JP2010110116A - モータ駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】AD変換器はひとつだけで良く、更には、それぞれのモータの電流検出回路は、ドライバとグラウンドとの間に電流検出抵抗を1本備えるだけという簡単な構成のモータ駆動装置を提供する。
【解決手段】複数のモータ10A、10Bの夫々のコイルに電流を供給する複数のドライバ20A、20Bと、各ドライバをPWM周期中の所定の期間だけ通電状態にすることでコイルに供給する電流量を調節する複数のPWM回路30A、30Bと、各ドライバ20A、20Bとグラウンド電位GNDとの間に夫々設けられた電流検出抵抗40A、40Bと、各電流検出抵抗40A、40Bにより検出された夫々のコイル電流信号A、Bから何れか一つを選択するセレクタ50と、セレクタ50で選択されたコイル電流信号をデジタル値に変換するAD変換器60と、各PWM回路30、セレクタ50、及びAD変換器60の動作を制御するプロセッサ70と、を備えて構成されている。
【選択図】図1
【解決手段】複数のモータ10A、10Bの夫々のコイルに電流を供給する複数のドライバ20A、20Bと、各ドライバをPWM周期中の所定の期間だけ通電状態にすることでコイルに供給する電流量を調節する複数のPWM回路30A、30Bと、各ドライバ20A、20Bとグラウンド電位GNDとの間に夫々設けられた電流検出抵抗40A、40Bと、各電流検出抵抗40A、40Bにより検出された夫々のコイル電流信号A、Bから何れか一つを選択するセレクタ50と、セレクタ50で選択されたコイル電流信号をデジタル値に変換するAD変換器60と、各PWM回路30、セレクタ50、及びAD変換器60の動作を制御するプロセッサ70と、を備えて構成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、モータ駆動装置に関し、さらに詳しくは、複数のモータドライバを1つのプロセッサにより制御する回路構成技術に関するものである。
モータの制御手法のひとつに、モータコイルに流れる電流を制御する電流制御(トルク制御)がある。電流制御を行うためには、もちろん、モータコイル電流を検出しなければならない。即ち、モータコイルに流れる電流を検出するには、電流流路の途中に検出用の抵抗を挿入し、その抵抗の端子間に発生する電圧を間接的に得るのが一般的である。図6に、電流検出回路の構成例を示す。図6の10は3相モータで、11U、11V、11Wはモータの電機子巻き線コイルである。また、21U、21V、21W、22U、22V、22Wはドライバを構成するスイッチング素子であり、電源(Vcc)とモータコイルとグラウンド(GND)の間に複数個設け、モータコイルに通電する電流を調整するものである。具体的には、トランジスタやFETなどの半導体素子で実現される。また、各スイッチング素子と並列に接続されているダイオード23U、23V、23W、24U、24V、24Wは、回生ダイオードや還流ダイオードなどと呼ばれるものである。このダイオードの動作については後述する。
PWM回路30は、各スイッチング素子のON/OFF状態を切り替えるものである。
抵抗素子40または抵抗素子41U、41V、41Wが、モータコイル電流を検出するために設けた、電流検出抵抗である。電流検出抵抗40または電流検出抵抗41U、41V、41Wに電流が流れているときに、それら抵抗の端子間に発生する電圧を測定すれば、オームの法則から電流を知ることができる(尚、図6では、後述する説明で比較しやすくするために電流検出抵抗を4本描いたが、実際には電流検出抵抗40の1本だけか、もしくは電流検出抵抗41U、41V、41Wの3本組みのどちらかが備えてあれば十分である)。
PWM回路30は、各スイッチング素子のON/OFF状態を切り替えるものである。
抵抗素子40または抵抗素子41U、41V、41Wが、モータコイル電流を検出するために設けた、電流検出抵抗である。電流検出抵抗40または電流検出抵抗41U、41V、41Wに電流が流れているときに、それら抵抗の端子間に発生する電圧を測定すれば、オームの法則から電流を知ることができる(尚、図6では、後述する説明で比較しやすくするために電流検出抵抗を4本描いたが、実際には電流検出抵抗40の1本だけか、もしくは電流検出抵抗41U、41V、41Wの3本組みのどちらかが備えてあれば十分である)。
また図6では、電流検出抵抗40は下段のスイッチング素子22U、22V、22Wとグラウンドとの間に接続してあるが、電源と上段のスイッチング素子21U、21V、21Wとの間に接続しても構わない。また図6では、電流検出抵抗41U、41V、41Wを相ごとに1本ずつ図示したが、3相のうち2相分の電流が分かれば残り1相は簡単に計算できるので、電流検出抵抗41U、41V、41Wのうち2本以上あればよい。ただし、電流検出抵抗40の1本だけを使用して電流検出回路を構成した場合には、モータコイル電流を検出できない期間がある。これについて図7および図8を用いて説明する。
先の図6で示したような単一電源(Vcc)の構成でモータコイルに印加する電圧を可変とするための手段として、PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)駆動という手段が広く使用されている。この駆動手段は、モータコイルに電圧を印加する時間を調整することで、平均印加電圧を変えるものである(PWM周期の長さをTpwm、PWM周期のうち電圧を印加している期間をTonとすれば、平均印加電圧はVcc*(Ton/Tpwm)となる)。
