に示すような計測特性が得られる。
ここで、実施の形態4の光波レーダ装置では、中距離と近距離との光路分岐に第3光カプラ402Cを用いる構成としていたため、例えば、第3光カプラ402Cに50:50の偏光保持分岐カプラを用いる場合には、第1偏光90度回転手段107Aを経た種光A1のパワーは各々1/2ずつ分配される。一方、第2及び第3コリメータ光学系406B,406Cからのそれぞれの受信光は、第3光カプラ402Cによって1/2に減衰される。これに対して、実施の形態5では、波長合成分離手段508の各波長に対する透過又は反射により、第1〜第3送信光A56〜A58が合成されるとともに、第1〜第3受信光A59〜A61が分離される。このため、理想的には、光路損失は無視できる。従って、光路損失を低減することができ、高感度化及び低消費電力化を図ることができる。
また、実施の形態4の光波レーダ装置では、第1〜第3送信光A56〜A58が合成されて望遠鏡109から所望の目標へ照射されるので、実施の形態1の光波レーダ装置と同様に、望遠鏡の交換をすることなく、視線方向への計測可能範囲を比較的広くすることができるとともに、計測作業の円滑化を図ることができる。
なお、実施の形態5では、基準光の波長が波長λ1〜λ3の3種類であったが、基準光の波長は、光ファイバ増幅器の利得帯域の範囲内であれば、4種類以上であってもよい。この場合、各波長に対してビーム径、焦点距離を段階的に設定することによって、より平坦な距離信号対雑音比SNR特性を実現することが可能となる。この結果、より広範囲の計測可能距離を平坦な計測特性で計測することが可能となる。
また、実施の形態5では、波長合成分離手段508には、波長λ1のみが透過し、波長λ2及び波長λ3が反射するように予め光軸調整された波長フィルタが用いられた。しかしながら、波長合成分離手段508として、波長λ1のみが反射し、波長λ2及び波長λ3がそれぞれ透過する波長フィルタを用いてもよい。
実施の形態6.
実施の形態3では、直列に接続された第1及び第2光ファイバ増幅器304A,304B間に第2光カプラ102Bが介在され、近距離計測用の送信パワーと遠距離計測用の送信パワーとの間に出力差が設定された。これに対して、実施の形態6では、第1及び第2光ファイバ増幅器304A,304B間に第2周波数強度変調器603Bが介在されており、第2周波数強度変調器603Bが、入力されたトリガ信号に応じて、種光A1の出力先を第1及び第2光信号A4,A5の一方に切り替える。
図9は、この発明の実施の形態6による光波レーダ装置を示す構成図である。図9において、実施の形態6の光波レーダ装置は、実施の形態1〜4の周波数強度変調器103及び第2光カプラ102Bに代えて、第1及び第2周波数強度変調器603A,603Bを有している。また、実施の形態6の光波レーダ装置は、駆動信号としてのトリガ信号を発生(生成)するトリガ信号発生器(駆動信号生成手段)614をさらに有している。
第1周波数強度変調器603Aは、トリガ信号発生器614からのトリガ信号のパルス波が入力されたことに応じて、入力された種光を変調して、第1光ファイバ増幅器304Aへ送る。第2周波数強度変調器603Bは、第1及び第2光ファイバ増幅器304A,304B間に介在されている。
また、第2周波数強度変調器603Bは、例えば、音響光学素子(AOM)である。さらに、第2周波数強度変調器603Bは、0次出力ポートと1次出力ポート(1次回折ポート)とを有している。第2周波数強度変調器603Bの0次出力ポートは、第1偏光90度回転手段107Aへの光路に接続されている。第2周波数強度変調器603Bの1次出力ポートは、第2光ファイバ増幅器304Bへの光路に接続されている。
第2周波数強度変調器603Bは、トリガ信号発生器614からのトリガ信号のパルス波が入力されたことに応じて、入力された種光を変調して、第2光ファイバ増幅器304Bへ送る(1次出力ポートから変調後の種光を出力する)。一方、第2周波数強度変調器603Bは、トリガ信号発生器614からのトリガ信号のパルス波が入力されていないときには、入力された種光を変調せずに、第1偏光90度回転手段107Aへ送る(0次出力ポートから種光を出力する)。
