JP6087310B2 - 無段変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、入力軸の回転中心軸線上に設けられた回転半径調節機構で回転半径を調節することにより変速自在な四節リンク機構型の無段変速機に関する。
従来、車両に設けられたエンジン等の駆動源からの駆動力が伝達されて回転する入力軸と、入力軸の回転中心軸線と平行に配置された出力軸と、入力軸に設けられた複数の回転半径調節機構と、出力軸に揺動自在に軸支される複数の揺動リンクと、一方の端部に偏心機構に回転自在に外嵌される入力側環状部を有し、他方の端部が揺動リンクの揺動端部に連結されるコネクティングロッドとを備える四節リンク機構型の無段変速機が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特許文献1及び特許文献2のものでは、各回転半径調節機構は、回転中心軸線に対して偏心して設けられたカムディスクと、このカムディスクに偏心して回転自在に設けられた回転ディスクとからなる。また、揺動リンクと出力軸との間には、ワンウェイクラッチが設けられている。ワンウェイクラッチは、揺動リンクが出力軸に対して一方側に相対回転しようとするときに、出力軸に揺動リンクを固定し、他方側に相対回転しようとするときに、出力軸に対して揺動リンクを空転させる。
各カムディスクは、入力軸の軸方向に貫通する貫通孔と、回転中心軸線に対する偏心方向とは反対方向の位置に設けられ、カムディスクの外周面と貫通孔とを連通させる切欠孔とを備える。また、切欠孔は、カムディスクの軸方向一方の端面から他方の端面に亘って設けられている(特許文献2の図2及び図3参照)。隣接するカムディスク同士はボルトで固定され、これにより、カムディスク連結体が構成される。このカムディスク連結体(カムシャフト)が入力軸を構成する。
カムディスク連結体(カムシャフト)は、各カムディスクの貫通孔が連なることにより、中空となっており、その内部にはピニオンシャフトが挿入される。挿入されたピニオンシャフトは各カムディスクの切欠孔から露出している。回転ディスクにはカムシャフトを受け入れる受入孔が設けられている。この受入孔を形成する回転ディスクの内周面には内歯が形成されている。
内歯は、カムシャフトの切欠孔から露出するピニオンシャフトと噛合する。入力軸とピニオンシャフトとを同一速度で回転させると、回転半径調節機構の回転半径が維持される。入力軸とピニオンシャフトの回転速度を異ならせると、回転半径調節機構の回転半径が変更されて、変速比が変化する。
入力軸を回転させることにより回転半径調節機構を回転させると、コネクティングロッドの入力側環状部が回転運動して、コネクティングロッドの他方の端部と連結される揺動リンクの揺動端部が揺動する。即ち、回転半径調節機構、コネクティングロッド、及び揺動リンクで、てこクランク機構が構成される。揺動リンクは、ワンウェイクラッチを介して出力軸に設けられているため、一方側に回転するときのみ出力軸に回転駆動力(トルク)を伝達する。
各回転半径調節機構のカムディスクの偏心方向は、夫々位相を異ならせて回転中心軸線周りを一周するように設定されている。従って、各回転半径調節機構に外嵌されたコネクティングロッドによって、揺動リンクが順にトルクを出力軸に伝達するため、出力軸をスムーズに回転させることができる。
特表2005−502543号公報 独国特許出願公開第102009039993号明細書
四節リンク機構型の無段変速機は、ワンウェイクラッチなどの一方向回転阻止機構を適切に冷却させる必要がある。しかしながら、車両の搭載スペース等の観点から一方向回転阻止機構及びこれに隣接する部材が密集していると、十分なクリアランスが確保されないため、一方向回転阻止機構の内部に潤滑油を供給し難く、また逆に内部の潤滑油を排出し難いという問題がある。
