JP2010126761A - 銀ナノ構造体の製造方法 - Google Patents

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正洋 藤岡
Hideyuki Higashimura
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Abstract

【課題】比較的低温で銀ナノ構造体を製造することが可能な方法を提供する。
【解決手段】式(1):Agab
(式中、Agは、正に帯電した銀イオンを表す。Xは、負に帯電したイオンを表す。a及びbは、1以上の整数である。)
等で表される銀化合物を、分散剤の存在下、式(2):R6 n−Ar−R5 m
(式中、R5は、アルキル基、ヒドロキシ基、アルデヒド基、アミノ基、チオール基、ヒドロキシアルキル基、ホルミルアルキル基、アミノアルキル基、又はメルカプトアルキル基を表す。R6は、置換基を表す。mは、1以上の整数である。nは、0以上の整数である。Arは、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表す。)
等で表される芳香環を有する還元剤で還元させる還元工程を含む、銀ナノ構造体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、銀ナノ構造体の製造方法に関する。
銀ナノ構造体は、高触媒活性、低融点等の特性を有するため、触媒、電極等に利用されている。そして、銀ナノ構造体は、例えば、ヒドロキシ基を2個以上有し、芳香環を有しないエチレングリコール等の還元剤を用いたポリオール法で製造することができる(特許文献1、非特許文献1)。
国際公開第2008/073143号パンフレット Journal of material chemistry, 2008, 18,437-441
しかし、上述のポリオール法でナノ構造体を製造するには、高い温度が必要であった。
そこで、本発明は、比較的低温で銀ナノ構造体を製造することが可能な方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述の問題点について鋭意研究を重ねた結果、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、銀化合物を、分散剤の存在下、芳香環を有する還元剤で還元させる還元工程を含む、銀ナノ構造体の製造方法を提供する。
本発明の製造方法によれば、比較的低温で銀ナノ構造体を製造することができる。その結果、銀ナノ構造体の製造コストを低減することができる。
本発明の銀ナノ構造体の製造方法は、銀化合物を、分散剤の存在下、芳香環を有する還元剤で還元させる還元工程を含む方法である。
本明細書において、「銀ナノ構造体」とは、前記還元工程により得られる生成物(通常、混合物である。)中に存在する全個体中で、短軸が1000nm以下であり、アスペクト比(長軸/短軸)が1.5以上である個体が占める割合が、個数基準で、20〜100%のものを意味する。なお、前記個体は、走査型電子顕微鏡(以下、「SEM」と言う。)による写真から目視で確認することができる。
本発明の製造方法により得られる銀ナノ構造体に含まれる個体としては、粒子、異方性粒子、ワイヤー状粒子、ロッド状粒子、シート状粒子等が挙げられ、好ましくは、異方性粒子、ロッド状粒子、ワイヤー状粒子である。
本発明の製造方法で得られた銀ナノ構造体は、工業用触媒等の触媒(例えば、高表面積触媒、低温焼結性電極)、塗布型電極等の電極に有用である。
・銀化合物
前記銀化合物は、通常、下記式(1):
Agab (1)
(式中、Agは、正に帯電した銀イオンを表す。Xは、負に帯電したイオンを表す。a及びbはそれぞれ独立に、1以上の整数である。Xが複数存在する場合には、それらは同一であっても異なっていてもよい。)
で表される。
前記式(1)中、aは、通常、1〜3の整数であり、好ましくは、1〜2の整数である。bは、通常、1〜3の整数であり、好ましくは、1〜2の整数である。但し、a、bは、前記式(1)で表される化合物の全体としての電荷の偏りがない組み合わせである。
前記式(1)中、Xで表される負に帯電したイオンとしては、例えば、F-、Cl-、Br-、I-、OH-、CN-、NO3 -、NO2 -、ClO-、ClO2 -、ClO3 -、ClO4 -、HSO4 -、SCN-、BF4 -、PF6 -、R1-(ここで、R1は置換されていてもよい1価の炭化水素基を表す。)、R2COO-(ここで、R2は置換されていてもよい1価の炭化水素基を表す。)、R3SO3 -(ここで、R3は置換されていてもよい1価の炭化水素基を表す。)、R4CO3 -(ここで、R4は置換されていてもよい1価の炭化水素基を表す。)、CO3 2-、S2-、SO4 2-、PO4 3-、O2-等が挙げられ、好ましくは、Cl-、Br-、I-、NO3 -、ClO-、ClO2 -、ClO3 -、ClO4 -、R1-、R2COO-、R3SO3 -、R4CO3 -、CO3 2-、PO4 3-、より好ましくは、NO3 -、ClO4 -、R2COO-、R3SO3 -、R4CO3 -、CO3 2-、PO4 3-、特に好ましくは、NO3 -、ClO4 -、R2COO-、CO3 2-である。
1、R2、R3、R4(以下、「R1〜R4」という。)で表される1価の炭化水素基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基等が挙げられ、好ましくは、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、より好ましくは、アルキル基、アリールアルキル基である。
