JP4813981B2 - ステッピングモータの制御方法および制御装置 - Google Patents

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本発明はステッピングモータの制御方法および制御装置に係り、特に定電流制御方式のものでモータ種類に合わせた電流値設定を自動的に行うようにしたステッピングモータの制御方法および制御装置に関する。
図4は、従来から実施されているステッピングモータ制御装置の要部回路図の一例である。
このステッピングモータ制御装置は、通電信号発生回路1´と、モータ巻線10にブリッジに構成した複数のスイッチング素子S〜Sを備えた通電制御回路2´と、通電制御回路2´の通電電流を所定値に制御するPWM定電流制御回路3´と、PWM定電流制御回路3´に接続され、読み出し書き換え可能な不揮発性記憶素子4´が併設された電流値設定信号発生回路5´と、モータ判別制御回路始動スイッチ11と、モータ判別のための一定電流を1個の巻線に所定時間流すためのモータ判別制御回路12と、判別用の一定電流を発生させる電流制御回路13と、基準電圧発生回路14と、巻線10の電圧降下と前記基準電圧とを比較する比較回路15とから構成されている。
そして、モータ巻線10に一定電流発生回路13から、ある一定電流を短時間流した時のモータ巻線10の電圧降下を検出し、電圧比較回路15で基準電圧と比較し、それに合った設定値を不揮発性記憶素子4´から読み出し、電流値設定信号発生回路5´から出力された信号を基にPWM定電流制御回路3´の出力を設定する。
モータの種類によってモータ巻線10の抵抗値が異なるため、その抵抗値を検出することでモータの種類を判別できる。
検出方法としては、Hブリッジのローサイドのスイッチ素子Sだけをオン状態とし、一定電流発生回路13から一定電流を流し込むことで、巻線10に発生する電圧値を検出し、電圧比較回路15に入力している。
検出した電圧値と電流指令が等しくなるように電圧比較回路15で自動設定する構成としている(特許文献1参照)。
特開2002−153091
しかしながら、このような従来のステッピングモータ制御装置にあっては、モータ巻線10に一定電流を流す必要があったため、モータシャフトが動いてしまうことや一定電流を流すための一定電流発生回路13が必要などの課題があった。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、電流平均値ゼロになるように、PWM制御方式でデューティ比50%の高周波スイッチングを行った時のリップル電流を検出することで、モータの動作に影響せず、インダクタンスの違いを検出することにより、モータ巻線に一定電流を流す必要がない、ステッピングモータの制御方法および制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、通電信号発生部により、複数のスイッチング素子を作動し、ステッピングモータの巻線の通電順序を制御し、PWM定電流制御方式により通電電流を所定の値に制御するステッピングモータの制御方法において、
前記PWM定電流制御方式で、モータに高周波で電流平均値ゼロの電圧を印加した時に発生するリップル電流を検出し、インダクタンスの違いからモータの種類を判別し、前記リップル電流から判別したモータの種類に合わせて、前記モータに流れる電流値を自動的に設定することにある。
また、本発明は、前記スイッチング素子を交互にデューティ比が一定割合に成るようにスイッチングし、電流検出器から、スイッチング後、PWM周期の所定時間が経過したときの電流値を検出することで、リップル電流のピーク値を判別することにある。
さらに、本発明は、前記スイッチング素子を交互にデューティ比が50%に成るようにスイッチングし、電流検出器から、スイッチング後PWM周期の1/2の時間が経過したときの電流値を検出することにある。
またさらに、本発明は、通電信号発生部と、複数のスイッチング素子によりステッピングモータの巻線の通電順序を制御する通電制御回路部と、通電電流を所定の値に制御するPWM定電流制御回路部と、ステッピングモータの巻線に流れる電流を検出する電流検出器とを備えたステッピングモータの制御装置において、
前記PWM定電流制御回路部でモータに高周波で電流平均値ゼロの電圧を印加した時に発生するリップル電流を前記電流検出器から検出し、インダクタンスの違いから生じるリップル電流の検出値の値によってモータ種類を判別し、前記リップル電流から判別したモータの種類に合わせて、前記モータに流れる電流値を自動的に設定する電流指令発生回路を設けたことにある。
また、本発明は、前記電流検出器からの出力をピークホールド回路でリップル電流のピーク値を判別し、不揮発性記憶素子に予め記憶されたモータ種類に合う電流値を電流値設定信号発生回路に読み出し、該電流値設定信号発生回路からの信号により電流指令発生回路にて前記PWM定電流制御回路部に電流指令値を発生することでモータ種類に合った電流値を自動設定したことにある。
本発明の効果としては、モータに流れる電流値を自動的に設定することで、設定違いによるモータ破損を防ぐことができる。
従来では、巻き線仕様の異なるモータ毎に設定されたドライバが必要だったが、本発明では、モータに流れる電流値を自動的に設定することで、ドライバの種類を減少させることが可能となる。
