JP2010120643A - 装飾キャップ付きホイールナットまたはボルトアセンブリ、およびその組立て方法 - Google Patents

Abstract

【課題】改良された装飾キャップおよびホイールナットまたはボルトアセンブリ、およびそれらの組立て方法を提供する。
【解決手段】インサートが被覆され、および／またはめっきされ、六角形状部分および円筒状の外側表面を有する部分を含む。キャップは、六角形断面の部分および円筒断面の部分を含む。キャップの六角形断面の部分は、前記インサートの六角部分を覆って容易に滑るが、前記円筒断面の部分は前記円筒状のインサート部分の外径よりも小さい内径を有する。キャップは、塑性的および弾性的の両方で変形可能なシート材料で形成される。インサート上に押圧されたとき、キャップは、塑性的および弾性的の両方で変形する。締まりばめは、キャップの周方向の塑性変形によってそれらのあいだに形成される。
【選択図】図１

Description

本発明は概して車両のホイール、すなわちタイヤとリムを自動車に固定するためのホイールナットまたはボルトに関する。さらに詳しくは、装飾キャップ付きホイールナットまたはボルトアセンブリおよび組立て方法に関する。

装飾キャップ付きのホイールナットおよびボルトは、自動車の技術においてよく知られている。装飾キャップ付きホイールナットアセンブリは、たとえば従来では、ナットインサートと、該インサートに溶接、巻締めまたは接着によって固着された装飾キャップとからなる。これらの構成の例が、たとえば、トス（Toth）の特許文献１、ビダレク（Bydalek）の特許文献２、チャイブレ（Chaivre）の特許文献３および４、バルトゼル（Baltzell）の特許文献５、ソマース（Somers）らの特許文献６を含む、種々の従来技術の特許に記載されている。また、キャップおよびラグ・ナット（lug nut）にねじを形成し、該キャップを該ナット上に螺合することも知られている。これに関しては、ノラン（Nolan）らの特許文献７を参照することができる。

米国特許第４，９５５，７７３号明細書 米国特許第５，７７２，３７７号明細書 米国特許第４，０１８，１３３号明細書 米国特許第４，０５６，８６２号明細書 米国特許第４，７６４，０７０号明細書 米国特許第６，０３６，４２０号明細書 米国特許第５，１８０，２６６号明細書

従来技術に記載されるすべてのナットまたはボルトアセンブリは、相対的に複雑な固着構造、組立て手順および／または追加の構成要素を必要とする。溶接によって作られたアセンブリは、製造の実施のために高価で最新式ないしは高機能の設備を必要とする。インサートをメッキするための実施上のオプションは、溶接が採用される場合には制限され、溶接構造が高い耐腐食性を達成するのに不利になる。巻締め固着構造は、自動組立てを複雑化する構成要素、すなわち、封止剤またはＯリングの追加を要求する。固着するための接着剤の使用は、同様の問題を生じさせる。溶接の性質または追加の構成要素の使用のため、これらの組立て工程における製造速度は遅い。

本発明はかかる問題を解消するためになされたものであり、改良された装飾キャップ付きホイールナットまたはボルトアセンブリを提供することを目的とする。

また、装飾キャップが、溶接、接着剤の塗布、または封止剤やＯリングの使用をすることなく固着される、装飾キャップ付きホイールナットまたはホイールボルトアセンブリを提供することを目的とする。

さらに、より簡単で、安価であるが、従来技術のアセンブリと同様の信頼性を有する装飾キャップとインサートとのアセンブリを提供することを目的とする。

さらに、新規で、かつ改良された、装飾キャップおよびナットまたはボルトインサートの組立て方法を提供することを目的とする。

前述およびその他の目的は、キャップとインサートとのあいだの締まりばめを作り出すことによって構成要素が堅固に共締めされた、インサートおよびキャップのアセンブリにおいて実現される。さらに詳しくは、インサートは、メッキ、され、被覆され、またはメッキおよび被覆がなされた円筒状の外側表面を有する少なくとも１つの部分を含む。キャップは、前記インサートの被覆された円筒状の外側表面の外径よりも０．２５４〜０．７６２ｍｍ（０．０１０〜０．０３０インチ）程度小さい内径を有する円筒状の内側表面を有する対応する部分を有する。キャップは、塑性的かつ弾性的の両方で周方向に変形可能な材料で作製される。インサートは、キャップの円筒状の内側表面をインサートの被覆された円筒状の外側表面を覆うようにして、キャップに押圧して嵌められる。キャップの周方向の塑性および弾性変形が生じる。０．０５０８〜０．１５２４ｍｍ（０．００２〜０．００６インチ）の締まりばめが、キャップの弾性変形によって、締まる円筒状表面の周りに形成される。

