JP2010119399A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、操縦ハンドルが後方向きに延出されるとともに耕起ロータが装備された走行機体を備えた歩行型管理機に関する。
歩行型管理機としては、下部に回転軸を横架支承した伝動ケースの上部にエンジンを直結するとともに、伝動ケースから後方に向けて操縦ハンドルを延出して走行機体を構成し、この走行機体の後部にインプルメント取り付け用の後部ヒッチを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記構成の歩行型管理機を用いて畝の成形を行うには、伝動ケースの下部の回転軸に耕起ロータを装着して、後部ヒッチに抵抗棒を取り付けることで、ダウンカット方向に高速で回転駆動される耕起ロータによって耕起しながら耕起ロータの回転によって前進し、機体後方において圃場に突入された抵抗棒による前進抵抗を加減することで所望の速度で前進しながら耕起を行う。その後、耕起ロータに代えて回転軸に車輪を取り付けて、後部ヒッチに抵抗棒に代えて培土器を取り付けることで、車輪で低速前進しながら先に耕起した土を培土器で押圧して畝を成形するのである。
上記構成の歩行型管理機では、耕起作業と畝成形作業をそれぞれ別に行うので作業に手間がかかるとともに、耕起作業から畝成形作業への切り換えに際して、回転軸への耕起ロータと車輪の取り換え、および、後部ヒッチへの抵抗棒と培土器の取り換えを行う必要があり、その切り換えに手数がかかるものとなっていた。
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、歩行型管理機を用いての畝成形作業を、機材の取り換え手間を要することなく能率よく行えるようにすることを目的としている。
第1の発明は、操縦ハンドルが後方向きに延出されるとともに耕起ロータが装備された走行機体を備えた歩行型管理機において、
ゴム板から成る成形板を備えた培土器を、走行機体側に上端部が支持されて前記耕起ロータの後方位置で垂れ下がる状態で設け、
前記培土器が走行機体側に支持される側を揺動支点にして畝側面を押圧する反力によって後向きに揺動した成形作業姿勢になるに伴って前記培土器を前記成形作業姿勢に維持するように、前記培土器の培土器横幅方向での中央部に対して前記培土器の後面側から当接して支持作用する機体上下向きの棒を設け、
前記培土器の下端辺から突出し、畝底面を押圧する反力によって後方に屈曲される舌片を設けてあることを特徴とする。
ゴム板から成る成形板を備えた培土器を、走行機体側に上端部が支持されて前記耕起ロータの後方位置で垂れ下がる状態で設け、
前記培土器が走行機体側に支持される側を揺動支点にして畝側面を押圧する反力によって後向きに揺動した成形作業姿勢になるに伴って前記培土器を前記成形作業姿勢に維持するように、前記培土器の培土器横幅方向での中央部に対して前記培土器の後面側から当接して支持作用する機体上下向きの棒を設け、
前記培土器の下端辺から突出し、畝底面を押圧する反力によって後方に屈曲される舌片を設けてあることを特徴とする。
上記構成によると、耕起ロータで耕起しながら耕起跡に培土器を作用させて畝を成形することになり、機体上下向きの棒を装備したままでも畝成形作業を行うことができる。この場合、培土器には土への押圧反力が後方への負荷として作用して、培土器下部が後方に移動されようとするが、培土器が機体上下向きの棒に受け止められることで、培土器の作用姿勢が一定に保たれる。
従って、第1の発明によると、培土器を取り換えて耕起作業と畝成形作業を分けて行うような煩わしさなく、畝の成形を能率よく行うことができるとともに、培土器の作用姿勢を安定させて良好な畝成形機能を発揮させることができる。
第2の発明は、前記培土器が前記成形作業姿勢にある状態で前記棒が前記培土器の下端に対して下方に突出していることを特徴とする。
本発明のいくつかの実施例を図面に基づいて説明する。
〔第1例〕
図1に、本発明の第1例に係る歩行型管理機の全体側面が、図2に、その平面がそれぞれ示されている。この歩行型管理機の走行機体1は、エンジン2を上端に直結した伝動ケース3から後方に操縦ハンドル4を延出するとともに、前記伝動ケース3の下部左右に回転軸5を支承し、伝動ケース3の上部左右にフェンダ6を張り出し配備して構成されている。
〔第1例〕
図1に、本発明の第1例に係る歩行型管理機の全体側面が、図2に、その平面がそれぞれ示されている。この歩行型管理機の走行機体1は、エンジン2を上端に直結した伝動ケース3から後方に操縦ハンドル4を延出するとともに、前記伝動ケース3の下部左右に回転軸5を支承し、伝動ケース3の上部左右にフェンダ6を張り出し配備して構成されている。
エンジン2は、縦軸型の空冷式ガソリンエンジンが使用されており、エンジン2の上部に備えたリコイルスタータ7を用いて手動でエンジン始動を行うよう構成されている。リコイルスタータ7から後方にリコイルロープ8が導出されるとともに、リコイルロープ8の後端に備えた引き手8aが、操縦ハンドル4に備えられたロープフック9に挿通支持されている。
