JP2019044801A - 偏心揺動型減速装置 - Google Patents

偏心揺動型減速装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019044801A
JP2019044801A JP2017165660A JP2017165660A JP2019044801A JP 2019044801 A JP2019044801 A JP 2019044801A JP 2017165660 A JP2017165660 A JP 2017165660A JP 2017165660 A JP2017165660 A JP 2017165660A JP 2019044801 A JP2019044801 A JP 2019044801A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotating body
engagement
eccentric
groove
gap
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017165660A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7006023B2 (ja
Inventor
幸大 本田
Yukihiro Honda
幸大 本田
幸宏 城
Yukihiro Jo
幸宏 城
惣一 木野内
Soichi Kinouchi
惣一 木野内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2017165660A priority Critical patent/JP7006023B2/ja
Publication of JP2019044801A publication Critical patent/JP2019044801A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7006023B2 publication Critical patent/JP7006023B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】遊星回転体の外歯車および第1回転体の内歯車の摩耗を抑制することができる偏心揺動型減速装置を提供する。【解決手段】バルブタイミング調整装置は、遊星回転体24と第2回転体との間の偏心を吸収しながら動力を伝達する偏心吸収部25と、第2回転体から遊星回転体24までの動力伝達経路に設けられている衝撃減衰部97とを備えている。このように構成することで、カムシャフトから第2回転体に加わる衝撃力は、遊星回転体24に伝わるまえに衝撃減衰部97で減衰される。そのため、カムシャフトから加わる衝撃力に起因した遊星回転体24の外歯車48および第1回転体21の内歯車36の摩耗を抑制することができる。【選択図】図11

Description

本発明は、偏心揺動型減速装置に関する。
従来、第1回転体と第2回転体との間で動力を伝達しつつ、第1回転体内の遊星回転体を遊星運動させることで第1回転体と第2回転体との相対回転位相を変化させる偏心揺動型減速装置が知られている。遊星回転体は、第1回転体の内歯車に噛み合う外歯車を有する。特許文献1では、遊星回転体と第2回転体との間の偏心を吸収する機構として、オルダム継手が採用されている。
特開2016−44627号公報
ところで、第2回転体が外部部材に連結される場合、この外部部材から伝わる衝撃力が遊星回転体の外歯車と第1回転体の内歯車との噛み合い部分にかかる。そのため、外歯車と内歯車との摩耗が懸念される。
本発明の目的は、遊星回転体の外歯車および第1回転体の内歯車の摩耗を抑制することができる偏心揺動型減速装置を提供することである。
本開示の偏心揺動型減速装置は、内歯車(36、144)を有する第1回転体(21、132)と、第1回転体と同軸上に設けられている第2回転体(22、104、114、133)と、内歯車と噛み合う外歯車(48、143)を有している遊星回転体(24、102、116、135)と、遊星回転体と第2回転体との間の偏心を吸収しながら動力を伝達する偏心吸収部(25、136)とを備えている。遊星回転体は、第1回転体の回転軸心(AX1)まわりに公転しながら、回転軸心に対して偏心している偏心軸心(AX2)を中心に回転することで、第1回転体と第2回転体との相対回転位相を変化させる。
偏心揺動型減速装置はさらに衝撃減衰部(97、139)を備えている。衝撃減衰部は、第2回転体から遊星回転体までの動力伝達経路に設けられている。
このように構成することで、外部部材から第2回転体に加わる衝撃力は、遊星回転体に伝わるまえに衝撃減衰部で減衰される。そのため、外部部材から加わる衝撃力に起因した遊星回転体の外歯車および第1回転体の内歯車の摩耗を抑制することができる。