前記アルキル基は、直鎖状でも分岐状でも環状でもよい。アルキル基の炭素数は、通常、1〜20程度であり、1〜10が好ましい。前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基等が挙げられる。前記アルキル基中の水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよい。フッ素原子で置換されたアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基等が挙げられる。
前記アリール基は、芳香族炭化水素から水素原子1個を除いた原子団であり、縮合環を持つものや、独立したベンゼン環又は縮合環2個以上が直接又はビニレン基等を介して結合したものも含む。アリール基の炭素数は、通常、6〜60程度であり、7〜48が好ましい。前記アリール基としては、例えば、フェニル基、C1〜C12アルコキシフェニル基(「C1〜C12アルコキシ」は、アルコキシ部分の炭素数が1〜12であることを示す。以下、同様である。)、C1〜C12アルキルフェニル基(「C1〜C12アルキル」は、アルキル部分の炭素数が1〜12であることを示す。以下、同様である。)、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基等が挙げられ、C1〜C12アルコキシフェニル基、C1〜C12アルキルフェニル基が好ましい。前記アリール基中の水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよい。フッ素原子で置換されたアリール基としては、ペンタフルオロフェニル基等が挙げられる。
1〜C12アルコキシフェニル基としては、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、イソプロピルオキシフェニル基、ブトキシフェニル基、イソブトキシフェニル基、s−ブトキシフェニル基、t−ブトキシフェニル基、ペンチルオキシフェニル基、ヘキシルオキシフェニル基、シクロヘキシルオキシフェニル基、ヘプチルオキシフェニル基、オクチルオキシフェニル基、2−エチルヘキシルオキシフェニル基、ノニルオキシフェニル基、デシルオキシフェニル基、3,7−ジメチルオクチルオキシフェニル基、ラウリルオキシフェニル基等が挙げられる。
1〜C12アルキルフェニル基としては、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、プロピルフェニル基、メシチル基、メチルエチルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ブチルフェニル基、イソブチルフェニル基、t−ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、イソアミルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ドデシルフェニル基等が挙げられる。
前記アリールアルキル基は、前記アリール基と前記アルキル基とが結合したものである。アリールアルキル基の炭素数は、通常、7〜60程度であり、7〜30が好ましい。前記アリールアルキル基としては、フェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル基、1−ナフチル−C1〜C12アルキル基、2−ナフチル−C1〜C12アルキル基等が挙げられる。
前記アリールアルケニル基は、前記アリール基とアルケニル基とが結合したものである。アリールアルケニル基の炭素数は、通常、8〜60程度であり、8〜30が好ましい。前記アリールアルケニル基としては、フェニル−C2〜C12アルケニル基(「C2〜C12アルケニル」は、アルケニル部分の炭素数が2〜12であることを示す。以下、同様である。)、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルケニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルケニル基、1−ナフチル−C2〜C12アルケニル基、2−ナフチル−C2〜C12アルケニル基等が挙げられ、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルケニル基、C2〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルケニル基が好ましい。
前記アリールアルキニル基は、前記アリール基とアルキニル基とが結合したものである。アリールアルキニル基の炭素数は、通常、8〜60程度であり、8〜30が好ましい。前記アリールアルキニル基としては、フェニル−C2〜C12アルキニル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルキニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルキニル基、1−ナフチル−C2〜C12アルキニル基、2−ナフチル−C2〜C12アルキニル基等が挙げられ、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルキニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルキニル基が好ましい。