操縦ハンドル4は、丸パイプ材からなるハンドル基部4aと、その後端に横向きの支点p周りに回動可能に枢支連結された左右二股状の操作ハンドル部4bとから構成されており、支点pに備えたノブ付きボルト10を緩めて操作ハンドル部4bを上下に回動し、任意の回動位置でノブ付きボルト10を締め込むことで、操作ハンドル部4bの高さを調節することができるとともに、図3に示すように、操作ハンドル部4bを前方に大きく回動することで、エンジン2に跨るように折り込み格納することができるようになっている。
前記伝動ケース3の後部には板金構造の後部ヒッチ12が備えられており、この後部ヒッチ12に挿通したハンドル基部4aの前端部が伝動ケース3の下部後方箇所に連結されることで、ハンドル基部4aが所定の後上がり傾斜姿勢で強固に固定支持されている。
前記後部ヒッチ12の後端には縦向きのボス部12aが備えられており、このボス部12aに丸棒材をくの字形に屈曲した抵抗棒13が挿通されて貫通ピン14で位置固定されている。抵抗棒13には上下複数のピン挿通孔15が形成されており、このピン挿通孔15を選択して貫通ピン14を挿通することで、抵抗棒13の高さを複数段階に調節することが可能となっている。
図1は、前進走行によって走行機体1の通過跡左右に畝を成形してゆく外盛り式の畝の成形を行う仕様とした歩行型管理機が示されており、伝動ケース3の下部に支承された左右の回転軸5には耕起ロータ16がそれぞれ装着され、耕起ロータ16をダウンカット方向(図1の矢印参照)に高速で回転駆動して耕起しながら耕起ロータ16の回転によって前進し、機体後部において圃場に突入された抵抗棒13による前進抵抗を加減することで所望の速度で前進しながら耕起を行うようになっている。
前記耕起ロータ16は、回転軸5に連結される爪軸17に耕起爪18を植設して構成されており、この例では、複数種の耕起爪18を所定の配列に配置して、所定の横幅に亘って耕起した土を左右に跳ね上げる外盛り仕様に構成されたものが用いられる。
後部ヒッチ12には、側面視で抵抗棒13と交差するように培土器20が横向きの支点q周りに自由回動可能に連結支持されている。図4に示すように、この培土器20は、逆台形形状に形成されたゴム板製の成形板21の上辺および下辺に沿って上部支持枠22と下部支持枠23をそれぞれボルト締め連結して構成されたものであり、その詳細は以下のようである。
前記成形板21は、適度な硬度と弾性を備えた厚さ数mmのゴム板を下窄まりの逆台形状に切り出したものであり、上部支持枠22および下部支持枠23の横外端よりもはみ出す横幅を備えている。成形板21の左右中央部の上下中間箇所に縦長矩形の透孔24が形成されて、透孔24に抵抗棒13が前方から後方に貫通され、成形板21の下辺における左右には下部支持枠23よりも下方に突出する舌片25が一体形成されている。
前記上部支持枠22および下部支持板23は平鋼材からなり、成形板21における上辺および下辺の背面に沿って配備されてボルト締め連結される。上部支持枠22の左右中央箇所には平鋼材からなる縦枠26が溶接固定され、この縦枠26の下端縁が前記透孔24の上端縁に合致されるとともに、下部支持枠23の上端縁が前記透孔24の下端縁に合致されている。
前記縦枠26の上部から前方上方に向けて二股状に折り曲げ延出された連結枠部26aが延出され、この連結枠部26aが後部ヒッチ12のボス部前方箇所にピン27を介して前記支点q周りに回動自在に枢支連結されている。縦枠26の上端に連設した屈曲部26bが左右の連結枠部26aの間に挿入されて溶接連結されており、図5に示すように、前記屈曲部26bが後部ヒッチ12におけるボス部12aの背面に接当することで、培土器20の前方への揺動限界が接当規制され、培土器20が耕起ロータ16に接触することが回避されている。
上記構成によると、耕起ロータ16をダウンカット方向に高速で回転駆動して耕起しながら耕起ロータ16の回転によって前進し、圃場に突入された抵抗棒13による前進抵抗を加減することで所望の速度で前進しながら耕起および左右への土上げを行うことで、耕起されて柔らかくなった土を逆台形状の培土器20で押圧移動させ、図6および図7に示すように、成形板21の下端辺で畝の底面Bを押圧成形するとともに、成形板21の傾斜する側端辺で左右の畝の側面Sを押圧成形する。
この場合、図5中の仮想線で示すように、培土器20は後向きに働く負荷によって支点q周りに後方に揺動され、下部支持枠23が抵抗棒13に受け止められる接当部として機能し、培土器20が少し前倒れ傾斜した所定の成形作業姿勢に維持される。
図6および図7に示すように、成形板21の下端辺から突出された舌片25は畝の底面Bを押圧する反力によって後方に屈曲され、その弾性復元力によって畝の底面Bの左右端を押し固めるとともに、耕起の具合や機体前後姿勢の変化によって畝の底面Bの高さが多少変動しても、その変動に応じて舌片25の屈曲具合が追従変化し、適度に押し固めた畝の底面Bが成形される。
