JP6178742B2 - 駆動力伝達装置の潤滑構造 - Google Patents

駆動力伝達装置の潤滑構造 Download PDF

Info

Publication number
JP6178742B2
JP6178742B2 JP2014060316A JP2014060316A JP6178742B2 JP 6178742 B2 JP6178742 B2 JP 6178742B2 JP 2014060316 A JP2014060316 A JP 2014060316A JP 2014060316 A JP2014060316 A JP 2014060316A JP 6178742 B2 JP6178742 B2 JP 6178742B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
outer member
output shaft
lubricating oil
shaft
gear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014060316A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015183762A (ja
Inventor
伸一 下平
伸一 下平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2014060316A priority Critical patent/JP6178742B2/ja
Publication of JP2015183762A publication Critical patent/JP2015183762A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6178742B2 publication Critical patent/JP6178742B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • General Details Of Gearings (AREA)
  • Structure Of Transmissions (AREA)

Description

本発明は、駆動力伝達装置の潤滑構造に関する。
従来、駆動力伝達装置としてデファレンシャルギヤの潤滑構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−194771号公報
デファレンシャルギヤの回転中心軸と同心に変速機のギヤが配置された駆動力伝達装置の場合、変速機のギヤを基準として撹拌抵抗とならないように潤滑量を調整すると、デファレンシャルギヤへの潤滑量が足りなくなる虞がある。
逆に、デファレンシャルギヤを基準として、適切に潤滑できるように潤滑油を供給しようとすると変速機のギヤへの潤滑油が過剰となり、変速機のギヤが回転するとき潤滑油が撹拌抵抗となって変速機の効率が低下する虞がある。
本発明は、以上の点に鑑み、変速機のギヤ及びデファレンシャルギヤを適切に潤滑することができる駆動力伝達装置の潤滑構造を提供することを目的とする。
[1]上記目的を達成するため、本発明は、
変速機の出力軸と同心に配置されたデファレンシャルギヤを備える動力伝達装置の潤滑構造であって、
前記デファレンシャルギヤは、前記出力軸の一方端に連結される外方部材と、前記出力軸の軸線方向に対して直交するように延び、前記外方部材内に設けられた直交軸と、該直交軸の軸線方向間で互いに対向すると共に、前記直交軸に回転自在に設けられた一対のベベルギヤと、互いに対向するとともに、一対の前記ベベルギヤに噛合する一対のサイドギヤとを備え、
一方のサイドギヤには、前記出力軸の軸線方向の一方に延びる一方側ドライブシャフトが設けられ、
他方のサイドギヤには、前記出力軸の軸線方向の他方に延び、前記出力軸内を通過する他方側ドライブシャフトが設けられ、
前記出力軸には、変速用回転体が設けられ、
前記変速用回転体は、サンギヤと、リングギヤと、ピニオンと、ピニオンを回転自在に軸支するキャリアとからなる遊星歯車機構であり、
前記外方部材と前記リングギヤとは、接続され、
前記外方部材と前記リングギヤとの接続部分には、貫通孔が形成され、
前記外方部材内には、潤滑油が溜められ、
前記外方部材内の潤滑油は、他方側ドライブシャフトに設けられた供給路を介して前記変速用回転体に供給され、
前記変速用回転体の回転によって飛散した潤滑油は、前記貫通孔を通過して前記変速用回転体の外部に排出された後、筐体の上部に設けられた樋部及び前記樋部で受けた潤滑油を下方へ導く戻り油路を介して、前記外方部材内に戻されることを特徴とする。
