JP2012182874A - モータ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】単一の電流検出素子によりモータに供給される各相の電流を、騒音を増大させること無く検出する。
【解決手段】本実施形態のモータ制御装置は、インバータ回路の直流側に接続され電流値に対応する信号を発生する電流検出素子と、キャリア信号とデューティに基づきPWM信号パターンを生成するPWM信号生成手段と、3相の各相が所定の制御期間であるかを判定し、制御期間に該当する相についてキャリア信号の位相またはデューティの値を制御する制御手段と、電流検出素子に発生した信号と前記PWM信号パターンとに基づいて、モータの相電流を検出する電流検出手段とを備え、3相のうち少なくとも1つの前記スイッチング素子のオン、オフ状態が変化した時刻から抵抗素子に発生した信号を読み込むまでの最小待機時間をτとしたとき、制御手段は、2つの相電流がτ時間以上同時に流れる区間と、前記2つの相電流の少なくとも一方がτ時間以上単独に流れる区間との組み合わせとなるように、キャリア信号の位相またはデューティの値のいずれかを制御する。
【選択図】図1
【解決手段】本実施形態のモータ制御装置は、インバータ回路の直流側に接続され電流値に対応する信号を発生する電流検出素子と、キャリア信号とデューティに基づきPWM信号パターンを生成するPWM信号生成手段と、3相の各相が所定の制御期間であるかを判定し、制御期間に該当する相についてキャリア信号の位相またはデューティの値を制御する制御手段と、電流検出素子に発生した信号と前記PWM信号パターンとに基づいて、モータの相電流を検出する電流検出手段とを備え、3相のうち少なくとも1つの前記スイッチング素子のオン、オフ状態が変化した時刻から抵抗素子に発生した信号を読み込むまでの最小待機時間をτとしたとき、制御手段は、2つの相電流がτ時間以上同時に流れる区間と、前記2つの相電流の少なくとも一方がτ時間以上単独に流れる区間との組み合わせとなるように、キャリア信号の位相またはデューティの値のいずれかを制御する。
【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、インバータ回路の直流部に配置される電流検出素子によって相電流を検出するモータ制御装置に関する。
モータを制御するためにU,V,W各相の電流を検出する場合、インバータ回路の直流部に挿入した1つのシャント抵抗を用いて電流検出を行う技術がある。この方式で3相の全ての電流を検出するには、PWM(Pulse Width Modulation,パルス幅変調)キャリア(搬送波)の1周期内において、2相以上の電流を検出できるように3相のPWM信号パターンを発生させる必要がある。例えば図13に示すように(キャリアを鋸歯状波としている)、V,W相のデューティが等しい場合、U+(「+」はインバータ回路の上アーム側スイッチング素子を示す),V+がオン、W+がオフ時にW相の電流は検出できるが、他の相電流は検出できない。このため、図14に示すように、ある相(この場合W相)のPWM信号の位相をシフトさせることで、常に2相以上の電流を検出可能とすることが考えられる。
しかしながら、電流検出のために各相のPWM信号を順次シフトさせると、図15に示すように、ある相のPWM信号をシフトしているパターンから他の相のPWM信号をシフトさせるパターンに移行するタイミングで、モータ電流がステップ状に変化する。図15(b)は、(a)の一部を拡大して示しているが、U相電流の変化がキャリア周期毎に増加,減少を交互に繰り返している場合に、上記の移行タイミングでは減小が2回連続しており、その結果(a)に示すステップ状の変化が生じている。この時の電流変化がトルクの変動を引き起こすため、モータの駆動時に発生する騒音のレベルが増大するという問題が生じる。
そこで、単一の電流検出素子によりモータに供給される各相の電流を、騒音を増大させること無く検出できるモータ制御装置を提供する。
本実施形態におけるモータ制御装置は、3相ブリッジ接続された複数のスイッチング素子を所定のPWM信号パターンに従いオンオフ制御することで、直流を3相交流に変換するインバータ回路を介してモータを駆動するモータ制御装置であって、前記インバータ回路の直流側に接続され電流値に対応する信号を発生する電流検出素子と、キャリア信号とデューティに基づきPWM信号パターンを生成するPWM信号生成手段と、前記3相の各相が所定の制御期間であるかを判定し、前記制御期間に該当する相について前記キャリア信号の位相または前記デューティの値を制御する制御手段と、前記電流検出素子に発生した信号と前記PWM信号パターンとに基づいて、前記モータの相電流を検出する電流検出手段とを備え、3相のうち少なくとも1つの前記スイッチング素子のオン、オフ状態が変化した時刻から前記抵抗素子に発生した信号を読み込むまでの最小待機時間をτとしたとき、前記制御手段は、2つの相電流がτ時間以上同時に流れる区間と、前記2つの相電流の少なくとも一方がτ時間以上単独に流れる区間との組み合わせとなるように、キャリア信号の位相または前記デューティの値のいずれかを制御する。