ここで、第1周波数強度変調器603Aに対するトリガ信号のパルス波と、第2周波数強度変調器603Bに対するトリガ信号のパルス波とは、互いに同期し、かつ互いに周期が異なっている。第1周波数強度変調器603Aが繰り返し周波数Fのパルス波で駆動される場合、第2周波数強度変調器603Bが繰り返し周波数F/2のパルス波で駆動される。他の構成は、実施の形態1〜3と同様である。
図10は、図9の各機器の信号出力タイミングを示す波形図である。図10(a)は、第1光ファイバ増幅器304Aの出力パワーの時間変化を示す。図10(b)は、第2周波数強度変調器603Bの0次光出力の時間変化を示す。図10(c)は、第2周波数強度変調器603Bの1次光出力の時間変化を示す。図10(d)は、第2光ファイバ増幅器304Bの出力パワーの時間変化を示す。図10(e)は、第2光ヘテロダイン受信機110Bの出力信号の時間変化を示す。図10(f)は、第1光ヘテロダイン受信機110Aの出力信号の時間変化を示す。
図10において、第2光ファイバ増幅器304Bは、図10(c)に示すパルスONの時間に対応する入力光を増幅して、図10(d)に示す出力信号となる。この第2光ファイバ増幅器304Bの出力信号が、遠距離計測用の第1送信光となる。
一方、第2周波数強度変調器603Bの1次光と0次光とは相補的な出力となるため、図10(b),(c)に示すように、1次光出力のパルスOFF期間が0次光出力のON期間となる。従って、図10(b)に示すような1次光出力と同じ周期で半周期ずれたパルス出力となる。この第2周波数強度変調器603Bの0次光出力が近距離計測用の第2送信光となる。
第1光ヘテロダイン受信機110Aでは、図10(f)に示すように、図10(d)の送信光のパルス波の発生と同時刻に、望遠鏡109の内面反射光成分と局部発振光とのビート信号が比較的大きなレベルで出力される。これに続いて、第1光ヘテロダイン受信機110Aでは、大気からの後方散乱光成分のエコー(即ち受信光)と局部発振光とのビート信号が出力される。
この大気エコー信号を信号処理手段111が周波数解析することによって風速検出が行われる。また、送信光のパルス波が発生してから、所望の目標である大気エコー成分までの遅延時間が大きくなるほど遠方からの信号を意味する。即ち、パルス波の繰り返し周期が長いほど、信号処理できる風速計測距離の範囲が大きくなる。従って、実施の形態6では、第1光ヘテロダイン受信機110Aが、第1光ファイバ増幅器304Aの出力光の繰り返し周期の2倍の周期で観測することになるため、信号処理可能な風速計測距離の範囲を、実施の形態3の光波レーダ装置に比べて、2倍に拡大することができる。
第2光ヘテロダイン受信機110Bでは、図10(e)に示すように、図10(b)の送信光のパルス波の発生と同時刻に、望遠鏡109の内面反射光成分と局部発振光とのビート信号が比較的大きなレベルで出力される。これに続いて、第2光ヘテロダイン受信機110Bでは、大気からの後方散乱光成分のエコー(即ち受信光)と局部発振光とのビート信号が出力される。従って、第2光ヘテロダイン受信機110Bの信号処理可能な風速計測距離の範囲は、第1光ヘテロダイン受信機110Aと同等となる。
上記のような光波レーダ装置では、第1光ファイバ増幅器304AのパルスOFF期間に発生した自然放出光成分を第2周波数強度変調器603Bにより抑圧することが可能となる。この結果、第1光ファイバ増幅器304Aの自然放出光成分が第2光ファイバ増幅器304Bの入力される前に遮断される。このため、第2光ファイバ増幅器304Bの励起エネルギーが第1光ファイバ増幅器304Aの自然放出光の増幅のために奪われることなく、自然放出光による増幅効率の低下を抑えることができる。従って、自然放出光による雑音成分を抑制することができる。
なお、実施の形態6では、実施の形態1と同様に、第1及び第2光ヘテロダイン受信機110A,110Bを用いて検波していたが、実施の形態2のように単一の光ヘテロダイン受信機210を用いて検波してもよい。
実施の形態7.
