JP2010111988A - 嵩高紡績糸の製造装置および製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、軽くソフトな肌触りや、保温性、十分な強伸度を兼ね備えた嵩高紡績糸などを提供することにある。
【解決手段】本発明に係る紡績糸の製造装置20は、牽伸機構25、ローラ対Nおよび撚り機構26を備える。牽伸機構は、複数の単繊維を引き揃えたスライバSを牽伸して繊維束を形成する。ローラ対は、牽伸機構の繊維流れ方向下流側に配置される。そして、このローラ対では、表面に開口する独立溝21が少なくとも一方のローラ5,6に形成されている。撚り機構は、ローラ対の繊維流れ方向下流側に配置される。また、この撚り機構は、ローラ対において独立溝を通過した繊維束に撚りをかける。
【選択図】図2

Description

本発明は、嵩高紡績糸の製造装置および製造方法に関する。
ポリエステルやアクリルなどの合成繊維のステープル繊維、レーヨンなどの再生繊維のステープル繊維、綿や麻、獣毛、絹などの天然繊維などから構成される短繊維紡績糸を用いた織物、編物、不織布等は、表面の毛羽感からソフトな肌触りを有すると共に優れた保温性を有する。このため、このような織物、編物、不織布等は、世間一般に幅広く用いられている。
上述した合成繊維や再生繊維のステープル繊維、天然繊維から紡績糸を製造する方法としては、スライバを牽伸した後に加撚するリング紡績法が従来から知られている。リング紡績装置40は、図3に示されるように、主に、バックローラ31と、ミドルローラ32を含むエプロン33と、フロントローラ34と、スピンドル37とから構成されている。そして、バックローラ31、ミドルローラ32、フロントローラ34の回転速度はバックローラ31、ミドルローラ32、フロントローラ34の順に速くなっており、スライバSはこの速度差により牽伸される。そして、そのスライバSは、撚りをかけられて紡績糸36となり、ボビンBに巻き取られる。
なお、このようなリング紡績装置40では、スライバS中の単繊維が各ローラ31,32,34間で切断されることのないように、通常はバックローラ31とミドルローラ32との間隔、ミドルローラ32とフロントローラ34との間隔が少なくともスライバSの最大繊維長以上に設定されている。
しかし、このような従来のリング紡績法は、撚りを十分に加えて強力の大きい糸を製造するのには向いているが、嵩高で柔らかな膨らみのある糸の製造には不向きである。
このような問題点を解決するために、特開平9−209226号公報では、ステープル繊維束が膨らみをもってフィラメント又は紡績糸を被覆するように、フィラメント又は紡績糸に対してステープル繊維束を一定速度で過剰供給しつつ撚糸して、フィラメント又は紡績糸とステープル繊維束との嵩高交撚糸を製造することが提案されている。
また、特開平8−337932号公報では、リング紡績装置において、フロントローラの繊維流れ方向下流側に過給ローラを設けて、スライバの供給量を制御することが提案されている。
しかしながら、上述の従前の方法により紡績糸を製造する場合、軽量化や保温性を向上させるために嵩高性を上げようとすると十分な強伸度が得られにくい。
特開平9−209226号公報 特開平8−337932号公報
本発明の課題は、軽くソフトな肌触りや、保温性、十分な強伸度を兼ね備えた嵩高紡績糸を製造するための製造装置および製造方法を提供することにある。
第1局面に係る嵩高紡績糸の製造装置は、牽伸機構、ローラ対および撚り機構を備える。牽伸機構は、複数の単繊維を引き揃えた繊維群を牽伸して繊維束を形成する。なお、この牽伸機構は、例えば、バックローラ、エプロン及びフロントローラ等から構成される。また、エプロンには、ミドルローラが含まれる。また、繊維群はポリエステル短繊維や、アクリル短繊維、ポリアミド短繊維、レーヨン短繊維、綿、麻、獣毛および絹より成る群から選択される少なくとも一種の短繊維であるのが好ましい。また、繊維群としては、防縮加工、セラミック加工、防炎加工等の加工を施したものや、先染めしたものも含まれる。また、獣毛としては、例えば、羊毛、カシミヤ、モヘヤ、キャメル、アンゴラなどが好ましい。また、これらの中でも、羊毛は、高い吸放湿特性を持ち、染色性が高く、低コストであるなどの優れた特性を持っているため、特に好ましい。ローラ対は、牽伸機構の繊維流れ方向下流側に配置される。なお、ローラ対は複数配置されてもかまわない。