本発明は、以上の点に鑑み、一方向回転阻止機構を適切に冷却することができる無段変速機を提供することを目的とする。
[1]上記目的を達成するため、本発明は、
駆動源の駆動力の伝達により回転する入力軸と、
該入力軸の回転中心軸線と平行に配置された出力軸と、
該出力軸に軸支される揺動リンクを有し、前記入力軸の回転運動を前記揺動リンクの揺動運動に変換するてこクランク機構と、
前記出力軸に対して前記揺動リンクが一方へ相対的に回転しようとするときに前記出力軸に前記揺動リンクを固定し、前記出力軸に対して前記揺動リンクが他方へ相対的に回転しようとするときに前記出力軸に対して前記揺動リンクを空転させる一方向回転阻止機構とを備え、
前記てこクランク機構は、回転半径を調節自在な回転半径調節機構と、該回転半径調節機構と前記揺動リンクとを連結するコネクティングロッドとを備える無段変速機であって、
前記一方向回転阻止機構は、外輪と、該外輪の内側に配置される内輪と、該外輪と該内輪との間に配置される転動体と、該転動体の遠心力を打ち消すように該転動体を該内輪側に付勢する付勢部材とを備え、
前記外輪には、前記付勢部材を受け入れる受入部が設けられ、
前記一方向回転阻止機構には、前記内輪の内側を流れる潤滑油を前記内輪の外側に導く第1油路が設けられ、
前記外輪には、前記受入部と前記外輪の外面とを連通させ、前記第1油路に供給される潤滑油を排出する第2油路が設けられることを特徴とする。
本発明によれば、第1油路から潤滑油を一方向回転阻止機構の内部に供給することができる。そして、一方向回転阻止機構の内部に供給された潤滑油は第2油路を介して配置出される。従って、一方向回転阻止機構を適切に冷却することができる。
また、第2油路の内側開口端が直接転動体と接触すると、圧こんやフレーキングにより一方向回転阻止機構の耐久性が低下する虞がある。そこで、本発明では、第2油路を付勢部材を受け入れる受入部に設けている。これにより、受入部に受け入れられた付勢部材が転動体を内輪側に付勢することによって、外輪の内周面が転動体から受ける面圧が低減され、さらに第2油路の内側開口端が転動体と直接接触することを阻止することができ、一方向回転阻止機構の耐久性を維持させつつ、適切な潤滑を行うことができる。
[2]また、本発明の無段変速機では、第2油路は、揺動リンクが出力軸に固定される回転方向 である揺動リンクの周方向一方側に向かって傾斜するように、第2油路の径方向内側開口端よりも径方向外側開口端が周方向一方側に位置するように構成することができる。
かかる構成によれば、揺動リンクから出力軸にトルクが伝達されるときには、第2油路に空気が入り易く、一方向回転阻止機構の中の潤滑油が排出され難い。逆に、揺動リンクが周方向他方に回転するときには、一方向回転阻止機構の中の潤滑油が排出され易い。従って、トルク伝達しているときに発生する熱を潤滑油が吸収し易く、またトルクが伝達されておらず、熱が発生していないときに潤滑油が排出されやすいため、効率よく一方向回転阻止機構を冷却することができる。
[3]また、本実施形態においては、第2油路は、排出される潤滑油が揺動リンクの揺動端部に向かうように、揺動端部側に傾斜させて設けてもよい。
かかる構成によれば、第2油路から排出される潤滑油が揺動リンクの揺動端部に供給され易く、コネクティングロッドと揺動リンクとの連結部分を適切に潤滑させることができる。
[4]また、本発明においては、てこクランク機構を複数設けられ、第2油路をてこクランク機構に対応させて複数設け、出力軸に第1油路に潤滑油を供給する軸内油路を設け、軸内油路に出力軸の一方端から潤滑油を供給し、第2油路を出力軸の一方端に近づくにしたがって径が大きくなるように構成することができる。
軸内油路では、潤滑油が供給される一方端に近いほど多くの潤滑油が第1油路に供給され、他方端に近いほど第1油路に供給される潤滑油の量が少なくなり易い。このため、多くの潤滑油が供給される一方端に近い第1油路ほど熱が籠り易くなる。
