JP2005124305A - 二相変調制御式インバータ装置 - Google Patents

二相変調制御式インバータ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】適切なデッドタイム補償を可能とする二相変調制御式インバータ装置を提供する。
【解決手段】各IGBT601〜606のON・OFF状態を固定させる固定相を決定する固定モード演算手段741と、PWM信号のデッドタイムに基づき各相間電圧を固定相の切り替えに同期した所定値にする固定相以外の二相の電圧指令値の電圧補償量を算出する2アーム補償演算手段742と、三相電圧指令値及び固定相に基づき三相電圧指令値の各相間電圧の値を保持するようにし、さらに電圧補償量分を電圧補償して二相変調電圧指令値を算出する電圧指令演算手段743とを備える。例えば、力行状態であってデッドタイムのみを着目した場合には、各相間電圧を大きくさせるように、変調させる二相の電圧指令値を補償する。
【選択図】図2

Description

本発明は、特にPWM信号のデッドタイムを補償することができる二相変調制御式インバータ装置に関するものである。
インバータ装置の上アームのスイッチング素子と下アームのスイッチング素子とが同時にON状態となることを防止するために、各スイッチング素子に出力されるPWM(Pulse Width Modulation)信号には、両スイッチング素子を同時にOFF状態とするデッドタイムが予め設定されている。しかし、デッドタイムが設定されていることにより、インバータ装置がモータに印加するパルス電圧の平均値がモータを駆動する電圧指令に対して誤差を有することになり、インバータ装置が出力する電流に影響を及ぼすことになる。そこで、このデッドタイムによる出力電流への影響を補償するインバータ装置が種々開示されている。例えば、相電流の極性を判断して、その極性に応じて出力されるPWM信号からデッドタイム分を加算又は減算することによりデッドタイムを補償するインバータ装置が開示されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
ところで、近年の環境問題を背景に様々な分野において、損失低減の要求が高まっており、インバータ装置も例外ではない。三相交流モータを駆動する一般的なインバータ装置は、三相変調制御式インバータ装置であるが、損失低減できるインバータ装置として二相変調制御式インバータ装置が知られている。ここで、三相変調制御式インバータ装置とは、三相変調と称される三相全ての周波数を逐次変調させながら制御する方式で制御されるインバータ装置である。二相変調制御式インバータ装置とは、二相変調と称される三相のうち何れか一相を順次固定させると同時に他の二相のみを変調させながら制御する方式で制御されるインバータ装置であり、二相変調については、1987年3月の社団法人電気学会発行の書物「半導体電力変換回路」の第110、111、125頁等に解説が述べられている。なお、一相を固定させるとは、該当する相のスイッチング素子を常にON又はOFF状態にすることである。
特許第3353558号公報 特許第3353559号公報 特許第3378209号公報
しかし、特許文献1〜3に開示されたデッドタイム補償は、三相変調制御式インバータ装置には適用することができるが、二相変調制御式インバータ装置には適用することができない。つまり、二相変調制御式インバータ装置の場合、三相のうちの固定される固定相にはデッドタイムが存在しないために、補償することができるのが固定相以外の二相のみとなり、結果として適切に補償することができない。
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、適切なデッドタイム補償を可能とする二相変調制御式インバータ装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る二相変調制御式インバータ装置は、三相交流モータを駆動制御する三相インバータ回路と、前記三相交流モータに印加する三相電圧指令値を算出する三相電圧指令値算出手段と、前記三相電圧指令値に基づきスイッチング素子のON・OFF状態を固定させる固定相を決定する固定相決定手段と、前記三相電圧指令値算出手段で算出された前記三相電圧指令値及び前記固定相決定手段で決定された前記固定相に基づき、前記三相電圧指令値の各相間電圧の値を保持しつつ前記三相インバータ回路の所定の一相のスイッチング素子のON・OFF状態を固定させると共に他の二相のスイッチング素子のON・OFF状態を変動させる二相変調電圧指令値を算出する二相変調電圧指令値算出手段と、前記二相変調電圧指令値に基づき前記三相インバータ回路をPWM制御するPWM信号を発生するPWM信号発生手段と、を備えた二相変調制御式インバータ装置において、さらに、前記PWM信号のデッドタイムに基づき各相間電圧を前記固定相決定手段で決定された固定相の切り替えに同期した所定値にする前記固定相以外の二相の電圧指令値の電圧補償量を算出する電圧補償量算出手段を備え、前記二相変調電圧指令値算出手段は、前記電圧補償量に基づき電圧補償した前記二相変調電圧指令値を算出することを特徴とする。
ここで、PWM信号のデッドタイムとは、インバータ装置を構成する上アームのスイッチング素子と下アームのスイッチング素子とが同時にON状態となることを防止するために、両スイッチング素子が同時にOFF状態となる時間をいう。このデッドタイムは、例えば5μsec等と予め設定されているものである。すなわち、PWM信号を生成する手段は、予め設定されたデッドタイムを有するPWM信号を生成している。
請求項2に係る二相変調制御式インバータ装置は、前記電圧補償量算出手段は、前記PWM信号の前記デッドタイムと前記PWM信号に対する前記スイッチング素子のON遅延及びOFF遅延とに基づき、前記電圧補償量を算出することを特徴とする。
ここで、スイッチング素子のON遅延及びOFF遅延について説明する。スイッチング素子のON遅延及びOFF遅延とは、いわゆるスイッチング素子の応答性に関するものである。インバータ装置を構成するスイッチング素子は、制御回路から出力されたPWM信号に基づきON状態又はOFF状態となる。ここで、理想的には、ON状態とするPWM信号がスイッチング素子に出力されたと同時にスイッチング素子がON状態となり、OFF状態とするPWM信号がスイッチング素子に出力されたと同時にスイッチング素子がOFF状態となることである。しかし、一般には、スイッチング素子の性能等により、ON状態とするPWM信号がスイッチング素子に出力された場合に、PWM信号が出力された時刻から少し遅れてスイッチング素子がON状態となる。また、OFF状態とするPWM信号がスイッチング素子に出力された場合に、PWM信号が出力された時刻から少し遅れてスイッチング素子がOFF状態となる。ここで、PWM信号のON状態となる時刻からスイッチング素子のON状態となる時刻までの時間を、ON遅延という。また、PWM信号のOFF状態となる時刻からスイッチング素子のOFF状態となる時刻までの時間を、OFF遅延という。そして、スイッチング素子の種類によって、ON遅延がOFF遅延より長いものや、ON遅延がOFF遅延より短いもの等様々である。
