JP2010121315A - 木質系建物の高剛性耐力壁装置 - Google Patents

木質系建物の高剛性耐力壁装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 一方向の水平力に抵抗する際に耐力壁及びその脚部に生じる変形を小さくすることができ、特に地震等が起きても建物の変形を小さくすることができ、損傷を防ぐことができる木質系建物の高剛性耐力壁装置を提供すること。
【解決手段】 下部が基礎上に固定され、上部が梁等の固定部材に固定され、地震等によって前記固定部材にかかる一方向の水平力に対して抵抗するものとして木質系建物に用いられる耐力壁装置1であって、剛性の高い木質パネル状の耐力壁2と、この耐力壁の少なくとも一方の壁面の下部に接着固定されて基礎4上に固定される脚部3とを具えている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、木質系建物の高剛性耐力壁装置に関し、より詳細には、例えば建物内にリビングなど大きな空間を形成するときに柱等の建物骨格の中心的な役割を担う耐力壁の下部と基礎との固定を強固なものとして、地震等が起きても耐力壁とその上方に配置される梁などの固定部材との接合部で相対的な変形が起きるのを可及的に小さくして、変形や損傷が少ない建物を長期にわたり安定して維持することができ、しかも耐震構造的にも優れた耐力壁装置に係るものである。
通常、在来工法や枠組壁工法では耐力壁を枠組材と面材で構築する。このような木質系建物における水平力の抵抗要素である耐力壁は、その上部又は下部(脚部)を接合金物で横架材又は土台と接合することによって、水平力に抵抗する。このような耐力壁の一例として特許文献1に示すような「外壁構造」が提案されている。この外壁構造は、木質構造材、耐力面材を含んでなり、前記木質構造材に同じ耐力面材と釘を用いて、所定の釘着間隔で釘着されてなる木質の外壁構造であって、前記耐力面材への釘着間隔又は釘打ち位置の少なくともいずれか一方を変えることによって、異なった壁倍率の耐力壁を得、該異なる壁倍率の耐力壁が建物のそれぞれの必要とする箇所に偏心が少なくなるように組み合わせ配置されたことを特徴としている。
そして、前記のような外壁構造によれば、木造の構造躯体に木質耐力面材を張り付け施工する際、施工作業性が良好で施工手間がかからず、住宅等建物の必要とする箇所に高壁倍率の耐力壁を住宅全体を見て耐震性能の偏りが少なくなるように合理的に組み合わせ配置することが可能で、耐力壁全体の組み合わせにより高い耐震強度を備え、しかも耐震性能に偏りの少ない住宅等建物の外壁構造を容易に、かつ安価に得ることが可能となるとされる(特許文献1の段落0012を参照)。
しかしながら、特許文献1のような釘固定や金物固定した耐力壁では、耐力壁を構成する木材及び木質系材料の特性により、部材同士を接合する際にガタが生じ易い。しかも、木材同士を金物により接合すると、木材のめり込み釘の変形により、接合部に変形が生じ易い。そのため、耐力壁が一方向(耐力壁の壁面に沿った方向)の水平力に抵抗する際、脚部に変形が生じ、特に大地震時において建物の変形も大きくなることから、損傷の度合いが大きくなり、改修に労力とコストがかかるものであった。
特開2008−150849号公報(請求項1、図1)
そこでこの発明は、前記従来のものが有する問題点を解決し、一方向の水平力に抵抗する際に耐力壁及びその脚部に生じる変形を小さくすることができ、特に地震等が起きても建物の変形を小さくすることができ、損傷を防ぐことができる木質系建物の高剛性耐力壁装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、下部が基礎上に固定され、上部が梁等の固定部材に固定され、地震等によって前記固定部材にかかる一方向の水平力に対して抵抗するものとして木質系建物に用いられる耐力壁装置であって、剛性の高い木質パネル状の耐力壁と、この耐力壁の少なくとも一方の壁面の下部に接着固定されて前記基礎上に固定される脚部とを具えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、下部が基礎上に固定され、上部が梁等の固定部材に固定され、地震等によって前記固定部材にかかる一方向の水平力に対して抵抗するものとして木質系建物に用いられる耐力壁装置であって、剛性の高い木質パネル状の耐力壁と、この耐力壁の下端面と上端面を突き合わせて前記基礎上に固定される脚部とを具え、前記脚部の上端面には凸部又は凹部が形成され、前記耐力壁の下端面には前記凸部又は凹部に嵌合されたうえ接着固定される凹部又は凸部が形成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載の木質系建物の高剛性耐力壁装置において、耐力壁が、構造用集成材、構造用合板、LVL、PSL、又はクロスラミナパネル、のいずれかからなることを特徴とする。