そこで、本発明においては、第2油路の径を出力軸の一方端に近づくにしたがって大きくしている。これにより、潤滑油の供給量が多く熱が籠り易い一方向回転阻止機構ほど潤滑油の排出量が多くなる。従って、潤滑油の供給側に近く温度が上昇し易い一方向回転阻止機構ほど適切に冷却することができる。
本発明の無段変速機の第1実施形態を一部断面で示す説明図。 第1実施形態のてこクランク機構を示す説明図。 第1実施形態の回転半径の変化を示す説明図。図3Aは回転半径が最大、図3Bは回転半径が中、図3Cは回転半径が小、図3Dは回転半径が0の状態を夫々示す。 第1実施形態の回転半径の変化に対する揺動リンクの揺動範囲の変化を示す説明図。図4Aは回転半径が最大、図4Bは回転半径が中、図4Cは回転半径が小の状態の揺動範囲を夫々示す。 第1実施形態の出力軸を模式的に示す断面図。 第1実施形態の無段変速機の第2油路を模式的に示す断面図。 第1実施形態の揺動リンクが周方向一方に回転している状態を示す説明図。 第1実施形態の揺動リンクが周方向他方に回転している状態を示す説明図。 本発明の第2実施形態の無段変速機の第2油路を示す説明図。 第2実施形態の揺動リンクが周方向一方に回転している状態を示す説明図。 第2実施形態の揺動リンクが周方向他方に回転している状態を示す説明図。
[第1実施形態]
図1から図8を参照して、本発明の四節リンク機構型の無段変速機の第1実施形態を説明する。本実施形態の無段変速機は、変速比h(h=入力軸の回転速度/出力軸の回転速度)を無限大(∞)にして出力軸の回転速度を「0」にできる変速機、所謂IVT(Infinity Variable Transmission)の一種である。
図1を参照して、四節リンク機構型の無段変速機1は、内燃機関などのエンジンや電動機等の駆動源ENGからの駆動力が伝達されることで回転中心軸線P1を中心に回転する入力軸端部2aと、回転中心軸線P1に平行に配置され、図示省略したデファレンシャルギヤを介して車両の駆動輪(図示省略)に回転動力を伝達させる出力軸3と、回転中心軸線P1上に設けられた6つの回転半径調節機構4とを備える。なお、デファレンシャルギヤの代わりにプロペラシャフトを設けてもよい。
図1及び図2を参照して、各回転半径調節機構4は、カム部としてのカムディスク5と、回転部としての回転ディスク6とを備える。カムディスク5は、円盤状であり、回転中心軸線P1から偏心されると共に、1つの回転半径調節機構4に対して2個1組となるように、各回転半径調節機構4に設けられている。また、カムディスク5には、回転中心軸線P1の方向に貫通する貫通孔5aが設けられている。また、カムディスク5には、回転中心軸線P1に対して偏心する方向とは逆の方向に開口し、カムディスク5の外周面と貫通孔5aを構成する内周面とを連通させる切欠孔5bが設けられている。
各1組のカムディスク5は、夫々位相を60度異ならせて、6組のカムディスク5で回転中心軸線P1の周方向を一回りするように配置されている。
カムディスク5は、隣接する回転半径調節機構4のカムディスク5と一体的に形成されて一体型カム部5cが構成されている。この一体型カム部5cは、一体成型で形成してもよく、または、2つのカム部を溶接して一体化してもよい。各回転半径調節機構4の2個1組のカムディスク5同士はボルトで固定されている。回転中心軸線P1上の最も駆動源側に位置するカムディスク5は入力軸端部2aと一体的に形成されている。このようにして、入力軸端部2aと複数のカムディスク5とで、カムディスク5を備える入力軸2(カムシャフト)が構成されることとなる。