そして、このローラ対では、少なくとも一方のローラに、表面に開口する独立溝が形成されている。なお、独立溝の形状やサイズ、独立溝の配置間隔や設置位置は、目的とする嵩高紡績糸の嵩高性や強伸度を考慮して適宜変更されてもかまわない。ローラ対の両方のローラに独立溝が形成される場合、独立溝の形状や深さを異ならせることが好ましい。撚り機構は、ローラ対の繊維流れ方向下流側に配置される。そして、この撚り機構は、ローラ対の独立溝を通過した繊維束に撚りをかける。なお、以下、このようにして得られる紡績糸を「嵩高紡績糸」と称する。また、この撚り機構において、撚り回数は100回/m以上800回/m以下であるのが好ましい。また、本発明において、嵩高紡績糸がPVA繊維混紡糸である場合、嵩高紡績糸の撚り係数を50以上、200以下とするのが好ましい。この撚り係数の範囲であると機械的特性と嵩高特性を兼ね備えたPVA繊維混紡糸や嵩高紡績糸(PVA繊維溶解除去後)を製造することができ好ましい。この撚り回数や撚り係数の範囲であると機械的特性と嵩高特性を兼ね備えた嵩高紡績糸を製造することができ好ましい。そして、この嵩高紡績糸は、紡出した単糸を2本合撚して双糸とする、あるいは3本合撚して3子糸とする等、複数本の単糸を合撚して1本の糸としてもかまわない。
この嵩高紡績糸の製造装置を利用すると、軽くソフトな肌触りや、保温性、十分な強伸度を兼ね備えた嵩高紡績糸が得られることが本願発明者らの研究成果から明らかになっている。
このため、この嵩高紡績糸の製造装置では、軽くソフトな肌触りや、保温性、十分な強伸度を兼ね備えた嵩高紡績糸を製造することができる。
また、この嵩高紡績糸の製造装置では、例えば、嵩高性が10cm/g以上、30cm/g以下であり、破断時の単位強度当りの伸度が30%/N以下である嵩高紡績糸を製造することができる。なお、嵩高性が10cm/g未満の場合は、従来の紡績糸とほとんど変わらない。一方、嵩高性が30cm/gよりも大きくなると織物あるいは編物に加工した場合、ピリング性が悪くなったり機械的特性の低下を招いたりするので好ましくない。なお、嵩高性の範囲は12cm/g以上、28cm/g以下の範囲がより好ましく、12cm/g以上、25cm/g以下の範囲がさらに好ましい。また、嵩高紡績糸がPVA繊維混紡糸である場合、嵩高性の範囲は12cm3/g以上、28cm3/g以下であるのが好ましい。このような嵩高紡績糸は、テキスタイル製品のデザインの幅を広げることができ、好ましい。また、このような嵩高紡績糸から得られる布帛は、軽量であり、保温性や、着用したときの風合い、肌触り等において優れる。なお、ここにいう「布帛」とは、例えば、織物や、編物、不織布などである。また、織物の織り組織は、特に限定されるものではなく、平織、綾織、朱子織などの基本組織や、基本組織から誘導される変化組織、重ね組織などであってもかまわない。
また、このような嵩高紡績糸は引張試験において破断時の単位強度当りの伸度が25%/N以下であることが好ましい。単位強度当たりの伸度が25%/N以下であると,十分な嵩高性と実用的な機械的特性を得ることができるからである。つまり、嵩高紡績糸を引っ張った場合に、糸抜けによる強度の低下や、小さな外力で徐々に糸が伸びてしまう現象が生じにくい。なお、より好ましい単位強度当たりの伸度は20%/N以下である。
また、この嵩高紡績糸の製造装置では、ローラ対の取替えを行えば、多種多様の嵩高紡績糸の製造に対応することができる。
第2局面に係る嵩高紡績糸の製造装置は、第1局面に係る嵩高紡績糸の製造装置であって、独立溝は、ローラの半径方向に沿って見た場合、長方形、角丸長方形、楕円形、円形、台形、正方形および三角形の群から選択される少なくとも一つの形状を呈する。なお、これらの中でも、ローラの円周方向に沿って長細の長方形の独立溝が形成されるのがより好ましい。また、独立溝の寸法は、特に限定されるものではなく、繊維束の形状や要求される嵩高紡績糸の特性によって自由に設計することができる。通常は幅1mm〜10mm、周方向長さ3mm〜10mm、深さ1mm〜3mmの範囲で設計することができる。
独立溝をこのような形状とすると、嵩高紡績糸を効率よく製造することができることが本願発明者らの研究成果から明らかになっている。
このため、この嵩高紡績糸の製造装置では、嵩高紡績糸を効率よく製造することができる。