第1実施形態の偏心揺動型減速装置が適用されたバルブタイミング調整装置の断面図である。 図1のII−II線断面図である。 図1のIII−III線断面図であって、遊星回転体およびスライダ等を示す図である。 図1のIV−IV線断面図であって、第2回転体およびスライダ等を示す図である。 図1のスライダの正面図である。 図1の遊星回転体の正面図である。 図1の第2回転体の正面図である。 図1のVIII部分の拡大図である。 図2のIX部分の拡大図である。 図1のバルブタイミング調整装置の一部拡大図である。 図3のXI部分の拡大図である。 図4のXII部分の拡大図である。 第2実施形態の偏心揺動型減速装置が適用されたバルブタイミング調整装置の遊星回転体およびスライダの正面図である。 図13のXIV部分の拡大図である。 図14の矢印XV方向から見た遊星回転体、第2回転体およびスライダを部分的に示す図である。 第2実施形態の偏心揺動型減速装置が適用されたバルブタイミング調整装置の第2回転体およびスライダの正面図である。 図16のXVII部分の拡大図である。 図17の矢印XVIII方向から見た遊星回転体、第2回転体およびスライダを部分的に示す図である。 第3実施形態の偏心揺動型減速装置が適用されたバルブタイミング調整装置の遊星回転体およびスライダの正面図である。 第3実施形態の偏心揺動型減速装置が適用されたバルブタイミング調整装置の第2回転体およびスライダの正面図である。 図19の矢印XXI方向から見た遊星回転体、第2回転体およびスライダを一部切欠いて示す図である。 図20の矢印XXII方向から見た遊星回転体、第2回転体およびスライダを一部切欠いて示す図である。 第4実施形態の偏心揺動型減速装置が適用されたバルブタイミング調整装置の断面図である。 図22のXXIV−XXIV線断面の第2回転体および偏心吸収部を示す図である。
以下、複数の実施形態を図面に基づき説明する。実施形態同士で実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
[第1実施形態]
第1実施形態の偏心揺動型減速装置は、図1に示すバルブタイミング調整装置に適用されている。バルブタイミング調整装置10は、内燃機関11のクランクシャフト12からカムシャフト13までの動力伝達経路に設けられており、カムシャフト13が開閉駆動する吸気弁または排気弁のバルブタイミングを調整する。
図1〜図4に示すように、バルブタイミング調整装置10は、第1回転体21、第2回転体22、入力回転体23、遊星回転体24、および偏心吸収部25を備えている。
第1回転体21は、クランクシャフト12に同期して回転軸心AX1を中心に回転する。第1回転体21は、有底筒状であり、底部31のシャフト挿通孔32にカムシャフト13が挿入されている。回転軸心AX1はカムシャフト13の軸心と略一致している。筒部33の外壁にはスプロケット34が一体に設けられている。スプロケット34は、チェーン等の伝達部材35を介してクランクシャフト12に連結されている。筒部33の内壁の開口側には内歯車36が一体に設けられている。
第2回転体22は、第1回転体21と同軸上に設けられており、カムシャフト13と一体に回転する。第2回転体22は、段付き円板状であり、中央部が締結部材37によりカムシャフト13に固定されている。
入力回転体23は、筒状であり、第1回転体21と同軸上に設けられている。入力回転体23と第2回転体22の段付部との間には軸受38が設けられている。入力回転体23の内壁には嵌合溝41が形成されている。入力回転体23は、嵌合溝41に回転式アクチュエータ42の回転軸43の継手部44が嵌合することにより、回転式アクチュエータ42に連結されている。
また、入力回転体23は、回転軸心AX1に対して偏心している偏心部45を有している。偏心部45の偏心側には、径方向外側に向かって開口する凹部46が形成されている。凹部46には弾性部材47が収容されている。以降、偏心部45の軸心のことを偏心軸心AX2と記載する。
遊星回転体24は、内歯車36と噛み合う外歯車48を有しており、偏心部45と同軸上に設けられている。偏心部45と遊星回転体24との間には軸受49が設けられている。遊星回転体24は、第1回転体21に対して入力回転体が相対回転するとき、回転軸心AX1まわりに公転しながら偏心軸心AX2を中心に回転する(すなわち自転する)ことで、第1回転体21と第2回転体22との相対回転位相を変化させる。