入力軸2は、カムディスク5の貫通孔5aが連なることによって構成される挿通孔60を備える。これにより、入力軸2は、駆動源ENGとは反対側の一方端が開口し他方端が閉塞した中空軸形状に構成される。駆動源側の他方端に位置するカムディスク5は、入力軸端部2aと一体的に形成されている。このカムディスク5と入力軸端部2aとを一体的に形成する方法としては、一体成型を用いてもよく、また、カムディスク5と入力軸端部2aとを溶接して一体化してもよい。
また、各1組のカムディスク5には、カムディスク5を受け入れる受入孔6aを備える円盤状の回転ディスク6が偏心された状態で回転自在に外嵌されている。
図2に示すように、回転ディスク6は、カムディスク5の中心点をP2、回転ディスク6の中心点をP3として、回転中心軸線P1と中心点P2の距離Raと、中心点P2と中心点P3の距離Rbとが同一となるように、カムディスク5に対して偏心している。
回転ディスク6の受入孔6aには、1組のカムディスク5の間に位置させて内歯6bが設けられている。
入力軸2の挿通孔60には、回転中心軸線P1と同心に、且つ、回転ディスク6の内歯6bと対応する個所に位置させて、ピニオン70がカムディスク5を有する入力軸2と相対回転自在となるように配置されている。ピニオン70は、ピニオンシャフト72と一体に形成されている。なお、ピニオン70は、ピニオンシャフト72と別体に構成して、ピニオン70をピニオンシャフト72にスプライン結合で連結させてもよい。本実施形態においては、単にピニオン70というときは、ピニオンシャフト72を含むものとして定義する。
ピニオン70は、カムディスク5の切欠孔5bを介して、回転ディスク6の内歯6bと噛合する。ピニオンシャフト72には、隣接するピニオン70の間に位置させてピニオン軸受74が設けられている。このピニオン軸受74を介して、ピニオンシャフト72は、入力軸2を支えている。ピニオンシャフト72には、遊星歯車機構などで構成される差動機構8が接続されている。ピニオン70には、差動機構8を介して調節用駆動源14の駆動力が伝達される。
回転ディスク6は、カムディスク5に対して距離Raと距離Rbとが同一となるように偏心されているため、回転ディスク6の中心点P3を回転中心軸線P1と同一軸線上に位置するようにして、回転中心軸線P1と中心点P3との距離、即ち偏心量R1を「0」とすることもできる。
回転ディスク6の周縁には、一方(入力軸2側)の端部に大径の入力側環状部15aを備え、他方(出力軸3側)の端部に入力側環状部15aの径よりも小径の出力側環状部15bを備えるコネクティングロッド15の入力側環状部15aが、軸方向に2個並べて2個一組のボールベアリングからなるコンロッド軸受16を介して回転自在に外嵌されている。出力軸3には、ワンウェイクラッチ17を介して、揺動リンク18がコネクティングロッド15に対応させて6個設けられている。
ワンウェイクラッチ17は、揺動リンク18と出力軸3との間に設けられ、揺動リンク18が出力軸3に対して一方側に相対的に回転しようとするときに揺動リンク18を出力軸3に固定し(固定状態)、他方側に相対的に回転しようとするときに出力軸3に対して揺動リンク18を空転させる(空転状態)。
揺動リンク18は、環状に形成されており、その下方には、コネクティングロッド15の出力側環状部15bに連結される揺動端部18aが設けられている。揺動端部18aには、出力側環状部15bを軸方向で挟み込むように突出した一対の突片18bが設けられている。一対の突片18bには、出力側環状部15bの内径に対応する差込孔18cが穿設されている。差込孔18c及び出力側環状部15bには、揺動軸としての連結ピン19が挿入されている。これにより、コネクティングロッド15と揺動リンク18とが連結される。
本実施形態においては、揺動リンク18の揺動端部18aが、ケース80の下方に溜まった潤滑油の油溜に油没するように、揺動端部18aを出力軸3の下方に配置されている。これにより、揺動端部18aを油溜で潤滑できると共に、揺動リンク18の揺動運動により、油溜の潤滑油を掻き揚げて、無段変速機1の他の部品を潤滑させることができる。なお、揺動端部18aは必ずしも油溜に油没させる必要はない。
