JP2024043653A - 手摺壁 - Google Patents

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孝広 箱崎
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Abstract

【課題】カーボンニュートラルの推進による脱炭素社会の実現や、SDGsの目標達成に貢献できるとともに、階段の設計自由度への影響を抑えつつ、手間やコストを軽減できる手摺壁を提供する。【解決手段】階段1の手摺壁10であって、壁パネル2と、壁パネル2上に設けられた木製の軸組構造体11と、を備え、上面が傾斜面とされている。そして、軸組構造体11を、手摺壁10の上面(傾斜面)を形成する斜材12と、壁パネル2と斜材12との間に設けられる縦材14と、壁パネル2と縦材14との間に設けられる横材15と、を備えて構成することで、傾斜面(上面)を含む手摺壁10の上部を、壁パネル2上に軸組みすることによって形成された軸組構造体11で構成する。【選択図】図2

Description

本発明は、階段の手摺壁に関する。
特許文献1には、壁(外壁、内壁)が壁パネルによって構成された建物に関するが技術が開示されている。
特開2016-037772号公報
近年、二酸化炭素の排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの推進による脱炭素社会の実現や、SDGs(Sustainable Development Goals)の目標達成が求められており、建築業界においても、建物を二酸化炭素排出量の少ない木造とする取り組みが進められている。そのため、階段の手摺壁も全体を木造とすることが望まれている。
手摺壁を、壁パネルのみで構成すれば、全体を木造とすることが可能である。階段の手摺壁は、上面の全体が、又は一部(一部を除く略全体)が傾斜面になっているので、例えば直方体状の壁パネル(矩形状の壁パネル)と傾斜面を有する壁パネル(直角三角形状や直角台形状の壁パネル)を組み合わせることで、骨組みに鉄骨等の金属を用いない、全体が木造の手摺壁を構成できる。
手摺壁の上面(傾斜面)の傾斜角度は、階段の勾配角度と同一に設定されるが、階段の勾配角度は、建物の大きさ、間取り、階高等に応じて異なる。したがって、手摺壁を壁パネルで構成する場合、手摺壁用の壁パネル(傾斜面を有する壁パネル)として、個々の階段の勾配角度に合わせて傾斜面の傾斜角度が調整された壁パネルを用意する必要があり、その分手間やコストがかかる。一方、このような手間やコストの増加を回避するために、手摺壁用の壁パネル(傾斜面を有する壁パネル)として規格化された壁パネルを用いると、壁パネルが有する傾斜面の傾斜角度に合わせて階段側の設計(階段の勾配等)を変えなければならない場合があり、階段の設計自由度が損なわれかねない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、カーボンニュートラルの推進による脱炭素社会の実現や、SDGsの目標達成に貢献できるとともに、階段の設計自由度への影響を抑えつつ、手間やコストを軽減できる手摺壁を提供することである。
請求項1に記載の発明は、例えば図1~図10に示すように、
階段1の手摺壁10であって、
壁パネル2と、
前記壁パネル2上に設けられた木製の軸組構造体11と、を備え、
上面が傾斜面とされており、
前記軸組構造体11は、
前記傾斜面を形成する斜材12と、
前記壁パネル2と前記斜材12との間に設けられる縦材14と、
前記壁パネル2と前記縦材14との間に設けられる横材15と、を備えて構成されることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、傾斜面(上面)を含む手摺壁10の上部を、壁パネル2上に軸組みすることによって形成された軸組構造体11で構成することができる。したがって、階段1の勾配に合った傾斜面を有する壁パネルを用いることなく手摺壁10を造ることができるので、手間やコストを軽減することができる。また、傾斜面(上面)の傾斜角度を任意に設定できて、個々の階段の勾配に合う手摺壁10を造ることができるので、階段1の設計自由度への影響を抑えることができる。
さらに、手摺壁10は、壁パネル2(木製パネル)と、木製の軸組構造体11とによって構成されているので、カーボンニュートラルの推進による脱炭素社会の実現や、SDGsの目標達成に貢献できる。
請求項2に記載の発明は、例えば図2,3,4,6,7,9,10に示すように、請求項1に記載の手摺壁10において、
前記軸組構造体11は、前記階段1の昇降方向に間隔を空けて配設される複数の前記縦材14を備えており、
前記横材15は、前記複数の縦材14のうち、前記昇降方向における最も下降側に位置する縦材14(最下段の縦材14)と、前記壁パネル2と、の間に設けられていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、複数の縦材14のうち、鉛直荷重が最もかかる縦材14(最下段の縦材14)と、壁パネル2と、の間に横材15が設けられているので、横材15を介して、最下段の縦材14から壁パネル2へと荷重が伝達されることとなる。したがって、横材15によって最下段の縦材14から伝達される荷重を分散することができるので、手摺壁10の強度(鉛直荷重に耐える強度)を高めることができる。
請求項3に記載の発明は、例えば図1,2,3,4,8,9に示すように、請求項1に記載の手摺壁10において、
前記上面は、前記傾斜面の他に、水平面を有しており、
前記軸組構造体11は、
前記水平面を形成する水平材13と、
