JP2014231881A - 無段変速機 - Google Patents

無段変速機 Download PDF

Info

Publication number
JP2014231881A
JP2014231881A JP2013113255A JP2013113255A JP2014231881A JP 2014231881 A JP2014231881 A JP 2014231881A JP 2013113255 A JP2013113255 A JP 2013113255A JP 2013113255 A JP2013113255 A JP 2013113255A JP 2014231881 A JP2014231881 A JP 2014231881A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
output shaft
continuously variable
variable transmission
connecting rod
swing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013113255A
Other languages
English (en)
Inventor
圭右 川村
Keisuke Kawamura
圭右 川村
優史 西村
Yuji Nishimura
優史 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2013113255A priority Critical patent/JP2014231881A/ja
Publication of JP2014231881A publication Critical patent/JP2014231881A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)
  • Transmission Devices (AREA)

Abstract

【課題】制御誤差または部品加工公差などによる、意図しない出力軸への駆動力の伝達を防止することができる無段変速機を提供する。
【解決手段】無段変速機は、てこクランク機構を備える。てこクランク機構は、回転半径を調節自在な回転半径調節機構と、コネクティングロッド15と、揺動リンク18とを備える。コネクティングロッド15は小径環状部15bを備える。小径環状部15bには、揺動リンク18と連結するための連結ピン19が挿通される。小径環状部15bと連結ピン19との間には、所定値以下の駆動力を吸収する緩衝部100を備える。
【選択図】図6