図6中のPWM回路30は、このPWM駆動方式を実施するためのものであり、モータコイルに印加したい平均電圧値に応じて、PWM周期中において各スイッチング素子をON/OFFしておく期間を決定し、ON/OFF状態を切り替えるものである。
先の図6で示したような単一電源(Vcc)の構成でモータコイルに印加する電圧を可変とするための手段として、PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)駆動という手段が広く使用されている。この駆動手段は、モータコイルに電圧を印加する時間を調整することで、平均印加電圧を変えるものである(PWM周期の長さをTpwm、PWM周期のうち電圧を印加している期間をTonとすれば、平均印加電圧はVcc*(Ton/Tpwm)となる)。
図6中のPWM回路30は、このPWM駆動方式を実施するためのものであり、モータコイルに印加したい平均電圧値に応じて、PWM周期中において各スイッチング素子をON/OFFしておく期間を決定し、ON/OFF状態を切り替えるものである。
図7では、図6の構成の回路でPWM駆動を行った時の電流流路を示す。ここでは、U相上側のスイッチング素子21UのON/OFF状態をPWM状に切り替え、かつV相下側のスイッチング素子22VはON状態とし、その他のスイッチング素子21V、21W、22U、22WはOFF状態とする。この組み合わせ以外のON/OFF状態でもコイルに電流を供給することはできるが、説明は同様であるので省略する。
図7(a)中に太い矢印で示したのは、スイッチング素子21UがON状態の期間、すなわちPWM−ON期間中における電流の流路である。電流は、電源→スイッチング素子21U→電流検出抵抗41U→モータコイル11U→モータコイル11V→電流検出抵抗41V→スイッチング素子22V→電流検出抵抗40→グラウンド、という順に流れることになる。つまりこのとき、モータコイルに流れる電流は、電流検出抵抗41U、41Vおよび電流検出抵抗40に流れる電流と等しいということになる。
図7(b)中に太い矢印で示したのは、スイッチング素子21UがOFF状態の期間、すなわちPWM−OFF期間中における電流の流路である。スイッチング素子21UがOFF状態となると、電源からモータコイルに電流を供給する経路が絶たれてしまうが、モータコイルが自身に流れる電流を維持するために逆起電圧を発生させ、この逆起電圧によってダイオード24Uが導通することで、電流検出抵抗41U→モータコイル11U→モータコイル11V→電流検出抵抗41V→スイッチング素子22V→ダイオード24U→電流検出抵抗41U→モータコイル11U→…と、循環する電流流路が形成される。つまりこのとき、モータコイルに流れる電流は、電流検出抵抗41U、41Vに流れる電流と等しいが、電流検出抵抗40には全く電流が流れないということになる。
図7(a)中に太い矢印で示したのは、スイッチング素子21UがON状態の期間、すなわちPWM−ON期間中における電流の流路である。電流は、電源→スイッチング素子21U→電流検出抵抗41U→モータコイル11U→モータコイル11V→電流検出抵抗41V→スイッチング素子22V→電流検出抵抗40→グラウンド、という順に流れることになる。つまりこのとき、モータコイルに流れる電流は、電流検出抵抗41U、41Vおよび電流検出抵抗40に流れる電流と等しいということになる。
図7(b)中に太い矢印で示したのは、スイッチング素子21UがOFF状態の期間、すなわちPWM−OFF期間中における電流の流路である。スイッチング素子21UがOFF状態となると、電源からモータコイルに電流を供給する経路が絶たれてしまうが、モータコイルが自身に流れる電流を維持するために逆起電圧を発生させ、この逆起電圧によってダイオード24Uが導通することで、電流検出抵抗41U→モータコイル11U→モータコイル11V→電流検出抵抗41V→スイッチング素子22V→ダイオード24U→電流検出抵抗41U→モータコイル11U→…と、循環する電流流路が形成される。つまりこのとき、モータコイルに流れる電流は、電流検出抵抗41U、41Vに流れる電流と等しいが、電流検出抵抗40には全く電流が流れないということになる。
図8では、図7(a)(b)のようにコイル電流が流れたときの、コイル電流波形と電流検出抵抗の端子間電圧の波形を示している。電流検出抵抗41U(または41V)にはコイル電流と全く同じ電流が流れるので、端子間電圧の波形もコイル電流の波形と同等になる。一方で、電流検出抵抗40にはPWM−ON期間中にのみコイル電流が流れるので、端子間電圧の波形はパルス状となる(尚、図8のコイル電流波形にみられるリプルは、コイルが自身に流れる電流を維持しようとする働きによって生じるものである)。また、図8の電流検出抵抗40の端子間電圧波形で、PWM−ON期間となった直後に乱れが生じるのは、回生ダイオードの逆回復電流の影響や、回路に寄生するインダクタンス成分・容量成分によるリンギングの影響を受けるためである。
図7および図8から、次のようにまとめられる。1)モータとドライバとの間に電流検出抵抗41U、41V、41Wを備えるような電流検出回路の構成であれば、PWM周期中のいつでも、モータコイル電流を検出できる。2)ドライバとグラウンドとの間に電流検出抵抗40の1本だけを備えるような電流検出回路の構成であれば、PWM−ON期間中においてのみ、モータコイル電流を検出できる。3)電流検出抵抗40の1本だけの電流検出回路構成でモータコイル電流を検出するためには、PWM−ON期間中を狙って電流検出抵抗40の電流(正確には、検出抵抗により電圧に変換した量)をサンプリングせねばならないということである。