前記斜材12と前記水平材13を連結する補強材17と、を備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、斜材12と水平材13の接合部分に、斜材12と水平材13を連結する補強材17が設けられているので、斜材12と水平材13の接合部分を支持するために縦材14を追加する場合に比べてコストを抑えることができる。
請求項4に記載の発明は、例えば図5(a)に示すように、請求項1に記載の手摺壁10において、
前記軸組構造体11は、
前記階段1の昇降方向に連なって配設される複数の前記斜材12と、
前記縦材14に取り付けられた調整材18aと、を備えており、
隣接する前記斜材12,12のうち、一方の端部は前記縦材14に固定されており、他方の端部は当該縦材14に取り付けられた前記調整材18aに固定されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、一方の斜材12における端部(他方の斜材12に接する側の端部)を支持する縦材14に、他方の斜材12における端部(一方の斜材12に接する側の端部)を支持するための調整材18aが取り付けられているので、他方の斜材12における端部(一方の斜材12に接する側の端部)を支持するために縦材14を追加する場合に比べてコストを抑えることができる。
請求項5に記載の発明は、例えば図5(b)に示すように、請求項1に記載の手摺壁10において、
前記軸組構造体11は、
前記階段1の昇降方向に連なって配設される複数の前記斜材12と、
前記斜材12,12同士を連結する継手材18bと、を備えることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、斜材12,12同士の接合部分に、一方の斜材12と他方の斜材12を連結する継手材18bが設けられているので、斜材12,12同士の接合部分を支持するために縦材14を追加する場合に比べてコストを抑えることができる。
請求項6に記載の発明は、例えば図2,3,4,5,6,7,9に示すように、請求項1に記載の手摺壁10において、
前記階段1の昇降方向に連なって配設される複数の前記壁パネル2を備え、
前記複数の壁パネル2は、互いに高さ寸法が異なり、下端面が互いに面一とされて、高さ順に並んでいることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、手摺壁10を構成する複数の壁パネル2が段違いに割り付けられている。したがって、縦材14を、壁パネル2の上端面だけでなく、壁パネル2,2同士の段差部(高い方の壁パネル2の端面(低い方の壁パネル2に接する側の端面))にも固定することが可能となるので、壁パネル2に対する軸組構造体11の固定強度を高めることができて、手摺壁10の構造的な安定性や耐久性が向上する。
請求項7に記載の発明は、例えば図1,4に示すように、請求項1に記載の手摺壁10において、
当該手摺壁10は、被覆材(耐火被覆材5)によって被覆されており、
前記軸組構造体11の両面を被覆する前記被覆材5は、前記軸組構造体11から前記壁パネル2に跨って設けられることを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、手摺壁10は、被覆材5によって両側から挟まれた状態で設置されており、さらに、壁パネル2と軸組構造体11の接合部分が被覆材5で覆われているので、軸組構造体11にかかる水平荷重は、直接壁パネル2へと伝達されるだけでなく、被覆材5を介して壁パネル2へと伝達されることとなる。したがって、軸組構造体11にかかる水平荷重を、当該軸組構造体11を支持する壁パネル2へと効率よく伝達することができるので、手摺壁10の強度(水平荷重に耐える強度)を高めることができる。
請求項8に記載の発明は、例えば図4に示すように、請求項7に記載の手摺壁10において、
前記軸組構造体11の両面は、複数の前記被覆材5によって被覆されており、
前記被覆材5,5同士の継目が前記縦材14の側方に位置することを特徴とする。
請求項8に記載の発明によれば、被覆材5の端部(隣接する被覆材5に接する側の端部)を、縦材14に固定することが可能となるので、手摺壁10に対する被覆材5の固定強度を高めることができて、手摺壁10の構造的な安定性や耐久性が向上する。
本発明によれば、階段の手摺壁として、カーボンニュートラルの推進による脱炭素社会の実現や、SDGsの目標達成に貢献できるとともに、階段の設計自由度への影響を抑えつつ、手間やコストを軽減できる手摺壁を提供することができる。
手摺壁が設けられた階段室の一例を示す平面図である。 手摺壁が設けられた階段室の一例を示す斜視図である。 手摺壁の一例を示す側面図である。 手摺壁を被覆する被覆材の配置例を示す側面図である。 手摺壁の変形例を示す要部分解斜視図である。 軸組構造体の組立例を説明する図である。 軸組構造体の組立例を説明する図である。 軸組構造体の組立例を説明する図である。 階段の変形例を示す図である。 階段の変形例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。なお、以下の実施形態及び図示例における方角(前後左右)は、あくまでも説明の便宜上設定したものである。
〔手摺壁の構造〕
図1~図4において符号1は、上下階を接続する階段を示す。階段1は、住宅等の建物において階段室として区画されるスペースに配置され、建物の躯体に固定されて設置される。
建物は、壁や床、屋根といった建物の構成要素を予め工場でパネル化しておき、施工現場でこれらのパネルを組み立てるパネル工法で構築されるが、これに限られるものではなく、従来の軸組工法、壁式工法、ツーバイフォー工法等で構築されるものとしてもよい。