偏心吸収部25は、遊星回転体24と第2回転体22との間の偏心を吸収しながらそれら相互間で動力を伝達する。第1実施形態では、偏心吸収部25は、回転軸心AX1と交差する仮想平面内(すなわち、図3、図4の紙面上)において互いに相対移動する2つ以上の相対移動部を有している。具体的には、偏心吸収部25は、遊星回転体24と一体に設けられている第1係合溝51と、第2回転体22と一体に設けられている第2係合溝52と、第1係合溝51および第2係合溝52に対して径方向へ揺動しながらそれら相互間で動力を伝達するスライダ53と、を含むオルダム機構である。
図1〜図5に示すように、スライダ53は、環状部54、第1突起部55および第2突起部56を有している。第1突起部55および第2突起部56は、環状部54から径方向外側に突き出している。環状部54のうち幅方向の一方側を一側部57とし、幅方向の他方側を他側部58とする。第1突起部55は、一側部57のうち、軸方向に直交する第1摺動方向上の2箇所に設けられている。第2突起部56は、他側部58のうち、軸方向および第1摺動方向に交差する第2摺動方向上の2箇所に設けられている。
図3に示すように、第1突起部55は、第1係合溝51に嵌合している。第1係合溝51は、周方向で第1突起部55の第1突起係合面61と対向する箇所に第1溝係合面62を有している。第1突起係合面61は、第1溝係合面62に対して、周方向で当接するとともに第1摺動方向に摺動可能である。つまり、第1突起部55は、第1係合溝51にスライド自在に係合している。
図4に示すように、第2突起部56は、第2係合溝52に嵌合している。第2係合溝52は、周方向で第2突起部56の第2突起係合面63と対向する箇所に第2溝係合面64を有している。第2突起係合面63は、第2溝係合面64に対して、周方向で当接するとともに第2摺動方向に摺動可能である。つまり、第2突起部56は、第2係合溝52にスライド自在に係合している。
図1、図3、図6、図8に示すように、遊星回転体24は、スライダ53側の一端面65から他端面66側に凹み、スライダ53の環状部54の一側部57を収容している環状の第1収容凹部67を有している。第1係合溝51は、第1収容凹部67から径方向外側に延びるように形成されている。第1係合溝51は、外歯車48の歯面まで貫通していない。
図2、図4、図7、図9に示すように、第2回転体22は、スライダ53側の一端面71から他端面72側に凹み、スライダ53の環状部54の他側部58を収容している環状の第2収容凹部73を有している。第2係合溝52は、第2収容凹部73から径方向外側に延びるように形成されている。第2係合溝52は、第2回転体22の外周面まで貫通していない。
図8に示すように、一端面65から第1収容凹部67の底面74までの深さをGDr1とし、一端面71から第2収容凹部73の底面75までの長さをGDr2とし、軸方向におけるスライダ53の幅をWsとすると、次の式(1)の関係が成り立つ。
GDr1+GDr2>Ws・・・(1)
これにより、遊星回転体24の一端面65と第2回転体22の一端面71とが当接した状態において、スライダ53と第1収容凹部67の底面74との間、および、スライダ53と第2収容凹部73の底面75との間の少なくとも一方には隙間ができる。
図5に示すように、スライダ53の環状部54の外径をDsoとする。図6に示すように、第1収容凹部67の外側内壁面76の直径をDr1oとする。図7に示すように、第2収容凹部73の外側内壁面77の直径をDr2oとする。また、回転軸心AX1と偏心軸心AX2との偏心量をXeとし、スライダ53に最大負荷がかかるときの環状部54の径方向の変形量をXdとすると、次の式(2)、(3)の関係が成り立つ。
Dr1o>Dso+2Xe+Xd・・・(2)
Dr2o>Dso+2Xe+Xd・・・(3)
これにより、スライダ53が遊星回転体24に対して第1摺動方向に往復スライドするとき、環状部54と外側内壁面76との間には隙間ができる。また、スライダ53が第2回転体22に対して第2摺動方向に往復スライドするとき、環状部54と外側内壁面77との間には隙間ができる。
図5に示すように、スライダ53の環状部54の内径をDsiとする。図6に示すように、第1収容凹部67の内側内壁面78の直径をDr1iとする。また、図7に示すように、第2収容凹部73の内側内壁面79の直径をDr2iとすると、次の式(4)、(5)の関係が成り立つ。
Dr1i<Dsi−2Xe−Xd・・・(4)
Dr2i<Dsi−2Xe−Xd・・・(5)
これにより、スライダ53が遊星回転体24に対して第1摺動方向に往復スライドするとき、環状部54と内側内壁面78との間には隙間ができる。また、スライダ53が第2回転体22に対して第2摺動方向に往復スライドするとき、環状部54と内側内壁面79との間には隙間ができる。
図5に示すように、スライダ53の一方の第1突起部55の先端から他方の第1突起部55の先端までの長さをLs1とし、スライダ53の一方の第2突起部56の先端から他方の第2突起部56の先端までの長さをLs2とする。図6に示すように、一方の第1係合溝51の端から他方の第1係合溝51の端までの長さをLg1とする。また、図7に示すように、一方の第2係合溝52の端から他方の第2係合溝52の端までの長さをLg2とすると、次の式(6)、(7)の関係が成り立つ。