本発明によれば、潤滑油は外方部材内に溜められる。そして、変速用回転体へ供給される潤滑油は、他方側ドライブシャフトに設けられた供給路を介して供給される。変速用回転体の回転で飛散した潤滑油の一部は樋部及び戻り油路を介して外方部材に戻される。そして、外方部材内の潤滑油は、他方側ドライブシャフトに設けられた供給路に達するまで変速用回転体側に供給されることが阻止される。
従って、変速用回転体への過剰な潤滑油を供給を阻止して撹拌抵抗を低減すると共に、デファレンシャルギヤには十分な量の潤滑油を供給することができ、変速用回転体及びデファレンシャルギヤを適切に潤滑することができる。
[2]また、本発明においては、外方部材と直交軸とが別体で構成される場合、外方部材と直交軸との連結部に、潤滑油の漏れを防止するためのシール部材が設けることが好ましい。
かかる構成によれば、外方部材と直交軸との間の隙間から潤滑油が漏れ出すことを阻止することができ、変速用回転体及びデファレンシャルギヤに供給される潤滑油の量を適切に保つことができる。
[3]また、本発明において、変速用回転体は、サンギヤ又はリングギヤと、サンギヤ又はリングギヤに噛合するピニオンを自転及び公転自在に軸支するキャリアとを有する遊星歯車機構で構成することができる。
[4]また、上記目的を達成するため、本発明は
変速機の出力軸と同心に配置されたデファレンシャルギヤを備える動力伝達装置の潤滑構造であって、
前記デファレンシャルギヤは、前記出力軸の一方端に連結される外方部材と、前記出力軸の軸線方向に対して直交するように延び、前記外方部材内に設けられた直交軸と、該直交軸の軸線方向間で互いに対向すると共に、前記直交軸に回転自在に設けられた一対のベベルギヤと、互いに対向するとともに、一対の前記ベベルギヤに噛合する一対のサイドギヤとを備え、
一方のサイドギヤには、前記出力軸の軸線方向の一方に延びる一方側ドライブシャフトが設けられ、
他方のサイドギヤには、前記出力軸の軸線方向の他方に延び、前記出力軸内を通過する他方側ドライブシャフトが設けられ、
前記出力軸には、変速用回転体が設けられ、
前記外方部材内には、潤滑油が溜められ、
前記外方部材内の潤滑油は、他方側ドライブシャフトに設けられた供給路を介して前記変速用回転体に供給され、
前記変速用回転体の回転によって飛散した潤滑油は、筐体の上部に設けられた樋部及び前記樋部で受けた潤滑油を下方へ導く戻り油路を介して、前記外方部材内に戻され、
前記外方部材は、一対の軸受を介して筐体に軸支され、
前記樋部で受けた潤滑油は、前記戻り油路を介して、前記一方の軸受と前記筐体との間で画成される油溜空間に供給され、
前記外方部材または前記一方側ドライブシャフトには、前記外方部材と前記一方側ドライブシャフトとの間に位置させて螺旋溝が設けられ、
前記油溜空間の潤滑油は、前記外方部材または前記一方側ドライブシャフトの回転により、前記螺旋溝によって、前記外方部材内に導かれることを特徴とする
本発明の動力伝達装置の実施形態を一部断面で示す説明図。 本実施形態のてこクランク機構を示す説明図。 本実施形態の回転半径の変化を示す説明図。図3Aは回転半径が最大、図3Bは回転半径が中、図3Cは回転半径が小、図3Dは回転半径が0の状態を夫々示す。 本実施形態の回転半径の変化に対する揺動リンクの揺動範囲の変化を示す説明図。図4Aは回転半径が最大、図4Bは回転半径が中、図4Cは回転半径が小の状態の揺動範囲を夫々示す。 本実施形態の動力伝達装置を模式的に示すスケルトン図。 本実施形態のデファレンシャルギヤを示す断面図。 本実施形態の潤滑油の流れを示す説明図。 本実施形態の潤滑油の流れを示す説明図。 本実施形態の潤滑油の流れを示す説明図。
図を参照して、本発明の動力伝達装置の潤滑構造の実施形態を説明する。本実施形態の動力伝達装置は四節リンク機構型の無段変速機を備える。無段変速機は、変速比h(h=入力部の回転速度/出力軸の回転速度)を無限大(∞)にして出力軸の回転速度を「0」にできる変速機、所謂IVT(Infinity Variable Transmission)の一種である。
図1から図4を参照して、四節リンク機構型の無段変速機1は、内燃機関であるエンジンや電動機等の走行用駆動源ENGからの回転駆動力を受けることで回転中心軸線P1を中心に回転する入力端部2aと、回転中心軸線P1に平行に配置され、デファレンシャルギヤDFを介して車両の駆動輪(図示省略)に回転動力を伝達させる出力軸3と、回転中心軸線P1上に設けられた6つの回転半径調節機構4とを備える。
