JP2010127192A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】静粛性及び耐久性の向上と共に省エネルギー化を図るバルブタイミング調整装置の提供。
【解決手段】電動モータ4の回転状態に応じた回転体間位相として駆動回転体10に対する従動回転体20の相対位相を調整する位相調整機構8と、従動回転体20に設けられ、電動モータ4への通電停止時に、駆動回転体10に対して遅角方向Rに当接することにより回転体間位相を遅角方向Rの最端位相に規制する位相ストッパ90と、回転体間位相を規制する規制条件が成立した場合に電動モータ4への通電を停止する規制制御モードを実行し、当該規制制御モードにおいてカム軸2から従動回転体20に伝達されるカムトルクの変動方向が遅角方向Rの反対方向Aとなる毎に、従動回転体20を遅角方向Rに制動する回転状態を電動モータ4に与えるようにして電動モータ4への通電を再開する通電制御ユニット6と、を設ける。
【選択図】図11

Description

本発明は、内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置に関する。
従来、クランク軸及びカム軸とそれぞれ連動して回転する駆動回転体及び従動回転体を有する位相調整機構により、電動モータの回転状態に応じた回転体間位相として駆動回転体に対する従動回転体の相対位相を調整するバルブタイミング調整装置が知られている。
こうしたバルブタイミング調整装置の一種として特許文献1には、従動回転体に設けた位相ストッパを駆動回転体に対して当接させることにより、回転体間位相を最端位相に規制する装置が開示されている。ここで、特に特許文献1に開示の装置では、電動モータへの通電が停止されるとき、駆動回転体に対して位相ストッパを遅角方向に当接させて回転体間位相を当該遅角方向の最端位相に規制するようにしている。
特開2008−95550号公報
さて、特許文献1に開示の装置では、回転体間位相を遅角方向の最端位相に規制する際には、電動モータへの通電を停止することで、従動回転体の位相ストッパを駆動回転体に当接させることが可能となっている。これは、異常により電動モータへの通電が停止したとしても、回転体間位相を遅角方向の最端位相に機械的に変化させて内燃機関の始動を許容し得るように、位相調整機構が構成されていることによる。このように電動モータへの通電が停止されることによれば、消費電力が抑えられるのみならず、当該通電を制御する回路の発熱も抑えられるので、省エネルギー性及び電気的な耐久性の向上に繋がるのである。
しかしながら、電動モータへの通電が停止される場合、カム軸から従動回転体に伝達されるカムトルクの交番変動(図13参照)に従って、位相ストッパが駆動回転体に対して進角方向への離間(図13参照)及び遅角方向への衝突を繰り返すおそれがある。ここで、位相ストッパの駆動回転体への衝突は、異音を発生させるのみならず、それら衝突要素の破損を招来して、静粛性及び機械的な耐久性を低下させる要因となるため、望ましくない。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、静粛性及び耐久性の向上と共に省エネルギー化を図るバルブタイミング調整装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、通電により回転する電動モータと、クランク軸及び前記カム軸とそれぞれ連動して回転する駆動回転体及び従動回転体を有し、電動モータの回転状態に応じた回転体間位相として駆動回転体に対する従動回転体の相対位相を調整する位相調整機構と、従動回転体に設けられ、電動モータへの通電(以下、解決手段の欄では「モータ通電」という)が停止されるとき、駆動回転体に対して遅角方向又は進角方向であるストッパ方向に当接することにより回転体間位相を当該ストッパ方向の最端位相に規制する位相ストッパと、回転体間位相を規制する規制条件が成立した場合にモータ通電を停止する規制制御モードを実行し、当該規制制御モードにおいてカム軸から従動回転体に伝達されるカムトルクの変動方向がストッパ方向の反対方向となる毎に、従動回転体をストッパ方向に制動する回転状態を電動モータに与えるようにしてモータ通電を再開する通電制御ユニットと、を備えることを特徴とする。
このような発明によると、回転体間位相の規制条件が成立した場合に実行される規制制御モードでは、通電制御ユニットがモータ通電を停止することにより、従動回転体の位相ストッパが駆動回転体に対して遅角方向又は進角方向であるストッパ方向に当接する。これにより、消費電力及び通電制御ユニットの発熱を抑えた状態で、回転体間位相をストッパ方向の最端位相に規制し得るのである。
但し、請求項1に記載の発明の規制制御モードでは、カムトルクの変動方向がストッパ方向の反対方向となる毎に、従動回転体をストッパ方向に制動する回転状態を電動モータに与えるようにしてモータ通電が再開される。このモータ通電の再開によってストッパ方向に制動される従動回転体の位相ストッパは、駆動回転体から当該ストッパ方向の反対方向には離間し難くなる。したがって、カムトルクの変動方向がストッパ方向の反対方向から変化するときには、駆動回転体に対する位相ストッパのストッパ方向への衝突荷重が低減されて、異音の発生並びに位相ストッパ及び駆動回転体の破損が抑えられるのである。
以上、請求項1に記載の発明の規制制御モードによれば、モータ通電の再開は異音の発生及び破損を抑える上での必要時に限定されることになるので、静粛性及び耐久性の向上と共に省エネルギー化を図ることが可能である。
請求項2に記載の発明によると、通電制御ユニットは、内燃機関の回転状態を検出する検出手段と、内燃機関の回転状態及びカムトルク間の相関情報が予め記憶される記憶手段と、検出手段により検出された回転状態並びに記憶手段に記憶された相関情報に基づき、規制制御モードにおけるモータ通電の再開時期を設定する時期設定手段と、を有する。このような発明では、検出された内燃機関の実際の回転状態と、予め記憶された内燃機関の回転状態及びカムトルク間の相関情報とに基づき、規制制御モードにおけるモータ通電の再開時期が設定されるので、当該再開時期を異音の発生及び破損を抑える上での適時に限定し得る。これによれば、静粛性及び耐久性の向上効果と共に省エネルギー化効果を、適確に発揮させることができるのである。