1〜R4で表される1価の炭化水素基に含まれる水素原子の一部又は全部は、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、ヒドロキシ基、アルデヒド基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基等の置換基で置換されていてもよい。なお、置換基が複数存在する場合には、それらは同一であっても異なっていてもよい。
前記置換基としては、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールアルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基、アシル基、アシルオキシ基、酸イミド基、シアノ基、ニトロ基が好ましく、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、アシル基、アシルオキシ基がより好ましい。以下、より好ましい置換基を説明する。
前記置換基であるアルコキシ基は、直鎖状でも分岐状でも環状でもよい。アルコキシ基の炭素数は、通常、1〜20程度であり、1〜10が好ましい。前記アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ラウリルオキシ基等が挙げられる。前記アルコキシ基中の水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよい。フッ素原子で置換されたアルコキシ基としては、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシルオキシ基、パーフルオロオクチルオキシ基、メトキシメチルオキシ基、2−メトキシエチルオキシ基等が挙げられる。
前記置換基であるアリールオキシ基の炭素数は、通常、6〜60程度であり、7〜48が好ましい。前記アリールオキシ基としては、フェノキシ基、C1〜C12アルコキシフェノキシ基、C1〜C12アルキルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、ペンタフルオロフェニルオキシ基等が挙げられる。
1〜C12アルコキシフェノキシ基としては、メトキシフェノキシ基、エトキシフェノキシ基、プロピルオキシフェノキシ基、イソプロピルオキシフェノキシ基、ブトキシフェノキシ基、イソブトキシフェノキシ基、s−ブトキシフェノキシ基、t−ブトキシフェノキシ基、ペンチルオキシフェノキシ基、ヘキシルオキシフェノキシ基、シクロヘキシルオキシフェノキシ基、ヘプチルオキシフェノキシ基、オクチルオキシフェノキシ基、2−エチルヘキシルオキシフェノキシ基、ノニルオキシフェノキシ基、デシルオキシフェノキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシフェノキシ基、ラウリルオキシフェノキシ基等が挙げられる。
1〜C12アルキルフェノキシ基としては、メチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、プロピルフェノキシ基、1,3,5−トリメチルフェノキシ基、メチルエチルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、ブチルフェノキシ基、イソブチルフェノキシ基、s−ブチルフェノキシ基、t−ブチルフェノキシ基、ペンチルフェノキシ基、イソアミルフェノキシ基、ヘキシルフェノキシ基、ヘプチルフェノキシ基、オクチルフェノキシ基、ノニルフェノキシ基、デシルフェノキシ基、ドデシルフェノキシ基等が挙げられる。
前記置換基であるアリールアルコキシ基は、前記アリール基と前記アルコキシ基とが結合したものである。アリールアルコキシ基の炭素数は、通常、7〜60程度であり、7〜30が好ましい。前記アリールアルコキシ基としては、フェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルコキシ基、1−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基、2−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基等が挙げられる。
前記置換基である置換アミノ基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び1価の複素環基からなる群から選択される1種以上の基で置換されたアミノ基が挙げられる。置換アミノ基の炭素数は、通常、1〜60程度であり、2〜48が好ましい。前記置換アミノ基としては、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、s−ブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基、ラウリルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ピロリジル基、ピペリジル基、ジトリフルオロメチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、C1〜C12アルコキシフェニルアミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、ペンタフルオロフェニルアミノ基、ピリジルアミノ基、ピリダジニルアミノ基、ピリミジルアミノ基、ピラジルアミノ基、トリアジルアミノ基、フェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基等が挙げられる。
前記置換基であるアシル基の炭素数は、通常、2〜20程度であり、2〜18が好ましい。前記アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基、ペンタフルオロベンゾイル基等が挙げられる。