請求項3に係る二相変調制御式インバータ装置は、前記電圧補償量は、前記PWM信号に対する前記スイッチング素子のON遅延がOFF遅延より短い場合に、力行状態では前記固定相と前記固定相以外の二相との相間電圧を小さくさせる値であり、回生状態では前記固定相と前記固定相以外の二相との相間電圧を大きくさせる値であることを特徴とする。
ここで、力行状態とは、バッテリ等の電力供給源から供給される電力に基づき、スイッチング素子を所定の状態で動作させることにより、三相交流モータを駆動させる状態である。回生状態とは、三相交流モータの動作に基づき、スイッチング素子を所定の状態で動作させることにより、三相交流モータが発電する状態である。そして、ON遅延がOFF遅延より短い場合には、PWM信号のON状態の時間よりも、実際のスイッチング素子のON状態の時間が長くなることになる。
請求項4に係る二相変調制御式インバータ装置は、前記電圧補償量は、前記PWM信号に対する前記スイッチング素子のON遅延がOFF遅延より長い場合に、力行状態では前記固定相と前記固定相以外の二相との相間電圧を大きくさせる値であり、回生状態では前記固定相と前記固定相以外の二相との相間電圧を小さくさせる値であることを特徴とする。
ここで、ON遅延がOFF遅延より長い場合には、PWM信号のON状態の時間よりも、実際のスイッチング素子のON状態の時間が短くなることになる。
請求項5に係る二相変調制御式インバータ装置は、前記スイッチング素子のON遅延及びOFF遅延は、前記スイッチング素子を駆動するドライブ回路により駆動された前記PWM信号に対する前記スイッチング素子のON遅延及びOFF遅延であることを特徴とする。
ここで、ドライブ回路とは、例えばスイッチング素子がIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)である場合には、PWM信号に基づきゲート電圧をIGBTに印加するための回路で、フォトカプラ,ロジックIC,トランジスタ等から構成される。そして、このドライブ回路にも、IGBT等のスイッチング素子と同様に、ON遅延及びOFF遅延がある。ドライブ回路のON遅延及びOFF遅延とは、いわゆるドライブ回路の応答性に関するものである。ドライブ回路はPWM信号を発生する手段から出力されたPWM信号に基づき、ゲート電圧がON状態又はOFF状態となる。つまり、ゲート電圧がON状態となるとIGBTがON動作し、ゲート電圧がOFF状態となるとIGBTがOFF動作する。
そして、理想的には、ON状態とするPWM信号がドライブ回路に出力されたと同時にゲート電圧が印加され、OFF状態とするPWM信号がドライブ回路に出力されたと同時に印加されるゲート電圧が零となることである。しかし、一般には、ドライブ回路の性能等により、ON状態とするPWM信号がドライブ回路に出力された場合に、PWM信号が出力された時刻から少し遅れてゲート電圧が印加される。また、OFF状態とするPWM信号がドライブ回路に出力された場合に、PWM信号が出力された時刻から少し遅れてドライブ回路に印加されるゲート電圧が零となる。ここで、PWM信号のON状態となる時刻からドライブ回路にゲート電圧が印加されるまでの時間を、ON遅延という。また、PWM信号のOFF状態となる時刻からドライブ回路に印加されるゲート電圧が零となる時刻までの時間を、OFF遅延という。
つまり、スイッチング素子を駆動するドライブ回路により駆動されたPWM信号に対するスイッチング素子のON遅延及びOFF遅延とは、PWM信号発生手段から出力されるPWM信号に対するドライブ回路のON遅延及びOFF遅延と、ドライブ回路から出力されるPWM信号に対するスイッチング素子のON遅延及びOFF遅延とが考慮された、すなわち、PWM信号発生手段から出力されるPWM信号に対するスイッチング素子の総合ON遅延及び総合OFF遅延となる。
請求項6に係る二相変調制御式インバータ装置は、前記電圧補償量は、前記PWM信号に対する前記スイッチング素子を駆動するドライブ回路により駆動された前記スイッチング素子のON遅延がOFF遅延より短い場合に、力行状態では前記固定相と前記固定相以外の二相との相間電圧を小さくさせる値であり、回生状態では前記固定相と前記固定相以外の二相との相間電圧を大きくさせる値であることを特徴とする。
請求項7に係る二相変調制御式インバータ装置は、前記電圧補償量は、前記PWM信号に対する前記スイッチング素子を駆動するドライブ回路により駆動された前記スイッチング素子のON遅延がOFF遅延より長い場合に、力行状態では前記固定相と前記固定相以外の二相との相間電圧を大きくさせる値であり、回生状態では前記固定相と前記固定相以外の二相との相間電圧を小さくさせる値であることを特徴とする。
請求項8に係る二相変調制御式インバータ装置は、前記固定相は、電気角60°毎に順次切り換わることを特徴とする。
請求項9に係る二相変調制御式インバータ装置は、前記固定相は、電気角30°毎に順次切り換わることを特徴とする。
請求項10に係る二相変調制御式インバータ装置は、前記固定相は、電気角120°毎に順次切り換わることを特徴とする。
請求項11に係る二相変調制御式インバータ装置は、自動車に搭載される前記三相交流モータに用いられることを特徴とする。
請求項1に係る二相変調制御式インバータ装置によれば、PWM信号に予め設定されているデッドタイムによる影響を適切に補償することができるため、デッドタイムによる三相交流モータに歪み等の生じない電流を供給することができる。これは、デッドタイムに基づき各相間電圧を固定相決定手段で決定された固定相の切り替えに同期した所定値にするように補償することに着目することにより達成できたものである。つまり、二相変調制御式インバータ装置の変調させる二相に対する補償のみを補償することにより、各相間電圧を前記固定相決定手段で決定された固定相の切り替えに同期した所定値にすることを行っていることによる。
請求項2に係る二相変調制御式インバータ装置によれば、PWM信号のデッドタイムによる三相交流電流への影響に加えて、スイッチング素子のON遅延及びOFF遅延による三相交流電流への影響をも適切に補償することができる。これにより、PWM信号のデッドタイムと、スイッチング素子のON遅延及びOFF遅延と、による三相交流モータに歪み等の生じない電流を供給することができる。
請求項3に係る二相変調制御式インバータ装置によれば、ON遅延がOFF遅延より短い場合に、力行状態において、相間電圧を小さくさせるように補償されるので、三相交流モータに供給される電流を確実に歪み等のない最適な電流にすることができる。ここで、上述したように、ON遅延がOFF遅延より短い場合とは、PWM信号のON状態の時間よりも、実際のスイッチング素子のON状態の時間が長くなることになる。そして、ON状態の時間が長いことにより、電圧指令値と三相交流モータに印加するパルス電圧の平均値との間に誤差を発生させ、三相交流モータのうちの変調させる二相に供給される電流は制御の目標とする電流指令に対して誤差を有するのに対して、固定相の電流は制御の目標とする電流指令に対して誤差を有しないので、力行状態時に理想的な滑らかな三相交流電流が三相交流モータに流れないことになる。そこで、本発明のように、力行状態時に、相間電圧を小さくさせるように変調する二相のスイッチング素子の動作を補償することにより、適切な三相交流電圧が三相交流モータに印加されることになり、適切な三相交流電流が三相交流モータに供給されることになる。一方、回生状態においては、前記三相交流モータは発電する状態にあり、力行状態に流れる三相交流電流とは逆の極性の三相交流電流が流れることになり、力行状態とは逆に補償される。すなわち、相間電圧を大きくさせるように補償されるので、適切な三相交流電流を三相交流モータから発生させることができ、発電の損失を低減することができる。