請求項3に記載の発明によると、検出手段は、内燃機関の回転状態として内燃機関の回転角を検出し、記憶手段は、モータ通電の再開が必要なカムトルクである再開トルクと、当該再開トルクが発生する回転角である再開角との間の相関情報を記憶し、規制制御モードにおいて時期設定手段は、検出手段により検出された回転角が、記憶手段に記憶された相関情報の再開角に到達する毎に、モータ通電の再開時期を設定する。このような発明の規制制御モードにおいてモータ通電の再開時期の設定は、内燃機関の回転角について、モータ通電の再開が必要なカムトルクである再開トルクを発生させる再開角に到達する毎となる。ここで、再開トルクが発生する再開角への回転角の到達は、予め記憶の再開トルク及び再開角間の相関情報と、内燃機関の実際の回転状態として検出の回転角とに基づくことで、正確に判定することができる。これによれば、規制制御モードのうちモータ通電を再開させる時期の適時性を高めて、静粛性及び耐久性の向上効果と省エネルギー化効果との適確な発揮を確固たるものとなし得るのである。
請求項4に記載の発明によると、規制制御モードにおいて通電制御ユニットは、カムトルクの変動方向がストッパ方向から反対方向に変化するときにモータ通電を再開し、カムトルクの変動方向が当該反対方向からストッパ方向に変化するときに、再開したモータ通電を停止する。このような発明の規制制御モードでは、カムトルクの変動方向がストッパ方向から反対方向へ変化するときに再開されたモータ通電は、当該変動方向が再びストッパ方向へ変化するときに停止することとなる。これによれば、カムトルクの変動方向がストッパ方向の反対方向に変化することで、位相ストッパが駆動回転体から当該反対方向に離間する蓋然性のある間は、モータ通電が継続されて異音の発生及び破損が確実に抑えられ得る。したがって、静粛性及び耐久性の向上効果を高めることができるのである。
請求項5に記載の発明によると、規制制御モードにおいて通電制御ユニットは、変動方向がストッパ方向の反対方向となったカムトルクの変動レベルについて0よりも大きな設定レベルを超えるときにモータ通電を再開し、変動方向がストッパ方向の反対方向となったカムトルクの変動レベルについて当該設定レベルを下回るときに、再開したモータ通電を停止する。このような発明の規制制御モードでは、変動方向がストッパ方向の反対方向となったカムトルクの変動レベルについて、0よりも大きな設定レベルを超えるときと下回るときとで、それぞれモータ通電の再開と停止とが実現される。これによれば、変動方向がストッパ方向の反対方向となったカムトルクについて、大きな変動レベルにより駆動回転体から位相ストッパを当該反対方向に離間させる蓋然性の高くなる時期に、モータ通電の再開時期が限定されることになる。したがって、規制制御モードのうちモータ通電の停止時間を可及的に長くして消費電力及び通電制御ユニットの発熱を抑えることにより、省エネルギー化効果と耐久性の向上効果とを高めることができるのである。
請求項6に記載の発明によると、位相調整機構は、位相ストッパと、位相ストッパよりもストッパ方向における駆動回転体との間に潤滑液を導入するための導入経路を有する。この発明の位相調整機構では、位相ストッパとストッパ方向の駆動回転体との間に潤滑液が導入経路を通じて導入されることで、位相ストッパが駆動回転体に当接するときの衝撃が当該導入潤滑液により緩和され得る。これによれば、ストッパ方向とは反対方向のカムトルクについて変動レベルが設定レベルを下回ってモータ通電が停止することにより、位相ストッパが駆動回転体から当該反対方向に離間したとしても、駆動回転体に対する位相ストッパのストッパ方向への衝突荷重を低減し得る。したがって、規制制御モードのうちモータ通電の停止時間を長くしたことに起因する異音の発生及び破損を抑えて、静粛性及び耐久性の向上効果を高めることができるのである。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づき説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置1を示している。バルブタイミング調整装置1は車両に搭載され、内燃機関のクランク軸(図示しない)からカム軸2に機関トルクを伝達する伝達系に設置されている。尚、本実施形態においてカム軸2は、内燃機関の「動弁」のうち吸気弁(図示しない)を開閉するものであり、バルブタイミング調整装置1は当該吸気弁のバルブタイミングを調整する。
(基本部分)
以下、バルブタイミング調整装置1の基本部分について説明する。バルブタイミング調整装置1は、電動モータ4、通電制御ユニット6及び位相調整機構8等を組み合わせてなり、後述する回転体間位相の調整により最適なバルブタイミングを実現する。
図1,2に示すように電動モータ4は、ブラシレスの永久磁石型同期モータであり、モータケース100、一対の軸受101、モータ軸102及びモータステータ103を備えている。
全体として中空形状のモータケース100は、内燃機関の固定節(例えばチェーンケース)に取付けられる。モータ軸102の軸本体104は、モータケース100の内部に収容固定された各軸受101により、正逆回転可能に支持されている。また、モータ軸102のロータ部105は磁性材により形成され、軸本体104から外周側に突出する円環板状を呈している。ロータ部105には、モータ軸102の回転方向に等間隔に並ぶ複数の永久磁石106が設けられており、それら各永久磁石106がモータ軸102と共に正逆回転可能となっている。回転方向において隣り合う永久磁石106同士は、相反極性の磁極をロータ部105の外周側に形成している。モータステータ103はロータ部105の外周側に同心上に配置されて、モータケース100の内部に収容固定されている。モータステータ103は、ステータコア108及びステータコイル109を有している。ステータコア108は、金属片を積層して形成されおり、モータ軸102の回転方向に等間隔に複数設けられている。ステータコイル109は、各ステータコア108に個別に巻装されている。