Lg1>Ls1+2Xe・・・(6)
Lg2>Ls2+2Xe・・・(7)
これにより、スライダ53が遊星回転体24に対して第1摺動方向に往復スライドするとき、径方向において第1突起部55と第1係合溝51との間には隙間ができる。また、スライダ53が第2回転体22に対して第2摺動方向に往復スライドするとき、径方向において第2突起部56と第2係合溝52との間には隙間ができる。
図10に示すように、バルブタイミング調整装置10は、内部を潤滑する潤滑油が通る流路81をさらに備えている。流路81は、第2回転体22の環状溝82および通孔83と、第2回転体22と入力回転体23との軸方向隙間84と、軸受38の内部空間85と、入力回転体23と遊星回転体24との径方向隙間86と、第2収容凹部73および第1収容凹部67とを含む。
さらに、流路81は、図8に示す遊星回転体24の第1係合溝51および第1流路溝87と、図9に示す第2回転体22の第2係合溝52および第2流路溝88と、内歯車36の歯面と外歯車48の歯面との間の歯面隙間89とを含む。図6、図8に示すように、第1流路溝87は、遊星回転体24の第2回転体22側の端部91において第1係合溝51から径方向外側に貫通するように形成されている。図7、図9に示すように、第2流路溝88は、第2回転体22の遊星回転体24側の端部92において第2係合溝52から径方向外側に貫通するように形成されている。
図10に示すように、流路81の入口は環状溝82の開口である。流路81の出口は、第1回転体21の筒部33の開口であり、入口よりも径方向外側に位置している。
図10に二点鎖線の矢印で示すように、潤滑油は、オイルポンプ95により内燃機関11の各所を通じてシャフト内流路96から環状溝82に供給される。環状溝82の潤滑油は、遠心力により通孔83、軸方向隙間84、内部空間85、径方向隙間86、第1収容凹部67および第2収容凹部73を流れつつ径方向外側に移動して、第1係合溝51および第2係合溝52に移動する。そして、第1係合溝51および第2係合溝52から歯面隙間89を通じて外部に排出される。このようにして潤滑油は流路81を含む所定の経路を循環し、流路81には潤滑油が満たされる。
バルブタイミング調整装置10は、図11に示す第1溝係合面62および第1突起係合面61と、図12に示す第2溝係合面64および第1突起係合面61からなる衝撃減衰部97をさらに備えている。
図11に示すように、第1溝係合面62および第1突起係合面61は、第2回転体22から遊星回転体24までの動力伝達経路に設けられており、周方向で互いに係合し、相互間に潤滑油を導入可能な第1係合部隙間93を形成している。第1係合部隙間93は、第1係合溝51内にある空間であって、流路81の一部を構成する。潤滑油は、遠心力により流路81を径方向外側に移動していく過程で第1係合部隙間93に供給される。第1係合部隙間93は、流路81において歯面隙間89よりも上流に位置している。
第1溝係合面62および第1突起係合面61は、第1係合部隙間93の分だけ互いに接近および離間可能である。第1突起係合面61が第1溝係合面62に近づくように移動するとき、第1係合部隙間93に満たされた潤滑油98は粘性があるため、第1係合部隙間93から押し出されるのに抵抗し、圧力を発生させる。このようなスクイズ効果を利用した粘性流体によるダンパ作用により、衝撃減衰部97は、スライダ53から遊星回転体24に伝わる衝撃を減衰させる。
図12に示すように、第2溝係合面64および第2突起係合面63は、第2回転体22から遊星回転体24までの動力伝達経路に設けられており、周方向で互いに係合し、相互間に潤滑油を導入可能な第2係合部隙間94を形成している。第2係合部隙間94は、第2係合溝52内にある空間であって、流路81の一部を構成する。潤滑油は、遠心力により流路81を径方向外側に移動していく過程で第2係合部隙間94に供給される。第2係合部隙間94は、流路81において歯面隙間89よりも上流に位置している。
第2溝係合面64および第2突起係合面63は、第2係合部隙間94の分だけ互いに接近および離間可能である。第2溝係合面64が第2突起係合面63に近づくように移動するとき、第1係合部隙間93の場合と同様に、第2係合部隙間94に満たされた潤滑油98によるダンパ作用が生まれる。このダンパ作用により、衝撃減衰部97は、第2回転体22からスライダ53に伝わる衝撃を減衰させる。
(効果)
以上説明したように、第1実施形態では、バルブタイミング調整装置10は、遊星回転体24と第2回転体22との間の偏心を吸収しながら動力を伝達する偏心吸収部25と、第2回転体22から遊星回転体24までの動力伝達経路に設けられている衝撃減衰部97とを備えている。