各回転半径調節機構4は、カム部としてのカムディスク5と、回転部としての回転ディスク6とを備える。カムディスク5は、円盤状であり、回転中心軸線P1から偏心されると共に、1つの回転半径調節機構4に対して2個1組となるように、各回転半径調節機構4に設けられている。また、カムディスク5には、回転中心軸線P1の方向に貫通する貫通孔5aが設けられている。また、カムディスク5には、回転中心軸線P1に対して偏心する方向とは逆の方向に開口し、カムディスク5の外周面と貫通孔5aを構成する内周面とを連通させる切欠孔5bが設けられている。
各1組のカムディスク5は、夫々位相を60度異ならせて、6組のカムディスク5で回転中心軸線P1の周方向を一回りするように配置されている。
カムディスク5は、隣接する回転半径調節機構4のカムディスク5と一体的に形成されて一体型カム部5cが構成されている。この一体型カム部5cは、一体成型で形成してもよく、または、2つのカム部を溶接して一体化してもよい。各回転半径調節機構4の2個1組のカムディスク5同士はボルト(図示省略)で固定されている。回転中心軸線P1上の最も走行用駆動源側に位置するカムディスク5は入力端部2aと一体的に形成されている。このようにして、入力端部2aとカムディスク5とで入力軸としての入力部2(カムシャフト)が構成されることとなる。
入力軸としての入力部2(カムシャフト)は、カムディスク5の貫通孔5aが連なることによって構成される挿通孔60を備える。これにより、入力部2は、走行用駆動源ENGとは反対側の一方端が開口し他方端が閉塞した中空軸形状に構成される。走行用駆動源側の他方端に位置するカムディスク5は、入力端部2aと一体的に形成されている。このカムディスク5と入力端部2aとを一体的に形成する方法としては、一体成型を用いてもよく、また、カムディスク5と入力部2とを溶接して一体化してもよい。
また、各1組のカムディスク5には、カムディスク5を受け入れる受入孔6aを備える円盤状の回転ディスク6が偏心された状態で回転自在に外嵌されている。
図5に示すように、回転ディスク6は、カムディスク5の中心点をP2、回転ディスク6の中心点をP3として、回転中心軸線P1と中心点P2の距離Raと、中心点P2と中心点P3の距離Rbとが同一となるように、カムディスク5に対して偏心している。
回転ディスク6の受入孔6aには、1組のカムディスク5の間に位置させて内歯6bが設けられている。
入力部2の挿通孔60には、回転中心軸線P1と同心に、且つ、回転ディスク6の内歯6bと対応する個所に位置させて、ピニオン70がカムシャフト51と相対回転自在となるように配置されている。ピニオン70は、ピニオンシャフト72と一体に形成されている。なお、ピニオン70は、ピニオンシャフト72と別体に構成して、ピニオン70をピニオンシャフト72にスプライン結合で連結させてもよい。本実施形態においては、単にピニオン70というときは、ピニオンシャフト72を含むものとして定義する。
ピニオン70は、カムディスク5の切欠孔5bを介して、回転ディスク6の内歯6bと噛合する。ピニオンシャフト72には、隣接するピニオン70の間に位置させて軸受74が設けられている。この軸受74を介して、ピニオンシャフト72は、入力部2を支えている。ピニオンシャフト72には、差動機構8が接続されている。ピニオン70には、差動機構8を介して調節用駆動源14の駆動力が伝達される。
差動機構8は、遊星歯車機構で構成されており、サンギヤと、入力部2に連結された第1リングギヤと、ピニオンシャフト72に連結された第2リングギヤと、サンギヤ及び第1リングギヤと噛合する大径部と、第2リングギヤと噛合する小径部とから成る段付きピニオンを自転及び公転自在に軸支するキャリアとを備える。
サンギヤには、ピニオンシャフト72用の電動機から成る調節用駆動源14の回転軸が連結されている。調節用駆動源14の回転速度を入力部2の回転速度と同一にすると、サンギヤと第1リングギヤとが同一速度で回転することとなり、サンギヤ、第1リングギヤ、第2リングギヤ及びキャリアの4つの要素が相対回転不能なロック状態となって、第2リングギヤと連結するピニオンシャフト72が入力部2と同一速度で回転する。
調節用駆動源14の回転速度を入力部2の回転速度よりも遅くすると、サンギヤの回転速度をNs、第1リングギヤの回転速度をNR1、サンギヤと第1リングギヤのギヤ比(第1リングギヤの歯数/サンギヤの歯数)をjとして、キャリアの回転速度が(j・NR1+Ns)/(j+1)となる。そして、サンギヤと第2リングギヤのギヤ比((第2リングギヤの歯数/サンギヤの歯数)×(段付きピニオンの大径部の歯数/小径部の歯数))をkとすると、第2リングギヤの回転速度が{j(k+1)NR1+(k−j)Ns}/{k(j+1)}となる。
回転ディスク6は、カムディスク5に対して距離Raと距離Rbとが同一となるように偏心されているため、回転ディスク6の中心点P3を回転中心軸線P1と同一軸線上に位置するようにして、回転中心軸線P1と中心点P3との距離、即ち偏心量R1を「0」とすることもできる。