請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の木質系建物の高剛性耐力壁装置において、脚部が、剛性の高い木質の構造用集成材から形成される集成土台であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の木質系建物の高剛性耐力壁装置において、耐力壁が、平面上でX軸方向、Y軸方向にバランスよく配置されることを特徴とする。請求項6に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の木質系建物の高剛性耐力壁装置において、耐力壁が、1,2階通して1枚ものとして配置される長さからなることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の木質系建物の高剛性耐力壁装置において、脚部が、基礎上にアンカーボルトにより固定され、該アンカーボルトに制震部材が配設されていることを特徴とする。請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の木質系建物の高剛性耐力壁装置において、制震部材が、アンカーボルトの基礎に埋設された部分に嵌挿して取り付けられているか、又はアンカーボルトの脚部の上面から突出する部分に介装されたうえナットにより止められていることを特徴とする。請求項9に記載の発明は、請求項7又は8に記載の木質系建物の高剛性耐力壁装置において、制震部材が、制震ゴムであることを特徴とする。
この発明は前記のように、剛性の高い木質パネル状の耐力壁と、この耐力壁の少なくとも一方の壁面の下部に接着固定されて前記基礎上に固定される脚部とを具えており、あるいは剛性の高い木質パネル状の耐力壁と、この耐力壁の下端面と上端面を突き合わせて前記基礎上に固定される脚部とを具え、前記脚部の上端面には凸部又は凹部が形成され、前記耐力壁の下端面には前記凸部又は凹部に嵌合されたうえ接着固定される凹部又は凸部が形成されているので、一方向の水平力に対する抵抗が大きく顕著となり、該水平力に抵抗する際に耐力壁及びその脚部に生じる変形を小さくすることができる。特に地震等が起きても建物の変形及び損傷を小さくすることができるので、長期にわたり建物の維持が可能となる。そのため、経年劣化や間取りの見直し等が起きても、建物自体を建て直す必要もなく見直し等を行えて、居住者のリフォームの要望にも十分に耐えられるものとなるという優れた効果が期待できる。
この発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
図1は、木質系建物である住宅にこの発明の各種実施の形態に係る耐力壁装置が配置された一例を示す概略透視斜視図、図2は、その建物プランを示す横断面図である。図1において、1は1階耐力壁装置で、耐力壁2と脚部3から構成されている。同図では耐力壁2が2枚ずつ横方向に接合されて建物の中央部に平面視L字型に配置されたものと、外壁と接する部分に平面視I型に配置されたものを示している。4は基礎、5は土台、6は2階床梁、7は1階床面、8は2階床面を示している。これらの図面から明らかなように耐力壁装置1は住宅内においてリビングなど大きい空間を取りたい部位における下方の構造体である基礎4と上方の構造体である2階床梁6との間に配置されて、柱等の建物骨格の中心的な役割を担うことを主なねらいとして設置される。そして、後述するように、地震時に水平向きにかかる力に抗してその傾きを少しでも抑制し、耐力壁2等の変形や損傷がないように作用する。
[実施の形態1]
図3(A),(B)は、実施の形態1の耐力壁装置1を示し、この耐力壁装置1の耐力壁2は、パネル状で剛性の高い構造用集成材で造られている。このような構造用集成材で造られる耐力壁2は、木質の成形軸材を複数枚、例えばレゾルシノール樹脂接着剤(アイカ工業株式会社製)を使用して接着し、かつ特殊な手締めの圧締により校正される。脚部3は、土台としての役割を担うものであり(集成土台)、同形状のものが1対設けられる。接着剤としての前記レゾルシノール樹脂接着剤は一例であり、耐力壁2と脚部3を接着して固定できるものであれば、ほかの接着剤を用いてもよい。脚部3の校正の方法は、耐力壁2に準じ、何枚かの成形軸材を前記接着剤で接着して積層し、かつ該材の上に重量物を置いて圧締する。これにより、耐力壁2と同じように剛性の高い構造用集成材からなる脚部3が造られる。
前記のようにして製造された耐力壁2と脚部3は、さらに次のような製作工程を経て工場から建築現場等へ出荷される。