第3局面に係る嵩高紡績糸の製造装置は、第1局面または第2局面に係る嵩高紡績糸の製造装置であって、独立溝は、少なくとも一方のローラの円周方向に沿って少なくとも1列に点在している。なお、独立溝は、1列に等間隔で点在していることが好ましい。また、この独立溝は、繊維束が通過する幅方向の位置においてローラの全周に亘って設けられるのが好ましい。また、この独立溝は、繊維束の形状や大きさ、あるいは嵩高性を付与する条件等によって、並行状や千鳥状など、任意に配置されてもかまわない。また、この独立溝は、一つの列において等間隔に設けられるのが好ましい。嵩高紡績糸の嵩高性のバラつきが少なくなると考えられるためである。
このため、この嵩高紡績糸の製造装置では、独立溝が形成されている列に繊維束を通せば、連続的に繊維束を嵩高く加工することができる。
第4局面に係る嵩高紡績糸の製造装置は、第1局面から第3局面のいずれかに係る嵩高紡績糸の製造装置であって、繊維送り機構をさらに備える。繊維送り機構は、ローラ対と並列に配置される。そして、撚り機構は、ローラ対の独立溝を通過した繊維束を、繊維送り機構を通過した合成繊維のモノフィラメントに巻き付けながら撚りをかける。繊維送り機構とは、例えば、ローラ対などである。なお、合成繊維のモノフィラメントとしては、例えば、ナイロン製のモノフィラメントや、ポリエステル製のモノフィラメント、ポリウレタン製のモノフィラメントが好適に挙げられる。
このため、この嵩高紡績糸の製造装置では、合成繊維のモノフィラメントと繊維束との嵩高交撚糸を製造することができる。
なお、このような嵩高交撚糸では、合成繊維のモノフィラメントが芯糸となり、繊維束が鞘糸となる。そして、このような嵩高交撚糸では、芯糸により嵩高交撚糸の強度が担保される。このため、嵩高紡績糸の製造装置では、嵩高性に富んだ細番手の嵩高交撚糸を製造することができる。
また、合成繊維のモノフィラメントとしてポリウレタン製のモノフィラメント等の伸縮性モノフィラメントが用いられると、嵩高性および伸縮性に富んだ細番手の嵩高交撚糸を製造することができる。
第5局面に係る嵩高紡績糸の製造方法は、牽伸工程、嵩高加工工程および撚り工程を備える。牽伸工程では、複数の単繊維が引き揃えられた繊維群が牽伸されて繊維束が形成される。嵩高加工工程では、表面に開口する独立溝が少なくとも一方のローラに形成されているローラ対の独立溝に、牽伸工程後の繊維束が通過させられて繊維束が嵩高くされる。撚り工程では、嵩高加工工程後の繊維束が撚りをかけられる。
この嵩高紡績糸の製造方法を利用すると、軽くソフトな肌触りや、保温性、十分な強伸度を兼ね備えた嵩高紡績糸が得られることが本願発明者らの研究成果から明らかになっている。
このため、この嵩高紡績糸の製造方法では、軽くソフトな肌触りや、保温性、十分な強伸度を兼ね備えた嵩高紡績糸を製造することができる。
また、この嵩高紡績糸の製造方法では、ローラ対の取替えを行えば、多種多様の嵩高紡績糸の製造に対応することができる。
第6局面に係る嵩高紡績糸の製造方法は、第5局面に係る嵩高紡績糸の製造方法であって、撚り工程では、嵩高加工工程後の繊維束が、合成繊維のモノフィラメントに巻き付けられながら撚りがかけられる。
このため、この嵩高紡績糸の製造方法では、合成繊維のモノフィラメントと繊維束との嵩高交撚糸を製造することができる。
第7局面に係る嵩高紡績糸の製造方法は、第5局面または第6局面に係る嵩高紡績糸の製造方法であって、繊維群は、特定の溶剤に可溶である可溶性短繊維と、特定の溶剤に不溶または難溶である不溶性短繊維とから成る。なお、可溶性短繊維とは、例えば、ポリビニルアルコール繊維(以下「PVA繊維」と略する)等である。かかる場合、特定の溶剤とは水などである。PVA繊維としては、市販品を用いることができる。また、PVA繊維は水に対する溶解温度が100度C以下であることが好ましい。PVA繊維の水に対する溶解温度が100度Cを越えると、作業上の危険性が高まるばかりでなく、熱エネルギー等の費用が高くなる。なお、PVA繊維の水に対する溶解温度は60度C以下が好ましく、50度C以下がより好ましく、40度C以下がさらに好ましい。なお、PVA繊維の水に対する溶解温度は、長さ4cmのPVA繊維に2mg/dtexの荷重を吊り下げて0度Cの水に浸漬した状態で、水を2度C/分の昇温速度で昇温したときに、PVA繊維が溶断する温度とする。また、PVA繊維の引張強度は4cN/dtex以上であることが好ましい。引張強度が4cN/dtex未満であると、紡績糸工程や製編織工程でトラブルになりやすい。また、嵩高紡績糸や織編物などの物性の低下を招くことになるからである。