回転ディスク6の周縁には、一方の端部に大径の大径環状部15aを備え、他方の端部に大径環状部15aの径よりも小径の小径環状部15bを備えるコネクティングロッド15の大径環状部15aが、ローラベアリングからなるコンロッド軸受16を介して回転自在に外嵌されている。なお、コンロッド軸受16は、ボールベアリングを軸方向に2個並べて2個一組で構成してもよい。出力軸3には、第1ワンウェイクラッチ17を介して、揺動リンク18がコネクティングロッド15に対応させて6個設けられている。
第1ワンウェイクラッチ17は、揺動リンク18と出力軸3との間に設けられ、揺動リンク18が出力軸3に対して一方側に相対回転しようとするときに揺動リンク18を出力軸3に固定し、他方側に相対回転しようとするときに出力軸3に対して揺動リンク18を空転させる。
揺動リンク18は、環状に形成されており、その上方には、コネクティングロッド15の小径環状部15bに連結される揺動端部18aが設けられている。揺動端部18aには、小径環状部15bを軸方向で挟み込むように突出した一対の突片18bが設けられている。一対の突片18bには、小径環状部15bの内径に対応する差込孔18cが穿設されている。差込孔18c及び小径環状部15bには、連結ピン19が挿入されている。これにより、コネクティングロッド15と揺動リンク18とが連結される。
本実施形態においては、揺動リンク18の揺動端部18aが、ケース80の下方に溜まった潤滑油の油溜に油没するように、揺動端部18aを出力軸3の下方に配置されている。これにより、揺動端部18aを油溜で潤滑できると共に、揺動リンク18の揺動運動により、油溜の潤滑油を掻き揚げて、無段変速機1の他の部品を潤滑させることができる。
なお、実施形態の説明において、変速比は、入力部の回転速度/出力軸の回転速度と定義する。
図3は、回転半径調節機構4の偏心量R1を変化させた状態のピニオンシャフト72と回転ディスク6との位置関係を示す。図3(a)は偏心量R1を「最大」とした状態を示しており、回転中心軸線P1と、カムディスク5の中心点P2と、回転ディスク6の中心点P3とが一直線に並ぶように、ピニオンシャフト72と回転ディスク6とが位置する。このときの変速比hは最小となる。
図3(b)は偏心量R1を図3(a)よりも小さい「中」とした状態を示しており、図3(c)は偏心量R1を図3(b)よりも更に小さい「小」とした状態を示している。変速比hは、図3(b)では図3(a)の変速比hよりも大きい「中」となり、図3(c)では図3(b)の変速比hよりも大きい「大」となる。図3(d)は偏心量R1を「0」とした状態を示しており、回転中心軸線P1と、回転ディスク6の中心点P3とが同心に位置する。このときの変速比hは無限大(∞)となる。第1実施形態の無段変速機1は、回転半径調節機構4で偏心量R1を変えることにより、入力部2側の回転運動の半径を調節自在としている。
本実施形態においては、回転半径調節機構4と、コネクティングロッド15と、揺動リンク18とで、てこクランク機構20(四節リンク機構)が構成される。そして、てこクランク機構20によって、入力部2の回転運動が揺動リンク18の揺動運動に変換される。本実施形態の無段変速機1は合計6個のてこクランク機構20を備えている。偏心量R1が「0」でないときに、入力部2を回転させると共に、ピニオンシャフト72を入力部2と同一速度で回転させると、各コネクティングロッド15が60度ずつ位相を変えながら、偏心量R1に基づき入力部2と出力軸3との間で出力軸3側に押したり、入力部2側に引いたりを交互に繰り返して揺動する。
コネクティングロッド15の小径環状部15bは、出力軸3に第1ワンウェイクラッチ17を介して設けられた揺動リンク18に連結されているため、揺動リンク18がコネクティングロッド15によって押し引きされて揺動すると、揺動リンク18が押し方向側又は引張り方向側の何れか一方に揺動リンク18が回転するときだけ、出力軸3が回転し、揺動リンク18が他方に回転するときには、出力軸3に揺動リンク18の揺動運動の力が伝達されず、揺動リンク18が空回りする。各回転半径調節機構4は、60度毎に位相を変えて配置されているため、出力軸3は各回転半径調節機構4で順に回転させられる。
また、図5に模式的に示すように、本実施形態の無段変速機1は、調節用駆動源14を制御する制御部ECUを備えている。制御部ECUは、CPUやメモリ等により構成された電子ユニットであり、メモリに保持された制御プログラムをCPUで実行することにより、調節用駆動源14を制御して、回転半径調節機構4の偏心量R1を調節する機能を果たす。また、制御部ECUは、車両に設けられたアクセル開度検出部110からのアクセル開度の情報、及び車両の走行速度を検出する車速検出部111からの車速の情報、走行用駆動源ENGの回転速度の情報を受信可能に構成されている。本実施形態の制御部ECUでは、走行用駆動源ENGの回転速度を入力部2の回転速度と同一と推定して、走行用駆動源ENGの制御している。