図1に示すように通電制御ユニット6は、電動モータ4の各ステータコイル109に電気接続されており、それらステータコイル109への通電を内燃機関の運転状態に応じて制御する。この通電制御を受けて電動モータ4は、各永久磁石106に作用する磁界を各ステータコイル109の励磁により発生することで、モータ軸102を図2の時計方向又は反時計方向に回転駆動するトルクを発生する。ここで本実施形態では、モータ軸102に関して、図2の時計方向及び反時計方向がそれぞれ正回転方向及び逆回転方向に定義されている。
図1,3,4に示すように位相調整機構8は、駆動回転体10、従動回転体20、遊星キャリア40及び遊星歯車50を備えている。
駆動回転体10は、歯車部材12及びスプロケット13を同軸上に螺子止めしてなり、位相調整機構8の他の構成要素20,40,50を内部に収容している。円筒状の歯車部材12は、歯底円の内周側に歯先円を有する駆動側内歯車部14を周壁の内周部により形成している。円筒状のスプロケット13は、その周壁から外周側に突出して回転方向に等間隔に並ぶ複数の歯19を有している。スプロケット13は、それらの歯19とクランク軸の複数の歯との間で環状のタイミングチェーンが掛け渡されることにより、クランク軸と連繋する。したがって、クランク軸から出力された機関トルクがタイミングチェーンを通じてスプロケット13に入力されるときには、当該クランク軸と共に駆動回転体10が図3,4の時計方向へと回転する。
図1,4に示すように有底円筒状の従動回転体20は、駆動回転体10の内周側に同心上に嵌合している。従動回転体20は、カム軸2に同軸上に連結される連結部21を底壁により形成している。かかる連結により従動回転体20は、カム軸2と共に図3,4の時計方向へと回転する。以上より本実施形態では、モータ軸102の正回転方向がカム軸2の回転方向と同一方向に、またモータ軸102の逆回転方向がカム軸2の回転方向とは相反する方向に、それぞれ設定されている。
従動回転体20は、歯底円の内周側に歯先円を有する従動側内歯車部22を周壁の内周部により形成している。ここで、従動側内歯車部22の内径は駆動側内歯車部14の内径よりも小さく設定され、また従動側内歯車部22の歯数は駆動側内歯車部14の歯数よりも少なく設定されている。従動側内歯車部22は、駆動側内歯車部14に対して軸方向にずれて配置されている。
図1,3,4に示すように、全体として筒状の遊星キャリア40は、入力部41を周壁の内周部により形成している。入力部41は、回転体10,20及びモータ軸102に対して同心上に配置されている。入力部41には、継手43が嵌合する嵌合溝42が形成され、当該継手43を介してモータ軸102の軸本体104が遊星キャリア40に連結されている。かかる連結により遊星キャリア40は、モータ軸102と共に正逆回転可能となっている。
遊星キャリア40はさらに、入力部41に対して偏心する偏心部44を周壁の外周部により形成している。偏心部44は、遊星歯車50の中心孔51の内周側にベアリング45を介して嵌合している。かかる嵌合により遊星歯車50は、駆動側内歯車部14に対する遊星キャリア40の相対回転に応じて遊星運動可能となっている。ここで遊星運動とは、遊星歯車50が偏心部44の偏心中心線周りに自転しつつ、遊星キャリア40の回転方向に公転する遊星運動をいう。
段付円筒状の遊星歯車50は、歯底円の外周側に歯先円を有する駆動側外歯車部52及び従動側外歯車部54を、それぞれ周壁の大径外周部及び小径外周部により形成している。駆動側外歯車部52及び従動側外歯車部54の歯数は、それぞれ駆動側内歯車部14及び従動側内歯車部22の歯数よりも同数ずつ少なくなるように設定されている。駆動側外歯車部52は駆動側内歯車部14の内周側に配置されて、当該歯車部14と噛み合っている。また、駆動側外歯車部52よりも連結部21側の従動側外歯車部54は従動側内歯車部22の内周側に配置されて、当該歯車部22と噛み合っている。
以上説明したように位相調整機構8は、駆動回転体10及び従動回転体20の間を歯車連繋してなる差動歯車式の遊星歯車減速機構であり、モータ軸102の回転状態に応じた回転体間位相として駆動回転体10に対する従動回転体20の相対位相を調整するのである。
具体的には、モータ軸102が駆動回転体10と同速に正回転して、遊星キャリア40が駆動側内歯車部14に対して相対回転しないときには、遊星歯車50が遊星運動することなく回転体10,20と共に回転する。その結果、回転体間位相が保持されることになる。モータ軸102が逆回転方向のトルク発生や回転駆動の停止等により駆動回転体10よりも低速に正回転又は逆回転して、遊星キャリア40が駆動側内歯車部14に対して図3,4の遅角方向Rに相対回転するときには、遊星歯車50の遊星運動により従動回転体20が駆動回転体10に対して同遅角方向Rに相対回転する。その結果、回転体間位相が遅角することになる。モータ軸102が正回転方向のトルク発生等により駆動回転体10よりも高速に正回転して、遊星キャリア40が駆動側内歯車部14に対して図3,4の進角方向Aに相対回転するときには、遊星歯車50の遊星運動により従動回転体20が駆動回転体10に対して同進角方向Aに相対回転する。その結果、回転体間位相が進角することになる。
(特徴部分)
以下、バルブタイミング調整装置1の特徴部分について説明する。
まず、バルブタイミング調整装置1の機械系である位相調整機構8の詳細を説明する。図1に示すように、連結部21を形成する従動回転体20の底壁には、導入孔80が貫通形成されている。導入孔80の一端部は、カム軸2において内燃機関用のポンプ9から「潤滑液」としての潤滑油を搬送する搬送孔3と常時連通している。また、導入孔80の他端部は、従動回転体20の底壁において遊星キャリア40側を向く内底面24に開口することにより、駆動回転体10の内部と常時連通している。以上により内燃機関の運転中は、潤滑油が搬送孔3から導入孔80に供給されて、当該導入孔80から駆動回転体10内部へと導入されるようになっている。