また、可溶性短繊維は特定の溶剤中での最大収縮率が20%以下であることが好ましい。可溶性短繊維と不溶性短繊維との混紡製品から可溶性短繊維のみを特定の溶剤により溶解除去する際に、混紡製品の寸法変化が大きくなり混紡製品の形状や物性を損なう問題点が生じるからである。なお、特定の溶剤中での可溶性短繊維の最大収縮率は15%以下であるのがより好ましい。
そして、この嵩高紡績糸の製造方法は、可溶性短繊維除去工程をさらに備える。可溶性短繊維除去工程では、撚り工程後の繊維束が特定の溶剤に浸漬されて可溶性短繊維が除去される。なお、可溶性短繊維がPVA繊維である場合、PVA繊維を多量に残存させないために、PVA繊維の水に対する溶解温度より10〜20度C高めの水浴中に浸漬してPVA繊維を溶解させるのが好ましい。未溶解のPVA繊維が多量に残存すると、染色加工等において、染斑や薬剤の浸透不良等の問題が発生するからである。
このため、この嵩高紡績糸の製造方法では、より嵩高い嵩高紡績糸を製造することができる。
第8局面に嵩高紡績糸の製造方法は、第7局面に係る嵩高紡績糸の製造方法であって、可溶性短繊維は、繊維束中に5重量%以上40重量%以下含まれる。
可溶性短繊維の含有率がこの範囲であると、十分な強伸度を維持しつつ、上記ローラ対による嵩高加工の効果と、可溶性短繊維の溶解除去による嵩高加工の効果との相乗効果より、嵩高紡績糸をより嵩高くすることができる。
本発明に係る嵩高紡績糸の製造装置や製造方法では、軽くソフトな肌触りや、保温性、十分な強伸度を兼ね備えた嵩高紡績糸を製造することができる。そして、このような嵩高紡績糸を用いれば、軽量で、保温性や、弾力性、伸縮性に優れ、膨らみ感のある織物や編物を市場に提供することができる。
本発明の実施の形態に係るリング紡績装置の模式的概略図である。 本発明の実施の形態に係るリング紡績装置に設けられるネップローラ対の斜視図および断面図である。 従前の一般的なリング紡績装置の模式的概略図である。 変形例(B)に係るリング紡績装置の模式的概略図である。
本発明の実施の形態に係るリング紡績装置20は、図1に示されるように、主に、牽伸機構25、ネップローラ対Nおよび撚り機構26から構成されている。以下、リング紡績装置20の各構成要素について詳述する。
<リング紡績装置の各構成要素>
(1)牽伸機構
牽伸機構25は、図1に示されるように、主に、バックローラ1、エプロン3及びフロントローラ4から構成されている。なお、エプロン3には、ミドルローラ2が含まれている。
この牽伸機構25では、バックローラ1、ミドルローラ2、フロントローラ4の回転速度がバックローラ1、ミドルローラ2、フロントローラ4の順に速くなっている。この速度差によりスライバSが牽伸される。なお、通常、バックローラ1、エプロン3、フロントローラ4におけるスライバSの牽伸率は、8〜25倍である。
また、この牽伸機構25では、従来のリング紡績装置の牽伸機構と同様に、スライバS中の単繊維がバックローラ1とミドルローラ2との間、ミドルローラ2とフロントローラ4との間で切断されることのないように、バックローラ1とミドルローラ2との間隔及び、ミドルローラ2とフロントローラ4との間隔がスライバSの最大繊維長以上に設定されている。
(2)ネップローラ対
ネップローラ対Nは、図1に示されるように、主に、トップローラ6およびベースローラ5から構成されている。
トップローラ6には、図2に示されるように、幅方向中央部付近に、表面に開口する独立溝21が複数形成されている。なお、これらの独立溝21は、図2に示されるように、3列に整列されて設けられており、トップローラ6の全周に亘って形成されている。なお、このトップローラ6は、従来のリング紡績装置にそのまま取り付けができるように、直径40mm〜60mm、幅50mm程度のサイズのものを使用するのが好ましい。また、トップローラ6は、単繊維を確実に把持するためにゴム材料で覆われているのが好ましい。また、そのゴム材料の硬度は耐久性及び把持力などの面から60度〜80度の範囲のものが好ましく、65度〜75度の範囲がより好ましい。
ベースローラ5は金属製であるのが好ましい。また、ベースローラ5は、繊維を確実に把持するためにフリューデッド構造とされることが好ましい。
