JP3951830B2 - モータ制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の相に対応した電機子巻線を有するモータに電力を供給して、モータを駆動させるモータ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のモータ制御装置としては、例えば特開2002−084790号公報に開示されているように、3つの電機子巻線がY字状に結線された3相交流モータに、インバータから電力を供給し、3相交流モータを回転駆動させるものが知られている。
【0003】
このような3相交流モータは、インバータのスイッチング素子をオン/オフすることで、モータのU相、V相、W相に位相が異なる正弦波状の駆動電流が供給されて駆動する。
【0004】
この3相交流モータの回転トルクは、各相が発生するトルクの和となる。各相のトルクは、各相の電機子巻線に流れる電流と、その電流の流れる方向に直交する永久磁石からの磁束密度の積に比例する。したがって、従来のモータ制御装置では、各相の電機子巻線に流す電流値を制御することで、3相交流モータのトルクを制御している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のY字結線された3相交流モータの各相には、構造上又は組立工程等により、電機子巻線のばらつきや永久磁石の磁力分布のばらつき等が存在し、各相間において電気的特性や磁気的特性にばらつきが生じてしまう。この結果、各相を流れる電流及び磁束に比例するトルクにリップルが発生してしまい、モータ制御装置にて一様な駆動制御ができなかった。
【0006】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、モータの構造的又は組立工程等に基づいた電気的、磁気的な各相のばらつきに起因するトルク変動を低減させることができるモータ制御装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、永久磁石を回転子とし、複数相に対応した電機子巻線を固定子とした構成を有し、各相の電機子巻線ごとに電流が流れるように電圧を印加して回転トルクを発生させるようにインバータを制御するに際して、外部からのトルク指示値の回転トルクをモータに発生させるようにモータの各相の電機子巻線ごとに制御目標指令値を演算して、この制御目標指令値を補正する。このとき、モータ制御装置では、モータの各相の特性ばらつきに基づいた補正係数を各相ごとに算出して、モータの各相の特性ばらつきに起因するトルク変動を抑制するように制御目標指令値を補正することで、上述の課題を解決する。
【0008】
【発明の効果】
本発明に係るモータ制御装置によれば、モータの各相の特性ばらつきに基づいた補正係数を各相ごとに算出して、トルク指示値に応じて各相の制御目標指令値を補正するので、各相ごとにモータの各相の特性ばらつきに起因するトルク変動を抑制することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0010】
本発明は、例えば図1に示すように構成されたモータ駆動装置に適用される。
【0011】
[モータ駆動装置の構成]
このモータ駆動装置は、トルク指示値Tが入力されることに応じて、モータ駆動制御部1によりインバータ2を駆動制御して、バッテリ3に蓄積した直流電圧を交流電圧に変換してモータ4に印加することで、モータ4に回転トルクを与えるものである。
【0012】
本実施形態において、モータ4は、U相、V相、W相に対応した6本の電流供給線によりインバータ2と接続された3相交流モータである。このモータ4は、U相の電機子巻線4U、V相の電機子巻線4V、W相の電機子巻線4Wがインバータ2に接続される。詳しくは、電機子巻線4Uはその正端子u+と負端子u−とがスイッチング素子部2Uと接続され、電機子巻線4Vはその正端子v+と負端子v−とがスイッチング素子部2Vと接続され、電機子巻線4Wはその正端子w+と負端子w−とがスイッチング素子部2Wと接続される。このようなモータ4では、電機子巻線4U、4V、4W同士が直接接続されることなく、インバータ2と接続されている。