このような注意点はあるものの、使用する電流検出抵抗の数が少ないことは十分なメリットである(電流検出の用途で使う抵抗には、抵抗値が小さく定格電力が大きいことが要求されるため、一般用途で使う抵抗に比べて高価で大型になる)。
図7および図8から、次のようにまとめられる。1)モータとドライバとの間に電流検出抵抗41U、41V、41Wを備えるような電流検出回路の構成であれば、PWM周期中のいつでも、モータコイル電流を検出できる。2)ドライバとグラウンドとの間に電流検出抵抗40の1本だけを備えるような電流検出回路の構成であれば、PWM−ON期間中においてのみ、モータコイル電流を検出できる。3)電流検出抵抗40の1本だけの電流検出回路構成でモータコイル電流を検出するためには、PWM−ON期間中を狙って電流検出抵抗40の電流(正確には、検出抵抗により電圧に変換した量)をサンプリングせねばならないということである。
このような注意点はあるものの、使用する電流検出抵抗の数が少ないことは十分なメリットである(電流検出の用途で使う抵抗には、抵抗値が小さく定格電力が大きいことが要求されるため、一般用途で使う抵抗に比べて高価で大型になる)。
ところで、モータ制御を行うにあたっては、精度の良さや設計の柔軟さといった点から、マイコン(Microcontroller)やDSP(Digital Signal Processor)などのプロセッサが広く使用されている。さらに近年のプロセッサの高速化により、複数のモータの制御演算をひとつのプロセッサで行い、同時に駆動することも容易になった。これは当然ながら、モータの数と同じ数のプロセッサを使用して駆動するのに比べて、コスト面で有利である。
前述のようにして検出したモータコイル電流を元にして、プロセッサで電流制御演算を行うには、検出した電流量(正確には、検出抵抗により電圧に変換した量)をAD変換器を使ってデジタル値に変換してやればよい。複数のモータの電流制御を同時に行う場合には、前述の構成の電流検出回路と、AD変換器とを、モータと同数だけ用意するというのが、ごく簡単な方法ではある。しかしながら、AD変換器は高価な電子部品であり、そのようなものがモータと同数必要となれば、プロセッサをひとつだけで済ませることで生まれるコストメリットが失われてしまう。
そこで、AD変換器を増やすことなく複数モータの同時駆動を実現し、コストの上昇を回避するための従来例として、特許文献1に記載のものがある。それによると、複数のモータを同時に駆動する場合には、複数モータそれぞれの位置情報信号のうちのいずれかひとつを選択し、AD変換器に入力するセレクタを備えておき、更に、それぞれのPWM回路の駆動周期(=PWM周期)のスタートタイミングを一定量ずらしておいた上で、それぞれの駆動周期のスタートタイミングにおいて、それぞれの位置情報信号のAD変換を実施するように、セレクタを切り替える、といった案を提示している。この発明であれば、複数のモータでAD変換の動作タイミングが重なることがないので、AD変換器を共有できるとしている。
特開2006−166575公報
前述のようにして検出したモータコイル電流を元にして、プロセッサで電流制御演算を行うには、検出した電流量(正確には、検出抵抗により電圧に変換した量)をAD変換器を使ってデジタル値に変換してやればよい。複数のモータの電流制御を同時に行う場合には、前述の構成の電流検出回路と、AD変換器とを、モータと同数だけ用意するというのが、ごく簡単な方法ではある。しかしながら、AD変換器は高価な電子部品であり、そのようなものがモータと同数必要となれば、プロセッサをひとつだけで済ませることで生まれるコストメリットが失われてしまう。
そこで、AD変換器を増やすことなく複数モータの同時駆動を実現し、コストの上昇を回避するための従来例として、特許文献1に記載のものがある。それによると、複数のモータを同時に駆動する場合には、複数モータそれぞれの位置情報信号のうちのいずれかひとつを選択し、AD変換器に入力するセレクタを備えておき、更に、それぞれのPWM回路の駆動周期(=PWM周期)のスタートタイミングを一定量ずらしておいた上で、それぞれの駆動周期のスタートタイミングにおいて、それぞれの位置情報信号のAD変換を実施するように、セレクタを切り替える、といった案を提示している。この発明であれば、複数のモータでAD変換の動作タイミングが重なることがないので、AD変換器を共有できるとしている。
特許文献では位置情報信号(=コイル電流)の検出方法については詳しく触れていないが、特許文献の本文や図面から判断すると、モータと駆動用パワートランジスタ(=ドライバ)との間に、図6の電流検出抵抗41U、41V、41Wのようなもの、もしくは高価な電流センサなど、何かしらの検出用素子を備えているはずである。ただし実際に検出する電流は2相分のみで、残り1相は計算で求めるようなので、結局、特許文献のようにして複数モータを駆動する場合には、AD変換器がふたつと、モータの数の2倍の電流検出用素子が必要になる。また、図7(a)、(b)を用いて説明したとおり、モータと駆動用パワートランジスタの間に電流検出用素子を備えるような構成であれば、PWM周期中のいつでもモータコイル電流を検出できる。そこで特許文献1では、複数のモータそれぞれの駆動周期(=PWM周期)のスタートタイミングにおいて、検出された位置情報信号(=コイル電流)をAD変換すると決めている。