Description

本発明は、入力部の回転中心軸線上に設けられた回転半径調節機構で回転半径を調節することにより変速自在な四節リンク機構型の無段変速機に関する。
従来、車両に設けられたエンジン等の主駆動源からの駆動力が伝達される入力軸と、入力軸と平行に配置された出力軸と、複数のてこクランク機構とを備える四節リンク機構型の無段変速機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1のてこクランク機構は、入力軸に設けられた回転半径調節機構と、出力軸に揺動自在に軸支される揺動リンクと、一方の端部に回転半径調節機構に回転自在に外嵌される入力側環状部を有し、他方の端部が揺動リンクの揺動端部に連結されるコネクティングロッドとで構成される。
揺動リンクと出力軸との間には、出力軸に対して一方側に相対回転しようとするときに出力軸に揺動リンクを固定し、他方側に相対回転しようとするときに出力軸に対して揺動リンクを空転させる一方向回転阻止機構としてのワンウェイクラッチが設けられている。
回転半径調節機構は、中心から偏心して穿設された貫通孔を有する円盤状の回転部と、貫通孔の内周面に設けられたリングギヤと、入力軸に固定されリングギヤに噛合する第1ピニオンと、調節用駆動源からの駆動力が伝達されるキャリアと、キャリアで自転及び公転自在に夫々軸支されると共にリングギヤに夫々噛合する2つの第2ピニオンとで構成される。第1ピニオンと2つの第2ピニオンは、それらの中心軸線を頂点とする三角形が正三角形となるように配置されている。
そして、主駆動源で回転する入力軸と調節用駆動源で回転するキャリアとの回転速度が同一の場合は、入力軸の入力中心軸線に対する回転部の中心点の偏心量は維持され、回転半径調節機構の回転軌跡の半径も一定のまま維持される。主駆動源で回転する入力軸と調節用駆動源で回転するキャリアとの回転速度が異なる場合は、入力軸の入力中心軸線に対する回転部の中心点の偏心量が変化し、回転半径調節機構の回転軌跡の半径も変化する。
そして、回転半径調節機構の回転軌跡の半径が変化することにより、揺動リンクの揺動端部の振れ幅も変化して、変速比を切り換え、入力軸に対する出力軸の回転速度を制御する。
このような無段変速機では、3つのピニオンの中心軸線を頂点とする正三角形の中心点と入力軸の入力中心軸線との間の距離と、この正三角形の中心点と回転部の中心点との間の距離とを等しく設定することにより、入力中心軸線と回転部の中心点とを重ね合わせて偏心量を0とすることができる。偏心量が0のときには、入力軸が回転している場合であっても揺動リンクの揺動端部の振れ幅が0となり、出力軸が回転しない状態となる。
特開2012−21592号公報
四節リンク機構型の無段変速機では、偏心量が0、即ち、回転半径調節機構の回転半径が0でなければ、出力軸に駆動力が伝達される。また、回転半径調節機構の回転半径が0に近い領域では、半径の変化量に対して、出力軸に伝達される駆動力の変化量が大きくなってしまう。
このため、回転半径調節機構の回転半径の調節精度を高精度に制御しなければならず、制御誤差や部品の加工交差等によって意図せずに出力軸へ駆動力が伝達されたり、又は、クリープ現象(アクセルペダルを踏むことなく、エンジンがアイドリングの状態で車両が動く状態)のときの出力軸に伝達される駆動力の変化が大きくなってしまう虞がある。
本発明は、以上の点に鑑み、制御誤差または部品加工公差などによる、意図しない出力軸への駆動力の伝達を防止すること、又は、クリープ現象のときの駆動力(クリープトルク)の変化を防止することができる無段変速機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、主駆動源からの駆動力が伝達される入力部と、該入力部の回転中心軸線と平行に配置された出力軸と、前記出力軸に軸支される揺動リンクを有し、前記入力部の回転運動を前記揺動リンクの揺動運動に変換するてこクランク機構と、前記出力軸に対して一方側に相対回転しようとするときに前記出力軸に該揺動リンクを固定し、他方側に相対回転しようとするときに前記出力軸に対して該揺動リンクを空転させる一方向回転阻止機構とを備え、前記てこクランク機構が、回転半径を調節自在な回転半径調節機構を備えた四節リンク機構型の無段変速機であって、前記揺動リンクへの所定値以下の駆動力の伝達を阻止するように、前記所定値以下の駆動力を吸収する緩衝部を備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、制御誤差や部品加工公差に基く駆動力(所定値以下の駆動力)を緩衝部で吸収させることができる。これにより、回転半径調節機構の回転半径がゼロであるとき(ギヤニュートラル状態)、又はクリープ現象(アクセルペダルを踏むことなく、エンジンがアイドリングの状態で車両が動く状態)のときに、制御誤差または部品加工公差などによる、意図しない出力軸への駆動力の伝達を防止すること、又は、クリープ現象のときの駆動力(クリープトルク)の変化を防止することができる。