図1,4に示すように、従動側内歯車部22を形成する従動回転体20の周壁は、位相ストッパ90を外周部により形成している。位相ストッパ90は、従動側内歯車部22とは反対側となる外周側に突出している。位相ストッパ90は、駆動回転体10の内部においてスプロケット13の内周面に開口するストッパ溝92に挿入されることで、当該回転体10に対する遅角方向Rと進角方向Aとに揺動可能となっている。
ここで、位相ストッパ90よりも遅角方向Rにあるストッパ溝92の内面92aに図4の如く当該ストッパ90が当接して係止されるときには、駆動回転体10に対する従動回転体20の遅角方向Rへの相対回転が止められる。その結果、回転体間位相が遅角方向Rの最端位相に規制されることになる。同様に、位相ストッパ90よりも進角方向Aにあるストッパ溝92の内面92bに当該ストッパ90が当接して係止されるときには、駆動回転体10に対する従動回転体20の進角方向Aへの相対回転が止められる。その結果、回転体間位相が進角方向Aの最端位相に規制されることになる。
位相調整機構8において内燃機関の運転中は、吸気弁のスプリング反力等により発生するカムトルクがカム軸2から従動回転体20に伝達される。図5に示ようにカムトルクは、従動回転体20を駆動回転体10に対する進角方向Aに付勢する負トルクと、従動回転体20を駆動回転体10に対する遅角方向Rに付勢する正トルクとの間を、内燃機関の回転角に応じて交番する。ここで、特に本実施形態の内燃機関は、バンク角が90度に設定されたV型8気筒エンジンであり、クランク軸が二回転且つカム軸2が一回転する間に三回交番するカムトルクが発生するようになっている。
次に、バルブタイミング調整装置1の電気系である電動モータ4及び通電制御ユニット6の詳細を説明する。
図1,6に示すように電動モータ4は、三つの回転検出素子SU,SV,SWを備えている。各回転検出素子SU,SV,SWは、例えばホール素子等であり、モータ軸102の回転方向に所定間隔をあけて位置決めされている。各回転検出素子SU,SV,SWは、モータ軸102に装着されたセンサ磁石107が磁極N,Sによって発生する磁界を感知することで、モータ軸102の回転角θmを表す検出信号を出力する。
図6に示すように通電制御ユニット6は、回転センサSca,Scr、制御回路60及びモータ駆動回路70を備えている。尚、本実施形態では、回転センサSca,Scr及び制御回路60が電動モータ4の外部に、またモータ駆動回路70が電動モータ4の内部に配置されているが、例えば回路60,70の双方について電動モータ4の外部又は内部に纏めて配置するようにしてもよい。
回転センサSca,Scrは、例えば電磁ピックアップ式センサ等であり、内燃機関の回転角としてそれぞれカム軸2の回転角θca及びクランク軸の回転角θcrを検出する。回転センサSca,Scrは、それぞれ検出した回転角θca,θcrを表すデジタル信号又はアナログ信号を、検出信号として出力する。尚、以下の説明では、回転センサScaにより検出されるカム軸2の回転角θcaを「カム角θca」ともいい、回転センサScrにより検出されるクランク軸の回転角θcrを「クランク角θcr」ともいう。
制御回路60は、メモリ62及びタイマ64を有するマイクロコンピュータを主体に構成され、回転センサSca,Scrとモータ駆動回路70とに電気接続されている。制御回路60は、各回転センサSca,Scrから与えられる回転角θca,θcr並びにモータ駆動回路70から与えられるモータ軸102の実回転方向Dr及び実回転速度Sr等に基づき実バルブタイミングを、また内燃機関の運転状態等に基づき目標バルブタイミングを算出する。さらに制御回路60は、算出した実バルブタイミング及び目標バルブタイミングの間の位相差に基づき、モータ軸102の目標回転方向Dt及び目標回転速度Stをそれぞれ設定し、それらの設定結果を表す制御信号をモータ駆動回路70に出力する。但し、本実施形態の制御回路60は、目標バルブタイミングに対応する回転体間位相が遅角方向Rの最端位相となる場合には、電動モータ4についての通電停止指令を表す制御信号を、モータ駆動回路70に出力するようにもなっている。
モータ駆動回路70には、信号生成ブロック72及び通電ブロック74が設けられている。尚、本実施形態において各ブロック72,74については、専用の電気回路要素によりハード的に構成されているが、プログラムを実行するマイクロコンピュータにより一部分をソフト的に構成してもよい。
信号生成ブロック72は、電動モータ4の各回転検出素子SU,SV,SW、制御回路60及び通電ブロック74と電気接続されている。信号生成ブロック72は、各回転検出素子SU,SV,SWから与えられる回転角θmに基づきモータ軸102の実回転方向Dr及び実回転速度Srをそれぞれ算出し、それらの算出結果を表すモータ回転信号を制御回路60及び通電ブロック74に出力する。
図7に示すように通電ブロック74のインバータ部76は、三つのアームAU,AV,AWを有する三相ブリッジ回路からなる。各アームAU,AV,AWは、上段スイッチング素子FU,FV,FWと下段スイッチング素子GU,GV,GWとを、符号の末尾が同じもの同士で電気接続してなる。各アームAU,AV,AWにおいて上段スイッチング素子FU,FV,FW側の端部は、高圧側電源ラインLHを介して車両のバッテリVBと電気接続されている。一方、各アームAU,AV,AWにおいて下段スイッチング素子GU,GV,GW側の端部は、シャント抵抗RS及び低圧側電源ラインLLを介して接地されている。以上により各アームAU,AV,AWは、対応する上段スイッチング素子FU,FV,FW及び下段スイッチング素子GU,GV,GW同士をバッテリVBに対して直列に接続した形となっている。
各アームAU,AV,AWを構成するスイッチング素子FU,FV,FW,GU,GV,GWは、本実施形態ではいずれも電界効果トランジスタ(FET)であり、電圧レベルがハイの駆動信号によってオン且つ電圧レベルがローの駆動信号によってオフされる。各アームAU,AV,AWにおいて上段スイッチング素子FU,FV,FW及び下段スイッチング素子GU,GV,GWの間となる中点MU,MV,MWには、電動モータ4にて互いにスター結線された複数のステータコイル109のうち対応するものが電気接続されている。