(第1実施形態)
以下、実施形態について、図1ないし図10を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るモータ制御装置の構成を示す機能ブロック図である。本実施形態に係るモータ制御部は、電流検出素子(シャント抵抗)4、電流検出部7、DUTY生成部8、PWM信号生成部9、キャリア制御部(制御手段)15を少なくとも含む。
以下、実施形態について、図1ないし図10を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るモータ制御装置の構成を示す機能ブロック図である。本実施形態に係るモータ制御部は、電流検出素子(シャント抵抗)4、電流検出部7、DUTY生成部8、PWM信号生成部9、キャリア制御部(制御手段)15を少なくとも含む。
直流電源部1は、直流電源のシンボルで示しているが、商用交流電源から直流電源を生成している場合には、整流回路や平滑コンデンサ等を含んでいる。直流電源部1には、正側母線2a,負側母線2bを介してインバータ回路(直流交流変換器)3が接続されているが、負側母線2b側には電流検出素子であるシャント抵抗4が挿入されている。インバータ回路3は、例えばNチャネル型のパワーMOSFET5(U+,V+,W+,U−,V−,W−)を3相ブリッジ接続して構成されており、各相の出力端子は、例えばブラシレスDCモータからなるモータ6の各相巻線にそれぞれ接続されている。
シャント抵抗4の端子電圧(電流値に対応した信号)は電流検出部7により検出され、電流検出部(電流検出手段)7は、前記端子電圧とインバータ回路3に出力される3相のPWM信号パターンとに基づいてU,V,W各相の電流Iu,Iv,Iwを検出する。電流検出部7が検出した各相電流は、DUTY生成部8に与えられA/D変換されて読み込まれると、モータ6の制御条件等に基づいて演算が行われる。その結果、各相のPWM信号を生成するためのデューティU_DUTY,V_DUTY,W_DUTYが決定される。
例えばベクトル制御を行う場合であれば、DUTY生成部8には、制御条件を設定するマイクロコンピュータ等からモータ6の回転速度指令ωrefが与えられると、推定したモータ6の実際の回転速度との差分に基づいてトルク電流指令Iqrefが生成される。モータ6の各相電流Iu,Iv,Iwからはモータ6のロータ位置θが決定されると、そのロータ位置θを用いるベクトル制御演算によりトルク電流Iq,励磁電流Idが算出される。トルク電流指令Iqrefとトルク電流Iqとの差分に対して例えばPI制御演算が行われ、電圧指令Vqが生成される。励磁電流Id側についても同様に処理されて電圧指令Vdが生成され、電圧指令Vq,Vdが上記ロータ位置θを用いて三相電圧Vu,Vv,Vwに変換される。そして、これらの三相電圧Vu,Vv,Vwに基づいて、各相デューティU,V,W_DUTYが決定される。
各相デューティU,V,W_DUTYは、PWM信号生成部(PWM信号生成手段)9及びキャリア制御部15に与えられ、搬送波とのレベルが比較されることで3相PWM信号が生成される。また、3相PWM信号を反転させた下アーム側の信号も生成されて、必要に応じてデッドタイムが付加された後、それらが駆動回路10に出力される。駆動回路10は、与えられたPWM信号に従い、インバータ回路3を構成する6つのパワーMOSFET5(U+,V+,W+,U−,V−,W−)の各ゲートに、ゲート信号を出力する(上アーム側については、必要なレベルだけ昇圧した電位で出力する)。
次に、PWM信号生成部9が3相PWM信号を生成する方式について説明する。インバータ回路3がPWM変調された3相交流を出力する際には、前述したように、上アーム側のFET5(U+,V+,W+)に対する通電パターンに応じて特定の相の電流を検出できる。以下は、各相上アーム側のゲート信号について述べるが、例えばU相のみがHレベルとなり、V相及びW相が何れもLレベルとなる通電パターンの期間では、シャント抵抗4の両端に発生する電圧はU相電流に対応する。また、U相及びV相の両方がHレベルであり、W相がLレベルとなる区間では、シャント抵抗4の両端電圧の符号を反転したものがW相電流に対応する。