このように構成することで、カムシャフト13から第2回転体22に加わる衝撃力は、遊星回転体24に伝わるまえに衝撃減衰部97で減衰される。そのため、カムシャフト13から加わる衝撃力に起因した遊星回転体24の外歯車48および第1回転体21の内歯車36の摩耗を抑制することができる。また、上記衝撃力に起因した打音等の騒音の発生も抑制することができる。
また、第1実施形態では、偏心吸収部25は、回転軸心AX1と交差する仮想平面内において互いに相対移動する2つ以上の相対移動部、すなわち第1係合溝51、第2係合溝52およびスライダ53を有している。衝撃減衰部97は、第1係合溝51とスライダ53との間、および、第2係合溝52とスライダ53との間に設けられている。
これにより遊星回転体24と第2回転体22との間の動力伝達経路に衝撃減衰部97が設けられる。
また、第1実施形態では、衝撃減衰部97は、遊星回転体24と一体に設けられている第1係合溝51と、第2回転体22と一体に設けられている第2係合溝52と、第1係合溝51および第2係合溝52に対して径方向へ揺動するスライダ53とを含むオルダム機構である。衝撃減衰部97は、周方向で互いに係合し、相互間に潤滑油を導入可能な第1係合部隙間93を形成するスライダ53の第1突起係合面61および第1係合溝51の第1溝係合面62と、周方向で互いに係合し、相互間に潤滑油を導入可能な第2係合部隙間94を形成するスライダ53の第2突起係合面63および第2係合溝52の第2溝係合面64とである。
このように構成することで、衝撃減衰部97は、第1係合部隙間93および第2係合部隙間94に満たされた潤滑油98のダンパ作用により、第2回転体22から遊星回転体24に伝わる衝撃を減衰させることができる。
また、第1実施形態では、バルブタイミング調整装置10は、入口から、当該入口よりも径方向外側に位置する出口まで至る流路81を備えている。潤滑油は、遠心力により流路81を径方向外側に移動していく過程で第1係合部隙間93および第2係合部隙間94に供給される。
これにより第1係合部隙間93および第2係合部隙間94に潤滑油を供給することができる。
また、第1実施形態では、第1係合部隙間93および第2係合部隙間94は、流路81において歯面隙間89よりも上流に位置している。
これにより、外歯車48と内歯車36との噛み合いにより生じる摩耗粉は、第1係合部隙間93および第2係合部隙間94に至ることなく外部へ排出される。そのため、摩耗粉に起因したスライダ53の摺動性低下を回避することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態では、図13〜図18に示すように、流路101は、第1係合溝51に対する径方向外側で流路断面積を小さくする遊星回転体102の第1流路溝103と、第2係合溝52に対する径方向外側で流路断面積を小さくする第2回転体104の第2流路溝105と、を含む。
第1絞り部としての第1流路溝103は、遊星回転体102の端部91に形成され、第1係合溝51に連通するとともに当該第1係合溝51と比べて軸方向幅および周方向幅が小さくなるように形成されている。
第2絞り部としての第2流路溝105は、第2回転体104の端部92に形成され、第2係合溝52に連通するとともに当該第2係合溝52と比べて軸方向幅および周方向幅が小さくなるように形成されている。
このように絞り部を設けることで、第1係合溝51および第2係合溝52から潤滑油が抜けにくくなる。そのため、第1係合部隙間93および第2係合部隙間94に潤滑油がとどまりやすくなり、衝撃減衰部97によるダンパ作用が確実に得やすくなる。
[第3実施形態]
第3実施形態では、図19〜図22に示すように、流路111は、第1係合部隙間93に対して軸方向に隣接する第1油溜め空間112と、第2係合部隙間94に対して軸方向に隣接する第2油溜め空間113とを含む。第2回転体114は、第1係合溝51に対して軸方向に対向する位置に形成されている第1油溜め凹部115を有する。第1油溜め凹部115は第1油溜め空間112を有する。遊星回転体116は、第2係合溝52に対して軸方向に対向する位置に形成されている第2油溜め凹部117を有する。第2油溜め凹部117は第2油溜め空間113を有する。
このような油溜め空間112、113を設けることで、第1係合部隙間93および第2係合部隙間94の油切れを抑制することができる。そのため、衝撃減衰部97によるダンパ作用が確実に得やすくなる。
スライダ118の第1突起部119および第2突起部120は、環状部54と同じ軸方向幅をもっている。つまり、第1突起部119および第2突起部120は、一側部57から他側部58にわたって形成されている。第1突起部119は、第1係合溝51から第1油溜め凹部115まで延びるように形成されている。第2突起部120は、第2係合溝52から第2油溜め凹部117まで延びるように形成されている。