通電ブロック74の駆動部78はFET用のゲート駆動ICからなり、制御回路60、信号生成ブロック72及び各スイッチング素子FU,FV,FW,GU,GV,GWと電気接続されている。駆動部78は、制御回路60から与えられる目標回転方向Dt及び目標回転速度Stと、信号生成ブロック72から与えられる実回転方向Dr及び実回転速度Srとに基づき、各スイッチング素子FU,FV,FW,GU,GV,GWを個別にオンオフする。その結果、オンするスイッチング素子FU,FV,FW,GU,GV,GWが切り換えられて電動モータ4の各ステータコイル109が所定順序で通電されることにより、モータ軸102を回転駆動するトルクが発生するのである。
ここで、図8,9に示すように本実施形態の駆動部78は、各スイッチング素子FU,FV,FW,GU,GV,GWに与える駆動信号の電圧レベルの組合わせパターン(以下、「通電パターン」という)i〜viを各方向Dr,Dtに応じた方式にて切り換えることで、モータ軸102の回転を制御する。尚、図8,9に示す各通電パターンi〜viでは、駆動信号の電圧レベルを継続的にハイにする場合をH、駆動信号の電圧レベルを継続的にローにする場合をL、駆動信号の電圧レベルをパルス幅変調によりデューティ制御する場合をPとして、表している。
具体的には、実回転方向Dr及び目標回転方向Dtが共に正回転方向となるときに駆動部78は、図8に示す通電パターンを順方向に切り換えて、正回転中のモータ軸102を正回転方向に駆動するようにトルクを発生する。実回転方向Dr及び目標回転方向Dtが共に逆回転方向となるときに駆動部78は、図9に示す通電パターンを逆方向に切り換えて、逆回転中のモータ軸102を逆回転方向に駆動するようにトルクを発生する。実回転方向Dr及び目標回転方向Dtがそれぞれ逆回転方向及び正回転方向となるときに駆動部78は、図8に示す通電パターンを逆方向に切り換えて、逆回転中のモータ軸102を正回転方向に制動するようにトルクを発生する。実回転方向Dr及び目標回転方向Dtがそれぞれ正回転方向及び逆回転方向となるときに駆動部78は、図9に示す通電パターンを順方向に切り換えて、正回転中のモータ軸102を逆回転方向に制動するようにトルクを発生する。そして、いずれの切換方式でもデューティ制御(図8,9にPにて表される場合)については、目標回転速度St及び実回転速度Sr間の差分に基づき駆動部78がオンデューティ比を設定することになる。
但し、本実施形態の駆動部78は、制御回路60から通電停止指令が与えられるときには、全スイッチング素子FU,FV,FW,GU,GV,GWをオフすることにより、電動モータ4の全ステータコイル109への通電を停止して、モータ軸102の回転駆動を停止する。尚、電動モータ4への通電の停止については、通電パターンの切換方式を通電停止指令の直前の方式に維持したまま、下段スイッチング素子GU,GV,GWのうちデューティ制御対象のオンデューティ比を0%に設定することによって、実現してもよい。
次に、通電制御ユニット6によるバルブタイミング調整装置1の制御フローを、図10に従って説明する。尚、この制御フローは、車両のイグニッションスイッチのオン等により制御回路60に電力が供給されることで開始され、イグニッションスイッチのオフ等により当該電力供給が停止することで終了する。
制御フローのS101では、制御回路60を初期化し、次のS102では、メモリ62に記憶された相関情報を制御回路60において読み出す。ここで相関情報とは、内燃機関の「回転状態」としての回転角であるカム角θcaと、当該内燃機関のカム軸2から従動回転体20に伝達されるカムトルクとの間の相関関係を、マップ形式にて予め規定してメモリに62に記憶したものである。そして、特に本実施形態の相関情報では、カムトルクのうち変動レベルが0よりも大きな負トルクを発生させるカム角θcaの範囲についての、図5,11に示す始角θcas及び終角θcaeが、カム軸2の一回転の回転角である360度との相対比にて表されている。したがって、本実施形態では、負トルクに相関するカム角θcaとしてメモリ62に記憶される始角θcas及び終角θcaeの組は、カム軸2が一回転する一周期T内でのカムトルクの交番回数に対応した三組となっている。
このような相関情報を読み出した後のS103では、回転体間位相を遅角方向Rの最端位相に規制することが必要な規制条件が成立したか否かを、制御回路60により判定する。ここで、成立判定対象の規制条件としては、エンジン運転条件が低回転、又は軽負荷運転である等の条件が予め規定される。
S103において否定判定がなされた場合にはS104に移行して、制御回路60の制御モードを通常制御モードに設定し、続くS105において当該通常制御モードを制御回路60により実行した後、S103へと戻る。ここで通常制御モードとは、目標回転方向Dt及び目標回転速度Stを表す制御信号の出力によりモータ駆動回路70から電動モータ4に通電することで、当該モータ4の回転状態に応じた機関最適の回転体間位相を位相調整機構8によって調整する通常時の制御モードである。
一方、S103において肯定判定がなされた場合、即ち規制条件が成立した場合には、S106に移行して制御回路60の制御モードを規制制御モードに設定し、後続するS107〜S120を制御回路60により当該規制制御モードとして実行する。
具体的に規制制御モードのS107では、制御回路60においてタイマ64をリセットし、当該タイマ64による計時を開始する。ここで、本実施形態においてタイマ64による計時は、後に詳述するS119により、内燃機関の回転角としてのカム角θcaが理論上360度に到達する毎に開始されることから、タイマ64の計時値は当該カム角θcaに対応したものとなる。
