JP2010122573A - 投射型画像表示装置および投射光学系 - Google Patents

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Abstract

【課題】超広角の画像投射に対応する場合であっても、画像位置等の微調整を容易かつ確実に、しかも小型で安価な構成によって行い得るようにする。
【解決手段】画像変調素子で変調された1次像面の画像情報を2次像面となるスクリーン上へ拡大投射する投射光学系を、正の屈折力を持つ第1光学系L1と、凹面反射面を持つ第2光学系L2とを有して構成する。そして、前記第1光学系L1には、当該第1光学系L1を構成する全ての光学部品が回転対称面を持つ共通の光軸と、当該第1光学系L1を構成する少なくとも1つの光学部品の前記光軸と略垂直方向への移動によって前記2次像面を移動させる画面シフト機能と、を持たせる。
【選択図】図8

Description

本発明は、スクリーン上に投影画像を表示する投射型画像表示装置および当該投射型画像表示装置に用いられる投射光学系に関する。
近年、スクリーン上に投影画像を表示する投射型画像表示装置として、プロジェクタ装置が広く知られている。特に、最近では、投射空間を小さくしつつも大画面を表示できる超広角のフロント投射型プロジェクタ装置の需要が高まってきている。超広角のフロント投射型プロジェクタ装置を用いれば、スクリーンに対して斜めかつ広角に打ち込むことで、限定された空間において大画面を投射することが可能になるからである。
ただし、例えば半画角にして70°近辺という超広角に対応する場合には、プロジェクタ装置とスクリーンとの間の距離がほんの少し変化するだけで、スクリーン上における画像位置や画像サイズ等が大きく変化してしまうことになる。
例えば、図87に示すように、スクリーンに対して角度θで入射する光線を考える。スクリーン面内と垂直方向の距離がLだけ変化した場合、スクリーン上に入射する光線位置の変位量xは、tanθに比例する。超広角非対応の場合であれば角度θは約20°程度である。ところが、超広角対応の場合には、角度θが70°近辺で入射するので、その感度比は約7.5倍(=tan70°/tan20°)となる。したがって、超広角対応の場合には、投射面に合わせてプロジェクタ装置の設置位置を調整するのにあたり、当該プロジェクタ装置とスクリーンとの間の距離がほんの少し変化するだけで、画像位置等が大きく変化してしまうのである。
このような画像位置等の変化に対しては、投射光学系における画面シフト機能および変倍機能を利用して対応することが考えられる。すなわち、図88に示すように、投射光学系PJの光軸位置を、画像変調素子Pの位置に対して、垂直方向に移動させることで、スクリーンSCR上の画面位置を移動させるようにする。
具体的には、変倍機能を持つリレー光学系と前記リレー光学系の結像画面を拡大投射する非球面反射ミラーとを備える投射型画像表示装置において、リレー光学系の全体を移動させることで、画面シフト機能を実現することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、fθ光学系を利用したものについては、屈折系部と複数の自由曲面反射面で構成し、屈折系部の射出瞳面に平面反射面を備え、その平面反射面を回転させることで、画面シフト機能を実現することが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
さらには、変倍時に生じる画面移動に対して、画像変調素子を移動させることで、画面シフト機能を実現することや、また平行平板を投射光学系と画像変調素子間に挿入し、その平行平板を傾けることで、画面シフト機能を実現することも提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
特開2007−11248号公報 特許第4086686号公報 特開2008−185709号公報
しかしながら、上述した従来技術には、以下に述べるような難点がある。
例えば、図7に示した構成では、画面シフト機能による画面シフト量の自由度が増える一方で、投射光学系の全体を移動させる必要がある。そのために、画面シフト機能を実現するための機構として、投射光学系の全体の重量に耐える大型のものが必要となり、結果的に大幅なコストアップを招くおそれがある。
また特許文献1に開示された構成では、リレー光学系を必要とするため、投射光学系含めた全体の光学系が大型化し、かつコストアップを招くおそれがある。
また、特許文献2に開示された構成では、屈折系部分は小型になるものの、製造上回転対称非球面と比較して困難さが伴う自由曲面を使用しており、かつ複数枚使用しなければならないため反射面の固定等に難があり、結果的に光学系のコストアップを招くおそれがある。
また、特許文献3に開示されたように、画像変調素子自体を移動させる構成の場合は、投射光学系としては比較的容易に構成可能である反面、予め照明光学系から画像変調素子自体に均一照射する領域を大きくとるか、あるいは光源含めた照明光学系と画像変調素子を同時に移動させる必要がある。前者の場合、明るさの劣化を招く。後者の場合、機構部分が大型化しコストアップを招く。また平行平板を傾斜させる場合、非点隔差を生じるため光学性能が劣化することとなる。
つまり、上述した従来技術では、画面シフト機能を実現するのにあたり、装置構成が大型化または複雑化してしまい、これに伴ってコストアップを招くおそれがある。
一般に、超広角に対応しつつ、超広角非対応の従来型と同様に明るさを得るためには、大型の曲面反射面を持ち、かつ、明るい画面を達成するため大きな開口数(あるいは小さなF値)を持つ光学系を構成する必要がある。換言すると、超広角に対応する光学系は、超広角非対応の場合と同等の明るさを得ようとすると、当該超広角非対応の場合に比べてコストアップする傾向が強くなる。したがって、画面シフト機能の実現については、極力コストアップを抑制し得るようにすることが望ましい。
ところで、プロジェクタ装置の設置は、いわゆる天吊金具といった設置機構を用いて行われる場合がある。このような設置機構は、通常、設置位置を調整する機能を備えている。
ただし、一般的な調整機能は、ボルト等で締め付ける構造のものが殆どであり、数mm単位の微調整を行うことが難しい。したがって、超広角に対応する場合には、微調整が困難な調整機能のみでは不十分である。
このことから、超広角に対応する場合には、数mm単位の微調整を可能にする専用の調整機能を設けることが考えられる。しかしながら、このような専用の調整機能は、超広角に対応する場合以外には汎用性が無く、結果的にコストアップに繋がってしまうことになる。
本発明は、簡素な構成による画面シフト機能を実現可能にすることで、超広角に対応する場合であっても画像位置等の微調整を容易かつ確実に、しかも小型で安価な構成によって行い得る投射型画像表示装置および投射光学系を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために案出された投射型画像表示装置で、光源と、前記光源から発せられた光束を1次像面となる画像変調素子の面上に均一照射する照明光学系と、前記画像変調素子で変調された前記1次像面の画像情報を2次像面となるスクリーン上へ拡大投射する投射光学系とを備え、前記投射光学系は、正の屈折力を持つ第1光学系と、凹面反射面を持つ第2光学系とを有し、前記第1光学系は、当該第1光学系を構成する全ての光学部品が回転対称面を持つ共通の光軸と、当該第1光学系を構成する少なくとも1つの光学部品の前記光軸と略垂直方向への移動によって前記2次像面を移動させる画面シフト機能とを持つ。
上記構成の投射型画像表示装置では、第1光学系を構成する少なくとも1つの光学部品を、光軸と略垂直方向へ移動させることによって、スクリーン上の2次像面を移動させるようになっている。すなわち、第1光学系を構成する少なくとも1つの光学部品の移動によって、画面シフト機能を実現する。したがって、投射光学系の全体を移動させる場合や画像変調素子を移動させる場合等に比べて、移動させる部品点数が少なく、また大きさも小さくて済むので、結果として簡素な構成で画面シフト機能を実現することが可能になる。
本発明によれば、簡素な構成による画面シフト機能が実現可能になる。したがって、その画面シフト機能を利用することで、超広角に対応する場合であっても、画像位置等の微調整を容易かつ確実に行うことができる。しかも、その場合であっても、画面シフト機能を実現するための構成について、コストアップに繋がる大型化または複雑化を回避することができる。すなわち、画面シフトを安価かつ小型な構成によって行い得るようになる。
以下、図面に基づき本発明に係る投射型画像表示装置および投射光学系について説明する。
[投射型画像表示装置の概要]
先ず、投射型画像表示装置の概要について、液晶プロジェクタ装置を例に挙げて、簡単に説明する。
液晶プロジェクタ装置は、高圧水銀ランプ等の光源から照射される光を、画像変調素子である液晶表示素子で変調して映像信号に応じた光学像を形成するとともに、その光学像を投射光学系で拡大投影してスクリーン上に表示するように構成されている。このような液晶プロジェクタ装置としては、R(赤)色、G(緑)色およびB(青)色のそれぞれに対応するパネル状の液晶表示素子を備えた、いわゆる三板式が広く知られている。なお、以下の説明では、パネル状の液晶表示素子を、単に「液晶パネル」ともいう。
ところで、ここで説明する液晶プロジェクタ装置では、投射光学系が、例えば半画角にして70°近辺という超広角に対応しているものとする。
超広角に対応することの利点としては、例えば以下に述べる事項が挙げられる。
図1〜5は、超広角対応の液晶プロジェクタ装置の利点についての説明図である。
超広角対応では、(1)液晶プロジェクタ装置からの光が、直接人間の目に入らないため安全である(例えば図1参照。)。(2)画面に影が映らないため効率的なプレゼンテーションができる(例えば図1参照。)。(3)設置空間が狭いため、天井の障害物を気にすることなく設置ができる(例えば図2参照。)。(4)壁につけて投射することが可能なため、メンテナンスが容易である。また、パーソナルコンピュータ(PC)と映像音響機器(AV機器)との距離が短くなるため、ケーブルの引き回しが容易となる(例えば図3参照。)。(5)打合せスペース、あるいは教室や会議室等の設置に対する自由度が増える(例えば、図4参照。)。(6)テーブル上での投射もできる(例えば、図5参照。)。