また、本発明においては、てこクランク機構は、回転半径調節機構と揺動リンクとを連結するコネクティングロッドを備え、コネクティングロッドと揺動リンクとは揺動軸を介して連結され、揺動軸はコネクティングロッド又は揺動リンクに設けられた挿入孔に挿入され、緩衝部を揺動軸と挿入孔との間に配置される筒形状とすることができる。
仮に、緩衝部をコネクティングロッドの中間あたりに介設することとなると、コネクティングロッド自体を大幅に設計変更する必要があり、面倒である。上述の如く、緩衝部を揺動軸と挿入孔との間に配置すれば、従来のコネクティングロッドまたは揺動リンクに設けられた挿入孔を筒形状の緩衝部の分だけ大きく加工するか、または、従来の揺動軸の径を筒形状の緩衝部の分だけ縮径させることにより、緩衝部を配置することができる。従って、無段変速機に緩衝部を比較的容易に設けることができる。
また、コネクティングロッドの一方の端部が回転半径調節機構に外嵌される場合には、揺動リンクの揺動端部に連結されるコネクティングロッドの他方の端部と比較して、一方の端部の方が大きくなることが想定される。従って、コネクティングロッドの一方の端部よりも小さい他方の端部の側に緩衝部を設けた方が緩衝部の小型化を図ることができ、無段変速機の軽量化、及びてこクランク機構の作動時の慣性力の増加を抑制することができる。
本発明の実施形態の無段変速機を示す斜視図。 本実施形態の無段変速機を一部切り欠いて示す斜視図。 本実施形態の無段変速機を示す断面図。 本実施形態の無段変速機の基本構成を軸方向から示す断面図。 本実施形態の無段変速機の回転半径調節機構の回転半径(偏心量)の変化を示す説明図であり、(a)は偏心量が最大、(b)は偏心量が中、(c)は偏心量が小、(d)は偏心量が「0」であるときを夫々示している。 本実施形態の緩衝部を模式的に示す説明図。
図を参照して、本発明の四節リンク機構型の無段変速機の実施形態を説明する。本発明が適用される無段変速機は、変速比h(h=入力部の回転速度/出力軸の回転速度)を無限大(∞)にして出力軸の回転速度を「0」にできる変速機、所謂IVT(Infinity Variable Transmission)の一種である。
図1から図4を参照して、四節リンク機構型の無段変速機1は、内燃機関であるエンジンや電動機等の主駆動源ENGからの回転駆動力を受けることで回転中心軸線P1を中心に回転する入力部2と、回転中心軸線P1に平行に配置され、図示省略したデファレンシャルギヤを介して車両の駆動輪(図示省略)に回転動力を伝達させる出力軸3と、回転中心軸線P1上に設けられた6つの回転半径調節機構4とを備える。なお、デファレンシャルギヤの代わりにプロペラシャフトを設けてもよい。
図2から図4に示すように、各回転半径調節機構4は、カム部としてのカムディスク5と、回転部としての回転ディスク6とを備える。カムディスク5は、円盤状であり、回転中心軸線P1から偏心されると共に、1つの回転半径調節機構4に対して2個1組となるように、各回転半径調節機構4に設けられている。また、カムディスク5には、回転中心軸線P1の方向に貫通する貫通孔5aが設けられている。また、カムディスク5には、回転中心軸線P1に対して偏心する方向とは逆の方向に開口し、カムディスク5の外周面と貫通孔5aを構成する内周面とを連通させる切欠孔5bが設けられている。
各1組のカムディスク5は、夫々位相を60度異ならせて、6組のカムディスク5で回転中心軸線P1の周方向を一回りするように配置されている。
カムディスク5は、隣接する回転半径調節機構4のカムディスク5と一体的に形成されて一体型カム部5cが構成されている。この一体型カム部5cは、一体成型で形成してもよく、または、2つのカム部を溶接して一体化してもよい。各回転半径調節機構4の2個1組のカムディスク5同士はボルト(図示省略)で固定されている。回転中心軸線P1上の最も主駆動源側に位置するカムディスク5は入力部2と一体的に形成されている。このようにして、入力部2とカムディスク5とでカムシャフト51が構成されることとなる。
カムシャフト51は、カムディスク5の貫通孔5aが連なることによって構成される挿通孔60を備える。これにより、カムシャフト51は、主駆動源ENGとは反対側の一方端が開口し他方端が閉塞した中空軸形状に構成される。主駆動源側の他方端に位置するカムディスク5は、入力部2と一体的に形成されている。このカムディスク5と入力部2とを一体的に形成する方法としては、一体成型を用いてもよく、また、カムディスク5と入力部2とを溶接して一体化してもよい。
また、各1組のカムディスク5には、カムディスク5を受け入れる受入孔6aを備える円盤状の回転ディスク6が偏心された状態で回転自在に外嵌されている。
図4に示すように、回転ディスク6は、カムディスク5の中心点をP2、回転ディスク6の中心点をP3として、回転中心軸線P1と中心点P2の距離Raと、中心点P2と中心点P3の距離Rbとが同一となるように、カムディスク5に対して偏心している。