なお、本実施形態の説明において、変速比は、入力軸の回転速度/出力軸の回転速度と定義する。
図3は、回転半径調節機構4の偏心量R1(回転半径)を変化させた状態のピニオンシャフト72と回転ディスク6との位置関係を示す。図3Aは偏心量R1(回転半径)を「最大」とした状態を示しており、回転中心軸線P1と、カムディスク5の中心点P2と、回転ディスク6の中心点P3とが一直線に並ぶように、ピニオンシャフト72と回転ディスク6とが位置する。このときの変速比hは最小となる。
図3Bは偏心量R1(回転半径)を図3Aよりも小さい「中」とした状態を示しており、図3Cは偏心量R1(回転半径)を図3Bよりも更に小さい「小」とした状態を示している。変速比hは、図3Bでは図3Aの変速比hよりも大きい「中」となり、図3Cでは図3Bの変速比hよりも大きい「大」となる。図3Dは偏心量R1を「0」とした状態を示しており、回転中心軸線P1と、回転ディスク6の中心点P3とが同心に位置する。このときの変速比hは無限大(∞)となる。本実施形態の無段変速機1は、回転半径調節機構4で偏心量R1を変えることにより、回転半径調節機構4の回転半径を調節自在としている。
図4は、回転半径調節機構4の偏心量R1(回転半径)を変化させた場合の揺動リンク18の揺動範囲の変化を示している。図4Aは、偏心量R1が最大のときの揺動リンク18の揺動範囲を示し、図4Bは、偏心量R1が中のときの揺動リンク18の揺動範囲を示し、図4Cは、偏心量R1が小のときの揺動リンク18の揺動範囲を示している。図4から偏心量R1が小さくなるにつれて揺動範囲が狭くなることが分かる。そして、偏心量R1が「0」になると、揺動リンク18は揺動しなくなる。
本実施形態においては、回転半径調節機構4と、コネクティングロッド15と、揺動リンク18とで、てこクランク機構20(四節リンク機構)が構成される。そして、てこクランク機構20によって、入力軸2の回転運動が揺動リンク18の揺動運動に変換される。本実施形態の無段変速機1は合計6個のてこクランク機構20を備えている。偏心量R1が「0」でないときに、入力軸2を回転させると共に、ピニオンシャフト72を入力軸2と同一速度で回転させると、各コネクティングロッド15が60度ずつ位相を変えながら、偏心量R1に基づき入力軸2と出力軸3との間で揺動端部18aを出力軸3側に押したり、入力軸2側に引いたりを交互に繰り返して、揺動リンク18が揺動する。
コネクティングロッド15の出力側環状部15bは、出力軸3にワンウェイクラッチ17を介して設けられた揺動リンク18に連結されているため、揺動リンク18がコネクティングロッド15によって押し引きされて揺動すると、揺動リンク18が押し方向側又は引張り方向側の何れか一方に揺動リンク18が回転するときだけ、出力軸3が回転し、揺動リンク18が他方に回転するときには、出力軸3に揺動リンク18の揺動運動の力が伝達されず、揺動リンク18が空回りする。各回転半径調節機構4は、60度毎に位相を変えて配置されているため、出力軸3は各回転半径調節機構4で順に回転させられる。
また、本実施形態の動力伝達装置は、調節用駆動源14を制御する制御部(図示省略)を備えている。制御部は、CPUやメモリ等により構成された電子ユニットであり、メモリに保持された制御プログラムをCPUで実行することにより、調節用駆動源14を制御して、回転半径調節機構4の偏心量R1を調節する機能を果たす。
図5に第1実施形態の出力軸3及び、ワンウェイクラッチ17の断面図を示す。