請求項4に係る二相変調制御式インバータ装置によれば、ON遅延がOFF遅延より長い場合に、力行状態において、相間電圧を大きくさせるように補償されるので、三相交流モータに供給される電流を確実に歪み等のない最適な電流とすることができる。ここで、上述したように、ON遅延がOFF遅延より長い場合とは、PWM信号のON状態の時間よりも、実際のスイッチング素子のON状態の時間が短くなることになる。そして、ON状態の時間が短いことにより、電圧指令値と三相交流モータに印加するパルス電圧の平均値との間に誤差を発生させ、三相交流モータのうちの変調させる二相に供給される電流は制御の目標とする電流指令に対して誤差を有するのに対して、固定相の電流は制御の目標とする電流指令に対して誤差を有しないので、力行状態時に理想的な滑らかな三相交流電流が三相交流モータに流れないことになる。そこで、本発明のように、力行状態時に、相間電圧を大きくさせるように変調する二相のスイッチング素子の動作を補償することにより、適切な三相交流電圧が三相交流モータに印加されることになり、適切な三相交流電流が三相交流モータに供給されることになる。一方、回生状態においては、前記三相交流モータは発電する状態にあり、力行状態に流れる三相交流電流とは逆の極性の三相交流電流が流れることになり、力行状態とは逆に補償される。すなわち、相間電圧を小さくさせるように補償されるので、適切な三相交流電流を三相交流モータから発生させることができ、発電の損失を低減することができる。
請求項5に係る二相変調制御式インバータ装置によれば、PWM信号発生手段から出力されるPWM信号のデッドタイムによる三相交流電流への影響に加えて、PWM信号発生手段から出力されるPWM信号に対するスイッチング素子の総合ON遅延及び総合OFF遅延による三相交流電流への影響をも適切に補償することができる。これにより、PWM信号発生手段から出力されるPWM信号のデッドタイムと、PWM信号発生手段から出力されるPWM信号に対するスイッチング素子の総合ON遅延及び総合OFF遅延と、による三相交流モータに歪み等の生じない電流を供給することができる。
請求項6に係る二相変調制御式インバータ装置によれば、総合ON遅延が総合OFF遅延より短い場合に、力行状態において、相間電圧を小さくさせるように補償されるので、三相交流モータに供給される電流を確実に歪み等のない最適な電流にすることができる。ここで、総合ON遅延が総合OFF遅延より短い場合とは、PWM信号発生手段から出力されるPWM信号のON状態の時間よりも、ドライブ回路の駆動により実際に駆動するスイッチング素子のON状態の時間が長くなることになる。そして、ON状態の時間が長いことにより、電圧指令値と三相交流モータに印加するパルス電圧の平均値との間に誤差を発生させ、三相交流モータのうちの変調させる二相に供給される電流は制御の目標とする電流指令に対して誤差を有するのに対して、固定相の電流は制御の目標とする電流指令に対して誤差を有しないので、力行状態時に理想的な滑らかな三相交流電流が三相交流モータに流れないことになる。そこで、本発明のように、力行状態時に、相間電圧を小さくさせるように変調する二相のスイッチング素子の動作を補償することにより、適切な三相交流電圧が三相交流モータに印加されることになり、適切な三相交流電流が三相交流モータに供給されることになる。一方、回生状態においては、前記三相交流モータは発電する状態にあり、力行状態に流れる三相交流電流とは逆の極性の三相交流電流が流れることになり、力行状態とは逆に補償される。すなわち、相間電圧を大きくさせるように補償されるので、適切な三相交流電流を三相交流モータから発生させることができ、発電の損失を低減することができる。
請求項7に係る二相変調制御式インバータ装置によれば、総合ON遅延が総合OFF遅延より長い場合に、力行状態において、相間電圧を大きくさせるように補償されるので、三相交流モータに供給される電流を確実に歪み等のない最適な電流とすることができる。ここで、総合ON遅延が総合OFF遅延より長い場合とは、PWM信号発生手段から出力されるPWM信号のON状態の時間よりも、ドライブ回路の駆動により実際に駆動するスイッチング素子のON状態の時間が短くなることになる。そして、ON状態の時間が短いことにより、電圧指令値と三相交流モータに印加するパルス電圧の平均値との間に誤差を発生させ、三相交流モータのうちの変調させる二相に供給される電流は制御の目標とする電流指令に対して誤差を有するのに対して、固定相の電流は制御の目標とする電流指令に対して誤差を有しないので、力行状態時に理想的な滑らかな三相交流電流が三相交流モータに流れないことになる。そこで、本発明のように、力行状態時に、相間電圧を大きくさせるように変調する二相のスイッチング素子の動作を補償することにより、適切な三相交流電圧が三相交流モータに印加されることになり、適切な三相交流電流が三相交流モータに供給されることになる。一方、回生状態においては、前記三相交流モータは発電する状態にあり、力行状態に流れる三相交流電流とは逆の極性の三相交流電流が流れることになり、力行状態とは逆に補償される。すなわち、相間電圧を大きくさせるように補償されるので、適切な三相交流電流を三相交流モータから発生させることができ、発電の損失を低減することができる。
請求項8〜10に係る二相変調制御式インバータ装置によれば、固定相が電気角60°毎に順次切り換わるようにしてもよいし、固定相が電気角30°毎に順次切り換わるようにしてもよいし、固定相が電気角120°毎に順次切り換わるようにしてもよい。
請求項11に係る二相変調制御式インバータ装置によれば、電流の歪み等による三相交流モータが振動することを抑制することができるので、これらが搭載された自動車は、非常に振動・騒音を抑制することができる。
さらに、本発明によれば、以下の効果も奏する。従来技術である特許第3378209号公報に開示された技術は、電圧ベクトルに対して電流ベクトルを30°ずらした位置に設定していることによりデッドタイム補償の有効範囲が狭くなっているが、本発明によればデッドタイム補償の有効範囲は限定されない。また、従来のデッドタイム補償によれば、電流極性判別による演算遅延や電気角の演算誤差等により、正確なデッドタイム補償ができない場合があったが、本発明によれば、デッドタイム補償を行うために電流極性判別及び電気角の演算を行わないため、従来生じていた問題は発生しない。
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。
(二相変調制御式インバータ装置の全体構成)
本実施形態における二相変調制御式インバータ装置1を用いたモータ駆動装置について、図1を参照して説明する。なお、ここに示すモータ駆動装置は、自動車に搭載する三相交流モータを駆動する装置である。
