JP2010110704A - 分離膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】生産性に優れ、大口径長尺で大型の分離膜の製造方法を提供する。
【解決手段】多孔質のモノリス基材1の長手方向60の両端面に開孔を有した貫通孔内に分離膜を形成する分離膜形成工程と、分離膜形成工程の後、一方の端面61を上方とした状態で、一方の端面61の開孔51の上に液状の保護シール材22を注いで一方の端面61及び開孔51の表面を覆う保護シール材22からなる保護シール膜を形成し、更に保護シール膜を乾燥させて一方の端面61の保護シールを形成し、続いてモノリス基材1を上下反転することによりモノリス基材1の長手方向60の他方の端面62を上方とした状態で、同様に他方の端面62の開孔の上に液状の保護シール材22を注いで保護シール膜を形成し、更に乾燥させて他方の端面62の保護シールを形成する保護シール形成工程と、を含む分離膜の製造方法である。
【選択図】図1B
【解決手段】多孔質のモノリス基材1の長手方向60の両端面に開孔を有した貫通孔内に分離膜を形成する分離膜形成工程と、分離膜形成工程の後、一方の端面61を上方とした状態で、一方の端面61の開孔51の上に液状の保護シール材22を注いで一方の端面61及び開孔51の表面を覆う保護シール材22からなる保護シール膜を形成し、更に保護シール膜を乾燥させて一方の端面61の保護シールを形成し、続いてモノリス基材1を上下反転することによりモノリス基材1の長手方向60の他方の端面62を上方とした状態で、同様に他方の端面62の開孔の上に液状の保護シール材22を注いで保護シール膜を形成し、更に乾燥させて他方の端面62の保護シールを形成する保護シール形成工程と、を含む分離膜の製造方法である。
【選択図】図1B
Description
本発明は、各種混合物からの特定成分の分離に使用される分離膜の製造方法に関する。
近年、環境保護や廃材の有効利用といった観点から、バイオマス技術を利用したエタノールの生産が注目を集めている。従来、このようなバイオマス技術によって生産されたエタノールを回収する方法として、ゼオライト膜の選択透過性を利用した方法が知られている。これは、木質系バイオマスから得られた水とエタノールとを含有する液体混合物をゼオライト膜に接触させ、水だけを選択的に透過させることで、エタノールと水とを分離するものである。
ところで、木質系バイオマスから得られる液体混合物には、水とエタノールの他に、酢酸等の有機酸も混在しているが、一般にゼオライト膜は耐酸性が低いため、有機酸による分離性能の低下や早期劣化が懸念される。
そこで、従来、主に気体混合物からの特定成分の分離に使用されてきた炭素膜を、水とエタノール等の有機溶剤との分離に利用する研究も行われている。炭素膜はゼオライト膜に比べて耐酸性に優れており、有機酸の存在下においても長期に渡って安定した分離性能を発揮する。こうした目的で用いられる炭素膜の代表的な使用形態として、多孔質のモノリス基材の貫通孔の表面に炭素膜が配設されたものが知られている。
このような炭素膜の製造方法の一例を挙げる。まず、多孔質のモノリス基材に形成された複数の貫通孔内にポリアミド酸溶液を通すことにより、前記貫通孔の表面にポリアミド酸膜を成膜する。次いで、モノリス基材を乾燥機内に入れて200℃程度の温度でポリアミド酸膜を乾燥する。その後、乾燥機内の温度を300℃程度まで上昇させて、ポリアミド酸をイミド化させてポリイミド膜とする。そして、このポリイミド膜を窒素雰囲気等の不活性雰囲気下にて熱分解することにより炭化させ、炭素膜とする(例えば、特許文献1参照)。
図7は、従来の分離膜の製造方法における通風乾燥の方法の一例を示す説明図である。従来例においては、図9に示すような長手方向60の両端部に一方の端面61および他方の端面62を有したモノリス基材1の他方の端面62側にドライヤー4を配置する。次いで、当該他方の端面62側に開口した貫通孔3の開孔52より、ドライヤー4から排出される所定温度に加熱された通風気体(熱風)を貫通孔3内に送り込み、モノリス基材1の一方の端面61側に開口した貫通孔3の開孔51より排気する。このようにして貫通孔3に通風気体を通すことにより、貫通孔3の表面に成膜されたポリアミド酸膜等の前駆体溶液からなる膜の全体を通風気体にて加熱し、乾燥やイミド化を膜の表面から進行させるものである。
近年の世界的規模の環境問題に対応するためには生産コストを抑制しつつ分離膜の性能を向上することが強く求められており、このような分離膜をいかにして効率良く製造することができるかが重要な課題となっている。上述の環境保護や廃材の有効利用といった観点でバイオマス技術を利用したエタノールの生産等に分離膜を用いる場合、モノリス基材の直径や長手方向の長さを拡大して大型化することにより規模と効果を増大させる試みもなされている。しかしながら、大型化した場合の成膜時に、貫通孔の内面で分離膜とするための前駆体溶液が自重により液ダレし、膜の肥厚化や膜厚にムラが生じる等の問題が生じていた。
また、モノリス基材の長手方向の両端部のうち、鉛直方向下方の端部に設けられたガラスシールと分離膜との境界付近において、分離膜とするための前駆体液が自重による液ダレと表面張力とにより膜が乾燥の際に肥厚化して、乾燥や膜の炭化の際、特にこの部分でクラックが生じやすいといった問題が生じていた。例えば、図9に示すようなモノリス基材1の他方の端面62付近の領域Bの模式的な一部拡大断面図を図10に示すが、分離膜とするための前駆体溶液からなる膜2は、貫通孔3内面で液ダレを生じている。また、モノリス基材1の長手方向60の両端面(一方の端面61および他方の端面62)と、貫通孔3の開孔51、52表面はガラスシール40で覆われている。このガラスシール40は、分離膜の使用時に分離膜が形成されていない領域を通じて被処理流体が流入または流出することを防ぐものである。モノリス基材1の両端部のうち、鉛直方向下方に位置するガラスシール40と貫通孔3内面との境界付近にて分離膜とするための前駆体溶液からなる膜2が表面張力によって肥膜化している。分離膜とするための前駆体溶液からなる膜2の膜厚が一定でないと、乾燥や膜の炭化の際にクラックが生じやすく、分離膜の性能が著しく低下する原因となる。