また、ネップローラ対Nとフロントローラ4との芯間隔(ゲージ)は、スライバSの平均繊維長よりも短く設定されている。このため、このネップローラ対Nでは、スライバSを構成する各単繊維の殆どは、フロントローラ4およびネップローラ対Nのいずれか一方に把持された状態か、あるいは両方に把持された状態で移動していくことになる。また、フロントローラ4とネップローラ対Nの両方に把持された単繊維は、フロントローラ4の圧接力がネップローラ対Nのそれよりも高いことから、フロントローラ4の周速度と同じ速度で移動することになる。また、ネップローラ対Nの周速度は、フロントローラ4の周速度より高く設定されている。なお、フロントローラ4の周速度を1とすると、ネップローラ対Nの周速度は1.2〜2.0程度に設定される。また、ネップローラ対Nのベースロール5とトップロール6の圧接力は、フロントローラ4の圧接力よりも低く設定されている。
(3)撚り機構
撚り機構26は、図1に示されるように、主に、リング7及びスピンドル9から構成されている。
リング7は、ネップローラ対Nから送られてくる嵩高繊維束に撚りをかけて嵩高紡績糸8を得るための部材である。
スピンドル9は、ボビンBを回転させて、ボビンBに嵩高紡績糸8を巻き取らせるものである。
<嵩高紡績糸の製造過程>
そして、このリング紡績装置20では、スライバSがバックローラ1、エプロン3、フロントローラ4、ネップローラ対Nを順次通過して牽伸されることによって、スライバSが順次細くなり繊維束となる。そして、この繊維束は、ネップローラ対Nを通過する際、トップローラ6の独立溝21を通り、嵩高加工される。そして、この嵩高加工された繊維束は、スピンドル9の回転によって撚りがかけられ嵩高紡績糸8としてボビンBに巻き取られる。
<嵩高加工原理>
嵩高加工の原理については完全には解明されていないが、以下の通りであると推察される。
上述のようにトップローラ6には、独立溝21が形成されている。このため、繊維束がネップローラ対Nを通過するとき、トップローラ6には、周期的にベースロール5と接触しない部分(以下「局部的非接触部)と称する)が生じる。
また、上述したように、ネップローラ対Nの周速度は、フロントローラ4の周速度の1.2〜2.0倍に設定されている。このため、フロントローラ4で把持されていないスライバS中の単繊維はネップローラ対Nの周速度に基づきネップローラ対Nから送り出される。
その結果、ネップローラ対Nでは、局部的非接触部を移動する単繊維と、接触部を移動する単繊維とがそれぞれの速度で送り出されることになり、局部的非接触部を移動する単繊維は、接触部を移動する単繊維にわずかに遅れることによって弛む。そして、この弛んだ部分がネップロール対Nから送り出されると、芯糸の外側に巻き付けられる。
したがって、このリング紡績装置20のネップローラ対Nの繊維流れ方向下流側において製造中の嵩高紡績糸を観察すると、トップローラ6の独立溝21の影響を受けた単繊維の毛羽が芯糸、すなわち「フロントローラ4の周速度と同じ速度で移動する単繊維の束」に巻きついている現象を確認することができる。
<嵩高紡績糸がPVA繊維混紡糸である場合>
嵩高紡績糸がPVA繊維混紡糸である場合、PVA混紡糸を所定温度の水に浸漬することによりPVA繊維を溶解除去して嵩高紡績糸を作製してもよい。また、PVA混紡糸を用いて織編物を作製し、その後にその織編物を所定温度の水に浸漬してPVA繊維を溶解除去して嵩高織編物を作製してもよい。
<実施例>
以下、実施例を用いて本発明の実施の形態に係るリング紡績装置20から得られる嵩高紡績糸をさらに詳しく説明する。
図1に示されるリング紡績装置20に羊毛繊維100%のスライバ(平均繊維長70mm,最大繊維長150mm,繊度20μm)を供給して、糸番手1/24(m/m)の嵩高紡績糸を製造した。
なお、本実施例では、トップローラ6の独立溝21の形状を長方形とし、そのサイズを長さ4mm、幅1.5mm、深さ3mmとした。そして、このような形状の独立溝21をトップローラ6に18個設けた。なお、このトップローラ6の外径は、47mmであった。また、本実施例では、フロントローラ4の圧接力を8kg/cmに、ネップローラ対の圧接力を1kg/cmに設定した。また、本実施例では、フロントローラ4とネップローラ対Nの周速度比を1.59に設定した。なお、フロントローラ4とネップローラ対Nの周速度比は、フロントローラ4の周速度をネップローラ対Nの周速度で割ることにより算出される。また、本実施例では、ネップローラ対Nとフロントローラ4との芯間隔(ゲージ)を50mmに設定した。また、本実施例において、牽伸機構25におけるドラフト率を20とした。また、本実施例において、繊維束にZ450の撚りをかけて嵩高紡績糸とした。