本発明のほとんどの適用においては、直線的な円筒状の締まりばめは、キャップをナットインサート上に永久に固定するのに充分である。しかし、本発明の他の態様では、キャップのリムは巻締めされてもよい。さらに他の実施の形態では、キャップのリムは厚くされて、インサート上の肩部の背後でカチッと閉まってもよい。

キャップをインサート本体の上に固定する改良された方法は、２つの構成要素、すなわちキャップおよびインサートしか必要としないので、追加の構成要素の余分な出費、およびこの余分な構成要素を組立て工程内に導入する複雑さないしは煩雑さを低減することができる。また、インサート上のあらゆるタイプの被覆、メッキおよび被覆、またはメッキのみの使用が可能となるが、このことは現行の溶接組立て方法では不可能である。さらに、簡単な水圧、空気圧または機械プレス装置を用いたより高速の組立て速度により、コスト削減が達成され得る。

本発明によれば、改良された装飾キャップ付きホイールナットまたはボルトアセンブリを提供することができる。また、装飾キャップは、溶接、接着剤の塗布、または封止剤やＯリングの使用をすることなく固着され得る。さらに、簡単で、安価であるが、従来のアセンブリと同様の信頼性を有する装飾キャップとインサートとのアセンブリを提供することができる。しかも、新規で、かつ改良された、装飾キャップおよびナットまたはボルトインサートの組立て方法を提供することができる。

本発明の第１の実施の形態にかかわる装飾キャップ付きホイールナットアセンブリの側面図である。 図１のホイールナットアセンブリの上平面図である。 図１および図２に示された装飾キャップ付きホイールナットアセンブリのためのナットインサートの側面図である。 図３のナットインサートの上面図である。 図１および図２に示された装飾キャップ付きホイールナットアセンブリのためのキャップの底面図である。 図２の６−６線断面図である。 機械プレス内においてキャップ内に押圧して嵌入されるインサートの概略図である。 本発明の第２の実施の形態にかかわる装飾キャップ付きホイールナットアセンブリの、部分的に立面図および断面図を含む、側面図である。 図８のキャップ付きホイールナットアセンブリの上平面図である。 本発明の第３の実施の形態にかかわる装飾キャップ付きホイールナットアセンブリの、図８に類似する、分割された側面図および断面図である。 図１０のキャップ付きホイールナットアセンブリの上平面図である。 本発明の第４の実施の形態にかかわる装飾キャップ付きホイールボルトアセンブリの、図８に類似する、分割された側面図および断面図である。 図１２のキャップ付きホイールボルトアセンブリの上平面図である。 本発明の第５の実施の形態にかかわる装飾キャップ付きホイールボルトアセンブリの、図８に類似する、分割された側面図および断面図である。 図１４のキャップ付きホイールボルトアセンブリの上平面図である。 本発明の第６の実施の形態にかかわる装飾キャップ付きホイールナットアセンブリの、図８に類似する、分割された側面図および断面図である。 図１６のキャップ付きホイールナットアセンブリの上平面図である。 本発明の第７の実施の形態にかかわる装飾キャップ付きホイールナットアセンブリの、部分的に立面図および断面図を含む、側面図である。図である。 図１８のキャップ付きホイールナットアセンブリの上平面図である。 図１８のアセンブリの部分拡大図である。 本発明の第７の実施の形態にかかわるアセンブリの変形例を示す、図２０のアセンブリに類似する、アセンブリの部分拡大図である。

つぎに図面を参照しながら本発明の装飾キャップ付きホイールナットまたはボルトアセンブリおよび組立て方法をさらに詳細に説明する。なお、本発明は、その構成および操作方法を含み、図面において若干概略的に示されている。