実施の形態1〜6の光波レーダ装置は、図14に示すような従来の光波レーダ装置よりも、測定可能範囲を拡大させるものであった。これに対して、実施の形態7の光波レーダ装置は、測定可能範囲を所望の範囲に変化させるものである。
図11は、この発明の実施の形態7による光波レーダ装置を示す構成図である。この図11において、実施の形態7の光波レーダ装置の一連の光路は、光ファイバ(図の太実線)によって形成されている。この光ファイバは、光ファイバ終端部700aを有している。また、実施の形態7の光波レーダ装置は、基準光源(基準光源部)701、光カプラ(光路分岐手段)702、周波数強度変調器(増幅変調手段)703、光ファイバ増幅器(光ファイバ増幅手段)704、光サーキュレータ705、望遠鏡(送受信光学系)706、光ヘテロダイン受信機(光ヘテロダイン受信部)707及び信号処理手段708を有している。
基準光源701は、単一波長のレーザ光である基準光を発振する。基準光源701からの基準光の光路は、光カプラ702によって、2つの光路に分岐されている。光カプラ702からの2つの光路のうちの一方は、周波数強度変調器703に接続されている。また、光カプラ702からの2つの光路のうちの他方は、光ヘテロダイン受信機707に接続されている。光カプラ702からの基準光は、局部発振光として光ヘテロダイン受信機707に送られる。
また、光カプラ702からの基準光は、種光として周波数強度変調器703に送られる。周波数強度変調器703は、種光の光強度及び周波数を変調し、変調後の種光を光ファイバ増幅器704へ送る。光ファイバ増幅器704は、周波数強度変調器703から受けた種光を所定のピークパワーまで光増幅する。そして、光ファイバ増幅器704は、その増幅後の種光を送信光として、光サーキュレータ705及び光ファイバ終端部700aを介して望遠鏡706へ送る。
ここで、光ファイバに偏光保持シングルモードファイバを用いて、送信光の高ピーク出力をさせる場合には、ファイバ内で誘導ブリルアン散乱(以下、SBS)による後方散乱が誘起される。このため、光ファイバ増幅器704による出力ピークパワーは、SBSが発生する閾値以下に設定する。一般的に、風計測光波レーダ装置に使用する0.1〜1μsecのパルス幅に対してSBSが発生する閾値は、10〜20W程度である。
望遠鏡706は、光ファイバ終端部700aに接続されている。また、望遠鏡706は、送信光の集光距離と出射ビーム口径とを独立して調整可能となっており、かつ送受信同軸となっている。さらに、望遠鏡706は、光ファイバ終端部700aからの送信光を空中の所望の目標へ向けて照射する。また、望遠鏡706は、空中へ照射された送信光がエアロゾル等に当たってなる後方散乱光を収集し、その後方散乱光を受信光として受ける。
望遠鏡706によって収集された後方散乱光は、光ファイバ終端部700aから、光サーキュレータ705を介して、光ヘテロダイン受信機707に伝わる。光ヘテロダイン受信機707は、光カプラ702からの局部発振光と、望遠鏡706からの受信光とを光学的に合成し、光電変換する。そして、光ヘテロダイン受信機707は、後方散乱光と局部発振光との差分周波数成分の光強度に応じた電気信号を、ビート信号として生成する。
信号処理手段708は、光ヘテロダイン受信機707からの差分周波数のビート信号を受けて、そのビート信号をAD変換して時系列信号を取得する。そして、信号処理手段708は、その時系列信号を、時間ゲート毎にフーリエ変換して、パワースペクトルを算出し、そのパワースペクトルに基づいて、所望の目標の風速等を計測する。
ここで、望遠鏡706は、送信光の集光距離を調整するための集光距離駆動機構710と、送信光の出射ビーム口径を調整するためのビーム径調整機構711とを有している。集光距離駆動機構710及びビーム径調整機構711は、それぞれ駆動部(例えばモータ、電磁石等のアクチュエータ)を含んでいる。集光距離駆動機構710の駆動部は、信号処理手段708からの制御信号の制御指令値に応じて、送信光の集光距離を調整する。集光距離駆動機構710及びビーム径調整機構711の駆動部は、信号処理手段708からの制御信号の制御指令値に応じて、送信光の出射ビーム口径を調整する。