(1)耐力壁2と脚部3の寸法(長さ)を切断装置で正寸カットする。耐力壁2の寸法は、一例を挙げれば、例えば縦が2800mm、横が900mmで、厚みが90mm程度である。また、脚部3の寸法は、一例を挙げれば、例えば縦が360mm、横が1230mmで、厚みが90mm程度である。縦横の巾・厚みのみ仕上げは、梁成が大きいため大型ハンドソーで手切りする。
(2)耐力壁2の上部の両サイドにボルト孔11をドリルで開ける。一方、脚部3の両サイドにもボルト孔12をドリルで開ける。
(3)耐力壁2の下部に脚部3の位置基準の墨付けをする。一方、脚部3にも両サイドのはみ出し部の位置決めとして墨付けをする。
(4)耐力壁2に脚部3の位置基準の墨付け部分から下の表裏に湿気硬化型ウレタン系接着剤(三木理研工業株式会社製)を塗布ローラで手塗りする。
(5)耐力壁2と脚部3を基準墨位置に合わせ、ズレないように釘で仮止めする。
(6)脚部3の上にあて板を置き、G型シャコマンで約250mm間隔で締める。又は、8fのラミナのバンドルを上に載せ、圧締する。
前記により、耐力壁2の両方の壁面の下部に脚部3が接着剤により強固に接着固定された耐力壁装置1が製作される。すなわち、寸法的には脚部3の両端部がそれぞれ耐力壁2の両側縁より160mm程度ほぼ均等に張り出した形になり、耐力壁2の下部は1対の脚部3によって挟持された形にされる。図面でA部は接着固定された部分を示す。
しかして、前記のようにして製作され、建築現場に搬入された耐力壁装置1は、基礎4の上面の幅方向に所定の間隔を置いて1対立設されたアンカーボルト13の基礎4の上面より突出した部分に脚部3に設けたボルト孔12が下方から嵌入され、突出した上端部でナット14が螺合されて緊締される。勿論、ナット14と脚部3の上面との間には座金が介装される。一方、耐力壁2の上部は2階床15の下面に耐力壁2を挟むように所定の間隔で1対配置される2階床梁6間に嵌入された状態にされたうえ、耐力壁2の上部に設けたボルト孔11と2階床梁6に設けたボルト孔16にボルト17を挿入して止められる。18は1階床、19は1階天井である。このようにして設置された耐力壁装置1は、図面からも明らかなように耐力壁2の下端面が基礎4の上面より若干浮いた状態になり、上端面も2階床15の下面より若干離れた状態になっている。これは地震等による揺れから耐力壁2の上下端面の損傷を防ぐためである。
前記のように組み付けセットされた耐力壁装置1の耐力壁2は、A部で示すように基礎4上でその下部両壁面と脚部3の両内壁面が接着剤で強固に接着固定された状態にされるので、地震等で2階床梁6の近くに一方向(耐力壁2の壁面に沿った方向)の水平力が加えられてもその力(加力点)に抗する力が作用し、下部が安定した状態に保たれる。すなわち、図4に脚部3をアンカーボルト13として例えばPC鋼棒M15と、座金(9×80×120)を用いて、同図矢印で示すように一方向の水平力が加えられたときの変位と荷重の関係について、在来木造の壁との比較実験を行ったところ、同図(B)の高耐力壁と在来木造における荷重−変形関係から明らかなように、在来木造の壁の場合は加力がさほどかからない段階で変形してしまうが、耐力壁2の場合は相当の加力がかかっても持ちこたえて変形がしないことがわかる。この場合、上記では水平力を耐力壁2の壁面に沿った方向としてのX軸方向のみとしたが、壁面に対向するY軸方向に対してもその方向が壁面に沿った方向となるように耐力壁2を設ければ、対応が可能である。したがって、X軸方向及びY軸方向の両方向に対応するには、例えば図1のように平面視L字型に配置すればよく、これによって両方向の水平力に対して対抗できて、同じ効果をあげることができる。そのほかにも図示していないが、平面視T字型としたり、あるいは平面視十字型としてもよい。要するに、耐力壁2はその壁面に沿った方向の水平力に対して抵抗する作用をし、変形を抑止する。そのため、長期にわたり建物の維持が可能となり、間取りの見直し等で建て直す必要もなく、居住者のリフォームの要望にも十分に耐えられるものとなる。
また、耐力壁2の下部両壁面と脚部3の両内壁面が接着剤で強固に接着固定されるため、従来の金具を用いたものに比し、部材同士のガタをなくして接合部に生ずる変形をより小さくすることができる。
[実施の形態2]
図5(A),(B)に示す実施の形態2においては、脚部3と2階床梁6を一側(右側)のみ配置し、実施の形態1から左側の脚部と2階床梁を省略した点で、実施の形態1と相違し、そのほかの構成は同様である。したがって、同様の部材には同一の符号を付して説明を省略にする。
このような一側のみ脚部3と2階床梁6を配置した耐力壁装置1でも、実施の形態1と同様な作用効果が期待できる。すなわち、実施の形態1の場合ほどの抵抗力を求められないところには、このような一側のみの耐力壁装置1でもよい。