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたものである。上述のように、モノリス基材の貫通孔内表面に成膜された分離膜とするための前駆体溶液からなる膜を、乾燥や、イミド化、炭素化等を行った際に、モノリス基材の長手方向の両端面付近の分離膜にクラックが生じやすい。本発明の目的とするところは、このようなモノリス基材や、特に、大口径で長尺である大型のモノリス基材の貫通孔内表面に形成された分離膜に生じたクラックの、分離性能への悪影響を防止することができる分離膜の製造方法を提供する。
上記目的を達成するため、本発明によれば、以下の分離膜の製造方法が提供される。
[1] 多孔質のモノリス基材の長手方向の両端面に開孔を有した貫通孔内に分離膜を形成する分離膜形成工程と、前記分離膜形成工程の後、前記モノリス基材の長手方向の一方の端面を上方とした状態で、前記一方の端面の前記開孔の上に液状の保護シール材を注いで前記一方の端面及び前記一方の端面の前記開孔の表面を覆う保護シール材からなる保護シール膜を形成し、更に前記保護シール膜を乾燥させて前記一方の端面の保護シールを形成し、続いて前記モノリス基材を上下反転することにより前記モノリス基材の長手方向の他方の端面を上方とした状態で、同様に前記他方の端面の前記開孔の上に液状の前記保護シール材を注いで前記保護シール材からなる保護シール膜を形成し、更に乾燥させて前記他方の端面の保護シールを形成する保護シール形成工程と、を含む分離膜の製造方法。
[2] 前記分離膜形成工程の後に、前記モノリス基材の両端面付近に発生した前記分離膜の欠陥領域の、前記貫通孔内での深さを測定する欠陥測定工程を更に含み、前記保護シール形成工程において、前記貫通孔内での前記欠陥領域の深さよりも深く前記保護シールを形成する前記[1]に記載の分離膜の製造方法。
[3] 前記分離膜成膜工程の前に、前記モノリス基材の長手方向の両端面に、ガラスシール材を塗布した後、更に加熱することによりガラスシールを形成するガラスシール形成工程を行う前記[1]または[2]に記載の分離膜の製造方法。
[4] 前記保護シール形成工程において、前記保護シールを前記モノリス基材の両端面の開孔からの深さ1〜50mmまで形成する前記[1]〜[3]のいずれかに記載の分離膜の製造方法。
[5] 前記保護シール形成工程において、前記保護シール膜を前記モノリス基材の両端面の前記ガラスシールと前記分離膜の表面の境界を被覆するように形成する前記[3]に記載の分離膜の製造方法。
[6] 前記保護シール形成工程において、前記一方の端縁を囲繞する側壁を立設し、前記一方の端面と前記側壁とで形成された空間に液状の前記保護シール材を注ぐことにより前記保護シール膜を形成し、続いて前記モノリス基材を上下反転することにより前記モノリス基材の長手方向の他方の端面を上方とした状態で、前記他方の端縁を囲繞する側壁を立設し、前記他方の端面と前記側壁とで形成された空間に液状の前記保護シール材を注ぐことにより前記保護シール膜を形成する前記[1]〜[5]のいずれかに記載の分離膜の製造方法。
[7] 前記モノリス基材の貫通孔の相当直径が1〜5mmである前記[1]〜[6]のいずれかに記載の分離膜の製造方法。
[8] 前記保護シール材の粘度が5〜28Pa・Sである前記[1]〜[7]のいずれかに記載の分離膜の製造方法。
[9] 前記保護シール材がシリコーン樹脂またはフッ素樹脂を主成分とする前記[1]〜[8]のいずれかに記載の分離膜の製造方法。
[10] 前記分離膜形成工程において、多孔質の前記モノリス基材の長手方向の前記両端面に前記開孔を有した前記貫通孔内に分離膜とする前記前駆体溶液を通すことにより、前記貫通孔の表面に、前記前駆体溶液からなる膜を成膜する分離膜成膜工程と、前記前駆体溶液からなる膜を熱風による通風乾燥を行う分離膜乾燥工程と、を行う前記[1]〜[9]のいずれか一項に記載の分離膜の製造方法。
[11] 前記分離膜成膜工程において、前記前駆体溶液からなる膜をディップ成膜法により成膜する前記[10]に記載の分離膜の製造方法。
[12] 前記分離膜乾燥工程において前記前駆体溶液からなる膜を乾燥させた後、乾燥させた前記前駆体溶液からなる膜を最終的に熱分解して炭化させることにより前記分離膜とする前記[10]または[11]に記載の分離膜の製造方法。
[13] 前記前駆体溶液が、ポリイミド溶液またはポリアミド酸溶液である前記[10]〜[12]のいずれかに記載の分離膜の製造方法。
[14] 前記分離膜乾燥工程において前記ポリアミド酸溶液からなる膜を乾燥させた後、乾燥させた前記ポリアミド酸溶液からなる膜をイミド化乾燥手段で加熱することにより、ポリイミド膜を得、その後前記ポリイミド膜を最終的に熱分解して炭化させることにより分離膜とする前記[13]に記載の分離膜の製造方法。
[15] 前記モノリス基材の全体外径が30〜200mm、長手方向の長さが40〜2000mmである前記[1]〜[14]のいずれかに記載の分離膜の製造方法。
本発明の製造方法によれば、保護シール形成工程において、モノリス基材の長手方向の一方の端面を上方とした状態で、一方の端面の開孔の上に液状の保護シール材を注いで一方の端面及び一方の端面の開孔の表面を覆う保護シール材からなる保護シール膜を形成する。このようにして、保護シール材の自重により、貫通孔の内側に保護シール材を到達させることができる。乾燥や加熱時にモノリス基材の長手方向の両端面付近の貫通孔内部の分離膜にクラックが発生した場合であっても、保護シール材がクラックを覆うように形成されるため、分離膜の分離性能を向上させることができる。
以下、本発明を具体的な実施形態に基づき説明するが、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
本発明の分離膜の製造方法は、多孔質のモノリス基材の長手軸方向の両端面に開孔を有した貫通孔内に分離膜を形成する分離膜形成工程と、分離膜形成工程の後、モノリス基材の長手方向の一方の端面を上方とした状態で、一方の端面の開孔の上に液状の保護シール材を注いで一方の端面及び一方の端面の開孔の表面を覆う保護シール材からなる保護シール膜を形成し、更に保護シール膜を乾燥させて一方の端面の保護シールを形成し、続いてモノリス基材を上下反転することによりモノリス基材の長手軸方向の他方の端面を上方とした状態で、同様に他方の端面の開孔の上に液状の保護シール材を注いで保護シール材からなる保護シール膜を形成し、更に乾燥させて他方の端面の保護シールを形成する保護シール形成工程と、を含むことを、主要な特徴とするものである。
