JP4061357B2 - 準耐火建物の防火構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、準耐火建物の防火構造に関する。
【0002】
【背景技術】
従来の耐火構造に準ずる耐火性能を有するものとして準耐火構造が知られている。この準耐火構造の有する耐火性能は、法規により、建築物の部分の種類ごとに通常の火災時の加熱に一定時間以上耐える性能とされている。そして、準耐火構造の建築物としては、在来の木造軸組工法、枠組み工法、木質系のプレハブ工法等の木造の建物が主である。
このような準耐火構造の建物において、例えば木造の階段では、法規上、階段を構成する段板、ささら桁等の構造上主要な部材の厚さが所定寸法以上あれば、防火被覆は不要とされているが、決められた寸法未満の厚さの部材で構成されている場合、所定の防火被覆を設けなければならないと決められている。
このような準耐火構造の建物として、例えば、階段付き建物が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
【0004】
特開平9−53311号公報(第1頁、第2頁、図1)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の準耐火構造の建物における木造の階段と壁との接合構造として、図5に示されるような構造がある。すなわち、この接合構造において、階段10は、その幅方向両側面のささら桁(側板)5と、当該ささら桁5に設けられた複数枚の段板12と、け込み板とを含み構成され、段板12には化粧部材14が設けられている。両ささら桁5の下面間には法規に準じた所定厚さの石膏ボード15が架けわたされている。
一方、壁部材としての壁パネル20は、縦心材21A、横桟21Bを含む枠体21と、この枠体21の両面に張られた面材22とを備えて形成され、両面材22の外側には、防火被覆部材としての石膏ボード23が設けられている。
【0006】
このような壁パネル20に対して階段10を取付けるには、ささら桁5を釘24により壁パネル20に打ち付けて行っている。この場合、石膏ボード23を貫通させて釘打ちすると、石膏ボード23に釘がきかないため、石膏ボード23の一部を切り欠いて、その切り欠き部に、例えば硬質木片セメント板25を入れ、この硬質木片セメント板25を介してささら桁5を釘打ち等で壁パネル20に取付けている。そのため、ささら桁5の取付け強度が確保されている。
【0007】
しかし、従来の階段の準耐火構造では、まず、壁パネル20の石膏ボード23の一部を切り欠いた後、その切り欠き部に硬質木片セメント板25を入れ、この硬質木片セメント板25を介してささら桁5を取付けている。そのため、作業の手間が多くかかるとともに、ささら桁5の取付けに硬質木片セメント板25も必要となり、部材が多くかかるという問題がある。
【0008】
本発明の目的は、少ない手間ですむとともに、省部材化を図ることができるようになる準耐火建物の防火構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、図面を参照して説明すると、図1に示すように、両面に防火被覆部材23が張られるとともに、建物を構成する第1の主要構成部材20と、前記建物を構成しかつ前記第1の主要構成部材20に接合される第2の主要構成部材10と、前記第1の主要構成部材20と前記第2の主要構成部材10とを連結し、かつ準耐火基準を満たし前記防火被覆部材よりも厚い厚さ寸法に形成された木製の取付け下地材11Aとを備えて構成され、この取付け下地材11Aの前記第1の主要構成部材20への取付けは、前記第1の主要構成部材20における一方の面に前記防火被覆部材23を介さずに取り付けられ、前記第1の主要構成部材20における一方の面には、前記取付け下地材11Aの一側面形状に合わせた防火被覆部材23の非施工部分23Aが形成されていることを特徴とする準耐火建物の防火構造である。
【0010】
このような本発明によれば、第1の主要構成部材の一方の面の防火被覆部材に非施工部分が形成され、この非施工部分に取付け下地材を嵌め込んだ後、固定すれば、取付け下地材に連結された第2の主要構成部材を第1の主要構成部材に接合することができる。その結果、少ない手間で準耐火構造とすることができる。また、第1の主要構成部材の一方の面の防火被覆部材と、準耐火基準を満たし防火被覆部材よりも厚い厚さ寸法に形成された取付け下地材とが連続し、かつ第2の主要構成部材の1面に防火被覆部材が張られているので、従来のように木質セメント板を設ける必要がなくなり、省部材化を図ることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、図1に示すように、請求項lに記載の準耐火建物の防火構造において、前記第1の主要構成部材は建物の壁部材20で構成され、前記第2の主要構成部材は一側面が前記壁部材に接して設けられる階段10で構成され、前記取付け下地材は前記階段における対向する2枚のささら桁のうち一方のささら桁11Aで構成されていることを特徴とするものである。