ここで、電流検出回路を、ドライバとグラウンドとの間に電流検出抵抗40の1本だけを備えるような構成に置き換えることができれば、複数モータを駆動する場合であっても、AD変換器がひとつと、モータと同数の電流検出抵抗で十分となるので、特許文献の構成よりも一層のコストダウンを見込める。しかしながら、図7(a)、(b)を用いて説明したとおり、ドライバとグラウンドとの間に電流検出抵抗40の1本だけを備えるような電流検出回路の構成で、モータコイル電流を検出するためには、PWM−ON期間中を狙って電流検出抵抗40の電流(正確には、検出抵抗により電圧に変換した量)をサンプリングしなければならない。そのため、特許文献1のようにAD変換するタイミングをPWM周期のスタートタイミングに固定してしまっては、電流検出に失敗してしまうおそれがある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、複数のモータを同時に駆動するモータ駆動装置で、それぞれのモータを時分割に駆動し、それにより発生したコイル電流信号の何れか一方を選択してAD変換することにより、AD変換器はひとつだけで良く、更には、それぞれのモータの電流検出回路は、ドライバとグラウンドとの間に電流検出抵抗を1本備えるだけという簡単な構成のモータ駆動装置を提供することを目的とする。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、複数のモータを同時に駆動するモータ駆動装置で、それぞれのモータを時分割に駆動し、それにより発生したコイル電流信号の何れか一方を選択してAD変換することにより、AD変換器はひとつだけで良く、更には、それぞれのモータの電流検出回路は、ドライバとグラウンドとの間に電流検出抵抗を1本備えるだけという簡単な構成のモータ駆動装置を提供することを目的とする。
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、複数のモータを同時に駆動するモータ駆動装置であって、前記複数のモータの各コイルに夫々電流を供給する複数のドライバと、前記各ドライバをPWM周期中の所定の期間だけ通電状態にすることで前記コイルに供給する電流量を調節する複数のPWM回路と、前記各ドライバとグラウンド電位との間、又は前記各ドライバと電源電位との間に夫々設けられた電流検出抵抗と、前記各電流検出抵抗により検出された夫々のコイル電流信号から何れか一つを選択するセレクタと、前記セレクタで選択されたコイル電流信号をデジタル値に変換するAD変換器と、前記各PWM回路、前記セレクタ、及び前記AD変換器の動作を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項2は、前記制御手段は、PWM周期の開始タイミングを任意の時間だけずらすように前記各PWM回路を制御し、前記複数のモータの何れか一つのモータの前記PWM周期の開始タイミングから任意の時間が経過した後AD変換動作を開始するように前記AD変換器を制御し、前記複数のモータの何れか一つのモータのPWM周期に対応した前記AD変換動作の開始指示よりも前のタイミングにおいて、該モータに対応した前記コイル電流信号を選択するように前記セレクタを制御することを特徴とする。
請求項2は、前記制御手段は、PWM周期の開始タイミングを任意の時間だけずらすように前記各PWM回路を制御し、前記複数のモータの何れか一つのモータの前記PWM周期の開始タイミングから任意の時間が経過した後AD変換動作を開始するように前記AD変換器を制御し、前記複数のモータの何れか一つのモータのPWM周期に対応した前記AD変換動作の開始指示よりも前のタイミングにおいて、該モータに対応した前記コイル電流信号を選択するように前記セレクタを制御することを特徴とする。
請求項3は、前記制御手段は、前記各PWM回路が前記夫々のドライバを通電状態とした直後に発生する前記夫々のコイル電流信号の乱れが十分に収束する時間を見越して、前記AD変換動作を開始するように前記AD変換器を制御することを特徴とする。
請求項4は、前記各PWM回路が前記夫々のドライバを通電状態としている期間の下限値を設定しておき、前記制御手段は、AD変換動作の開始を指示するタイミングが、前記下限値の期間内に含まれるように前記AD変換器を制御することを特徴とする。
請求項5は、前記制御手段は、前記AD変換器の変換結果を入力する結果入力手段と、該AD変換器の変換結果に基づいて最新のコイル電流信号の値を取得し、該値に基づいて各モータに対応する前記夫々のドライバを通電状態とする期間を決定する制御演算結果を出力する演算結果出力手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項4は、前記各PWM回路が前記夫々のドライバを通電状態としている期間の下限値を設定しておき、前記制御手段は、AD変換動作の開始を指示するタイミングが、前記下限値の期間内に含まれるように前記AD変換器を制御することを特徴とする。
請求項5は、前記制御手段は、前記AD変換器の変換結果を入力する結果入力手段と、該AD変換器の変換結果に基づいて最新のコイル電流信号の値を取得し、該値に基づいて各モータに対応する前記夫々のドライバを通電状態とする期間を決定する制御演算結果を出力する演算結果出力手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、複数のモータを同時に駆動するモータ駆動装置で、それぞれのモータを時分割に駆動し、それにより発生したコイル電流信号の何れか一方を選択してAD変換することにより、AD変換器はひとつだけで良く、更には、それぞれのモータの電流検出回路は、ドライバとグラウンドとの間に電流検出抵抗を1本備えるだけという簡単な構成のモータ駆動装置を提供することができる。