本発明における「モノリス基材」とは、長手方向に複数の貫通孔が形成されたレンコン状あるいはハニカム状の基材を言う。例えば、図4に示すようなモノリス基材1が挙げられる。モノリス基材の材質としては、強度や化学的安定性の観点から、アルミナ、シリカ、コージェライト、ムライト、チタニア、ジルコニア、炭化珪素等のセラミックス材料からなるものが好ましい。モノリス基材の気孔率は、当該基材の強度と透過性の観点から25〜55%程度とすることが好ましい。また、多孔質基材の平均細孔径は、0.005〜5μm程度とすることが好ましい。
本明細書中で「モノリス基材の全体外径」とは、モノリス基材の長手方向に垂直な断面が円である場合には外側の直径(外径)を意味するものとする。また、モノリス基材の長手方向に垂直な断面が円でない場合には、断面積が同じで、断面形状が円のモノリス基材の外側の直径(外径)を意味するものとする。
本発明の一実施形態における分離膜成膜工程において成膜に使用する分離膜とするための前駆体溶液としては、ポリイミド溶液を用いることが好ましい。ポリイミド溶液は、ポリイミド樹脂を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の適当な有機溶媒に溶解させたものである。ポリイミド溶液中のポリイミドの濃度は、特に制限はないが、溶液で成膜しやすい粘度とする観点から、1〜15質量%とすることが好ましい。
本発明の一実施形態における分離膜成膜工程において成膜に使用する分離膜とするための前駆体溶液としては、従来、分離膜(炭素膜)の製造に広く使用されているポリアミド酸溶液を用いるのが好ましい。ポリアミド酸溶液は、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)等の適当な有機溶媒に溶解させたものである。ポリアミド酸溶液中のポリアミド酸の濃度は、特に制限はないが、溶液を成膜しやすい粘度とする観点から、1〜20質量%とすることが好ましい。後述するが、ポリアミド酸溶液からなる膜はイミド化乾燥手段を用いてイミド化することによりポリイミド膜とすることができる。また、ポリイミド膜は炭化して分離膜とすることができる。
分離膜とするための前駆体溶液からなる膜を成膜する分離膜成膜工程において、モノリス基材の貫通孔内に前駆体溶液を通す方法としては膜厚が均一となる方法であれば良く、特に限定するものではないが以下の方法を好適に挙げることができる。例えば、図12に示すような上下両端が開口した管状の成膜容器71と、この成膜容器71の下端の開口とホース72で連結され、上下方向に昇降可能な前駆体溶液タンク73とを用いた方法を挙げることができる。この方法を、以下に説明する。
成膜容器71の側面には調節弁77が設けられており、送風装置(送風ポンプ)78に連結されている。長手方向の両端が開口した管状の成膜容器71内部に図4、図5に示すようなモノリス基材1を収容する。モノリス基材1の長手方向60の両端縁34、35において、パッキン等の環状隔壁75を用いてこの成膜容器71内部で気密に固定する。これにより、モノリス基材1と、成膜容器71の内側の表面との間に気密状態が保たれた気密領域76が形成される。
例えば、送風装置78を用いて気密領域76に空気を1L/minで送風しつつ、気密領域76内部の気圧を1kgf/cm2となるように制御することが好ましい。前駆体溶液タンク73の液面が成膜容器71の下端より低い位置を維持しつつ、前駆体溶液22を前駆体溶液タンク73内部に注入する。前駆体溶液タンク73の下端と成膜容器71の下端とはホース72で内部が流通可能に連結されている。このため、前駆体溶液タンク73を徐々に上方に持ち上げることで成膜容器71の液面も上昇して前駆体溶液タンク73に注入された前駆体溶液22は成膜容器71の下端から上端に向かってモノリス基材1の貫通孔3の内部を徐々に上昇する。続いて前駆体溶液タンク73を徐々に下方に引き下げることにより成膜容器71の液面が低下し、貫通孔3内表面に前駆体溶液からなる膜2を付着させることができる。このようにして前駆体溶液からなる膜2のディップ成膜を行うことが好ましい。前駆体溶液タンク73は、液面が成膜容器71の上限79から下限80の間となるように上下の昇降運動を行うことが好ましい。このような前駆体溶液タンク73を用いることにより、より正確で品質や膜厚が一定となる成膜が可能となる。また、これら成膜容器71、前駆体溶液タンク73を用いて成膜するとき、図12に示すように、前駆体溶液22はモノリス基材1の貫通孔3の内表面に流通するが、気密領域76には前駆体溶液22が流れないため、モノリス基材1の外周面31に対してマスキングをする必要がないため、好ましい。
更に、本発明の分離膜成膜工程においては、上述した前駆体溶液タンクを用いない方法として、送液ポンプを使用し、前駆体溶液を各貫通孔の一方の開口端から、0.3〜300cm/分程度の速度で各貫通孔内に送入するディップ成膜法を用いることもできる。また、かけ流し法等を用いた成膜方法を用いることもできる。
本発明の分離膜成膜工程の前に、後述するように、ガラスシール形成工程として、あらかじめモノリス基材1の長手方向60の両端面にガラスシールを設けることが好ましい。このガラスシール40の分離膜使用時の役割は、分離膜が形成されていない領域を通じて被処理流体が流入または流出することを防ぐものである。このような方法により、図6に示すように、貫通孔3の表面に前駆体溶液からなる膜2が成膜されたモノリス基材1が得られる。
ガラスシール形成工程において多孔質基体の表面に塗布するガラスシール材としては、軟化点が400〜800℃であることが好ましく、450〜750℃であることが更に好ましい。ガラスシール材は粉末状のガラスを水等の溶媒に分散させることにより作製することができる。また、ガラスシール材に水等の溶媒に加えて高分子等を添加して作製しても良い。また、ガラス材料の熱膨張係数は、多孔質基体の熱膨張係数に近いことが好ましい。例えば、多孔質基体がアルミナの場合は、アルミナの熱膨張係数が約7×10−6[K−1]であることから、ガラス材料の熱膨張係数としては、5〜8×10−6[K−1]が好ましい。また、ガラス材料の組成系としては、特に限定されないが、軟化点、熱膨張係数を満たすものであることが好ましく、PbO(酸化鉛)を含まない組成系が更に好ましい。例としては、Na2O−ZnO−B2O3系、Na2O−B2O3−SiO2系、CaO−BaO−SiO2系などの組成系が挙げられる。また、粉末状のガラスの平均粒径は特に限定されないが、0.1〜150μmが好ましく、1〜30μmがより好ましい。