上記のような条件下で得られた嵩高紡績糸の評価を下記要領で行った。結果を表1に示す。
(1)嵩高性の測定:JIS L 1095A法
(2)引張強度及び伸び率:オートグラフ引張試験機(島津製作所製)
クロスヘッドスピード:300mm/min
チャック間隔:100mm
単位強度当りの伸度:破断時の伸び率(%)/破断強度(N)
トップローラ6の外径を50mmとし、独立溝21の形状を丸形状とし、そのサイズを直径2mm、深さ2mmとし、その独立溝21の数を36個にした以外は、実施例1と同様にして嵩高紡績糸を製造し、実施例1と同様にしてその嵩高紡績糸の評価を行った。結果を表1に示す。
繊維束にZ570の撚りをかけた以外は、実施例1と同様にして嵩高紡績糸を製造し、実施例1と同様にしてその嵩高紡績糸の評価を行った。結果を表1に示す。
糸番手を1/36(m/m)に設定し、繊維束にZ690の撚りをかけた以外は、実施例1と同様にして嵩高紡績糸を製造し、実施例1と同様にしてその嵩高紡績糸の評価を行った。結果を表1に示す。
トップローラ6の外径を50mmとし、独立溝21の形状を角丸長方形(長手方向に交差する辺は半円形となっている)とし、繊維束にZ390の撚りをかけた以外は、実施例1と同様にして嵩高紡績糸を製造し、実施例1と同様にしてその嵩高紡績糸の評価を行った。結果を表1に示す。
独立溝21の形状を丸形状とし、繊維束にZ390の撚りをかけた以外は、実施例2と同様にして嵩高紡績糸を製造し、実施例1と同様にしてその嵩高紡績糸の評価を行った。結果を表1に示す。
繊維束にZ570の撚りをかけた以外は、実施例5と同様にして嵩高紡績糸を製造し、実施例1と同様にしてその嵩高紡績糸の評価を行った。結果を表1に示す。
糸番手を1/36(m/m)に設定し、繊維束にZ690の撚りをかけた以外は、実施例5と同様にして嵩高紡績糸を製造し、実施例1と同様にしてその嵩高紡績糸の評価を行った。結果を表1に示す。
角丸長方形(長手方向に交差する辺は半円形となっている)の独立溝21を3列、千鳥状に形成したトップローラ6に代え、糸番手を1/17(m/m)に設定し、繊維束にZ480の撚りをかけた以外は、実施例5と同様にして嵩高紡績糸を製造し、実施例1と同様にしてその嵩高紡績糸の評価を行った。結果を表1に示す。
なお、上記トップローラ6において、1列当たり18個、つまり計54個の独立溝21が形成されている。
実施例5の嵩高紡績糸2本をS200で撚り合わせて糸番手2/24の嵩高紡績糸の双糸を製造し、実施例1と同様にしてその嵩高紡績糸の双糸の評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2010111988
(比較例1)
トップローラ6に独立溝21を形成せずに、繊維束にZ450の撚りをかけた以外は、実施例1と同様にして嵩高紡績糸を製造し、実施例1と同様にしてその嵩高紡績糸の評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例2)
トップローラ6の外径を50mmとし、トップローラ6に独立溝21を形成せずに、繊維束にZ390の撚りをかけた以外は、実施例1と同様にして嵩高紡績糸を製造し、実施例1と同様にしてその嵩高紡績糸の評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例3)
トップローラ6の外径を50mmとし、トップローラ6に独立溝21を形成せずに、繊維束にZ570の撚りをかけた以外は、実施例1と同様にして嵩高紡績糸を製造し、実施例1と同様にしてその嵩高紡績糸の評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例4)
トップローラ6の外径を50mmとし、トップローラ6に独立溝21を形成せずに、糸番手を1/36(m/m)に設定し、繊維束にZ690の撚りをかけた以外は、実施例1と同様にして嵩高紡績糸を製造し、実施例1と同様にしてその嵩高紡績糸の評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例5)