図面、とくに図１〜６を参照すれば、本発明の第１の実施の形態を構成する装飾キャップ付きホイールナットアセンブリは、符号１０で全体的に示されている。ホイールナットアセンブリ１０は、本発明の特徴を具体化する方法によって堅固に共締めされたナットインサート１２および装飾キャップ１４を含む。

図１、２および６は、ホイールナットアセンブリ１０、すなわち、組み立てられたナットインサート１２およびキャップ１４が示されている。図３および図４は、ナットインサート１２が単独で示されている。図５は、キャップ１４が単独で示され、該キャップの端部を示す。

図３、４、および６に示されるように、ナットインサート１２は、貫通して一方の端部の六角形状部分２４から他方の切頭円錐状の基部２５まで軸方向に延びる円筒形状の中空部２３を有する本体２１を備える。ナットインサート１２は、六角ナットインサートと一般に呼ばれ、従来の方法で炭素鋼から作製される。切頭円錐状の基部２５は、ホイールリムを車両のホイールスタッド（図示せず）に固定するために、ホイールリム開口（図示せず）に従来の方法で着座されるのに適している。中空部２３は、スタッドを受けるために、内側端２７にめねじが形成されている。

ナットインサート１２は、露出された領域の酸化を防止するために従来の方法で被覆されている。図示された実施の形態では、オハイオ州、チャードンのメタル・コーティングス・インターナショナル・インコーポレーテッドから販売されているジオメット（GEOMET）という名前の被覆材料からなる被覆が適用される。ジオメットは、無機バインダ内の重なり合う亜鉛およびアルミニウム薄片から主として構成され、クロムは含まれない。ジオメットは、０．０２５４ｍｍ（０．００１インチ）程度の厚さまでインサート１２全体に塗布される。

六角形状部分２４と切頭円錐状の基部２５とのあいだに、インサート本体２１は、２つの円筒状本体部分３１、３３を有する。図示されたインサート本体２１の部分３１は、外径（ＯＤ）が２３．６ｍｍ（０．９３０インチ）程度の円筒状の（被覆された）外側表面３５を有する。表面３５は、軸方向の長さが３．３０ｍｍ（０．１３０インチ）程度である。部分３３は、外径（ＯＤ）が２４．３ｍｍ（０．９５５インチ）程度の円筒形状の（被覆された）外側表面３９を有する。表面３３は、軸方向の長さが１．５９ｍｍ（０．０６２５インチ）程度である。径方向に延びる肩部４１は、前記２つの円筒状表面３１、３３のあいだに形成されている。

図２、５および６に示されるように、キャップ１４は、３つの軸方向に位置決めされた壁部分、すなわち、ドーム状の端部壁部分５１と、六角形状の側壁部分５３と、円筒状の側壁部分５５とからなる。六角形状の側壁部分５３の配置および内部断面の寸法は、該側壁部分５３が前記インサート本体の被覆された六角形状部分２４を覆って容易に滑るように設定されている。しかし、本発明によれば、さらに後述するように、円筒状の側壁部分５５の内部断面の寸法は、キャップ１４がインサート１２上に押圧して嵌合されたときに前述したような弾性的な締まりばめが壁部分５５の内表面５７とインサート本体２１の被覆された円筒状の外表面３５とのあいだに形成されるように、設定されている。

キャップ１４は、公称厚さが０．４６〜０．５８ｍｍ（０．０１８〜０．０２インチ）程度のステンレス鋼シートから作製されている。円筒状の壁部分５５の内径（ＩＤ）は、好ましくは２３．１ｍｍ（０．９１０インチ）程度である。キャップ１４がインサート１２の上に押圧されたとき、円筒状の壁部分５５が塑性および弾性変形を受ける。変形が塑性である変形の部分は、両方の構成要素のための適度な製造許容誤差を許容する。弾性変形は、キャップ１４に環状の引っ張りひずみを結果として生じ、キャップ１４がインサート１２上に固定される機構を構成する。結果的に生じる締まりばめは、弾性変形の結果として、締まっている円筒表面周りでおよそ０．０６３５ｍｍ（０．００２５インチ）であるが、キャップの壁の厚さまたはキャップ材料の機械的特性の変化とともに変化可能である。