【0013】
インバータ2は、バッテリ3と接続され、モータ4のU相、V相、W相に対応したブリッジ回路であるスイッチング素子部2U、2V、2Wを備える。スイッチング素子部2U、2V、2Wは、それぞれ4個のスイッチング素子を備え、各スイッチング素子がモータ駆動制御部1の制御に従ってオンオフ駆動されることで、バッテリ3からの直流電圧を交流電圧に変換する。
【0014】
このとき、モータ駆動制御部1では、スイッチング素子部2U、2V、2Wを構成する各スイッチング素子がMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)である場合には、ゲート端子にオンオフ制御信号を供給する。
【0015】
図2に、モータ駆動制御部1の制御ブロック図を示す。
【0016】
モータ駆動制御部1は、外部から操作者の操作に基づいてモータ4が出力するためのトルク指示値Tが供給されて、このトルク指示値Tの回転トルクをモータ4に発生させるための各種演算を行ってモータ4に印加する電圧を制御する。
【0017】
トルク指示値Tに従ってモータ4を駆動制御する場合には、モータ4に供給しているU相モータ電流iu、V相モータ電流iv及びW相モータ電流iwを電流センサ11U、電流センサ11V及び電流センサ11Wにより検出する。
【0018】
また、回転センサ12によりモータ4の回転を検出することにより回転計測部13にてモータ4のモータ回転数Nを求めて電流マップ演算部14及び補正係数算出部15に送ると共に、モータ4の回転電気角θを求めて2相−3相電流指令値変換部16に送る。このとき、回転計測部13では、回転センサ12からの信号からモータ回転数Nを求め、このモータ回転数Nから回転電気角θを求める。
【0019】
補正係数算出部15では、トルク指示値T及びモータ回転数Nに対する各相の補正係数Ku、Kv、Kwの関係を記述したマップデータを保持している。このマップデータは、モータ4の各相の電機子巻線4U、4V、4Wに流す電流値を、モータ4の各相の磁気的又は電気的なばらつきに応じて補正する補正係数Ku、Kv、Kwを求めるデータである。この補正係数算出部15では、トルク指示値T及びモータ回転数Nが入力されると、この値に応じてマップデータを参照して、補正係数Ku、Kv、Kwを求める。
【0020】
ここで、補正係数Ku、Kv、Kwは、その値が「1」である場合には各相に流す電流値を補正せず、「1」より大きい場合には各相に流す電流値を増加させる補正をさせ、「1」より小さい場合には各相に流す電流値を減少させる補正をさせる。
【0021】
電流マップ演算部14では、予め用意しておいたモータ回転数Nに応じたトルク指示値Tとd軸電流指令値id及びq軸電流指令値iqとの関係を記述したマップデータを保持している。このマップデータは、モータ4の各相の磁気的及び電気的な特性が非対称でなく、対称な特性である場合のd軸電流指令値id及びq軸電流指令値iqを求めるデータである。
【0022】
この電流マップ演算部14では、トルク指示値T及びモータ回転数Nを入力すると、マップデータを参照してd軸電流指令値id及びq軸電流指令値iqを求めて2相−3相電流指令値変換部16に送る。ここで、d軸電流指令値id及びq軸電流指令値iqは、回転直交座標系であるdq座標系においてモータ4に供給する目標とする電流値である。
【0023】
2相−3相電流指令値変換部16では、電流マップ演算部14からのd軸電流指令値id及びq軸電流指令値iqと回転電気角θとに基づいて、U相電流指令値iu、V相電流指令値iv、W相電流指令値iwに変換して、U相電流指令値補正部17U、V相電流指令値補正部17V、W相電流指令値補正部17Wに送る。
【0024】
