JP2010123439A - 有機電界発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機層上の電極側から光を取り出すことができ、該電極の形成に起因するショートが発生し難く、かつ、有機層への電子注入性が高く、低電圧で駆動するとともに使用に伴う電圧上昇が抑制される有機電界発光素子を提供する。
【解決手段】第1電極14と、少なくとも発光層を含む有機層16と、第2電極20とが、この順で積層されており、前記第2電極が、前記有機層側から、0.1nm以上10nm以下の厚さを有するAl層18と、3nm以上50nm以下の厚さを有するAg層19とを含むことを特徴とする有機電界発光素子10。好ましくは、有機層が、アルカリ金属がドープされた電子注入層を含み、有機層と第2電極との間にAlとLiとの合金の層を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機電界発光素子に関する。
近年、有機電界発光素子を用いた発光装置や表示装置が提案されている。有機電界発光素子は、対向する一対の電極(陽極及び陰極)と、電極間に発光材料を含む有機層とを含み、電極間に電圧を印加することにより、電極間に挟まれた領域の有機層(発光層)において正孔と電子が再結合して発光する。
電極を構成する材料としては、金、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル等の金属、アンチモンやフッ素等をドープした酸化錫(ATO、FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の導電性金属酸化物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料が挙げられる。
電極は、導電性、光透過性、光反射性、成膜性などを考慮して選択するが、少なくとも発光層からの光を取り出す側は光透過性を有する電極とする必要がある。
電極は上記のような導電性を有する材料を用いて蒸着等によって成膜し、単層に限らず、複数の層により構成することも提案されている。例えば、AlLi合金からなる陰極上に、Al、AlとTi以外の遷移金属、Ti、及び窒化チタンのいずれか1種以上を含有する保護電極を設けた有機電界発光素子が提案されている(特許文献1参照)。
また、陰極として、有機層上に透明なCa層(電子注入層)と透明なAg層(被覆層)を積層した有機電界発光素子が提案されている(特許文献2参照)。
特開平10−321374号公報 特開2004−200141号公報
本発明は、有機層上の電極側から光を取り出すことができ、該電極の形成に起因するショートが発生し難く、かつ、有機層への電子注入性が高く、低電圧で駆動するとともに使用に伴う電圧上昇が抑制される有機電界発光素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では以下の有機電界発光素子が提供される。
<1> 第1電極と、少なくとも発光層を含む有機層と、第2電極とが、この順で積層されており、前記第2電極が、前記有機層側から、0.1nm以上10nm以下の厚さを有するAl層と、3nm以上50nm以下の厚さを有するAg層とを含むことを特徴とする有機電界発光素子。
<2> 前記Al層の厚さと前記Ag層の厚さとの比が、4:1〜1:20の範囲にあることを特徴とする<1>に記載の有機電界発光素子。
<3> 前記有機層から発せられた光に対し、前記第1電極が反射性を有し、前記第2電極が反射性及び透過性を有することにより共振器構造が形成されていることを特徴とする<1>又は<2>に記載の有機電界発光素子。
<4> 前記有機層が、アルカリ金属がドープされた電子注入層を含むことを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の有機電界発光素子。
<5> 前記アルカリ金属がLiまたはCsであることを特徴とする<4>に記載の有機電界発光素子。
<6> 前記有機層と前記第2電極との間にAlとLiとの合金の層を有することを特徴とする<1>〜<5>のいずれかに記載の有機電界発光素子。
<7> 前記AlとLiとの合金の層の厚さが3nm以下であることを特徴とする<6>に記載の有機電界発光素子。
有機層上の電極側から光を取り出すことができ、該電極の形成に起因するショートが発生し難く、かつ、有機層への電子注入性が高く、低電圧で駆動するとともに使用に伴う電圧上昇が抑制される有機電界発光素子が提供される。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明に係る有機電界発光素子について説明する。
発光層からの光を支持基板とは反対側、すなわち有機層上の電極(上部電極)側から取り出す、いわゆるトップエミッション型の有機電界発光素子を製造する場合、上部電極は発光層からの光に対して透過性を有する必要がある。また、両面から光を取り出す場合は、上下の電極を光透過性を有するように形成すればよい。
また、輝度を向上させる、もしくは色純度を向上させるため、発光層から発せられた特定波長の光を上下の電極間で繰り返し反射させて共振させる、いわゆる共振器構造を有するトップエミッション型の有機電界発光素子を作製する場合は、発光層からの光に対して下部電極は反射性を有し、上部電極は反射性と透過性を有するように形成する必要がある。このような共振器構造の有機電界発光素子を形成する場合は、一般的に、有機層上の電極としては、電極としての導電性及び光反射性の両立からAg電極を形成することが好ましい。例えば、基板上に、光反射性を有するAl電極と、発光層を含む有機層を順次形成した後、有機層上に、Ag電極を発光層からの光に対して反射性と透過性を有する厚さで形成すれば、共振器構造を有するトップエミッション型の有機電界発光素子を得ることができる。