[実施の形態3]
図6(A),(B)に示す実施の形態3においては、脚部21が基礎4の上面に1個配置されている点では、実施の形態2の脚部3と同じであるが、その配置位置が基礎4の上面の幅方向中央部である点で、実施の形態2の脚部3と相違する。すなわち、脚部21が、基礎4の上面の幅方向中央部に配置され、その略下半分が、厚さが耐力壁23の厚さとほぼ等しい厚さに形成され、略上半分の厚さが耐力壁23の厚さの1/3程度の厚さに形成されており、この薄い厚さの略上判部が凸部22に形成されている。一方、耐力壁23の下端面には凸部22を受け入れる凹部24が形成されている。そして、これら凹部24と凸部22の両内側面には接着剤が塗布されて接着固定部分Aとなり、嵌合されると接着されることになる。そのほかの構成は前記実施の形態と同様であるので、同様の部材には同一の符号を付して説明を省略する。
前記のようにして製作され、建築現場に搬入された耐力壁装置1は、基礎4の上面の幅方向中央部に配置されたアンカーボルト13の基礎上に突出した部分に脚部21に設けたボルト孔12が下方から嵌入され、突出上端部でナット14が螺合されて緊締される。耐力壁23の上部の取り付けは前記と同様である。
このような基礎4上の幅方向中央部に配置された脚部21と2階床梁6を配置した耐力壁装置1でも、前記各実施の形態と同様な作用効果が期待できる。すなわち、この実施の形態3においては、耐力壁23の下端面は実施の形態1,2のように浮いた状態にはならず脚部21の上端面に当接しているが、上端面が2階床15の下面より大きく離れた状態になるため、損傷を防ぐことが可能である。
なお、この実施の形態3では脚部21に凸部22を形成し、耐力壁23に凹部24を形成したが、凸部22と凹部24の配置は前記逆でもよい。
[実施の形態4]
図7(A),(B)に示す実施の形態4においては、2階床梁6を一側(右側)のみ配置し、左側の2階床梁を省略した点で、実施の形態3と相違し、そのほかの構成は同様である。したがって、同様の部材には同一の符号を付して説明を省略する。
このような2階床梁6を一側(右側)のみ配置した耐力壁装置1でも、前記各実施の形態と同様な作用効果が期待できる。
[実施の形態5]
図8(A),(B)に示す実施の形態5においては、耐力壁25の構成を、実施の形態1〜4で示した剛性の高い構造用集成材から剛性の高い構造用合板(厚さ24mm以上)に代えた点で相違し、その他の構成はほぼ同様である。このような構造用合板からなる耐力壁25はベニヤからなる単板を複数枚直交積層して造られる。その他の構成は実施の形態1と同様である。したがって、同様の部材には同一の符号を付して説明を省略する。
このような構造用合板からなる耐力壁25を用いた耐力壁装置1でも、前記各実施の形態と変わることがなく、同様な作用効果が期待できる。
[実施の形態6]
図9(A),(B)に示す実施の形態6においては、脚部3と2階床梁6を一側(右側)のみ配置し、実施の形態5から左側の脚部と2階床梁を省略した点で、実施の形態5と相違し、そのほかの構成は同様である。したがって、同様の部材には同一の符号を付して説明を簡略にする。
このような一側のみ脚部3と2階床梁6を配置した耐力壁装置1でも、前記各実施の形態と同様な作用効果が期待できる。
以上の実施の形態1〜6までは接着固定タイプの耐力壁装置を示したが、以下には実施の形態7〜12として制震タイプの耐力壁装置を示す。
[実施の形態7]
図10(A),(B)は、実施の形態7の耐力壁装置1を示し、この実施の形態7の耐力壁装置1においては、図3に示した実施の形態1の脚部3が設置される基礎4中のアンカーボルト13の外周に制震部材としての制震ゴム27を取り付けたものである。制震ゴム27はゴム材であれば特に材質を問わないが、アンカーボルト13の外径とほぼ同径の内径を有するパイプ状のものからなり、アンカーボルト13を基礎4に埋設する際に予めその埋設される部分に嵌挿して取り付けられる。そのほかの構成は実施の形態1と同様である。したがって、同様の部材には同一の符号を付して説明を省略にする。
このように基礎4中のアンカーボルト13の外周に制震ゴム27を取り付けると、地震時の負荷(荷重)が耐力壁2から脚部3を介して基礎4に伝わってもアンカーボルト13の傾きを該ゴムで吸収して、耐力壁2の水平方向の変形を抑止する役目を果たすことができる。すなわち、図11に脚部3をアンカーボルト13としてPC鋼棒M15と、座金(9×80×120)を用いて在来木造の壁との比較実験を行ったところ、同図(B)の高耐力壁に制震部材を設けた場合の履歴ループから明らかなように、荷重がかかるにしたがって変形も徐々に進むが、所定の変形に達すると元に戻ろうとする反力が同じ量作用し、再び当初の変形位置に復帰することになり、結果として振動は生ずるがそれに耐えて耐力壁全体としては変形がしないことがわかる。そして、地震の揺れに伴う振動に対して前記の作用が繰り返された後、次第に振動は減衰していく。そのため、長期にわたり建物の維持が可能となり、間取りの見直し等で建て直す必要もなく、居住者のリフォームの要望にも十分に耐えられるのに加え、基礎4に埋設したアンカーボルト13に制震ゴム27を設けているため、木材である脚部3に生じるめり込みなどの損傷を防ぐとともに、エネルギー吸収により地震力を低減することができる。