【0012】
このような本発明によれば、壁部材に階段を接合するのに、2枚のささら桁のうち一方のささら桁を取付け下地材として利用しているので、取付け下地材を別個に設けなくてもよく、この点でも省部材化を図ることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、図4に示すように、請求項1に記載の準耐火建物の防火構造において、前記第1の主要構成部材は建物の壁部材40であり、前記第2の主要構成部材は床パネル30であり、前記取付け下地材は前記床パネル30を支持する受部材45であることを特徴とするものである。
このような本発明によれば、壁部材の防火被覆部材の非施工部分に床パネルおよび受部材を嵌め込めば、受部材が防火被覆材となり得るため、耐火性能が満足され、かつ、少ない手間ですむ。
【0014】
請求項4に記載の発明は、図2に示すように、請求項lないし請求項3のいずれかに記載の準耐火建物の防火構造において、前記取付け下地材11Aは、30mm以上の厚さを有していることを特徴とするものである。
このような本発明によれば、準耐火基準を満たすことができる最低の厚さに形成することができるので、他の防火被覆部材は不要である。
【0015】
請求項5に記載の発明は、図2に示すように、請求項2または請求項4に記載の準耐火建物の防火構造において、前記取付け下地材11Aと壁部材20に取付けられた防火被覆部材23の非施工部分23A以外の部位とは密着して連続していることを特徴とするものである。
このような本発明によれば、取付け下地材を防火被覆部材の非施工部分に取り付けたとき、取付け下地材が非施工部分以外の防火被覆部材と連続しているので、取付け下地材と防火被覆部材との隙間から火の侵入を防止でき、これにより、充分に準耐火基準を満たす防火構造とすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る建物の防火構造を図面に基づいて説明する。
図1,2には、第1実施形態の建物の防火構造が示され、具体的には、階段と壁パネルとの取り合い部の防火構造が示されている。この実施形態において、前記従来の防火構造での各部材と同一部材には同一符号を付すとともに、その詳細な説明は、省略または簡略化する。
【0017】
建物を構成する第1の主要構成部材である前記壁部材20に設けられるとともに、建物を構成する第2の主要構成部材である階段10は、その幅方向両側面のささら桁11と、当該ささら桁11に設けられた複数枚の段板12と、け込み板13とを含み構成され、段板12には化粧部材14が設けられている。また、ささら桁11の下面間には、準耐火構造の基準を満たす所定厚さの石膏ボード15が架けわたされており、この石膏ボード15により階段10のささら桁11、段板12、け込み板13および化粧部材14の下面が塞がれている。
【0018】
前記壁部材20は、複数の壁パネル20A、20B、20Cで構成されており、この場合、階段10の一方のささら桁11Aが3枚の壁パネル20A、20B、20Cの側面に釘打ちで固定されるようになっており、上記一方のささら桁11Aにより取付け下地材が構成されている。
壁パネル20A、20B、20Cに張り付けられている石膏ボード23のうち、階段側の石膏ボード23には、一方のささら桁11Aを嵌め込める形状、つまり、階段の側面形状に切り欠かれた非施工部分としての切り欠き部23Aが形成され、この切り欠き部23Aには、各壁パネル20A、20B、20Cの面材22が現れている。階段10の取付けに際しては、ささら桁11Aを切り欠き部23Aに嵌め込んだ後、釘24を打ち付けて行う。
【0019】
ここで、ささら桁11Aは、例えば、厚さ寸法Lが30mm以上の合板で形成されており、準耐火構造の基準を満たすように設定されている。また、ささら桁11Aが切り欠き部23Aに嵌め込まれ、固定されたとき、ささら桁11Aと石膏ボード23とが連続し、準耐火構造が構成されるようになっている。
【0020】
次に、以上のような第1実施形態の階段10の設置作業を説明する。