図７は、簡単な機械プレスＰ内におけるキャップ１４内へのナットインサート１２の組立てを示す。プレスＰは、キャップ１４が着座された、固定されたダイＤ１を備える。可動式のダイＤ２は、インサート１２を受け入れ、機械プレスＰによる従来の方法で及ぼされる圧力の影響下で、該インサート１２を下方へキャップ１４上へと駆動する。固定されたダイＤ１は、縦穴Ｗ内でキャップ１４を受ける。縦穴Ｗは、インサート１２がキャップ１４に押圧して嵌入されるときに、キャップ１４内で生じる、円筒状の側壁部分５５の周方向の拡張を許容するように、寸法設定される。

図８および９を参照すれば、本発明の第２の実施の形態を構成する装飾キャップ付きホイールナットアセンブリが、符号１１０で全体的に示される。アセンブリ１１０は、本発明にしたがって共締めされたナットインサート１１２および装飾キャップ１１４を含む。

ナットインサート１１２は、貫通して一方の端部の円筒状部分１３１から他方の切頭円錐状の基部１２５まで軸方向に延びる円筒形状の中空部１２３を有する本体１２１を備える。基部１２５は、ホイールリム開口（図示せず）に着座されるのに適している。中空部１２３には、めねじ１２７が形成されている。インサート１１２は、前述した方法で被覆されている。

円錐状基部１２５と円筒状部分１３１とのあいだに、六角形状部分１２４がある。六角形状部分１２４は、アセンブリ１０のインサート本体２１の六角部分２４に対応する。

軸方向に外側の、すなわち端部の円筒状部分１３１は、外径（ＯＤ）が１６．８ｍｍ（０．６６０インチ）程度の被覆された円筒状外側表面１３５を有する。表面１３５は、軸方向の長さが４．８３ｍｍ（０．１９０インチ）程度である。

図８に示されるように、キャップ１１４は、ステンレス鋼シートから作製され、４つの軸方向に位置決めされた壁部分、すなわち、ドーム状の端部壁部分１５１と、円筒状の側壁部分１５５と、六角形状の側壁部分１５３と、切頭円錐状のリップ（ないしは縁部）１５２とからなる。六角形状の側壁部分１５３の配置および内部断面の寸法は、該側壁部分１５３が前記インサート本体１２１の被覆された六角形状部分１２４を覆って容易に滑るように設定されている。

円筒状の側壁部分１５５の内径（ＩＤ）は、１６．３ｍｍ（０．６４インチ）程度である。キャップ１１４がインサート１１２上に押圧されたとき、円筒状の壁部分１５５が、キャップ１４に関して、前述した方法で塑性および弾性変形の両方を受ける。弾性変形は、キャップ１１４がインサート１１２上に固定される機構を構成する。結果的に生じる締まりばめは、およそ０．０６３５ｍｍ（０．００２５インチ）であるが、またキャップの壁の厚さまたはキャップ材料の機械的特性の変化とともに変化可能である。

図１０および１１を参照すれば、本発明の第３の実施の形態を構成する装飾キャップ付きホイールナットアセンブリが、符号２１０で全体的に示される。アセンブリ２１０は、本発明にしたがって共締めされたナットインサート２１２および装飾キャップ２１４を含む。

ナットインサート２１２は、貫通して一方の端部の円筒状部分２３１から他方の切頭円錐状の基部２２５まで軸方向に延びる円筒形状の中空部２２３を有する本体２２１を備える。基部２２５は、ホイールリム開口（図示せず）に着座されるのに適している。中空部２２３は、めねじ２２７が形成されている。インサート１２および１１２と同様に、インサート２１２は被覆されている。

円錐状基部２２５と端部円筒状部分２３１とのあいだに、六角形状部分２２４がある。六角形状部分２２４は、前記インサート１２のインサート本体２１の部分２４に対応する。

六角形状部分２２４と切頭円錐状の基部２２５とのあいだには、インサート本体２２１は、２つの円筒状本体部分２３３、２３４を有する。該２つの本体部分のうち軸方向に外側の円筒状部分２３３は、外径（ＯＤ）が２３．６ｍｍ（０．９３０インチ）程度の被覆された円筒状外側表面２３５を有する。表面２３５は、軸方向の長さが３．３０ｍｍ（０．１３０インチ）程度である。径方向に延びる肩部２４１は、２つの円筒形状の表面２３３、２３４のあいだに形成されている。