前記置換基であるアシルオキシ基の炭素数は、通常、2〜20程度であり、2〜18が好ましい。前記アシルオキシ基としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基、ペンタフルオロベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
前記式(1)で表される銀化合物としては、例えば、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、硫化銀、酸化銀、硝酸銀、次亜塩素酸銀、亜塩素酸銀、塩素酸銀、過塩素酸銀、酢酸銀、硫酸銀、炭酸銀、リン酸銀、テトラフルオロホウ酸銀、ヘキサフルオロリン酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀等が挙げられ、銀化合物の還元剤に対する溶解性の観点から、硝酸銀、過塩素酸銀、酢酸銀、硫酸銀、炭酸銀、リン酸銀、テトラフルオロホウ酸銀、ヘキサフルオロリン酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀が好ましく、硝酸銀、過塩素酸銀、酢酸銀、炭酸銀、テトラフルオロホウ酸銀、ヘキサフルオロリン酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀がより好ましい。
なお、前記銀化合物は、一種のみ用いても二種以上を併用してもよい。
・還元剤
前記芳香環を有する還元剤は、通常、下記式(2):
6 n−Ar−R5 m (2)
(式中、R5は、アルキル基、ヒドロキシ基、アルデヒド基、アミノ基、チオール基、ヒドロキシアルキル基、ホルミルアルキル基、アミノアルキル基、又はメルカプトアルキル基を表す。R6は、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、シアノ基又はニトロ基を表す。mは、1以上の整数である。nは、0以上の整数である。Arは、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表す。R5が複数存在する場合には、それらは同一であっても異なっていてもよい。R6が複数存在する場合には、それらは同一であっても異なっていてもよい。)
で表される化合物である。本発明の製造方法では、前記式(2)で表される化合物を用いることが好ましい。なお、前記芳香環を有する還元剤は、前記還元工程における溶媒を兼ねることができる。
前記式(2)中、芳香族炭化水素基は、芳香族炭化水素から水素原子の一部又は全部を取り除いた残りの原子団を意味し、芳香族複素環基は、芳香族複素環から水素原子の一部又は全部を取り除いた残りの原子団を意味する。
前記芳香族炭化水素、前記芳香族複素環を構成する芳香環としては、炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれる1種以上の原子からなる芳香環が好ましく、例えば、単環性芳香環、縮環性芳香環、多環性芳香環、渡環性芳香環等が挙げられる。
単環性芳香環としては、ベンゼン環、ピリジン環、1,2−ジアジン環、1,3−ジアジン環、1,4−ジアジン環、1,3,5−トリアジン環、フラン環、ピロール環、チオフェン環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、アザジアゾール環が挙げられる。
縮環性芳香環とは、例えば、単環性芳香環の中から互いに独立に選んだ2個以上を縮環した構造である。
多環性芳香環とは、例えば、単環性芳香環及び/又は縮環性芳香環の中から互いに独立に選んだ2個以上を、単結合、メチレン基、エチレン基、エテニレン基、エチニレン基、酸素原子、硫黄原子、イミノ基、カルボニル基、スルホニル基等で連結した構造である。
渡環性芳香環とは、例えば、縮環性芳香環又は多環性芳香環の隣り合う2個の芳香環をメチレン基、エチレン基で渡環した構造を有する渡環性芳香環である。
前記単環性芳香環としては、以下の式1〜16で表される環が挙げられる。
Figure 2010126761
縮環性芳香環としては、以下の式17〜36で表される環が挙げられる。
Figure 2010126761
多環性芳香環としては、以下の式37〜49で表される環が挙げられる。
Figure 2010126761
渡環性芳香環としては、以下の式50〜63で表される環が挙げられる。
Figure 2010126761
前記芳香環としては、上述の式1、7、8、9、17、18、19、50で表される環が好ましく、上述の式1、7、8、9、17で表される環がより好ましく、上述の式1、7、8、9で表される環が特に好ましい。
前記式(2)中、R5で表されるアルキル基、アルデヒド基は、前記R1〜R4で表される1価の炭化水素基の項で説明し例示したものと同じである。
前記式(2)中、R5で表されるヒドロキシアルキル基は、ヒドロキシ基とアルキル基が結合したものである。ヒドロキシアルキル基の炭素数は、通常、1〜60程度であり、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましい。である。ヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシ−C1〜C10アルキル基等が挙げられる。
前記式(2)中、R5で表されるホルミルアルキル基は、アルキルアルデヒド基とアルキル基が結合したものである。ホルミルアルキル基の炭素数は、通常、1〜60程度であり、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましい。ホルミルアルキル基としては、ホルミル−C1〜C10アルキル基等が挙げられる。