また、電子黒板(Interactive White Board)の普及も、超広角対応の液晶プロジェクタ装置の需要を高めている一要因であるが、学校、職場等にとどまらず、デジタルサイネージ(電子広告)の分野でも、このような液晶プロジェクタ装置が使われている。電子黒板は、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)でも製品としてあるものの、それらと比較して、1インチ程度の液晶パネルを拡大投射するシステムであるため、低価格で大画面を提供することができる。
[投射型画像表示装置の概略構成例]
続いて、超広角対応の液晶プロジェクタ装置の概略構成について説明する。
図6は、液晶プロジェクタ装置の概略構成例を示す説明図である。
図例のように、液晶プロジェクタ装置は、その筐体内に、光源1と、照明光学系2と、投射光学系3と、を備えている。
図7は、光源1および照明光学系2の概略構成例を示す説明図である。
光源1は、例えば高圧水銀ランプからなり、照明光学系2に対して光束を発するようになっている。
照明光学系2は、光源1から発せられた光束を、1次像面となる画像変調素子(液晶パネル)の面上に均一照射するようになっている。さらに具体的には、照明光学系2では、光源1からの光束が、第1および第2のフライアイレンズFL、偏光変換素子PSおよび集光レンズLを経る。そして、これらを経た後に、特定の波長帯域の光だけを反射するダイクロイック・ミラーDMによって、RGBの各色成分光に分離される。RGBの各色成分光は、全反射ミラーMやレンズL等を利用しつつ、RGBの各色に対応して設けられた液晶パネルPに入射される。そして、各液晶パネルPにて映像信号に応じた光変調が行われた後は、光変調された各色成分光がダイクロイック・プリズムPPによって合成されて、投射光学系3に向けて出射されるようになっている。
なお、ここでは、透過型液晶パネルを用いて構成された照明光学系2を例に挙げているが、反射型液晶パネルを用いても照明光学系2を構成することは可能である。また、画像変調素子としては、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)等を用いることもできる。さらには、ダイクロイック・プリズムPPに代わり、偏光ビームスプリッター(PBS)やRGB各色の映像信号を合成する色合成プリズム、TIR(Total Internal Reflection)プリズム等を用いることも考えられる。
投射光学系3は、照明光学系2からの出射光を受け取ることで、照明光学系2の液晶パネルPで変調された1次像面の画像情報を、2次像面となるスクリーン上へ拡大投射する。
[投射光学系の構成例]
ここで説明する液晶プロジェクタ装置は、投射光学系3に特徴がある。
以下、投射光学系3の構成について、第1〜第6の実施の形態を例に挙げて順に説明する。
<第1の実施の形態>
図8は、第1の実施の形態における投射光学系の概略構成例を示す光路図である。図例では、基準投射距離時の光路を示している。
図例のように、投射光学系3は、正の屈折力を持つ第1光学系L1と、凹面反射面を持つ第2光学系L2と、を有している。
第1光学系L1は、当該第1光学系L1を構成する全ての光学部品が回転対称面を持つ共通の光軸を有している。
また、第2光学系L2は、回転対称非球面で構成され、第1光学系L1と共通の前記光軸を持つ。
そして、このような第1光学系L1および第2光学系L2を有することで、投射光学系3は、縮小側の1次像面から拡大側の2次像面へ拡大投射するように構成されている。すなわち、照明光学系2の液晶パネルPで変調されダイクロイック・プリズムPPによって合成された1次像面の画像情報を、2次像面となるスクリーン上へ拡大投射するようになっている。
このような構成の投射光学系3において、第1光学系L1は、1次像面の側から、正の屈折力を持つ第11光学系L11と、負の屈折力を持つ第12光学系L12と、が配されて構成されている。そして、当該第1光学系L1から出射された光束は、第2光学系L2との間に中間像IMを一旦結像させた後、当該第2光学系L2に入射するようになっている。
なお、図中に示すM1、M2には、それぞれ第1平面反射面、第2平面反射面および第3平面反射面が配置されることとなるが、この図においては便宜上ダミー面としている。
図9は、第1の実施の形態における投射光学系の要部構成例を示す説明図である。図例では、近距離投射時における第1光学系L1のレンズ断面を示している。
図例のように、第1光学系L1は、画面シフト機能SF、変倍機能MFおよびフローティング機能FFとしての機能を有している。なお、図中に示すSは、絞りを表している。
画面シフト機能SFは、2次像面となるスクリーン上における結像位置を移動させる機能である。この画面シフト機能SFを実現するために、第1光学系L1では、当該第1光学系L1を構成する一部の光学部品が、当該第1光学系L1の光軸と略垂直方向へ移動するように構成されている。さらに詳しくは、第1光学系L1を構成する一部の光学部品に相当する第11光学系L11が、光軸と略垂直方向へ移動する。
第11光学系L11を移動させるための機構は、特に限定されるものではなく、公知技術を利用して実現したものであればよい。
このように、第1光学系L1を構成する一部の光学部品(具体的には、第11光学系L11。)を光軸に対して略垂直に移動させることで、2次像面の結像位置を移動させる画面シフト機能SFを第1光学系L1に持たせることができる。
略垂直への移動に際しては、画面シフトが可能で、かつ、偏芯収差の発生が小さければ、いずれの光学部品を移動させてもよい。すなわち、必ずしも第11光学系L11を移動させる必要はなく、第12光学系L12を移動、または第1光学系全体を移動させたりあるいはこれらを構成する1つの光学部品を移動させてもよく、所望の移動量やコスト面から最適な移動群を選択すればよい。
つまり、第2光学系を含めた投射光学系全体ではなく、機構的に複雑になるおそれのある第2光学系を除く一部のみの移動によって、画面シフト機能SFを実現するのである。したがって、投射光学系を構成する光学部品の全てを移動させる場合や画像変調素子Pを移動させる場合等に比べて、移動させる部品点数が少なく、また大きさも小さくて済みさらには明るさの劣化等も無いので、結果として高画質を保ちつつ簡素な構成で画面シフト機能SFを実現することが可能になる。
画面シフト機能SFを実現するために移動させる一部の光学部品(具体的には、第11光学系L11。)については、当該一部の光学部品の屈折力φsと、基準投射時における第1光学系L1の屈折力φ1とが、以下の条件式(1)を満たすことが望ましい。
0.2<|φs/φ1|<1.2・・・(1)
上記の条件式(1)は、画面シフト機能SFを実現する移動群の屈折力を適切に規定したものである。すなわち、条件式(1)に規定する下限に満たない場合には、偏芯収差の発生は小さくなる一方で、同時に画面シフト量も小さくなる。また、条件式(1)に規定する上限を超えた場合には、移動による偏芯収差の発生が大きくなり、光学性能の劣化を招く。
変倍機能MFは、2次像面となるスクリーン上における画像を変倍させる機能である。この変倍機能MFを実現するために、第1光学系L1では、第11光学系L11が複数のレンズ群で構成されるとともに、正の屈折力を持つ少なくとも1つのレンズ群が、当該第1光学系L1の光軸に沿った方向へ移動するように構成されている。なお、図中においては、最も拡大側を「拡」、最も縮小側を「縮」としている。
正の屈折力を持つ少なくとも1つのレンズ群を移動させるための機構は、特に限定されるものではなく、公知技術を利用して実現したものであればよい。
このように、第11光学系L11における複数のレンズ群のうち、正の屈折力を持つ少なくとも1つのレンズ群を光軸に沿った方向へ移動させることで、2次像面の画像を変倍する変倍機能MFを第1光学系L1に持たせることができる。
変倍機能MFを実現するために移動させるレンズ群については、最も移動量の大きいレンズ群の屈折力φmと、基準投射時における前記第1光学系の屈折力φ1とが、以下の条件式(1)を満たすことが望ましい。
0.2<|φm/φ1|<0.9・・・(2)
上記の条件式(2)は、変倍機能MFを実現する移動群の屈折力を適切に規定したものである。すなわち、条件式(2)に規定する下限に満たない場合には、移動量が大きくなる。また、条件式(2)に規定する上限を超えた場合には、像面湾曲等の収差発生量が大きくなり、光学性能の劣化を招く。
ところで、変倍機能MFをさらに大きい変倍比で構成したい場合は、以下に述べるようにすることが考えられる。すなわち、第11光学系L11を、1次像面の側から、正の屈折力を持つ第11a群、正の屈折力を持つ第11b群、負の屈折力を持つ第11c群、および、正の屈折力を持つ第11d群の4つのレンズ群で構成する。そして、少なくとも第11bおよび第11d群の2つの群を、1次像面側に移動させることで拡大倍率を大きくし、中間像側に移動させることで拡大倍率を小さくする。ここで、第11c群を移動群にすることも、変倍比を大きくする上で有効となる。ここでの変倍比は、最も縮小側の全系の焦点距離を最も拡大側の全系の焦点距離で割ったものとする。
フローティング機能FFは、近距離投射時から遠距離投射時の合焦時において、結像性能および画歪等の光学性能を補正するための機能である。このフローティング機能FFを実現するために、第1光学系L1では、第12光学系L12が、第12a群L12aと、第12b群L12bとを含んでいる。第12a群L12aは、1次像面に最も近い面が凸面で形成され全体で負の屈折力を持つ。一方、第12b群L12bは、中間像側に凸面を持つ正メニスカスレンズで構成される。そして、第12a群L12aおよび第12b群L12bを含む第12光学系L12は、近距離投射時から遠距離投射時への合焦の際に、第12b群L12bが中間像側から1次像面側に光軸上を移動するように構成されている。なお、図中において、「近」とあるのは近距離投射時の移動方向、「遠」とあるのは遠距離投射時の移動方向である。