第1実施形態の無段変速機1の出力軸3上には、ワンウェイクラッチ17に隣接させてアンギュラ玉軸受102が設けられている。出力軸3の内部には、図示省略したオイルポンプから吐出される潤滑油が供給される軸内油路104が設けられている。また、出力軸3には、ワンウェイクラッチ17とアンギュラ玉軸受102との間に軸内油路104を流れる潤滑油を導く分岐油路106が設けられている。ワンウェイクラッチ17とアンギュラ玉軸受102との間に供給された潤滑油は、ワンウェイクラッチ17を潤滑して冷却する。
ワンウェイクラッチ17は、揺動リンク18と一体に構成される外輪と、出力軸3と一体に構成される外輪と、円柱体(ローラ)からなる転動体17aとを備える。内輪としての出力軸3の外周面には、周方向に間隔を存して複数のカム面が設けられている。転動体17aはカム面に対応させて配置されている。また、ワンウェイクラッチ17には、転動体17aが遠心力によりカム面から離隔することを阻止するためのリングスプリングからなる付勢部材17bが設けられている。
また、外輪としての揺動リンク18には、付勢部材17bを受け入れるべく、環状溝からなる受入部17cが設けられている。また、外輪としての揺動リンク18には、ワンウェイクラッチ17に供給された潤滑油を受入部17cから外部に排出するための第2油路108が受入部17cと揺動リンク18の外周面とを連通させるように設けられている。
ここで、本実施形態のワンウェイクラッチ17は、コネクティングロッド15が揺動リンク18を押すときに揺動リンク18と出力軸3との間で動力伝達が可能な状態となり、コネクティングロッド15が揺動リンク18を引くときには、揺動リンク18が出力軸3に対して空転する状態となる。
そして、図6に示すように、第2油路108は、動力伝達可能なコネクティングロッド15が揺動リンク18を押す方向に傾斜するように外側開口端が内側開口端よりも周方向の押す方向に傾くように形成されている。
これにより、図7に示すように、コネクティングロッド15が揺動リンク18を押すときには、第2油路108から潤滑油が排出され難く、逆に第2油路108から空気が内部に入り込み易い。逆に図8に示すように、コネクティングロッド15が揺動リンク18を引くときには、第2油路108から潤滑油が排出され易い。従って、温度が上昇し易いトルク伝達時に潤滑油を保持し、温度が上昇し難い空転時に潤滑油を第2油路108から排出し易くすることができ、ワンウェイクラッチ17を適切に冷却することができる。
本実施形態においては、分岐油路106と、ワンウェイクラッチ17及びアンギュラ玉軸受102の間のクリアランスとで、本発明の第1油路が構成される。
第1実施形態の無段変速機1によれば、第1油路を構成する分岐油路106と、ワンウェイクラッチ17及びアンギュラ玉軸受102の間のクリアランスとから潤滑油を一方向回転阻止機構としてのワンウェイクラッチ17の内部に供給することができる。そして、ワンウェイクラッチ17の内部に供給された潤滑油は第2油路108を介して配置出される。従って、ワンウェイクラッチ17を適切に冷却することができる。
また、仮に、第2油路の内側開口端が直接転動体と接触すると、圧こんやフレーキングによりワンウェイクラッチの耐久性が低下する虞がある。そこで、本実施形態の無段変速機1では、既存の付勢部材17bを受け入れる受入部17cに第2油路108を設けている。そして、環状溝の受入部17cに受け入れられたリングスプリングからなる付勢部材17bが転動体17aを内輪としての出力軸3側に付勢することによって、外輪としての揺動リンク18の内周面が転動体17aから受ける面圧が低減される。さらに第2油路108の内側開口端が転動体17aと直接接触することを阻止することができる。これにより、本実施形態の無段変速機1では、ワンウェイクラッチ17の耐久性を維持させつつ、適切な潤滑を行うことができる。
また、本実施形態の第2油路108は、駆動源側(図1及び図5の右側)に近づくにしたがって径が大きく構成される。本実施形態では、軸内油路104には、駆動源側から潤滑油が供給するように構成されている。