予め、壁パネル20A、20B、20Cの石膏ボード23を階段10の一方のささら桁11Aの形状に切り欠いておき、予め、ささら桁11、段板12およびけ込み板13を組み込んで形成された階段10を、一方のささら桁11Aを切り欠き部23Aに嵌め込み、階段10の内部からささら桁11Aを各壁パネル20A、20B、20Cの縦心材21Aに向けて釘24を打ちつけて取付ける。釘打ち箇所は、階段10を強固に固定することができればよく、例えば、各段板12に対応する位置に打ち付ければよい。
階段10の壁部材20への取付けが完了したら、2枚のささら桁11の下面間に石膏ボード15を架けわたし、準耐火構造の階段10を完成させる。
【0021】
このような第1実施形態によれば、次のような効果がある。
(1) 3枚の壁パネル20A、20B、20Cの階段10側の石膏ボード23に、ささら桁11Aの形状の切り欠き部23Aが形成され、この切り欠き部23Aに階段10を構成するささら桁11のうち一方のささら桁11Aを嵌め込み、釘打ちで取付けることで、壁部材20と階段10とを接合することができる。ささら桁11Aは、準耐火構造の基準を満たす厚さ寸法Lが30mm以上の合板で形成されており、このささら桁11Aと切り欠き部23A以外の石膏ボード23とを連続させればよいので、少ない手間で、準耐火基準を満たす防火構造とすることができる。
【0022】
(2) 石膏ボード23の切り欠き部23Aに一方のささら桁11Aを嵌め込み、各壁パネル20A、20B、20Cの枠体21に釘打ちで取付けることで、前述のように、準耐火基準を満たす上に、壁部材20と階段10とを接合することができる。従って、従来のような硬質木片セメント板が不要となり、省部材化を図ることができる。
(3) 階段10と壁部材20との接合は、一方のささら桁11Aを釘打ちで直接各壁パネル20A、20B、20Cの枠体21に取付けて行われるので、階段10と壁部材20との接合を強固なものとすることができる。
【0023】
次に、図3に基づいて本発明の第2実施形態を説明する。
本実施形態は、ささら桁受け部材35を介して階段10を壁部材20に取り付けたものである。この実施形態の階段10は、ささら桁11Cを壁部材20から離して取り付けるタイプの階段である。
この実施形態および以下の他の実施形態において、前記従来および第1実施形態における各部材と同一部材には同一符号を付すとともに、その詳細な説明は、省略または簡略化する。
【0024】
階段10の段板12、化粧部材14の一端および一方のささら桁11Cの側面は、壁部材20の階段側の石膏ボード23に接触しない位置に配置され、このささら桁11Cは、取り付け下地材としてのささら桁受け部材35の上端面に固着されている。ささら桁受け部材35の外側側面は、壁部材20の面材22に当接されるとともに、釘24を壁パネルの枠体21の縦心材21Aに直接打ち付けて取り付けられている。ささら桁受け部材35は、厚さ寸法Lが30mm以上の合板で角形のブロック状に形成されている。階段10の下面の石膏ボード15は、ささら桁受け部材35の幅方向途中位置に当接、固定され、壁部材20の階段側の石膏ボード23に接触していない状態となっている。
また、壁パネルの室内側の石膏ボード23には、角形のブロック状のささら桁受け部材35が嵌め込まれる非施工部分としての切り欠き穴23Bが、それぞれの段板12に対応してあけられている。
なお、石膏ボード15は設けなくてもよい。
【0025】
次に、以上のような第2実施形態の階段10の設置作業を説明する。
予め、壁パネル20A、20B、20Cの石膏ボード23を、順次階段の段板に沿って設けられる複数のささら桁受け部材35の形状に切り欠いておき、予め、ささら桁11C、段板12およびけ込み板13をささら桁受け部材35に組み込んで形成された階段10を、ささら桁11Cを切り欠き部23Bに嵌め込み、階段10の内部からささら桁受け部材35を各壁パネル20A、20B、20Cの縦心材21Aに向けて釘24を打ちつけて取付ける。
階段10の壁部材20への取付けが完了したら、一方のささら桁11からささら桁受け部材35の高さ方向途中位置に向けて石膏ボード15を架けわたし、準耐火構造の階段10を完成させる。
【0026】
このような実施形態によれば、次のような効果がある。
(4) 壁パネル20A等の階段10側の石膏ボード23に、ささら桁受け部材35の形状の切り欠き部23Bが形成され、この切り欠き部23Bに階段10を支持するささら桁受け部材35を嵌め込み、釘打ちで取付けることで、壁部材20と階段10とを接合することができる。ささら桁受け部材35は、厚さ寸法Lが30mm以上の合板で形成されており、このささら桁受け部材35と切り欠き部23B以外の石膏ボード23とを連続させることで、壁部材20と階段10のささら桁11を離して設けるタイプの階段の場合でも、少ない手間で、準耐火基準を満たす防火構造とすることができる。