また、本実施形態の無段変速機1は、走行用駆動源ENGの回転負荷を利用してエンジンブレーキを効かせて出力軸3の回転速度を減速させるための、又は駆動輪の回転力を利用して走行用駆動源を回すための、出力減速機構100を備える。なお、走行用駆動源を電動機で構成する場合には、電動機を発電機として用いて回生を行うように出力減速機構を用いることもできる。
出力減速機構100は、出力軸3とデファレンシャルギヤDFとの間に配置される。出力減速機構100は、入力部2に固定された入力側スプロケット101と、出力軸3に回転自在に軸支された出力側スプロケット102と、両スプロケット101,102に巻き掛けられたチェーン103と、出力軸3に設けられた第2ワンウェイクラッチ104と、出力側スプロケット102を、第2ワンウェイクラッチ104を介して出力軸3に連結する連結状態と、この連結を断つ開放状態とに切換自在な係合機構(噛合機構)としてのドグクラッチ105とを備える。
第2ワンウェイクラッチ104は、ドグクラッチ105と出力軸3との間に設けられ、ドグクラッチ105が出力軸3に対して一方側に相対回転しようとするときにドグクラッチ105が空転し、他方側に相対回転しようとするときに出力軸3に対してドグクラッチ105が固定されるように構成される。
本実施形態の無段変速機1では、出力減速機構100を作動させて、エンジンブレーキを効かせたい場合、または、駆動輪の回転力を利用して走行用駆動源ENGを回転させ、フューエルカットにより燃費向上を図りたい場合には、ドグクラッチ105を連結状態とする。これにより、第2ワンウェイクラッチ104が機能して、出力側スプロケット102が出力軸3に固定されれば、出力減速機構100により、エンジンブレーキが効かされ、又は燃費の向上を図ることができる。
図5及び図6に示すように、出力減速機構100は、サンギヤ202と、リングギヤ204と、サンギヤ202およびリングギヤ204に噛合するピニオン206と、ピニオン206を回転自在に軸支するキャリア208とからなる遊星歯車機構200を備えている。
サンギヤ202には、無段変速機1の出力軸3と連結自在なドグクラッチ222が接続されている。キャリア208には、キャリア208の回転を阻止自在なブレーキ224が接続されている。
デファレンシャルギヤDFは、筐体301内に配置され、出力軸3の一方端(図5では駆動源ENG側の端)とドグクラッチ222を介して接続される中空の外方部材302を備える。外方部材302は、軸受303R,303Lを介して筐体301で回転自在に支えられる。また、軸受303R,303Lの軸方向他方側(図5及び図6の左側)の側面には、潤滑油が流れることを阻止するシール部材303Ra,303Laが設けられている。なお、外方部材302内の潤滑油で軸受303Lを潤滑できなくなるものの、軸受303R,303Lの軸方向一方側(図5及び図6の右側)の側面に潤滑油が流れることを阻止するシール部材303Ra,303Laを設けてもよい。
外方部材302の内部には、出力軸3の軸線方向に対して直交するように延びる直交軸304が設けられる。外方部材302と直交軸304との間の連結部には、外方部材302の中の潤滑油が外に漏れないようにシール部材304aで液密にシールされている。
直交軸304には、直交軸304の軸線方向間で互いに対向すると共に、直交軸304に回転自在な一対のベベルギヤ306,308が設けられる。また、デファレンシャルギヤDFは、互いに対向するとともに、一対のベベルギヤ306,308に噛合する一対のサイドギヤ310,312とを備える。
一方(図面右側)のサイドギヤ310には、出力軸3の軸線方向の一方(本実施形態では駆動源ENG側)に延びる一方側ドライブシャフト314が接続される。一方側ドライブシャフト314は、一方側(図面右側)の駆動輪に動力を伝達する。
他方(図面左側)のサイドギヤ312には、中空の出力軸3の中を通って、出力軸3の軸線方向の他方(本実施形態では調節用駆動源14側)に延びる他方側ドライブシャフト316が接続される。他方側ドライブシャフト316は、他方側(図面左側)の駆動輪に動力を伝達する。
外方部材302は、遊星歯車機構200のリングギヤ204と、無段変速機1の出力軸3と連結自在なドグクラッチ222とに接続されている。
図6及び図7を参照して、出力減速機構100とデファレンシャルギヤDFとは、筐体301内に収容されている。筐体301の内面の上部には、遊星歯車機構200の回転によって巻き上げられた潤滑油を受け止める樋部322が設けられている。リングギヤ204と外方部材302との接続部分には、樋部322へ潤滑油が入り易いように貫通孔324が設けられている。