端部円筒状部分２３１は、外径（ＯＤ）が１６．８ｍｍ（０．６６０インチ）程度の被覆された円筒状外側表面２３６を有する。表面２３６は、軸方向の長さが４．８３ｍｍ（０．１９０インチ）程度である。

図１１に示されるように、キャップ２１４は、またステンレス鋼シートから作製され、４つの軸方向に位置決めされた壁部分、すなわち、ドーム状の端部壁部分２５１と、円筒状の側壁部分２５５と、六角形状の側壁部分２５３と、円筒状の側壁部分２５２とからなる。六角形状の側壁部分２５３の配置および内部断面の寸法は、該側壁部分２５３が前記インサート本体２２１の被覆された六角形状部分２２４を覆って自由に滑るように設定されている。

円筒状の側壁部分２５５の内径（ＩＤ）は、１６．３ｍｍ（０．６４インチ）程度である。キャップ２１４がインサート２１２上に押圧して嵌合されたとき、円筒状の壁部分２５５が、被覆された円筒状表面２３６を覆って押圧されるにつれて前述した塑性および弾性変形の両方を受ける。結果的に生じる締まりばめは、また、およそ０．０６３５ｍｍ（０．００２５インチ）である。

円筒状の側壁部分２５２の内径（ＩＤ）は、２３．１ｍｍ（０．９１０インチ）程度である。０．０６３５ｍｍ（０．００２５インチ）の締まりばめは、側壁部分２５２と端部円筒状部分２３１の被覆された外表面２３５とのあいだで同時に効果が生じる。

図１２〜１５において、本発明は、ホイールナットよりもむしろホイールボルトとして表わされている。とくに図１２〜１３を参照すれば、本発明の第４の実施の形態を構成する装飾キャップ付きホイールボルトアセンブリが、符号３１０で全体的に示される。アセンブリ３１０は、ボルトインサート３１２および装飾キャップ３１４を含む。

ボルトインサート３１２は、従来の方法で炭素鋼から作製される。本体３２１は、一方の端部における六角形状部分３２４および反対側端部におけるおねじが形成された基部３２７を含む。インサート３１２は前述の方法で被覆されている。

六角形部分３２４とおねじが形成された基部３２７とのあいだには、円筒状部分３３１および切頭円錐状部分３３３が形成されている。円筒状部分３３１は、被覆された円筒状外表面３３５を有する。表面３３５の外径（ＯＤ）は、２２．７ｍｍ（０．８９５インチ）程度である。表面３３５は、軸方向の長さが４．１９ｍｍ（０．１６５インチ）程度である。

切頭円錐状部分３３３は、ホイールリムを車両のホイールに固定するために、ホイールリム開口（図示せず）に着座されるのに適している。インサート３１２のおねじが形成された基部３２７は、よく知られた方法で螺入される。

キャップ３１４は、またステンレス鋼シートから形成され、３つの軸方向に位置決めされた壁部分、すなわち、ドーム状の端部壁部分３５１と、六角形状の側壁部分３５３と、円筒状の側壁部分３５５とからなる。六角形状の側壁部分３５３の配置および内部断面の寸法は、該側壁部分３５３が前記インサート本体３２１の被覆された六角形状部分３２４を覆って容易に滑るように設定されている。

円筒状の側壁部分３５５の内径（ＩＤ）は、２２．２ｍｍ（０．８７５インチ）程度である。キャップ３１４がインサート３１２上に押圧されたときに、前記円筒形状の壁部分３５５がボルト本体３２１の被覆された表面３３５を覆って押圧されるにつれて前述した塑性および弾性変形の両方を受ける。結果的に生じる締まりばめは、またおよそ０．０６３５ｍｍ（０．００２５インチ）である。

図１４〜１５を参照すれば、本発明の第５の実施の形態を構成する装飾キャップ付きホイールボルトアセンブリが、符号４１０で全体的に示される。アセンブリ４１０は、ボルトインサート４１２および装飾キャップ４１４を含む。