回転ディスク6の受入孔6aには、1組のカムディスク5の間に位置させて内歯6bが設けられている。
カムシャフト51の挿通孔60には、回転中心軸線P1と同心に、且つ、回転ディスク6の内歯6bと対応する個所に位置させて、ピニオン70がカムシャフト51と相対回転自在となるように配置されている。ピニオン70は、ピニオンシャフト72と一体に形成されている。なお、ピニオン70は、ピニオンシャフト72と別体に構成して、ピニオン70をピニオンシャフト72にスプライン結合で連結させてもよい。本実施形態においては、単にピニオン70というときは、ピニオンシャフト72を含むものとして定義する。
ピニオン70は、カムディスク5の切欠孔5bを介して、回転ディスク6の内歯6bと噛合する。ピニオンシャフト72には、隣接するピニオン70の間に位置させて軸受74が設けられている。この軸受74を介して、ピニオンシャフト72は、カムシャフト51を支えている。ピニオンシャフト72には、差動機構8が接続されている。ピニオン70には、差動機構8を介して調節用駆動源14の駆動力が伝達される。
差動機構8は、遊星歯車機構で構成されており、サンギヤ9と、カムシャフト51に連結された第1リングギヤ10と、ピニオンシャフト72に連結された第2リングギヤ11と、サンギヤ9及び第1リングギヤ10と噛合する大径部12aと、第2リングギヤ11と噛合する小径部12bとから成る段付きピニオン12を自転及び公転自在に軸支するキャリア13とを備える。
サンギヤ9には、ピニオンシャフト72用の電動機から成る調節用駆動源14の回転軸14aが連結されている。調節用駆動源14の回転速度を入力部2の回転速度と同一にすると、サンギヤ9と第1リングギヤ10とが同一速度で回転することとなり、サンギヤ9、第1リングギヤ10、第2リングギヤ11及びキャリア13の4つの要素が相対回転不能なロック状態となって、第2リングギヤ11と連結するピニオンシャフト72が入力部2と同一速度で回転する。
調節用駆動源14の回転速度を入力部2の回転速度よりも遅くすると、サンギヤ9の回転速度をNs、第1リングギヤ10の回転速度をNR1、サンギヤ9と第1リングギヤ10のギヤ比(第1リングギヤ10の歯数/サンギヤ9の歯数)をjとして、キャリア13の回転速度が(j・NR1+Ns)/(j+1)となる。そして、サンギヤ9と第2リングギヤ11のギヤ比((第2リングギヤ11の歯数/サンギヤ9の歯数)×(段付きピニオン12の大径部12aの歯数/小径部12bの歯数))をkとすると、第2リングギヤ11の回転速度が{j(k+1)NR1+(k−j)Ns}/{k(j+1)}となる。
回転ディスク6は、カムディスク5に対して距離Raと距離Rbとが同一となるように偏心されているため、回転ディスク6の中心点P3を回転中心軸線P1と同一軸線上に位置するようにして、回転中心軸線P1と中心点P3との距離、即ち偏心量R1を「0」とすることもできる。
回転ディスク6の周縁には、一方の端部に大径の大径環状部15aを備え、他方の端部に大径環状部15aの径よりも小径の小径環状部15bを備えるコネクティングロッド15の大径環状部15aが、ローラベアリングからなるコンロッド軸受16を介して回転自在に外嵌されている。なお、コンロッド軸受16は、ボールベアリングを軸方向に2個並べて2個一組で構成してもよい。出力軸3には、ワンウェイクラッチ17を介して、揺動リンク18がコネクティングロッド15に対応させて6個設けられている。
ワンウェイクラッチ17は、揺動リンク18と出力軸3との間に設けられ、揺動リンク18が出力軸3に対して一方側に相対回転しようとするときに揺動リンク18を出力軸3に固定し、他方側に相対回転しようとするときに出力軸3に対して揺動リンク18を空転させる。
揺動リンク18は、環状に形成されており、その上方には、コネクティングロッド15の小径環状部15bに連結される揺動端部18aが設けられている。揺動端部18aには、小径環状部15bを軸方向で挟み込むように突出した一対の突片18bが設けられている。一対の突片18bには、小径環状部15bの内径に対応する差込孔18cが穿設されている。差込孔18c及び小径環状部15bには、揺動軸としての連結ピン19が挿入されている。これにより、コネクティングロッド15と揺動リンク18とが連結される。本実施形態においては、小径環状部15bの内周面で画成される孔が本発明の挿通孔に相当する。
本実施形態においては、揺動リンク18の揺動端部18aが、ケース80の下方に溜まった潤滑油の油溜に油没するように、揺動端部18aを出力軸3の下方に配置されている。これにより、揺動端部18aを油溜で潤滑できると共に、揺動リンク18の揺動運動により、油溜の潤滑油を掻き揚げて、無段変速機1の他の部品を潤滑させることができる。
なお、実施形態の説明において、変速比は、入力部の回転速度/出力軸の回転速度と定義する。