第12b群L12bを移動させるための機構は、特に限定されるものではなく、公知技術を利用して実現したものであればよい。
第12光学系L12を透過する光束は、絞りS近辺と違い、1次像面上の任意の各光束を分離しやすい。したがって、その光束について、近距離投射時から遠距離投射時への合焦の際に、光線角度をわずかに変化させることで、像面湾曲と歪曲の光学性能の補正を行うフローティング機能FFが実現可能となるのである。
具体的には、上述したように、全体で負の屈折力を持つ第12光学系L12の内部に、第12a群L12aおよび第12b群L12bを含むようにする。そして、近距離投射時から遠距離投射時への合焦の際、正メニスカスレンズで構成される第12b群L12bを、1次像面側に配置される第12a群L12aに近づける。これにより、光学性能を劣化させることなく、第12光学系L12の中間像側の主点位置を第2光学系L2に近づけるこができるため、遠距離投射時の合焦が可能となるのである。
フローティング機能FFを実現するための第12a群L12aおよび第12b群L12bについては、以下の条件式(3)および(4)を満たすことが望ましい。すなわち、第12a群L12aの屈折力φ12aと、第12b群L12bの屈折力φ12aと、基準投射時における第12光学系L12の屈折力φ12とが、以下の条件式(3)および(4)を満たすようにする。
0.2<|φ12b/φ12|<3.0・・・(3)
0.2<|φ12b/φ12a|<1.0・・・(4)
上記の条件式(3)および(4)は、フローティング機能FFを実現する第12a群L12aおよび第12b群L12bの屈折力を適切に規定したものである。
すなわち、条件式(3)に規定する下限に満たない場合には、フローティング時の移動量が大きくなり大型化を招く。一方、条件式(3)に規定する上限を超えた場合には、移動量が小さくなる反面、正メニスカスレンズの屈折力が大きくなるため、光線角度の変化が大きくなり、光学性能の劣化が急激に発生する。
また、条件式(4)に規定する下限に満たない場合には、長い投射距離範囲でフローティングができない。一方、条件式(4)に規定する上限を超えた場合には、第12a群L12aによる光線角度の変化が大きくなるため、光学性能が急激に劣化するため、長い距離変動には対応できない。
さらに、フローティング機能FFを実現するための第12a群L12aおよび第12b群L12bについては、以下の条件式(5)を満たすことが望ましい。すなわち、第12a群L12aのフローティング時の移動量M12aと、第12b群L12bのフローティング時の移動量M12bとが、以下の条件式(5)を満たすようにする。
1.5<M12b/M12a<7.0・・・(5)
上記の条件式(5)は、フローティング機能FFを実現する第12a群L12aおよび第12b群L12bの移動量比を適切に規定したものである。すなわち、条件式(5)に規定する下限に満たない場合には、長い投射距離範囲でフローティングができない。また、条件式(5)に規定する上限を超えた場合には、第12a群L12aによる光線角度の変化が大きくなるため、光学性能が急激に劣化する。換言すると、条件式(5)を満たせば、長い投射距離範囲で光学性能の補正をすることが可能になる。
以上のように構成された第1光学系L1に対して、当該第1光学系L1よりも2次像面側に配された第2光学系L2は、既に説明したように、回転対称非球面で構成され、第1光学系L1と共通の前記光軸を持つ。換言すると、第2光学系L2を構成する凹面反射面は、第1光学系L1と共通の光軸を持つ回転対称非球面の形状を持つ。したがって、このような第2光学系L2を配することで、像面湾曲および歪曲を適切に補正することができる。
また、以上のように構成された投射光学系3については、当該投射光学系3を構成する最も大きい曲面反射面の最大有効径DMと、1次像面の最大高さDyとが、以下の条件式(6)を満たしているものとする。
3<DM/Dy<30・・・(6)
上記の条件式(6)は、投射光学系3における最大曲面反射面と1次像面との高さ方向の大きさ比を適切に規定したものである。すなわち、条件式(6)に規定する下限に満たない場合には、機構含めて光学系全体をシフトさせる画面シフト機能(例えば、図☆参照。)で十分対応可能なため、上述した構成の画面シフト機能SFの必要性が乏しい。また、条件式(6)に規定する上限を超えた場合には、投射光学系全体が大型化し、コストアップを招くおそれがある。
なお、ここでは、投射光学系3を構成する各光学系が凹面反射面を持ち共通の光軸を持つ場合を例に挙げているが、条件式(6)を満たす光学系であれば、どのような光学系にも応用が可能となる。すなわち、縮小側の1次像面から拡大側の2次像面へ拡大投射する投射光学系であれば、以下のような光学系に適用することも考えられる。具体的には、2次像面に最も近くかつ曲面で構成される光学部品が反射面で構成される光学系において、投射光学系を構成する1部の光学部品が1次像面に対し略平行に偏芯することで、2次像面を画面シフトさせる機能を持つようにする。さらには、投射光学系を構成する1部の光学部品が1次像面に対し略垂直に移動することで、2次像面の画像を変倍する変倍機能を持つようにする。このような構成の投射光学系であっても、条件式(6)を満たすものであれば、1部の光学部品のみの移動により、小型で安価な構成による画面シフト機能および変倍機能を実現し得るようになる。
ここで、以上のように構成された投射光学系3について、具体的な数値例を挙げて、以下にその簡単な説明を行う。
図10は、第1の実施の形態における投射光学系による横収差図である。図中において、一目盛りは1ドットサイズをスクリーン上に拡大投射した時の1ドットサイズとなる。実線は546.1nm、点線は620nm、1点鎖線は460nmとなる。なお、ここで示す横収差図は、y方向に移動させたときの横収差図であるが、もちろん移動方向はy方向に限らず、光軸に垂直であればどの方向でもよい。
図11は、第1の実施の形態における投射光学系のレンズデータの具体例の説明図である。図中において、*印は非球面を有する面であり、下記の(7)式に従う。また、○印は、ダミー面であるが、それぞれ第1,2平面反射面を配置する。rは曲率半径、dは間隔およびレンズの芯厚、ndは、d線(587.56nm)での屈折率、νdは同様にd線でのアッベ数である。また{印で纏められたレンズ群はフローティング機能FF、変倍機能MFおよび画面シフト機能SFに関係するレンズ群である。また、diはフローティング機能FFおよび変倍機能MFを実現する際に変動するレンズ間隔である。
Figure 2010122573
図12は、第1の実施の形態における投射光学系の1次像面側の開口数NA、基準投射距離時の最大半画角ω、最大の1次像面高さyの具体例を示す説明図である。
図13(a)は、第1の実施の形態における投射光学系において、画面シフト機能SFを有するレンズ群と移動量の具体例を示す説明図である。
図13(b)および(c)は、第1の実施の形態における投射光学系において、フローティング機能FFと変倍機能MFに関するレンズ間隔の具体例を示す説明図である。図中における数値は図11におけるdiに対応する。ここで、flは、それぞれの焦点距離、βは拡大倍率である。
図14は、第1の実施の形態における投射光学系に対応する非球面係数の具体例を説明図である。図例の非球面係数は、上記(7)式に対応したものである。
図15は、第1の実施の形態における画像変調素子の具体例を示す説明図である。上述した図10の横収差における1ドットサイズとは、ここに記すサイズを示したものである。
図16は、第1の実施の形態における投射光学系を用いて、図15に示した画像変調素子を2次像面上に拡大投射したときのTV歪曲の状態を示した説明図である。
図17は、第1の実施の形態における投射光学系を用いて、図15に示した画像変調素子を2次像面上に拡大投射した時の、対角サイズ、画歪等の変化量の具体例を示す説明図である。
図18は、図17に示した変化量等を求める際に基にした計算式の具体例を示す説明図である。
図19は、第1の実施の形態における投射光学系での条件式(1)〜(6)の具体的な数値の一例を示す説明図である。
以上のような具体的な数値例によって特定される投射光学系3によれば、画面シフト機能SFとして、第1光学系L1の一部である第11光学系L11の全体を、光軸と±0.4mm垂直に移動させることで、約±5%程度の画面シフトを可能とする。また、変倍機能MFとして、第11光学系L11を構成する1つの群を光軸上に移動させることで、±0.35%程度の拡大倍率を変化させる。また、第12光学系L12を構成する第12a群L12aおよび第12b群L12bを、近距離投射時48.5″から遠距離投射時135″への合焦の際、中間像側から1次像面側に移動させるフローティング機能FFを持つ。
<第2の実施の形態>
図20は、第2の実施の形態における投射光学系の概略構成例を示す説明図である。図例では、基準投射距離時の光路を示している。
また、図21は、第2の実施の形態における投射光学系の要部構成例を示す説明図である。図例では、近距離投射時における第1光学系L1のレンズ断面を示している。
図例のように、第2の実施の形態における投射光学系3は、画面シフト機能SFを実現するために移動させる光学部品が、上述した第1の実施の形態の場合とは異なる。すなわち、第11光学系L11の全体ではなく、当該第11光学系L11を構成する一部の光学部品を移動させることで、画面シフト機能SFを実現するようになっている。
また、第2の実施の形態における投射光学系3は、変倍機能MFを実現するために移動させる光学部品についても、上述した第1の実施の形態の場合とは異なる。
なお、それ以外の構成については、上述した第1の実施の形態の場合と同様であるため、ここではその説明を省略する。
ここで、第2の実施の形態における投射光学系3について、具体的な数値例を挙げて、以下にその簡単な説明を行う。