U相電流指令値補正部17Uでは、補正係数算出部15からの補正係数Kuによって2相−3相電流指令値変換部16からのU相電流指令値iuを補正して、U相電流補正指令値iu**を算出してU相電圧変換部18Uに送る。このとき、U相電流指令値補正部17Uでは、補正係数KuとU相電流指令値iuとを乗算することで、補正後のU相電流補正指令値iu**を求める。
【0025】
また、V相電流指令値補正部17Vでは、補正係数算出部15からの補正係数Kvによって2相−3相電流指令値変換部16からのV相電流指令値ivを補正して、V相電流補正指令値iv**を算出してV相電圧変換部18Vに送る。このとき、V相電流指令値補正部17Vでは、補正係数KvとV相電流指令値ivとを乗算することで、補正後のV相電流補正指令値iv**を求める。
【0026】
更に、W相電流指令値補正部17Wでは、補正係数算出部15からの補正係数Kwによって2相−3相電流指令値変換部16からのW相電流指令値iwを補正して、W相電流補正指令値iw**を算出してW相電圧変換部18Wに送る。このとき、W相電流指令値補正部17Wでは、補正係数KwとW相電流指令値iwとを乗算することで、補正後のW相電流補正指令値iw**を求める。
【0027】
U相電圧変換部18Uでは、U相電流指令値補正部17UからのU相電流補正指令値iu**と電流センサ11UからのU相モータ電流iuとを用いて、実際に電機子巻線4Uに流れるU相モータ電流iuをU相電流補正指令値iu**とするために必要なU相電圧指令値vuを演算してU相PWM(Pulse Width Modulation)演算部19Uに送る。このとき、U相電圧変換部18Uでは、U相電流補正指令値iu**とU相モータ電流iuとの差分と定数Kpとを乗算することで、U相電圧指令値vuを演算する。
【0028】
また、V相電圧変換部18Vでは、V相電流指令値補正部17VからのV相電流補正指令値iv**と電流センサ11VからのV相モータ電流ivとを用いて、実際に電機子巻線4Vに流れるV相モータ電流ivをV相電流補正指令値iv**とするために必要なV相電圧指令値vvを演算してV相PWM演算部19Vに送る。このとき、V相電圧変換部18Vでは、V相電流補正指令値iv**とV相モータ電流ivとの差分と定数Kpとを乗算することで、V相電圧指令値vvを演算する。
【0029】
更に、W相電圧変換部18Wでは、W相電流指令値補正部17WからのW相電流補正指令値iw**と電流センサ11WからのW相モータ電流iwとを用いて、実際に電機子巻線4Wに流れるW相モータ電流iwをW相電流補正指令値iw**とするために必要なW相電圧指令値vwを演算してW相PWM演算部19Wに送る。このとき、W相電圧変換部18Wでは、W相電流補正指令値iw**とW相モータ電流iwとの差分と定数Kpとを乗算することで、W相電圧指令値vwを演算する。
【0030】
U相PWM演算部19Uでは、U相電圧変換部18UからのU相電圧指令値vuと、搬送波である三角波とを大小比較して、スイッチング素子部2Uの各スイッチング素子を駆動するPWM波形を決定する。このPWM波形は、各スイッチング素子を駆動するオンオフ制御信号としてスイッチング素子部2U(図1参照)に供給される。
【0031】
また、V相PWM演算部19Vでは、V相電圧変換部18VからのV相電圧指令値vvと、搬送波である三角波とを大小比較して、スイッチング素子部2Vの各スイッチング素子を駆動するPWM波形を決定する。このPWM波形は、各スイッチング素子を駆動するオンオフ制御信号としてスイッチング素子部2V(図1参照)に供給される。
【0032】
更に、W相PWM演算部19Wでは、W相電圧変換部18WからのW相電圧指令値vwと、搬送波である三角波とを大小比較して、スイッチング素子部2Wの各スイッチング素子を駆動するPWM波形を決定する。このPWM波形は、各スイッチング素子を駆動するオンオフ制御信号としてスイッチング素子部2W(図1参照)に供給される。
【0033】
これにより、モータ駆動制御部1では、バッテリ3からの直流電圧を交流電圧にして電機子巻線4U、4V、4Wに印加することで、電機子巻線4U、4V、4Wにトルク指示値Tに応じた電流を流す。
【0034】