スイッチング素子を交互にデューティ比50%でスイッチングすることで、モータには電流が流れず、モータシャフトも動くことなく、モータ種類の判別ができる。
以下、図示の実施の形態を、図4と同一部分は同符号を付して同一部分の説明は省略して示す、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態によるステッピングモータの制御装置を示す回路図である。図2は図1のステッピングモータの制御装置におけるリップル電流の検出波形を示す波形図である。
図1において、1は通電信号発生部、2は通電制御回路部、3はPWM定電流制御回路部、4は読み出し書き換え可能な不揮発性記憶素子で、モータ種類に合う電流値が予め記憶されている。5は電流値設定信号発生回路で、不揮発性記憶素子4に予め記憶されたモータ種類に合う電流値を読み出すものである。
前記通電制御回路部2は、モータ巻線Mにブリッジに構成した複数のスイッチング素子S〜Sを備えたもので、スイッチング素子S,Sと、スイッチング素子S,Sの接続点に接続されたステッピングモータの巻線10とで構成されている。スイッチング素子Sとスイッチング素子Sのコレクタは、スイッチング素子Sとスイッチング素子Sのコレクタにそれぞれ直列に接続され、その接続点にステッピングモータの巻線10が接続されている。スイッチング素子Sとスイッチング素子Sのエミッタは電源VMに接続され、スイッチング素子Sとスイッチング素子Sのエミッタは、接地されている。
16はステッピングモータの巻線10に直列接続された電流検出器で、電流検出器16は、ステッピングモータの巻線10に流れる電流値を検出するとともに、前記PWM定電流制御回路部3および電流値設定信号発生回路5にステッピングモータの巻線10に流れる電流値を出力するものである。19は前記通電制御回路部2のインバータ電圧(VM)を検出するための電圧検出回路である。
前記PWM定電流制御回路部3は、前記電流検出器16の出力を受け、通電制御回路部2の電流が電流値設定信号発生回路5によって設定された電流値になるように通電信号発生部1に制御信号を送るものである。通電信号発生部1では、入力パルス信号が到来するごとに通電制御回路部2のスイッチング素子S,Sの組と、スイッチング素子S,Sの組が交互にONとなり、かつ前記設定された電流値となるように通電信号を各スイッチング素子S〜Sのベースに送るようになっている。
前記電流値設定信号発生回路5では、スイッチング素子S〜Sのスイッチング後PWM周期の1/2の時間が経過した電流値を電流検出器16で検出し、前記電圧検出回路19から検出されるインバータ電圧からインダクタンスを判別し、それに適した値を、不揮発性記憶素子4から読み出し、電流値設定信号を出力するものである。
17は、電流指令発生回路部で、電流値設定信号発生回路5から出力される信号が入力され、モータ種類および指令位置に合う電流値をPWM定電流制御回路部3に出力するものである。
次に、上記ステッピングモータ制御装置の制御方法を説明する。
まず、通電制御回路部2のスイッチング素子S,Sと、スイッチング素子S,Sを交互にデューティ比50%でスイッチングする。
位置指令用のパルス信号が1個到来すると、電流指令発生回路部17の値を1パルス分進めた値をPWM定電流制御回路部3に送ることで、スイッチング素子S,Sと、スイッチング素子S,Sのデューティ比が変化することにより、ステッピングモータの巻線10に電流が流れ、ステッピングモータを回転させる。巻線10に流れる電流は、電流検出器16で検出され、PWM定電流制御回路部3に送られ電流指令発生回路部17に合わせた電流値となるように制御される。
一方、スイッチング素子S,Sと、スイッチング素子S,Sをスイッチング後、PWM周期の1/2の時間が経過した電流値を電流検出器16で、検出し、この電流値を電流値設定信号発生回路5に入力する。電流値設定信号発生回路5では、不揮発性記憶素子4に予め記憶されたモータ種類に合う電流値を読み出し、電流指令発生回路部17によってモータ種類および指令位置に合った電流値がPWM定電流制御回路部3に送られる。
デューティ比50%の電圧を印加したときのリップル電流は、図2に示すように、L(インダクタンス)の変化によって傾きが変化するため、スイッチングから半周期後の検出値を読み出すことで、その値の違いによってモータの種類を判別することができる。電流値設定信号発生回路5の信号を増幅度として電流指令発生回路部17に送り、電流指令発生回路部17から指令位置に合わせた正弦波状の信号がPWM定電流制御回路部3に出力される。
そして、PWM定電流制御回路部3によって制御された信号が、通電信号発生部1からスイッチング素子S〜Sに供給される。
次に、モータ巻線10の電圧値は、次式で求められる。
V=L×di/dt
従って、L(インダクタンス)は、次式で求められる。
L=V/(di/dt)
Vはインバータ電圧、iはモータ巻線の電流であり、これらを検出することでインダクタンスLを算出することが可能となり、算出したインダクタンスLの値からモータの種類を判別し、モータ種類に合った電流値を設定することが可能となる。
また、時定数が分かっていれば抵抗値を求めることも可能である。電圧値は、次式で表すことができる。
V=Vmax×(1−e(−τ×t))
Rについて次のように求められる。
R=Vmax/I×(1−e(−τ×t))