また、ドライバとグラウンドとの間に電流検出抵抗を1本備えるだけの簡単な構成の電流検出回路であっても、コイル電流を正しく得ることが可能になる。
また、AD変換を実施するタイミングにおいて、コイル電流信号のパルスが確実に現れているようにすることが可能になる。
また、複数のモータを同時に駆動するモータ駆動装置で、それぞれのモータについて電流制御を含む制御演算を行うが、それぞれのコイル電流をAD変換するAD変換器はひとつだけで良く、さらには電流検出抵抗はモータひとつにつきそれぞれ1本備えるだけで良く、さらには最新のコイル電流量に基づいた電流制御演算を行うことが可能であり、さらには最新の制御演算結果を次回のPWM周期におけるPWM−ON期間として反映することができる。
また、ドライバとグラウンドとの間に電流検出抵抗を1本備えるだけの簡単な構成の電流検出回路であっても、コイル電流を正しく得ることが可能になる。
また、AD変換を実施するタイミングにおいて、コイル電流信号のパルスが確実に現れているようにすることが可能になる。
また、複数のモータを同時に駆動するモータ駆動装置で、それぞれのモータについて電流制御を含む制御演算を行うが、それぞれのコイル電流をAD変換するAD変換器はひとつだけで良く、さらには電流検出抵抗はモータひとつにつきそれぞれ1本備えるだけで良く、さらには最新のコイル電流量に基づいた電流制御演算を行うことが可能であり、さらには最新の制御演算結果を次回のPWM周期におけるPWM−ON期間として反映することができる。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の第1の実施形態に係るモータ駆動装置の構成を示すブロック図である。同じ構成要素には図6と同じ参照番号を付して説明する。このモータ駆動装置100は、複数のモータ10A、10Bを同時に駆動するモータ駆動装置であって、複数のモータ10A、10Bの夫々のコイルに電流を供給する複数のドライバ20A、20Bと、各ドライバをPWM周期中の所定の期間だけ通電状態にすることでコイルに供給する電流量を調節する複数のPWM回路30A、30Bと、各ドライバ20A、20Bとグラウンド電位GNDとの間に夫々設けられた電流検出抵抗40A、40Bと、各電流検出抵抗40A、40Bにより検出された夫々のコイル電流信号A、Bから何れか一つを選択するセレクタ50と、セレクタ50で選択されたコイル電流信号をデジタル値に変換するAD変換器60と、各PWM回路30A、30B、セレクタ50、及びAD変換器60の動作を制御するプロセッサ(制御手段)70と、を備えて構成されている。
図1は本発明の第1の実施形態に係るモータ駆動装置の構成を示すブロック図である。同じ構成要素には図6と同じ参照番号を付して説明する。このモータ駆動装置100は、複数のモータ10A、10Bを同時に駆動するモータ駆動装置であって、複数のモータ10A、10Bの夫々のコイルに電流を供給する複数のドライバ20A、20Bと、各ドライバをPWM周期中の所定の期間だけ通電状態にすることでコイルに供給する電流量を調節する複数のPWM回路30A、30Bと、各ドライバ20A、20Bとグラウンド電位GNDとの間に夫々設けられた電流検出抵抗40A、40Bと、各電流検出抵抗40A、40Bにより検出された夫々のコイル電流信号A、Bから何れか一つを選択するセレクタ50と、セレクタ50で選択されたコイル電流信号をデジタル値に変換するAD変換器60と、各PWM回路30A、30B、セレクタ50、及びAD変換器60の動作を制御するプロセッサ(制御手段)70と、を備えて構成されている。
本発明のモータ駆動回路では、図1の10A、10Bの2つのモータを同時に駆動する。ドライバ20Aは、モータ10Aのコイルに電流を供給するものである。PWM回路30Aは、ドライバ20Aを構成するスイッチング素子のON/OFF状態をPWM状に切り替えることで、PWM周期中に所定の期間だけ通電状態とし、モータ10Aのコイル電流量を調節するものである。電流検出抵抗40Aは、ドライバ20Aとグラウンドとの間に接続されており、モータ10Aのコイル電流を検出するものである。なお、電流検出抵抗40Aによって検出されて電圧に変換された、モータ10Aのコイル電流量を、コイル電流信号Aと呼ぶことにする。ここまでの構成は、モータ10Bについても同様である。
セレクタ50は、コイル電流信号Aもしくはコイル電流信号Bのどちらか一方のみを選択して、出力するものである。AD変換器60は、セレクタ50によって選ばれたコイル電流信号を、デジタル値に変換するものである。プロセッサ70は、PWM回路30AおよびPWM回路30Bに対してPWM周期の開始を指示し、またセレクタ50に対して選択状態の切り替えを指示し、またAD変換器60に対してAD変換動作の開始を指示するものである。
セレクタ50は、コイル電流信号Aもしくはコイル電流信号Bのどちらか一方のみを選択して、出力するものである。AD変換器60は、セレクタ50によって選ばれたコイル電流信号を、デジタル値に変換するものである。プロセッサ70は、PWM回路30AおよびPWM回路30Bに対してPWM周期の開始を指示し、またセレクタ50に対して選択状態の切り替えを指示し、またAD変換器60に対してAD変換動作の開始を指示するものである。