図5は、回転半径調節機構4の偏心量R1を変化させた状態のピニオンシャフト72と回転ディスク6との位置関係を示す。図5(a)は偏心量R1を「最大」とした状態を示しており、回転中心軸線P1と、カムディスク5の中心点P2と、回転ディスク6の中心点P3とが一直線に並ぶように、ピニオンシャフト72と回転ディスク6とが位置する。このときの変速比hは最小となる。
図5(b)は偏心量R1を図5(a)よりも小さい「中」とした状態を示しており、図5(c)は偏心量R1を図7(b)よりも更に小さい「小」とした状態を示している。変速比hは、図5(b)では図5(a)の変速比hよりも大きい「中」となり、図5(c)では図5(b)の変速比hよりも大きい「大」となる。図5(d)は偏心量R1を「0」とした状態を示しており、回転中心軸線P1と、回転ディスク6の中心点P3とが同心に位置する。このときの変速比hは無限大(∞)となる。第1実施形態の無段変速機1は、回転半径調節機構4で偏心量R1を変えることにより、入力部2側の回転運動の半径を調節自在としている。
本実施形態においては、回転半径調節機構4と、コネクティングロッド15と、揺動リンク18とで、てこクランク機構20(四節リンク機構)が構成される。そして、てこクランク機構20によって、入力部2の回転運動が揺動リンク18の揺動運動に変換される。本実施形態の無段変速機1は合計6個のてこクランク機構20を備えている。偏心量R1が「0」でないときに、入力部2を回転させると共に、ピニオンシャフト72を入力部2と同一速度で回転させると、各コネクティングロッド15が60度ずつ位相を変えながら、偏心量R1に基づき入力部2と出力軸3との間で出力軸3側に押したり、入力部2側に引いたりを交互に繰り返して揺動する。
コネクティングロッド15の小径環状部15bは、出力軸3にワンウェイクラッチ17を介して設けられた揺動リンク18に連結されているため、揺動リンク18がコネクティングロッド15によって押し引きされて揺動すると、揺動リンク18が押し方向側又は引張り方向側の何れか一方に揺動リンク18が回転するときだけ、出力軸3が回転し、揺動リンク18が他方に回転するときには、出力軸3に揺動リンク18の揺動運動の力が伝達されず、揺動リンク18が空回りする。各回転半径調節機構4は、60度毎に位相を変えて配置されているため、出力軸3は各回転半径調節機構4で順に回転させられる。
また、本実施形態の無段変速機1は、調節用駆動源14を制御する図示省略した制御部を備えている。制御部は、CPUやメモリ等により構成された電子ユニットであり、メモリに保持された制御プログラムをCPUで実行することにより、調節用駆動源14を制御して、回転半径調節機構4の偏心量R1を調節する機能を果たす。
ここで、四節リンク機構型の無段変速機では、偏心量が0、即ち、回転半径調節機構の回転運動の半径が0でなければ、出力軸に駆動力が伝達される。また、回転半径調節機構の回転運動の半径が0に近い領域では、半径の変化量に対して、出力軸に伝達される駆動力の変化量が大きくなってしまう。
このため、回転半径調節機構の回転半径の調節精度を高精度に制御しなければならず、制御誤差や部品の加工交差等によって意図せずに出力軸へ駆動力が伝達されたり、又は、クリープ現象のときの出力軸に伝達される駆動力の変化が大きくなってしまう虞がある。
以上の点に鑑み、本実施形態の無段変速機1では、図6に示すように、コネクティングロッド15の小径環状部15bと連結ピン19との間に位置させて、ゴム製筒形状の緩衝部100が設けられている。緩衝部100は、内部に軸方向へ延びると共に液密に閉塞された4つの内部室110を有する。この内部室110の中には、高粘性流体(オイル)が充填されている。なお、緩衝部100には、内部室110に高粘性流体(オイル)が充填されていなくてもよい。この場合、内部室110は、液密に構成せずに内部の空気が抜けるように構成してもよい。
緩衝部100は、予め実験やシュミレーション等により求められた制御誤差や部品加工公差に基く駆動力(所定値以下の駆動力)を吸収して、所定値以下の駆動力がコネクティングロッド15から揺動リンク18へ伝達されることを阻止するように構成される。従って、コネクティングロッド15から所定値を超える力が緩衝部100に加わるときには、その駆動力を吸収することなく、コネクティングロッド15から連結ピン19を介して揺動リンク18に駆動力が伝達される。
本実施形態の無段変速機1によれば、制御誤差や部品加工公差に基く微小に変動する駆動力(所定値以下の駆動力)を緩衝部100で吸収させることができる。また、緩衝部100に所定値を超える駆動力がに加わるときには、緩衝部100ではその駆動力を吸収することができず、駆動力が揺動リンク18に伝達される。
これにより、回転半径調節機構4の偏心量R1(回転半径)がゼロ(ギヤニュートラル状態)であるときの、制御誤差または部品加工公差などによる駆動力変動に伴う意図しない出力軸3への駆動力の伝達を防止すること、又は、クリープ現象(アクセルペダルを踏むことなく、エンジンがアイドリングの状態で車両が動く状態)のときの駆動力(クリープトルク)の変化(変動)を防止することができる。