(5)ささら桁受け部材35により、壁部材20と階段10とを接合することで準耐火構造を構成することができる。従って、壁部材20と階段10のささら桁11を離して設ける場合に、従来、その間隔を調整するために用いられていた調整部材が不要になり、省部材化を図ることができる。
(6) 階段10と壁部材20との接合は、ささら桁受け部材35を釘打ちで直接壁パネル20A等の枠体21に取付けて行われるので、階段10と壁部材20との接合を強固なものとすることができる。
【0027】
次に、図4に基づいて本発明の第3実施形態を説明する。
本実施形態は、通常の高さの室内を構成する第1の主要構成部材である壁部材40の高さ方向途中位置に、第2の主要構成部材であるサブ床パネル30を設けたものである。
サブ床パネル30は、所定高さの複数本の根太31と、これらの根太31の上面に支持された床面材32と、根太31の下面に設けられた天井面材33とを含み構成され、複数本の根太31は、切り欠き部31Aの一部を取付け下地材としての受木45の上端面に載せて支持されている。
【0028】
以上のようなサブ床パネル30が設けられる部位の壁部材40は、前記壁部材20と同じような構造とされ、並設された図は省略するが、複数枚の壁パネル40A、40B、40Cで構成されている。各壁パネル40A、40B、40Cは、それぞれ縦心材41A、横桟41Bを含む枠体41と、この枠体41の両面に張られた面材42とを備えて形成され、両面材42の外側には、防火被覆部材としての石膏ボード43が設けられている。石膏ボード43のうち、サブ床パネル30側の石膏ボード43には、前記受木45およびこの受木45に支持されるサブ床パネル30を嵌め込めるような非施工部分としての切り欠き部43Aが形成されている。
【0029】
前記受木45は、前記石膏ボード15の切り欠き部43A内に嵌め込まれるとともに、各壁パネル40A、40B、40Cの横桟41Bに対応しており、受木45の側面から横桟41Bに向けて釘24を直接打ちつける等して取付けられている。
そして、受木45の下端面と切り欠かれた石膏ボード43の上端とが当接するように寸法設定されている。受木45は、壁部材40の幅に対応した長さに連続しており、準耐火構造の基準を満たすように、厚さ寸法Lが30mm以上の合板で形成されている。
【0030】
次に、第3実施形態のサブ床パネル30の設置作業を説明する。
予め、壁部材40を構成する壁パネル40A、40B、40Cの石膏ボード43をサブ床パネル30および受木45を嵌め込める形状に切り欠いておき、受木45を壁パネル40A、40B、40Cの2本の横桟41Bの部位に対向させるとともに、受木45の側面からそれぞれの横桟41Bに向けて釘24を打ち付け、受木45を壁部材40に取付ける。
その後、根太31、床面材32および天井面材33でなるサブ床パネル30を、根太31の切り欠き部31Aを受木45の上端面に載せるとともに、床面材32の端部を、石膏ボード43の切り欠き部43A内に差し込んで壁部材40に取付ける。
【0031】
このような実施形態によれば、次のような効果がある。
(7) 壁部材40を構成する各壁パネル40A、40B、40Cのサブ床パネル30側の石膏ボード43に、サブ床パネル30および受木45の一方側面形状の切り欠き部43Aが形成され、この切り欠き部43Aに受木45を嵌め込み、釘打ちで取付け、この受木45にサブ床パネル30を取り付けることで、壁部材20とサブ床パネル30とを接合することができる。受木45は、厚さ寸法Lが30mm以上の合板で形成されており、この30mm以上の厚さ寸法は、準耐火構造の基準を満たすので、受木45と切り欠き部43A以外の石膏ボード43および天井面材33とを連続させるだけの少ない手間で、準耐火基準を満たす防火構造とすることができる。
【0032】
(8) 石膏ボード43の切り欠き部43Aに受木45を嵌め込み、壁パネル40A、40B、40Cの枠体41に釘打ちで取付けることで、壁部材20と階段10とを接合することができる。枠体41に直接釘打ちするので、サブ床パネル30と壁部材20との接合を強固なものとすることができる。
【0033】
なお、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できるものであれば、次のような変形形態でもよいものである。
例えば、前記第1,2実施形態では壁部材20と階段10との接合、第3実施形態では壁部材40とサブ床パネル30との接合であったが、これに限らず、両面に耐火被覆材である石膏ボードが張られた壁部材に、石膏ボードの一部を切り欠き、その部分に建物の主要構成部材を取付けるような接合であれば、他の場合にも適用することができる。