次に図1のモータ駆動装置100の動作を、図2を参照して説明する。
本発明のひとつの課題は、複数のモータ10A、10Bで、一つのAD変換器60を共有することである。そのためには、モータ10Aのコイル電流信号AをAD変換するタイミングと、モータ10Bのコイル電流BをAD変換するタイミングとが重ならないようにしてやれば良い。また、本発明のもうひとつの課題は、図1のような簡単な構成の回路でコイル電流を検出し、コイル電流信号をAD変換することである。従来技術のところで述べたように、図1のような電流検出回路の構成では、検出されるコイル電流信号はパルス状となるので、AD変換はこのパルスが現れている間に実施せねばならない。
本実施形態では、この二つの課題を解決すべく、まずPWM回路30AのPWM周期の開始タイミングと、PWM回路30BのPWM周期の開始タイミングとをお互いにずらしたうえで、PWM回路30AのPWM周期の開始タイミングから任意の時間Aが経過したタイミングにおいてコイル電流信号AのAD変換を開始し、PWM回路30BのPWM周期の開始タイミングから任意の時間Bが経過したタイミングにおいてコイル電流信号BのAD変換を開始するようにした。
本発明のひとつの課題は、複数のモータ10A、10Bで、一つのAD変換器60を共有することである。そのためには、モータ10Aのコイル電流信号AをAD変換するタイミングと、モータ10Bのコイル電流BをAD変換するタイミングとが重ならないようにしてやれば良い。また、本発明のもうひとつの課題は、図1のような簡単な構成の回路でコイル電流を検出し、コイル電流信号をAD変換することである。従来技術のところで述べたように、図1のような電流検出回路の構成では、検出されるコイル電流信号はパルス状となるので、AD変換はこのパルスが現れている間に実施せねばならない。
本実施形態では、この二つの課題を解決すべく、まずPWM回路30AのPWM周期の開始タイミングと、PWM回路30BのPWM周期の開始タイミングとをお互いにずらしたうえで、PWM回路30AのPWM周期の開始タイミングから任意の時間Aが経過したタイミングにおいてコイル電流信号AのAD変換を開始し、PWM回路30BのPWM周期の開始タイミングから任意の時間Bが経過したタイミングにおいてコイル電流信号BのAD変換を開始するようにした。
また、任意の時間Aは、コイル電流信号Aのパルスが現れている間にAD変換が実施されるように設定しなければならない。コイル電流信号Aのパルス幅は、モータ10Aを通電状態としている期間、すなわちPWM−ON期間Aの長さと同等になるので、PWM−ON期間A中にAD変換が実施されるように任意の時間Aを設定するのが妥当である。任意の時間Bについても、同様に設定する。尚、任意の時間Aと任意の時間Bは、同じ長さでも別々の長さでも構わない。
また、図2ではPWM回路30AとPWM回路30BのPWM周期の開始タイミングをずらす時間を、PWM周期のちょうど半分のように図示したが、特にこれに限ることはない。おのおののPWM周期の開始タイミングからAD変換開始までの任意の時間と、AD変換器60がAD変換を完了するまでに必要な時間とを足した時間だけずらせば、十分である。
また、セレクタ50に切り替えを指示するタイミングは、AD変換を開始するよりも以前であれば良い。例えば、コイル電流信号AをAD変換したいのであれば、PWM回路30AのPWM周期の開始タイミングから任意の時間Aが経過してAD変換が開始されるよりも前に、セレクタ50の出力としてコイル電流信号Aが選択されているように切り替えておけば良い。このようにすれば、複数のモータを同時に駆動するモータ駆動装置で、それぞれのモータについてコイル電流をAD変換するが、AD変換器は一つだけで良く、さらには、それぞれのモータの電流検出回路は、ドライバとグラウンドとの間に電流検出抵抗を1本備えるだけという簡単な構成とすることが可能になる。
また、図2ではPWM回路30AとPWM回路30BのPWM周期の開始タイミングをずらす時間を、PWM周期のちょうど半分のように図示したが、特にこれに限ることはない。おのおののPWM周期の開始タイミングからAD変換開始までの任意の時間と、AD変換器60がAD変換を完了するまでに必要な時間とを足した時間だけずらせば、十分である。
また、セレクタ50に切り替えを指示するタイミングは、AD変換を開始するよりも以前であれば良い。例えば、コイル電流信号AをAD変換したいのであれば、PWM回路30AのPWM周期の開始タイミングから任意の時間Aが経過してAD変換が開始されるよりも前に、セレクタ50の出力としてコイル電流信号Aが選択されているように切り替えておけば良い。このようにすれば、複数のモータを同時に駆動するモータ駆動装置で、それぞれのモータについてコイル電流をAD変換するが、AD変換器は一つだけで良く、さらには、それぞれのモータの電流検出回路は、ドライバとグラウンドとの間に電流検出抵抗を1本備えるだけという簡単な構成とすることが可能になる。