図22は、第2の実施の形態における投射光学系による横収差図である。図中において、一目盛りは1ドットサイズをスクリーン上に拡大投射した時の1ドットサイズとなる。実線は546.1nm、点線は620nm、1点鎖線は460nmとなる。なお、ここで示す横収差図は、y方向に移動させたときの横収差図であるが、もちろん移動方向はy方向に限らず、光軸に垂直であればどの方向でもよい。
図23は、第2の実施の形態における投射光学系のレンズデータの具体例の説明図である。図中において、*印は非球面を有する面であり、上記の(7)式に従う。また、○印は、ダミー面であるが、それぞれ第1,2平面反射面を配置する。rは曲率半径、dは間隔およびレンズの芯厚、ndは、d線(587.56nm)での屈折率、νdは同様にd線でのアッベ数である。また{印で纏められたレンズ群はフローティング機能FF、変倍機能MFおよび画面シフト機能SFに関係するレンズ群である。また、diはフローティング機能FFおよび変倍機能MFを実現する際に変動するレンズ間隔である。
図24は、第2の実施の形態における投射光学系の1次像面側の開口数NA、基準投射距離時の最大半画角ω、最大の1次像面高さyの具体例を示す説明図である。
図25(a)は、第2の実施の形態における投射光学系において、画面シフト機能SFを有するレンズ群と移動量の具体例を示す説明図である。
図25(b)および(c)は、第2の実施の形態における投射光学系において、フローティング機能FFと変倍機能MFに関するレンズ間隔の具体例を示す説明図である。図中における数値は図23におけるdiに対応する。ここで、flは、それぞれの焦点距離、βは拡大倍率である。
図26は、第2の実施の形態における投射光学系に対応する非球面係数の具体例を説明図である。図例の非球面係数は、上記(7)式に対応したものである。
図27は、第2の実施の形態における画像変調素子の具体例を示す説明図である。上述した図22の横収差における1ドットサイズとは、ここに記すサイズを示したものである。
図28は、第2の実施の形態における投射光学系を用いて、図27に示した画像変調素子を2次像面上に拡大投射したときのTV歪曲の状態を示した説明図である。
図29は、第2の実施の形態における投射光学系を用いて、図27に示した画像変調素子を2次像面上に拡大投射した時の、対角サイズ、画歪等の変化量の具体例を示す説明図である。なお、図例の変化量等を求める際には、図18に示した計算式を基にしている。
図30は、第2の実施の形態における投射光学系での条件式(1)〜(6)の具体的な数値の一例を示す説明図である。
以上のような具体的な数値例によって特定される投射光学系3によれば、画面シフト機能SFとして、第1光学系L1の一部である第11光学系L11の1つのレンズを、光軸と±0.1mm垂直に移動させることで、約±0.7%程度の画面シフトを可能とする。また、変倍機能MFとして、画面シフト機能SFの場合と同じレンズを光軸上に移動させることで、±0.4%程度の拡大倍率を変化させる。また、第12光学系L12を構成する第12b群L12bを、近距離投射時55″から遠距離投射時100″への合焦の際、中間像側から1次像面側に移動させるフローティング機能FFを持つ。
<第3の実施の形態>
図31は、第3の実施の形態における投射光学系の概略構成例を示す説明図である。図例では、基準投射距離時の光路を示している。
また、図32は、第3の実施の形態における投射光学系の要部構成例を示す説明図である。図例では、近距離投射時における第1光学系L1のレンズ断面を示している。
図例のように、第3の実施の形態における投射光学系3は、上述した第1の実施の形態の場合と同様に、第11光学系L11の全体を移動させることで、画面シフト機能SFを実現する。
ただし、変倍機能MFについては、上述した第1の実施の形態の場合とは異なり、第11光学系L11を構成する2つの群を光軸上に移動させることで、実現するようになっている。
なお、それ以外の構成については、上述した第1の実施の形態の場合と同様であるため、ここではその説明を省略する。
ここで、第3の実施の形態における投射光学系3について、具体的な数値例を挙げて、以下にその簡単な説明を行う。
図33は、第3の実施の形態における投射光学系による横収差図である。図中において、一目盛りは1ドットサイズをスクリーン上に拡大投射した時の1ドットサイズとなる。実線は546.1nm、点線は620nm、1点鎖線は460nmとなる。なお、ここで示す横収差図は、y方向に移動させたときの横収差図であるが、もちろん移動方向はy方向に限らず、光軸に垂直であればどの方向でもよい。
図34は、第3の実施の形態における投射光学系のレンズデータの具体例の説明図である。図中において、*印は非球面を有する面であり、上記の(7)式に従う。rは曲率半径、dは間隔およびレンズの芯厚、ndは、d線(587.56nm)での屈折率、νdは同様にd線でのアッベ数である。また{印で纏められたレンズ群はフローティング機能FF、変倍機能MFおよび画面シフト機能SFに関係するレンズ群である。また、diはフローティング機能FFおよび変倍機能MFを実現する際に変動するレンズ間隔である。
図35は、第3の実施の形態における投射光学系の1次像面側の開口数NA、基準投射距離時の最大半画角ω、最大の1次像面高さyの具体例を示す説明図である。
図36(a)は、第3の実施の形態における投射光学系において、画面シフト機能SFを有するレンズ群と移動量の具体例を示す説明図である。
図36(b)および(c)は、第3の実施の形態における投射光学系において、フローティング機能FFと変倍機能MFに関するレンズ間隔の具体例を示す説明図である。図中における数値は図34におけるdiに対応する。ここで、flは、それぞれの焦点距離、βは拡大倍率である。
図37は、第3の実施の形態における投射光学系に対応する非球面係数の具体例を説明図である。図例の非球面係数は、上記(7)式に対応したものである。
図38は、第3の実施の形態における画像変調素子の具体例を示す説明図である。上述した図33の横収差における1ドットサイズとは、ここに記すサイズを示したものである。
図39は、第3の実施の形態における投射光学系を用いて、図38に示した画像変調素子を2次像面上に拡大投射したときのTV歪曲の状態を示した説明図である。
図40は、第3の実施の形態における投射光学系を用いて、図38に示した画像変調素子を2次像面上に拡大投射した時の、対角サイズ、画歪等の変化量の具体例を示す説明図である。なお、図例の変化量等を求める際には、図18に示した計算式を基にしている。
図41は、第3の実施の形態における投射光学系での条件式(1)〜(6)の具体的な数値の一例を示す説明図である。
以上のような具体的な数値例によって特定される投射光学系3によれば、画面シフト機能SFとして、第1光学系L1の一部である第11光学系L11の全体を、光軸と±0.15mm垂直に移動させることで、約±2%程度の画面シフトを可能とする。また、変倍機能MFとして、第11光学系L11を構成する2つの群を光軸上に移動させることで、±0.7%程度の拡大倍率を変化させる。また、第12光学系L12を構成する第12a群L12aおよび第12b群L12bを、近距離投射時50″から遠距離投射時100″への合焦の際、中間像側から1次像面側に移動させるフローティング機能FFを持つ。
<第4の実施の形態>
図42は、第4の実施の形態における投射光学系の概略構成例を示す説明図である。図例では、基準投射距離時の光路を示している。
また、図43は、第4の実施の形態における投射光学系の要部構成例を示す説明図である。図例では、近距離投射時における第1光学系L1のレンズ断面を示している。
図例のように、第4の実施の形態における投射光学系3は、画面シフト機能SF1と、画面シフト機能SF2とを有している。画面シフト機能SF1は、第1光学系L1の全体の移動によって実現される。一方、画面シフト機能SF2は、第1光学系L1の一部である第12光学系L12の全体を移動させることによって実現される。
変倍機能MFについては、上述した第3の実施の形態の場合と同様に、第11光学系L11を構成する2つの群を光軸上に移動させることで、実現するようになっている。
なお、それ以外の構成については、上述した第1の実施の形態の場合と同様であるため、ここではその説明を省略する。
ここで、第4の実施の形態における投射光学系3について、具体的な数値例を挙げて、以下にその簡単な説明を行う。
図44は、第4の実施の形態における投射光学系による横収差図である。図中において、一目盛りは1ドットサイズをスクリーン上に拡大投射した時の1ドットサイズとなる。実線は546.1nm、点線は620nm、1点鎖線は460nmとなる。なお、ここで示す横収差図は、y方向に移動させたときの横収差図であるが、もちろん移動方向はy方向に限らず、光軸に垂直であればどの方向でもよい。
図45は、第4の実施の形態における投射光学系のレンズデータの具体例の説明図である。図中において、*印は非球面を有する面であり、上記の(7)式に従う。rは曲率半径、dは間隔およびレンズの芯厚、ndは、d線(587.56nm)での屈折率、νdは同様にd線でのアッベ数である。また{印で纏められたレンズ群はフローティング機能FF、変倍機能MFおよび画面シフト機能SFに関係するレンズ群である。また、diはフローティング機能FFおよび変倍機能MFを実現する際に変動するレンズ間隔である。
図46は、第4の実施の形態における投射光学系の1次像面側の開口数NA、基準投射距離時の最大半画角ω、最大の1次像面高さyの具体例を示す説明図である。
図47(a)は、第4の実施の形態における投射光学系において、画面シフト機能SF1を有するレンズ群および画面シフト機能SF2を有するレンズ群と移動量の具体例を示す説明図である。
図47(b)および(c)は、第4の実施の形態における投射光学系において、フローティング機能FFと変倍機能MFに関するレンズ間隔の具体例を示す説明図である。図中における数値は図45におけるdiに対応する。ここで、flは、それぞれの焦点距離、βは拡大倍率である。
図48は、第4の実施の形態における投射光学系に対応する非球面係数の具体例を説明図である。図例の非球面係数は、上記(7)式に対応したものである。