このように、PWM信号の通電パターンに応じて2相分の電流を順次検出して記憶すれば、時分割的ではあるが3相分の電流を検出できる。この場合、各相電流を同時に検出してはいないので実際には誤差を生じるが、特別な厳密さが要求されなければ実用上問題はなく、3相分の電流検出値を用いて回路方程式を解くことで、次の周期の通電パターンを算出できる。
また、FET5のオン,オフ状態が変化した直後は電流波形が安定しないので、シャント抵抗4に発生した電圧信号を安定した状態で読み込むために最小待機時間(安定時間)τが必要である。図10は、PWM信号による通電パターンが切り替わる際に、シャント抵抗に流れる電流が変動している波形をオシロスコープで観測(CH1)したもので、電流波形がリンギングのように大きく変動していることが判る。この待機時間τが例えば3μsecであるとすると、一つの相の電流を読み込むためには特定の通電状態(PWM信号パターン)を3μsec以上継続させる必要がある。換言すれば、同一の通電状態での継続時間が3μsecよりも短い場合は電流の読み込みが正常に行われず、その時に更新されるべき相の電流値を更新できない。つまり、全てのPWM信号パターンによる通電状態を最小待機時間τ以上継続することができれば、どのようなケースでも相電流を検出できる。
そこで、本実施形態では、各相のPWM信号パルスの出力位相を、従来とは異なる方式でシフトさせる。インバータ回路3を介してモータ6に印加する電圧は、各相のパルス間のデューティ差が一定であれば、パルスの立ち上がり位置,立下がり位置を同じ時間だけシフトさせても変わらない。つまり、後述する図5(A)と図6(A)のPWM信号パターンは、モータ6にとって同じ印加電圧である(相間電圧が等しいため)。
図2は、PWM信号生成部9の内部構成を示す図で、図3は、PWM信号生成部9の内部で上アーム側の3相PWM信号(U+,V+,W+)のパルスが生成される状態を示すタイミングチャートである。DUTY生成部8より入力された各相デューティU,V,W_DUTYは、パルス生成部13に入力され、U,V,W各相のキャリア(搬送波)とのレベルが比較された結果、各相のPWM信号U±,V±,W±が生成される。
すなわち、本実施形態では、各相毎にPWMを生成するキャリアを使用する。図3に示すように、U相、V相、W相毎に位相の異なるのこぎり波(あるいは三角波)キャリアを持ち、それぞれのキャリアと設定DUTYを比較し、PWMが生成される。そして、これら3相のキャリアの位相は、設定されるDUTYに基づいて、前述の電流検出可能な最小時間τが確保されるだけ差を持つように決定される。これらのキャリア位相の決定や、各相キャリアの実施は、キャリア制御部15が行う。
次に、本実施形態に係るモータ制御部における各相の電流検出の手順を説明する。図4に各相電流を検出する手順を説明するフローチャートを示す。
まずステップS1において、DUTY生成部8が、3相(U,V,W)のDUTY値を決定する。DUTY生成部8は、決定したDUTY値を、PWM信号生成部9とキャリア制御部15に出力する。
次に、ステップS2において、キャリア制御部15は、各相DUTY値の大小から各相のシフト期間を判定する。その結果、U相シフト期間である場合(ステップS3の“YES”)キャリア制御部15は、U相シフト量を算出する。同様に、V相シフト期間である場合(ステップS5の“YES”)キャリア制御部15は、V相シフト量を算出する。同様に、W相シフト期間である場合(ステップS7の“YES”)キャリア制御部15は、W相シフト量を算出する。
一方、ステップS9において、PWM信号生成部9は、電流検出のタイミングを決定する。そして、PWM信号生成部9は、決定したタイミングを電流検出部7に出力する。
ステップS10において、キャリア制御部15は、U相のキャリアシフトを実施する。同様に、ステップS11において、キャリア制御部15は、V相のキャリアシフトを実施する。同様に、ステップS12において、キャリア制御部15は、W相のキャリアシフトを実施する。その後、これらのシフトしたキャリアをPWM信号生成部9に出力する。
PWM信号生成部9は、ステップS13において、各相のDUTY値とキャリアを比較し、PWM信号を生成する。次いで、ステップS14において、PWM信号生成部9は、各相信号にデッドタイムを付加する。そして、ステップS15において、PWM信号生成部9は、各相PWM信号を駆動回路10に出力する。
一方、ステップS16において、電流検出部7は、ステップS9にてPWM信号生成部から受け取った電流検出のタイミングになったか否かを判定する。そして電流検出のタイミングになると(ステップS16の“YES”)、電流検出部7は、各相の電流を検出する。