また、図6から図8を参照して、筐体301には、樋部322に溜まった潤滑油を出力軸3の軸線方向の一方側(駆動源ENG側)に位置する軸受303Rよりも一方側(駆動源ENG側)に画成された油溜空間325に導く戻り油路326が設けられている。この戻り油路326は、筐体301の肉厚の厚い部分を利用して形成することにより、戻り油路326のためだけに、筐体301の肉厚を厚した場合と比較して、動力伝達装置の小型化及び軽量化を図ることができる。
図8に示すように、筐体301には、一方側ドライブシャフト314が挿通される部分に位置させて、螺旋溝328が設けられている。この螺旋溝328により、外方部材302が回転することで、油溜空間325内の潤滑油が外方部材302の内部に導かれる。
図9に示すように、外方部材302内の潤滑油は、他方側ドライブシャフト316に設けられた供給路329を介して遊星歯車機構200が配置される空間内に供給される。遊星歯車機構200が配置される空間内に供給された潤滑油は、遊星歯車機構200の回転により巻き上げられる。図7を参照して、巻き上げられた潤滑油の一部は、外方部材302の内周面を伝うなどして樋部322に潤滑油が集められる。図8を参照して、樋部322に集められた潤滑油は、戻り油路326を介して油溜空間325に供給される。
本実施形態の動力伝達装置によれば、外方部材302内の潤滑油は、他方側ドライブシャフト316に設けられた供給路329を介して遊星歯車機構200が配置される空間に潤滑油が供給される。従って、外方部材302内の潤滑油の量が他方側ドライブシャフト316に設けられた供給路329に達するまで、遊星歯車機構200が配置される空間への潤滑油の供給は阻止される。これにより、変速用回転体としての遊星歯車機構200と、デファレンシャルギヤDFとの潤滑油の量を夫々適切に保つことができる。
なお、本実施形態においては、変速用回転体として遊星歯車機構200を用いて説明したが、本発明の変速用回転体はこれに限らない。本発明の変速用回転体は、例えば、エンジンブレーキを利かせるためのドグクラッチであってもよい。
また、本実施形態においては、入力端部2aとカムディスク5とで入力部2を構成し、入力部2が、カムディスク5の貫通孔5aが連なることによって構成される挿通孔60を備えるものを説明した。しかしながら、本発明の入力部はこれに限らず、例えば、入力軸を一端が開口するように挿通孔を有する中空軸状に構成し、円盤状のカムディスクに入力軸を挿通できるように貫通孔を第1実施形態のものよりも大きく形成して、カムディスクを中空軸状に構成された入力軸の外周面にスプライン結合させてもよい。
この場合、中空軸からなる入力軸には、カムディスクの切欠孔に対応させて切欠孔が設けられる。そして、入力軸内に挿入されるピニオンは、入力軸の切欠孔及びカムディスクの切欠孔を介して、回転ディスクの内歯と噛合する。
1 無段変速機
2 入力部
2a 入力端部
3 出力軸
4 回転半径調節機構
5 カムディスク(カム部)
5a 貫通孔
5b 切欠孔
5c 一体型カム部
6 回転ディスク(回転部)
6a 受入孔(内周部)
6b 内歯
8 差動機構(遊星歯車機構)
14 調節用駆動源(電動機)
15 コネクティングロッド
15a 大径環状部
15b 小径環状部
16 コンロッド軸受
17 第1ワンウェイクラッチ
18 揺動リンク
18a 揺動端部
18b 突片
18c 差込孔
19 連結ピン
20 てこクランク機構(四節リンク機構)
60 挿通孔
70 ピニオン
72 ピニオンシャフト
74 軸受
80 ケース
100 出力減速機構
101 入力側スプロケット
102 出力側スプロケット
103 チェーン
104 第2ワンウェイクラッチ
105 ドグクラッチ
110 アクセル開度検出部
111 車速検出部
200 遊星歯車機構(変速用回転体)
202 サンギヤ
204 リングギヤ
206 ピニオン
208 キャリア
222 ドグクラッチ
224 ブレーキ
301 筐体
302 外方部材
303R,303L 軸受
303Ra,303La シール部材
304 直交軸
304a シール部材(本発明のシール部材)
306,308 ベベルギヤ
310,312 サイドギヤ
314 一方側ドライブシャフト
316 他方側ドライブシャフト
322 樋部
324 貫通孔
325 油溜空間
326 戻り油路
328 螺旋溝
329 供給路
P1 回転中心軸線
P2 カムディスクの中心点
P3 回転ディスクの中心点
Ra P1とP2の距離
Rb P2とP3の距離
R1 偏心量(P1とP3の距離)
ENG 走行用駆動源
DF デファレンシャルギヤ