このように構成することで、当該突起部119、120の強度を高めることができる。また、形状簡素化によりスライダ118を製造しやすくなる。
[第4実施形態]
第4実施形態では、図23、図24に示すように、バルブタイミング調整装置131は、第1回転体132、第2回転体133、入力回転体134、遊星回転体135および偏心吸収部136を備えている。偏心吸収部136は、第2回転体133と一体に設けられている複数の係合穴137と、遊星回転体135と一体に設けられており、複数の係合穴137のいずれか1つに挿入されている複数のピン138から構成されている。係合穴137およびピン138は、回転軸心AX1と交差する仮想平面内において互いに相対移動し、遊星回転体135と第2回転体133との間の偏心を吸収しながらそれら相互間で動力を伝達する。
バルブタイミング調整装置131は、衝撃減衰部139をさらに備えている。衝撃減衰部139は、周方向において互いに係合し、相互間に潤滑油を導入可能な係合部隙間140を形成する係合穴137の内周面141およびピン138の外周面142である。
このように衝撃減衰部139は係合穴137の内周面141およびピン138の外周面142から構成されてもよい。カムシャフト13から第2回転体133に加わる衝撃力は、遊星回転体135に伝わるまえに衝撃減衰部139で減衰される。そのため、第1実施形態と同様に、カムシャフト13から加わる衝撃力に起因した遊星回転体135の外歯車143および第1回転体132の内歯車144の摩耗を抑制することができる。
[他の実施形態]
他の実施形態では、第1流路溝は、第2回転体に設けられてもよい。また、第2流路溝は、遊星回転体に設けられてもよい。
他の実施形態では、第1絞り部および第2絞り部は、一方だけ設けられてもよい。
他の実施形態では、第1係合溝は、外歯車の歯面まで貫通していてもよい。
他の実施形態では、偏心揺動型減速装置は、バルブタイミング調整装置以外の装置に適用されてもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
10・・・バルブタイミング調整装置(偏心揺動型減速装置)
21、132・・・第1回転体
22、104、114、133・・・第2回転体
24、102、116、135・・・遊星回転体
25、136・・・偏心吸収部
36、144・・・内歯車
48、143・・・外歯車
97、139・・・衝撃減衰部

Claims (10)

  1. 内歯車(36、144)を有する第1回転体(21、132)と、
    前記第1回転体と同軸上に設けられている第2回転体(22、104、114、133)と、
    前記内歯車と噛み合う外歯車(48、143)を有しており、前記第1回転体の回転軸心(AX1)まわりに公転しながら、前記回転軸心に対して偏心している偏心軸心(AX2)を中心に回転することで、前記第1回転体と前記第2回転体との相対回転位相を変化させる遊星回転体(24、102、116、135)と、
    前記遊星回転体と前記第2回転体との間の偏心を吸収しながら動力を伝達する偏心吸収部(25、136)と、
    前記第2回転体から前記遊星回転体までの動力伝達経路に設けられている衝撃減衰部(97、139)と、
    を備える偏心揺動型減速装置。
  2. 前記偏心吸収部は、前記回転軸心と交差する仮想平面内において互いに相対移動する2つ以上の相対移動部を有しており、
    前記衝撃減衰部は、一の前記相対移動部と他の前記相対移動部との間に設けられている請求項1に記載の偏心揺動型減速装置。
  3. 前記偏心吸収部(25)は、
    前記遊星回転体と一体に設けられている前記相対移動部としての第1係合溝(51)と、
    前記第2回転体と一体に設けられている前記相対移動部としての第2係合溝(52)と、
    前記第1係合溝および前記第2係合溝に対して径方向へ揺動する前記相対移動部としてのスライダ(53、118)と、
    を含むオルダム機構であり、
    前記衝撃減衰部は、
    周方向において互いに係合し、相互間に粘性流体を導入可能な第1係合部隙間(93)を形成する前記第1係合溝の第1溝係合面(61)および前記スライダの第1突起係合面(62)と、
    周方向において互いに係合し、相互間に粘性流体を導入可能な第2係合部隙間(94)を形成する前記第2係合溝の第2溝係合面(63)および前記スライダの第2突起係合面(64)と、
    である請求項2に記載の偏心揺動型減速装置。
  4. 前記偏心揺動型減速装置は、入口から、当該入口よりも径方向外側に位置する出口まで至る流路(81、101、111)を備えており、