(ガラスシール材の塗布)
ガラスシール形成工程において、図4、図5に示されるようなモノリス基材1の表面に、ペースト状のガラスシール材を塗布するが、本実施形態においては、モノリス基材1の両端面(一方の端面61,他方の端面62)と、貫通孔3の内壁の、モノリス基材1の両端面(一方の端面61,他方の端面62)のそれぞれから深さ1〜50mmまで覆う範囲とに、ガラスシール材を塗布することが好ましい。その後ガラスシール材を500〜800℃で加熱することによりガラスシールを形成することが好ましい。
ガラスシール形成工程において、図4、図5に示されるようなモノリス基材1の表面に、ペースト状のガラスシール材を塗布するが、本実施形態においては、モノリス基材1の両端面(一方の端面61,他方の端面62)と、貫通孔3の内壁の、モノリス基材1の両端面(一方の端面61,他方の端面62)のそれぞれから深さ1〜50mmまで覆う範囲とに、ガラスシール材を塗布することが好ましい。その後ガラスシール材を500〜800℃で加熱することによりガラスシールを形成することが好ましい。
本発明の分離膜乾燥工程においては、分離膜成膜工程を経て成膜された前駆体溶液からなる膜の通風乾燥を行うことが好ましい。ただし、モノリス基材の全体外径が100〜200mmと大口径でその長手方向の長さが200〜2000mmと大型である場合には特に貫通孔内面の総面積が広いため、前駆体溶液の液ダレによる影響を大きく受ける場合が多い。また、モノリス基材1の全体外径が100〜200mm、長手方向60の長さが200〜2000mmと大口径で長尺である場合には、昇降温速度が速いと熱膨張によりモノリス基材1にクラックが生じる恐れがあるため、イミド化は通風乾燥で行わず、昇温速度を制御可能なイミド化乾燥手段を使用することが好ましい。イミド化乾燥手段は、特に限定するものではないが、例えば、モノリス基材のサイズに応じて昇温速度を適宜制御可能な乾燥炉を好適に用いることができる。
また、本発明における分離膜乾燥工程では、前駆体溶液からなる膜を乾燥させるだけでなく、イミド化させることも可能である。例えば、前駆体溶液がポリアミド酸溶液である場合、ポリアミド酸のイミド化反応には200℃以上での加熱が必要となるので、通風乾燥により、ポリアミド酸溶液からなる膜(ポリアミド酸膜)の乾燥とともにイミド化も行う場合には、通風乾燥の工程中に、通風気体(熱風)の温度を200〜300℃として通風乾燥を行う時間帯を含ませるようにするのが好ましい。例えば、まず、通風気体の温度を150℃程度とし、1時間程度の時間をかけてポリアミド酸膜を乾燥させた後、通風気体の温度を250℃程度に上昇させて、15分間程度の時間をかけてイミド化させる。
このような、通風乾燥によるイミド化は、加熱された通風気体(熱風)と接触する膜の表面から、膜全体に均一な熱伝達をもたらしつつイミド化を進行させることができるので、膜全体を均一にイミド化させることができる。ポリアミド酸膜は、このようにイミド化することにより、分離膜(炭素膜)の前駆体であるポリイミド膜となる。
図7、図9を、本発明の分離膜乾燥工程における通風乾燥の方法の一例を示す説明図として用いる。モノリス基材1の一方の端面61側にドライヤーを配置し、当該一方の端面61側に開口したモノリス基材1の貫通孔3の開孔51より、ドライヤーから排出される所定温度に加熱された通風気体(熱風)を貫通孔3内に送り込み、モノリス基材1の他方の端面62側に開口した貫通孔の開孔52より排気する。このようにして、貫通孔3内で長手方向60の一方の端面61の開孔51から他方の端面62の開孔52へと熱風を通過させながら前駆体溶液からなる膜の通風乾燥を行う。このようにしてモノリス基材1の貫通孔3に通風気体を通すことにより、貫通孔3の表面に成膜されたポリアミド酸膜等の前駆体溶液からなる膜2の全体が通風気体にて均一に加熱され、乾燥やイミド化が膜の表面から均一に進行する。なお、本発明において、一度の成膜及び乾燥で所望の膜厚が得られない場合には、所望の膜厚が得られるまで成膜及び乾燥の工程を複数回繰り返すようにしても良い。
本発明の分離膜乾燥工程において、貫通孔3内を通過させる通風気体(熱風)の温度は、50〜300℃とすることが好ましく、100〜200℃とすることがより好ましく、110〜190℃とすることが更に好ましい。通風気体の温度が50℃未満では、乾燥速度が低くなり、300℃を超えると、長時間の乾燥で膜が燃えてしまう場合がある。また、通風気体の風速(貫通孔3内を通過する際の速度)は、0.5〜30m/sとすることが好ましく、1〜15m/sとすることがより好ましく、5〜10m/sとすることが更に好ましい。通風気体の風速が0.5m/s未満では、膜の乾燥やイミド化が不均一となる場合があり、30m/sを超えると、溶液の移動が起こり、成膜が不均一となる場合がある。
本発明においては、モノリス基材1全体や、前駆体溶液からなる膜が成膜されるモノリス基材1の貫通孔3表面を50〜350℃に予熱してから成膜を行うようにすると、通風乾燥による乾燥を加速することができるとともに、最終的に得られる分離膜の分離性能等が向上し、好ましい。
前駆体溶液がポリアミド酸溶液である場合、それを成膜後、乾燥及びイミド化させて得られたポリイミド膜は、真空、あるいは窒素雰囲気やアルゴン雰囲気等の還元雰囲気下において、400〜1000℃程度の温度範囲で熱分解することにより炭化させることで、分離膜(炭素膜)となる。一般に、400℃未満の温度で炭化を行うと、ポリイミド膜が十分に炭化されず、分子ふるい膜としての選択性や透過速度が低下する。一方、1000℃を超える温度で炭化を行うと、細孔径が収縮することにより透過速度が減少する。