また、AD変換を開始を開始するタイミングについて説明する。図2に示すように、PWM−ON期間となった直後にコイル電流信号の波形に乱れが生じる。この波形乱れの原因は、ドライバを構成するスイッチング素子のON/OFF状態を切り替える際に、回生ダイオードの逆回復電流や、回路に寄生するインダクタンス成分・容量成分によるリンギングといった、過渡的な現象の影響を受けてしまうことにある。この波形乱れが発生している期間にAD変換をしてしまっては、正しいコイル電流を得ることが出来ない。そこで、コイル電流信号の波形に生じる乱れが十分に収束したタイミングにおいて、AD変換を開始するようにした。つまり、そのようになるように、任意の時間Aと任意の時間Bを設定することにした。尚、波形乱れの生じる長さやその大きさなどは、使用するドライバや周辺回路の実装状態などにより異なってくるので、あらかじめコイル電流信号の波形を確認しておいたのち、AD変換を開始するタイミングを決定するのが良い。このようにすれば、ドライバとグラウンドとの間に電流検出抵抗を1本備えるだけの簡単な構成の電流検出回路であっても、コイル電流を正しく得ることが可能になる。
次に、PWM−ON期間の長さについて図3を用いて説明する。図1のような電流検出回路の構成では、検出されるコイル電流信号はパルス状となるので、AD変換はこのパルスが現れている間に実施せねばならない。これは逆に言えば、AD変換を実施するタイミングにおいて、コイル電流信号のパルスが確実に現れているようにすれば良いということである。そこで、PWM回路30がドライバを通電状態としている期間、すなわちPWM−ON期間に対して、下限値(=最短のPWM−ON期間)を設けることにした。これはコイル電流信号のパルス幅が、PWM−ON期間の長さに依存するものだからである(スイッチング時の遅延の影響などがあるため、完全に一致するとは限らない)。
この最短のPWM−ON期間を決める際には、AD変換動作の開始を指示するタイミングが最短のPWM−ON期間中に含まれるようにする必要がある。そのためには、コイル電流信号波形に生じる乱れを確認し、次にAD変換動作を開始するタイミングを決定した後、最短PWM−ON期間を決定するという手順をとると良い。このようにすれば、AD変換を実施するタイミングにおいて、コイル電流信号のパルスが確実に現れているようにすることが可能になる。
この最短のPWM−ON期間を決める際には、AD変換動作の開始を指示するタイミングが最短のPWM−ON期間中に含まれるようにする必要がある。そのためには、コイル電流信号波形に生じる乱れを確認し、次にAD変換動作を開始するタイミングを決定した後、最短PWM−ON期間を決定するという手順をとると良い。このようにすれば、AD変換を実施するタイミングにおいて、コイル電流信号のパルスが確実に現れているようにすることが可能になる。
図4は本発明の第2の実施形態に係るモータ駆動装置の構成を示すブロック図である。図4が図1と異なる点は、プロッセッサ70は、AD変換器60のコイル電流信号(変換結果)80を入力する結果入力手段と、AD変換器60の変換結果に基づいて最新のコイル電流信号80の値を取得し、この値に基づいて各モータ10A、10Bに対応する夫々のドライバ20A、20Bを通電状態とする期間を決定する制御演算結果A、Bを出力する演算結果出力手段と、を備えたことである。
プロセッサ70は、モータ10A及びモータ10B夫々を制御するための演算を行う。この制御演算は、AD変換器60の出力、すなわちコイル電流信号80のデジタル値に基づいた、電流制御も含んだ演算である。モータ10Aに対する制御演算結果AはPWM回路30Aに渡され、PWM回路30Aではその制御演算結果Aに従って、ドライバ20Aを通電状態とする期間、すなわちPWM−ON期間Aを決定する。モータ10Bについても、同様である。
プロセッサ70は、モータ10A及びモータ10B夫々を制御するための演算を行う。この制御演算は、AD変換器60の出力、すなわちコイル電流信号80のデジタル値に基づいた、電流制御も含んだ演算である。モータ10Aに対する制御演算結果AはPWM回路30Aに渡され、PWM回路30Aではその制御演算結果Aに従って、ドライバ20Aを通電状態とする期間、すなわちPWM−ON期間Aを決定する。モータ10Bについても、同様である。
次にモータ駆動装置150の動作を、図5を用いて説明する。プロセッサ70が、PWM回路30A、30B、およびセレクタ50、AD変換器60に対して行う指示については、図1の動作と同様である。AD変換動作を開始するタイミングについては、図2の動作に従うものである。PWM−ON期間AおよびPWM−ON期間Bの下限値については、図3の動作に従うものである。なお、下限値の設定方法としては、プロセッサ70が制御演算結果Aおよび制御演算結果Bに対して下限値を持たせるような演算をしても良いし、もしくはPWM回路30AおよびPWM回路30Bの機能として、受け取った制御演算結果が下限値よりも小さい場合には代わりに下限値を出力するような機能を持たせても良い。
本実施形態では、プロセッサ70が、モータ10Aおよびモータ10Bに対する制御演算を行う期間を決めた。モータ10Aに対する制御演算を開始するタイミングは、コイル電流信号AのAD変換が完了したタイミング以降とする。これにより、最新のコイル電流量に基づいた電流制御演算を行うことができる。モータ10Aに対する制御演算は、モータ10Bのコイル電流信号BのAD変換が完了するよりも前のタイミングには、完了しておかねばならない。さもなければ、モータ10Aに対して演算する期間とモータ10Bに対して演算する期間とが重なってしまい、どちらか一方、または両方の制御演算結果が得られないような事態に陥ってしまう。モータ10Aに対する制御演算が完了したら、制御演算結果をPWM回路30Aに渡す。