続くS108では、現在における内燃機関の一回転の所要時間として、図5,11に示すカム軸2の実回転周期Tを、回転センサScaにより検出される現在のカム角θcaに基づき算出する。また続くS109では、直近のS108により算出された実回転周期Tを、360度との相対比により予規定されS102により相関情報としてメモリ62から読み出された各組の始角θcas及び終角θcaeと乗算する。これにより各組の始角θcas及び終角θcaeは、図11に示す実回転周期Tのうち負トルクの発生時期を規定する始期ts及び終期teへと変換されることになる。さらに続くS110では、直近のS109により各組の始角θcas及び終角θcaeから変換された始期ts及び終期teについて、後に詳述するS120により算出された実回転周期Tの誤差δTに基づき補正設定する。
以上の後のS111では、各組の始角θcasに対応して直近のS110を経て設定された始期tsのいずれかに、現在のカム角θcaと対応するタイマ64の計時値が到達したか否かを、判定する。
S111において否定判定がなされた場合には、S112に移行する。このS112では、通電停止指令を表す制御信号の出力によりモータ駆動回路70から電動モータ4への通電を停止することで、モータ軸102の回転駆動を停止する。これにより、駆動回転体10に対して従動回転体20が遅角方向Rに相対回転することになるので、従動回転体20の位相ストッパ90が駆動回転体10のストッパ溝92のうち遅角方向Rの内面92aに当接して押し付けられる。したがって、本実施形態では、図11に示すようにカムトルクが遅角方向Rの正トルクとなる毎に電動モータ4への通電が停止(off)されることで、位相ストッパ90は、当該正トルクの作用も相俟ってストッパ溝92から離間し難くなる。
こうしたS112に続くS113では、S103の場合と同じ規制条件が継続して成立しているか否かを、判定する。その結果、否定判定がなされた場合には、S104,S105により通常制御モードを設定及び実行する一方、肯定判定がなされた場合には、S111に戻ることになる。
以上、S111において否定判定がなされた場合を説明したが、S111において肯定判定がなされた場合には、S114に移行する。このS114では、正回転方向の実回転方向Drに対して逆回転方向の目標回転方向Dtを表す制御信号の出力によりモータ駆動回路70から電動モータ4へと通電することで、モータ軸102を逆回転方向に制動する。これにより、駆動回転体10に対して従動回転体20が遅角方向Rに制動されて、従動回転体20の位相ストッパ90が駆動回転体10のストッパ溝92のうち遅角方向Rの内面92aに押し付けられる。このとき例えば、図11に示す負トルクの最大レベルLaよりも大きな制動トルクが従動回転体20に作用するように、電動モータ4への通電が実施されることで、位相ストッパ90の内面92aへの押し付けが確実なものとなる。以上より本実施形態では、図11に示すようにカムトルクが正トルクから負トルクに交番する毎に、即ちカムトルクの変動方向が遅角方向Rから進角方向Aへと変化する毎に電動モータ4への通電が再開(on)されることで、位相ストッパ90は、当該負トルクにも拘らずストッパ溝92から離間し難くなるのである。
こうしたS114に続くS115では、S103の場合と同じ規制条件が継続して成立しているか否かを、判定する。その結果、否定判定がなされた場合には、S104,S105により通常制御モードを設定及び実行する一方、肯定判定がなされた場合には、S116に移行する。
S116では、各組の終角θcaeに対応して直近のS108〜S110を経て設定された終期teのいずれかに、現在のカム角θcaと対応するタイマ64の計時値が到達したか否かを、判定する。その結果、否定判定がなされる間はS114〜116が繰り返されて、規制条件が成立している限り電動モータ4への通電が継続されるが、肯定判定がなされると、S112に準ずるS117に移行して電動モータ4への通電を停止する。したがって、本実施形態では、図11に示すようにカムトルクが負トルクから正トルクに交番する毎に、即ちカムトルクの変動方向が進角方向Aから遅角方向Rへと変化する毎に、再開された電動モータ4への通電が停止(off)させられるのである。
こうしたS117に続くS118では、S103の場合と同じ規制条件が継続して成立しているか否かを、判定する。その結果、否定判定がなされた場合には、S104,S105により通常制御モードを設定及び実行する一方、肯定判定がなされた場合には、S119に移行する。
S119では、S116によりタイマ64の計時値が到達したと判定された終期teは、カム軸2の一周期T内において図11に示す最後(本実施形態では、三回目)の終期telであるか否かを、判定する。その結果、否定判定がなされた場合にはS111に移行して、タイマ64の計時値がいずれかの始期Tsなるまでは電動モータ4への通電を継続停止する一方、肯定判定がなされた場合にはS120に移行する。
S120では、回転センサScaにより検出される現在のカム角θcaに基づき、直近のS108により算出された実回転周期Tの誤差δTを算出した後、S107へと戻る。したがって、例えば現在のカム角θcaが0度よりも大きい場合、当該カム角θcaに対応する時間が誤差δTとして算出され、S107に戻った後のS110により当該誤差δT分が、補正対象の始期ts及び終期teから減算されることになるのである。
ここまで説明した第一実施形態では、回転体間位相の規制条件が成立した場合に、電動モータ4への通電を停止する規制制御モードが実行されて、駆動回転体10のストッパ溝92に対して従動回転体20の位相ストッパ90が遅角方向Rに当接して押し付けられる。これによれば、消費電力並びに通電制御ユニット6の特にモータ駆動回路70の発熱を抑えた状態で、回転体間位相を遅角方向Rの最端位相に規制することができるのである。
但し、第一実施形態の規制制御モードでは、カムトルクの変動方向が進角方向Aとなるとき、従動回転体20を遅角方向Rに制動する回転状態をモータ軸102に与えるようにして、電動モータ4への通電が繰り返し再開される。その結果、遅角方向Rに制動される従動回転体20の位相ストッパ90は、駆動回転体10のストッパ溝92に対して、当該遅角方向Rとは反対の進角方向Aには離間し難くなる(図11参照)。さらに、再開された電動モータ4への通電は、カムトルクの変動方向が遅角方向Rに変化するまで、即ち位相ストッパ90がストッパ溝92から離間する蓋然性のある間は、継続されるようになっている。しかも、駆動回転体10の内部となる位相ストッパ90及びストッパ溝92の間には、当該内部に導入された潤滑油が入り込むことにより、それら要素90,92の当接時には衝撃の緩和作用が発揮されるようにもなっている。これらのことから、カムトルクの変動方向が遅角方向Rに変化するときには、ストッパ溝92に対する位相ストッパ90の当該方向Rへの衝突荷重が低減されて、異音の発生及びそれら要素92,90の破損が抑えられることになるのである。