また、パネルとは、建築用パネルであり、縦横の框材が矩形状に組み立てられて矩形枠が構成され、この矩形枠の内部に補助桟材が縦横に組み付けられて枠体が構成され、この枠体の両面もしくは片面に面材が貼設されたものであり、内部中空な構造となっている。その内部中空部(面材の裏側)には、通常、グラスウールやロックウール等の断熱材が充填される。
すなわち、建物の躯体は、本実施形態においては、壁パネル2、床パネル3、屋根パネル等の建築用パネルや、複数の壁パネル2間に架け渡された梁4等によって構成されている。そして、躯体を構成する躯体構造材(建築用パネルや梁4等)は、耐火被覆材5によって被覆されて各部屋(階段室等)の壁や床、天井を構成している。
本実施形態では、耐火被覆材5として、石膏ボードを用いるが、これに限られるものではなく、その他の種類の耐火被覆材であってもよい。
階段1は、複数の階段ユニットを備えるユニット階段である。本実施形態における階段1は、複数の直階段ユニットを備えており、これら複数の直階段ユニットが組み合わされて構成されている。
なお、階段1を構成する階段ユニットは、全体が、又は一部(一部を除く略全体)が予め工場で製造されている。
階段1は、本実施形態においては、複数の直階段ユニットにより構成される直階段とされているが、これに限られるものではない。階段1を構成可能な階段ユニットには、直階段ユニットの他に、廻り階段ユニットや踊り場ユニット等がある。例えば、階段1は、直階段ユニットと踊り場ユニットにより構成される階段(折り返し階段、かね折れ階段、踊り場付き直階段、踊り場付き両返し階段、上下踊り場付き折り返し階段等)でもよい。また、折り返し階段やかね折れ階段等は、踊り場ユニットではなく、廻り階段ユニットによるものでもよい。また、階段1は、直階段ユニットと廻り階段ユニットにより構成される階段(下廻り階段、上廻り階段、上下廻り階段(上下3段廻り付き階段)等)でもよい。すなわち、階段1の種類は、特に限定されるものではない。
さらに、階段1は、規格化された以上の各階段ユニットを自由に組み合わせて形成することが可能となっており、階段1を構成するのに必要な階段ユニットを階段セットとしてセット化してもよい。
また、階段室を構成する躯体構造材(建築用パネルや梁4等)の配置や数量は、階段1の種類に応じて適宜変更されるものとする。
階段室には、階段1の昇降方向(前後方向)に沿って手摺壁10が設置されている。手摺壁10は、上面の全体が、又は一部(一部を除く略全体)が傾斜面とされた勾配手摺壁であり、直方体状に形成された木製の壁パネル2と、壁パネル2上に軸組みすることによって形成された木製の軸組構造体11を備えて構成される。すなわち、手摺壁10は、壁パネル2と軸組材(後述する斜材12、水平材13、縦材14、横材15等)で構成される腰壁である。本実施形態の手摺壁10は、図2~図4に示すように、当該手摺壁10の上面のうち、階段1の昇降方向における上昇側の端部(前端部)が水平面とされており、それ以外の部分が傾斜面とされている。
手摺壁10を構成する壁パネル2の配置や数量は、手摺壁10のサイズ(平面長さ(前後寸法)等)に応じて適宜変更されるものとする。例えば、手摺壁10を構成する壁パネル2の数は、一つでもよいし、複数でもよい。
本実施形態の手摺壁10は、当該手摺壁10を構成する壁パネル2として、図2や図3に示すように、段違いに割り付けられた三つの壁パネル2を備えている。すなわち、本実施形態の手摺壁10は、互いに高さ寸法が異なる三つの壁パネル2を備えており、当該三つの壁パネル2は、下端面が互いに面一とされている。そして、当該三つの壁パネル2のうち、高さ寸法が最も短い壁パネル2が階段1の昇降方向における最も下降側(後側)に位置し、高さ寸法が最も長い壁パネル2が階段1の昇降方向における最も上昇側(前側)に位置するように、高さ順に並んで配置されている。以下、当該三つの壁パネル2のうち、高さ寸法が最も短い壁パネル2を「低壁パネル」と称し、高さ寸法が最も長い壁パネル2を「高壁パネル」と称し、低壁パネルと高壁パネルとの間に配置される壁パネル2を「中壁パネル」と称する。
軸組構造体11は、製材された材木(角材や板材)を複数組み合わせて構成されている。具体的には、軸組構造体11は、図2や図3に示すように、手摺壁10の上面を形成する斜材12及び水平材13と、斜材12及び水平材13と壁パネル2との間に互いに間隔を空けて設けられる複数の縦材14と、縦材14と壁パネル2との間に設けられる横材15と、縦材14,14間に設けられる下地材16等を備えて構成される。軸組構造体11の厚さ寸法(左右寸法)は、壁パネル2の厚さ寸法(左右寸法)と略同一に設定されている。
斜材12は、手摺壁10の上面のうち傾斜面を形成し、水平材13は、手摺壁10の上面のうち水平面を形成する。斜材12と水平材13の継目(接合部分)には補強材(添え木)17が設置されている。具体的には、補強材17は、斜材12と水平材13を連結する連結部材であり、斜材12と水平材13に跨って、斜材12及び水平材13の下面側に設けられている。
なお、補強材17を設けずに、斜材12と水平材13の接合部分を支持する位置に縦材14を追加して、当該追加した縦材14に、斜材12の端部(水平材13に接する側の端部)と水平材13の端部(斜材12に接する側の端部)を固定することも可能である。しかし、補強材17は縦材14よりも短く、補強材17を用いる方が、縦材14を追加するよりもコストを抑えることができるので好ましい。
また、手摺壁10は、上面の全体が傾斜面とされていてもよく、その場合には、水平材13(及び補強材17)は設けられない。
軸組構造体11を構成する斜材12の配置や数量は、手摺壁10のサイズ(平面長さ(前後寸法)等)に応じて適宜変更されるものとする。例えば、軸組構造体11を構成する斜材12の数は、図1~図4に示すように一つでもよいし、例えば図5に示すように複数でもよい。すなわち、軸組構造体11は、階段1の昇降方向(前後方向)に並んで連設される複数の斜材12を備えるものであってもよく、その場合には、図5に示すように、斜材12,12同士の継目に調整材(埋木)18aや継手材(添え木)18bが設けられる。