図49は、第4の実施の形態における画像変調素子の具体例を示す説明図である。上述した図44の横収差における1ドットサイズとは、ここに記すサイズを示したものである。
図50は、第4の実施の形態における投射光学系を用いて、図49に示した画像変調素子を2次像面上に拡大投射したときのTV歪曲の状態を示した説明図である。
図51は、第4の実施の形態における投射光学系を用いて、図49に示した画像変調素子を2次像面上に拡大投射した時の、対角サイズ、画歪等の変化量の具体例を示す説明図である。なお、図例の変化量等を求める際には、図18に示した計算式を基にしている。
図52は、第4の実施の形態における投射光学系での条件式(1)〜(6)の具体的な数値の一例を示す説明図である。
以上のような具体的な数値例によって特定される投射光学系3によれば、画面シフト機能SF1として、第1光学系L1の全体を、光軸と±0.1mm垂直に移動させることで、約±3%程度の画面シフトを可能とする。また、画面シフト機能SF2として、第1光学系L1の一部である第12光学系L12の全体を、光軸と±0.1mm垂直に移動させることで、約±0.6%程度の画面シフトを可能とする。また、変倍機能MFとして、第11光学系L11を構成する2つの群を光軸上に移動させることで、±0.3%程度の拡大倍率を変化させる。また、第12光学系L12を構成する第12a群L12aおよび第12b群L12bを、近距離投射時20″から遠距離投射時100″への合焦の際、中間像側から1次像面側に移動させるフローティング機能FFを持つ。
なお、第4の実施の形態における構成では、画像変調素子が5.6mm×5.6mmの正方形で構成されており、用途によって縦長の画面あるいは横長の画面を投射できる。したがって、例えば図5に示したテーブル上に投射する利用形態の場合に用いて最適なものとなる。
<第5の実施の形態>
図53は、第5の実施の形態における投射光学系の概略構成例を示す説明図である。図例では、基準投射距離時の光路を示している。
また、図54は、第5の実施の形態における投射光学系の要部構成例を示す説明図である。図例では、近距離投射時における第1光学系L1のレンズ断面を示している。なお、図中においては、最も拡大側を「拡(Wide)」、最も縮小側を「縮(Tele)」としている。
図例のように、第5の実施の形態における投射光学系3は、上述した第1の実施の形態の場合と同様に、第11光学系L11の全体を移動させることで、画面シフト機能SFを実現する。
第11光学系L11は、1次像面の側から、正の屈折力を持つ第11a群L11a、正の屈折力を持つ第11b群L11b、負の屈折力を持つ第11c群L11c、および、正の屈折力を持つ第11d群L11dの4つのレンズ群で構成されている。このうち、第11b群L11bおよび第11d群L11dが光軸上を移動することで、変倍機能MFを実現するようになっている。
なお、それ以外の構成については、上述した第1の実施の形態の場合と同様であるため、ここではその説明を省略する。
ここで、第5の実施の形態における投射光学系3について、具体的な数値例を挙げて、以下にその簡単な説明を行う。
図55は、第5の実施の形態における投射光学系による横収差図である。図中において、一目盛りは1ドットサイズをスクリーン上に拡大投射した時の1ドットサイズとなる。実線は546.1nm、点線は620nm、1点鎖線は460nmとなる。なお、ここで示す横収差図は、y方向に移動させたときの横収差図であるが、もちろん移動方向はy方向に限らず、光軸に垂直であればどの方向でもよい。
図56は、第5の実施の形態における投射光学系のレンズデータの具体例の説明図である。図中において、*印は非球面を有する面であり、上記の(7)式に従う。rは曲率半径、dは間隔およびレンズの芯厚、ndは、d線(587.56nm)での屈折率、νdは同様にd線でのアッベ数である。また{印で纏められたレンズ群はフローティング機能FF、変倍機能MFおよび画面シフト機能SFに関係するレンズ群である。また、diはフローティング機能FFおよび変倍機能MFを実現する際に変動するレンズ間隔である。
図57は、第5の実施の形態における投射光学系の1次像面側の開口数NA、基準投射距離時の最大半画角ω、最大の1次像面高さyの具体例を示す説明図である。
図58は、第5の実施の形態における投射光学系において、画面シフト機能SF1を有するレンズ群と移動量の具体例を示す説明図である。
図59は、第5の実施の形態における投射光学系において、フローティング機能FFと変倍機能MFに関するレンズ間隔の具体例を示す説明図である。図中における数値は図56におけるdiに対応する。ここで、flは、それぞれの焦点距離、βは拡大倍率である。
図60は、第5の実施の形態における投射光学系に対応する非球面係数の具体例を説明図である。図例の非球面係数は、上記(7)式に対応したものである。
図61は、第5の実施の形態における画像変調素子の具体例を示す説明図である。上述した図55の横収差における1ドットサイズとは、ここに記すサイズを示したものである。
図62は、第5の実施の形態における投射光学系を用いて、図61に示した画像変調素子を2次像面上に拡大投射したときのTV歪曲の状態を示した説明図である。
図63は、第5の実施の形態における投射光学系を用いて、図61に示した画像変調素子を2次像面上に拡大投射した時の、対角サイズ、画歪等の変化量の具体例を示す説明図である。なお、図例の変化量等を求める際には、図18に示した計算式を基にしている。
図64は、第5の実施の形態における投射光学系での条件式(1)〜(6)の具体的な数値の一例を示す説明図である。
以上のような具体的な数値例によって特定される投射光学系3によれば、画面シフト機能SFとして、第11光学系L11の全体を、光軸と±0.1mm垂直に移動させることで、約±1.7%程度の画面シフトを可能とする。また、変倍機能MFとして、第11光学系L11における第11b群L11bおよび第11d群L11dを光軸上に移動させることで、±10%程度の拡大倍率を変化させる。また、第12光学系L12を構成する第12a群L12aおよび第12b群L12bを、例えばWide時に、近距離投射時60″から遠距離投射時100″への合焦の際、中間像側から1次像面側に移動させるフローティング機能FFを持つ。この機能は、縮小側(Tele)でも同様であり、その場合54.55″から90.91″までの変化となる。
<第6の実施の形態>
図65は、第6の実施の形態における投射光学系の概略構成例を示す説明図である。図例では、基準投射距離時の光路を示している。
また、図66は、第6の実施の形態における投射光学系の要部構成例を示す説明図である。図例では、近距離投射時における第1光学系L1のレンズ断面を示している。なお、図中においては、最も拡大側を「拡(Wide)」、最も縮小側を「縮(Tele)」としている。
図例のように、第5の実施の形態における投射光学系3は、上述した第1の実施の形態の場合と同様に、第11光学系L11の全体を移動させることで、画面シフト機能SFを実現する。
第11光学系L11は、1次像面の側から、正の屈折力を持つ第11a群L11a、正の屈折力を持つ第11b群L11b、負の屈折力を持つ第11c群L11c、および、正の屈折力を持つ第11d群L11dの4つのレンズ群で構成されている。このうち、第11b群L11b、第11c群L11cおよび第11d群L11dが光軸上を移動することで、変倍機能MFを実現するようになっている。
なお、それ以外の構成については、上述した第1の実施の形態の場合と同様であるため、ここではその説明を省略する。
ここで、第6の実施の形態における投射光学系3について、具体的な数値例を挙げて、以下にその簡単な説明を行う。
図67は、第6の実施の形態における投射光学系による横収差図である。図中において、一目盛りは1ドットサイズをスクリーン上に拡大投射した時の1ドットサイズとなる。実線は546.1nm、点線は620nm、1点鎖線は460nmとなる。なお、ここで示す横収差図は、y方向に移動させたときの横収差図であるが、もちろん移動方向はy方向に限らず、光軸に垂直であればどの方向でもよい。
図68は、第6の実施の形態における投射光学系のレンズデータの具体例の説明図である。図中において、*印は非球面を有する面であり、上記の(7)式に従う。rは曲率半径、dは間隔およびレンズの芯厚、ndは、d線(587.56nm)での屈折率、νdは同様にd線でのアッベ数である。また{印で纏められたレンズ群はフローティング機能FF、変倍機能MFおよび画面シフト機能SFに関係するレンズ群である。また、diはフローティング機能FFおよび変倍機能MFを実現する際に変動するレンズ間隔である。
図69は、第6の実施の形態における投射光学系の1次像面側の開口数NA、基準投射距離時の最大半画角ω、最大の1次像面高さyの具体例を示す説明図である。
図70は、第6の実施の形態における投射光学系において、画面シフト機能SF1を有するレンズ群と移動量の具体例を示す説明図である。
図71は、第6の実施の形態における投射光学系において、フローティング機能FFと変倍機能MFに関するレンズ間隔の具体例を示す説明図である。図中における数値は図68におけるdiに対応する。ここで、flは、それぞれの焦点距離、βは拡大倍率である。
図72は、第6の実施の形態における投射光学系に対応する非球面係数の具体例を説明図である。図例の非球面係数は、上記(7)式に対応したものである。
図73は、第6の実施の形態における画像変調素子の具体例を示す説明図である。上述した図67の横収差における1ドットサイズとは、ここに記すサイズを示したものである。
図74は、第6の実施の形態における投射光学系を用いて、図73に示した画像変調素子を2次像面上に拡大投射したときのTV歪曲の状態を示した説明図である。
図75は、第6の実施の形態における投射光学系を用いて、図73に示した画像変調素子を2次像面上に拡大投射した時の、対角サイズ、画歪等の変化量の具体例を示す説明図である。なお、図例の変化量等を求める際には、図18に示した計算式を基にしている。
図76は、第6の実施の形態における投射光学系での条件式(1)〜(6)の具体的な数値の一例を示す説明図である。