図1に示すように、モータ駆動装置は、二相変調制御式インバータ装置1と、三相交流モータ2と、直流電源(バッテリ)3と、電流センサ4と、回転位置検出センサ5とから構成されている。電流センサ4は、三相交流モータ1の電機子コイルのうちの少なくとも二相の電流(例えば、V相及びW相に流れる電流Iv,Iw)を検出するセンサである。回転位置検出センサ5は、三相交流モータ1の回転子の回転位置θを検出するセンサである。なお、回転位置検出センサ5は、電流センサ4により検出された二相の電流等に基づいて電気角を演算することにより削除することが可能である。
二相変調制御式インバータ装置1は、三相インバータ回路6と、制御回路7と、平滑コンデンサ8とから構成される。三相インバータ回路(以下、単に「インバータ回路」という。)6は、直流電圧を三相交流電圧に変換して三相交流モータ2の電機子コイルに印加する回路である。このインバータ回路6は、U相インバータ61、V相インバータ62、W相インバータ63をもち、各相インバータ61〜63はそれぞれ、上アーム側スイッチング素子としてIGBT601〜603を、下アーム側スイッチング素子としてIGBT604〜606を個別に有している。さらに、各IGBT601〜606には、それぞれフライホイールダイオード64が逆並列に接続されている。
そして、インバータ回路6の上アーム側スイッチング素子としてのIGBT601〜603の上端側は、直流電源3及び平滑コンデンサ8の正極側に接続されている。一方、インバータ回路6の下アーム側スイッチング素子としてのIGBT604〜606の下端側は、直流電源3及び平滑コンデンサ8の負極側に接続されている。そして、U相インバータ61の上アーム側IGBT601と下アーム側IGBT604との間は、三相交流モータ2のU相の電機子コイルに接続されている。V相インバータ62の上アーム側IGBT602と下アーム側IGBT605との間は、三相交流モータ2のV相の電機子コイルに接続されている。W相インバータ63の上アーム側IGBT603と下アーム側IGBT606との間は、三相交流モータ2のW相の電機子コイルに接続されている。
(制御回路の構成)
制御回路7は、車両ECUからトルク指令値trq*を入力し、電流センサ4からV相及びW相の電流Iv,Iwを入力し、さらに、回転位置検出センサ5から回転位置θを入力する。そして、これら入力信号に基づき、インバータ回路6の各IGBT601〜606のON・OFF状態を制御している。具体的には、各IGBT601〜606のゲート端子に印加するゲート電圧を制御している。
この制御回路7について、図2を参照して詳細に説明する。図2に示すように、制御回路7は、モータ回転位置検出手段71と、dq軸電流指令発生手段72と、三相電圧指令発生手段73と、二相変調電圧指令発生手段74と、PWM信号発生手段75と、スイッチングゲートドライバ76とから構成される。
モータ回転位置検出手段71は、回転位置検出センサ5から入力した信号に基づき、三相交流モータ2の回転子の回転位置θとモータ回転数Nmotとを算出する。dq軸電流指令発生手段72は、車両ECUから入力されるトルク指令値trq*とモータ回転数Nmotとに基づき、dq軸電流指令値Id,Iqを算出する。三相電圧指令発生手段(三相電圧指令値算出手段)73は、モータ回転位置検出手段71により算出された回転位置θとdq軸電流指令発生手段72により算出されたdq軸電流指令値Id,Iqと電流センサ4で検出したV相及びW相の電流Iv,Iwとに基づき、三相交流モータ3の各相の電機子コイルに印加される電圧指令値U,V,Wを算出する。この電圧指令値U,V,Wは、三相変調制御する場合における電圧指令値となる。二相変調電圧指令発生手段74は、三相電圧指令発生手段73により算出された電圧指令値U,V,Wに基づき、二相変調させる場合における電圧指令値U’,V’,W’を算出する。なお、二相変調電圧指令発生手段74についての詳細は後述する。
PWM信号発生手段75は、二相変調電圧指令発生手段74により算出された二相変調の電圧指令値U’,V’,W’に基づき、インバータ回路6のU相インバータ61,V相インバータ62,W相インバータ63の駆動指令信号となるPWM信号Vu,Vv,Vwを、搬送波(三角波)と大小を比較させることにより発生させる。
スイッチングゲートドライバ(ドライブ回路)76は、PWM信号発生手段75から出力されるPWM信号Vu,Vv,Vwに基づき、U相インバータ61のIGBT601,604のゲート電圧Uu,Ulと、V相インバータ62のIGBT602,605のゲート電圧Vu,Vlと、W相インバータ63のIGBT603,606のゲート電圧Wu,Wlとを発生させる。これらのゲート電圧Uu,Ul,Vu,Vl,Wu,Wlは、所定時間におけるON状態の時間割合であるデューティにて表すことができる。そして、インバータ回路6の各IGBT601〜606は、スイッチングゲートドライバ76から出力されるゲート電圧Uu,Ul,Vu,Vl,Wu,Wlに基づき、ON・OFF駆動される。つまり、ゲート電圧がON状態(所定電圧値)となるとIGBTがON動作し、ゲート電圧がOFF状態(零)となるとIGBTがOFF動作する。
(二相変調電圧指令発生手段)
二相変調電圧指令発生手段74は、固定モード演算手段(固定相決定手段)741と、2アーム補償演算手段(電圧補償量算出手段)742と、電圧指令演算手段(二相変調電圧指令値算出手段)743とから構成される。固定モード演算手段741は、固定相と変調相とを三相電圧指令発生手段73で発生させた三相電圧指令U,V,Wの極性やお互いの大小関係及び電気角(位相)等に基づいて決定する。また、固定モード演算手段741は、固定相の固定期間と固定相の相電流のピーク付近が揃うように、三相交流モータの特性等に整合させることを特徴とする。固定相とは、インバータ回路6の所定の一相のIGBTのON・OFF状態を固定させる相である。変調相とは、固定相以外の他の二相であって、これらのIGBTのON・OFF状態を変動させる相である。
(二相変調電圧指令)
ここで、二相変調電圧指令について図3〜図6を参照して説明する。図3は、第1実施例の二相変調電圧指令を示す図である。図4は、第2実施例の二相変調電圧指令を示す図である。図5は、第3実施例の二相変調電圧指令を示す図である。図6は、第4実施例の二相変調電圧指令を示す図である。
(第1実施例の二相変調電圧指令)
第1実施例の二相変調電圧指令は、図3に示すように、固定モード演算手段741で決定された電気角60°毎の固定モードに分割して、固定相を順次移動させている。具体的には、固定モード1では、電気角0〜60°の区間であって、V相がマイナス側電圧(−VDC/2)として固定されている。この場合、V相インバータ62の上アーム側IGBT602がOFF状態となり、V相インバータ62の下アーム側IGBT604がON状態となる。そして、他の二相であるU相及びW相が変調している。固定モード2では、電気角60〜120°の区間であって、U相がプラス側電圧(+VDC/2)として固定されている。この場合、U相インバータ61の上アーム側IGBT601がON状態となり、U相インバータ61の下アーム側IGBT603がOFF状態となる。そして、他の二相であるV相及びW相が変調している。固定モード3では、電気角120〜180°の区間であって、W相がマイナス側電圧(−VDC/2)として固定されている。この場合、W相インバータ63の上アーム側IGBT603がOFF状態となり、W相インバータ63の下アーム側IGBT606がON状態となる。そして、他の二相であるU相及びV相が変調している。固定モード4では、電気角180〜240°の区間であって、V相がプラス側電圧(+VDC/2)として固定されている。この場合、V相インバータ62の上アーム側IGBT602がON状態となり、V相インバータ62の下アーム側IGBT604がOFF状態となる。そして、他の二相であるU相及びW相が変調している。固定モード5では、電気角240〜300°の区間であって、U相がマイナス側電圧(−VDC/2)として固定されている。この場合、U相インバータ61の上アーム側IGBT601がOFF状態となり、U相インバータ61の下アーム側IGBT603がON状態となる。そして、他の二相であるV相及びW相が変調している。固定モード6では、電気角300〜360°の区間であって、W相がプラス側電圧(+VDC/2)として固定されている。この場合、W相インバータ63の上アーム側IGBT603がON状態となり、W相インバータ63の下アーム側IGBT606がOFF状態となる。そして、他の二相であるU相及びV相が変調している。