具体的な例を図5乃至図8を示しながら説明する。各相のPWMのDUTYは、モータの回転角度と共に変化していくが、現在図5(A)状態であるとする。この場合、パルス幅の最大相はU相であり、中間相がV相、最小相がW相である。このとき、電流検出は最大相のみON状態の区間Aと最大相および中間相がONの区間Bの2点にて行う。Aでは最大相の電流検出、Bでは最小相の電流に負を乗じた電流が検出できる。そして中間相の電流は3相電流の総和がゼロであることから演算にて求める。この状態からモータ回転に応じて各相のDUTYが変化していくと、U相とV相が同じDUTYになる状態を経由し、V相が最大相、U相が中間相、W相が最小相となる状態へ移行する。各相のPWM生成の基準キャリアの位相が固定である場合、図5(B)のようにU相とV相のDUTY差が電流検出可能な最小時間τよりも小さくなった時点で最大相であるU相電流が検出できなくなる。ここで、本実施例では、図6(B)のように最大相であるU相のキャリア位相を進み側にシフトさせる。そして進み側へのシフト量を調整し、最大相がV相に切り替わっても電流検出は継続できる。電流検出位置は図中の矢印区間で囲った部分である。
この後、さらに通電角が推移していくと、V相が最大相でU相とW相のDUTY差がτ時間以下になる状態である図7(G)になるが、U相のキャリアをシフトしている状態のため問題なく検出できる。そして、このタイミングからV相のシフトを開始する。そして、U相が最小相になり、V相とW相が同じDUTYに近づいてきた状態にてU相のシフト量がPWM1周期分に近づき終了する(図8(K))。U相のシフトが1周期になるとシフト無しと同じである。このようにある相のシフトが終了する手前で別の相のシフトを開始する。このようにシフト相を切り替える電圧位相付近で2相のシフトをオーバーラップさせることで、位相のシフト量を急激に変化させることなく、連続した電流検出時間τを確保することができ、シフト量の変化による騒音を抑えることができる。
上記例では、最初のU相シフト開始時点にてU相のみのシフトで説明しているが実際にはU相シフト開始時にはW相のシフト終了が重なってくる。このような電圧位相毎のシフト切替は、図9で示すような関係となっており、各相のDUTYから求めると
U相位相シフト期間= U >V>W or V>U>W or V>W>U
V相位相シフト期間= V >W>U or W>V>V or W>U>V
W相位相シフト期間= W>U>V or U>W>V or U>V>W
の条件の時となる。
U相位相シフト期間= U >V>W or V>U>W or V>W>U
V相位相シフト期間= V >W>U or W>V>V or W>U>V
W相位相シフト期間= W>U>V or U>W>V or U>V>W
の条件の時となる。
シフト量の増減は、各相DUTYの増減に基づいて決まるため、ステップ状の大きな位相変化は起きず、図15に示したように、モータ電流がステップ状に変化することがなくトルク変動や騒音が発生しないので、3相のモータ電流をモータ印加電圧が低い状態から高い状態まで検出できる。
以上のように本実施形態によれば、インバータ回路3を構成するMOSFET5U±,V±,W±を所定のPWM信号パターンに従いオンオフ制御する際に、インバータ回路3の直流母線2b側にシャント抵抗4を接続し、PWM信号生成部9が、モータ6の相電流に基づいてロータ位置θを決定し、そのロータ位置θに追従するように3相のPWM信号パターンを生成する。そして、電流検出部7が、シャント抵抗4に発生した信号とPWM信号パターンとに基づいて、モータの相電流を検出する場合、PWM信号生成部9は、電流検出部7が、キャリア周期内で固定された2点のタイミングで2相の電流を検出可能となるように3相のPWM信号パターンを生成するようにした。したがって、従来とは異なり、相電流がステップ状に変化することが無く、モータ6のトルク変動や駆動時の騒音が発生しないので、3相の電流Iu,Iv,Iwを、モータ印加電圧が低い状態から高い状態まで検出できる。
(第2実施形態)
図11は第2実施形態に係るモータ制御装置の構成を示す機能ブロック図である。第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分について説明する。図11に示すように本実施形態に係るモータ制御装置は、図1に示す第1の実施形態に係るモータ制御装置と比較して、DUTY変換部(制御手段)17をさらに有するところが異なる。
図11は第2実施形態に係るモータ制御装置の構成を示す機能ブロック図である。第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分について説明する。図11に示すように本実施形態に係るモータ制御装置は、図1に示す第1の実施形態に係るモータ制御装置と比較して、DUTY変換部(制御手段)17をさらに有するところが異なる。