具体的には、例えば図5(a)に示すように、斜材12,12同士の継目(接合部分)が一の縦材14の近傍に位置する場合であって、一方の斜材12における端部(他方の斜材12に接する側の端部)が当該一の縦材14に対し固定(例えばビス固定)可能な位置にあり、他方の斜材12における端部(一方の斜材12に接する側の端部)が当該一の縦材14に対し固定困難な位置にある場合には、当該一の縦材14の上端部に調整材18a(例えば、長さ200mm以上の縦芯材の端材)を取り付ける。そして、一方の斜材12における端部(他方の斜材12に接する側の端部)を、当該一の縦材14に固定具(ビス等)や接着剤又はそれらの併用によって固定する。また、他方の斜材12における端部(一方の斜材12に接する側の端部)を、調整材18aに固定具(ビス等)や接着剤又はそれらの併用によって固定することで、調整材18aを介して当該一の縦材14に固定する。
なお、調整材18aを設けずに、他方の斜材12における端部(一方の斜材12に接する側の端部)を支持する位置に縦材14を追加して、当該追加した縦材14に他方の斜材12における端部(一方の斜材12に接する側の端部)を固定することも可能である。しかし、調整材18aは縦材14よりも短く、調整材18aを用いる方が、縦材14を追加するよりもコストを抑えることができるので好ましい。
また、例えば図5(b)に示すように、斜材12,12同士の継目(接合部分)が縦材14の近傍に位置しない場合、すなわち、一方の斜材12における端部(他方の斜材12に接する側の端部)が縦材14に対し固定(例えばビス固定)困難な位置にあり、他方の斜材12における端部(一方の斜材12に接する側の端部)も縦材14に対し固定困難な位置にある場合には、一方の斜材12と他方の斜材12を継手材18bによって連結する。すなわち、斜材12,12同士の継目を下方から覆うように継手材18b(例えば、長さ300mm以上の縦芯材の端材)を配置して、当該継手材18bに、一方の斜材12における端部(他方の斜材12に接する側の端部)と、他方の斜材12における端部(一方の斜材12に接する側の端部)と、の双方を固定具(ビス等)や接着剤又はそれらの併用によって固定する。
なお、継手材18bを設けずに、斜材12,12同士の継目を支持する位置に縦材14を追加して、当該追加した縦材14に、一方の斜材12における端部(他方の斜材12に接する側の端部)と他方の斜材12における端部(一方の斜材12に接する側の端部)を固定することも可能である。しかし、継手材18bは縦材14よりも短く、継手材18bを用いる方が、縦材14を追加するよりもコストを抑えることができるので好ましい。
また、手摺壁10が三つ以上の斜材12を備えている場合、軸組構造体11は、継手材18bを備えずに調整材18aを備えるものであってもよいし、調整材18aを備えずに継手材18bを備えるものであってもよいし、両方を備えるものであってもよい。
複数の縦材14は、階段1の昇降方向(前後方向)に並んで配置されている。軸組構造体11を構成する縦材14の配置や数量は、手摺壁10のサイズ(平面長さ(前後寸法)等)に応じて適宜変更されるものとする。
以下、複数の縦材14のうち、階段1の昇降方向における最も下降側に位置する縦材14を「最下段の縦材14」と称し、階段1の昇降方向における最も上昇側に位置する縦材14を「最上段の縦材14」と称し、最下段の縦材14と最上段の縦材14との間に配置される縦材14を「中間部の縦材14」と称する。
軸組構造体11は、最下段の縦材14と最上段の縦材14を少なくとも備える。また、必要に応じて、中間部の縦材14を一又は複数備える。
本実施形態の軸組構造体11においては、図2や図3に示すように、低壁パネルの上端面における後端部に最下段の縦材14が立設されており、高壁パネルの上端面における前端部に最上段の縦材14が立設されている。また、低壁パネルの上端面における前端部(低壁パネルと中壁パネルとの段差部)と、中壁パネルの上端面における前端部(中壁パネルと高壁パネルとの段差部)に中間部の縦材14が立設されている。さらに、低壁パネルの上端面における前後方向略中央部と、高壁パネルの上端面における前後方向略中央部にも中間部の縦材14が立設されている。
横材15は、縦材14を補強するために設けられる補強部材であり、最下段の縦材14と、当該最下段の縦材14を支持する壁パネル2(低壁パネル)と、の間に配置されている。横材15は、最下段の縦材14とL字状に連結された状態、すなわち最下段の縦材14と接合されて一つのL型部材として一体化された状態で、壁パネル2(低壁パネル)の上端面に載置されて固定されている。
複数の縦材14のうち、鉛直荷重が最もかかる縦材14は、最下段の縦材14であり、そして、最下段の縦材14は、横材15を介して壁パネル2に固定されている。したがって、横材15によって、最下段の縦材14からの鉛直荷重を分散することができるので、手摺壁10の強度、具体的には鉛直荷重に耐える強度を向上させることが可能となる。
下地材(下地合板)16は、階段手摺部品のブラケット部(手摺用ブラケット)を支持するために設けられる補強部材であり、手摺壁10に階段手摺部品を設置する場合に取り付けられる。
下地材16は、当該下地材16の左側面(階段1側の面)が、縦材14の左側面(階段1側の面)と略面一な状態で、隣り合う縦材14,14間に架け渡されている。具体的には、隣り合う縦材14,14には、互いに対向する面に受木16aが固定されており、下地材16は、一方の縦材14に取り付けられた受木16aと、他方の縦材14に取り付けられた受木16aと、の間に架け渡されて固定されている。