トップローラ6の外径を50mmとし、トップローラ6に独立溝21を形成せずに、糸番手を1/17(m/m)に設定し、繊維束にZ480の撚りをかけた以外は、実施例1と同様にして嵩高紡績糸を製造し、実施例1と同様にしてその嵩高紡績糸の評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2010111988
表1および表2から明らかなように、実施例1〜10に係る嵩高紡績糸は、比較例の嵩高紡績糸と同等の嵩高さや引張伸びを示すが、比較例の嵩高紡績糸よりも引張強度に優れる。また、同実施例に係る嵩高紡績糸は、比較例の嵩高紡績糸よりも単位強度当たりの伸度が低くなっている。このため、同実施例に係る嵩高紡績糸は、比較例の嵩高紡績糸よりも糸抜けが少ない。
羊毛繊維100%のスライバをポリビニルアルコール繊維(以下「PVA繊維」と略する)・羊毛混紡ステープル繊維束(平均繊維長70mm,最大繊維長150mm,PVA繊維含有率25%)に代え、撚り数Z450をZ撚の撚り係数92に代え、独立溝21の深さを1mmとした以外は、実施例1と同様にしてPVA繊維・羊毛嵩高紡績糸を製造し、実施例1と同様にしてそのPVA繊維・羊毛嵩高紡績糸の評価を行った。結果を表3に示す。
また、その後、さらに、そのPVA繊維・羊毛嵩高紡績糸からPVA繊維を溶解除去して羊毛嵩高紡績糸を製造した。結果を表3に示す。
なお、PVA繊維としては、クラレトレーディング(株)製の商品名クラロンK−II銘柄WN4を使用した。PVA繊維の名目溶解温度は40度Cであり、繊度は2.2dtexであり、カット長は75mm(バイアスカット品)である。また、その強度は7cN/dtexであり、伸びは15%である。
PVA繊維・羊毛混紡ステープル繊維束のPVA繊維含有率を10%とした以外は、実施例11と同様にしてPVA繊維・羊毛嵩高紡績糸を製造し、実施例1と同様にしてそのPVA繊維・羊毛嵩高紡績糸の評価を行った。結果を表3に示す。
また、その後、さらに、そのPVA繊維・羊毛嵩高紡績糸からPVA繊維を溶解除去して羊毛嵩高紡績糸を製造した。結果を表3に示す。
PVA繊維・羊毛混紡ステープル繊維束のPVA繊維含有率を35%とした以外は、実施例11と同様にしてPVA繊維・羊毛嵩高紡績糸を製造し、実施例1と同様にしてそのPVA繊維・羊毛嵩高紡績糸の評価を行った。結果を表3に示す。
また、その後、さらに、そのPVA繊維・羊毛嵩高紡績糸からPVA繊維を溶解除去して羊毛嵩高紡績糸を製造した。結果を表3に示す。
糸番手を1/27(m/m)に設定し、Z撚の撚り係数を110に設定した以外は、実施例12と同様にしてPVA繊維・羊毛嵩高紡績糸を製造し、実施例1と同様にしてそのPVA繊維・羊毛嵩高紡績糸の評価を行った。結果を表3に示す。
また、その後、さらに、そのPVA繊維・羊毛嵩高紡績糸からPVA繊維を溶解除去して羊毛嵩高紡績糸を製造した。結果を表3に示す。
糸番手を1/33(m/m)に設定し、Z撚の撚り係数を99に設定した以外は、実施例11と同様にしてPVA繊維・羊毛嵩高紡績糸を製造し、実施例1と同様にしてそのPVA繊維・羊毛嵩高紡績糸の評価を行った。結果を表3に示す。
また、その後、さらに、そのPVA繊維・羊毛嵩高紡績糸からPVA繊維を溶解除去して羊毛嵩高紡績糸を製造した。結果を表3に示す。
糸番手を1/37(m/m)に設定し、Z撚の撚り係数を94に設定した以外は、実施例13と同様にしてPVA繊維・羊毛嵩高紡績糸を製造し、実施例1と同様にしてそのPVA繊維・羊毛嵩高紡績糸の評価を行った。結果を表3に示す。
また、その後、さらに、そのPVA繊維・羊毛嵩高紡績糸からPVA繊維を溶解除去して羊毛嵩高紡績糸を製造した。結果を表3に示す。
Figure 2010111988
表2および表3から明らかなように、実施例11〜16に係る羊毛嵩高紡績糸は、比較例の羊毛嵩高紡績糸と同等の引張伸びを示すが、比較例の嵩高紡績糸よりも嵩高性や引張強度に優れる。また、同実施例に係る羊毛嵩高紡績糸は、比較例の羊毛嵩高紡績糸よりも単位強度当たりの伸度が低くなっている。このため、同実施例に係る羊毛嵩高紡績糸は、比較例の羊毛嵩高紡績糸よりも糸抜けが少ない。
実施例11で製作したPVA繊維・羊毛嵩高紡績糸を用いて常法により経糸密度40本/インチ、緯糸密度40本/インチの平組織の織物を製作した。その後、反染機を用い60℃の熱水中でPVA繊維を溶解除去し、乾燥して羊毛嵩高織物を得た。このようにして得られた羊毛嵩高織物は柔らかな膨らみを持ち、ソフトな風合いで、且つ、軽量であり肌触り,着心地が良く保温性に優れていた。