そして、軸内油路104を流れる潤滑油は、潤滑油が供給される側に近い第1油路としての分岐油路106ほど、多くの潤滑油が供給され易い。そして、多くの潤滑油が供給されたワンウェイクラッチ17ほど多量の潤滑油が熱を吸収して発熱し易い。そこで、本実施形態では、第2油路108を、軸内油路104の潤滑油の供給側の一方端(駆動源側の端)に近づくにつれて径を大きくしている。
これによれば、軸内油路104に潤滑油が供給される側の端に近く温度が上昇し易いワンウェイクラッチ17ほど潤滑油の排出量が多くなる。従って、潤滑油の供給源に近く温度が上昇し易いワンウェイクラッチ17ほど適切に冷却することができる。
なお、第1実施形態の無段変速機1では、コネクティングロッド15が揺動リンク18を押すときであって、揺動リンク18が出力軸3の回転速度を超えて揺動しようとするときに動力が伝達されるプッシュ型のものを用いて説明した。しかしながら、本発明の無段変速機はこれに限らず、コネクティングロッド15が揺動リンク18を引くときであって、揺動リンク18が出力軸3の回転速度を超えて揺動しようとするときに動力が伝達されるプッシュ型のものを用いてもよい。プル型の無段変速機を用いる場合には、第2油路の傾斜方向を第1実施形態と反対にすればよい。
[第2実施形態]
図9から図11を参照して、第2実施形態の無段変速機1を説明する。第2実施形態の無段変速機1は、第2油路108が第1実施形態の第2油路108と異なる以外は全ての構成が同一であり、同一の符号を付してその説明を省略する。
図9に示すように、第2実施形態の第2油路108は、その外側開口端が内側開口端よりも揺動リンク18の揺動端部18a側に位置するように構成されている。これにより、図10及び図11に示すように、揺動リンク18がどちらの方向に登用している場合であっても、第2油路108から排出される潤滑油が揺動端部18aに供給され易くなる。
これにより、第2実施形態の無段変速機1によれば、ワンウェイクラッチ17を適切に冷却するとともに、コネクティングロッド15と揺動リンク18とが連結される揺動端部18aも適切に潤滑又は冷却することができる。
[他の実施形態]
第1と第2の両実施形態においては、入力軸端部2aと複数のカムディスク5とで入力軸2を構成し、入力軸2が、カムディスク5の貫通孔5aが連なることによって構成される挿通孔60を備えるものを説明した。
しかしながら、本発明の入力軸はこれに限らず、例えば、入力軸の構成部品として、一端が開口し他端が閉塞する形状の挿通孔を有する中空の入力軸芯部を設け、円盤状のカムディスクに入力軸芯部を挿通できるように貫通孔を本実施形態のものよりも大きく形成して、各カムディスクを入力軸芯部の外周面にスプライン結合させて、複数のカムディスクを備える入力軸を構成させてもよい。
この場合、中空の入力軸芯部には、カムディスクの切欠孔に対応させて切欠孔が設けられる。そして、入力軸芯部内に挿入されるピニオンは、入力軸芯部の切欠孔及びカムディスクの切欠孔を介して、回転ディスクの内歯と噛合する。
また、本実施形態においては、一方向回転阻止機構として、ワンウェイクラッチ17を用いているが、本発明の一方向回転阻止機構は、これに限らず、例えば、揺動リンクから出力軸にトルクを伝達可能な揺動リンクの出力軸に対する回転方向を切換自在に構成されるツーウェイクラッチであってもよい。
また、第1と第2の両実施形態においては、カムディスク5を連結したカムシャフトを本発明の入力軸として説明した。しかしながら、本発明の入力軸は、これに限らず、例えば、ピニオン70を入力軸として、駆動源の駆動力をピニオン70に伝達させてもよい。この場合、カム部としてのカムディスク5を連結して構成されたカムシャフトに、調節用駆動源14の駆動力が伝達される。