ところが、本発明者の研究によれば、有機層上にAg電極を形成すると、ショートを起し易いことが分かった。その原因は定かでないが、Ag層を蒸着させて形成する際、Agが有機層に深く入り込み易いことが一因と推測される。
そこで、本発明者は研究を重ねた結果、有機層上に第2電極(陰極)として、安定性の高いAl層とAg層をそれぞれ特定の厚さで順次形成することで、ショートの発生を抑制するとともに、有機層への電子注入性が高く、低電圧で駆動するとともに使用に伴う電圧上昇が抑制される有機電界発光素子が得られることを見出した。
図1は、本発明に係る有機電界発光素子を備えた発光装置の構成の一例を概略的に示している。本実施形態の有機電界発光素子10は、支持体12上に、第1電極14と、少なくとも発光層を含む有機層16と、第2電極20とが、この順で積層されて構成されており、発光層で生じた光が第2電極20を透過して取り出される、いわゆるトップエミッション型である。第2電極20は、有機層16側からAl層18とAg層19とが積層して構成されており、Al層18の厚さは0.1nm以上10nm以下であり、Ag層19の厚さは3nm以上50nm以下である。
以下、各構成について具体的に説明する。
<支持体>
有機電界発光素子10が形成される基板(支持体)12としては、有機電界発光素子10を支持することができる強度を有するものであれば特に限定されず、公知のものを使用することができる。例えば、ジルコニア安定化酸化イットリウム(YSZ)、ガラス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の有機材料が挙げられる。
支持基板12としてガラスを用いる場合、ガラスからの溶出イオンを少なくするため、無アルカリガラスを用いることが好ましい。ソーダライムガラスを用いる場合には、シリカなどのバリアコートを施したものを使用することが好ましい。
有機材料からなる支持基板12を用いる場合には、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、及び加工性に優れていることが好ましい。特にプラスチック製の支持基板を用いる場合には、水分や酸素の透過を抑制するため、支持基板の片面又は両面に透湿防止層又はガスバリア層を設けることが好ましい。透湿防止層又はガスバリア層の材料としては、窒化珪素、酸化珪素、酸窒化珪素、酸化アルミニウムなどの無機物、これら無機物とアクリル系樹脂などの有機物との積層体を好適に用いることができる。透湿防止層又はガスバリア層は、例えば、高周波スパッタリング法などにより形成することができる。
また、熱可塑性の支持基板を用いる場合には、更に必要に応じて、ハードコート層、アンダーコート層などを設けてもよい。
支持基板12の形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、有機電界発光素子10の用途、目的等に応じて適宜選択することができる。一般的には、支持基板12の形状としては、取り扱い性、有機電界発光素子の形成容易性等の観点から板状であることが好ましい。支持基板の構造は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。また、支持基板12は、単一部材で構成されていてもよいし、2つ以上の部材で構成されていてもよい。
なお、第2電極20側から光を取り出すトップエミッションタイプの場合、支持基板12側から発光を取り出す必要がないため、例えば、ステンレス、Fe、Al、Ni、Co、Cuやこれらの合金等の金属基板やシリコン基板を用いてもよい。金属製の支持基板であれば、厚さが薄くても、強度が高く、大気中の水分や酸素に対して高いガスバリア性を有するものとなる。金属製の支持基板を用いる場合には、支持基板12と第1電極14との間に電気絶縁性を確保するための絶縁膜を設ければよい。
<第1電極>
支持基板12上に形成される第1電極14は、有機層16に正孔を供給する電極(陽極)としての機能を有するものであれば、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、有機電界発光素子の用途、目的等に応じて公知の電極材料から適宜選択することができる。
第1電極14を構成する材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、導電性化合物、又はこれらの混合物が挙げられる。具体例として、アンチモンやフッ素等をドープした酸化錫(ATO、FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の導電性金属酸化物、金、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、及びこれらとITOとの積層物などが挙げられる。
例えば、発光層からの光を両電極14,20間で反射させることで共振器構造を有する有機電界発光素子を作製する場合は、第1電極14は光反射性を有する材料が最上面になるよう形成すればよく、光反射性を有する材料として、具体的には、Al、Ag電極が好ましい。
一方、両電極14,20側から発光させる両面発光の有機電界発光素子を作製する場合は、第1電極14の光透過率は60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。具体的には、ITOが好ましい。透明電極については、沢田豊監修「透明電極膜の新展開」シーエムシー刊(1999)に詳述があり、ここに記載されている事項を本発明でも適用することができる。例えば、耐熱性の低いプラスチック製の支持基板を用いる場合は、ITO又はIZOを使用し、150℃以下の低温で成膜した透明電極が好ましい。