次に、実施の形態7の望遠鏡706について具体的に説明する。図12は、図11の望遠鏡706を具体的に示す構成図である。図12(a)は、小口径・アフォーカル状態の望遠鏡706を示す。また、図12(b)は、大口径・アフォーカル状態の望遠鏡706を示す。図12(c)は、大口径・集光状態の望遠鏡706を示す。
図12において、望遠鏡706は、コリメータ光学系720、第1凹レンズ721、第1凸レンズ722、第2凹レンズ723及び第2凸レンズ724を有している。コリメータ光学系720は、光ファイバ終端部700aに接続されている。第1凹レンズ721、第1凸レンズ722、第2凹レンズ723及び第2凸レンズ724は、アフォーカル光学系を構成している。なお、図12における符号725は、望遠鏡706の対物側、即ち第2凸レンズ724の対物側から平行光が入射された場合の集光点を示す。
光ファイバ終端部700aから出力された送信光は、点基準光源として扱うことができ、この点基準光源と集光点725とが結像関係となるように、コリメータ光学系720と第1凹レンズ721と第1凸レンズ722との光学配置が調整される。
いま、第1凸レンズ722の焦点距離をF'とし、光ファイバ終端部700aから集光点725までの距離をLとしたとき、第1凸レンズ722の集光点725からの距離を(10)式及び(11)式で示すLfar,Lnearの値に設定した場合に結像関係を満足する。
Figure 2010127918
Figure 2010127918
また、上記の(10)式に対応する結像倍率Mfarは、幾何光学により、次の(12)式で与えられる。
Figure 2010127918
さらに、上記の(11)式に対応する結像倍率Mnearは、幾何光学により、次の(13)式で与えられる。
Figure 2010127918
ここで、例えば、L=100mmの結像距離を焦点距離F'=22.2mmの第1凸レンズ722で実現する場合、第1凸レンズ722の集光点725からの距離を(10)式で表されるLfar=66.67mmに調整した際には、結像倍率は、(12)式より、Mfar=2となる。
また、L=100mmの結像距離を同じ焦点距離F'=22.2mmの第1凸レンズ722で実現する場合、第1凸レンズ722の集光点725からの距離を(11)式で表されるLnear=33.33mmの位置に調整した際には、結像倍率は、(13)式により、Mnear=0.5となる。
いま、第2凹レンズ723と第2凸レンズ724とによって決まる結像倍率をM=10となるように設計した場合のアフォーカル光学系の合成倍率は、第1凸レンズ722の集光点725からの距離をLfar=66.67mmに調整した際には、M×Mfar=10×2=20となる。一方、第1凸レンズ722の集光点725からの距離をLnear=33.33mmに調整した場合のアフォーカル光学系の合成倍率はM×Mnear=10×0.5=5となる。
従って、コリメータ光学系720の焦点距離を選択することにより、コリメータ光学系720の出射開口で、例えばビーム径を10mmで略平行化する場合には、第1凸レンズ722の位置調整をすることによって、望遠鏡706の出射開口での送信光のビーム径を変化させることができる。
具体的に、図12(b)に示すように、第1凸レンズ722の集光点725からの距離をLfar=66.67mmに調整した場合には、ビーム径を200mmに設定でき、遠距離計測用のビーム径として用いることができる。
これに対して、図12(a)に示すように、第1凸レンズ722の集光点725からの距離をLnear=33.33mmに調整した場合には、ビーム径を50mmに設定でき、近距離計測用のビーム径として用いることができる。
また、図12(c)に示すように、光ファイバ終端部700aとコリメータ光学系720との間の間隔を、完全コリメート状態(集光距離無限大)のときの間隔から広げることより、送信光の集光距離を近傍(望遠鏡706側)へずらすことができる。
従って、実施の形態7の光波レーダ装置では、図12に示す望遠鏡706の内部構造を用いて、第1凸レンズ722の位置調整と、光ファイバ終端部700a及びコリメータ光学系720間の間隔調整により、送受信光学系を交換することなく送信光のビーム径及び集光距離を、所望の距離範囲(計測したい距離範囲)に応じて変化させることができる。