ボルトインサート４１２は、従来の方法で炭素鋼から作製される。本体４２１は、一方の端部付近の六角形状部分４２４および反対側端部におけるおねじが形成された基部４２７を含む。インサート４１２は前述の方法で被覆されている。

六角形部分４２４の軸方向の外側において、インサート４１２は、円筒状部分４３１を含む。円筒状部分４３１は、被覆された外表面４３５を有する。前記表面４３５の外径（ＯＤ）は、１５．６ｍｍ（０．６１５インチ）程度である。表面４３５は、軸方向の長さが３．８１ｍｍ（０．１５０インチ）程度である。

インサート４１２は、また、ホイールリムを車両のホイールに固定するために、ホイールリム開口（図示せず）に従来の方法で着座されるのに適している球形部分４３３を有している。インサート４１２のおねじが形成された基部４２７は、よく知られた方法でホイールに螺入される。

キャップ４１４は、またステンレス鋼シートから形成され、３つの軸方向に位置決めされた壁部分、すなわち、ドーム状の端部壁部分４５１と、円筒状の側壁部分４５５と、六角形状の側壁部分４５３と、張り出したリップ４５６とからなる。六角形状の側壁部分４５３の配置および内部断面の寸法は、該側壁部分４５３が前記インサート本体４２１の被覆された六角形状部分４２４を覆って容易に滑るように設定されている。

円筒状の側壁部分４５５の内径（ＩＤ）は、１５．１ｍｍ（０．５９５インチ）程度である。インサート４１２がキャップ４１４に圧入されたときに、円筒形状の壁部分４５５は、前述した塑性および弾性変形の両方を受ける。前記円筒形状の壁部分４５５がボルト本体４２１の被覆された円筒状表面４３５を覆いつつ押圧されるにつれて、およそ０．０６３５ｍｍ（０．００２５インチ）程度の締まりばめが被覆された表面４３５の周りに結果的に生じる。

図１６〜１７は、本発明の特徴を具体化する第６の実施の形態の装飾キャップ付きホイールナットアセンブリを示し、当該アセンブリは、符号５１０で示される。アセンブリ５１０は、ナットインサート５１２および装飾キャップ５１４を含む。

ナットインサート５１２は、貫通して一方の端部の六角形状部分５２４から他方の切頭円錐状の基部５２５まで軸方向に延びる円筒形状の中空部５２３を有する本体５２１を備える。基部５２５は、ホイールリム開口（図示せず）に着座されるのに適している。中空部５２３は、めねじ５２７が形成されている。インサート１２および１１２と同様に、インサート５１２は被覆されている。

六角形状の頭部５２４と切頭円錐状の基部５２５とのあいだに、インサート本体５２１は、本体部分５３３を有する。図示されたインサート本体５２１の本体部分５３３は、外径（ＯＤ）が２９．５ｍｍ（１．１６０インチ）程度で、軸方向の長さが３．３０ｍｍ（０．１３０インチ）程度の被覆された円筒状の外表面５３５を有する。円筒状の本体部分表面５３５の下であって、かつ切頭円錐状の基部５２５の上には、アンダーカット部５３４がある。

キャップ５１４は、３つの軸方向に位置決めされた壁部分、すなわち、ドーム状の端部壁部分５５１と、六角形状の側壁部分５５３と、円筒状の側壁部分５５５と、ならびに巻締め部分（crimp section）５５６とからなる。六角形状の側壁部分５５３の配置および内部断面の寸法は、（内向きの巻締め部分５５６が形成される前に）該側壁部分５５３が前記インサート本体の被覆された六角形状部分５２４を覆って容易に滑るように設定されている。円筒状の側壁部分５５５の内部断面の寸法は、キャップ５１４がインサート５１２上に押圧して嵌められたときに、前述したような締まりばめが壁部分５５５の内表面５５７とインサート本体５２１の被覆された円筒状の外表面５３５とのあいだに形成されるように、設定されている。