また、図11において、PWM信号生成部に入力されるキャリアは第1実施形態と異なり、鋸波状のキャリア1種類のみで、位相の変化もしないものである。一方、このキャリアと比較されるDUTYは、DUTY生成部8から出力される3相のU,V,W相のDUTY値がDUTY変換部17にて1相につき2種類のDUTY値、合計6種類に変換される。DUTY変換部17では、例えばDUTY生成部8で出力されるU相DUTYが30%とし、U相PWMの位相変化をキャリアの0地点から30%程度上昇した地点へシフトさせたい場合を考えると、DUTY変換部17から出力されるU相立ち上げDUTYは0+30=30%となる。また、U相たち下げDUTYは30+30=60%となる。そして、この両者のDUTYがPWM信号生成部9にてキャリアと比較されPWM信号が生成される。
本実施形態によれば、図12で示すとおり、DUTY変換部17で変換された各相の立ち上げと立ち下げDUTYによって、単一のキャリアとの比較においても第1実施例で説明したものと同様のPWM位相シフトが実現される。
本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
また、電流を検出するタイミングは、PWMキャリアの周期に一致させる必要はなく、例えばキャリア周期の2倍や4倍の周期で検出を行っても良い。したがって、電流検出部7に入力する電流検出タイミング信号は、キャリアそのものである必要はなく、例えばキャリアに同期して所定の周期を有するパルス信号であっても良い。
シャント抵抗4を、正側母線2aに配置しても良い。また、電流検出素子はシャント抵抗4に限ることなく、例えばCT(Current Transformer)等を設けても良い。
スイッチング素子はNチャネル型のMOSFETに限ることなく、Pチャネル型のMOSFETや、IGBT,パワートランジスタ等を使用しても良い。
3:インバータ回路、4:シャント抵抗(電流検出素子)、5:パワーMOSFET(スイッチング素子)、6:モータ、7:電流検出部(電流検出手段)、9:PWM信号生成部(PWM信号生成手段)、11:DUTY増減部、15:キャリア制御部、17:DUTY変換部
Claims (5)
- 3相ブリッジ接続された複数のスイッチング素子を所定のPWM信号パターンに従いオンオフ制御することで、直流を3相交流に変換するインバータ回路を介してモータを駆動するモータ制御装置であって、
前記インバータ回路の直流側に接続され、電流値に対応する信号を発生する電流検出素子と、
キャリア信号とデューティに基づきPWM信号パターンを生成するPWM信号生成手段と、
前記3相の各相が所定の制御期間であるかを判定し、前記制御期間に該当する相について前記キャリア信号の位相または前記デューティの値を制御する制御手段と、
前記電流検出素子に発生した信号と前記PWM信号パターンとに基づいて、前記モータの相電流を検出する電流検出手段と
を備え、
3相のうち少なくとも1つの前記スイッチング素子のオン、オフ状態が変化した時刻から前記抵抗素子に発生した信号を読み込むまでの最小待機時間をτとしたとき、
前記制御手段は、2つの相電流がτ時間以上同時に流れる区間と、前記2つの相電流の少なくとも一方がτ時間以上単独に流れる区間との組み合わせとなるように、キャリア信号の位相または前記デューティの値のいずれかを制御する
ことを特徴とするモータ制御装置。 - 前記所定の制御期間は、3相各相のデューティ値の大小を比較することにより定められる
ことを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。 - 前記制御手段は、前記3相のいずれかの相が前記制御期間に該当する場合、該当する相について前記キャリア信号の位相のシフト量を計算し、前記シフト量に基づき前記キャリア信号の位相をシフトさせる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のモータ制御装置。 - 前記制御手段は、前記各相の前記デューティの値を、各相の立ち上げのデューティと立ち下げのデューティに変換する手段であって、
前記3相のいずれかの相が前記制御期間に該当する場合、該当する相について前記キャリア信号の位相のシフト量を計算し、前記シフト量に基づき前記立ち上げのデューティの値と前記立ち下げのデューティの値を設定する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータ制御装置。 - 前記キャリア信号は三角波あるいはのこぎり波のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載のモータ制御装置。
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