また、前記第1実施形態では、ささら桁11の下面間の石膏ボード15と、壁パネル20A等の階段側の石膏ボード23とは当接されているが、これに限らず、石膏ボード15と、石膏ボード23とは当接されていなくてもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1の発明によれば、第1の主要構成部材の一方の面の防火被覆部材に非施工部分が形成され、この非施工部分に取付け下地材を嵌め込んだ後、固定すれば、取付け下地材に連結された第2の主要構成部材を第1の主要構成部材に接合することができる。その結果、少ない手間で準耐火構造とすることができる。また、第1の主要構成部材の一方の面の防火被覆部材と、準耐火基準を満たす厚さ寸法に形成された取付け下地材とが連続し、かつ第2の主要構成部材の1面に防火被覆部材が張られているので、従来のように木質セメント板を設ける必要がなくなり、少ない部材で構成することができる。
【0035】
請求項2に記載の発明によれば、壁部材に階段を接合するのに、2枚のささら桁のうち一方のささら桁を取付け下地材として利用しているので、取付け下地材を別個に設けなくてもよく、この点でも省部材化を図ることができる。
【0036】
請求項3に記載の発明によれば、壁部材の防火被覆部材を非施工部分に床パネルおよび受部材を嵌め込めば、受部材が防火被覆材となり得るため、耐火性能が満足され、かつ、少ない手間ですむ。
【0037】
請求項4に記載の発明によれば、準耐火基準を満たすことができる最低の厚さに形成することができるので、他の防火被覆部材は不要である。
【0038】
請求項5に記載の発明によれば、取付け下地材を防火被覆部材の非施工部分に取り付けたとき、取付け下地材が非施工部分以外の防火被覆部材と連続しているので、取付け下地材と防火被覆部材との隙間から火の侵入を防止でき、これにより、充分に準耐火基準を満たす防火構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態を示す全体斜視図である。
【図2】前記第1実施形態の壁部材と階段との接合部を示す縦断面図である。
【図3】本発明に係る第2実施形態を示す縦断面図である。
【図4】本発明に係る第3実施形態を示す縦断面図である。
【図5】従来例に係る壁部材と階段との接合部を示す縦断面図である。
【符号の説明】
10 階段
11 ささら桁
11A 取付け下地材である一方のささら桁
20 壁部材である壁パネル
23 防火被覆部材である石膏ボード
23A 非施工部分である切り欠き部
23B 非施工部分である切り欠き部
30 サブ床パネル
35 取付け下地材であるささら桁受け部材
40 壁部材である壁パネル
43 防火被覆部材である石膏ボード
45 取付け下地材である受木
Claims (5)
- 両面に防火被覆部材が張られるとともに、建物を構成する第1の主要構成部材と、前記建物を構成しかつ前記第1の主要構成部材に接合される第2の主要構成部材と、前記第1の主要構成部材と前記第2の主要構成部材とを連結し、かつ準耐火基準を満たし前記防火被覆部材よりも厚い厚さ寸法に形成された木製の取付け下地材とを備えて構成され、この取付け下地材の前記第1の主要構成部材への取付けは、前記第1の主要構成部材における一方の面に前記防火被覆部材を介さずに取り付けられ、前記第1の主要構成部材における一方の面には、前記取付け下地材の一側面形状に合わせた防火被覆部材の非施工部分が形成されていることを特徴とする準耐火建物の防火構造。
- 請求項1に記載の準耐火建物の防火構造において、
前記第1の主要構成部材は建物の壁部材で構成され、前記第2の主要構成部材は一側面が前記壁部材に接して設けられる階段で構成され、前記取付け下地材は前記階段における対向する2枚のささら桁のうち一方のささら桁で構成されていることを特徴とする準耐火建物の防火構造。 - 請求項1に記載の準耐火建物の防火構造において、
前記第1の主要構成部材は建物の壁部材であり、前記第2の主要構成部材は床パネルであり、前記取付け下地材は前記床パネルを支持する受部材であることを特徴とする準耐火建物の防火構造。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の準耐火建物の防火構造において、前記取付け下地材は、30mm以上の厚さを有していることを特徴とする準耐火建物の防火構造。
- 請求項2または請求項4に記載の準耐火建物の防火構造において、前記取付け下地材と壁部材に取付けられた防火被覆部材の前記非施工部分以外の部位とは密着して連続していることを特徴とする準耐火建物の防火構造。
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