次に、信号処理手段708に予め登録されている等高線マップについて説明する。図13は、図12の信号処理手段708に登録されている等高線マップの一例を示す説明図である。図13の等高線マップは、風速計測における信号対雑音比SNRの計測距離及び有効開口径依存性を、先の(1)式に基づいて算出されたものである。また、図13の等高線マップは、信号対雑音比SNR閾値以上をとる計測距離が広いほど計測可能範囲が広いことを示している。
図13(a)は、集光距離0.5kmの場合の等高線マップを示し、図13(b)は、集光距離1kmの場合の等高線マップを示す。例えば、0kmから1kmまでの計測距離を計測可能範囲とし、比較的高い信号対雑音比SNRのマージンで計測したい場合には、図13(a)に示すように、集光距離0.5km及び有効開口径(ビーム径)60mmの組み合わせが最適であることがわかる。これに対して、0kmから1.4kmまでの計測距離を計測可能範囲とし、比較的広範囲に渡って計測したい場合には、図13(b)に示すように、集光距離1km及び有効開口径(ビーム径)100mmの組み合わせが最適であることがわかる。
従って、図13に示すような等高線マップを複数の集光距離に対して予め計算し、参照データとして信号処理手段708に予め登録しておくことによって、集光距離と有効開口径(ビーム径)との最適な組み合わせを高速(即時的)に集光距離駆動機構710及びビーム径調整機構711の駆動部に出力して、送信光の集光距離及び有効開口径(ビーム径)を調整することができる。
以上の方法で得られた集光距離と有効開口径(ビーム径)との最適値を信号処理手段708から、集光距離駆動機構710とビーム径調整機構711とに出力して制御することにより、計測したい風速の最大計測距離に応じて計測可能範囲を最大にすることができ、最適な望遠鏡706のセッティングで計測を行うことができる。
上記のような光波レーダ装置では、図14に示すような従来の光波レーダ装置のような望遠鏡1006,1007を交換することなく、最適な望遠鏡706のセッティングで計測を行うことができる。このため、望遠鏡1006,1007の交換の手間がなくなるだけでなく、交換用の望遠鏡1006,1007を準備する必要がなくなり、システム全体の低価格化、及び軽量化を図ることができる。
さらに、図14に示すような従来の光波レーダ装置のような望遠鏡1006,1007の交換に伴う観測空間への指向の再調整の時間が不要になる。従って、送信光の集光距離及び有効開口径(ビーム径)の調整を経ることによって、望遠鏡の交換をすることなく、視線方向への計測可能範囲を比較的広くすることができるとともに、計測作業の円滑化を図ることができる。
なお、実施の形態7では、送受信光学系の調整を集光距離駆動機構710とビーム径調整機構711とで電気的に制御することを前提として説明したが、設定変更に高速性が要求されない場合には、上記の2種類の調整点を、図13で算出した等高線マップを参照して手動で調整してもよい。この場合、集光距離駆動機構710とビーム径調整機構711とが不要となり、機器構成の簡素化による低価格化、軽量化を図ることができる。
また、実施の形態7では、ビーム径の調整のための光学系の調整点として第1凸レンズ722の位置のみとしたため、2種類のビーム径の設定となっている。しかしながら、第1凸レンズ722の位置に加えて、第1凹レンズ721の位置も同時に調整することにより、送信光のビーム径を3種類以上のビーム径に設定可能となる。
この発明の実施の形態1による光波レーダ装置を示す構成図である。 図1の光波レーダ装置の計測特性を示すグラフである。 この発明の実施の形態2による光波レーダ装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態3による光波レーダ装置を示す構成図である。 図4の光波レーダ装置の計測特性を示すグラフである。 この発明の実施の形態4による光波レーダ装置を示す構成図である。 図6の光波レーダ装置の計測特性を示すグラフである。 この発明の実施の形態5による光波レーダ装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態6による光波レーダ装置を示す構成図である。 図9の各機器の信号出力タイミングを示す波形図である。 この発明の実施の形態7による光波レーダ装置を示す構成図である。 図11の望遠鏡を具体的に示す構成図である。 図12の信号処理手段に登録された等高線マップの一例を示す説明図である。 特許文献1に示すような従来の光波レーダ装置を示す構成図である。 図14の従来の光波レーダ装置による大口径望遠鏡使用時及び小口径望遠鏡使用時の計測特性を示すグラフである。