最終的に得られる分離膜の膜厚は、0.1〜10μmとすることが好ましく、0.1〜3μmとするとより好ましい。分離膜の膜厚が0.1μm未満では膜厚が不十分で十分な選択性を得ることが難しくなる場合があり、10μmを超えると膜厚が厚すぎて、透過流速が小さくなりすぎる場合がある。
本発明の一実施形態により製造された分離膜の用途については、特に限定されるものではないが、水とエタノールとの分離に使用すると高い分離性能が得られるので、バイオマスから得られる水とエタノールとを含有する液体混合物からエタノールを回収する際の水とエタノールとの分離に好適である。
本発明の一実施形態における分離膜の製造方法においては、分離膜乾燥工程の後に、モノリス基材の両端面付近にクラック等が発生した分離膜の欠陥領域の、貫通孔内での深さを測定する欠陥測定工程を行い、保護シール形成工程において、貫通孔内での欠陥領域の深さよりも深く保護シールを形成することが好ましい。欠陥測定工程を行うことにより、分離膜のクラック等の欠陥領域を確実に保護シールで覆うことができ、分離膜性能を向上させることができる。また、分離膜のクラック等の欠陥領域が小さい場合には、これに応じて保護シールを形成できるため、保護シールの領域を最小限に留めることが可能となり、保護シール材にかかるコストを削減し、分離膜の面積を大きく取ることが可能なため、分離性能を向上させることができる。
本発明の一実施形態における欠陥測定工程においては、具体的にはファイバースコープ等を用いて分離膜が形成された貫通孔内表面を観察して、分離膜に生じたクラック等の欠陥領域の有無の判断と、深さを測定する。挿入されたファイバースコープの深さによって、クラック等の欠陥領域の深さを測定することができる。
本発明の一実施形態により製造された分離膜は、長手方向60に垂直な断面が円形又は多角形であり、全体外径が10〜300mm、長さが30〜2000mmで、1〜10000個の貫通孔が形成されたモノリス基材1を好適に使用し、本発明の製造方法により製造することが好ましい。この分離膜は、本発明の製造方法により製造されたものであるため、膜全体が均質で優れた分離性能を有する。
前記のとおり、本発明の分離膜の製造方法において使用されるモノリス基材1は、製造のしやすさを考慮して、その長手向に垂直な断面の形状を円形又は多角形とすることが好ましい。また、モノリス基材1の全体外径は10〜300mm、好ましくは20〜250mm、更に好ましくは30〜200mmである。モノリス基材の全体外径が10mm未満では形成できる貫通孔数が少なくなり、300mmを超えると製造が困難となる。また、モノリス基材の長さは20〜2000mm、好ましくは30〜1700mm、更に好ましくは40〜1500mmである。長さが20mm未満では分離膜の膜面積が小さくなり、2000mmを超えると製造、取り扱いが困難となる。また、体積当たりの膜面積と強度を考慮して、貫通孔数は1〜10000個、好ましくは10〜5000個、更に好ましくは30〜2000個である。貫通孔数が10000個を超えると製造が困難で強度も低下する。貫通孔の相当直径は、1〜5mmであることが好ましい。本明細書中において、貫通孔の相当直径とは、貫通孔の断面が円である場合には内側の直径(内径)を意味するものとする。また、貫通孔の断面が円でない場合には、断面積が同じで、断面形状が円の貫通孔の内側の直径(内径)を相当直径と意味するものとする。
本発明の分離膜の製造方法において、分離膜乾燥工程の後で、図1A、図1Bに示すような保護シール形成工程を行う。分離膜成膜工程の前に、ガラスシール形成工程を経てガラスシールを両端面に形成したモノリス基材を使用し、保護シール形成工程を行ったモノリス基材の模式的断面図を図2に示す。図3は、図2中の領域Aの一部拡大断面図である。本発明の保護シール形成工程において、分離膜乾燥工程の後、モノリス基材1の長手方向60の一方の端面61を上方とした状態で、一方の端面61の開孔51の上に液状の保護シール材22を注いで一方の端面61及び一方の端面61の開孔51の表面を覆う保護シール材22からなる保護シール膜40を形成する。本発明の保護シール形成工程においては更に、保護シール膜40を乾燥させて一方の端面の保護シールを形成し、続いてモノリス基材を上下反転することによりモノリス基材の長手方向の他方の端面を上方とした状態で、同様に他方の端面の開孔の上に液状の保護シール材を注いで保護シール材からなる保護シール膜を形成し、更に乾燥させて他方の端面の保護シールを形成する。
本発明の保護シール形成工程において用いられる保護シール材としては特に限定するものではないが、液状シリコーン樹脂、フッ素樹脂等を好適に挙げることができる。保護シール材の粘度は5〜28Pa・Sの範囲のものを使用することが好ましい。この範囲より粘度が小さい場合には、液状の保護シール材が貫通孔の内側を容易に流れ落ちてしまい、充分な強度の保護シールを形成することが困難となる。また、この範囲よりも粘度が大きい場合には、貫通孔の内側へ保護シール材が充分な深さまで浸透しない。
保護シール形成工程においては、モノリス基材1の長手方向が鉛直方向と垂直した状態で行うことがこのましい。このとき、保護シール材が自重で貫通孔3内へ浸透する際に一様な速度で浸透させることができる。
本発明の分離膜の製造方法の、保護シール形成工程において、保護シールをモノリス基材の両端面の開孔からの深さ1〜50mmまで形成することが好ましい。即ち、保護シールの、貫通孔の内表面での深さとして1mm以上、50mm以下の範囲とすることが好ましい。具体的には、液状の保護シール材を貫通孔が設けられたモノリス基材の長手方向の両端面に対して注いだ後、液状の保護シール材の自重により浸透させる時間を調節することにより、保護シールの深さを調整することができる。ただし、上述の欠陥測定工程を行って分離膜の欠陥領域を測定した場合には、開孔からの深さ1〜50mmまで形成するという範囲に関わらず、欠陥領域を覆う深さで保護シールを形成することが好ましい。この場合、具体的には欠陥領域を更に1〜50mm以上深く覆うことが好ましい。
本発明の分離膜の製造方法の一実施形態における保護シール形成工程において、一方の端面の縁(一方の端縁)を囲繞する側壁を立設し、一方の端面と側壁とで形成された空間に液状の保護シール材を注ぐことにより保護シール膜を形成し、続いてモノリス基材を上下反転することによりモノリス基材の長手方向の他方の端面を上方とした状態で、他方の端面の縁(他方の端縁)を囲繞する側壁を立設し、他方の端面と側壁とで形成された空間に液状の保護シール材を注ぐことにより保護シール膜を形成することが好ましい。