以上のような具体的な数値例によって特定される投射光学系3によれば、画面シフト機能SFとして、第11光学系L11の全体を、光軸と±0.1mm垂直に移動させることで、約±1.7%程度の画面シフトを可能とする。また、変倍機能MFとして、第11光学系L11における第11b群L11b、第11c群L11cおよび第11d群L11dを光軸上に移動させることで、±20%程度の拡大倍率を変化させる。また、第12光学系L12を構成する第12a群L12aおよび第12b群L12bを、例えばWide時に、近距離投射時60″から遠距離投射時100″への合焦の際、中間像側から1次像面側に移動させるフローティング機能FFを持つ。この機能は、縮小側(Tele)でも同様であり、その場合49.59″から82.65″までの変化となる。
以上に説明した第1〜第6の実施の形態のいずれかの構成を備えることで、半画角70度、開口数0.3近辺の超広角、大口径でありながら、画面シフト機能SF、変倍機能MFおよびフローティング機能FFを投射光学系3に持たせること可能となる。しかも、これらの各機能を、小型で、かつ、安価に実現することが可能となる。
なお、超広角、大口径に対応した投射光学系3を用いる場合、当該投射光学系3を備えて構成された液晶プロジェクタ装置は、設置環境に非常に敏感となる。すなわち、超広角等に非対応の従来型の液晶プロジェクタ装置では気にならなかった振動に反応し、投射された画面が揺れることが生じるおそれがある。
このことから、投射光学系3を備えて構成された液晶プロジェクタ装置については、以下に述べる構成を採用することも考えられる。すなわち、画面の振幅を赤外線センサで感知するか、または装置自体に振動を検知させる構造にする。そして、その振幅または振動の情報を、第1光学系L1の一部の光学部品を光軸と略垂直に移動させる機構と同期させる。これにより、画面の振動を補正することを可能にする。その場合の赤外線センサ、検知構造、同期させる手段等については、公知技術を利用して実現すればよいため、ここではその具体的な説明を省略する。
[投射光学系の他の構成例]
次に、投射光学系3の他の構成例を説明する。
大型の曲面反射面を使用する投射光学系3の場合、画像変調素子を駆動させる基板や冷却機構等を含めた液晶プロジェクタ装置の全体構成で考えると、その高さ方向の寸法が大きくなりがちである。このことから、当該液晶プロジェクタ装置に用いられる投射光学系3については、以下に述べるように構成することが考えられる。
以下、投射光学系3の構成について、第7〜第10の実施の形態を例に挙げて順に説明する。
<第7の実施の形態>
図77は、第7の実施の形態における投射光学系の概略構成例を示す説明図である。
図例のように、第7の実施の形態における投射光学系3は、上述した第1の実施の形態の場合と同様に、第1光学系L1と第2光学系L2とを有している。そして、第1光学系L1は、1次像面の側から第11光学系L11と第12光学系L12とが配されて構成されている。
ただし、第7の実施の形態における投射光学系3では、上述した第1の実施の形態の場合とは異なり、第11光学系L11と第12光学系L12との間に、第1平面反射面M1が配置されている。また、第1光学系L1と第2光学系L2との間に、第2平面反射面M2が配置されている。さらには、第2光学系L2と2次像面との間に、屈折率nで構成される透過性を持つ平行平板Tが配置されている。
なお、それ以外の構成については、上述した第1の実施の形態の場合と同様であるため、ここではその説明を省略する。第1平面反射面M1、第2平面反射面M2および平行平板Tの具体的な構成(形成材料等)についても、公知技術を利用して実現すればよいため、ここではその説明を省略する。
第1平面反射面M1については、当該第1平面反射面M1のy軸回転角度β1と、当該第1平面反射面M1のx軸回転角度α1とが、以下の条件式(8)および条件式(9)を満たすように配置される。ここで、y軸回転角度とは、y軸回りの回転角度のことをいう。また、x軸回転角度とは、x軸回りの回転角度のことをいう。y軸およびx軸は、液晶プロジェクタ装置の設置面をxy平面とした場合の当該平面における各基準軸である。
30°<|β1|<65°・・・(8)
3°<α1<15°・・・(9)
上記の条件式(8),(9)は、液晶プロジェクタ装置の高さ方向(xy平面に直交するz軸方向。)の寸法を小型化するためのものである。すなわち、条件式(8)の下限に満たない場合には、第11光学系L11と第12光学系L12が干渉してしまうおそれがある。また、上限を超える場合には、第1平面反射面M1と、第11光学系L11または第12光学系L12とが干渉するおそれがある。一方、条件式(9)の下限に満たない場合には、凹面反射面の高さ方向に対して光源が大きくはみ出してしまい、装置の高さ方向寸法が大型化してしまう。また、上限を超える場合には、画像変調素子を駆動させる基板、あるいは画像変調素子を冷却する部品類が、凹面反射面の高さ方向に対してはみ出してしまうため、装置の高さ方向寸法が大型化する。
つまり、条件式(8),(9)で規定されるように、第1平面反射面M1は、y軸およびx軸の両方について、それぞれに回転角度を有する。したがって、y軸およびx軸のいずれか一方のみに回転角度を有する場合に比べて、xy平面に垂直なz軸方向における大きさ、すなわち液晶プロジェクタ装置の高さ方向における大きさを、小さく抑えられるのである。
この第1平面反射面M1については、全反射条件を満たすように構成することも考えられる。このように構成すれば、より明るい光学系を達成したい場合に有効となる。
第2平面反射面M2については、当該第2平面反射面M2のy軸回転角度β2と、当該第2平面反射面M2のx軸回転角度α2とが、以下の条件式(10)および条件式(11)を満たすように配置される。
20°<|β2|<45°・・・(10)
3°<α2<15°・・・(11)
上記の条件式(10),(11)は、液晶プロジェクタ装置の高さ方向(xy平面に直交するz軸方向。)の寸法を小型化するためのものである。すなわち、条件式(10)の下限に満たない場合には、第11光学系L11と第12光学系L12が干渉してしまうおそれがある。また、上限を超える場合には、第2光学系L2と画像変調素子との間が離れてしまうため、装置全体の大型化を招く。一方、条件式(11)の上限を超える場合には、凹面反射面の高さ方向に対して光源が大きくはみ出してしまい、装置の高さ方向寸法が大型化してしまう。また、下限に満たない場合には、画像変調素子を駆動させる基板、あるいは画像変調素子を冷却する部品類が、凹面反射面の高さ方向に対してはみ出してしまうため、装置の高さ方向寸法が大型化する。
また、第1平面反射面M1および第2平面反射面M2については、以下の条件式(12)および条件式(13)を満たすように配置することが望ましい。
−20°<α1+α2<20°・・・(12)
70°<β1+β2<110°・・・(13)
上記の条件式(12),(13)は、特に光源として水銀ランプを使用する場合に有効となる。すなわち、条件式(12),(13)は、光源のアーク部分を略水平に置くための条件であり、その上下限を超える場合には光源の寿命が急激に悪化することが考えられる。
なお、条件式(12)に規定される条件は、壁や電子黒板等といった地面と垂直な面が投射面となる場合(例えば、図1参照。)に有効となる。また、条件式(13)に規定される条件は、テーブル上への投射を行う場合(例えば、図5参照。)に有効となる。
条件式(12)および条件式(13)のいずれについても満たす場合には、全ての投射形態に対応可能な構成となる。すなわち、その場合、凹面反射面の裏面側に光源が配置されることになる。
平行平板Tについては、当該平行平板Tのx軸回転角度αtが、以下の条件式(14)を満たすように配置される。
60°<αt<87°・・・(14)
防塵効果もあるため、第2光学系L2と2次像面との間に平行平板Tを挿入することは有効である。ところが、例えば平行平板Tを光軸と略平行に配置すると、2次像面に入射する光束の1部が当該平行平板Tに非常に浅い角度で入射することとなる。そのため、透過率を高めるための反射防止膜上で光束の反射率が高くなり、結果的に明るさの劣化やゴースト発生等を招く原因となり得る。
したがって、平行平板Tについては、上記の条件式(14)に規定される範囲で、傾きを与えることが有効となる。すなわち、条件式(14)の下限を超える角度で平行平板Tを配置すれば、反射率を小さくすることができる。一方、上限を超える場合には、平行平板Tおよび2次光学系L2含めた装置全体の高さが大きくなってしまう。
また、平行平板Tの出射直後の位置、すなわち平行平板Tより2次像面側の位置には、画像変調素子からの画像情報を完全に遮光できる遮光板を配置するとともに、その遮光板を開閉自在の構造とすることも考えられる。このような構造にしておくことで、電源を切ることなく、使用状況によって、画像情報のON/OFFを切り換えることが可能となる。
ここで、第7の実施の形態における投射光学系3について、具体的な数値例を挙げる。
図78は、第7の実施の形態における投射光学系での条件式(8)〜(14)の具体的な数値の一例を示す説明図である。
以上のような具体的な数値例によって特定される投射光学系3によれば、α1およびα2に角度を持たせることで、液晶プロジェクタ装置を構成した場合の高さ方向寸法を、例えば130mm程度に抑えられるようになる(例えば、図77(b)参照。)。
<第8の実施の形態>
図79は、第8の実施の形態における投射光学系の概略構成例を示す説明図である。
図例のように、第8の実施の形態における投射光学系3は、上述した第7の実施の形態の場合と同様に、第1平面反射面M1、第2平面反射面M2および平行平板Tを備えて構成されている。
ここで、第8の実施の形態における投射光学系3について、具体的な数値例を挙げる。
図80は、第8の実施の形態における投射光学系での条件式(8)〜(14)の具体的な数値の一例を示す説明図である。
以上のような具体的な数値例によって特定される投射光学系3によれば、平行平板Tの傾きを85°に設定することで、液晶プロジェクタ装置を構成した場合の高さ方向寸法を、例えば120mm程度に抑えられるようになる(例えば、図79(b)参照。)。