符号の説明
101 基準光源(基準光源部)、102A 第1光カプラ(光路分岐手段)、102B 第2光カプラ(光路分岐手段)、103 周波数強度変調器(周波数強度変調手段)、104 光ファイバ増幅器(光ファイバ増幅手段)、105A 第1光サーキュレータ、105B 第2光サーキュレータ、106A 第1コリメータ光学系、106B 第2コリメータ光学系、107A 第1偏光90度回転手段、107B 第2偏光90度回転手段、108 偏光合成分離手段(光合成手段)、109 望遠鏡(送受信光学系)、110A 第1光ヘテロダイン受信機(光ヘテロダイン受信部)、110B 第2光ヘテロダイン受信機(光ヘテロダイン受信部)、111 信号処理手段、208A 第1偏光合成手段、208B 第2偏光合成手段、210 光ヘテロダイン受信機(光ヘテロダイン受信部)、304A 第1光ファイバ増幅器(第1光ファイバ増幅手段)、304B 第2光ファイバ増幅器(第2光ファイバ増幅手段)、402C 第3光カプラ(中近合成分離用光カプラ)、406B 第2コリメータ光学系、406C 第3コリメータ光学系、501A 第1基準光源(基準光源部)、501B 第2基準光源(基準光源部)、501C 第3基準光源(基準光源部)、502 光カプラ(光路分岐手段)、505C 第3光サーキュレータ、508 波長合成分離手段、512A 第1波長合成手段(基準光合成手段)、512B 第2波長合成手段(受信光合成手段)、513 波長分離手段、603A 第1周波数強度変調器(第1周波数強度変調手段)、603B 第2周波数強度変調器(第2周波数強度変調手段)、614 トリガ信号発生器(駆動信号生成手段)、701 基準光源、702 光カプラ(光路分岐手段)、703 周波数強度変調器(周波数強度変調手段)、704 光ファイバ増幅器(光ファイバ増幅手段)、705 光サーキュレータ、706 望遠鏡(送受信光学系)、707 光ヘテロダイン受信機(光ヘテロダイン受信部)、708 号処理手段、710 集光距離駆動機構、711 ビーム径調整機構、720 コリメータ光学系、721 第1凹レンズ、722 第1凸レンズ、723 第2凹レンズ、724 第2凹レンズ。

Claims (11)

  1. 単一周波数でかつ直線偏光の基準光を発振する基準光源部を有し、前記基準光から複数の送信光と複数の局部発振光とを生成する光信号生成部と、
    前記複数の送信光のそれぞれの光軸を略平行化するとともに、それらの複数の送信光のそれぞれのビーム径及び集光距離を調整可能な複数のコリメータ光学系と、
    前記複数のコリメータ光学系からの前記複数の送信光を合成する光合成手段と、
    前記光合成手段から受けた複数の送信光を所望の目標へ向けて照射し、前記目標からの複数の散乱光を複数の受信光として受ける送受信同軸の送受信光学系と、
    前記送受信光学系からの前記複数の受信光と、前記信号生成部からの前記複数の局部発振光とを受けて、ヘテロダイン検波により、前記複数の受信光のそれぞれについて、前記局部発振光との差分周波数成分の光強度に応じた電気信号を生成する光ヘテロダイン受信部と、
    前記光ヘテロダイン受信部から受けた電気信号に基づいて、前記目標の情報を抽出する信号処理手段と
    を備えることを特徴とする光波レーダ装置。
  2. 前記光信号生成部と前記複数のコリメータ光学系との間の光路、前記複数のコリメータ光学系と前記送受信光学系との間の光路、前記送受信光学系と前記光ヘテロダイン受信部との間の光路、及び前記光信号生成部と光ヘテロダイン受信部との間の光路をそれぞれ形成する偏光保持型の光ファイバ
    をさらに備え、
    前記光信号生成部は、前記複数の送信光のそれぞれの偏光状態を直交関係となる直線偏光として生成するとともに、前記複数の局部発振光のそれぞれの偏光状態を直交関係となる直線偏光として生成する