ここで規制制御モードにおいて、電動モータ4への通電を再開する時期の始期ts及び終期teについては、実際に検出されるカム角θcaと、予めメモリ62に記憶されたカム角θca及びカムトルク間の相関情報とに基づき、正確に設定されるようになっている。これによれば、電動モータ4への通電の再開時期が異音の発生及び破損を抑える上での適時に限定されることになるので、上述した消費電力及び発熱の抑制作用と相俟って、静粛性及び耐久性の向上効果並びに規制制御モードにおける50%程度の省エネルギー化効果を適確且つ確実に発揮することができるのである。
尚、以上の第一実施形態では、遅角方向Rが特許請求の範囲に記載の「ストッパ方向」に相当し、進角方向Aが特許請求の範囲に記載の「ストッパ方向の反対方向」に相当し、回転センサScaが特許請求の範囲に記載の「検出手段」に相当し、メモリ62が特許請求の範囲に記載の「記憶手段」に相当し、制御回路60が特許請求の範囲に記載の「時期設定手段」に相当している。また、カムトルクのうち通電の再開が必要な全変動レベルの負トルクが「再開トルク」に相当し、当該負トルクが発生するカム角θcaのうち始角θcasが特許請求の範囲に記載の「再開角」に相当し、始期ts及び終期teにより規定される当該負トルクの発生時期が特許請求の範囲に記載の「再開時期」に相当している。
(第二実施形態)
図12に示すように、本発明の第二実施形態は第一実施形態の変形例である。第二実施形態では、メモリ62に記憶されて制御フローのS102により読み出される相関情報は、負カムトルクのうち変動レベルが設定レベルLs(図12参照)よりも大きな負トルクを発生させるカム角θcaの範囲について、始角θcas及び終角θcaeを表している。ここで設定レベルLsは、負トルクについて0よりも大きく且つ最大レベル(ピーク値)Laよりも小さな変動レベルに設定されていればよいが、特に本実施形態では、当該最大レベルLaに対して1/2程度に設定される。また、始角θcas及び終角θcaeについては、第一実施形態と同様、カム軸2の一回転の回転角である360度との相対比にて表したものが、相関情報としてメモリ62に記憶されることになる。
このような第二実施形態の制御フローにおいて規制制御モードのS112,S117では、通電停止指令を表す制御信号が制御回路60から出力されることで、図12の如く進角方向Aの負トルクが設定レベルLsを下回る毎に電動モータ4への通電が停止される。また、第二実施形態の制御フローにおいて規制制御モードのS114では、正回転方向の実回転方向Drに対して逆回転方向の目標回転方向Dtを表す制御信号が制御回路60から出力されることで、図12の如く進角方向Aの負トルクが設定レベルLsを超える毎に電動モータ4への通電が再開される。尚、第二実施形態の制御フローにおいて規制制御モードのS120では、直近のS108により算出された実回転周期Tにタイマの計時値が一致するのを待って、当該周期Tの誤差が算出されることとなる。
これらによれば、従動回転体20の位相ストッパ90が駆動回転体10のストッパ溝92から離間する蓋然性の高くなる設定レベルLs超えの変動レベルが現出する時期に、電動モータ4への通電の再開時期が限定されて、当該離間が生じ難くなる(図12参照)。したがって、規制制御モードのうち電動モータ4への通電の停止時間を可及的に長くして消費電力及び通電制御ユニット6の発熱を抑えることにより、規制制御モードにおける75%程度の省エネルギー化効果と、耐久性の向上効果とを発揮することができるのである。しかも、要素90,92間に入り込んだ潤滑油の衝撃緩和作用によれば、負トルクが設定レベルLsを下回って電動モータ4への通電が停止することにより位相ストッパ90がストッパ溝92から進角方向Aに離間したとしても、それら要素90,92の当接時の衝突荷重を低減し得る。したがって、規制制御モードのうち電動モータ4への通電の停止時間を長くしたことに起因する異音の発生及び破損を抑えて、静粛性及び耐久性の向上効果を高めることもできるのである。
尚、以上の第二実施形態では、カムトルクのうち通電の再開が必要な設定レベルLs超えの負トルクが「再開トルク」に相当し、導入孔80が特許請求の範囲に記載の「導入経路」に相当している。
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明はそれらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
具体的には、本発明が適用される内燃機関としては、上述したV型8気筒エンジン以外であってもよい。また、本発明は、上述した吸気弁のバルブタイミングを調整する装置以外にも、「動弁」としての排気弁のバルブタイミングを調整する装置や、吸気弁及び排気弁の双方のバルブタイミングを調整する装置に適用してもよい。
電動モータ4としては、上述したブラシレスの永久磁石型同期モータ以外を採用してもよい。また、位相調整機構8としては、上述した差動歯車式の遊星歯車減速機構以外にも、電動モータ4の回転状態に応じて回転体間位相を調整可能なものであれば、適宜採用してもよい。さらにまた、位相調整機構8については、遅角方向Rと進角方向Aとを上述のものとは逆に設定して進角方向Aを本発明の「ストッパ方向」に対応させ、全変動レベル又は0よりも大きな設定レベルLs(例えば図11の最大レベルLrに対して1/2程度の設定レベルLs)超えの正トルクを「再開トルク」としてもよい。尚、この場合には例えば、図11,12に示す正トルクの最大レベルLrよりも大きなトルクを、電動モータ4への通電再開により従動回転体20へと作用させることで、ストッパ90及びストッパ溝92間の離間を確実に抑制することが可能となる。