(第2実施例の二相変調電圧指令)
第2実施例の二相変調電圧指令は、図4に示すように、固定モード演算手段741で決定された電気角120°毎の固定モードに分割して、固定相を順次移動させている。第2実施例の二相変調電圧指令は、プラス側電圧にて固定相を固定させるようにしている。具体的には、固定モード1では、電気角30〜150°の区間であって、U相がプラス側電圧(+VDC/2)として固定されている。この場合、U相インバータ61の上アーム側IGBT601がON状態となり、U相インバータ61の下アーム側IGBT603がOFF状態となる。そして、他の二相であるV相及びW相が変調している。固定モード2では、電気角150〜270°の区間であって、V相がプラス側電圧(+VDC/2)として固定されている。この場合、V相インバータ62の上アーム側IGBT602がON状態となり、V相インバータ62の下アーム側IGBT604がOFF状態となる。そして、他の二相であるU相及びW相が変調している。固定モード3では、電気角0〜30°及び270〜360°の区間であって、W相がプラス側電圧(+VDC/2)として固定されている。この場合、W相インバータ63の上アーム側IGBT603がON状態となり、W相インバータ63の下アーム側IGBT606がOFF状態となる。そして、他の二相であるU相及びV相が変調している。
(第3実施例の二相変調電圧指令)
第3実施例の二相変調電圧指令は、図5に示すように、固定モード演算手段741で決定された電気角120°毎の固定モードに分割して、固定相を順次移動させている。第3実施例の二相変調電圧指令は、マイナス側電圧にて固定相を固定させるようにしている。具体的には、固定モード1では、電気角210〜330°の区間であって、U相がマイナス側電圧(−VDC/2)として固定されている。この場合、U相インバータ61の上アーム側IGBT601がOFF状態となり、U相インバータ61の下アーム側IGBT603がON状態となる。そして、他の二相であるV相及びW相が変調している。固定モード2では、電気角0〜90°及び330〜360°の区間であって、V相がマイナス側電圧(−VDC/2)として固定されている。この場合、V相インバータ62の上アーム側IGBT602がOFF状態となり、V相インバータ62の下アーム側IGBT604がON状態となる。そして、他の二相であるU相及びW相が変調している。固定モード3では、電気角90〜210°の区間であって、W相がマイナス側電圧(−VDC/2)として固定されている。この場合、W相インバータ63の上アーム側IGBT603がOFF状態となり、W相インバータ63の下アーム側IGBT606がON状態となる。そして、他の二相であるU相及びV相が変調している。
(第4実施例の二相変調電圧指令)
第4実施例の二相変調電圧指令は、図6に示すように、固定モード演算手段741で決定された電気角30°毎の固定モードに分割して、固定相を順次移動させている。具体的には、固定モード1,10では、電気角0〜30°,270〜300°の区間であって、W相がプラス側電圧(+VDC/2)として固定されている。この場合、W相インバータ63の上アーム側IGBT603がON状態となり、W相インバータ63の下アーム側IGBT606がOFF状態となる。そして、他の二相であるU相及びV相が変調している。固定モード2,5では、電気角30〜60°,120〜150°の区間であって、U相がプラス側電圧(+VDC/2)として固定されている。この場合、U相インバータ61の上アーム側IGBT601がON状態となり、U相インバータ61の下アーム側IGBT603がOFF状態となる。そして、他の二相であるV相及びW相が変調している。固定モード3,12では、電気角60〜90°,330〜360°の区間であって、V相がマイナス側電圧(−VDC/2)として固定されている。この場合、V相インバータ62の上アーム側IGBT602がOFF状態となり、V相インバータ62の下アーム側IGBT604がON状態となる。そして、他の二相であるU相及びW相が変調している。
固定モード4,7では、電気角90〜120°,180〜210°の区間であって、W相がマイナス側電圧(−VDC/2)として固定されている。この場合、W相インバータ63の上アーム側IGBT603がOFF状態となり、W相インバータ63の下アーム側IGBT606がON状態となる。そして、他の二相であるU相及びV相が変調している。固定モード6,9では、電気角150〜180°,240〜270°の区間であって、V相がプラス側電圧(+VDC/2)として固定されている。この場合、V相インバータ62の上アーム側IGBT602がON状態となり、V相インバータ62の下アーム側IGBT604がOFF状態となる。そして、他の二相であるU相及びW相が変調している。固定モード8,11では、電気角210〜240°,300〜330°の区間であって、U相がマイナス側電圧(−VDC/2)として固定されている。この場合、U相インバータ61の上アーム側IGBT601がOFF状態となり、U相インバータ61の下アーム側IGBT603がON状態となる。そして、他の二相であるV相及びW相が変調している。
図2に戻り説明する。2アーム補償演算手段742は、PWM信号発生手段75から出力されるPWM信号に予め設定されているデッドタイムと、PWM信号に対するインバータ回路6の各IGBTの総合ON遅延及び総合OFF遅延とに基づき、変調させる二相の電圧指令値の電圧補償量V1*,V2*を算出する。なお、デッドタイム、総合ON遅延及び総合OFF遅延、さらに、電圧誤差と称するデッドタイムと総合ON遅延及び総合OFF遅延の両方を考慮した誤差について、それぞれ後述する。
電圧指令演算手段743は、三相電圧指令発生手段73から出力された三相変調させた場合の各相の電圧指令値U,V,W、固定モード演算手段741から出力された固定モード、及び、2アーム補償演算手段742から出力される電圧補償量V1*,V2*に基づき、二相変調させる電圧指令値U’,V’,W’を演算する。すなわち、二相変調電圧指令値U’,V’,W’は、電圧補償量V1*,V2*を考慮されたものとなる。
(PWM信号のデッドタイム)