    ことを特徴とする請求項1記載の光波レーダ装置。
  3. 前記複数の受信光の直線偏光成分を偏光合成するための第1偏光合成手段と、
    前記複数の局部発振光の直線偏光成分を偏光合成するための第2偏光合成手段と
    をさらに備え、
    前記光ヘテロダイン受信部は、偏光合成された前記複数の受信光の直線偏光成分について、偏光合成された前記複数の局部発振光の直線偏光成分との差分周波数成分の強度に応じた電気信号を生成する
    ことを特徴とする請求項2記載の光波レーダ装置。
  4. 前記光信号生成部は、
    前記基準光の周波数及び光強度を変調する周波数強度変調手段と、
    前記周波数強度変調手段によって変調された前記基準光を増幅して前記送信光とする第1光ファイバ増幅手段と、
    前記第1光ファイバ増幅手段に直列に接続され、前記送信光をさらに増幅する第2光ファイバ増幅手段と、
    前記第1及び第2光ファイバ増幅手段間に介在され、前記第1光ファイバ増幅手段からの前記送信光の光路を分岐させて前記複数の送信光とする光路分岐手段と
    を有している
    ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の光波レーダ装置。
  5. 前記複数のコリメータ光学系は、第1コリメータ光学系、第2コリメータ光学系及び第3コリメータ光学系であり、
    前記第1コリメータ光学系は、前記複数の送信光のうち一部の送信光のビーム径を前記送受信光学系の対物側有効開口径と一致するように調整し、調整した前記送信光を遠距離計測用の送信光として前記送受信光学系に送り、
    前記第2コリメータ光学系は、前記複数の送信光のうち一部の送信光のビーム径を前記送受信光学系の対物側有効開口径よりも小さくなるように調整し、調整した前記送信光を中距離計測用の送信光として前記送受信光学系に送り、
    前記第3コリメータ光学系は、前記複数の送信光のうち一部の送信光のビーム径を前記送受信光学系の対物側有効開口径よりも小さくなるように調整し、調整した前記送信光を近距離計測用の送信光として前記送受信光学系に送り、
    前記第2及び第3コリメータ光学系は、前記近距離計測用送信光の光軸、及び前記中距離計測用送信光の光軸を、互いに平行で、かつ前記送受信光学系の対物面で重ならないようにずらす
    ことを特徴とする請求項1記載の光波レーダ装置。
  6. 前記光信号生成部と前記複数のコリメータ光学系との間の光路、前記複数のコリメータ光学系と前記送受信光学系との間の光路、前記送受信光学系と前記光ヘテロダイン受信部との間の光路、及び前記光信号生成部と光ヘテロダイン受信部との間の光路をそれぞれ形成する偏光保持型の光ファイバ
    をさらに備え、
    前記光信号生成部は、
    前記複数の送信光のそれぞれの偏光状態を直交関係となる直線偏光として生成するとともに、前記複数の局部発振光のそれぞれの偏光状態を直交関係となる直線偏光として生成し、
    前記複数の送信光を前記第2コリメータ光学系及び前記第3コリメータ光学系に分岐して送るとともに、前記第2コリメータ光学系及び前記第3コリメータ光学系からの複数の受信光を合成する中近合成分離用光カプラを有しており、
    前記光合成手段は、前記第1コリメータ光学系と前記第2及び第3コリメータ光学系とのそれぞれから入力された前記複数の送信光の直線偏光光成分を合成するとともに分離する偏向合成分離手段である
    ことを特徴とする請求項5記載の光波レーダ装置。
  7. 単一周波数でかつ直線偏光の基準光をそれぞれ異なる波長で発振する複数の基準光源部と、前記複数の基準光源部からの前記複数の基準光を合成する基準光合成手段と、前記基準光合成手段によって合成された前記基準光を合成種光と合成局部発振光とに分ける光路分岐手段と、前記光路分岐手段を経た前記合成種光を強度変調するとともに増幅する変調増幅手段と、前記変調増幅手段を経た前記合成種光を波長毎に分離して複数の送信光を生成する波長分離手段とを有する光信号生成部と、
    前記複数の送信光のそれぞれの光軸を略平行化するとともに、それらの複数の送信光のそれぞれのビーム径及び集光距離を調整可能な複数のコリメータ光学系と、