相関情報としてカムトルクと相関させてメモリ62に記憶する内燃機関の回転角については、上述したカム角θcaの代わりに、クランク角θcrを採用してもよい。但し、その場合には、制御フローS108,S120に準ずるステップにより検出することになるクランク角θcrについて、その検出値を現在の実バルブタイミングに応じて補正して利用することが望ましい。この他、制御フローのS110,S120を省略して、制御回路60における処理の簡素化を図るようにしてもよい。
本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す図であって、図3のI−I線断面図である。 図1のII−II線断面図である。 図1のIII−III線断面図である。 図1のIV−IV線断面図である。 図1の従動回転体に伝達されるカムトルクについて説明するための特性図である。 図1の通電制御ユニットの詳細構成を示すブロック図である。 図6の通電ブロックの詳細構成を示すブロック図である。 図7の駆動部の作動を説明するための模式図である。 図7の駆動部の作動を説明するための模式図である。 図1の通電制御ユニットによる制御フローを示すフローチャートである。 図1のバルブタイミング調整装置の特徴を説明するための特性図である。 本発明の第二実施形態によるバルブタイミング調整装置の特徴を説明するための特性図である。 本発明により解決する課題を説明するための特性図である。
符号の説明
1 バルブタイミング調整装置、2 カム軸、3 搬送孔、4 電動モータ、6 通電制御ユニット、8 位相調整機構、9 ポンプ、10 駆動回転体、20 従動回転体、40 遊星キャリア、50 遊星歯車、60 制御回路(時期設定手段)、62 メモリ(記憶手段)、64 タイマ、70 モータ駆動回路、72 信号生成ブロック、74 通電ブロック、76 インバータ部、78 駆動部、80 導入孔(導入経路)、90 位相ストッパ、92 ストッパ溝、92a 内面、100 モータケース、102 モータ軸、103 モータステータ、105 ロータ部、109 ステータコイル、Sca 回転センサ(検出手段)、Scr 回転センサ、R 遅角方向(ストッパ方向)、A 進角方向(ストッパ方向の反対方向)、ts 始期、te,tel 終期、T 実回転周期、δT 誤差、θca 回転角・カム角、θcas 始角(再開角)、θcae 終角、θcr 回転角・クランク角、Ls 設定レベル

Claims (6)

  1. 内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、
    通電により回転する電動モータと、
    前記クランク軸及び前記カム軸とそれぞれ連動して回転する駆動回転体及び従動回転体を有し、前記電動モータの回転状態に応じた回転体間位相として前記駆動回転体に対する前記従動回転体の相対位相を調整する位相調整機構と、
    前記従動回転体に設けられ、前記電動モータへの通電が停止されるとき、前記駆動回転体に対して遅角方向又は進角方向であるストッパ方向に当接することにより前記回転体間位相を当該ストッパ方向の最端位相に規制する位相ストッパと、
    前記回転体間位相を規制する規制条件が成立した場合に前記通電を停止する規制制御モードを実行し、当該規制制御モードにおいて前記カム軸から前記従動回転体に伝達されるカムトルクの変動方向が前記ストッパ方向の反対方向となる毎に、前記従動回転体を前記ストッパ方向に制動する回転状態を前記電動モータに与えるようにして前記通電を再開する通電制御ユニットと、
    を備えることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 前記通電制御ユニットは、
    前記内燃機関の回転状態を検出する検出手段と、
    前記内燃機関の回転状態及び前記カムトルク間の相関情報が予め記憶される記憶手段と、
    前記検出手段により検出された前記回転状態並びに前記記憶手段に記憶された前記相関情報に基づき、前記規制制御モードにおける前記通電の再開時期を設定する時期設定手段と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 前記検出手段は、前記回転状態として前記内燃機関の回転角を検出し、
    前記記憶手段は、前記通電の再開が必要な前記カムトルクである再開トルクと、当該再開トルクが発生する前記回転角である再開角との間の相関情報を記憶し、
    前記規制制御モードにおいて前記時期設定手段は、前記検出手段により検出された前記回転角が、前記記憶手段に記憶された前記相関情報の前記再開角に到達する毎に、前記通電の再開時期を設定することを特徴とする請求項2に記載のバルブタイミング調整装置。
  4. 前記規制制御モードにおいて前記通電制御ユニットは、前記カムトルクの変動方向が前記ストッパ方向から反対方向に変化するときに前記通電を再開し、前記カムトルクの変動方向が当該反対方向から前記ストッパ方向に変化するときに、再開した前記通電を停止することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  5. 前記規制制御モードにおいて前記通電制御ユニットは、変動方向が前記ストッパ方向の反対方向となった前記カムトルクの変動レベルについて0よりも大きな設定レベルを超えるときに前記通電を再開し、変動方向が前記ストッパ方向の反対方向となった前記カムトルクの変動レベルについて当該設定レベルを下回るときに、再開した前記通電を停止することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  6. 前記位相調整機構は、前記位相ストッパと、前記位相ストッパよりも前記ストッパ方向における前記駆動回転体との間に潤滑液を導入するための導入経路を有することを特徴とする請求項5に記載のバルブタイミング調整装置。
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