なお、手摺壁10に階段手摺部品を設置しない場合には、下地材16(及び受木16a)を取り付けなくてもよい。
手摺壁10は、全体が、又は一部(一部を除く略全体)が耐火被覆材5によって被覆されている。したがって、手摺壁10は、当該手摺壁10の左側面(階段1側の面)を被覆する耐火被覆材5と、当該手摺壁10の右側面(階段1とは反対側の面)を被覆する耐火被覆材5と、によって左右両側から挟まれた状態で設置されている。なお、図2では、耐火被覆材5の図示を省略している。
手摺壁10を被覆する耐火被覆材5の配置や数量は、手摺壁10のサイズ(平面長さ(前後寸法)等)に応じて適宜変更されるものとする。
図4に示すように、軸組構造体11の右側面を被覆する耐火被覆材5は、手摺壁10を構成する壁パネル2と軸組構造体11とに跨って設けられている。軸組構造体11の左側面を被覆する耐火被覆材5も同様に、手摺壁10を構成する壁パネル2と軸組構造体11とに跨って設けられている。
すなわち、手摺壁10は、耐火被覆材5によって左右両側から挟まれており、さらに、壁パネル2と軸組構造体11の継目(接合部分)は、耐火被覆材5によって覆われている。これにより、軸組構造体11にかかる水平荷重(特に左右方向の荷重)を、軸組構造体11を支持する壁パネル2に効率よく伝達することができるので、手摺壁10の強度、具体的には水平荷重に耐える強度を向上させることが可能となる。
また、図4に示すように、軸組構造体11の右側面は、複数の耐火被覆材5(図4では五枚の耐火被覆材5)によって被覆されている。そして、軸組構造体11の右側面を被覆する各耐火被覆材5の幅寸法(前後寸法)は、それぞれ、当該耐火被覆材5の幅方向一端部(前端部)が一の縦材14と左右に重なる(側面視で重なる)とともに、当該耐火被覆材5の幅方向他端部(後端部)が当該一の縦材14とは異なる他の一の縦材14と左右に重なる(側面視で重なる)寸法に設定されている。
また、軸組構造体11の左側面も同様に、複数の耐火被覆材5によって被覆されている。そして、軸組構造体11の左側面を被覆する各耐火被覆材5の幅寸法(前後寸法)も、それぞれ、当該耐火被覆材5の幅方向一端部(前端部)が一の縦材14と左右に重なる(側面視で重なる)とともに、当該耐火被覆材5の幅方向他端部(後端部)が当該一の縦材14とは異なる他の一の縦材14と左右に重なる(側面視で重なる)寸法に設定されている。
したがって、手摺壁10を被覆する耐火被覆材5のうち、階段1の昇降方向に隣接する耐火被覆材5,5においては、当該耐火被覆材5,5同士の継目(接合部分)が、縦材14の側方に位置しているので、当該耐火被覆材5,5の互いに接する側の端部を同一の縦材14に固定することができる。すなわち、一方の耐火被覆材5における端部(他方の耐火被覆材5に接する側の端部)と、他方の耐火被覆材5における端部(一方の耐火被覆材5に接する側の端部)と、を同一の縦材14に固定することができる。言い換えると、階段1の昇降方向に隣接する耐火被覆材5,5を一の縦材14によって継ぐことができる。
〔手摺壁の施工方法〕
次に、図6~図8を参照して、手摺壁10の施工方法の一例について説明する。
現場では、基礎工事が終わった後に、躯体の組立工事が行われる。組立工事において、階段室を構成する建築用パネルや梁4等の組み立てが行われる。
すなわち、手摺壁10を構成する壁パネル2の設置作業は、組立工事中に行われる。なお、手摺壁10を構成する壁パネル2が複数である場合には、手摺壁10の平面長さに応じた壁パネル2のセット(段違いに割り付けられた壁パネル2のセット)が施工現場に輸送されるものとする。
また、階段1の設置作業も、組立工事中に行われる。なお、階段1を構成する階段ユニットは、予め工場等で組み立てられた上で施工現場に輸送されるものとする。
躯体の組立工事が終わった後に、手摺壁10の外形を決定する。
具体的には、設置される階段部材(階段ユニット、現状階段、スケルトン階段等)を採寸して、階段1の勾配角度を把握した上で、手摺壁10の外形を決定する。そして、当該決定した手摺壁10の外形に基づいて、軸組構造体11を構成する各部材(斜材12、水平材13、縦材14、横材15、下地材16等)を用意する。
例えば、手摺壁10の平面長さに応じた長さ及び本数の框材(例えば30mm×90mmの角材)と、手摺壁10の平面長さに応じた長さ及び本数の縦芯材(例えば38mm×90mmの角材)と、手摺壁10の平面長さに応じた枚数の合板(例えば150mm×1820mmの板材(厚さ9mm))のセットが施工現場に輸送されるものとする。そして、輸送されてきた框材を加工して、斜材12や水平材13や横材15等を用意する。また、輸送されてきた縦芯材を加工して、縦材14等を用意する。また、輸送されてきた合板を加工して、下地材16等を用意する。
次いで、図6に示すように、最下段の縦材14を壁パネル2に固定する。
具体的には、まず、図6(a)に示すように、最下段の縦材14の後面と横材15の後端面が面一の状態となるように、最下段の縦材14と横材15をL字に組んで、最下段の縦材14を、横材15の上面に固定具(例えば構造用ビス)や接着剤又はそれらの併用によって固定する。
そして、図6(b)に示すように、最下段の縦材14と一体的な状態の横材15を、壁パネル2(低壁パネル)の上端面に固定具(ビス等)や接着剤又はそれらの併用によって固定する。これにより、壁パネル2(低壁パネル)上に最下段の縦材14が立設される。
次いで、図7及び図8に示すように、軸組構造体11全体を軸組みする。
具体的には、まず、図7に示すように、最上段の縦材14を、壁パネル2(高壁パネル)の上端面に固定具(ビス等)や接着剤又はそれらの併用によって固定する。また、中間部の縦材14を、段違いに割り付けられた壁パネル2(低壁パネル、中壁パネル、高壁パネル)の段差部(上端面や後端面)に固定具(ビス等)や接着剤又はそれらの併用によって固定する。