第1電極14を形成する方法としては、例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式が挙げられ、第1電極14を構成する材料との適性等を考慮して適宜選択すればよい。例えば、ITOを用いる場合には、直流又は高周波スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等に従って支持基板12上に第1電極14を形成することができる。
第1電極14を形成する位置は、発光装置24の用途、目的等に応じて適宜選択することができ、支持基板12上に全体に形成してもよいし、一部に形成してもよい。
第1電極14を形成する際のパターニングは、フォトリソグラフィなどによる化学的エッチングによって行ってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによって行ってもよい。また、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等を行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法によって行ってもよい。
第1電極14の厚さは、第1電極14を構成する材料等に応じて適宜選択すればよいが、通常は10nm〜50μm程度であり、50nm〜20μmが好ましい。
また、第1電極14の抵抗値は、有機層16に確実に正孔を供給するために、10Ω/□以下が好ましく、10Ω/□以下がより好ましい。
<第2電極>
第2電極20は、有機層16側からAl層18とAg層19とが積層して構成されている。
−Al層−
第2電極20の一部(下層)を構成するAl層18は、0.1nm以上10nm以下の厚さを有する。このような厚さのAl層18であれば、有機層16に電子を供給する電極(陰極)としての機能を有するとともに、Al層18の上に形成されるAg層19から有機層16を保護し、さらに、発光層からの光に対して透過性を有することができる。なお、第2電極20の一部としての導電性、有機層の保護、及び光透過性の観点から、Al層18の厚さは0.5nm以上5nm以下であることが好ましく、1nm以上3nm以下であることがより好ましい。
−Ag層−
Al層18上には、第2電極20の一部(上層)としてAg層19が設けられている。Ag層19の厚さは3nm以上50nm以下である。このような厚さのAg層19であれば、Al電極と共に電極としての導電性のほか、発光層からの光に対して透過性を有することができる。なお、第2電極20の一部としての導電性及び光透過性の観点から、Ag層19の厚さは5nm以上30nm以下であることが好ましく、10nm以上25nm以下であることがより好ましい。
また、第2電極20全体としての厚さは、Al層18の上限(10nm)とAg層19の上限(50nm)を合わせた60nm以下であるが、電極としての導電性を確保するとともに発光層からの光を透過させる観点から、10nm以上50nm以下であることが好ましく、10nm以上40nm以下であることがより好ましく、15nm以上30nm以下であることが特に好ましい。
なお、第2電極20の下層となるAl層18は、主にAg層19から有機層16を保護する機能を発揮させ、上層となるAg層19は、主に電極としての導電性を発揮させる観点から、Al層18の厚さは比較的小さく、Ag層19の厚さは比較的大きいことが好ましい。具体的には、Al層18の厚さとAg層19の厚さとの比(Al層の厚さ:Ag層の厚さ)は、4:1〜1:20の範囲にあることが好ましく、1:1〜1:20の範囲にあることが更に好ましい。
共振器構造を有する有機電界発光素子10とする場合は、発光層から発せられる光に対し、第1電極14が反射性を有し、第2電極20が反射性及び透過性を有するように各電極14,20を形成し、これらの2つの電極14,20の有効屈折率、電極14,20間の各層の屈折率と厚さから決定される光路長を所望の共振波長を得るのに最適な値となるよう調整すればよい。共振器構造を有する場合の計算式は、例えば、特開平9−180883号、特開2004−127795号などに記載されており、これらの計算式に基づいて有機電界発光素子の各層を形成すればよい。
なお、共振器構造を形成する場合は、Al層18とAg層19による上記の各機能に加えて、第2電極20全体の光反射性と光透過性を両立させるため、Ag層19がAl層18よりも厚いことが好ましく、具体的にはAl層18の厚さとAg層19の厚さとの比(Al層の厚さ:Ag層の厚さ)は、1:1〜1:20の範囲がより好ましく、1:3〜1:20の範囲がより好ましく、1:5〜1:15の範囲が特に好ましい。
第2電極20を構成するAl層18とAg層19の形成方法は特に制限はなく、公知の方法に従って形成することができる。例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD法、プラズマCVD法等の化学的方式などの中から、各材料(Al又はAg)との適性を考慮して適宜選択した方法により順次形成すればよい。