電圧の立ち上がりから、ある一定時間後の電流値を検出し、予め用意した時定数のテーブルから時定数のパラメータを読み出し算出することができる。
上記実施の形態によれば、モータに流れる電流値を自動的に設定することで、設定違いによるモータ破損を防ぐことができる。
従来では、巻き線仕様の異なるモータ毎に設定されたドライバが必要だったが、本発明では、モータに流れる電流値を自動的に設定することで、ドライバの種類を減少させることが可能となる。
スイッチング素子S,Sと、スイッチング素子S,Sを交互にデューティ比50%でスイッチングすることで、モータには電流が流れず、モータシャフトも動くことなく、モータ種類の判別ができる。
図3は、本発明の他の実施の形態で、図1と同一部分は、同符号を付して同一部分の説明は、省略して説明する。
この場合、ステッピングモータの巻線10に接続された電流検出器16からの検出値をピークホールド回路18に入力し、ピークホールド回路18を介して電流値設定信号発生回路5に接続したものである。
この実施の形態によれば、スイッチング素子S,Sと、スイッチング素子S,Sを交互にデューティ比50%電圧を印加してスイッチングし、電流検出器16からの出力をピークホールド回路18でリップル電流のピーク値を判別する。一方、電流値設定信号発生回路5では、不揮発性記憶素子4に予め記憶されたモータ種類に合う電流値を読み出し、ピークホールド回路18でリップル電流のピーク値とともに、電流指令発生回路部17に出力する。そして、電流指令発生回路部17によってモータ種類に合う電流値を選定し、PWM定電流制御回路部3に出力する。こうして、PWM定電流制御回路部3から通電信号発生部1に出力信号が送られ、通電信号発生部1からスイッチング素子S〜Sに導通信号が送られる。
このように、電流指令発生回路部17によって、電流指令値を発生することで、モータ種類に合った電流値が自動で検出される。
この実施の形態によっても前記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、例えば、本発明の要旨を変更しない範囲内で適宜変更して実施し得ることはいうまでもない。
本発明の実施の形態によるステッピングモータの制御装置を示す回路図である。 図1のステッピングモータの制御装置におけるリップル電流の検出波形を示す波形図である。 本発明の他の実施の形態によるステッピングモータの制御装置を示す回路図である。 従来のステッピングモータの制御装置を示す回路図である。
符号の説明
1 通電信号発生部
2 通電制御回路部
3 PWM定電流制御回路部
4 読み出し書き換え可能な不揮発性記憶素子
5 電流値設定信号発生回路
10 ステッピングモータの巻線
16 電流検出器
17 電流指令発生回路部
18 ピークホールド回路
19 電圧検出回路
〜S スイッチング素子

Claims (5)

  1. 通電信号発生部により、複数のスイッチング素子を作動し、ステッピングモータの巻線の通電順序を制御し、PWM定電流制御方式により通電電流を所定の値に制御するステッピングモータの制御方法において、
    前記PWM定電流制御方式で、モータに高周波で電流平均値ゼロの電圧を印加した時に発生するリップル電流を検出し、インダクタンスの違いからモータの種類を判別し、前記リップル電流から判別したモータの種類に合わせて、前記モータに流れる電流値を自動的に設定することを特徴とするステッピングモータの制御方法。
  2. 前記スイッチング素子を交互にデューティ比が一定割合に成るようにスイッチングし、電流検出器から、スイッチング後、PWM周期の所定時間が経過したときの電流値を検出することで、リップル電流のピーク値を判別することを特徴とする請求項1に記載のステッピングモータの制御方法。
  3. 前記スイッチング素子を交互にデューティ比が50%に成るようにスイッチングし、電流検出器から、スイッチング後PWM周期の1/2の時間が経過したときの電流値を検出することを特徴とする請求項2に記載のステッピングモータの制御方法。
  4. 通電信号発生部と、複数のスイッチング素子によりステッピングモータの巻線の通電順序を制御する通電制御回路部と、通電電流を所定の値に制御するPWM定電流制御回路部と、ステッピングモータの巻線に流れる電流を検出する電流検出器とを備えたステッピングモータの制御装置において、
    前記PWM定電流制御回路部でモータに高周波で電流平均値ゼロの電圧を印加した時に発生するリップル電流を前記電流検出器から検出し、インダクタンスの違いから生じるリップル電流の検出値の値によってモータ種類を判別し、前記リップル電流から判別したモータの種類に合わせて、前記モータに流れる電流値を自動的に設定する電流指令発生回路部を設けたことを特徴とするステッピングモータの制御装置。
  5. 前記電流検出器からの出力をピークホールド回路でリップル電流のピーク値を判別し、不揮発性記憶素子に予め記憶されたモータ種類に合う電流値を電流値設定信号発生回路に読み出し、該電流値設定信号発生回路からの信号により電流指令発生回路にて前記PWM定電流制御回路部に電流指令値を発生することでモータ種類に合った電流値を自動設定したことを特徴とする請求項4に記載のステッピングモータの制御装置。
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