キャップ５１４は、公称厚さが０．４６〜０．５８ｍｍ（０．０１８〜０．０２０インチ）程度のステンレス鋼シートから作製されている。円筒状の壁部分５５５の内径（ＩＤ）は、好ましくは２９．０ｍｍ（１．１４０インチ）程度である。キャップ５１４がインサート５１２の上に押圧されると、円筒状の壁部分５５５が塑性および弾性変形を受ける。結果的に生じる締まりばめは、およそ０．０６３５ｍｍ（０．００２５インチ）である。

本発明にかかわる本実施の形態では、インサート５１２が前述した方法でキャップ５１４に押圧して嵌入されたのちに、巻締め部分５５６が内向きに形成されている。巻締め（crimping）は、圧接操作を連続することにより達成されてもよい。巻締め部分５５６は、巻締めされてインサート本体５２１上のアンダーカット５３４に係合する。巻締めの特徴は、アセンブリ５１０が極端なねじりの乱用（extreme wrenching abuse）にさらされる場合にオプションとして与えられ、そのような条件下でも無傷のままであることを確保する。また、前記巻締めの特徴は、好印象の装飾的外観をアセンブリに提供する。そして、締まりばめおよび巻締めの両方が、インサート５１２上にキャップ５１４を堅固に保持する役目を奏し、締まりばめは表面５３５、５５７の接点における湿気ないしは水分の侵入を阻止するというさらなる機能を奏する。

図１８〜２０は、本発明の特徴を具体化する第７の実施の形態のキャップ付きホイールナットアセンブリを示し、当該アセンブリは、符号６１０で示される。アセンブリ６１０は、ナットインサート６１２および装飾キャップ６１４を含む。

ナットインサート６１２は、貫通して一方の端部の六角形状部分６２４から他方の切頭円錐状の基部６２５まで軸方向に延びる円筒形状の中空部６２３を有する本体６２１を備える。基部６２５は、ホイールリム開口（図示せず）に着座されるのに適している。中空部６２３には、めねじ６２７が形成されている。インサート１２および１１２と同様に、インサート６１２は被覆されている。

六角形状の頭部６２４と切頭円錐状の基部６２５とのあいだに、インサート本体６２１は、本体部分６３３を有する。図２０にもっともよく示されるように、図示されたインサート本体６２１の本体部分６３３は、軸方向の長さが４．５７ｍｍ（０．１８０インチ）程度の基部６２５に隣接する、被覆された円筒状表面６３５を有する。被覆された円筒状表面６３５は、外径（ＯＤ）が２３．１ｍｍ（０．９１０インチ）程度で、軸方向の長さが１．７８ｍｍ（０．０７インチ）程度の第１の円筒状表面６４１と、外径（ＯＤ）が２２．６ｍｍ（０．８９０インチ）程度で、軸方向の長さが２．７９ｍｍ（０．１１０インチ）程度の第２の円筒状表面６４２とを含む。したがって、幅２．５４ｍｍ（０．０１０インチ）程度の環状の肩部６４３が、前記第１および第２の表面６４１と６４２とのあいだに形成されている。

キャップ６１４は、３つの軸方向に位置決めされた壁部分、すなわち、ドーム状の端部壁部分６５１と、六角形状の側壁部分６５３と、全体的に円筒状の側壁部分６５５とからなる。六角形状の側壁部分６５３の配置および内部断面の寸法は、該側壁部分６５３が前記インサート本体の被覆された六角形状部分６２４を覆って容易に滑るように設定されている。

円筒状の側壁部分６５５は、壁部分の内側に折り返されたリップ６５６を含む。図２０に示されるように、リップ６５６は、符号６５７の部分に見られるように、外側の端部において、壁部分６５５の厚さを２倍にしている。リップ６５６と同一の広がりをもって、壁部分６５５は、当該壁分６５５の２倍の厚さの部分６５７が部分６５５の下で効果的に中心合わせがなされるように、またわずかに外へ向かって形成されている。

キャップ６１４は、公称厚さが０．４６〜０．５８ｍｍ（０．０１８〜０．０２０インチ）程度のステンレス鋼シートから作製されている。リップ６５６によって被覆されていない円筒状の壁部分６５５の内径（ＩＤ）は、好ましくは２２．６ｍｍ（０．８９０インチ）程度である。キャップ６１４がインサート６１２の上に押圧されると、円筒状の壁部分６５５が塑性および弾性変形を受ける。第１の円筒状表面６４１と壁部分６５５とのあいだに結果的に生じる締まりばめは、およそ０．０６３５ｍｍ（０．００２５インチ）である。