具体的には、図1Aに示されるように、モノリス基材1の長手方向60の一方の端面61を他方の端面62の上方とした状態で、一方の端面61の縁、即ち一方の端縁34を取り囲むような側壁24を取り付ける。側壁24は、例えば、一方の端縁34と気密に取り付けられるサイズの、環状で気密性を有したゴム等を好適に使用することができる。このようにして、一方の端面61と、この側壁24とで皿状の空間を設けることができる。次に、図1A,図1Bに示すように、一方の端面61と、側壁24とで形成された空間に液状の保護シール材22を注ぎこむ。その際、保護シール材22の液面と、一方の端面61とが平行となるように、一方の端面61を水平に保つことが好ましい。このとき、液状の保護シール材22は自重により、貫通孔3の一方の端面61の開孔51の表面に次第に浸透していく。一定時間の後、液状の保護シール材22が貫通孔の内側で充分な深さにまで浸透した後で、モノリス基材1を鉛直方向60上下に反転し、他方の端面62の開孔52に対しても同様にして保護シール膜を形成する。続いて保護シール膜を過熱して乾燥し、保護シールを得る。
このようにして、例えば、図3に示すように、ガラスシール40と、分離膜2との境界を覆うような保護シール41を形成することができ、ガラスシール40と、分離膜との境界付近に生じやすいクラックによる分離性能に対する悪影響を効果的に防ぐことができる。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
モノリス基材として図4、図5に示すような、直径(全体外径)C:180mm、長手方向60の長さLが1000mmのアルミナからなる多孔質のモノリス基材1を用いた。また、モノリス基材1は長手方向60の両端側に貫通し、長手方向60と平行な貫通孔3を、2000個有している。モノリス基材1は長手方向60の両端に一方の端面61側に開孔51、および他方の端面62側に開孔52を有している。貫通孔3の内径は、複数のパターンを用意した。貫通孔3の内径はそれぞれ2.0mm、2.3mm、2.5mm、3.0mmのものを使用した。
モノリス基材として図4、図5に示すような、直径(全体外径)C:180mm、長手方向60の長さLが1000mmのアルミナからなる多孔質のモノリス基材1を用いた。また、モノリス基材1は長手方向60の両端側に貫通し、長手方向60と平行な貫通孔3を、2000個有している。モノリス基材1は長手方向60の両端に一方の端面61側に開孔51、および他方の端面62側に開孔52を有している。貫通孔3の内径は、複数のパターンを用意した。貫通孔3の内径はそれぞれ2.0mm、2.3mm、2.5mm、3.0mmのものを使用した。
ガラスシール形成工程において、図4、図5に示されるようなモノリス基材1の表面に、ペースト状のガラスシール材を塗布した。モノリス基材1の両端面(一方の端面61,他方の端面62)に、ガラスシール材を塗布した。更に、貫通孔3の内壁の、モノリス基材の両端面(一方の端面61,他方の端面62)のそれぞれから5mmの深さまでガラスシール材を塗布した。即ち、貫通孔の内側の深さが5mmとなるようにガラスシール材を塗布した。また、モノリス基材1の外周面側には、側壁24として使用したゴムパッキンが密着する幅として、両端面(一方の端面61,他方の端面62)のそれぞれから20mmの深さまでガラスシール材を塗布した。その後ガラスシール材を650℃で加熱することによりガラスシールを形成した。
分離膜成膜工程において、モノリス基材1の一方の端面61が他方の端面62の上方であって、貫通孔3の長手方向60が鉛直方向となるように設置し、送液ポンプを使用して、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶媒とするポリアミド酸濃度10質量%のポリアミド酸溶液(宇部興産株式会社のU−ワニス−A(商品名))を、各貫通孔3の一方の開孔51から1cm/分の速度で各貫通孔内に送入することにより、図6に示すように各貫通孔3の表面にポリアミド酸膜(前駆体溶液からなる膜2)を成膜した。
分離膜成膜工程の後、図7、図9に示すように、分離膜乾燥工程において、ポリアミド酸溶液からなる膜を成膜したモノリス基材1の一方の端面62側にドライヤーを配置した。次にモノリス基材1の貫通孔3の一方の端面61側の開孔51より、ドライヤーを用いて150℃の熱風を、10m/sの風速で、モノリス基材1の他端面側に開口した貫通孔3の他方の端面62側の開孔52へ60分間に渡って通過させてポリアミド酸溶液からなる膜を乾燥した。次に、ポリアミド酸からなる膜を、イミド化乾燥手段として温度制御が可能な乾燥炉を用いてイミド化した。以上の工程を3回繰り返した後、モノリス基材1を真空のボックス炉にて、800℃で熱処理し、前記イミド化により得られたポリイミド膜を炭化して、膜厚が約1μmの分離膜(炭素膜)を得た。
保護シール形成工程において、図1Aに示されるように、モノリス基材1の長手軸方向60の一方の端面61を他方の端面62の上方とした状態で、一方の端面61の縁、即ち一方の端縁34を取り囲むような側壁24としてゴムパッキンを使用した。このようにして、一方の端面61と、この側壁24とで皿状の空間を設けた。次に、図1A,図1Bに示すように、一方の端面61と、側壁24とで形成された空間に液状の保護シール材22を注いだ。このとき、液状の保護シール材22の粘度は複数パターン(6、10、20、28Pa・S)用意した。保護シール材の各粘度のパターンでは、具体的には以下の保護シール材を使用した。粘度が6Pa・Sの保護シール材として、GE東芝シリコーン製の製品名:TSE389−Cを調整して使用した。粘度が10Pa・Sの保護シール材として、GE東芝シリコーン製の製品名:TSE388−Cを調整して使用した。粘度が20Pa・Sの保護シール材として、信越化学製の製品名:SIFEL614を調整して使用した。粘度が28Pa・Sの保護シール材として、信越化学製のSIFEL617を調整して使用した。このとき、貫通孔の内径と、粘度とによって、保護シールの貫通孔内部への浸透する時間を測定した。測定結果を表1に示す。内径、粘度のパターンは表中に示す。表1中、Aは、1分以内に保護シール材22が20mm入ったことを示す。Bは1〜3分経過後、保護シール材22が20mm入ったことを示す。Cは3分以上経っても、保護シール材22が貫通孔内に入らなかったことを示す。