そして、図7に示すように、斜材12を、壁パネル2上に立設されている縦材14(最下段の縦材14、中間部の縦材14)の上端面に固定具(ビス等)や接着剤又はそれらの併用によって固定する。さらに、中間部の縦材14を、壁パネル2(例えば、低壁パネルと高壁パネル)の前後方向略中央部に配置して、壁パネル2の上端面及び斜材12の上端面に固定具(ビス等)や接着剤又はそれらの併用によって固定する。
その後、図8に示すように、水平材13を、当該水平材13の下面前端部が最上段の縦材14の上端面に接するとともに、当該水平材13の後端面が斜材12の前端面と接するように配置して、最上段の縦材14の上端面に固定具(ビス等)や接着剤又はそれらの併用によって固定する。さらに、補強材17(例えば、長さ300mm程度の框材の端材)を、斜材12と水平材13に跨るように配置して、斜材12の下面及び水平材13の下面に固定具(ビス等)や接着剤又はそれらの併用によって固定する。
縦材14(最下段の縦材14、中間部の縦材14、最上段の縦材14)の上端面は傾斜面とされており、その傾斜角度は階段1の勾配角度と同一に設定されている。また、縦材14の間隔は、耐火被覆材5の固定に適した長さ(例えば455mm以下)に設定されている。また、斜材12及び水平材13の両端面(前端面と後端面)はそれぞれ鉛直面とされている。
次いで、図2や図3に示すように、下地材16を取り付けて、手摺壁10を完成させる。
具体的には、受木16a(例えば、野縁等の端材)を、隣り合う縦材14,14の互いに対向する面(前面、後面)に固定具(ビス等)や接着剤又はそれらの併用によって固定する。そして、下地材16を、互いに対向する一対の受木16a,16a間に架け渡して固定具(ビス等)や接着剤又はそれらの併用によって固定する。下地材16の上下方向中心線は傾斜しており、その傾斜角度は階段1の勾配角度と同一に設定されている。また、下地材16の両端面(前端面と後端面)はそれぞれ鉛直面とされている。
次いで、図1や図4に示すように、手摺壁10を耐火被覆材5によって被覆する。
具体的には、耐火被覆材5を、手摺壁10を構成する壁パネル2や軸組構造体11(主に、斜材12、水平材13、縦材14、横材15)に固定具(ビス等)や接着剤又はそれらの併用によって固定する。図6(b)に示すように、階段1と、手摺壁10を構成する壁パネル2と、の間には隙間Gが設けられており、その隙間Gから階段1と壁パネル2との間に耐火被覆材5を差し込むことができるようになっている。これにより、手摺壁10の側面(左側面と右側面)の略全体を耐火被覆材5によって被覆できるようになっている。
その後、手摺壁10に対し、笠木の取付、階段手摺部品の取付、クロス貼り等を行う。
以上のようにして、手摺壁10の施工が行われる。なお、笠木の取付は、手摺壁10を耐火被覆材5で被覆する前に行ってもよい。
また、階段室の壁面や床面、天井面を耐火被覆材5によって被覆する被覆工程は、任意のタイミングで行うことが可能である。具体的には、当該被覆工程は、例えば、手摺壁10を耐火被覆材5によって被覆する工程と同時に行ってもよいし、あるいは、躯体の組立工事が終わった後であって、手摺壁10の外形を決定する前に行ってもよい。
また、階段1を耐火被覆材5によって被覆する被覆工程は、任意のタイミングで行うことが可能である。具体的には、当該被覆工程は、例えば、手摺壁10を耐火被覆材5によって被覆する工程と同時に行ってもよいし、あるいは、躯体の組立工事が終わった後であって、手摺壁10の外形を決定する前に行ってもよい。
〔変形例〕
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上述した実施形態(図1~図8)の階段1は、複数の直階段ユニットにより構成される直階段であるので、昇降方向が一種類であるが、階段1は、例えば図9や図10に示すように、複数種類の昇降方向を有する階段であってもよい。すなわち、上述した実施形態の階段1には、一つの手摺壁10が設けられているが、階段1には、例えば図9や図10に示すように、複数の手摺壁10が設けられていてもよい。
図9(a)に示す階段1は、直階段ユニットと踊り場ユニットにより構成される折り返し階段であり、互いに平行な二種類の昇降方向(第一昇降方向と第二昇降方向)を有している。そして、第一昇降方向に沿って手摺壁10(手摺壁10A)が設置されているとともに、第二昇降方向に沿って手摺壁10(手摺壁10B)が設置されている。
第一昇降方向に沿って設けられる手摺壁10Aは、図9(b)に示すように、一枚の壁パネル2と、斜材12と縦材14と横材15を有する軸組構造体11と、によって構成されている。この手摺壁10Aは、上面の全体が傾斜面とされているので、水平材13(及び補強材17)を備えていない。
第二昇降方向に沿って設けられる手摺壁10Bは、図9(c)に示すように、段違いに割り付けられた二枚の壁パネル2と、斜材12と水平材13(及び補強材17)と縦材14と横材15とを有する軸組構造体11と、によって構成されている。
図10(a)に示す階段1は、直階段ユニットと踊り場ユニットにより構成されるかね折れ階段であり、互いに直交する二種類の昇降方向(第三昇降方向と第四昇降方向)を有している。そして、第三昇降方向に沿って手摺壁10(手摺壁10C)が設置されているとともに、第四昇降方向に沿って手摺壁10(手摺壁10D)が設置されている。
第三昇降方向に沿って設けられる手摺壁10Cは、図10(b)に示すように、一枚の壁パネル2と、斜材12と縦材14と横材15を有する軸組構造体11と、によって構成されている。この手摺壁10Cは、上面の全体が傾斜面とされているので、水平材13(及び補強材17)を備えていない。