前記のような耐力壁装置1でも、勿論、前記各実施の形態と同様な作用効果が期待できる。
[実施の形態8]
図12(A),(B)に示す実施の形態8においては、実施の形態7の基礎4中のアンカーボルト13の外周に嵌挿して取り付けた制震ゴム27に代え、制震ゴム29をアンカーボルト13の脚部3の上端面から突出した端部にナット14で押さえて配設したものである。制震ゴム29は、ある程度の厚さのある単一部材から造ってもよいし、あるいは複数の部材を積層等して造ってもよい。このような制震ゴム29を用いれば前記制震ゴム27のように予め基礎4を造るときに埋設するような作業が不要になるので、その取り付けが迅速で、かつ容易に行える。そのほかの構成は実施の形態7と同様である。
このようにアンカーボルト13の脚部3の上端面から突出した端部に制震ゴム29を配設した場合も、前記と同様に、地震時の負荷が耐力壁から脚部3を介して基礎4に伝わってもアンカーボルト13の傾きを該ゴムで吸収して、耐力壁2の水平方向の変形を抑止することができる。
前記のような耐力壁装置1でも、勿論、前記各実施の形態と同様な作用効果が期待できる。
[実施の形態9]
図13(A),(B)に示す実施の形態9においては、図5に示した実施の形態2の脚部3が設置される基礎4中のアンカーボルト13の外周に制震部材としての制震ゴム27を嵌挿して取り付けたものである。そのほかの構成は実施の形態2と同様である。
このように基礎4中のアンカーボルト13の外周に制震ゴム27を嵌挿して取り付けると、地震時の負荷が耐力壁2から脚部3を介して基礎4に伝わってもアンカーボルト13の傾きを該ゴムで吸収して、耐力壁2の水平方向の変形を抑止することができる。
前記のような耐力壁装置1でも、勿論、前記各実施の形態と同様な作用効果が期待できる。
[実施の形態10]
図14(A),(B)に示す実施の形態10においては、図5に示した実施の形態2の基礎4中のアンカーボルト13の外周に嵌挿して取り付けた制震ゴム27に代え、制震ゴム29をアンカーボルト13の脚部3の上端面から突出した端部にナット14で押さえて配設したものである。そのほかの構成は実施の形態9と同様である。
このようにアンカーボルト13の脚部3の上端面から突出した端部に制震ゴム29を配設した場合も、前記と同様に、地震時の負荷が耐力壁2から脚部3を介して基礎4に伝わってもアンカーボルト13の傾きを該ゴムで吸収して、耐力壁2の水平方向の変形を抑止することができる。
前記のような耐力壁装置1でも、勿論、前記各実施の形態と同様な作用効果が期待できる。
[実施の形態11]
図15(A)〜(C)に示す実施の形態11においては、(A)では、図6に示した実施の形態3の脚部21が設置される基礎4中のアンカーボルト13の外周に制震部材としての制震ゴム27を嵌挿して取り付けたものである。同(C)では、制震ゴム29をアンカーボルト13の脚部21の上端面から突出した端部にナット14で押さえて配設したものである。そのほかの構成は実施の形態3と同様である。
前記のような耐力壁装置1でも、勿論、前記各実施の形態と同様な作用効果が期待できる。
[実施の形態12]
図16(A)〜(C)に示す実施の形態12においては、(A)では、図7に示した実施の形態4の脚部21が設置される基礎4中のアンカーボルト13の外周に制震部材としての制震ゴム27を嵌挿して取り付けたものである。同(C)では、制震ゴム29をアンカーボルト13の脚部21の上端面から突出した端部にナット14で押さえて配設したものである。そのほかの構成は実施の形態4と同様である。
前記のような耐力壁装置1でも、勿論、前記各実施の形態と同様な作用効果が期待できる。
[実施の形態13]
図17(A),(B)に示す実施の形態13においては、耐力壁25の構成を、実施の形態7〜12で示す剛性の高い構造用集成材から剛性の高い構造用合板(厚さ24mm以上)に代えた点、脚部3が設置される基礎4中のアンカーボルト13の外周に制震部材としての制震ゴム27を嵌挿して取り付けた点で相違し、その他の構成はほぼ同様である。
前記のような構造用合板からなる耐力壁25を用いた耐力壁装置1でも、前記各実施の形態と同様な作用効果が期待できる。
[実施の形態14]
図18(A),(B)に示す実施の形態14においては、制震ゴム29をアンカーボルト13の脚部3の上端面から突出した端部にナット14で押さえて配設した点で、前記実施の形態13と相違し、その他の構成はほぼ同様である。
このような制震ゴム29を用いた耐力壁装置1でも、前記各実施の形態と同様な作用効果が期待できる。
[実施の形態15]
図19(A),(B)に示す実施の形態15においては、図9に示した実施の形態6の脚部3が設置される基礎4中のアンカーボルト13の外周に制震部材としての制震ゴム27を嵌挿して取り付けたものである。そのほかの構成は実施の形態6と同様である。
このような耐力壁装置1でも、前記各実施の形態と同様な作用効果が期待できる。
[実施の形態16]
図20(A),(B)に示す実施の形態16においては、制震ゴム29をアンカーボルト13の脚部3の上端面から突出した端部にナット14で押さえて配設した点で、前記実施の形態15と相違し、その他の構成はほぼ同様である。
このような制震ゴム29を用いた耐力壁装置1でも、前記各実施の形態と同様な作用効果が期待できる。
図21は、耐力壁と2階の床梁又は小屋梁との取り付けの各種パターンを示す。(A)は、略Y型の金属金具32を利用し、二股部で2階床梁6又は小屋梁53の下端部を嵌合により支持したうえでボルト又はドリフトピン等接合材33により締結し、中心基部を耐力壁2(25)の上端面に形成した凹溝に嵌入したうえでボルト又はドリフトピン等接合材34により締結したものである。(B)は、略H型の金属金具35を利用し、一方の凹所で2階床梁6又は小屋梁53の下端部を嵌合により支持したうえでボルト又はドリフトピン等接合材36により締結し、他方の凹所で耐力壁2(25)の上端部を嵌合により支持したうえでボルト又はドリフトピン等接合材37により締結したものである。(C)は、逆略Y型の金属金具38を利用し、二股部で耐力壁2(25)の上端部を嵌合により支持したうえでボルト又はドリフトピン等接合材39により締結し、中心基部を2階床梁6又は小屋梁53の下端面に形成した凹溝に嵌入したうえでボルト又はドリフトピン等接合材40により締結したものである。(D)は、略I型の金属金具41を利用し、一方の半部を2階床梁6又は小屋梁53の上端面に形成した凹溝に嵌入したうえでボルト又はドリフトピン等接合材42により締結し、他方の半部を耐力壁2(25)の上端面に形成した凹溝に嵌入したうえでボルト又はドリフトピン等接合材43により締結したものである。
このように金属金具32,35,38,41を用いた耐力壁2(25)と2階の床梁6又は小屋梁53との取り付けには種々のパターンが考えられ、前記各実施の形態においてはいずれのパターンを使用してもよい。
図22は、上記のような金属金具を用いない別の方法で耐力壁と2階の床梁又は小屋梁とを連結するものである。すなわち、図21の(D)に示す金属金具41と同じ大きさの略I型の構造用合板又は木質接着成形軸材料からなる接合部材45を用い、一方の半部を2階床梁6又は小屋梁53の上端面に形成した凹溝に嵌入したうえで両側面側から交互に複数の釘又はビス46により締結し、他方の半部を耐力壁2(25)の上端面に形成した凹溝に嵌入したうえで両側面側から交互に同様に複数の釘又はビス47により締結したものである。
このような金属金具でない接合部材45を用いてもよい。
図23は、1,2階通し耐力壁装置50を示す、図1の対応図である。図24(A),(B)は前記に用いられる耐力壁51の一例であり、(A)の耐力壁51は正面視長方形状を呈し、(B)の耐力壁52は正面視台形形状を呈している。すなわち、この耐力壁装置50では耐力壁51,52として1階の基礎4上から2階を通して小屋梁53に達する長さ(高さ)のものを使用する。例えば、1階から2階に吹き抜けが形成されるようなところに設置するのに好適である。この耐力壁51,52の設置は前記したと同様なやり方で行う。このような長い耐力壁であると小屋梁53にかかる荷重が下端部にまで及ぶため可及的にその下端部を強化することが望ましい。そのため、図24(B)に示すように上端部から下端部に向けて末広がり状となった略台形状の耐力壁52とすることも可能である。このような耐力壁を使用すると荷重に対して非常に安定したものとなり、長期の使用にも十分に耐えうる。図中、55は2階床を示す。
図25は、建物構造別に地震の強さと地震の振動周期の長さ、及び建物の変位と硬さの関係を表したグラフである。建物は大きく分けて「低層戸建住宅」、「中層ビル」、「超高層ビル」となり、それぞれの応答周期帯を持っている。地震の振動周期の長さにより、地震動の強さは変わり、ひとつの地震に含まれる地震波を周期別に最大強さの点を結んでグラフ(太線)として示している。低層戸建住宅において、構造別に見た場合、軽量鉄骨は建物の固有周期が長く、続いて在来木造、枠組壁工法、木質プレハブ工法と短くなり、構造体の変位が小さくなることから、建物が硬いといえ、建物の損傷を極力抑えることができる。制震構造とは、比較的揺れの大きい建物において、建物の固有周期と地震動の強い周期帯が一致し易いため、地震力を減衰させる装置を設置することにより、地震動の強さを低減し、共振による被害を低減する構造である。グラフ内の地震波グラフに対して、制震構造にした場合の減衰イメージを示す。免震構造は建物の基礎と土台の間に装置を設置し、建物の固有周期を長くし、地震動の強さが小さい領域にもっていく。制震構造、免震構造いずれにしても装置そのものの長期信頼性や装置費用がかかり、ユーザーにとっては負担が大きい。木質プレハブ工法はもともと建物が硬く、変位が小さい構法である。
そこで、前記各実施の形態で示す耐力壁装置を利用した場合における、高倍率の耐力壁をもちいた木質プレハブ工法は、より構造体を硬くし、構造体の損傷を発生させない構造とするために高耐力壁の脚部を接着固定させているのである。また、大地震時に、高倍率の耐力壁を固定している土台又は横架材と基礎を緊結する箇所の損傷を防ぐために、制震部材を設けているのである。そのため、大地震時での水平変位は1/200以下となり、大地震時での構造体の損傷は発生しない。また、内部耐力壁を低減することが可能になることから、空間の自由度が高まる。さらに、コンクリートで同様の耐力壁を造ることも可能であるが、耐力壁を剛性の高い構造用集成材、構造用合板を用いることで、コスト的にも安価となる。
前記各実施の形態は、あくまで好ましい一例を示したにすぎず、耐力壁等の構成部材の細部の設計的な事項は、その実施に際して種々に変更、修正することができるものである。すなわち、各実施の形態では、耐力壁を、構造用集成材と構造用合板を例として説明したが、そのほかにも剛性の高いLVL(単板積層材)、PSL( Parallel Strand Lumber )、又はクロスラミナパネル、等を用いてもよい。LVLとは、ベニヤからなる単板を平行積層して造ったもの、PSLとは、裂いた単板を平行積層して造ったものである。また、クロスラミナパネルとは、2cm程度の木材を隙間なく密に貼り合わせた板である。さらに、各実施の形態では、耐力壁の上部については接着固定しなかったが、2階の床梁又は小屋梁と現場作業で例えばポリウレタン樹脂系接着剤(コニシ株式会社製)を用いて接着固定させてもよく、かつ接着固定の被対象部位等も任意に選択して行うことが可能である。
木質系建物である住宅にこの発明の各種実施の形態に係る耐力壁装置が配置された一例を示す概略透視斜視図である。 同上の横断面図である。 実施の形態1であり、(A)は、設置された耐力壁装置の耐力壁の概略正面図、(B)は、(A)で耐力壁装置の耐力壁の長さ方向の一部を省略した拡大側断面図である。 作用説明図である。 実施の形態2であり、(A)は、設置された耐力壁装置の耐力壁の概略正面図、(B)は、(A)で耐力壁装置の耐力壁の長さ方向の一部を省略した拡大側断面図である。 実施の形態3であり、(A)は、設置された耐力壁装置の耐力壁の概略正面図、(B)は、(A)で耐力壁装置の耐力壁の長さ方向の一部を省略した拡大側断面図である。 実施の形態4であり、(A)は、設置された耐力壁装置の耐力壁の概略正面図、(B)は、(A)で耐力壁装置の耐力壁の長さ方向の一部を省略した拡大側断面図である。 実施の形態5であり、(A)は、設置された耐力壁装置の耐力壁の概略正面図、(B)は、(A)で耐力壁装置の耐力壁の長さ方向の一部を省略した拡大側断面図である。 実施の形態6であり、(A)は、設置された耐力壁装置の耐力壁の概略正面図、(B)は、(A)で耐力壁装置の耐力壁の長さ方向の一部を省略した拡大側断面図である。 実施の形態7であり、(A)は、設置された耐力壁装置の耐力壁の概略正面図、(B)は、(A)で耐力壁装置の耐力壁の長さ方向の一部を省略した拡大側断面図である。 作用説明図である。 実施の形態8であり、(A)は、設置された耐力壁装置の耐力壁の概略正面図、(B)は、(A)で耐力壁装置の耐力壁の長さ方向の一部を省略した拡大側断面図である。 実施の形態9であり、(A)は、設置された耐力壁装置の耐力壁の概略正面図、(B)は、(A)で耐力壁装置の耐力壁の長さ方向の一部を省略した拡大側断面図である。 実施の形態10であり、(A)は、設置された耐力壁装置の耐力壁の概略正面図、(B)は、(A)で耐力壁装置の耐力壁の長さ方向の一部を省略した拡大側断面図である。 実施の形態11であり、(A)は、設置された耐力壁装置の耐力壁の概略正面図、(B)は、(A)で耐力壁装置の耐力壁の長さ方向の一部を省略した拡大側断面図である。 実施の形態12であり、(A)は、設置された耐力壁装置の耐力壁の概略正面図、(B)は、(A)で耐力壁装置の耐力壁の長さ方向の一部を省略した拡大側断面図である。 実施の形態13であり、(A)は、設置された耐力壁装置の耐力壁の概略正面図、(B)は、(A)で耐力壁装置の耐力壁の長さ方向の一部を省略した拡大側断面図である。 実施の形態14であり、(A)は、設置された耐力壁装置の耐力壁の概略正面図、(B)は、(A)で耐力壁装置の耐力壁の長さ方向の一部を省略した拡大側断面図である。 実施の形態15であり、(A)は、設置された耐力壁装置の耐力壁の概略正面図、(B)は、(A)で耐力壁装置の耐力壁の長さ方向の一部を省略した拡大側断面図である。 実施の形態16であり、(A)は、設置された耐力壁装置の耐力壁の概略正面図、(B)は、(A)で耐力壁装置の耐力壁の長さ方向の一部を省略した拡大側断面図である。 (A)〜(D)は、耐力壁と2階の床梁又は小屋梁との取り付けの各種パターンを示す部分図である。 耐力壁と2階の床梁又は小屋梁との取り付けの別のパターンを示す部分図である。 1,2階通し耐力壁装置を示す、図1と対応する斜視図である。 (A),(B)は同上に用いられる耐力壁の一例を示す図面である。 建物構造別に地震の強さと地震の振動周期の長さ、及び建物の変位と硬さの関係を表したグラフである。
符号の説明
1 1階耐力壁装置
2,23,25,51,52 耐力壁
3,21 脚部
4 基礎
5 土台
6 2階床梁
7 1階床面
8 2階床面
13 アンカーボルト
14 ナット
15 2階床
17 ボルト
18 1階床
19 1階天井
22 凸部
24 凹部
27 制震ゴム(制震部材)
29 制震ゴム(制震部材)
32,35,38,41 金属金具
33,34,36,37,39,40,42,43 ボルト又はドリフトピン等接合材
50 1,2階通し耐力壁装置
53 小屋梁
55 2階床
A 接着固定部分

Claims (9)

  1. 下部が基礎上に固定され、上部が梁等の固定部材に固定され、地震等によって前記固定部材にかかる一方向の水平力に対して抵抗するものとして木質系建物に用いられる耐力壁装置であって、
    剛性の高い木質パネル状の耐力壁と、この耐力壁の少なくとも一方の壁面の下部に接着固定されて前記基礎上に固定される脚部とを具えたことを特徴とする木質系建物の高剛性耐力壁装置。
  2. 下部が基礎上に固定され、上部が梁等の固定部材に固定され、地震等によって前記固定部材にかかる一方向の水平力に対して抵抗するものとして木質系建物に用いられる耐力壁装置であって、
    剛性の高い木質パネル状の耐力壁と、この耐力壁の下端面と上端面を突き合わせて前記基礎上に固定される脚部とを具え、前記脚部の上端面には凸部又は凹部が形成され、前記耐力壁の下端面には前記凸部又は凹部に嵌合されたうえ接着固定される凹部又は凸部が形成されていることを特徴とする木質系建物の高剛性耐力壁装置。
  3. 請求項1又は2記載の木質系建物の高剛性耐力壁装置において、耐力壁が、構造用集成材、構造用合板、LVL、PSL、又はクロスラミナパネル、のいずれかからなることを特徴とする木質系建物の高剛性耐力壁装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の木質系建物の高剛性耐力壁装置において、脚部が、剛性の高い木質の構造用集成材から形成される集成土台であることを特徴とする木質系建物の高剛性耐力壁装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の木質系建物の高剛性耐力壁装置において、耐力壁が、平面上でX軸方向、Y軸方向にバランスよく配置されることを特徴とする木質系建物の高剛性耐力壁装置。
  6. 請求項1ないし4のいずれかに記載の木質系建物の高剛性耐力壁装置において、耐力壁が、1,2階通して1枚ものとして配置される長さからなることを特徴とする木質系建物の高剛性耐力壁装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の木質系建物の高剛性耐力壁装置において、脚部が、基礎上にアンカーボルトにより固定され、該アンカーボルトに制震部材が配設されていることを特徴とする木質系建物の高剛性耐力壁装置。
  8. 請求項7に記載の木質系建物の高剛性耐力壁装置において、制震部材が、アンカーボルトの基礎に埋設された部分に嵌挿して取り付けられているか、又はアンカーボルトの脚部の上面から突出する部分に介装されたうえナットにより止められていることを特徴とする木質系建物の高剛性耐力壁装置。
  9. 請求項7又は8に記載の木質系建物の高剛性耐力壁装置において、制震部材が、制震ゴムであることを特徴とする木質系建物の高剛性耐力壁装置。
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