次に、PWM信号のデッドタイムについて説明する。インバータ回路6の各相インバータ61〜63は、上述したように、上アーム側IGBT601〜603と、下アーム側IGBT604〜606とから構成されている。そして、理想的には、上アーム側IGBT601〜603がON状態の時には下アーム側IGBT604〜606がOFF状態となり、上アーム側IGBT601〜603がOFF状態の時には下アーム側IGBT604〜606がON状態となることである。しかし、例えば、U相インバータ61を例に取ると、上アーム側IGBT601と下アーム側IGBT604とが同時にON状態となることを防止する必要がある。同時にON状態となると、直流電源3を短絡させることになり、IGBT601,604が過電流故障等するためである。そのため、上アーム側IGBT601〜603と下アーム側IGBT604〜606とが同時にOFF状態となるデッドタイムが予め設定されている。このデッドタイムは、例えば、5μsec等と予め設定されている。
ここで、二相変調におけるPWM信号のデッドタイムは、変調させている二相においてのみデッドタイムが存在し、固定相にはデッドタイムが存在しない。固定相にデッドタイムが存在しないのは、固定相のPWM信号が常にON状態又はOFF状態に固定されているためである。例えば、U相を固定相としている場合、U相にはデッドタイムが存在せず、変調させているV相及びW相にはデッドタイムが存在する。
(スイッチング素子の総合ON遅延及び総合OFF遅延)
次に、IGBT601〜606の総合ON遅延及び総合OFF遅延について図7を参照して説明する。図7(a)は、PWM信号発生手段75が出力するPWM信号のタイミングチャートを示す。図7(b)は、スイッチングゲートドライバ76が出力するゲート電圧のパルス信号のタイミングチャートを示す。図7(c)は、スイッチングゲートドライバ76が出力するゲート電圧に基づき、実際の各IGBT601〜606のスイッチング状態のタイミングチャートを示す。
ここで、図7(a)に示すPWM信号のタイミングチャートとIGBT601〜606のタイミングチャートが同一であることが理想的であるが、変調させている場合には実際には両者は同一とはならない。つまり、図7(b)に示すように、スイッチングゲートドライバ76には、ドライバON遅延T1(L→H)とドライバOFF遅延T1(H→L)とが存在する。ドライバON遅延T1(L→H)とは、PWM信号がOFF状態からON状態になる時刻からスイッチングゲートドライバ76がOFF状態からON状態になる時刻までの時間である。ドライバOFF遅延T1(H→L)とは、PWM信号がON状態からOFF状態になる時刻からスイッチングゲートドライバ76がON状態からOFF状態になる時刻までの時間である。このように、スイッチングゲートドライバ76は、PWM信号発生手段75から出力されたPWM信号に対して遅れてON状態又はOFF状態となる。
さらに、図7(c)に示すように、IGBT601〜606には、スイッチングON遅延T2(L→H)とスイッチングOFF遅延T2(H→L)とが存在する。スイッチングON遅延T2(L→H)とは、スイッチングゲートドライバ76がOFF状態からON状態になる時刻からIGBT601〜606がOFF状態からON状態になる時刻までの時間である。スイッチングOFF遅延T2(H→L)とは、スイッチングゲートドライバ76がON状態からOFF状態になる時刻からIGBT601〜606がON状態からOFF状態になる時刻までの時間である。
そして、IGBT601〜606は、PWM信号発生手段75が出力するPWM信号に対しては、総合ON遅延T3(L→H)と総合OFF遅延T3(H→L)とが存在することになる。総合ON遅延T3(L→H)とは、ドライバON遅延T1(L→H)とスイッチングON遅延T2(L→H)の合計時間である。総合OFF遅延T3(H→L)とは、ドライバOFF遅延T1(H→L)とスイッチングOFF遅延T2(H→L)の合計時間である。つまり、IGBT601〜606は、PWM信号発生手段75から出力されたPWM信号に対して遅れてON状態又はOFF状態となる。
ここで、スイッチングゲートドライバ76によって、ドライバON遅延T1(L→H)がドライバOFF遅延T1(H→L)より大きい場合や、ドライバON遅延T1(L→H)がドライバOFF遅延T1(H→L)より小さい場合がある。また、IGBT601〜606によって、スイッチングON遅延T2(L→H)がスイッチングOFF遅延T2(H→L)より大きい場合や、スイッチングON遅延T2(L→H)がスイッチングOFF遅延T2(H→L)より小さい場合がある。そして、スイッチングゲートドライバ76及びIGBT601〜606によって、総合ON遅延T3(L→H)が総合OFF遅延T3(H→L)より大きい場合や、総合ON遅延T3(L→H)が総合OFF遅延T3(H→L)より小さい場合がある。
ここで、二相変調における総合ON遅延及び総合OFF遅延は、変調させている二相においてのみに存在し、固定相には存在しない。固定相に総合ON遅延及び総合OFF遅延が存在しないのは、固定相のPWM信号が常にON状態又はOFF状態に固定されているためである。例えば、U相を固定相としている場合、U相には総合ON遅延及び総合OFF遅延が存在せず、変調させているV相及びW相には総合ON遅延及び総合OFF遅延が存在する。
(電圧誤差)
ここで、電圧誤差について説明する。電圧誤差は、上述したデッドタイムと総合ON遅延及び総合OFF遅延を要素とし、インバータ回路6をPWM制御する場合に、三相交流モータ2にインバータ回路6が出力するパルス電圧の平均値と三相交流モータ2を駆動するための電圧指令値との間にある誤差である。
そして、二相変調における電圧誤差について図8を参照して説明する。図8(a)は、U相インバータ61,V相インバータ62,W相インバータ63の駆動指令信号となるPWM信号Vu,Vv,Vwを示し、図8(b)は、第1実施例(図3に示す)の二相変調電圧指令に基づいて発生させたデューティを示す。図8(a)に示すように、U相,V相,W相のうちの何れか一相のPWM信号が、順次ON状態又はOFF状態として固定されている。そして、他の二相のPWM信号は、変調している。
例えば、U相のPWM信号がON状態として固定されている場合を例に取り説明する。この場合、U相のデューティは100%となり、U相の上アーム側IGBT601がON状態となり、U相の下アーム側IGBT604がOFF状態となり、V相及びW相のPWM信号は変調している。つまり、この間においては、固定相であるU相には、デッドタイム、総合ON遅延及び総合OFF遅延が存在しないため電圧誤差が発生しない。一方、変調相であるV相及びW相には、デッドタイム、総合ON遅延及び総合OFF遅延が存在するため電圧誤差が発生する。そして、V相及びW相に発生する電圧誤差の影響により、U相とV相との相間電圧及びU相とW相との相間電圧には、前記パルス電圧の平均値と前記電圧指令値との間に誤差が発生する。一方、V相とW相との相間電圧には、V相及びW相に電圧誤差が発生してそれぞれキャンセルされるため、前記パルス電圧の平均値と前記電圧指令値との間に誤差が発生しない。なお、固定相をV相又はW相とした場合についても、上述の固定相をU相とした場合と同様である。すなわち、二相変調では、固定相のみに電圧誤差が発生しないのに対し、固定相以外の二相に電圧誤差が発生するため、固定相の切り替えに同期して、固定相と固定相以外の二相との相間電圧に誤差が発生して、三相の相間電圧のバランスが崩れる。
(電圧補償量)