また、仮に、緩衝部をコネクティングロッド15の中間あたりに介設することとなると、コネクティングロッド15自体を大幅に設計変更する必要があり、面倒である。本実施形態の無段変速機1では、緩衝部100を揺動軸としての連結ピン19と挿入孔としての小径環状部15bの内周面により画成される孔部との間に配置すれば、従来のコネクティングロッドまたは揺動リンクに設けられた挿入孔を筒形状の緩衝部の分だけ大きく加工するか、または、従来の揺動軸の径を筒形状の緩衝部の分だけ縮径させることにより、緩衝部100を配置することができる。従って、無段変速機1に緩衝部100を比較的容易に設けることができる。
また、コネクティングロッド15の大径環状部15aが回転半径調節機構4に外嵌される。そして、揺動リンク18の揺動端部18aに連結されるコネクティングロッド15の小径環状部15bと比較して、大径環状部15aの径が大きくなる。従って、コネクティングロッド15の大径環状部15aよりも小さい小径環状部15bの側に緩衝部100を設けた方が緩衝部100の小型化を図ることができ、無段変速機1の軽量化、及びてこクランク機構20の作動時の慣性力の増加を抑制することができる。
なお、本実施形態の無段変速機1においては、緩衝部100として、高粘性流体(オイル)が充填された4つの内部室110を有するものを説明した。しかしながら、本発明の緩衝部は、これに限らず、制御誤差や部品加工公差に基く微小に変動する駆動力(所定値以下の駆動力)を吸収させることができ、且つ、所定値を超える力がに加わるときには、その駆動力を吸収することなく、駆動力が伝達されるように構成されていれば、他のものでもよい。例えば、緩衝部を内部室を有しないゴム製筒形状の弾性部材で構成してもよく、また、小径環状部15bと連結ピン19との間で洩れないように充填された粘性流体(オイル)で構成してもよい。
また、本実施形態の無段変速機1においては、緩衝部100を小径環状部15bと連結ピン19との間に配置したものを説明した。しかしながら、本発明の緩衝部を設ける位置は、これに限らず、回転半径調節機構4の回転半径(偏心量R1)を「ゼロ」を維持するように、又はクリープ現象のときのクリープトルクを出力するための「所定の回転半径(偏心量R1)」を維持するように、揺動リンク18への制御誤差や部品加工公差に基く微小に変動する駆動力(所定値以下の駆動力)の伝達を吸収できる位置であればよい。
例えば、揺動リンク18の差込孔18cを本発明の挿通孔として、挿通孔としての差込孔18cと連結ピン19との間に緩衝部を配置させてもよく、また、コネクティングロッド15の大径環状部15aとコンロッド軸受16との間や、コンロッド軸受16と回転ディスク6との間に配置させてもよい。
また、本実施形態においては、入力部2とカムディスク5とでカムシャフト51を構成し、カムシャフト51が、カムディスク5の貫通孔5aが連なることによって構成される挿通孔60を備えるものを説明した。しかしながら、本発明のカムシャフトはこれに限らず、例えば、入力部を一端が開口し他端が閉塞する形状の挿通孔を有する中空軸状に構成し、円盤状のカムディスクに入力部を挿通できるように貫通孔を第1実施形態のものよりも大きく形成して、カムディスクを中空軸状に構成された入力部の外周面にスプライン結合させてもよい。
この場合、中空軸からなる入力部には、カムディスクの切欠孔に対応させて切欠孔が設けられる。そして、入力部内に挿入されるピニオンは、入力部の切欠孔及びカムディスクの切欠孔を介して、回転ディスクの内歯と噛合する。
また、本実施形態においては、一方向回転阻止機構として、ワンウェイクラッチ17を用いているが、本発明の一方向回転阻止機構は、これに限らず、揺動リンク18から出力軸3にトルクを伝達可能な揺動リンク18の出力軸3に対する回転方向を切換自在に構成されるツーウェイクラッチで構成してもよい。
1 無段変速機
2 入力部
3 出力軸
4 回転半径調節機構
5 カムディスク(カム部)
5a 貫通孔
5b 切欠孔
5c 一体型カム部
6 回転ディスク(回転部)
6a 受入孔(内周部)
6b 内歯
8 差動機構(遊星歯車機構)
12 段付きピニオン
14 調節用駆動源(電動機)
15 コネクティングロッド
15a 大径環状部
15b 小径環状部
16 コンロッド軸受
17 ワンウェイクラッチ
18 揺動リンク
18a 揺動端部
18b 突片
18c 差込孔
19 連結ピン
20 てこクランク機構(四節リンク機構)
51 カムシャフト
60 挿通孔
70 ピニオン
72 ピニオンシャフト
74 軸受
80 ケース
100 緩衝部
110 内部室
P1 回転中心軸線
P2 カムディスクの中心点
P3 回転ディスクの中心点
Ra P1とP2の距離
Rb P2とP3の距離
R1 偏心量(P1とP3の距離)