第四昇降方向に沿って設けられる手摺壁10Dは、図10(b)に示すように、壁パネル2(例えば、段違いに割り付けられた複数枚の壁パネル2)と、斜材12と水平材13と縦材14と横材15を有する軸組構造体11と、によって構成されている。この手摺壁10Dにおいては、当該手摺壁10Dの上面のうち、階段1の昇降方向(第四昇降方向)における下降側の端部が水平面とされている。
また、上述した実施形態(図1~8)では、手摺壁10の上面のうち、階段1の昇降方向における上昇側の端部に水平面を設けて、それ以外の部分を傾斜面としているが、これに限られるものではない。例えば、図10に示す手摺壁10Dのように、手摺壁10の上面のうち、階段1の昇降方向における下降側の端部に水平面を設けてもよい。また、手摺壁10の上面のうち、階段1の昇降方向における略中央部(上昇側の端部と下降側の端部との間)に水平面を設けてもよい。あるいは、水平面を複数(例えば、階段1の昇降方向における上昇側と下降側の両端部に)設けてもよい。
〔効果〕
本実施形態(変形例を含む)によれば、以下のような優れた効果を奏する。
すなわち、本実施形態の手摺壁10は、建物の上下階を接続する階段1の手摺壁であって、矩形状(直方体状)の壁パネル2と、壁パネル2上に設けられた木製の軸組構造体11と、を備え、上面が傾斜面とされており、軸組構造体11は、傾斜面を形成する斜材12と、壁パネル2と斜材12との間に設けられる縦材14と、壁パネル2と縦材14との間に設けられる横材15と、を備えて構成されている。
したがって、傾斜面(上面)を含む手摺壁10の上部を、壁パネル2上に軸組みすることによって形成された軸組構造体11で構成することができる。
このように、傾斜面(上面)を含む手摺壁10の上部を軸組構造体11によって構成することで、階段1の勾配に合った傾斜面を有する壁パネル(直角三角形状や直角台形状の壁パネル)を用いることなく手摺壁10を造ることができるので、手間やコストを軽減することができる。また、傾斜面(上面)を含む手摺壁10の上部を軸組構造体11によって構成することで、傾斜面の傾斜角度を任意に設定できて、個々の階段の勾配に合う手摺壁10を造ることができるので、階段1の設計自由度への影響を抑えることができる。
さらに、本実施形態の手摺壁10は、壁パネル2(木製の建築用パネル)と、木製の軸組構造体11とによって構成されている。すなわち、本実施形態の手摺壁10は、骨組みに鉄骨等の金属を用いない、全体が木造の腰壁であるので、カーボンニュートラルの推進による脱炭素社会の実現や、SDGsの目標達成に貢献できる。
また、本実施形態の手摺壁10において、軸組構造体11は、階段1の昇降方向に間隔を空けて配設される複数の縦材14を備えており、横材15は、複数の縦材14のうち、階段1の昇降方向における最も下降側に位置する縦材14(最下段の縦材14)と、壁パネル2と、の間に設けられている。
すなわち、複数の縦材14のうち、鉛直荷重が最もかかる縦材14(最下段の縦材14)と、壁パネル2と、の間に横材15が設けられているので、横材15を介して、最下段の縦材14から壁パネル2へと荷重が伝達されることとなる。したがって、横材15によって最下段の縦材14から伝達される荷重を分散することができるので、手摺壁10の強度(鉛直荷重に耐える強度)を高めることができる。
なお、壁パネル2との間に横材15が設けられる縦材14は、一の縦材14(最下段の縦材14)に限られるものではなく、複数の縦材14(最下段の縦材14を含む)であってもよい。また、複数の縦材14と壁パネル2との間に横材15を設ける場合、各縦材14と壁パネル2との間に設けられる横材15は、それぞれ独立したものであってもよいし、互いに連結されて一体的に構成されたもの(複数の縦材14と壁パネル2との間に一本の横材15を設ける場合を含む)であってもよい。
本実施形態のように、複数の縦材14のうち、鉛直荷重が最もかかる縦材14(最下段の縦材14)にのみ横材15を設けることで、軸組構造体11を構成する部品点数を極力減らすことができ、軸組構造体11の組み立ても容易に行うことができる。
また、本実施形態の手摺壁10において、当該手摺壁10の上面が、傾斜面の他に、水平面を有している場合には、軸組構造体11に、水平面を形成する水平材13と、斜材12と水平材13を連結する補強材17と、を備えて構成することが可能である。
このように構成することによって、斜材12と水平材13の接合部分に、斜材12と水平材13を連結する補強材17が設けられることとなるので、斜材12と水平材13の接合部分を支持するために縦材14を追加する場合に比べてコストを抑えることができる。
また、本実施形態の手摺壁10において、当該手摺壁10の寸法(階段1の勾配方向における寸法)が長い場合等には、軸組構造体11に、階段1の昇降方向に連なって配設される複数の斜材12と、縦材14に取り付けられた調整材18aと、を備えて、隣接する斜材12のうち、一方の端部(他方の斜材12に接する側の端部)を縦材14に固定するとともに、他方の端部(一方の斜材12に接する側の端部)を当該縦材14に取り付けられた調整材18aに固定するよう構成することが可能である。
このように構成することによって、一方の斜材12における端部(他方の斜材12に接する側の端部)を支持する縦材14に、他方の斜材12における端部(一方の斜材12に接する側の端部)を支持するための調整材18aが取り付けられることとなるので、他方の斜材12における端部(一方の斜材12に接する側の端部)を支持するために縦材14を追加する場合に比べてコストを抑えることができる。
また、本実施形態の手摺壁10において、当該手摺壁10の寸法(階段1の勾配方向における寸法)が長い場合等には、軸組構造体11に、階段1の昇降方向に連なって配設される複数の斜材12と、斜材12,12同士を連結する継手材18bと、を備えて構成することが可能である。