次に、2アーム補償演算手段742にて算出される電圧補償量V1*,V2*について図9及び図11を参照して説明する。図9及び図11は、第1実施例(図3に示す)の二相変調電圧指令の場合におけるU相,V相,W相のデューティを示す。
まず、力行状態、すなわち、直流電源3から供給される電力に基づき、各IGBT601〜606を所定の状態で動作させることにより、三相交流モータ2を駆動させる状態について説明する。また、デッドタイムのみに着目した場合と、総合ON遅延T3(L→H)が総合OFF遅延T3(H→L)より小さい場合と、総合ON遅延T3(L→H)が総合OFF遅延T3(H→L)より大きい場合とに分けて説明する。
まず、力行状態であって、デッドタイムのみに着目した場合には、電圧補償量V1*,V2*は、固定相と固定相以外の二相との相間電圧を大きくさせる値となる。例えば、U相が固定相である場合には、電圧補償量V1*はV相の電圧指令値を補償する電圧補償量であり、電圧補償量V2*はW相の電圧指令値を補償する電圧補償量である。そして、この場合、U相の上アーム側IGBT601がON状態にあり、U相の下アーム側IGBT604がOFF状態にある固定モードでは、U相の電圧指令値U’は最大値となる。つまり、U相のデューティは100%となる。また、U相の上アーム側IGBT601がOFF状態にあり、U相の下アーム側IGBT604がON状態にある固定モードでは、U相の電圧指令値U’は最小値となる。つまり、U相のデューティは0%となる。
U相のデューティが100%の場合は、直流電源3から供給される三相交流モータ2を駆動する電流は、V相の下アーム側IGBT605のON状態の時間及びW相の下アーム側IGBT606のON状態の時間で決まり、U相のデューティが0%の場合には、直流電源3から供給される三相交流モータを駆動する電流は、V相の上アーム側IGBT602のON状態の時間及びW相の上アーム側IGBT603のON状態の時間で決まる。これらのときにおけるデッドタイムは、変調相であるV相及びW相にのみ存在し、三相交流モータを駆動する電流を決めるV相及びW相の上下アーム側IGBT602〜603,605〜606のON状態の時間を短くする。
そして、電圧補償量V1*は、U相とV相との相間電圧を大きくする値であるので、U相のデューティが100%の場合は、V相の電圧指令値V’を小さくする値となる。つまり、図11(b)に示すように、V相のデューティを小さくし、V相の下アーム側IGBT605のON状態の時間を長くするように補償する。U相のデューティが0%の場合は、V相の電圧指令値V’を大きくする値となる。つまり、図11(c)に示すように、V相のデューティを大きくし、V相の上アーム側IGBT602のON状態の時間を長くするように補償する。
また、電圧補償量V2*は、U相とW相との相間電圧を大きくする値であるので、U相のデューティが100%の場合は、W相の電圧指令値W’を小さくする値となる。つまり、図11(b)に示すように、W相のデューティを小さくし、W相の下アーム側IGBT606のON状態の時間を長くするように補償する。U相のデューティが0%の場合は、W相の電圧指令値W’を大きくする値となる。つまり、図11(c)に示すように、W相のデューティを大きくし、W相の上アーム側IGBT603のON状態の時間を長くするように補償する。なお、V相及びW相についても、上述したU相と同様に相間電圧を大きくするように補償する。
次に、力行状態であって、総合ON遅延T3(L→H)が総合OFF遅延T3(H→L)より小さい場合には、電圧補償量V1*,V2*は、固定相と固定相以外の二相との相間電圧を小さくさせる値となる。例えば、U相が固定相である場合には、電圧補償量V1*はV相の電圧指令値を補償する電圧補償量であり、電圧補償量V2*はW相の電圧指令値を補償する電圧補償量である。そして、この場合、U相の上アーム側IGBT601がON状態にあり、U相の下アーム側IGBT604がOFF状態にある固定モードでは、U相の電圧指令値U’は最大値となる。つまり、U相のデューティは100%となる。また、U相の上アーム側IGBT601がOFF状態にあり、U相の下アーム側IGBT604がON状態にある固定モードでは、U相の電圧指令U’は最小値となる。つまり、U相のデューティは0%となる。
U相のデューティが100%の場合は、直流電源3から供給される三相交流モータ2を駆動する電流は、V相及びW相の下アーム側IGBT605,606のON状態の時間で決まり、U相のデューティが0%の場合には、直流電源3から供給される三相交流モータを駆動する電流は、V相及びW相の上アーム側IGBT602,603のON状態の時間で決まる。
そして、電圧補償量V1*は、U相とV相との相間電圧を小さくする値であるので、U相のデューティが100%の場合は、V相の電圧指令値V’を大きくする値となる。つまり、図9(b)に示すように、V相のデューティを大きくし、V相の下アーム側IGBT605のON状態の時間を短くするように補償する。U相のデューティが0%の場合は、V相の電圧指令V’を小さくする値となる。つまり、図9(c)に示すように、V相のデューティを小さくし、V相の上アーム側IGBT602のON状態の時間を短くする。
また、電圧補償量V2*は、U相とW相との相間電圧を小さくする値であるので、U相のデューティが100%の場合は、W相の電圧指令値W’を大きくする値となる。つまり、図9(b)に示すように、W相のデューティを大きくし、W相の下アーム側IGBT606のON状態の時間を短くするように補償する。U相のデューティが0%の場合は、W相の電圧指令W’を小さくする値となる。つまり、図9(c)に示すように、W相のデューティを小さくし、W相の上アーム側IGBT603のON状態の時間を短くする。なお、V相及びW相についても、上述したU相と同様に相間電圧を小さくするように補償する。
この場合における三相交流モータ2の所定の一相の電機子コイルに供給される電流波形を図10(a)に示す。なお、比較のため、図10(b)には、本発明の電圧補償を行っていない場合における電流波形を示す。図10(b)に示すように、補償前の電流波形はデッドタイムにより歪みが生じている。それに対して、図10(a)に示すように、補償後の電流波形は、デッドタイムによる歪みが解消されている。また、総合ON遅延及び総合OFF遅延を考慮して補償しているので、図示しないが、より適切な電流波形とすることができる。
次に、力行状態であって、総合ON遅延T3(L→H)が総合OFF遅延T3(H→L)より大きい場合について説明する。この場合における電圧補償量V1*,V2*は、固定相と固定相以外の二相との相間電圧を大きくする値となる。例えば、U相が固定相である場合には、V相の電圧補償量V1*は、U相とV相との相間電圧を大きくする値となる。また、W相の電圧補償量V2*は、U相とW相の相間電圧を大きくする値となる。つまり、図11(b)(c)に示すように補償する。
次に、回生状態、すなわち、三相交流モータ2の動作に基づき、IGBT601〜606を所定の状態で動作させることにより、三相交流モータ2が発電する状態について説明する。回生状態では、三相交流モータ2が発電した電力は、IGBT601〜606と逆並列に接続されるフライホイールダイオード64を介して、直流電源3へ充電されるので、力行状態とは、IGBTのON状態も三相交流電流の極性も逆となり、デッドタイムによる誤差も逆の存在となる。また、デッドタイムのみに着目した場合と、総合ON遅延T3(L→H)が総合OFF遅延T3(H→L)より小さい場合と、総合ON遅延T3(L→H)が総合OFF遅延T3(H→L)より大きい場合とに分けて説明する。