Claims (2)

  1. 主駆動源からの駆動力が伝達される入力部と、
    該入力部の回転中心軸線と平行に配置された出力軸と、
    前記出力軸に軸支される揺動リンクを有し、前記入力部の回転運動を前記揺動リンクの揺動運動に変換するてこクランク機構と、
    前記出力軸に対して一方側に相対回転しようとするときに前記出力軸に該揺動リンクを固定し、他方側に相対回転しようとするときに前記出力軸に対して該揺動リンクを空転させる一方向回転阻止機構とを備え、
    前記てこクランク機構が、回転半径を調節自在な回転半径調節機構を備えた四節リンク機構型の無段変速機であって、
    前記揺動リンクへの所定値以下の駆動力の伝達を阻止するように、前記所定値以下の駆動力を吸収する緩衝部を備えることを特徴とする無段変速機。
  2. 請求項1記載の無段変速機であって、
    前記てこクランク機構は、前記回転半径調節機構と前記揺動リンクとを連結するコネクティングロッドを備え、
    該コネクティングロッドと前記揺動リンクとは揺動軸を介して連結され、
    該揺動軸は、前記コネクティングロッド又は前記揺動リンクに設けられた挿入孔に挿入され、
    前記緩衝部は、前記揺動軸と前記挿入孔との間に配置される筒形状であることを特徴とする無段変速機。
JP2013113255A 2013-05-29 2013-05-29 無段変速機 Pending JP2014231881A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013113255A JP2014231881A (ja) 2013-05-29 2013-05-29 無段変速機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013113255A JP2014231881A (ja) 2013-05-29 2013-05-29 無段変速機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014231881A true JP2014231881A (ja) 2014-12-11