    前記粘性流体は、潤滑油であり、遠心力により前記流路を径方向外側に移動していく過程で前記第1係合部隙間および前記第2係合部隙間に供給される請求項3に記載の偏心揺動型減速装置。
  5. 前記内歯車の歯面と前記外歯車の歯面との間の隙間を歯面隙間(89)と定義すると、
    前記流路は、前記第1係合部隙間、前記第2係合部隙間および前記歯面隙間を含み、
    前記第1係合部隙間および前記第2係合部隙間は、前記流路において前記歯面隙間よりも上流に位置している請求項4に記載の偏心揺動型減速装置。
  6. 前記流路(101、111)は、前記第1係合溝および前記第2係合溝の少なくとも一方に対する径方向外側で流路断面積を小さくする絞り部(103、105)を有する請求項4または5に記載の偏心揺動型減速装置。
  7. 前記流路(111)は、前記第1係合部隙間に対して軸方向に隣接する第1油溜め空間(112)と、前記第2係合部隙間に対して軸方向に隣接する第2油溜め空間(113)とを含む請求項4〜6のいずれか一項に記載の偏心揺動型減速装置。
  8. 前記第2回転体(114)は、前記第1係合溝に対して軸方向に対向する位置に形成されており、前記第1油溜め空間を有する第1油溜め凹部(115)を有し、
    前記遊星回転体(116)は、前記第2係合溝に対して軸方向に対向する位置に形成されており、前記第2油溜め空間を有する第2油溜め凹部(117)を有している請求項7に記載の偏心揺動型減速装置。
  9. 前記スライダは、環状部(54)と、前記環状部から径方向外側に突き出して前記第1係合溝に嵌合している第1突起部(55)と、前記環状部から径方向外側に突き出して前記第2係合溝に嵌合している第2突起部(56)と、を有しており、
    前記第1突起部は、前記第1係合溝から前記第1油溜め空間まで延びるように形成されており、
    前記第2突起部は、前記第2係合溝から前記第2油溜め空間まで延びるように形成されている請求項8に記載の偏心揺動型減速装置。
  10. 前記偏心吸収部(136)は、
    前記遊星回転体(135)および前記第2回転体(133)の一方と一体に設けられている前記相対移動部としての複数の係合穴(137)と、
    前記遊星回転体および前記第2回転体の他方と一体に設けられており、複数の前記係合穴のいずれか1つに挿入されている前記相対移動部としての複数のピン(138)と、
    を含み、
    前記衝撃減衰部(139)は、周方向において互いに係合し、相互間に粘性流体を導入可能な係合部隙間(140)を形成する前記係合穴の内周面(141)および前記ピンの外周面(142)である請求項2に記載の偏心揺動型減速装置。
JP2017165660A 2017-08-30 2017-08-30 偏心揺動型減速装置 Active JP7006023B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017165660A JP7006023B2 (ja) 2017-08-30 2017-08-30 偏心揺動型減速装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017165660A JP7006023B2 (ja) 2017-08-30 2017-08-30 偏心揺動型減速装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019044801A true JP2019044801A (ja) 2019-03-22
JP7006023B2 JP7006023B2 (ja) 2022-01-24

Family

ID=65812862

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017165660A Active JP7006023B2 (ja) 2017-08-30 2017-08-30 偏心揺動型減速装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7006023B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021095653A1 (ja) * 2019-11-15 2021-05-20 株式会社デンソー 回転式アクチュエータ
US11181185B2 (en) 2019-02-22 2021-11-23 Denso Corporation Eccentric oscillating speed reducer

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005113700A (ja) * 2003-10-03 2005-04-28 Hitachi Unisia Automotive Ltd 内燃機関の可変動弁装置