前記式(2)中、R5で表されるアミノアルキル基は、アミノ基とアルキル基が結合したものである。アミノアルキル基の炭素数は、通常、1〜60程度であり、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましい。アミノアルキル基としては、アミノ−C1〜C10アルキル基等が挙げられる。
前記式(2)中、R5で表されるメルカプトアルキル基は、アルキルチオール基とアルキル基が結合したものである。メルカプトアルキル基の炭素数は、通常、1〜60程度であり、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましい。メルカプトアルキル基としては、メルカプト−C1〜C10アルキル基等が挙げられる。
前記式(2)中、mは、好ましくは、1〜4の整数であり、より好ましくは、1〜3の整数であり、特に好ましくは1、2である。
前記式(2)中、R6は、好ましくは、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基である。R6で表される基のうち、好ましい基を説明すると、R6で表されるアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基は、前記R1〜R4で表される1価の炭化水素基の項で説明し例示したものと同じである。
前記式(2)で表される還元剤としては、安定性と還元性の観点から、フェノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、フェニルメチルアミン、フェニルエチルアミン、アニリン、チオフェノール、フェニルメチルチオール、フェニルエチルチオール、チオフェン、ヒドロキシチオフェン、チオフェンアルデヒド、フルフラール、ピロール、及びこれらの誘導体が好ましく、これらが有する水素原子の一部又は全部は、置換されていてもよい。
なお、前記還元剤は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
本発明の製造方法における還元工程において、前記芳香環を有する還元剤の添加量は、前記銀化合物に対して、通常、1〜5000モル%であり、好ましくは1〜4000モル%、より好ましくは1〜3000モル%、特に好ましくは100〜3000モル%である。
・分散剤
前記分散剤としては、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、デンプン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、及びこれらの誘導体等が挙げられ、好ましくは、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、より好ましくは、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリエチレンオキシド、特に好ましくは、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミンである。
前記分散剤は、溶解性の観点から、そのポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常、300〜1,000,000程度であり、好ましくは、500〜500,000、より好ましくは、1,000〜100,000、特に好ましくは、3,000〜100,000である。
本発明の製造方法における還元工程において、前記分散剤の添加量は、前記銀化合物に対して、通常、0.001〜1000モル%であり、好ましくは、0.01〜100モル%、より好ましくは、0.1〜10モル%、特に好ましくは1〜5モル%である。
なお、前記分散剤は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
・金属ハロゲン化物/ハロゲン化水素
前記還元工程は、金属ハロゲン化物及び/又はハロゲン化水素の存在下で行われることが好ましい。
前記金属ハロゲン化物は、正に帯電した金属イオンと、負に帯電したハロゲン化物イオンとから構成される化合物である。
前記金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、銀、アルミニウム、ビスマス、銅、鉄、ガリウム、マンガン、鉛、錫、チタン、バナジウム、タングステン、スカンジウム、クロム、イットリウム、イッテルビウム、亜鉛、ジルコニウム、コバルト、ストロンチウム、水銀、タリウム、ニッケル、ルビジウム、モリブデン等が挙げられ、好ましくは、カリウム、カルシウム、銀、コバルト、鉄、銅、ハロゲンナトリウム、ニッケル、バリウム、マグネシウム、より好ましくは、カリウム、カルシウム、銀、鉄、銅、ナトリウム、特に好ましくは、鉄、銅、ナトリウムである。
前記ハロゲン化物イオンとしては、ヨウ化物イオン、臭化物イオン、塩化物イオン、フッ化物イオンが挙げられ、好ましくは、ヨウ化物イオン、臭化物イオン、塩化物イオンである。