<本発明の実施の形態に係るリング紡績装置の特徴>
本発明の実施の形態に係るリング紡績装置20では、独立溝21が形成されたトップローラ6により、軽くソフトな肌触りや、保温性、十分な強伸度を兼ね備えた嵩高紡績糸を製造することができる。
<変形例>
(A)
先の実施の形態に係るリング紡績装置20ではネップローラ対Nにおいてトップローラ6に独立溝21が形成されていたが、独立溝は、ベースローラ5に形成されてもかまわないし、トップローラ6とベースローラ5の両方に形成されてもかまわない。
なお、独立溝がトップローラ6とベースローラ5の両方に形成される場合、トップローラ6に形成される独立溝と、ベースローラ5に形成される独立溝とは、形状や深さを異ならせることが好ましい。
(B)
先の実施の形態では特に言及しなかったが、図4に示されるように、先の実施の形態に係るリング紡績装置20において、合成繊維のモノフィラメント用のローラ対11およびフロントローラ4を介してネップローラ対Nに合成繊維のモノフィラメントFを投入して、合成繊維のモノフィラメントFと嵩高繊維束とを交撚させて嵩高交撚糸を製造してもよい。
1 バックローラ
2 ミドルローラ
3 エプロン
4 フロントローラ
5 ネップローラ対のベースローラ
6 ネップローラ対のトップローラ
7 リング
8 嵩高紡績糸
9 スピンドル
20 リング紡績装置(嵩高紡績糸の製造装置)
21 独立溝
25 牽伸機構
26 撚り機構
N ネップローラ対
S スライバ(繊維群)
B ボビン
本発明に係る嵩高紡績糸の製造装置や製造方法は、軽くソフトな肌触りや、保温性、十分な強伸度を兼ね備えた嵩高紡績糸を製造することができるという特徴を有し、例えば、保温性に優れた嵩高な羊毛等の製造などに有用である。また、このような嵩高紡績糸は、従来の重い羊毛織物にはない独特の風合をもち高品位な「軽い」羊毛織物の原料として有用であり、スーツやコート等の衣料用途に好適である。

Claims (8)

  1. 複数の単繊維を引き揃えた繊維群を牽伸して繊維束を形成する牽伸機構と、
    前記牽伸機構の繊維流れ方向下流側に配置され、表面に開口する独立溝が少なくとも一方のローラに形成されているローラ対と、
    前記ローラ対の繊維流れ方向下流側に配置され、前記ローラ対の前記独立溝を通過した前記繊維束に撚りをかける撚り機構と
    を備える、嵩高紡績糸の製造装置。
  2. 前記独立溝は、前記ローラの半径方向に沿って見た場合、長方形、角丸長方形、楕円形、円形、台形、正方形および三角形の群から選択される少なくとも一つの形状を呈する
    請求項1に記載の嵩高紡績糸の製造装置。
  3. 前記独立溝は、少なくとも一方の前記ローラの円周方向に沿って少なくとも1列に点在している
    請求項1または2に記載の嵩高紡績糸の製造装置。
  4. 前記ローラ対と並列に配置される繊維送り機構をさらに備え、
    前記撚り機構は、前記ローラ対の前記独立溝を通過した前記繊維束を、前記繊維送り機構を通過した合成繊維のモノフィラメントに巻き付けながら撚りをかける
    請求項1から3のいずれかに記載の嵩高紡績糸の製造装置。
  5. 複数の単繊維を引き揃えた繊維群を牽伸して繊維束を形成する牽伸工程と、
    前記牽伸工程後の前記繊維束を、表面に開口する独立溝が少なくとも一方のローラに形成されているローラ対の前記独立溝に通過させて前記繊維束を嵩高くする嵩高加工工程と、
    前記嵩高加工工程後の前記繊維束に撚りをかける撚り工程と
    を備える嵩高紡績糸の製造方法。
  6. 前記撚り工程では、前記嵩高加工工程後の前記繊維束を、合成繊維のモノフィラメントに巻き付けながら撚りをかける
    請求項5に記載の嵩高紡績糸の製造方法。
  7. 前記繊維群は、特定の溶剤に可溶である可溶性短繊維と、前記特定の溶剤に不溶または難溶である不溶性短繊維とから成り、
    前記撚り工程後の前記繊維束を前記特定の溶剤に浸漬して前記可溶性短繊維を除去する可溶性短繊維除去工程をさらに備える
    請求項5または6に記載の嵩高紡績糸の製造方法。
  8. 前記可溶性短繊維は、前記繊維束中に5重量%以上40重量%以下含まれる
    請求項7に記載の嵩高紡績糸の製造方法。
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