    前記複数のコリメータ光学系からの前記複数の送信光を合成して合成送信光とする光合成手段と、
    前記光合成手段からの前記合成送信光を所望の目標へ向けて照射し、前記目標からの複数の散乱光を複数の受信光として受ける送受信同軸の送受信光学系と、
    前記送受信光学系からの前記複数の受信光を合成する受信光合成手段と、
    前記受信光合成手段によって合成された前記受信光と、前記光路分岐手段を経た前記合成局部発振光とを受けて、ヘテロダイン検波により、前記複数の受信光のそれぞれについて、前記局部発振光との差分周波数成分の強度に応じた電気信号を生成する光ヘテロダイン受信部と、
    前記光ヘテロダイン受信部から受けた電気信号に基づいて、前記目標の情報を抽出する信号処理手段と
    を備えることを特徴とする光波レーダ装置。
  8. 前記光信号生成部は、
    前記第1光ファイバ増幅手段の前段に設けられ、外部から第1駆動信号を受けた場合に、前記第1光ファイバ増幅手段へ前記送信光の周波数及び強度を変調して送る第1周波数強度変調手段と、
    前記送信光分岐手段に代えて前記第1及び第2光ファイバ増幅手段間に介在され、0次出力端及び1次出力端を有し、外部から第2駆動信号を受けていない場合に、前記複数のコリメータ光学系のうちの一部に前記第1光ファイバ増幅手段からの前記送信光を前記0次出力端から送り、外部から前記第2駆動信号を受けた場合に、前記複数のコリメータ光学系のうちの残りに前記第1光ファイバ増幅手段からの前記送信光の周波数及び強度を変調して前記1次出力端から送る第2周波数強度変調手段と、
    前記第1周波数強度変調手段への前記第1駆動信号を所定周期で生成するとともに、前記第2周波数強度変調手段への前記第2駆動信号を前記所定周期の半分の周期で、前記第1駆動信号に同期して生成する駆動信号生成手段
    ことを特徴とする請求項4記載の光波レーダ装置。
  9. 単一周波数でかつ直線偏光の基準光を発振する基準光源部を有し、前記基準光から送信光と局部発振光とを生成する光信号生成部と、
    前記光信号生成部から受けた前記送信光を所望の目標へ向けて照射し、前記目標からの散乱光を受信光として受ける送受信同軸の送受信光学系と、
    前記送受信光学系からの前記受信光と、前記信号生成部からの前記局部発振光とを受けて、ヘテロダイン検波により、前記受信光について、前記局部発振光との差分周波数成分の強度に応じた電気信号を生成する光ヘテロダイン受信部と、
    前記光ヘテロダイン受信部から受けた電気信号に基づいて、前記目標の情報を抽出する信号処理手段と
    を備え
    前記送受信光学系は、
    前記送信光の集光距離を調整するための集光距離調整機構と、
    前記送信光のビーム径を調整するためのビーム径調整機構と
    を有している
    ことを特徴とする光波レーダ装置。
  10. 前記送受信光学系は、
    前記光信号生成部から受けた前記送信光を略平行化するコリメータ光学系と、
    第1及び第2凸レンズと、第1及び第2凹レンズとを含み、前記コメリータ光学系から受けた前記送信光を所望の目標へ向けて照射するアフォーカル光学系と
    を有しており、
    前記コリメータ光学系のレンズ間隔調整により前記送信光の集光距離を調整可能となっており、
    前記アフォーカル光学系の前記第1凸レンズの位置調整により前記送信光のビーム径を調整可能となっている
    ことを特徴とする請求項9記載の光波レーダ装置。
  11. 前記信号処理手段は、
    ドップラスペクトルの信号対雑音比の計測距離と前記送受信光学系の有効開口径との依存性を前記送受信光学系の集光距離に対して算出した等高線マップを予め記憶しており、
    前記等高線マップに基づいて、前記送受信光学系の有効開口径と集光距離とのパラメータの組合せを算出し、前記ビーム径調整機構及び前記集光距離調整機構の駆動を制御する
    ことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の光波レーダ装置。
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