成形板21の側端辺も畝の側面Sを押圧する反力によって後方に屈曲され、その弾性復元力によって畝の側面Sを押し固めるとともに、耕起の具合によって畝間の横幅が多少変動しても、その変動に応じて成形板21の側端辺の屈曲具合が追従変化し、適度に押し固めた畝の側面Sが成形される。
〔第2例〕
図8および図9に、〔第1例〕とは異なる培土器20が示されている。この例の培土器20も、逆台形形状に形成されたゴム板製の成形板21の上辺および下辺に沿って上部支持枠22と下部支持枠23をそれぞれボルト締め連結して構成されている。
図8および図9に、〔第1例〕とは異なる培土器20が示されている。この例の培土器20も、逆台形形状に形成されたゴム板製の成形板21の上辺および下辺に沿って上部支持枠22と下部支持枠23をそれぞれボルト締め連結して構成されている。
前記成形板21は、適度な硬度と弾性を備えた厚さ数mmのゴム板を下窄まりの逆台形状に切り出したものであり、上部支持枠22および下部支持枠23の横外端よりもはみ出す横幅を備えている。成形板21の左右中央部の上下中間箇所に縦長矩形の透孔24が形成されて、透孔24に抵抗棒13が裏面側から表面側に貫通されている。
前記上部支持枠22および下部支持板23は平鋼材からなり、成形板21における上辺および下辺の背面に沿って配備されてボルト締め連結される。上部支持枠22の左右中央箇所には平鋼材からなる縦枠26が溶接固定され、この縦枠26の下端縁が前記透孔24の上端縁に合致されるとともに、下部支持枠23の上端縁が前記透孔24の下端縁に合致されている。
前記縦枠26の上部から上方に向けて二股状に折り曲げ延出された連結枠部26aが延出され、この連結枠部26aが後部ヒッチ12のボス部前方箇所にピン27を介して前記支点q周りに回動自在に枢支連結されている。
上記構成によると、耕起ロータ16をダウンカット方向に高速で回転駆動して耕起しながら耕起ロータ16の回転によって前進し、圃場に突入された抵抗棒13による前進抵抗を加減することで所望の速度で前進しながら耕起および左右への土上げを行うことで、耕起されて柔らかくなった土を逆台形状の培土器20で押圧移動させ、成形板21の下端辺で畝の底面Bを押圧成形するとともに、成形板21の傾斜する側端辺で左右の畝の側面Sを押圧成形する。
この場合、図8中の仮想線で示すように、培土器20は全体的に後向きに働く負荷によって支点q周りに後方に揺動され、縦枠26の下部が抵抗棒13に受け止められる接当部として機能し、培土器20は少し前倒れ傾斜した所定の成形作業姿勢に維持される。培土器20の下半部は土の押圧反力で多少後方に屈曲変形しながら畝の底面Bを押圧し、抵抗棒13によって畝の底面Bに形成された溝を押圧して埋め戻すことになる。
操縦ハンドル4を持ち上げて走行機体1を前傾させたり、培土器20を接地させたまま走行機体1を後進させる、等して、培土器20が自重や外力で前方に移動しても、培土器20の下部に備えた下部支持板23が接当部として機能して抵抗棒13に受け止められることで、培土器20が設定位置より前方への移動することが阻止され、培土器20が耕起ロータ16に接触するようなことが回避される。
〔他の実施例〕
(1)図示されていないが、培土器20の成形板21を左右の分割成形板で構成し、左右の分割成形板21に備えた上部支持枠22と下部支持枠23を互いに連結して所望の外形形状の成形板21を構成することもできる。これによると、左右の分割成形板を各別に取り替えることが可能となる。
(2)成形板21を硬質の樹脂板や金属板で構成することもできる。
(3)上記した各実施例では、走行機体1の回転軸に耕起ロータ16を装着する、いわゆる、車軸作業形態の場合を示しているが、推進用の車輪の後方に耕起ロータ16、培土器20、および、抵抗棒13をこの順に配備した形態で実施することもできる。
(1)図示されていないが、培土器20の成形板21を左右の分割成形板で構成し、左右の分割成形板21に備えた上部支持枠22と下部支持枠23を互いに連結して所望の外形形状の成形板21を構成することもできる。これによると、左右の分割成形板を各別に取り替えることが可能となる。
(2)成形板21を硬質の樹脂板や金属板で構成することもできる。
(3)上記した各実施例では、走行機体1の回転軸に耕起ロータ16を装着する、いわゆる、車軸作業形態の場合を示しているが、推進用の車輪の後方に耕起ロータ16、培土器20、および、抵抗棒13をこの順に配備した形態で実施することもできる。
1 走行機体
4 操縦ハンドル
13 抵抗棒(機体上下向きの棒)
16 耕起ロータ
20 培土器
21 成形板
25 舌片
4 操縦ハンドル
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