(比較例1)
比較例1では、保護シール形成工程を変更し、保護シール材の粘度のパターンを少なくしたこと以外は実施例1と同条件とした。保護シール材の粘度は6,10Pa・Sのものを用意した。比較例1の保護シール形成工程の変更点としては、図11に示すような液状の保護シール材22を収容した保護シール材用液槽23を使用して、貫通孔3内側へ保護シール材22を浸透させることを試みた。モノリス基材1の下方に保護シール材22を収容した保護シール材用液槽23を配置し、モノリス基材1を1cm/sの速度で、受け皿の底まで沈め、5秒後に引き上げた。結果を表1に示す。表1中のDは保護シール材22が20mm以上入ったことを示す。表1中のEは、保護シール材22がセル内に入らなかったことを示す。
比較例1では、保護シール形成工程を変更し、保護シール材の粘度のパターンを少なくしたこと以外は実施例1と同条件とした。保護シール材の粘度は6,10Pa・Sのものを用意した。比較例1の保護シール形成工程の変更点としては、図11に示すような液状の保護シール材22を収容した保護シール材用液槽23を使用して、貫通孔3内側へ保護シール材22を浸透させることを試みた。モノリス基材1の下方に保護シール材22を収容した保護シール材用液槽23を配置し、モノリス基材1を1cm/sの速度で、受け皿の底まで沈め、5秒後に引き上げた。結果を表1に示す。表1中のDは保護シール材22が20mm以上入ったことを示す。表1中のEは、保護シール材22がセル内に入らなかったことを示す。
表1の比較例1と実施例1とを比較すると、実施例1の方式で保護シール材を貫通孔の内側への浸透させる方式は、保護シール材粘度のパターンの幅を広くすることでき、また貫通孔の内径のパターンも多く採用することができることがわかった。このため、実施例1の方式を採用することにより、分離膜の乾燥にかかる時間を抑制して製造コストを抑え、分離性能の悪化を防ぎ、大型大口径の分離膜の設計の幅を広げることが可能となることがわかった。
(比較例2、比較例3)
比較例2、比較例3においては保護シール材形成工程を行わないこと以外は実施例1と同条件で分離膜を形成した。比較例2、比較例3で得られた分離膜に対して、浸透気化試験を行って、分離膜の分離性能を評価し、その結果を表2に示した。表2中の上段に分離係数αを、下段に透過流速(Flux[kg/m2・h])を示す。
比較例2、比較例3においては保護シール材形成工程を行わないこと以外は実施例1と同条件で分離膜を形成した。比較例2、比較例3で得られた分離膜に対して、浸透気化試験を行って、分離膜の分離性能を評価し、その結果を表2に示した。表2中の上段に分離係数αを、下段に透過流速(Flux[kg/m2・h])を示す。
分離膜の分離性能の評価は、具体的には、図8に示すような浸透気化装置を使用し、次のようにして浸透気化試験を行った。分離膜が形成されたモノリス基材1を筒状の容器5内に収納し、モノリス基材1の両端外周部において、容器5内周面との隙間を環状隔壁6により密閉した。恒温槽7に収容されたビーカー8内で所定温度に温められ供給液9を、循環ポンプ10により循環ライン11〜13に循環させ、この循環ラインの途中に配された容器5内のモノリス基材1の貫通孔3内を通過させた。こうしてモノリス基材1の貫通孔3表面に形成された分離膜に供給液9を接触させながら、透過側であるモノリス基材1の外側を、真空ポンプ14により、浸透気化ライン15、16を通じて吸引し、2次圧50torrで分離膜を透過した透過蒸気を、浸透気化ライン上の液体窒素17に浸された冷却トラップ18により透過液として捕捉した。なお、図中、19は供給液9の温度を測定するための温度計、20は供給液9を撹拌するための撹拌子、21はビーカー8上部に取り付けた冷却管である。供給液9には、水/エタノール比(質量比)が50/50質量%比である水/エタノール混合液を用い、当該供給液の温度を50℃として、分離膜の水/エタノール分離性能を評価した。この分離性能の評価には、下記数式(I)で表される水/エタノール分離係数α、及び、下記数式(II)で表される透過流速(Flux[kg/m2・h])を用いた。なお、分離係数とは、供給側液組成比に対する透過側液組成比の比と定義される。即ち、[分離係数]=[透過側液組成比]/[供給側液組成比]。下記数式(I)中、Perm(水)、Perm(エタノール)は、各々、膜を透過した水、エタノールの体積濃度[vol%]である。また、Feed(水)、Feed(エタノール)は、各々、供給液の水、エタノールの体積濃度[vol%]である。
α=(Perm(水)/Perm(エタノール))/(Feed(水)/Feed(エタノール)) ・・・(I)
Flux=Q/(A・t) ・・・(II)
(式(II)において、Q:透過液質量[kg]、A:分離膜面積[m2]、t:時間[h])
(式(II)において、Q:透過液質量[kg]、A:分離膜面積[m2]、t:時間[h])
(実施例2、実施例3)
実施例2、実施例3において、それぞれ比較例2、比較例3で浸透気化試験を行った後の分離膜に、保護シール形成工程を行うことにより、保護シールを形成した。その際、保護シール材22の粘度の条件以外は実施例1と同条件で保護シールを形成した。実施例2の保護シール材22(試料1)は、粘度が5.6Pa・Sの液状シリコン(GE東芝シリコーン製、製品名:TSE389−C)を使用した。実施例3の保護シール材22(試料2)は粘度が6.7Pa・Sの液状シリコン(信越化学製、製品名:SIFEL610)を使用した。比較例2、比較例3は保護シール形成工程を行っていないため、保護シールを施す前(比較例2、比較例3)と後(実施例2、実施例3)で、膜の性能評価を行った。
実施例2、実施例3において、それぞれ比較例2、比較例3で浸透気化試験を行った後の分離膜に、保護シール形成工程を行うことにより、保護シールを形成した。その際、保護シール材22の粘度の条件以外は実施例1と同条件で保護シールを形成した。実施例2の保護シール材22(試料1)は、粘度が5.6Pa・Sの液状シリコン(GE東芝シリコーン製、製品名:TSE389−C)を使用した。実施例3の保護シール材22(試料2)は粘度が6.7Pa・Sの液状シリコン(信越化学製、製品名:SIFEL610)を使用した。比較例2、比較例3は保護シール形成工程を行っていないため、保護シールを施す前(比較例2、比較例3)と後(実施例2、実施例3)で、膜の性能評価を行った。