また、第2電極20は、有機層16上に全体に形成されていてもよく、その一部に形成されていてもよい。有機層16上に第2電極20としてAl層18及びAg層19を順次蒸着して成膜した後、パターニングする場合は、フォトリソグラフィなどによる化学的エッチングによって行ってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによって行ってもよい。また、第2電極の形成は、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等によって行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法によって行ってもよい。
<有機層>
有機層16は、第1電極(陽極)14と第2電極(陰極)20の間に挟まれ、少なくとも発光層を含む構成とする。電極14,20間の有機層16は、例えば以下のような層構成を採用することができるが、これらの層構成に限定されず、目的等に応じて適宜決めればよい。
・陽極/発光層/陰極
・陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極
・陽極/正孔輸送層/ブロック層/発光層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔輸送層/ブロック層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/ブロック層/発光層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/ブロック層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
−発光層−
発光層は、電界印加時に、陽極、正孔注入層、又は正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極、電子注入層、又は電子輸送層から電子を受け取り、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。
発光層は、発光材料のみで構成されていても良く、ホスト材料と発光材料の混合層とした構成でも良い。発光材料は蛍光発光材料でも燐光発光材料であっても良く、ドーパントは1種であっても2種以上であっても良い。ホスト材料は電荷輸送材料であることが好ましい。ホスト材料は1種であっても2種以上であっても良く、例えば、電子輸送性のホスト材料とホール輸送性のホスト材料を混合した構成が挙げられる。さらに、発光層中に電荷輸送性を有さず、発光しない材料を含んでいても良い。
また、発光層は1層であっても2層以上であってもよく、それぞれの層が異なる発光色で発光してもよい。
本発明に使用できる蛍光発光材料の例としては、例えば、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、スチリルベンゼン誘導体、ポリフェニル誘導体、ジフェニルブタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ナフタルイミド誘導体、クマリン誘導体、縮合芳香族化合物、ペリノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、オキサジン誘導体、アルダジン誘導体、ピラリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体、キナクリドン誘導体、ピロロピリジン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、スチリルアミン誘導体、ジケトピロロピロール誘導体、芳香族ジメチリディン化合物、8−キノリノール誘導体の金属錯体やピロメテン誘導体の金属錯体に代表される各種金属錯体等、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン誘導体などの化合物等が挙げられる。
また、本発明に使用できる燐光発光材料は、例えば、遷移金属原子又はランタノイド原子を含む錯体が挙げられる。
遷移金属原子としては、特に限定されないが、好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、及び白金が挙げられ、より好ましくは、レニウム、イリジウム、及び白金である。
ランタノイド原子としては、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテシウムが挙げられる。これらのランタノイド原子の中でも、ネオジム、ユーロピウム、及びガドリニウムが好ましい。
錯体の配位子としては、例えば、G.Wilkinson等著,Comprehensive Coordination Chemistry, Pergamon Press社1987年発行、H.Yersin著,「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」 Springer-Verlag社1987年発行、山本明夫著「有機金属化学−基礎と応用−」裳華房社1982年発行等に記載の配位子などが挙げられる。
具体的な配位子としては、好ましくは、ハロゲン配位子(好ましくは塩素配位子)、含窒素ヘテロ環配位子(例えば、フェニルピリジン、ベンゾキノリン、キノリノール、ビピリジル、フェナントロリンなど)、ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトンなど)、カルボン酸配位子(例えば、酢酸配位子など)、一酸化炭素配位子、イソニトリル配位子、シアノ配位子であり、より好ましくは、含窒素ヘテロ環配位子である。上記錯体は、化合物中に遷移金属原子を一つ有してもよいし、また、2つ以上有するいわゆる複核錯体であってもよい。異種の金属原子を同時に含有していてもよい。