前記金属ハロゲン化物としては、塩化リチウム、塩化セシウム、塩化タングステン、塩化モリブデン、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化スカンジウム、塩化チタン、塩化バナジウム、塩化クロム、塩化マンガン、塩化鉄、塩化コバルト、塩化ニッケル、塩化銅、塩化亜鉛、塩化プラチナ、塩化スズ、塩化銀、臭化ナトリウム、臭化マグネシウム、臭化カリウム、臭化カルシウム、臭化鉄、臭化銅、臭化ニッケル、臭化銀、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化銀等が挙げられ、溶解性の観点から、塩化リチウム、塩化セシウム、塩化タングステン、塩化モリブデン、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化スカンジウム、塩化チタン、塩化バナジウム、塩化クロム、塩化マンガン、塩化鉄、塩化コバルト、塩化ニッケル、塩化銅、塩化亜鉛、塩化プラチナ、塩化スズ、臭化鉄、臭化銅が好ましく、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化銀、塩化鉄、塩化ナトリウム、塩化銅がより好ましい。なお、これらの金属ハロゲン化物は、水和物であってもよい。
前記ハロゲン化水素としては、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素等が挙げられ、銀化合物との親和性の観点から、塩化水素が好ましい。
なお、金属ハロゲン化物、ハロゲン化水素は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
本発明の製造方法における還元工程において、金属ハロゲン化物、ハロゲン化水素を添加する場合、前記金属ハロゲン化物及び前記ハロゲン化水素の合計添加量は、前記銀化合物に対して、通常、0.000001〜100モル%であり、好ましくは、0.00001〜10モル%、より好ましくは0.0001〜1モル%、特に好ましくは0.0001〜0.1モル%である。
・溶媒
本発明の製造方法では、還元工程において、溶媒を用いてもよい。前記溶媒としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、グリセロール、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,2,3−ヘキサントリオール等のポリオールが挙げられ、好ましくは、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオールである。
なお、前記溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
前記還元工程において、溶媒を用いる場合、その使用量の上限は、銀化合物1モルに対して、通常、100Lであり、好ましくは60L、より好ましくは40L、特に好ましくは30Lであり、その使用量の下限は、10mLである。
・反応条件
本発明の製造方法は、前記還元工程のみからなる1工程であっても、その他の工程を含む2以上の工程であってもよい。以下、好ましい実施形態である2以上の工程からなる製造方法を説明する。具体的には、前記還元工程と、該還元工程の前に、前記芳香環を有する還元剤を加熱する加熱工程を有する製造方法であり、この製造方法は、還元剤の活性化という観点で好ましい。なお、この加熱工程では、還元工程と同様の溶媒を用いてもよい。
まず、前記芳香環を有する還元剤を、必要に応じて溶媒に溶解させた後に、加熱(所謂、予備加熱である。)する。その後、加熱された還元剤に銀化合物を添加し、分散剤の存在下、該銀化合物を還元させる。こうして、所望の銀ナノ構造体を製造することができる。なお、加熱された還元剤に銀化合物を添加する際には、銀ナノ構造体の構造制御のために、金属ハロゲン化物及び/又はハロゲン化水素を添加してもよい。
前記加熱工程は、酸素の存在下で行われることが好ましく、窒素と酸素とを、窒素:酸素=4:1程度の割合で混合したガス(空気で代用してもよい)の存在下で行われることがより好ましい。
前記還元工程は、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気で行われることが好ましい
前記加熱工程と前記還元工程における温度は、通常、40〜200℃であり、好ましくは、60〜140℃、より好ましくは80〜120℃、特に好ましくは95〜115℃である。なお、前記加熱工程と前記還元工程では、温度が異なっていてもよい。
前記加熱工程に必要な時間は、通常、5分以上であり、好ましくは10分以上、より好ましくは20分以上、特に好ましくは30分以上であるが、上限は、通常、180分である。
前記還元工程に必要な時間は、通常、5分以上であり、好ましくは10分以上、より好ましくは12分以上、特に好ましくは15分以上であるが、上限は、通常、300分である。
本発明の製造方法は、前記加熱工程、前記還元工程の他にも、還元工程で得られた未精製の銀ナノ構造体を精製する精製工程を有していてもよい。また、前記還元工程、前記精製工程で得られた銀ナノ構造体が分散液の状態である場合には、固体の状態の銀ナノ構造体を得るための回収工程を有していてもよい。これらの精製工程、回収工程は、例えば、遠心分離、ろ過、蒸留、上澄み除去、再分散、洗浄、加熱、乾燥等を単独で又は組み合わせて行う工程である。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
<実施例1>