Claims (4)

  1. 変速機の出力軸と同心に配置されたデファレンシャルギヤを備える動力伝達装置の潤滑構造であって、
    前記デファレンシャルギヤは、前記出力軸の一方端に連結される外方部材と、前記出力軸の軸線方向に対して直交するように延び、前記外方部材内に設けられた直交軸と、該直交軸の軸線方向間で互いに対向すると共に、前記直交軸に回転自在に設けられた一対のベベルギヤと、互いに対向するとともに、一対の前記ベベルギヤに噛合する一対のサイドギヤとを備え、
    一方のサイドギヤには、前記出力軸の軸線方向の一方に延びる一方側ドライブシャフトが設けられ、
    他方のサイドギヤには、前記出力軸の軸線方向の他方に延び、前記出力軸内を通過する他方側ドライブシャフトが設けられ、
    前記出力軸には、変速用回転体が設けられ、
    前記変速用回転体は、サンギヤと、リングギヤと、ピニオンと、ピニオンを回転自在に軸支するキャリアとからなる遊星歯車機構であり、
    前記外方部材と前記リングギヤとは、接続され、
    前記外方部材と前記リングギヤとの接続部分には、貫通孔が形成され、
    前記外方部材内には、潤滑油が溜められ、
    前記外方部材内の潤滑油は、他方側ドライブシャフトに設けられた供給路を介して前記変速用回転体に供給され、
    前記変速用回転体の回転によって飛散した潤滑油は、前記貫通孔を通過して前記変速用回転体の外部に排出された後、筐体の上部に設けられた樋部及び前記樋部で受けた潤滑油を下方へ導く戻り油路を介して、前記外方部材内に戻されることを特徴とする動力伝達装置の潤滑構造。
  2. 請求項1記載の動力伝達装置の潤滑構造であって、
    前記外方部材と前記直交軸とは別体で構成され、
    前記外方部材と前記直交軸との連結部に、潤滑油の漏れを防止するためのシール部材が設けられることを特徴とする動力伝達装置の潤滑構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の動力伝達装置の潤滑構造であって、
    前記変速用回転体は、サンギヤ又はリングギヤと、前記サンギヤ又は前記リングギヤに噛合するピニオンを自転及び公転自在に軸支するキャリアとを有する遊星歯車機構であることを特徴とする動力伝達装置の潤滑構造。
  4. 変速機の出力軸と同心に配置されたデファレンシャルギヤを備える動力伝達装置の潤滑構造であって、
    前記デファレンシャルギヤは、前記出力軸の一方端に連結される外方部材と、前記出力軸の軸線方向に対して直交するように延び、前記外方部材内に設けられた直交軸と、該直交軸の軸線方向間で互いに対向すると共に、前記直交軸に回転自在に設けられた一対のベベルギヤと、互いに対向するとともに、一対の前記ベベルギヤに噛合する一対のサイドギヤとを備え、
    一方のサイドギヤには、前記出力軸の軸線方向の一方に延びる一方側ドライブシャフトが設けられ、
    他方のサイドギヤには、前記出力軸の軸線方向の他方に延び、前記出力軸内を通過する他方側ドライブシャフトが設けられ、
    前記出力軸には、変速用回転体が設けられ、
    前記外方部材内には、潤滑油が溜められ、
    前記外方部材内の潤滑油は、他方側ドライブシャフトに設けられた供給路を介して前記変速用回転体に供給され、
    前記変速用回転体の回転によって飛散した潤滑油は、筐体の上部に設けられた樋部及び前記樋部で受けた潤滑油を下方へ導く戻り油路を介して、前記外方部材内に戻され、
    前記外方部材は、一対の軸受を介して筐体に軸支され、
    前記樋部で受けた潤滑油は、前記戻り油路を介して、前記一方の軸受と前記筐体との間で画成される油溜空間に供給され、
    前記外方部材または前記一方側ドライブシャフトには、前記外方部材と前記一方側ドライブシャフトとの間に位置させて螺旋溝が設けられ、
    前記油溜空間の潤滑油は、前記外方部材または前記一方側ドライブシャフトの回転により、前記螺旋溝によって、前記外方部材内に導かれることを特徴とする動力伝達装置の潤滑構造。
JP2014060316A 2014-03-24 2014-03-24 駆動力伝達装置の潤滑構造 Expired - Fee Related JP6178742B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014060316A JP6178742B2 (ja) 2014-03-24 2014-03-24 駆動力伝達装置の潤滑構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014060316A JP6178742B2 (ja) 2014-03-24 2014-03-24 駆動力伝達装置の潤滑構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015183762A JP2015183762A (ja) 2015-10-22
JP6178742B2 true JP6178742B2 (ja) 2017-08-09