これらの中でも、発光材料の具体例としては、例えば、US6303238B1号公報、US6097147号公報、WO00/57676号公報、WO00/70655号公報、WO01/08230号公報、WO01/39234A2号公報、WO01/41512A1号公報、WO02/02714A2号公報、WO02/15645A1号公報、WO02/44189A1号公報、特開2001−247859号公報、特開2002−117978号公報、特開2002−225352号公報、特開2002−235076号公報、特開2002−170684号公報、EP1211257号公報、特開2002−226495号公報、特開2002−234894号公報、特開2001−247859号公報、特開2001−298470号公報、特開2002−173674号公報、特開2002−203678号公報、特開2002−203679号公報、特開2004−357791号公報、特開2006−256999号公報等の特許文献に記載の燐光発光化合物などが挙げられ、中でも、特に好ましい発光材料は、Ir錯体、Pt錯体、Re錯体であり、中でも金属−炭素結合、金属−窒素結合、金属−酸素結合、金属−硫黄結合の少なくとも一つの配位様式を含むIr錯体、Pt錯体、Re錯体が好ましい。
これらの中でも、発光材料の具体例としては例えば下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2010123439

Figure 2010123439
Figure 2010123439
Figure 2010123439
燐光発光材料は、発光層中に、0.1〜40質量%含有されることが好ましく、0.5〜20質量%含有されることがより好ましい。
また、発光層に含有されるホスト材料としては、例えば、カルバゾール骨格を有するもの、ジアリールアミン骨格を有するもの、ピリジン骨格を有するもの、ピラジン骨格を有するもの、トリアジン骨格を有するもの及びアリールシラン骨格を有するものや、後述の正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層の項で例示されている材料が挙げられる。
発光層の厚さは、特に限定されるものではないが、通常、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。
−正孔注入層、正孔輸送層−
正孔注入層、正孔輸送層は、陽極又は陽極側から正孔を受け取り陰極側に輸送する機能を有する層である。正孔注入層、正孔輸送層は、具体的には、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、有機シラン誘導体、カーボン、フェニルアゾールやフェニルアジンを配位子に有するIr錯体に代表される各種金属錯体等を含有する層であることが好ましい。
正孔注入層、正孔輸送層の厚さは、駆動電圧を下げるという観点から、各々500nm以下であることが好ましい。
正孔輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜200nmであるのが更に好ましい。また、正孔注入層の厚さとしては、0.1nm〜200nmであるのが好ましく、0.5nm〜200nmであるのがより好ましく、1nm〜200nmであるのが更に好ましい。
正孔注入層、正孔輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
このような正孔輸送材料の具体的化合物例としては、例えば下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2010123439
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本発明の有機EL素子の正孔注入層および/または正孔輸送層は低電圧化、駆動耐久性の観点から、電子受容性ドーパント(電子供与体)を好ましく含有することができる。
正孔注入層、あるいは正孔輸送層に導入する電子供与体としては、電子受容性で有機化合物を酸化する性質を有すれば、無機化合物でも有機化合物でも使用でき、具体的には、無機化合物は塩化第二鉄や塩化アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、五塩化アンチモンなどのハロゲン化物、酸化モリブデン、酸化バナジウム、及び酸化ルテニウム等の金属酸化物を好適に用いることができる。
有機化合物の場合は、置換基としてニトロ基、ハロゲン、シアノ基、トリフルオロメチル基などを有する化合物、キノン系化合物、酸無水物系化合物、フラーレンなどを好適に用いることができる。
有機電子供与体として、具体的には、ヘキサシアノブタジエン、ヘキサシアノベンゼン、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン、p−フルオラニル、p−クロラニル、p−ブロマニル、p−ベンゾキノン、2,6−ジクロロベンゾキノン、2,5−ジクロロベンゾキノン、テトラメチルベンゾキノン、1,2,4,5−テトラシアノベンゼン、o−ジシアノベンゼン、p−ジシアノベンゼン、1,4−ジシアノテトラフルオロベンゼン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン、p−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、o−ジニトロベンゼン、p−シアノニトロベンゼン、m−シアノニトロベンゼン、o−シアノニトロベンゼン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロナフトキノン、1−ニトロナフタレン、2−ニトロナフタレン、1,3−ジニトロナフタレン、1,5−ジニトロナフタレン、9−シアノアントラセン、9−ニトロアントラセン、9,10−アントラキノン、1,3,6,8−テトラニトロカルバゾール、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,3,5,6−テトラシアノピリジン、マレイン酸無水物、フタル酸無水物、フラーレンC60、およびフラーレンC70などが挙げられる。