ベンジルアルコール5mlを入れた50mlフラスコを110℃のオイルバスに浸漬し、このベンジルアルコールを60分間空気でバブリングしながら、予備加熱を行った。予備加熱後に、空気から窒素ガスに切り替え、バブリングを止めた。次いで、そこに、0.1Mの硝酸銀−ベンジルアルコール溶液1.5ml、0.15Mのポリビニルピロリドン(以下、「PVP」という。)(ポリスチレン換算の重量平均分子量:55000)−ベンジルアルコール溶液1.5ml、及び4mMの塩化銅2水和物−ベンジルアルコール溶液40μlを入れ、120分間攪拌したところ、銀ナノ構造体の分散液が得られた。得られた分散液を40℃まで冷却した後、遠心分離し、沈殿物を回収した。回収した沈殿物を乾燥し、銀ナノ構造体を得た。得られた銀ナノ構造体をSEM(日本電子社製、商品名:JSM-5500、倍率:20,000倍、観察の際に試料台の角度は0°であり、撮影箇所は任意の場所であり、試料作成時に配列させるなどの操作はしていない。)による写真から目視で確認したところ、全個体中で、短軸が1000nm以下であり、アスペクト比が1.5以上である個体が占める割合は、個数基準で、35.1%であることが認められた。
<実施例2>
実施例1において、ベンジルアルコール5mlを用いる代わりに、ベンジルアルコール3ml及びエチレングリコール2mlを用いた以外は、実施例1と同様にして、銀ナノ構造体を得た。実施例1と同様にして、銀ナノ構造体を確認したところ、全個体中で、短軸が1000nm以下であり、アスペクト比が1.5以上である個体が占める割合は、個数基準で、43.4%であることが認められた。
<実施例3>
実施例1において、ベンジルアルコール5mlを入れた50mlフラスコを浸漬するオイルバスの温度を110℃から100℃に変えた以外は、実施例1と同様にして、銀ナノ構造体を得た。実施例1と同様にして、銀ナノ構造体を確認したところ、全個体中で、短軸が1000nm以下であり、アスペクト比が1.5以上である個体が占める割合は、個数基準で、25.4%であることが認められた。
<実施例4>
実施例2において、ベンジルアルコール3ml及びエチレングリコール2mlを入れた50mlフラスコを浸漬するオイルバスの温度を110℃から120℃に変えた以外は、実施例2と同様にして、銀ナノ構造体を得た。実施例1と同様にして、銀ナノ構造体を確認したところ、全個体中で、短軸が1000nm以下であり、アスペクト比が1.5以上である個体が占める割合は、個数基準で40.5%であることが認められた。
<比較例1>
エチレングリコール5mlを入れた50mlフラスコを130℃のオイルバスに浸漬し、エチレングリコールを60分間空気でバブリングしながら、予備加熱を行った。バブリングを空気から窒素ガスに切り替え、バブリングを止めた後、そこに、0.1Mの硝酸銀−エチレングリコール溶液1.5ml、0.15MのPVP(ポリスチレン換算の重量平均分子量:55000)−エチレングリコール溶液1.5ml、及び4mMの塩化銅2水和物−エチレングリコール溶液40μlを入れ、120分間攪拌した。しかし、銀ナノ構造体は得られず、出発原料を回収した。
実施例1で得られた銀ナノ構造体の走査型電子顕微鏡像(倍率:20,000倍)による写真である。 実施例2で得られた銀ナノ構造体の走査型電子顕微鏡像(倍率:20,000倍)による写真である。 実施例3で得られた銀ナノ構造体の走査型電子顕微鏡像(倍率:20,000倍)による写真である。 実施例4で得られた銀ナノ構造体の走査型電子顕微鏡像(倍率:20,000倍)による写真である。

Claims (7)

  1. 銀化合物を、分散剤の存在下、芳香環を有する還元剤で還元させる還元工程を含む、銀ナノ構造体の製造方法。
  2. 前記還元工程が、金属ハロゲン化物及び/又はハロゲン化水素の存在下で行われる、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記分散剤が、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、デンプン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、及びこれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記銀化合物が、下記式(1):
    Agab (1)
    (式中、Agは、正に帯電した銀イオンを表す。Xは、負に帯電したイオンを表す。a及びbはそれぞれ独立に、1以上の整数である。Xが複数存在する場合には、それらは同一であっても異なっていてもよい。)
    で表される化合物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記芳香環を有する還元剤が、下記式(2):
    6 n−Ar−R5 m (2)
    (式中、R5は、アルキル基、ヒドロキシ基、アルデヒド基、アミノ基、チオール基、ヒドロキシアルキル基、ホルミルアルキル基、アミノアルキル基、又はメルカプトアルキル基を表す。R6は、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、シアノ基又はニトロ基を表す。mは、1以上の整数である。nは、0以上の整数である。Arは、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表す。R5が複数存在する場合には、それらは同一であっても異なっていてもよい。R6が複数存在する場合には、それらは同一であっても異なっていてもよい。)
    で表される化合物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の銀ナノ構造体の製造方法。
  6. 前記還元工程の前に、前記芳香環を有する還元剤を加熱する加熱工程を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記加熱工程が、酸素の存在下で行われる、請求項6に記載の製造方法。
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