実際には、キャップ６１４がインサート６１２の上に押圧されるにつれて、リップ６５６によって被覆されていない壁部分６５５、および当該リップを含む壁部分６５５および６５６からなる２倍の厚さの部分６５７の両方が、周方向の外側へ引っ張られる。リップ６５６が肩部６４３を通るとき、リップ６５６は、変形する弾性的な構成要素により、周方向に内方へカチッと閉まり、ナットインサートの上でキャップを効果的にロックすることができる。

図２１を参照すれば、本発明の第７の実施の形態の変形例である、キャップ付きホイールナットアセンブリを示し、当該アセンブリは、符号７１０で示される。アセンブリ７１０は、構成および操作において、アセンブリ６１０に類似しており、そのため、相違点のみ記載する。図２１では、前記アセンブリ６１０の参照符号に１００を加えたものに対応する参照符号が採用される。

アセンブリ７１０において、キャップ７１４の円筒状壁部分７５５は、軸方向により長い円筒状リップ７５６を有し、肩部７４３は、それに対応して配置されている。壁部分７５５には、オフセットが形成されていないため、２倍の厚さの部分７５７が、壁部分７５５の残りの下で中心合わせされてない。

肩部７４３に隣接する円筒状表面１４２は、外径が２２．６ｍｍ（０．８９０インチ）程度である。円筒状リップ７５６の内径は、２２．１ｍｍ（０．８７０インチ）程度である。キャップ７１４がインサート７１２の上に押圧して嵌合されたとき、壁部分７５５およびリップ７５６は、塑性および弾性変形を受ける。リップ７５６と表面７４２とのあいだの締まりばめは、およそ０．０６３５ｍｍ（０．００２５インチ）である。

ここに、記述した種々のインサートがまずメッキされ、ついで被覆されることが、指摘されるべきである。また、それらは、従来の方法でメッキされてよいし、また被覆されなくてもよい。本発明は、炭素鋼インサートを構成要素から保護するためにいかなるこれらのアプローチを採用することを考慮している。第３の実施の形態のアセンブリ２１０（図１０および図１１参照）だけが、２つの軸方向に離間した、嵌め合いのための円筒状表面において、別々の締まりばめを用いることを示しているが、いかなる実施の形態においても、選択の問題として、本発明はひとつまたは２つのセットの嵌め合いのための円筒状表面の使用を考えていることも、また理解されるべきである。

本発明の好ましい実施の形態が記載されているが、本発明がそれらに制限されず、本発明の範囲から逸脱されることなく変更がなされ得ることもまた理解されるべきである。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義されるが、文言上または均等によって特許請求の範囲の意味の範囲内に入るすべての装置が、そこに包含される。

１０、１１０、２１０、５１０、６１０、７１０ ホイールナットアセンブリ
１２、１１２、２１２、５１２、６１２、７１２ ナットインサート
１４、１１４、２１４、３１４、４１４、５１４、
６１４、７１４ キャップ
３１０、４１０ ホイールボルトアセンブリ
３１２、４１２ ボルトインサート

Claims (1)

1. ａ）固着具のインサート本体であって、該本体の軸を周回して当該本体にねじが形成されており、前記軸を周回する多角形断面を有する外側表面を有する１つの部分を含み、かつ前記軸を周回する円筒状断面を有する外側表面を有する他の部分を含む本体と、
   ｂ）多角形断面を有する内側表面を有する１つの壁部分を含み、かつ円筒状断面を有する内側表面を有する他の壁部分を含み、当該他の壁部分が２倍の厚さの部分を備えたシート材料で形成されたキャップと
   を備えた装飾キャップおよびホイール固着具のアセンブリの製法であって、
   前記インサート本体および前記キャップを一緒に押圧して嵌合して組み立てること、
   前記壁部分の内側に折り返して、前記２倍の厚さの部分を設け、当該２倍の厚さの部分を同一の広がりをもって、前記壁部分の下で効果的に中心合わせがなされるように形成すること
   を特徴とする装飾キャップおよびホイール固着具のアセンブリの製法。

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