この他にも、特開平6−212153、同11−111463、同11−251067、特開2000−196140、同2000−286054、同2000−315580、2001−102175、同2001−160493、同2002−252085、同2002−56985、同2003−157981、同2003−217862、同2003−229278、同2004−342614、同2005−72012、同2005−166637、同2005−209643号公報等に記載の化合物を好適に用いることができる。
これらの電子受容性ドーパントは、単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
−電子注入層、電子輸送層−
電子注入層、電子輸送層は、陰極又は陰極側から電子を受け取り陽極側に輸送する機能を有する層である。電子注入層、電子輸送層は、具体的には、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン誘導体、等を含有する層であることが好ましい。
このような電子注入層、電子輸送層に用いられるとしては、例えば、以下の材料を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
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なお、本発明における電子注入層、電子輸送層には、第2電極からの電子注入性を向上させるため、以下の電子供与性ドーパント(電子供与性材料)が電子注入層、あるいは電子輸送層に含まれることが好ましい。
電子供与性材料は電子供与性で有機化合物を還元する性質を有していればよく、Liなどのアルカリ金属、Mgなどのアルカリ土類金属、希土類金属を含む遷移金属などが好適に用いられる。
特に仕事関数が4.2eV以下の金属が好適に使用でき、具体的には、Li、Na、K、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Y、Cs、La、Sm、Gd、およびYbなどが挙げられる。
これらの中でもLi、Na、K、Cs等のアルカリ金属が好ましく、Li又はCsがドープされていることがより好ましく、Liがドープされていることが特に好ましい。
電子注入層にドープするアルカリ金属の量は、ドーパントの種類によって異なるが、電子注入性を向上させる観点から、電子輸送性材料に対して0.1質量%〜99質量%であることが好ましく、1.0質量%〜80質量%であることが更に好ましく、2.0質量%〜70質量%であることが特に好ましい。
該使用量が、電子輸送層材料に対して0.1質量%未満のときには、本発明の効果が不十分であるため好ましくなく、99質量%を超えると電子輸送能力が損なわれるため好ましくない。
電子注入層、電子輸送層の厚さは、駆動電圧を下げるという観点から、各々500nm以下であることが好ましい。
電子輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。また、電子注入層の厚さとしては、0.1nm〜200nmであるのが好ましく、0.2nm〜100nmであるのがより好ましく、0.5nm〜50nmであるのが更に好ましい。
電子注入層、電子輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
−正孔ブロック層−
正孔ブロック層は、陽極側から発光層に輸送された正孔が、陰極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陰極側で隣接する有機化合物層として、正孔ブロック層を設けることができる。
正孔ブロック層を構成する有機化合物の例としては、BAlq等のアルミニウム錯体、トリアゾール誘導体、BCP等のフェナントロリン誘導体、等が挙げられる。
正孔ブロック層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。
正孔ブロック層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
有機層16を構成する各層は、材料に応じて、蒸着法、スパッタ法等の乾式製膜法、転写法、印刷法等から選択して形成すればよい。また、有機層16を構成する各層は、複数の二次層に分かれていてもよい。
−AlLi層−
また、有機層16と第2電極20との間にAlとアルカリ金属との合金からなる層、特に、AlとLiとの合金の層(AlLi層)を設けることが好ましい。例えば、有機層16の最上層として電子輸送層が形成されている場合に、電子輸送層と第2電極20(Al層18)との間にAlLi層を設けることで、第2電極20から有機層16への電子注入性が向上する。なお、有機層16の最上層として電子注入層が形成されている場合は、電子注入層と第2電極20(Al層18)との間にAlLi層を設けることで、電子注入性を一層向上させることができる。
AlLi層の厚さは、電子注入性の向上のほか、光透過性の低下を防ぐ観点から3nm以下であることが好ましく、0.1nm以上2nm以下であることがより好ましく、0.3nm以上1nm以下であることが特に好ましい。