本実施形態では、プロセッサ70が、モータ10Aおよびモータ10Bに対する制御演算を行う期間を決めた。モータ10Aに対する制御演算を開始するタイミングは、コイル電流信号AのAD変換が完了したタイミング以降とする。これにより、最新のコイル電流量に基づいた電流制御演算を行うことができる。モータ10Aに対する制御演算は、モータ10Bのコイル電流信号BのAD変換が完了するよりも前のタイミングには、完了しておかねばならない。さもなければ、モータ10Aに対して演算する期間とモータ10Bに対して演算する期間とが重なってしまい、どちらか一方、または両方の制御演算結果が得られないような事態に陥ってしまう。モータ10Aに対する制御演算が完了したら、制御演算結果をPWM回路30Aに渡す。
図5では演算完了直後に演算結果を渡すように図示したが、特にこれに限るものではない。モータ10Bのコイル電流信号BのAD変換が完了するよりも前のタイミング、つまりモータ10Bに対する制御演算が開始されるタイミングよりも前であれば良い。この条件を満たすタイミングは、PWM回路30Aの次回のPWM周期が始まるタイミングよりも確実に前となる。これにより、最新の制御演算結果を次回のPWM周期におけるPWM−ON期間として反映することができる。
このようにすれば、複数のモータを同時に駆動するモータ駆動装置で、それぞれのモータについて電流制御を含む制御演算を行うが、それぞれのコイル電流をAD変換するAD変換器はひとつだけで良く、さらには電流検出抵抗はモータひとつにつきそれぞれ1本備えるだけで良く、さらには最新のコイル電流量に基づいた電流制御演算を行うことが可能であり、さらには最新の制御演算結果を次回のPWM周期におけるPWM−ON期間として反映することができる。
以上の説明では、複数のモータを同時に駆動するモータ駆動装置に関するものであるが、説明を簡略化にするために、モータを2つとしている。モータが3つ以上の場合でも、同様に説明できることは言うまでもない。
このようにすれば、複数のモータを同時に駆動するモータ駆動装置で、それぞれのモータについて電流制御を含む制御演算を行うが、それぞれのコイル電流をAD変換するAD変換器はひとつだけで良く、さらには電流検出抵抗はモータひとつにつきそれぞれ1本備えるだけで良く、さらには最新のコイル電流量に基づいた電流制御演算を行うことが可能であり、さらには最新の制御演算結果を次回のPWM周期におけるPWM−ON期間として反映することができる。
以上の説明では、複数のモータを同時に駆動するモータ駆動装置に関するものであるが、説明を簡略化にするために、モータを2つとしている。モータが3つ以上の場合でも、同様に説明できることは言うまでもない。
10A、10B モータ、20A、20B ドライバ、30A、30B PWM回路、40A、40B 電流検出抵抗、50 セレクタ、60 AD変換器、70 プロセッサ、A、B コイル電流信号、GND グラウンド電位、100、150 モータ駆動装置
Claims (5)
- 複数のモータを同時に駆動するモータ駆動装置であって、
前記複数のモータの各コイルに夫々電流を供給する複数のドライバと、
前記各ドライバをPWM周期中の所定の期間だけ通電状態にすることで前記コイルに供給する電流量を調節する複数のPWM回路と、
前記各ドライバとグラウンド電位との間、又は前記各ドライバと電源電位との間に夫々設けられた電流検出抵抗と、
前記各電流検出抵抗により検出された夫々のコイル電流信号から何れか一つを選択するセレクタと、
前記セレクタで選択されたコイル電流信号をデジタル値に変換するAD変換器と、
前記各PWM回路、前記セレクタ、及び前記AD変換器の動作を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とするモータ駆動装置。 - 前記制御手段は、PWM周期の開始タイミングを任意の時間だけずらすように前記各PWM回路を制御し、
前記複数のモータの何れか一つのモータの前記PWM周期の開始タイミングから任意の時間が経過した後AD変換動作を開始するように前記AD変換器を制御し、
前記複数のモータの何れか一つのモータのPWM周期に対応した前記AD変換動作の開始指示よりも前のタイミングにおいて、該モータに対応した前記コイル電流信号を選択するように前記セレクタを制御することを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。 - 前記制御手段は、前記各PWM回路が前記夫々のドライバを通電状態とした直後に発生する前記夫々のコイル電流信号の乱れが十分に収束する時間を見越して、前記AD変換動作を開始するように前記AD変換器を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のモータ駆動装置。
- 前記各PWM回路が前記夫々のドライバを通電状態としている期間の下限値を設定しておき、前記制御手段は、AD変換動作の開始を指示するタイミングが、前記下限値の期間内に含まれるように前記AD変換器を制御することを特徴とする請求項3に記載のモータ駆動装置。
- 前記制御手段は、前記AD変換器の変換結果を入力する結果入力手段と、該AD変換器の変換結果に基づいて最新のコイル電流信号の値を取得し、該値に基づいて各モータに対応する前記夫々のドライバを通電状態とする期間を決定する制御演算結果を出力する演算結果出力手段と、を備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のモータ駆動装置。
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