このように構成することによって、斜材12,12同士の接合部分に、一方の斜材12と他方の斜材12を連結する継手材18bが設けられることとなるので、斜材12,12同士の接合部分を支持するために縦材14を追加する場合に比べてコストを抑えることができる。
また、本実施形態の手摺壁10において、当該手摺壁10の寸法(階段1の勾配方向における寸法)が長い場合等には、階段の昇降方向に連なって配設される複数の壁パネル2、具体的には、互いに高さ寸法が異なり、下端面が互いに面一とされて、高さ順に並んで配設される複数の壁パネル2を備えて構成することが可能である。
このように構成することによって、手摺壁10を構成する複数の壁パネル2が段違いに割り付けられることとなる。したがって、複数の縦材14のうちの一部を、壁パネル2の上端面だけでなく、壁パネル2,2同士の段差部(高い方の壁パネル2の端面(低い方の壁パネル2に接する側の端面))にも固定することが可能となるので、壁パネル2に対する軸組構造体11の固定強度を高めることができて、手摺壁10の構造的な安定性や耐久性が向上する。
なお、手摺壁10を構成する壁パネル2が複数である場合には、当該複数の壁パネル2のうち、一の壁パネル2と他の壁パネル2は高さ寸法が同じであってもよい。すなわち、手摺壁10を構成する壁パネル2が複数である場合には、当該複数の壁パネル2のうち、一の壁パネルと他の壁パネル2は、上端面が互いに面一とされていてもよい。
また、本実施形態の手摺壁10において、当該手摺壁10は、全体が、又は一部(一部を除く略全体)が耐火被覆材5(被覆材)によって被覆されており、軸組構造体11の両面(階段1側の面、階段1とは反対側の面)を被覆する耐火被覆材5は、軸組構造体11から壁パネル2に跨って設けられている。
すなわち、手摺壁10は、耐火被覆材5によって両側から挟まれた状態で設置されており、さらに、壁パネル2と軸組構造体11の接合部分が耐火被覆材5で覆われているので、軸組構造体11にかかる水平荷重は、直接壁パネル2へと伝達されるだけでなく、耐火被覆材5を介して壁パネル2へと伝達されることとなる。したがって、軸組構造体11にかかる水平荷重(特に左右方向の荷重)を、当該軸組構造体11を支持する壁パネル2へと効率よく伝達することができるので、手摺壁10の強度(水平荷重に耐える強度)を高めることができる。
また、本実施形態の手摺壁10において、軸組構造体11の両面(階段1側の面、階段1とは反対側の面)が、複数の耐火被覆材5によって被覆されている場合には、耐火被覆材5,5同士の継目(接合部分)が縦材14の側方に位置するように構成することが可能である。
このように構成することによって、耐火被覆材5の端部(隣接する耐火被覆材5に接する側の端部)を、縦材14に固定することが可能となるので、手摺壁10に対する耐火被覆材5の固定強度を高めることができて、手摺壁10の構造的な安定性や耐久性が向上する。
なお、手摺壁10を被覆する被覆材は、耐火被覆材5に限られるものではなく、例えば断熱パネルや消音パネル等であってもよい。
1 階段
2 壁パネル
5 耐火被覆材(被覆材)
10 手摺壁
11 軸組構造体
12 斜材
13 水平材
14 縦材
15 横材
17 補強材
18a 調整材
18b 継手材

Claims (8)

  1. 階段の手摺壁であって、
    壁パネルと、
    前記壁パネル上に設けられた木製の軸組構造体と、を備え、
    上面が傾斜面とされており、
    前記軸組構造体は、
    前記傾斜面を形成する斜材と、
    前記壁パネルと前記斜材との間に設けられる縦材と、
    前記壁パネルと前記縦材との間に設けられる横材と、を備えて構成されることを特徴とする手摺壁。
  2. 請求項1に記載の手摺壁において、
    前記軸組構造体は、前記階段の昇降方向に間隔を空けて配設される複数の前記縦材を備えており、
    前記横材は、前記複数の縦材のうち、前記昇降方向における最も下降側に位置する縦材と、前記壁パネルと、の間に設けられていることを特徴とする手摺壁。
  3. 請求項1に記載の手摺壁において、
    前記上面は、前記傾斜面の他に、水平面を有しており、
    前記軸組構造体は、
    前記水平面を形成する水平材と、
    前記斜材と前記水平材を連結する補強材と、を備えることを特徴とする手摺壁。
  4. 請求項1に記載の手摺壁において、
    前記軸組構造体は、
    前記階段の昇降方向に連なって配設される複数の前記斜材と、
    前記縦材に取り付けられた調整材と、を備えており、
    隣接する前記斜材のうち、一方の端部は前記縦材に固定されており、他方の端部は当該縦材に取り付けられた前記調整材に固定されていることを特徴とする手摺壁。
  5. 請求項1に記載の手摺壁において、
    前記軸組構造体は、
    前記階段の昇降方向に連なって配設される複数の前記斜材と、
    前記斜材同士を連結する継手材と、を備えることを特徴とする手摺壁。
  6. 請求項1に記載の手摺壁において、
    前記階段の昇降方向に連なって配設される複数の前記壁パネルを備え、
    前記複数の壁パネルは、互いに高さ寸法が異なり、下端面が互いに面一とされて、高さ順に並んでいることを特徴とする手摺壁。
  7. 請求項1に記載の手摺壁において、
    当該手摺壁は、被覆材によって被覆されており、
    前記軸組構造体の両面を被覆する前記被覆材は、前記軸組構造体から前記壁パネルに跨って設けられることを特徴とする手摺壁。
  8. 請求項7に記載の手摺壁において、
    前記軸組構造体の両面は、複数の前記被覆材によって被覆されており、
    前記被覆材同士の継目が前記縦材の側方に位置することを特徴とする手摺壁。
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