AlLi層は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等により形成することができる。
<封止基板等>
支持基板12上に有機電界発光素子10を形成した後、大気中の水分や酸素によって劣化されることを抑制するため封止する。
封止基板22は、光透過性を有するとともに、酸素や水分に対するバリア性が高いものを使用する。好ましくは、ガラス基板又はバリア層を設けた樹脂フィルムを用いることができる。封止基板の厚さは、光透過性、強度、軽量化などの観点から、好ましくは0.05〜2mmである。
樹脂フィルム製の封止基板22としては、PET、PEN、PES等、支持基板12と同様の材質を用いることができる。また、バリア層の厚さは、その材質や要求されるバリア性に応じて決めればよいが、通常は100nm〜5μm、より好ましくは1μm〜5μmである。
支持基板12上に封止基板22を固定するとともに通気を防止する封止部材としては、接着剤が好ましく、エポキシ樹脂等の光硬化型接着剤や熱硬化型接着剤を用いることができ、例えば熱硬化性の接着シートを用いることもできる。
封止の際、封止基板22と支持基板12との間の空間には、気体又は液体の不活性流体を充填する。不活性ガスとして、例えばアルゴン、窒素等が挙げられる。また、不活性液体として、例えば、パラフィン類、流動パラフィン類、パーフルオロアルカンやパーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等のフッ素系溶剤、塩素系溶剤、シリコーンオイル類が挙げられる。
上下の電極20,14にそれぞれ外部の配線(不図示)を接続し、直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜15ボルト)、又は直流電流を印加することにより、両極間に挟まれた領域の有機層16を発光させることができる。なお、駆動方法については、特開平2−148687号、同6−301355号、同5−29080号、同7−134558号、同8−234685号、同8−241047号の各公報、特許第2784615号、米国特許5828429号、同6023308号の各明細書、等に記載の駆動方法を適用することができる。
以上のような工程を経て、本発明に係る有機電界発光素子10を備えたトップエミッションタイプの発光装置24が製造される。
この装置24では、有機層上の電極側から光を取り出すことができ、例えば、第2電極(上部電極)としてAg層のみを形成した場合に比べ、第2電極の形成に起因するショートが発生し難く、かつ、有機層への電子注入性が高く、低電圧で駆動するとともに使用に伴う電圧上昇を抑制させることができる。
<実施例1−1>
支持基板(材質:ガラス、20mm角)上に、第1電極としてAl電極(陽極)を100nmの厚さで2mm幅のストライプ状に形成した。Al電極を形成した支持基板を、有機層を形成する領域が露出するマスク(開口部:5mm角)を介して、真空蒸着装置内の基板ホルダーに設置した後、装置内を排気して、5×10−5Paの真空度とした。陽極上に、正孔注入層として2−TNATA(前記H−27の化合物)と、2−TNATAに対して下記のF4−TCNQが1.0質量%となるように共蒸着を行い、160nmの厚さに形成した。次いで正孔輸送層としてNPD(前記H−31の化合物)を10nmの厚さに、続いて前記H−29の化合物を用いて形成した。正孔輸送層を形成した後、前記H−30の化合物と、H−30の化合物に対して前記D−25の化合物が15質量%となるように共蒸着を行い、30nm厚さに発光層を形成した。次いで、電子輸送層としてBAlq(前記E−8の化合物)を40nmの厚さで形成した。
Figure 2010123439
電子輸送層上に図2(A)に示す層構成のように、電子輸送層上にLiF層(厚さ:1nm)、Al層(厚さ:1.5nm)、及びAg層(厚さ:20nm)を順次蒸着により成膜した。Al層とAg層からなる第2電極(陰極)が基板上の第1電極(Al電極)に直交するように、マスクを用いて2mm幅のストライプ状にパターニング蒸着した。これによって、2mm角の有機電界発光素子の画素を作製した。
上記のようにして作製した有機電界発光素子を、窒素雰囲気に置換したグローブボックス内に移動し、封止基板を取り付けた。封止基板として厚さ1mmで10mm角のガラス基板を用い、乾燥剤を貼り付けた。有機電界発光素子の支持基板上の画素の周囲にガラススペーサー(直径:300μm)を分散した感光性エポキシ樹脂を塗布した後、乾燥剤がある面を有機電界発光素子側に向けて封止基板を押し付け、UVランプを用いてエポキシ樹脂を硬化させて有機電界発光素子を得た。
<実施例1−2>
実施例1−1でAl層の厚さを2nmに変えた以外は実施例1−1と同様にして有機電界発光素子を作製した。
<実施例1−3>
実施例1−2でAg層の厚さを25nmに変えた以外は実施例1−1と同様にして有機電界発光素子を作製した。
<実施例1−4>
実施例1−1でH−30の代わりにCBP(前記H−1の化合物)を用いた以外は実施例1−1と同様にして有機電界発光素子を作製した。
<実施例1−5>
実施例1−1でH−30の代わりにmCP(前記H−4の化合物)を用いた以外は実施例1−1と同様にして有機電界発光素子の画素を作製した。
<実施例2>
ガラス基板上にAl電極から発光層までは実施例1と同様の層構成を形成し、電子輸送層としてBAlqを10nmの厚さ形成した後、電子輸送層上に図2(B)に示す層構成のように、BCPにLiを1%ドープしたBCP:Li層(厚さ:30nm)、LiF層(厚さ:1nm)、Al層(厚さ:1.5nm)、及びAg層(厚さ:20nm)を蒸着により順次成膜した。Al層とAg層からなる第2電極(陰極)が基板上の第1電極(Al電極)に直交するように、マスクを用いて2mm幅のストライプ状にパターニング蒸着した。次いで、実施例1と同様にして封止を行うことで有機電界発光装置を得た。