図81は、そのときの2次像面を含めた光路図の具体例を示す説明図である。なお、図例は、基準投射距離時での光路図であり、80″を投射したときのものである。
<第9の実施の形態>
図82は、第9の実施の形態における投射光学系の概略構成例を示す説明図である。
図例のように、第9の実施の形態における投射光学系3は、上述した第8の実施の形態の場合の構成に加えて、第2光学系L2から2次像面に至る光路上に、1つの反射面を持つ第3平面反射面M3が着脱可能に配置されている。
なお、第3平面反射面M3の具体的な構成(形成材料等)については、公知技術を利用して実現すればよいため、ここではその説明を省略する。また、第3平面反射面M3を着脱可能にする機構についても、特に限定されるものではなく、公知技術を利用して実現すればよい。
第3平面反射面M3については、当該第3平面反射面M3のx軸回転角度α3が、以下の条件式(15)を満たすように配置される。
−15°<α3<0°・・・(15)
上記の条件式(15)は、液晶プロジェクタ装置による投射空間を小さくするためのものである。すなわち、条件式(15)が規定する範囲に収まるように、第3平面反射面M3を配置することで、当該第3平面反射面M3を大きくすることなく、投射空間を小さくすることが可能となる。具体的には、条件式(15)の下限に満たない場合、第3平面反射面M3から2次像面に向かう光束が、投射光学系3と干渉することになる。一方、上限を超える場合には、第3平面反射面M3の大型化を招く。
また、第3平面反射面M3については、取り外し可能な機構を持たせることで、用途に合わせて投射空間を変えることが可能となる。さらには、第3平面反射面M3の裏面で光束を反射させることによって、使用者が直接蒸着膜に触れることがなくなるため、取り扱いが容易になる。
ここで、第9の実施の形態における投射光学系3について、具体的な数値例を挙げる。
図83は、第9の実施の形態における投射光学系での条件式(8)〜(15)の具体的な数値の一例を示す説明図である。
このように、第9の実施の形態における投射光学系3によれば、条件式(8)〜(15)の全てを満たすことで、小型で投射空間も狭い液晶プロジェクタ装置を提供することができる。
図84は、第9の実施の形態における投射光学系を用いて液晶プロジェクタ装置を構成した場合の2次像面を含めた光路図の具体例を示す説明図である。図例は、基準投射距離時での光路図であり、80″を投射したときのものである。
図例のように、第3平面反射面M3を設置することで、液晶プロジェクタ装置を構成した場合の投射空間を、上述した第8の実施の形態の場合(図81参照。)の800mmから590mmへと大幅に小さくすることが可能になる。
なお、第3平面反射面M3を設置する場合については、当該第3平面反射面M3を平行平板で構成するとともに、第2光学系L2から2次像面に至る光路間に2回の透過と1回の反射を繰り返すように構成することが考えられる。
<第10の実施の形態>
図85は、第10の実施の形態における投射光学系の概略構成例を示す説明図である。
図例のように、第10の実施の形態における投射光学系3は、上述した第7の実施の形態の場合と略同様に構成されているが、第1平面反射面M1として全反射プリズムTIRを使用している点が異なる。それ以外の構成については、上述した第7の実施の形態の場合と同様であるため、ここではその説明を省略する。また、全反射プリズムTIRについても、公知技術を利用して実現すればよいため、ここではその説明を省略する。
ここで、第10の実施の形態における投射光学系3について、具体的な数値例を挙げる。
図86は、第10の実施の形態における投射光学系での条件式(8)〜(14)の具体的な数値の一例を示す説明図である。
以上のような具体的な数値例によって特定される投射光学系3によれば、α1およびα2に角度を持たせることで、液晶プロジェクタ装置を構成した場合の高さ方向寸法を、例えば130mm程度に抑えられるようになる(例えば、図85(b)参照。)。
なお、上述した各実施の形態では、本発明の好適な実施具体例を説明したが、本発明はその内容に限定されることはない。
特に、第1〜第10の実施の形態で例示した各部の具体的形状および数値は、本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
また、例えば、上述した各実施の形態では、投射型画像表示装置として液晶プロジェクタ装置を例に挙げて説明したが、他の投射型画像表示装置、すなわち画像変調素子として液晶パネル以外を用いたものであっても、全く同様に本発明を適用することが可能である。
さらに、例えば、上述した各実施の形態では、投射型画像表示装置の光学系として好適な投射光学系について説明したが、撮像装置(例えば、デジタルカメラ、監視用カメラ、書画カメラ。)用の光学系としても勿論使用可能である。
このように、本発明は、本実施形態で説明した内容に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更することが可能である。
超広角対応の液晶プロジェクタ装置の利点についての説明図(その1)である。 超広角対応の液晶プロジェクタ装置の利点についての説明図(その2)である。 超広角対応の液晶プロジェクタ装置の利点についての説明図(その3)である。 超広角対応の液晶プロジェクタ装置の利点についての説明図(その4)である。 超広角対応の液晶プロジェクタ装置の利点についての説明図(その5)である。 液晶プロジェクタ装置の概略構成例を示す説明図である。 液晶プロジェクタ装置における光源および照明光学系の概略構成例を示す説明図である。 第1の実施の形態における投射光学系の概略構成例を示す光路図である。 第1の実施の形態における投射光学系の要部構成例を示す説明図である。 第1の実施の形態における投射光学系による横収差図である。 第1の実施の形態における投射光学系のレンズデータの具体例の説明図である。 第1の実施の形態における投射光学系の1次像面側の開口数NA、基準投射距離時の最大半画角ω、最大の1次像面高さyの具体例を示す説明図である。 第1の実施の形態における投射光学系において、画面シフト機能を有するレンズ群と移動量の具体例と、フローティング機能と変倍機能に関するレンズ間隔の具体例を示す説明図である。 第1の実施の形態における投射光学系に対応する非球面係数の具体例を説明図である。 第1の実施の形態における画像変調素子の具体例を示す説明図である。 第1の実施の形態における投射光学系を用いて、図15に示した画像変調素子を2次像面上に拡大投射したときのTV歪曲の状態を示した説明図である。 第1の実施の形態における投射光学系を用いて、図15に示した画像変調素子を2次像面上に拡大投射した時の、対角サイズ、画歪等の変化量の具体例を示す説明図である。 2次像面上における対角サイズ、画歪等の変化量等を求める際に基にした計算式の具体例を示す説明図である。 第1の実施の形態における投射光学系での条件式(1)〜(6)の具体的な数値の一例を示す説明図である。 第2の実施の形態における投射光学系の概略構成例を示す説明図である。 第2の実施の形態における投射光学系の要部構成例を示す説明図である。 第2の実施の形態における投射光学系による横収差図である。 第2の実施の形態における投射光学系のレンズデータの具体例の説明図である。 第2の実施の形態における投射光学系の1次像面側の開口数NA、基準投射距離時の最大半画角ω、最大の1次像面高さyの具体例を示す説明図である。 第2の実施の形態における投射光学系において、画面シフト機能を有するレンズ群と移動量の具体例と、フローティング機能と変倍機能に関するレンズ間隔の具体例を示す説明図である。 第2の実施の形態における投射光学系に対応する非球面係数の具体例を説明図である。 第2の実施の形態における画像変調素子の具体例を示す説明図である。 第2の実施の形態における投射光学系を用いて、図27に示した画像変調素子を2次像面上に拡大投射したときのTV歪曲の状態を示した説明図である。 第2の実施の形態における投射光学系を用いて、図27に示した画像変調素子を2次像面上に拡大投射した時の、対角サイズ、画歪等の変化量の具体例を示す説明図である。 第2の実施の形態における投射光学系での条件式(1)〜(6)の具体的な数値の一例を示す説明図である。 第3の実施の形態における投射光学系の概略構成例を示す説明図である。 第3の実施の形態における投射光学系の要部構成例を示す説明図である。 第3の実施の形態における投射光学系による横収差図である。 第3の実施の形態における投射光学系のレンズデータの具体例の説明図である。 第3の実施の形態における投射光学系の1次像面側の開口数NA、基準投射距離時の最大半画角ω、最大の1次像面高さyの具体例を示す説明図である。 第3の実施の形態における投射光学系において、画面シフト機能を有するレンズ群と移動量の具体例と、フローティング機能と変倍機能に関するレンズ間隔の具体例を示す説明図である。 第3の実施の形態における投射光学系に対応する非球面係数の具体例を説明図である。 第3の実施の形態における画像変調素子の具体例を示す説明図である。 第3の実施の形態における投射光学系を用いて、図38に示した画像変調素子を2次像面上に拡大投射したときのTV歪曲の状態を示した説明図である。 第3の実施の形態における投射光学系を用いて、図38に示した画像変調素子を2次像面上に拡大投射した時の、対角サイズ、画歪等の変化量の具体例を示す説明図である。 第3の実施の形態における投射光学系での条件式(1)〜(6)の具体的な数値の一例を示す説明図である。 第4の実施の形態における投射光学系の概略構成例を示す説明図である。 第4の実施の形態における投射光学系の要部構成例を示す説明図である。 第4の実施の形態における投射光学系による横収差図である。 第4の実施の形態における投射光学系のレンズデータの具体例の説明図である。 第4の実施の形態における投射光学系の1次像面側の開口数NA、基準投射距離時の最大半画角ω、最大の1次像面高さyの具体例を示す説明図である。 第4の実施の形態における投射光学系において、画面シフト機能を有するレンズ群と移動量の具体例と、フローティング機能と変倍機能に関するレンズ間隔の具体例を示す説明図である。 