Family

ID=54350533

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014060316A Expired - Fee Related JP6178742B2 (ja) 2014-03-24 2014-03-24 駆動力伝達装置の潤滑構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6178742B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11739827B2 (en) * 2019-09-11 2023-08-29 Musashi Seimitsu Industry Co., Ltd. Transmission device

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS584731Y2 (ja) * 1976-12-29 1983-01-27 日産デイ−ゼル工業株式会社 インタアクスルデイフアレンシヤルの潤滑装置
JPS5899551U (ja) * 1981-12-28 1983-07-06 日産ディーゼル工業株式会社 車両用終減速機のデイフアレンシヤル潤滑装置
JPS58170444U (ja) * 1982-05-10 1983-11-14 日産自動車株式会社 差動装置
JPH06341515A (ja) * 1993-05-31 1994-12-13 Suzuki Motor Corp センターデファレンシャル装置の潤滑装置
DE112013003628T5 (de) * 2012-07-23 2015-05-07 Honda Motor Co., Ltd. Fahrzeugleistungsgetriebevorrichtung

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015183762A (ja) 2015-10-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5694857B2 (ja) 無段変速機の潤滑油供給構造
JP5694858B2 (ja) 無段変速機の潤滑油供給構造
JP6178742B2 (ja) 駆動力伝達装置の潤滑構造
JP2019152266A (ja) ディファレンシャル装置
JP6117721B2 (ja) 無段変速機
JP5694859B2 (ja) 四節リンク型無段変速機
JP6067593B2 (ja) 無段変速機
JP6087307B2 (ja) 無段変速機
JP6105362B2 (ja) 無段変速機
JP6087320B2 (ja) 無段変速機
JP6087310B2 (ja) 無段変速機
JP6201062B2 (ja) 変速機
JP6309377B2 (ja) ラジアル・スラスト軸受のプリロード調節構造、及びこれを用いた無段変速機
JP6087308B2 (ja) 無段変速機
JPH0478860B2 (ja)
JP6151223B2 (ja) 軸受及びこの軸受を用いた回転装置または無段変速機
JP2005076841A (ja) ベルト式無段変速機
JP6155230B2 (ja) 無段変速機
CN206017618U (zh) 一种三挡变速器
JP6705345B2 (ja) 車両用動力伝達装置の支持構造
JP6111207B2 (ja) 無段変速機
JP6132751B2 (ja) 動力伝達装置
JP6144638B2 (ja) 無段変速機
JP6447065B2 (ja) 無段変速機
JP2014231881A (ja) 無段変速機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170704

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170714

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6178742

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees