JP2008150849A - 外壁構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 木造の構造躯体に耐力面材を張り付け施工する際、施工作業性がよく施工手間がかからず、同じ耐力面材と釘を用いて、釘着間隔又は釘打ち位置の少なくともいずれか一方を変えることで複数の異なる壁倍率の耐力壁を極めて簡単に得ることができ、建物の必要とする箇所に異なる壁倍率の耐力壁を偏りなく、無駄なく、効果的に組み合わせ配置することが可能で建物の耐震性能を偏り少なく、しかも効率よく容易に向上させることが可能な外壁構造を安価に提供する。
【解決手段】 木質構造材、耐力面材を含んでなり、前記木質構造材に同じ耐力面材と釘を用いて、所定の釘着間隔で釘着されてなる木質の外壁構造であって、前記耐力面材への釘着間隔又は釘打ち位置の少なくともいずれか一方を変えることによって、異なった壁倍率の耐力壁を得、該異なる壁倍率の耐力壁を建物のそれぞれの必要とする箇所に偏心が少なくなるように組み合わせ配置した。
【選択図】 図1

Description

本発明は木質の外壁構造であって、詳しくは、木造の建物の耐震性能に偏りがないように、壁倍率の異なる耐力壁を組み合わせ配置して得られる、高度な耐震性能を有する木質の外壁構造に関する。
近年、木造住宅において、高い耐震性能を持つ住宅が要求され、耐震規制も一段と厳しさを増してきた。これらのことは建築基準法によって詳細に定められている。例えば、木造住宅に要求される耐震等級として必要最小レベルである等級1から高度耐震性能としての等級3まで、それぞれの等級レベルにおいて、必要壁量が定められており、この必要壁量以上の存在壁量が必要とされている。そこで、ますます壁強度の向上が重視され、壁倍率の大きな耐力壁としてさまざまなものが提案されている。
一般に耐震性能を有する壁体構造を得るには、第1には壁面材の構成の相違によるもの、第2には各種各寸法の筋かいによるもの、第3には前記、壁面材の構成、及び、筋かいの併用によるもの、第4には大臣認定によるものの4通りの方法がある。
一方、耐震性能に関する構造設計において、住宅等建築物の各階、各方向(平面図で見て、X軸方向及びY軸方向。以下、X方向、Y方向と称する)において、所定の壁体強度を持つことが必要の他、建物の耐震性能に偏りがないように、壁倍率の異なる耐力壁を組み合わせ配置することが最適とされている。
また、高耐力の壁体の場合は、壁体の両端の土台取り付け仕口には、いずれも壁体強度に相応する強度の大きな、高価な金具を各所に取り付けることが必要とされた。そうでない壁体の場合は、そこまでは必要とされず、金具を取り付ける場合でも所定の金具でよい。
また、木造軸組工法の場合、例えば、柱、間柱、土台、胴差、桁、梁材等で構成された壁構造躯体の室内又は室外側面に構造用面材を配置し、この構造用面材の周囲を金属製又は合成樹脂製の薄い保持力テープを介在してその上から釘打ち施工して柱、土台、桁等の構造躯体に釘打ち止めするようにした構造用面材の施工方法の記載がある。(例えば、特許文献1参照)。
また、柱と横架材あるいは柱と土台が交わる隅の部分を通る斜めの線方向に筋かいを配置し、土台もしくは横架材に所定の大きさの金属板の台座プレートを取り付け、さらに、ホールダウン金具、L字金具等を設けた木造軸組における耐力壁構造の記載がある。(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−129591号公報(第2−5頁、第1−4図) 特開2002−81133号公報(第2−7頁、第1−8図)
ところで、上記したような従来からの外壁等の耐震構造設計において、通常同じ仕様の同一壁倍率の耐力壁が用いられ、耐震設計に重要な壁量の計算は、壁倍率と壁の長さの積で算出され、窓等の開口部を除き、各階、各方向に配置されていた。従って、低い壁倍率仕様の耐力壁を用いると所定の壁量を得るには長い壁面が必要となり、開口部が狭く、採光の悪い家となる欠点があった。また、筋かいの併用により部分的に補強をして所望の高い壁倍率の耐力壁を要所に配置する方法があるが、筋かいの取り付け時、交錯するように間柱部分を欠きこむ必要があり、間柱の強度を弱くする他、断熱材の壁体内への充填ムラの原因となり、また、施工も煩雑であった。一方、高い壁倍率仕様の耐力壁を使用した場合、耐力壁の配置上、建物の重心と剛心のズレ(偏心)が大きくなり、地震力が加わった時、ねじれるように壊れてしまう危険性があり、建物の耐震性を偏りのないものにすることは困難で、耐震設計上、耐力壁の長さ、配置、間取り(部屋の配置)等に大きな制限を受け、設計の自由度が大幅に制限されていた。(上記、偏心とは建物の重心と剛心のズレのことを言う)。
また、上記、従来からの一般的な施工方法においては、釘打ち位置が耐力面材表面に明示されておらず、釘打ち位置がわかりづらく施工作業性に劣るものであった。従って、施工時の施工作業費がかかるという問題点もあった。また、このことを改善するために耐力面材表面に釘打ち位置を表示したものもあるが、1種類の釘打ち位置及び釘打ちピッチの表示となり、釘打ちの仕方を工夫し変えることによって、複数の異なる壁倍率に簡単にしかも分かり易く対応できる工法は存在しなかった。このために、同一の建物において、釘打ちの仕方を工夫して異なる壁倍率を得ることは全く考慮されておらず、このような工夫は実施されていなかった。そのために、住宅等建築物の耐震性能を向上させるために、同一の高壁倍率の耐力面材を各所に取り付けることになり、金具が高価につくばかりでなく、偏心の大きな建物となりやすかった。さらには、壁材料そのものを高価であるが壁倍率が大きく出せる耐力面材を無理して採用するか、又は、仕様の異なった釘やビスなどで、それぞれ、取り付けることも試みられたが、施工及び施工管理も煩雑で困難であった。このような従来の施工方法においては、必要以上に壁材料費用、金具費用、取り付け作業費用等がかかるといった問題点が多々あった。
また、上記特許文献1及び2に記載の木造耐力壁構造においては、耐力面材を構造躯体に釘打ちする際、金属製又は合成樹脂製の薄い保持力テープを介在してその上から釘打ち施工したり、また、柱と横架材あるいは柱と土台が交わる隅の部分に筋かいを設け、さらに、台座プレート、ホールダウン金具、L字金具等の金具で補強し、高壁倍率の耐力壁を得ることが開示されているが、いずれにしても、釘打ち用の釘以外の材料、すなわち、金属製又は合成樹脂製の薄い保持力テープや台座プレート、ホールダウン金具、L字金具等を釘以外に特別に用意しなければならず、施工材料費が高くつき、施工手間もその分かかり、それなりの熟練工でないと施工に手間が取られることになる。それゆえ、施工作業性に劣り、施工費用も高価についていた。
本発明は、木造の構造躯体に木質耐力面材を張り付け施工する際、施工作業性がよいので施工手間がかからず、同じ耐力面材と釘を用いて、耐力面材の釘打ち位置及び釘打ち間隔の少なくともいずれか一方を変えることによって、複数の異なる壁倍率の耐力壁を極めて簡単に得ることができ、異なる壁倍率の耐力壁を、住宅等建物の必要とする箇所に合理的に配置することにより、耐震性能の偏りが少なく、しかも、高い耐震性能を有する耐震設計及び施工を容易とし、高い耐震性能を有する外壁構造を安価に提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の本発明の外壁構造は、木質構造材、耐力面材を含んでなり、前記木質構造材に同じ耐力面材と釘を用いて、所定の釘着間隔で釘着されてなる木質の外壁構造であって、前記耐力面材への釘着間隔又は釘打ち位置の少なくともいずれか一方を変えることによって、異なった壁倍率の耐力壁を得、該異なる壁倍率の耐力壁が建物のそれぞれの必要とする箇所に偏心が少なくなるように組み合わせ配置されたことを特徴としている。
このような構成を有する本発明によれば、木造の構造躯体に木質耐力面材を張り付け施工する際、施工作業性が良好で施工手間がかからず、住宅等建物の必要とする箇所に高壁倍率の耐力壁を住宅全体を見て耐震性能の偏りが少なくなるように合理的に組み合わせ配置することが可能で、耐力壁全体の組み合わせにより高い耐震強度を備え、しかも、耐震性能に偏りの少ない住宅等建物の外壁構造を容易に、しかも、安価に得ることが可能となる。
請求項2記載の本発明の外壁構造は、請求項1に記載の外壁構造において、前記木質構造材が木造軸組工法による柱、間柱等の縦方向の木質構造材及び土台、胴差、軒桁等の横方向の木質構造材であることを特徴としている。
このような構成を有する本発明によれば、木造軸組工法において、上記、施工作業性が向上し、高度で偏りが少ない耐震性能を備えた住宅等建物の外壁構造を容易に、しかも、安価に得ることが可能となる。
請求項3に記載の本発明の外壁構造は、請求項1に記載の外壁構造において、前記木質構造材が木造枠組壁工法による縦枠等の縦方向の木質構造材及び上枠、下枠、端根太、土台等の横方向の木質構造材であることを特徴としている。
このような構成を有する本発明によれば、木造枠組壁工法において、上記、施工作業性が向上し、高度で偏りが少ない耐震性能を備えた住宅等建物の外壁構造を容易に、しかも、安価に得ることが可能となる。
請求項4に記載の本発明の外壁構造は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の外壁構造において、前記木質構造材と耐力面材との間に通気受材が設けられ、前記耐力面材と木質構造材との間に通気路が形成され、該通気路によって通気構法が施されたことを特徴としている。
このような構成を有する本発明によれば、通気構法が施された木造の外壁構造において、上記、施工作業性が向上し、高度で偏りが少ない耐震性能を備えた住宅等建物の外壁構造を容易に、しかも、安価に得ることが可能となる。
請求項5に記載の本発明の外壁構造は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の外壁構造において、前記耐力面材表面の釘打ち位置の所定箇所に複数の異なる壁倍率の目安となる釘打ち位置表示が設けられていることを特徴としている。
このような構成を有する本発明によれば、複数の異なる壁倍率の耐力壁を極めて簡単に得ることが可能となり、施工作業性、施工精度、施工品質にとって好適であるばかりでなく、高度で偏りが少ない耐震性能を備えた住宅等建物の外壁構造を容易に、しかも、安価に得ることが可能となる。
請求項1に記載の発明によれば、木造の構造躯体に木質耐力面材を張り付け施工する際、施工作業性が良好で施工手間がかからず、住宅等建物の必要とする箇所に高壁倍率の耐力壁を住宅全体を見て耐震性能の偏りが少なくなるように合理的に組み合わせ配置することが可能で、耐力壁全体の組み合わせにより高い耐震強度を備え、しかも、耐震性能に偏りの少ない住宅等建物の外壁構造を容易に、しかも、安価に得ることが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、木造軸組工法において、上記、施工作業性が向上し、高度で偏りが少ない耐震性能を備えた住宅等建物の外壁構造を容易に、しかも、安価に得ることが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、木造枠組壁工法において、上記、施工作業性が向上し、高度で偏りが少ない耐震性能を備えた住宅等建物の外壁構造を容易に、しかも、安価に得ることが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、通気構法が施された木造の外壁構造において、上記、施工作業性が向上し、高度で偏りが少ない耐震性能を備えた住宅等建物の外壁構造を容易に、しかも、安価に得ることが可能となる。
請求項5に記載の発明によれば、複数の異なる壁倍率の耐力壁を極めて簡単に得ることが可能となり、施工作業性、施工精度、施工品質にとって好適であるばかりでなく、高度で偏りが少ない耐震性能を備えた住宅等建物の外壁構造を容易に、しかも、安価に得ることが可能となる。
以下本発明に係る外壁構造の実施の形態を図面により詳細に説明する。図1は木造軸組工法による本発明の外壁構造の一実施形態を示す一部切欠正面図、図2は図1のA−A線断面図である。図3は木造軸組工法による本発明の耐力面材Pの正面図で釘打ちを行った状態の一実施形態を示す。図4は通気構法を施した枠組壁工法による本発明の外壁構造の一実施形態を示す一部切欠正面図、図5は図4のB−B線断面図である。図6は通気構法を施した枠組壁工法による本発明の耐力面材Pの正面図で釘打ちを行った状態の一実施形態を示す。図7は本発明の耐力壁体1の予定壁倍率の一実施形態を示す平面図である。図8は本発明の耐力面材Pの釘着位置表示を示す模式図である。
図1〜図3において、木造軸組工法における本発明の外壁構造について詳述する。図1は、木造軸組工法による本発明の外壁構造の一実施形態を示す一部切欠正面図である。本例に示す高度耐震性を有する耐力壁体1は、木質構造体2の室外側に耐力面材Pが釘8で取り付けられている。前記木質構造体2は基礎11の上に横方向(間口方向)に下部構造材5が取り付けられ、それと所定寸法を隔てた対向する上部の横方向(間口方向)に上部構造材4が取り付けられている。該上部構造材4と下部構造材5の間に縦方向(高さ方向)に縦構造材3が所定の間隔で設けられている。さらに本例では前記縦構造材3が建物の二階方向にも設けられている。木造軸組工法においては、前記下部構造材5として土台が、また、上部構造材4として胴差、胴縁、梁が、また、縦構造材3として柱、間柱が設けられている。
詳しくは本発明の耐力壁体1を構成する木質構造体2の第一実施形態は木造軸組工法による木質構造体であり、木造軸組工法によれば、前記縦構造材3は1間(約1800mm)間隔で配置される柱と柱の間に1.5尺(約450mm)間隔で配置される3本の間柱である。また、前記上部構造材4は胴差、胴縁、梁等の横架材である。また、前記下部構造材5は土台等の横架材である。
また、前記木造軸組工法による木質構造体2を構成する縦構造材3、上部構造材4、下部構造材5等は、栂材、ベイツガ材、スプルース材、スギ材、桧材又はこれらの集成材などの材料が用いられているが、勿論これら以外の広葉樹材又は針葉樹材等の材料であってもよいものとする。
図2は、図1のA−A線断面図である。1間(約1800mm間隔)で縦構造材3(柱)が配置されており、その間に1.5尺間隔(約450mm間隔)で縦構造材3(間柱)が配置されて木質構造体2のA−A線断面が形成され、各縦構造材3の間に断熱材7が設けられ、室内側に内装パネル12が取り付けられ、室外側に耐力面材Pが木質構造体2の上に直に設けられている。
図3において、本発明の耐力壁体1を構成する耐力面材Pの釘打ち固定と壁倍率との関係について詳述する。図1、図2で詳述したように、前記木質構造体2の室外側に耐力面材Pが釘打ち固定されている。また、室内側には内装パネル12が張り合わされている。これらの間に断熱材7が設けられている。
図3に示す耐力面材Pを固定する釘8は釘打ち施工作業性を考慮するとN−50の釘を用いるのが好適である。釘打ち間隔は施工作業性を考慮して100mmピッチ又は150mmピッチ又は100mmピッチと150mmピッチの組み合わせがよい。本例では、耐力面材Pの外周部の釘打ち間隔を100mm又は150mm間隔とし、中通り(耐力面材Pの略中央部を縦方向に釘着)での釘打ち間隔を150mmとし、外周下部は1列打ち又は2列釘打ちとし、外周上部は1列打ちとした場合の例である。
例えば、耐力面材Pの外周部の釘打ち間隔を100mm間隔とし、中通り(耐力面材Pの略中央部を縦方向に釘着)での釘打ち間隔を150mmとし、外周下部は2列釘打ちとし、外周上部は1列打ちとした場合の耐力壁6aの壁倍率は4.0となる。
また、耐力面材Pの外周部の釘打ち間隔を150mm間隔とし、中通り(耐力面材Pの略中央部を縦方向に釘着)での釘打ち間隔も150mmとし、外周下部は2列釘打ちとし、外周上部は1列打ちとした場合の耐力壁6bの壁倍率は3.0となる。
また、耐力面材Pの外周部の釘打ち間隔を150mm間隔とし、中通り(耐力面材Pの略中央部を縦方向に釘着)での釘打ち間隔も150mmとし、外周下部及び上部ともに1列釘打ちとした場合の耐力壁6cの壁倍率は2.5となる。
住宅等建物の外壁構造で特に耐力面材Pを下地となる木質構造体2の上に釘8を用いて釘着施工する場合、釘8の種類と釘着ピッチをいかにするか、また、釘打ちを1列打ちとするか2列打ちとするかによって、耐力壁体1を構成する各耐力面材Pの壁倍率が異なってくる。
一方、住宅等建物の耐震性能については、建築基準法で詳細に定められている。最も高い耐震性能を意味する等級3から順次、等級2、等級1と3つのランクが規定されている。最も基本的な耐震性能を表す等級1から、最も高い耐震性能を表す等級3にいくに従って、要求されるレベルが高くなる。すなわち、耐力壁6の量や設計段階でのチェックポイントが厳しく規定されることになる。
前記耐震性能の各等級レベルを決定付ける壁体の性能基準として、建築基準法では、各耐震性能ごとに耐力壁の必要壁量が規定されており、実際の建物の存在壁量が、規定されている等級の必要壁量以上であれば、当該建物の耐震性能として、その等級レベルが認定されることになる。
また、住宅等建物の全体を見て、耐力壁6の強度を勘案してバランス良く組み合わせ配置されていることが要求される。
さらに詳しくは、木造住宅の構造設計において、前記存在壁量(単位はcm)は住宅の一階、二階の各階ごとに平面図で見て各方向ごとに求める。各方向とは、平面図で見て横方向(x方向)と縦方向(y方向)の二方向である。さらに、存在壁量は次に示す計算式で算出される値である。存在壁量(cm)=(耐力面材の長さ(cm)×耐力面材の壁倍率)の合計値である。この壁倍率は耐力面材Pの種類によるもの、筋かいによるもの、それらを併用したもの、大臣認定によるもの等があり、該大臣認定によるものは、耐力面材Pの材質、厚み、釘8の種類と釘着間隔等によって決められている。このようにして構造設計においては、耐力壁として認定されたものを用いる。
また、前記耐力壁6としての強度を勘案し、バランス良く組み合わせ配置するということが要求される。このことは、偏心が大きくなりすぎないようにすることで、偏心とは重さの中心である重心Gと堅さの中心である剛心Mとのズレ(隔たり)Lのことである。耐力壁の組み合わせ配置の仕方でこの偏心(重心Gと剛心Mとの隔たりLの大きさ)が異なる。
前記壁倍率のうち、耐力面材Pの種類によるものの例は、土塗り壁の壁倍率が0.5、木ずり等を片面に打った壁で0.5、木ずり等を両面に打った壁で1.0が定められている。また、筋かいによるものの例は、例えば、厚さ1.5cm×幅9cmの木材を筋かいにした場合で1.0、それをたすき掛けにした場合で2.0と定められている。また、耐力面材Pと筋かいを併用した場合の壁倍率はそれぞれの壁倍率の和である。
従来、木造住宅の構造設計において、上記偏心を少なくすることは極めて煩雑な構造設計を要し、大変困難な設計及び施工であった。本発明の主旨は同じ耐力面材Pと同じ釘8を用いて、ただ、釘着間隔と釘の打ち方(1列打ちとするか又は2列打ちとするか)を変えることによって、このことを極めて簡単に可能としたところにある。
また、例えば、当社製品である、軽量モルタル層複合合板(商品名、ラストップ)を用いた場合は、以下の壁倍率が得られる。例えば、ラストップ10(厚さ5mmの構造用合板に軽量モルタル層5mmを複合させたもの)の場合、木造軸組工法による木質構造体2の上に前記ラストップ10を直張りした場合、壁倍率2.5が得られる。この場合のラストップ10に対する釘着仕様は、釘8としてN−50の釘を用い、ラストップの外周部分の釘着ピッチを150mm間隔とし、中通り(ラストップの幅方向の略中央部分を縦方向に釘着)の釘着ピッチも150mm間隔とし、上下1列打ち(ラストップの外周上部及び外周下部とも1列打ちとする)とした場合である。壁倍率が3.0、又は4.0の場合の釘着仕様は前述したとおりである。
前記木造軸組工法で直張り仕様の場合、例えば、ラストップ10の場合、同じ耐力面材P(本例ではラストップ10)を用い、同じN−50の釘8を用いて、釘着間隔を変更するか又は釘打ち方法の変更(単数列打ちするか又は複数列打ちするかの変更)のいずれか一方又はそれらの両方を実施することで、図3に示すように、壁倍率として4.0又は壁倍率として3.0又は壁倍率として2.5が得られる。
前記釘着間隔の変更は、前記したように、壁倍率2.5の耐力壁6cの釘打ち仕様を変更するだけで、同じ耐力面材Pを用いて、同じ釘8を用いて、壁倍率4.0の耐力壁6a、又は壁倍率3.0の耐力壁6bが得られるのである。
耐力面材P(本例ではラストップ10)の外周部及び中通りにおける釘着間隔を150mmのままとし、外周下部を1列打ちから2列打ちとする変更のみで、壁倍率が2.5から3.0へ向上する。また、耐力面材P(本例ではラストップ10)の外周部における釘着間隔を150mmから100mmへ変更し、中通りにおける釘着間隔は150mmのままとし、外周下部を1列打ちから2列打ちとする変更のみで、壁倍率が2.5から4.0へ向上する。
このように、同じ耐力面材Pと同じ釘8を用いて、釘着の間隔及び単数列打ち(1列打ち)するか又は複数列打ち(2列打ち)するか、及びその箇所(例えば外周下部のみ2列打ち)を選択することで、複数の異なる壁倍率の耐力壁6が得られる。このことにより、合理的で、無駄がなく、偏りの少ない耐震構造設計が可能となる。
本実施例は当社製の軽量モルタル層複合合板(商品名、ラストップ)について例示したが、これ以外に各種合板、パーティクルボード、ハードボード、中比重繊維板、OSB、石膏ボード、各種窯業系ボード、火山性ガラス質複層板、その他複合材等の板状の耐力面材であってもよいものとする。
図4〜図6において、通気構法を施した枠組壁工法における本発明の外壁構造について詳述する。図4は、木造枠組壁工法による本発明の外壁構造の一実施形態を示す一部切欠正面図である。本例に示す高度耐震性を有する耐力壁体1は、木質構造体2の室外側に耐力面材Pが釘8で取り付けられている。
詳しくは、木質構造体2の室外側に透湿防水シート15を介して縦通気受材13a、横通気受材13bが取り付けられ、その上に耐力面材Pが釘8によって釘着固定されている。
前記木質構造体2は基礎11の上に横方向(間口方向)に下部構造材5が取り付けられ、それと所定寸法を隔てた対向する上部の横方向(間口方向)に上部構造材4が取り付けられている。該上部構造材4と下部構造材5の間に縦方向(高さ方向)に縦構造材3が所定の間隔で設けられている。さらに本例では前記縦構造材3が建物の二階方向にも設けられている。木造枠組壁工法においては、前記下部構造材5として下枠、端根太、土台が、また、上部構造材4として上枠、頭つなぎ、端根太が、また、縦構造材3として縦枠(スタッド)が設けられている。
詳しくは本発明の耐力壁体1を構成する木質構造体2の第二実施形態は木造枠組壁工法による木質構造体であり、木造枠組壁工法によれば、厚み2インチ×幅4インチの断面寸法を有する縦枠(スタッド)を2〜3本結合させ、縦構造材3となし、該縦構造材3を0.5間(約900mm)間隔で配置し、これらの縦構造材3の間に1.5尺(約450mm)間隔で2本の縦枠(スタッド)を配置した構成である。
また、前記上部構造材4は上枠とその上方に位置する端根太の間に、頭つなぎを配置した構成の横架材である。また、前記下部構造材5は下枠とその下方に位置する土台の間に端根太を配置した構成の横架材である。
また、前記木造枠組壁工法による木質構造体2を構成する縦構造材3、上部構造材4、下部構造材5等は、栂材、ベイツガ材、スプルース材、スギ材、桧材又はこれらの集成材などの材料が用いられているが、勿論これら以外の広葉樹材又は針葉樹材等の材料であってもよいものとする。
図5は、図4のB−B線断面図である。0.5間(約900mm間隔)で縦構造材3(縦枠、すなわち、スタッドを2〜3本結合させたもの)が配置されており、その間に1.5尺間隔(約450mm間隔)で縦構造材3(縦枠、すなわち、スタッド)が配置されて木質構造体2のB−B線断面が形成され、各縦構造材3の間に断熱材7が設けられ、室内側に内装パネル12が取り付けられ、木質構造体2の室外側の上に、透湿防水シート15を介して縦通気受材13a、横通気受材13b設けられ(断面図では縦通気受材13aの断面のみが図示されている)、その上に、耐力面材Pが釘8で取り付けられている。
図6において、本発明の耐力壁体1を構成する耐力面材Pの釘打ち固定と壁倍率との関係について詳述する。図4、図5で詳述したように、前記木質構造体2の室外側に耐力面材Pが透湿防水シート15及び通気受材13を介して釘打ち固定されている。また、室内側には内装パネル12が張り合わされている。これらの間に断熱材7が設けられている。
図6に示す耐力面材Pを固定する釘8は釘打ち施工作業性を考慮するとCN−50の釘を用いるのが好適である。釘打ち間隔は施工作業性を考慮して100mmピッチ又は150mmピッチ又は200mmピッチ又はこれらのピッチの組み合わせがよい。本例では、耐力面材Pの外周部の釘打ち間隔を100mm又は150mm間隔とし、中通り(耐力面材Pの略中央部を縦方向に釘着)での釘打ち間隔を150mm間隔又は200mm間隔とし、外周下部は100mm間隔の2列打ち又は150mm間隔の2列釘打ちとし、外周上部も、100mm間隔の2列打ち又は150mm間隔の2列釘打ちとした場合の例である。
例えば、耐力面材Pとして当社製のラストップ10(厚さ5.0mmの構造用合板に厚さ5.0mmの軽量モルタル層を複合させたもの)を用い、耐力面材Pの外周部の釘打ち間隔を100mm間隔とし、中通り(耐力面材Pの略中央部を縦方向に釘着)での釘打ち間隔を150mmとし、外周上部及び外周下部は100mm間隔で2列釘打ちとした場合の耐力壁6dの壁倍率は4.0が得られる。
また、耐力面材Pの外周部の釘打ち間隔を150mm間隔とし、中通り(耐力面材Pの略中央部を縦方向に釘着)での釘打ち間隔を200mm間隔とし、外周上部及び外周下部は150mm間隔で2列釘打ちとした場合の耐力壁6eの壁倍率は3.0が得られる。
住宅等建物の外壁構造で特に耐力面材Pを下地となる木質構造体2の上に釘8を用いて釘着施工する場合、釘8の種類と釘着ピッチをいかにするか、また、釘打ちを1列打ちとするか2列打ちとするかによって、耐力壁体1を構成する各耐力面材Pの壁倍率が異なってくる。また、住宅等建物の耐震性能基準については、前記木造軸組工法の場合と同様に定められている。
また、木造枠組壁工法の場合においても、重心Gと剛心Mとの隔たりLを極力小さくし、すなわち、偏心ができるだけ小さくなるように設計し、偏りを少なくすることが極めて大切である。従来、木造住宅の構造設計において、上記偏心を少なくすることは極めて煩雑な構造設計を要し、大変困難な設計及び施工であった。本発明の主旨は同じ耐力面材Pと同じ釘8を用いて、ただ、釘着間隔と釘の打ち方(1列打ちとするか又は2列打ちとするか)を変えることによって、このことを極めて簡単に可能としたところにある。
前記木造枠組壁工法の通気構法の場合、例えば、ラストップ10の場合、同じ耐力面材P(本例ではラストップ10)を用い、同じCN−50の釘8を用いて、釘着間隔を変更するか又は釘打ち方法の変更(単数列打ちするか又は複数列打ちするかの変更)のいずれか一方又はそれらの両方を実施することで、図6に示すように、壁倍率として4.0又は壁倍率として3.0等の高壁倍率が得られる。
このように、同じ耐力面材Pと同じ釘8を用いて、釘着の間隔及び単数列打ち(1列打ち)するか又は複数列打ち(2列打ち)するか、及びその箇所(例えば外周上部及び外周下部の両方とも2列打ち)を選択することで、複数の異なる壁倍率の耐力壁6が得られる。このことにより、合理的で、無駄がなく、偏りの少ない耐震構造設計が可能となる。
前記木造枠組壁工法で通気構法仕様の場合、上記の如く、例えば、ラストップ10の場合、同じ耐力面材P(本例では当社製ラストップ10)を用い、同じCN−50の釘を用いて、釘着間隔と単数列打ちするか又は複数列打ちするか、のみ変えれば、壁倍率として4.0又は3.0が得られる。
本発明の耐力壁体1は同じ耐力面材Pと釘8を用い、筋かい等を使用せず、開口部Kの取り方や間取りの自由性を向上させ、しかも、施工性、コスト、耐震性に優れた建物を可能とする外壁構造である。これを実現するために、施工作業性低下とコストアップの要因となる、特別な耐力面材や特別な金具や長さの異なる釘や特に長さの長い釘を用いなくても、従来からの同じ耐力面材と釘を用いることでも、耐力面材への釘着間隔と釘着位置の少なくともいずれか一方を変えることで施工性、コスト、耐震性に優れた建物を可能としたものである。
すなわち、本発明の考え方は、同じ耐力面材Pと釘8を用いることでも、耐力面材Pへの釘着間隔と釘着位置の少なくともいずれか一方を変えることで壁倍率の大きなものから小さなものまで、複数の異なる壁倍率の耐力壁6を得ることが可能となり、しかも、建物の平面図で見て、該異なる壁倍率の耐力壁6を建物のそれぞれの必要とする箇所に合理的に無駄なく、しかも、偏りを少なくなるように組み合わせ配置することで、耐力壁6の合理的な配置を可能とすることにある。
本実施例は当社製の軽量モルタル層複合合板(商品名、ラストップ)について例示したが、これ以外に各種合板、パーティクルボード、ハードボード、中比重繊維板、OSB、石膏ボード、各種窯業系ボード、火山性ガラス質複層板、その他複合材等の板状の耐力面材であってもよいものとする。
これまで、木造軸組工法及び木造枠組壁工法について詳述してきたが、これらの工法に限定されるわけではなく、種々の工法による木質の外壁構造についてもあてはまる。すなわち、例えば、木質系組立構造(木質系プレハブ工法)、又は、一部に鉄骨系の梁や接続金具を用いた木質構造材に耐力面材を取り付けた外壁構造等であっても勿論よいものとする。
以下図7において、本願発明の実施例を示して、本願発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。図7に本願発明の耐力壁体1の予定壁倍率の一実施例を示す。図7は建物の一階部分の平面図である。木造軸組工法で通気受材を用いない直張り仕様の例(図1〜図3参照)であるが、通気構法を施した木造枠組壁工法の場合(図4〜図6参照)においても、基本は同じである。また、その他の工法においても基本は同じである。
耐力面材Pとして当社製のラストップ10(厚さ5.0mmの構造用合板に厚さ5.0mmの軽量モルタル層を複合させたものである)を用い、釘8としてN−50の釘を使用した。釘着間隔と釘着位置を種々変えて、壁倍率4.0の耐力壁6a、壁倍率3.0の耐力壁6b、壁倍率2.5の耐力壁6c、の3種類の耐力壁6を得た。
平面図で異なる太さの実線で示したのがさまざまな異なる壁倍率の耐力壁6a〜6cである。波線で示す箇所は開口部Kである。X軸方向で3間長さ(約5400mm、1間は約1800mm)、Y軸方向で4間長さ(約7200mm)で、1階部分の建坪が約10坪の住宅である。平面図で右方が北を指し、北西の角部が凹部となる平面形状であり、入り隅となっている。
南側に間口1.25間(約2250mm)の開口部Kが2箇所あり、東側にも間口1間の開口部Kが1箇所あり、入り隅部でない北側には間口0.5間の開口部Kが1箇所あり、入り隅部でない西側にも間口0.5間の開口部Kが1箇所ある。さらに、入り隅部の北側面は間口0.5間の開口部Kが1箇所あり、また、入り隅部の西側面にも間口0.5間の開口部Kが1箇所ある。
壁倍率が異なる耐力壁6a〜6cの配置は平面図のとおりである。さらに、重量の中心である重心G及び堅さの中心である剛心Mの位置は距離Lだけ隔たっており、平面図で図示する位置にある。ここで、異なる壁倍率の耐力壁6a〜6cの釘打ち仕様は下表の表1に示すとおりであった。
本実施例の住宅について下記手順に従って、建築基準法で定める耐震性能の等級レベルをチェックして確認した。
(表1)耐力面材の壁倍率表
木造軸組工法の直張り仕様の場合
Figure 2008150849
次に枠組壁工法の場合の例を参考までに下表に示す。
(表2)耐力面材の壁倍率表
木造枠組壁工法の通気工法仕様の場合
Figure 2008150849
上記、建築基準法で定める耐震性能の等級レベルをチェックして確認する手順を前記実施例に基づいて具体的に述べる。(木造軸組工法の例で示すが木造枠組壁工法、又はその他の工法の場合も基本は同様である。)
(手順)耐震性能の等級レベルチェック手順。
1.存在壁量がその耐震性能等級レベルで必要とする必要壁量以上であるか確認する。
存在壁量≧必要壁量を確認する。存在壁量(cm)は下記に示す式に従って算出する。
存在壁量(cm)=(耐力面材の長さ(cm)×耐力面材の壁倍率)の建物のX方向の合計値及びY方向の合計値である。建物1階のX方向の存在壁量、建物1階のY方向の存在壁量、建物2階のX方向の存在壁量、建物2階のY方向の存在壁量をそれぞれ算出する。
また、存在壁量は耐力壁以外の準耐力壁、腰壁も考慮する。
2.当該建物の必要壁量を、屋根重量、地震地域係数、その地域の積雪深さ、2階の床面積の1階床面積に対する割合等を考慮して決定する。
3.建物の壁の配置のバランスがよいかどうか、すなわち偏心がないかどうかを確認する。前記重心Gと剛心Mとの距離Lが大きくなりすぎないように壁の配置に注意する。前記偏心のチェックの簡易法は、以下のとおりである。すなわち、建物の平面上で各階、各方向ごとに外側から1/4づつの長さのエリアを設定し、両端のエリアの存在壁量の必要壁量に対する比を左右で比べる。このとき、双方が1以上であるか、そうでない場合に、小さい方の数値が大きい方の数値の0.5倍以上であることを確認する。
4.以上、壁の場合でくわしく述べたが、同様にして、床倍率、接合部、基礎、横架材等についてもチェックを行う。各耐震等級レベルで必要とされる上記各条件を満たせば当該耐震性能等級レベルであることが確認できる。
5.上記手順1〜手順4を図7で示す実施例の建物についてチェックし確認する。
以上で、耐震性能等級レベルの確認手順が完了する。
本願発明は、上記の複数の異なる壁倍率の耐力壁6を、同じ耐力面材P(例えば、ラストップ10)と同じ釘(N−50又はCN−50)を使用し、釘着間隔と釘着位置の少なくとも何れか一方を種々変えることで、極めてきめ細かい段階ごとの壁倍率の耐力壁6の作製が可能となり、従って、図7に例示するように、大きな壁倍率を必要とする箇所、中程度でよい箇所、比較的小さな壁倍率でよい箇所を、1棟の建物のなかで、極めてきめ細かく使い分けることが可能となり、極めて合理的で、無駄のない耐力壁配置の設計が施された耐力壁体1が可能となる。
図8において、本発明の耐力面材Pの釘着位置の表示について詳述する。先ず図8の(イ)は、耐力面材Pを正面から見たところを示す。耐力面材Pの表面に釘着位置表示9が明示されている。本例に示す釘着位置表示9は、100mm間隔で設けられている位置表示ライン9aと、該位置表示ライン9aと9aの間の中間位置に設けられている位置表示ライン9bの2種類である。すなわち、本実施例では、図示するように、位置表示ライン9aと9bとが交互に且つ縦横に枡目状に設けられている。さらに、前記釘着位置表示ライン9aと9bとが異なった色調で表示されていると、100mm間隔、150mm間隔等の異なる間隔の釘着位置の識別にとって好適である。本実施例に示す2種類交互状の枡目状形態以外に、2種類以上であってもよい。また、前記表示ラインを1種類とし、それを50mm間隔で設けても勿論よいものとする。
また、前記釘着位置表示9が厚みが約0.01mm〜約0.05mm程度の薄い合成樹脂フィルムの表面に印刷された釘着位置表示9であってもよい。合成樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル樹脂フィルム、ポリエチレン樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂フィルム、塩ビ樹脂フィルム、ポリオレフィン樹脂フィルム、ポリウレタン樹脂フィルム等が好適である。また、合成樹脂フィルムの代わりに坪量が約15〜30g/m程度の薄葉紙等の表面に印刷された釘着位置表示9であっても、勿論よいものとする。前記合成樹脂フィルム又は薄葉紙に印刷されたシート状位置表示9の場合、外壁パネル表面の所定位置に貼着し、シートの上から釘打ちした後、シートを剥がして除去してもよい。
また、前記外壁パネルの表面仕上げ例として、外壁パネル表面にモルタル層を上塗りして仕上げる場合や、タイル張りして仕上げる場合や、サイディング材等の外装材を用いる場合が多いが、これらの場合は、前記シート状位置表示9として、外壁パネル表面の複合モルタル層、仕上げモルタル層、タイル下地モルタル層、又は、サイディング材、サイディング下地材等との接着性の良いシートを選定すれば、前記シート状位置表示9を剥がす必要がなく作業性が向上する。前記接着性の良いシートとしては、前記薄葉紙、ウレタン系樹脂シート等を好適なものとして例示できる。
また、前記したような、位置表示でなく、図示しないが、印付きの定規等であっても、勿論よいものとする。これらを用いることで、釘打ち位置が分かり易く施工作業性が向上するばかりでなく、施工精度も向上する。
また、別の好適な位置表示として、図示しないが、他の実施例として以下の方法もある。木造軸組工法の例で示すが木造枠組壁工法の場合も基本は同様である。すなわち、本例では、耐力面材PをA板、B板の2種類作製する。これらを使い分ける方法である。前記A板には壁倍率が4.0の識別できる印刷等の表示を施す。前記B板には壁倍率が3.0と壁倍率が2.5の識別できる印刷等の表示を施す。施工時にA板とB板を使い分ける。
また、他の例として、図8の(ロ)に示すように、各壁倍率に対応可能なように、釘打ち位置として、100mm、150mm、200mmが識別できる位置表示として、例えば、耐力面材Pの左右の外周端部は、50mm間隔の波線で表示することで、50mm、100mm、150mm、200mm間隔の釘打ち位置が識別できる。また、耐力面材Pの中通りは75mm間隔の波線で表示することで、150mm間隔の釘打ち位置が識別できる。また、上端部と下端部は、長さカットされても表示が残るように長さ約200mmで、50mm間隔の縦線を表示することで、50mm、100mm、150mmの位置が識別できる。従って、施工管理を容易に行うことができる。
木造軸組工法による本発明の外壁構造の一実施形態を示す一部切欠正面図。 図1のA−A線断面図。 木造軸組工法による本発明の耐力面材Pの正面図で釘打ちを行った状態の一実施形態を示す。 通気構法を施した枠組壁工法による本発明の外壁構造の一実施形態を示す一部切欠正面図。 図4のB−B線断面図。 通気構法を施した枠組壁工法による本発明の耐力面材Pの正面図で釘打ちを行った状態の一実施形態を示す。 本発明の耐力壁の予定壁倍率の一実施形態を示す平面図。 本発明の耐力面材Pの釘着位置表示を示す模式図。
符号の説明
1 耐力壁体
2 木質構造体
3 縦構造材
4 上部構造材
5 下部構造材
6 耐力壁
6a 耐力壁
6b 耐力壁
6c 耐力壁
6d 耐力壁
6e 耐力壁
7 断熱材
8 釘
9 釘着位置表示
9a 位置表示a
9b 位置表示b
11 基礎
12 内装パネル
13 通気受材
13a 縦通気受材
13b 横通気受材
14 通気路
15 透湿防水シート
P 耐力面材
x X軸方向
y Y軸方向
G 重心
M 剛心
L 重心と剛心の隔たり。
N 北方向
K 開口部

Claims (5)

  1. 木質構造材、耐力面材を含んでなり、前記木質構造材に同じ耐力面材と釘を用いて、所定の釘着間隔で釘着されてなる木質の外壁構造であって、前記耐力面材への釘着間隔又は釘打ち位置の少なくともいずれか一方を変えることによって、異なった壁倍率の耐力壁を得、該異なる壁倍率の耐力壁が建物のそれぞれの必要とする箇所に偏心が少なくなるように組み合わせ配置されたことを特徴とする外壁構造。
  2. 前記木質構造材が木造軸組工法による柱、間柱等の縦方向の木質構造材及び土台、胴差、軒桁等の横方向の木質構造材であることを特徴とする請求項1に記載の外壁構造。
  3. 前記木質構造材が木造枠組壁工法による縦枠等の縦方向の木質構造材及び上枠、下枠、端根太、土台等の横方向の木質構造材であることを特徴とする請求項1に記載の外壁構造。
  4. 前記木質構造材と耐力面材との間に通気受材が設けられ、前記耐力面材と木質構造材との間に通気路が形成され、該通気路によって通気構法が施されたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の外壁構造。
  5. 前記耐力面材表面の釘打ち位置の所定箇所に複数の異なる壁倍率の目安となる釘打ち位置表示が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の外壁構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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