<実施例3>
ガラス基板上にAl電極から電子輸送層までは実施例1と同様の層構成を形成した後、電子輸送層上に図2(C)に示す層構成のように、AlLi層(厚さ:3nm)、Al層(厚さ:1.5nm)、及びAg層(厚さ:20nm)を蒸着により順次成膜した。Al層とAg層からなる第2電極(陰極)が基板上の第1電極(Al電極)に直交するように、マスクを用いて2mm幅のストライプ状にパターニング蒸着した。次いで、実施例1と同様にして封止を行うことで有機電界発光装置を得た。
<実施例4>
ガラス基板上にAl電極から電子輸送層までは実施例2と同様の層構成を形成した後、電子輸送層上に図2(D)に示す層構成のように、BCP:Li層(厚さ:30nm)、AlLi層(厚さ:3nm)、Al層(厚さ:1.5nm)、及びAg層(厚さ:20nm)を蒸着により順次成膜した。Al層とAg層からなる第2電極(陰極)が基板上の第1電極(Al電極)に直交するように、マスクを用いて2mm幅のストライプ状にパターニング蒸着した。次いで、実施例1と同様にして封止を行うことで有機電界発光装置を得た。
<比較例1>
ガラス基板上にAl電極から電子輸送層までは実施例1と同様の層構成を形成した後、電子輸送層上に図3(A)に示すように、陰極としてAg層(厚さ:20nm)を蒸着により順次成膜した。マスクを用いて2mm幅のストライプ状にパターニング蒸着した。次いで、実施例1と同様にして封止を行うことで有機電界発光装置を得た。
<比較例2>
ガラス基板上にAl電極から電子輸送層までは実施例1と同様の層構成を形成した後、電子輸送層上に図3(B)に示す層構成のように、陰極としてCa層(厚さ:1.5nm)及びAg層(厚さ:20nm)を蒸着により順次成膜した。Ca層とAg層からなる陰極が基板上の陽極(Al電極)に直交するように、マスクを用いて2mm幅のストライプ状にパターニング蒸着した。次いで、実施例1と同様にして封止を行うことで有機電界発光装置を得た。
<比較例3>
ガラス基板上にAl電極から電子輸送層までは実施例1と同様の層構成を形成した後、電子輸送層上に図3(C)に示す層構成のように、AlLi層(厚さ:3nm)及びAl層(厚さ:20nm)を蒸着により順次成膜した。陰極となるAl層が基板上の陽極(Al電極)に直交するように、マスクを用いて2mm幅のストライプ状にパターニングした。次いで、実施例1と同様にして封止を行うことで有機電界発光装置を得た。
−有機電界発光装置の評価−
作製された有機電界発光装置の陽極と陰極のそれぞれの引出配線(端子部)に外部配線を通じて電源を接続し、100cd/mで発光させるのに必要な電圧を駆動電圧とし、1000cd/mで駆動させて輝度が500cd/mに半減した時の電圧を駆動前の電圧を100%として測定した。
Figure 2010123439
実施例1〜4の有機電界発光装置はショートが発生せず、比較例1〜3の有機電界発光装置に比べてほぼ同等か低い駆動電圧を保ったまま駆動による電圧上昇率が小さい。
また、発光材料としてD−25の代わりに濃度を5%としたIr(ppy)を用いた場合でも同様の結果が得られる。
以上、本発明について説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されるものではない。
例えば、本発明に係る有機電界発光素子は、画像形成装置などの光源として用いてもよいし、発光層をRGBにパターニングすることにより画素を形成して表示装置としてもよい。
本発明に係る有機電界発光素子を備えた装置の一例を示す概略構成図である。 実施例における電子輸送層上の構成を示す図である。 比較例における電子輸送層上の構成を示す図である。
符号の説明
10 有機電界発光素子
12 支持基板
14 第1電極
16 有機層
18 Al層
19 Ag層
20 第2電極
22 封止基板
24 発光装置

Claims (7)

  1. 第1電極と、少なくとも発光層を含む有機層と、第2電極とが、この順で積層されており、前記第2電極が、前記有機層側から、0.1nm以上10nm以下の厚さを有するAl層と、3nm以上50nm以下の厚さを有するAg層とを含むことを特徴とする有機電界発光素子。
  2. 前記Al層の厚さと前記Ag層の厚さとの比が、4:1〜1:20の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
  3. 前記有機層から発せられた光に対し、前記第1電極が反射性を有し、前記第2電極が反射性及び透過性を有することにより共振器構造が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機電界発光素子。
  4. 前記有機層が、アルカリ金属がドープされた電子注入層を含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
  5. 前記アルカリ金属がLiまたはCsであることを特徴とする請求項4に記載の有機電界発光素子。
  6. 前記有機層と前記第2電極との間にAlとLiとの合金の層を有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
  7. 前記AlとLiとの合金の層の厚さが3nm以下であることを特徴とする請求項6に記載の有機電界発光素子。
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