Family

ID=52125386

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013113255A Pending JP2014231881A (ja) 2013-05-29 2013-05-29 無段変速機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014231881A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102015119142A1 (de) 2014-11-14 2016-05-19 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Bremskraftsteuersystem, Fahrzeug und Verfahren zum Steuern der Bremskraft

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6372120U (ja) * 1986-10-30 1988-05-14
JPH0218723U (ja) * 1988-07-25 1990-02-07
JPH1035570A (ja) * 1996-07-26 1998-02-10 Honda Motor Co Ltd 小型車両の揺動部材軸支構造
JP2002181121A (ja) * 2000-12-15 2002-06-26 Tokai Rubber Ind Ltd 液体封入式防振装置
WO2013001859A1 (ja) * 2011-06-30 2013-01-03 本田技研工業株式会社 四節リンク型無段変速機

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6372120U (ja) * 1986-10-30 1988-05-14
JPH0218723U (ja) * 1988-07-25 1990-02-07
JPH1035570A (ja) * 1996-07-26 1998-02-10 Honda Motor Co Ltd 小型車両の揺動部材軸支構造
JP2002181121A (ja) * 2000-12-15 2002-06-26 Tokai Rubber Ind Ltd 液体封入式防振装置
WO2013001859A1 (ja) * 2011-06-30 2013-01-03 本田技研工業株式会社 四節リンク型無段変速機

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102015119142A1 (de) 2014-11-14 2016-05-19 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Bremskraftsteuersystem, Fahrzeug und Verfahren zum Steuern der Bremskraft

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6072730B2 (ja) 車両用動力伝達装置
JP2012251609A (ja) 無段変速機
JP2014231881A (ja) 無段変速機
JP6067593B2 (ja) 無段変速機
JP6026372B2 (ja) 動力伝達装置
JP6087320B2 (ja) 無段変速機
JP2015021558A (ja) 無段変速機
JP6201062B2 (ja) 変速機
JP6155230B2 (ja) 無段変速機
JP6067595B2 (ja) 無段変速機
JP6100609B2 (ja) 無段変速機
JP5826146B2 (ja) 無段変速機の制御装置
JP6033760B2 (ja) 軸受及びそれを用いた無段変速機
JP2015034561A (ja) 無段変速機
JP6130282B2 (ja) 軸受および車両用動力伝達装置
JP6130223B2 (ja) 無段変速機
JP6029568B2 (ja) 無段変速機
JP6132751B2 (ja) 動力伝達装置
JP6087308B2 (ja) 無段変速機
JP5896868B2 (ja) 四節リンク機構型無段変速機
JP5982262B2 (ja) 無段変速機
JP6141757B2 (ja) 無段変速機
JP6151223B2 (ja) 軸受及びこの軸受を用いた回転装置または無段変速機
JP6204834B2 (ja) 無段変速機
JP2015098925A (ja) 無段変速機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160908

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160927

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161114

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170509