第4の実施の形態における投射光学系に対応する非球面係数の具体例を説明図である。 第4の実施の形態における画像変調素子の具体例を示す説明図である。 第4の実施の形態における投射光学系を用いて、図49に示した画像変調素子を2次像面上に拡大投射したときのTV歪曲の状態を示した説明図である。 第4の実施の形態における投射光学系を用いて、図49に示した画像変調素子を2次像面上に拡大投射した時の、対角サイズ、画歪等の変化量の具体例を示す説明図である。 第4の実施の形態における投射光学系での条件式(1)〜(6)の具体的な数値の一例を示す説明図である。 第5の実施の形態における投射光学系の概略構成例を示す説明図である。 第5の実施の形態における投射光学系の要部構成例を示す説明図である。 第5の実施の形態における投射光学系による横収差図である。 第5の実施の形態における投射光学系のレンズデータの具体例の説明図である。 第5の実施の形態における投射光学系の1次像面側の開口数NA、基準投射距離時の最大半画角ω、最大の1次像面高さyの具体例を示す説明図である。 第5の実施の形態における投射光学系において、画面シフト機能を有するレンズ群と移動量の具体例を示す説明図である。 第5の実施の形態における投射光学系において、フローティング機能と変倍機能に関するレンズ間隔の具体例を示す説明図である。 第5の実施の形態における投射光学系に対応する非球面係数の具体例を説明図である。 第5の実施の形態における画像変調素子の具体例を示す説明図である。 第5の実施の形態における投射光学系を用いて、図61に示した画像変調素子を2次像面上に拡大投射したときのTV歪曲の状態を示した説明図である。 第5の実施の形態における投射光学系を用いて、図61に示した画像変調素子を2次像面上に拡大投射した時の、対角サイズ、画歪等の変化量の具体例を示す説明図である。 第5の実施の形態における投射光学系での条件式(1)〜(6)の具体的な数値の一例を示す説明図である。 第6の実施の形態における投射光学系の概略構成例を示す説明図である。 第6の実施の形態における投射光学系の要部構成例を示す説明図である。 第6の実施の形態における投射光学系による横収差図である。 第6の実施の形態における投射光学系のレンズデータの具体例の説明図である。 第6の実施の形態における投射光学系の1次像面側の開口数NA、基準投射距離時の最大半画角ω、最大の1次像面高さyの具体例を示す説明図である。 第6の実施の形態における投射光学系において、画面シフト機能を有するレンズ群と移動量の具体例を示す説明図である。 第6の実施の形態における投射光学系において、フローティング機能と変倍機能に関するレンズ間隔の具体例を示す説明図である。 第6の実施の形態における投射光学系に対応する非球面係数の具体例を説明図である。 第6の実施の形態における画像変調素子の具体例を示す説明図である。 第6の実施の形態における投射光学系を用いて、図73に示した画像変調素子を2次像面上に拡大投射したときのTV歪曲の状態を示した説明図である。 第6の実施の形態における投射光学系を用いて、図73に示した画像変調素子を2次像面上に拡大投射した時の、対角サイズ、画歪等の変化量の具体例を示す説明図である。 第6の実施の形態における投射光学系での条件式(1)〜(6)の具体的な数値の一例を示す説明図である。 第7の実施の形態における投射光学系の概略構成例を示す説明図である。 第7の実施の形態における投射光学系での条件式(8)〜(14)の具体的な数値の一例を示す説明図である。 第8の実施の形態における投射光学系の概略構成例を示す説明図である。 第8の実施の形態における投射光学系での条件式(8)〜(14)の具体的な数値の一例を示す説明図である。 第8の実施の形態における投射光学系を用いて液晶プロジェクタ装置を構成した場合の2次像面を含めた光路図の具体例を示す説明図である。 第9の実施の形態における投射光学系の概略構成例を示す説明図である。 第9の実施の形態における投射光学系での条件式(8)〜(15)の具体的な数値の一例を示す説明図である。 第9の実施の形態における投射光学系を用いて液晶プロジェクタ装置を構成した場合の2次像面を含めた光路図の具体例を示す説明図である。 第10の実施の形態における投射光学系の概略構成例を示す説明図である。 第10の実施の形態における投射光学系での条件式(8)〜(14)の具体的な数値の一例を示す説明図である。 スクリーンに対する入射角θの説明図である。 従来型の液晶プロジェクタ装置で使用される画面シフト機能の一具体例の説明図である。
符号の説明
1…光源、2…照明光学系、3…投射光学系、P…画像変調素子(液晶パネル)、L1…第1光学系、L2…第2光学系、L11…第11光学系、L12…第12光学系、L11a…第11a群、L11b…第11b群、L11c…第11c群、L11d…第11d群、L12a…第12a群、L12b…第12b群、SF…画面シフト機能、MF…変倍機能、FF…フローティング機能、M1…第1平面反射面、M2…第2平面反射面、M3…第3平面反射面、T…平行平板

Claims (9)

  1. 光源と、
    前記光源から発せられた光束を1次像面となる画像変調素子の面上に均一照射する照明光学系と、
    前記画像変調素子で変調された前記1次像面の画像情報を2次像面となるスクリーン上へ拡大投射する投射光学系とを備え、
    前記投射光学系は、
    正の屈折力を持つ第1光学系と、
    凹面反射面を持つ第2光学系とを有し、
    前記第1光学系は、
    当該第1光学系を構成する全ての光学部品が回転対称面を持つ共通の光軸と、
    当該第1光学系を構成する少なくとも1つの光学部品の前記光軸と略垂直方向への移動によって前記2次像面を移動させる画面シフト機能と
    を持つ投射型画像表示装置。
  2. 前記画面シフト機能を実現する前記一部の光学部品の屈折力φsと、基準投射時における前記第1光学系の屈折力φ1とが、
    (1)0.2<|φs/φ1|<1.2
    の関係を満たす請求項1記載の投射型画像表示装置。
  3. 前記第1光学系は、前記1次像面の側から、正の屈折力を持つ第11光学系と、負の屈折力を持つ第12光学系とで構成されて、前記第2光学系との間に中間像を結像し、
    前記第11光学系は、複数のレンズ群で構成されるとともに、正の屈折力を持つ少なくとも1つのレンズ群の前記光軸に沿った方向への移動によって前記2次像面の画像を変倍する変倍機能を持ち、
    前記変倍機能を実現するレンズ群のうち最も移動量の大きいレンズ群の屈折力φmと、基準投射時における前記第1光学系の屈折力φ1とが、
    (2)0.2<|φm/φ1|<0.9
    の関係を満たす請求項1または2記載の投射型画像表示装置。
  4. 前記第11光学系は、前記1次像面の側から、正の屈折力を持つ第11a群、正の屈折力を持つ第11b群、負の屈折力を持つ第11c群、および、正の屈折力を持つ第11d群の4つのレンズ群で構成され、
    前記変倍機能は、少なくとも前記第11b群および前記第11d群の2つのレンズ群が、前記1次像面側に前記光軸上を移動することで拡大倍率を大きくし、前記中間像側に前記光軸上を移動することで拡大倍率を小さくする
    請求項3記載の投射型画像表示装置。
  5. 前記第1光学系は、前記1次像面の側から、正の屈折力を持つ第11光学系と、負の屈折力を持つ第12光学系とで構成されて、前記第2光学系との間に中間像を結像し、
    前記第12光学系は、前記1次像面に最も近い面が凸面で形成され全体で負の屈折力を持つ第12a群と、前記中間像側に凸面を持つ正メニスカスレンズで構成される第12b群とを含むとともに、近距離投射時から遠距離投射時への合焦の際に前記第12b群が前記中間像側から前記1次像面側に前記光軸上を移動するフローティング機能を持ち、
    前記第12a群の屈折力φ12a、前記第12b群の屈折力φ12b、および、基準投射時における前記第12光学系の屈折力が、
    (3)0.2<|φ12b/φ12|<3.0
    (4)0.2<|φ12b/φ12a|<1.0
    の関係を満たす請求項1から4のいずれか1項に記載の投射型画像表示装置。
  6. 前記第12a群のフローティング時の移動量M12aおよび前記第12b群のフローティング時の移動量M12bが、
    (5)1.5<M12b/M12a<7.0
    の関係を満たす請求項5記載の投射型画像表示装置。
  7. 前記第2光学系は、回転対称非球面で構成され、前記第1光学系と共通の前記光軸を持つ
    請求項1から6のいずれか1項に記載の投射型画像表示装置。
  8. 光源と、
    前記光源から発せられた光束を1次像面となる画像変調素子の面上に均一照射する照明光学系と、
    前記画像変調素子で変調された前記1次像面の画像情報を2次像面となるスクリーン上へ拡大投射する投射光学系とを備え、
    前記投射光学系は、
    前記2次像面に最も近くかつ曲面で構成される光学部品が反射面で構成され、
    当該投射光学系を構成する一部の光学部品が前記1次像面に対し略平行に偏芯することで前記2次像面を移動させる画面シフト機能を持ち、
    さらに当該投射光学系を構成する一部の光学部品が前記1次像面に対し略垂直に移動することで前記2次像面の画像を変倍する変倍機能を持ち、
    当該投射光学系を構成する最も大きい曲面反射面の最大有効径DMおよび前記1次像面の最大高さDyが、
    (6)3<DM/Dy<30
    の関係を満たす投射型画像表示装置。
  9. 正の屈折力を持つ第1光学系と、凹面反射面を持つ第2光学系とを有して、縮小側の1次像面から拡大側の2次像面へ拡大投射するように構成され、
    前記第1光学系は、
    当該第1光学系を構成する全ての光学部品が回転対称面を持つ共通の光軸と、
    当該第1光学系を構成する少なくとも1つの光学部品の前記光軸と略垂直方向への移動によって前記2次像面を移動させる画面シフト機能と
    を持つ投射光学系。
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