1 無段変速機
2 入力軸
2a 入力軸端部
2b 入力軸用軸受
3 出力軸
3a 出力軸用軸受
4 回転半径調節機構
5 カムディスク(カム部)
5a 貫通孔
5b 切欠孔
5c 一体型カム部
6 回転ディスク(回転部)
6a 受入孔
6b 内歯
8 差動機構(遊星歯車機構)
12 段付きピニオン
14 調節用駆動源(電動機)
15 コネクティングロッド
15a 入力側環状部
15b 出力側環状部
16 コンロッド軸受
17 ワンウェイクラッチ(一方向回転阻止機構)
17a 転動体(ローラ)
17b 付勢部材(リングスプリング)
17c 受入部(環状溝)
18 揺動リンク
18a 揺動端部
18b 突片
18c 差込孔
19 連結ピン
20 てこクランク機構(四節リンク機構)
60 挿通孔
70 ピニオン
72 ピニオンシャフト
74 ピニオン軸受
80 ケース
102 アンギュラ玉軸受
104 軸内油路
106 分岐油路(第1油路)
108 第2油路
P1 回転中心軸線
P2 カムディスクの中心点
P3 回転ディスクの中心点(入力側支点)
Ra P1とP2の距離
Rb P2とP3の距離
R1 偏心量(P1とP3の距離)

Claims (4)

  1. 駆動源の駆動力の伝達により回転する入力軸と、
    該入力軸の回転中心軸線と平行に配置された出力軸と、
    該出力軸に軸支される揺動リンクを有し、前記入力軸の回転運動を前記揺動リンクの揺動運動に変換するてこクランク機構と、
    前記出力軸に対して前記揺動リンクが一方へ相対的に回転しようとするときに前記出力軸に前記揺動リンクを固定し、前記出力軸に対して前記揺動リンクが他方へ相対的に回転しようとするときに前記出力軸に対して前記揺動リンクを空転させる一方向回転阻止機構とを備え、
    前記てこクランク機構は、回転半径を調節自在な回転半径調節機構と、該回転半径調節機構と前記揺動リンクとを連結するコネクティングロッドとを備える無段変速機であって、
    前記一方向回転阻止機構は、外輪と、該外輪の内側に配置される内輪と、該外輪と該内輪との間に配置される転動体と、該転動体の遠心力を打ち消すように該転動体を該内輪側に付勢する付勢部材とを備え、
    前記外輪には、前記付勢部材を受け入れる受入部が設けられ、
    前記一方向回転阻止機構には、前記内輪の内側を流れる潤滑油を前記内輪の外側に導く第1油路が設けられ、
    前記外輪には、前記受入部と前記外輪の外面とを連通させ、前記第1油路に供給される潤滑油を排出する第2油路が設けられることを特徴とする無段変速機。
  2. 請求項1記載の無段変速機であって、
    前記第2油路は、前記出力軸に前記揺動リンクが固定される回転方向である前記揺動リンクの周方向一方側に向かって傾斜するように、第2油路の径方向内側開口端よりも径方向外側開口端が周方向一方側に位置するように構成されることを特徴とする無段変速機。
  3. 請求項1記載の無段変速機であって、
    前記第2油路は、排出される潤滑油が前記揺動リンクの揺動端部に向かうように、前記揺動端部側に傾斜させて設けられることを特徴とする無段変速機。
  4. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載の無段変速機であって、
    前記てこクランク機構は、複数設けられ、
    前記第2油路は、前記てこクランク機構に対応させて複数設けられ、
    前記出力軸には、前記第1油路に潤滑油を供給する軸内油路が設けられ、
    該軸内油路には、前記出力軸の一方端から潤滑油が供給され、
    前記第2油路は、前記出力軸の一方端に近づくにしたがって径が大きく構成されることを特徴とする無段変速機。
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