JP2008223766A (ja) * 2008-04-23 2008-09-25 Hitachi Ltd 内燃機関の可変動弁装置
JP2010127192A (ja) * 2008-11-28 2010-06-10 Nippon Soken Inc バルブタイミング調整装置
JP2017115601A (ja) * 2015-12-21 2017-06-29 アイシン精機株式会社 弁開閉時期制御装置
JP2017141752A (ja) * 2016-02-11 2017-08-17 株式会社デンソー 偏心揺動型減速装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005113700A (ja) * 2003-10-03 2005-04-28 Hitachi Unisia Automotive Ltd 内燃機関の可変動弁装置
JP2008223766A (ja) * 2008-04-23 2008-09-25 Hitachi Ltd 内燃機関の可変動弁装置
JP2010127192A (ja) * 2008-11-28 2010-06-10 Nippon Soken Inc バルブタイミング調整装置
JP2017115601A (ja) * 2015-12-21 2017-06-29 アイシン精機株式会社 弁開閉時期制御装置
JP2017141752A (ja) * 2016-02-11 2017-08-17 株式会社デンソー 偏心揺動型減速装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11181185B2 (en) 2019-02-22 2021-11-23 Denso Corporation Eccentric oscillating speed reducer
WO2021095653A1 (ja) * 2019-11-15 2021-05-20 株式会社デンソー 回転式アクチュエータ
JP2021080957A (ja) * 2019-11-15 2021-05-27 株式会社デンソー 回転式アクチュエータ

Also Published As

Publication number Publication date
JP7006023B2 (ja) 2022-01-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7275635B2 (ja) 偏心揺動型減速装置
KR102149066B1 (ko) 편심 요동형 기어 장치
JP2019044801A (ja) 偏心揺動型減速装置
KR102147286B1 (ko) 차량의 파워 트레인용 비틀림 진동 댐핑 장치
CN106062324A (zh) 阀正时控制装置
CN105626179B (zh) 可变气门正时系统及其电动驱动装置
JP2005530953A (ja) 種々の能力を有する内歯歯車機械
JP4877199B2 (ja) バルブタイミング調整装置
WO2018047938A1 (ja) 振動減衰装置
JP2007239665A (ja) バルブタイミング調整装置
JP2010180798A (ja) ポンプ装置
JP6939267B2 (ja) 偏心揺動型減速装置
KR100886207B1 (ko) 방진유성기어가 구비된 유성기어 감속기
RU2714358C2 (ru) Привод вентилятора для транспортного средства
JP2019074061A (ja) バルブタイミング調整装置
CN109807929A (zh) 一种主动凸轮式润滑自清洁机构
JP2000130117A (ja) 弁開閉時期制御装置
JP7153226B2 (ja) ダンパ装置
KR101074750B1 (ko) 방진구를 구성한 유성기어 감속기
JP6087310B2 (ja) 無段変速機
JP5192010B2 (ja) 差動装置のデフケースにおける潤滑構造
WO2024070373A1 (ja) 弁開閉時期制御装置
JP7207826B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP6095599B2 (ja) 無段変速機
JP2013148033A (ja) バルブタイミング調整装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200720

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210921

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211220