回生状態であって、デッドタイムのみに着目した場合には、電圧補償量V1*,V2*は、固定相と固定相以外の二相との相間電圧を小さくさせる値となる。例えば、U相が固定相である場合には、V相の電圧補償量V1*は、U相とV相との相間電圧を小さくする値となる。また、W相の電圧補償量V2*は、U相とW相との相間電圧を小さくする値となる。つまり、図9(b)(c)に示すように補償する。
次に、回生状態であって、総合ON遅延T3(L→H)が総合OFF遅延T3(H→L)より小さい場合には、電圧補償量V1*,V2*は、固定相と固定相以外の二相との相間電圧を大きくする値となる。例えば、U相が固定相である場合には、V相の電圧補償量V1*は、U相とV相との相間電圧を大きくする値となる。また、W相の電圧補償量V2*は、U相とW相との相間電圧を大きくする値となる。つまり、図11(b)(c)に示すように補償する。
次に、回生状態であって、総合ON遅延T3(L→H)が総合OFF遅延T3(H→L)より大きい場合には、電圧補償量V1*,V2*は、固定相と固定相以外の二相との相間電圧を小さくする値となる。例えば、U相が固定相である場合には、V相の電圧補償量V1*は、U相とV相との相間電圧を小さくする値となる。また、W相の電圧補償量V2*は、U相とW相との相間電圧を小さくする値となる。つまり、図9(b)(c)に示すように補償する。
二相変調制御式インバータ装置を示す図である。 制御回路を示すブロック図である。 第1実施例の二相変調電圧指令を示す図である。 第2実施例の二相変調電圧指令を示す図である。 第3実施例の二相変調電圧指令を示す図である。 第4実施例の二相変調電圧指令を示す図である。 スイッチングゲートドライバ及びスイッチング素子のON遅延及びOFF遅延について説明する図である。 二相変調における電圧誤差について説明する図である。 2アーム補償演算手段にて算出される電圧補償量が相間電圧を小さくさせる場合について説明する図である。 補償前後における電流波形を示す図である。 2アーム補償演算手段にて算出される電圧補償量が相間電圧を大きくさせる場合について説明する図である。
符号の説明
1:二相変調制御式インバータ装置,2:三相交流モータ,3:直流電源,4:電流センサ,5:回転位置検出センサ,6:三相インバータ回路,7:制御回路,8:平滑コンデンサ,61:U相インバータ,62:V相インバータ,63:W相インバータ,64:フライホイールダイオード,71:モータ回転位置検出手段,72:dq軸電流指令発生手段,73:三相電圧指令発生手段(三相電圧指令値算出手段),74:二相変調電圧指令発生手段,75:PWM信号発生手段,76:スイッチングゲートドライバ,601〜603:上アーム側スイッチング素子,604〜606:下アーム側スイッチング素子,741:固定モード演算手段(固定相決定手段),742:2アーム補償演算手段(電圧補償量算出手段),743:電圧指令演算手段(二相変調電圧指令値算出手段)

Claims (11)

  1. 三相交流モータを駆動制御する三相インバータ回路と、
    前記三相交流モータに印加する三相電圧指令値を算出する三相電圧指令値算出手段と、
    前記三相電圧指令値に基づきスイッチング素子のON・OFF状態を固定させる固定相を決定する固定相決定手段と、
    前記三相電圧指令値算出手段で算出された前記三相電圧指令値及び前記固定相決定手段で決定された前記固定相に基づき、前記三相電圧指令値の各相間電圧の値を保持しつつ前記三相インバータ回路の所定の一相のスイッチング素子のON・OFF状態を固定させると共に他の二相のスイッチング素子のON・OFF状態を変動させる二相変調電圧指令値を算出する二相変調電圧指令値算出手段と、
    前記二相変調電圧指令値に基づき前記三相インバータ回路をPWM制御するPWM信号を発生するPWM信号発生手段と、
    を備えた二相変調制御式インバータ装置において、
    さらに、前記PWM信号のデッドタイムに基づき各相間電圧を前記固定相決定手段で決定された固定相の切り替えに同期した所定値にする前記固定相以外の二相の電圧指令値の電圧補償量を算出する電圧補償量算出手段を備え、
    前記二相変調電圧指令値算出手段は、前記電圧補償量に基づき電圧補償した前記二相変調電圧指令値を算出することを特徴とする二相変調制御式インバータ装置。
  2. 前記電圧補償量算出手段は、前記PWM信号の前記デッドタイムと前記PWM信号に対する前記スイッチング素子のON遅延及びOFF遅延とに基づき、前記電圧補償量を算出することを特徴とする請求項1記載の二相変調制御式インバータ装置。
  3. 前記電圧補償量は、前記PWM信号に対する前記スイッチング素子のON遅延がOFF遅延より短い場合に、力行状態では前記固定相と前記固定相以外の二相との相間電圧を小さくさせる値であり、回生状態では前記固定相と前記固定相以外の二相との相間電圧を大きくさせる値であることを特徴とする請求項2記載の二相変調制御式インバータ装置。
  4. 前記電圧補償量は、前記PWM信号に対する前記スイッチング素子のON遅延がOFF遅延より長い場合に、力行状態では前記固定相と前記固定相以外の二相との相間電圧を大きくさせる値であり、回生状態では前記固定相と前記固定相以外の二相との相間電圧を小さくさせる値であることを特徴とする請求項2記載の二相変調制御式インバータ装置。
  5. 前記スイッチング素子のON遅延及びOFF遅延は、前記スイッチング素子を駆動するドライブ回路により駆動された前記PWM信号に対する前記スイッチング素子のON遅延及びOFF遅延であることを特徴とする請求項2記載の二相変調制御式インバータ装置。
  6. 前記電圧補償量は、前記PWM信号に対する前記スイッチング素子を駆動するドライブ回路により駆動された前記スイッチング素子のON遅延がOFF遅延より短い場合に、力行状態では前記固定相と前記固定相以外の二相との相間電圧を小さくさせる値であり、回生状態では前記固定相と前記固定相以外の二相との相間電圧を大きくさせる値であることを特徴とする請求項5記載の二相変調制御式インバータ装置。
  7. 前記電圧補償量は、前記PWM信号に対する前記スイッチング素子を駆動するドライブ回路により駆動された前記スイッチング素子のON遅延がOFF遅延より長い場合に、力行状態では前記固定相と前記固定相以外の二相との相間電圧を大きくさせる値であり、回生状態では前記固定相と前記固定相以外の二相との相間電圧を小さくさせる値であることを特徴とする請求項5記載の二相変調制御式インバータ装置。
  8. 前記固定相は、電気角60°毎に順次切り換わることを特徴とする請求項1記載の二相変調制御式インバータ装置。
  9. 前記固定相は、電気角30°毎に順次切り換わることを特徴とする請求項1記載の二相変調制御式インバータ装置。
  10. 前記固定相は、電気角120°毎に順次切り換わることを特徴とする請求項1記載の二相変調制御式インバータ装置。
  11. 前記二相変調制御式インバータ装置は、自動車に搭載される前記三相交流モータに用いられることを特徴とする請求項1記載の二相変調制御式インバータ装置。
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