表2に示すように、実施例2および実施例3は、それぞれ対応する試料1、試料2を用いた試験結果から、いずれも比較例より分離係数αが向上していることが示された。この結果は、保護シールを形成することにより分離膜に生じたクラック等の欠陥が修復され、分離膜のクラック等の欠陥領域で被処理流体の流入または流出を防止し、分離性能が改善されたと考えられる。
本発明は、例えば、バイオマス分野における水とエタノールとの分離のような各種混合物の分離に用いられ、大口径で長尺な、大型の分離膜に対して、複雑な工程を必要とすることなく低コストで分離性能を向上させることを実現したものであり、分離膜の製造に好適に利用することができる。
1:モノリス基材、2:前駆体溶液からなる膜、3:貫通孔、4:ドライヤー、5:容器、6:環状隔壁、7:恒温槽、8:ビーカー、9:供給液、10:循環ポンプ、11、循環ライン、12:循環ライン、13:循環ライン、14:真空ポンプ、15:浸透気化ライン、16:浸透気化ライン、17:液体窒素、18:冷却トラップ、19:温度計、20:撹拌子、21:冷却管、22:保護シール材、23:保護シール材用液槽、24:側壁、31:モノリス基材外周面、34:一方の端縁、35:他方の端縁、40:ガラスシール、41:保護シール、51:一方の端面の開孔、52:他方の端面の開孔、60:長手方向、61:一方の端面、62:他方の端面、71:成膜容器、72:ホース、73:前駆体溶液タンク、75:環状隔壁、76:気密領域、77:調節弁、78:送風装置、79:液面上限、80:液面下限。
Claims (15)
- 多孔質のモノリス基材の長手方向の両端面に開孔を有した貫通孔内に分離膜を形成する分離膜形成工程と、
前記分離膜形成工程の後、前記モノリス基材の長手方向の一方の端面を上方とした状態で、前記一方の端面の前記開孔の上に液状の保護シール材を注いで前記一方の端面及び前記一方の端面の前記開孔の表面を覆う保護シール材からなる保護シール膜を形成し、更に前記保護シール膜を乾燥させて前記一方の端面の保護シールを形成し、続いて前記モノリス基材を上下反転することにより前記モノリス基材の長手方向の他方の端面を上方とした状態で、同様に前記他方の端面の前記開孔の上に液状の前記保護シール材を注いで前記保護シール材からなる保護シール膜を形成し、更に乾燥させて前記他方の端面の保護シールを形成する保護シール形成工程と、を含む分離膜の製造方法。 - 前記分離膜形成工程の後に、前記モノリス基材の両端面付近に発生した前記分離膜の欠陥領域の、前記貫通孔内での深さを測定する欠陥測定工程を更に含み、
前記保護シール形成工程において、前記貫通孔内での前記欠陥領域の深さよりも深く前記保護シールを形成する請求項1に記載の分離膜の製造方法。 - 前記分離膜形成工程の前に、前記モノリス基材の長手方向の両端面に、ガラスシール材を塗布した後、更に加熱することによりガラスシールを形成するガラスシール形成工程を行う請求項1または2に記載の分離膜の製造方法。
- 前記保護シール形成工程において、前記保護シールを前記モノリス基材の両端面の開孔からの深さ1〜50mmまで形成する請求項1〜3のいずれか1項に記載の分離膜の製造方法。
- 前記保護シール形成工程において、前記保護シール膜を前記モノリス基材の両端面の前記ガラスシールと前記分離膜の表面の境界を被覆するように形成する請求項3に記載の分離膜の製造方法。
- 前記保護シール形成工程において、一方の端縁を囲繞する側壁を立設し、前記一方の端面と前記側壁とで形成された空間に液状の前記保護シール材を注ぐことにより前記保護シール膜を形成し、続いて前記モノリス基材を上下反転することにより前記モノリス基材の長手方向の他方の端面を上方とした状態で、他方の端縁を囲繞する側壁を立設し、前記他方の端面と前記側壁とで形成された空間に液状の前記保護シール材を注ぐことにより前記保護シール膜を形成する請求項1〜5のいずれか1項に記載の分離膜の製造方法。
- 前記モノリス基材の貫通孔の相当直径が1〜5mmである請求項1〜6のいずれか1項に記載の分離膜の製造方法。
- 前記保護シール材の粘度が5〜28Pa・Sである請求項1〜7のいずれか1項に記載の分離膜の製造方法。
- 前記保護シール材がシリコーン樹脂またはフッ素樹脂を主成分とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の分離膜の製造方法。
- 前記分離膜形成工程において、
多孔質の前記モノリス基材の長手方向の前記両端面に前記開孔を有した前記貫通孔内に分離膜とする前駆体溶液を通すことにより、前記貫通孔の表面に、前記前駆体溶液からなる膜を成膜する分離膜成膜工程と、
前記前駆体溶液からなる膜を熱風による通風乾燥を行う分離膜乾燥工程と、を行う請求項1〜9のいずれか1項に記載の分離膜の製造方法。 - 前記分離膜成膜工程において、前記前駆体溶液からなる膜をディップ成膜法により成膜する請求項10に記載の分離膜の製造方法。
- 前記分離膜乾燥工程において、前記前駆体溶液からなる膜を乾燥させた後、乾燥させた前記前駆体溶液からなる膜を最終的に熱分解して炭化させることにより前記分離膜とする請求項10または11に記載の分離膜の製造方法。
- 前記前駆体溶液が、ポリイミド溶液またはポリアミド酸溶液である請求項10〜12のいずれか一項に記載の分離膜の製造方法。
- 前記分離膜乾燥工程において前記ポリアミド酸溶液からなる膜を乾燥させた後、乾燥させた前記ポリアミド酸溶液からなる膜をイミド化乾燥手段で加熱することにより、ポリイミド膜を得、その後前記ポリイミド膜を最終的に熱分解して炭化させることにより分離膜とする請求項13に記載の分離膜の製造方法。
- 前記モノリス基材の全体外径が30〜200mm、長手方向の長さが40〜2000mmである請求項1〜14のいずれか一項に記載の分離膜の製造方法。
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