つぎに、上述の補正係数算出部15により補正係数を算出するためのマップデータを求める処理について説明する。
【0035】
先ず、モータ4の各相が磁気的に非対称となっていることによるトルク変動を抑制する補正係数の算出処理について説明する。この場合は、モータ4を外部から強制的に回転させた時に、U相、V相、W相の開放発電電圧の実効値をそれぞれEu、Ev、Ewとし、これらの各相の開放発電電圧のうち、中間の値となる開放発電電圧をEとする。そして、下記の演算式に示すように、
Ku=1+α(1−Eu/E)
Kv=1+α(1−Ev/E)
Kw=1+α(1−Ew/E)
なる演算をすることで、U相についての補正係数Ku、V相についての補正係数Kv、W相についての補正係数Kwを求める。ここで、αは正の定数であり、制御方法やモータ4の磁気的な構造などにより異なり、モータ駆動装置の製造、組立時に調整して決定する。そして、トルク指示値T及びモータ回転数Nに対する各補正係数Ku、Kv、Kwを決定して、補正係数算出部15に格納するマップデータを作成する。
【0036】
このように作成したマップデータを補正係数算出部15に保持し、トルク指示値T及びモータ回転数Nに応じた補正係数Ku、Kv、KwによってU相電流指令値補正部17U、V相電流指令値補正部17V及びW相電流指令値補正部17Wにて補正を行う前の電圧指令値、モータ電流及び回転トルクの時間変化を図3に示す。
【0037】
図3によれば、図3(a)に示す電圧指令値をU相PWM演算部19U、V相PWM演算部19V及びW相PWM演算部19Wに送った場合には、図3(b)に示すようなU相モータ電流iu、V相モータ電流iv及びW相モータ電流iwの変化となる。これに対し、モータ4にて発生する回転トルクは、図3(c)に示すように、各相間の磁気的なばらつきにより、各相にて発生させるトルクが均一にならずに、時間の変化に従ったトルク変動幅W1を発生させる。
【0038】
これに対し、磁気的なばらつきを低減するためのマップデータを定数αを「2」に設定して作成し、このマップデータを補正係数算出部15にて参照して補正係数Ku、Kv、Kwにて補正した場合、図4(a)及び図4(b)に示すような電圧指令値及びモータ電流の時間変化となる。このとき、図3(b)に示すモータ電流よりも各相のモータ電流が非対称となっているが、各相の磁気的なばらつきにより各相のトルクの不均一を抑制し、図4(c)に示すように時間の変化に従ったトルク変動幅W2となる。このトルク変動幅W2は、補正する前のトルク変動幅W2と比較して略半分となっている。
【0039】
次に、モータ4の各相が電気的に非対称となっていることによるトルク変動を抑制する補正係数の算出処理について説明する。補正係数が「1」であって各相の電流指令値に補正をしていない場合の各相の電圧指令値の基本波実効値をVu、Vv、Vwとし、これらの各相の基本波実効値のうち、中間の値となる基本波実効値をVとする。そして、下記の演算式に示すように、
Ku=1+α(1−Vu/V)
Kv=1+α(1−Vv/V)
Kw=1+α(1−Vw/V)
なる演算をすることで、U相についての補正係数Ku、V相についての補正係数Kv、W相についての補正係数Kwを求める。ここで、αは正の定数であり、制御方法やモータ4の磁気的な構造などにより異なり、モータ駆動装置の製造、組立時に調整して決定する。このようにトルク指示値T及びモータ回転数Nに対する各補正係数Ku、Kv、Kwを決定して、補正係数算出部15に格納するマップデータを作成する。
【0040】
このように各相が電気的に非対称となっている場合であっても、図3及び図4に示したときと同様に、補正前ではトルク変動幅W1となっているのを、補正後にはトルク変動幅W2とすることができる。
【0041】
次に、電圧利用率を高めてモータ4の回転トルクを増大させる補正係数の算出処理について説明する。この場合、各相の開放発電電圧のうち開放発電電圧の最大値E又は各相の基本波実効値のうち各相の基本波実効値の最大値Vを使用し、更に、定数αを負の値にして、上記演算式の演算を行うことで補正係数Ku、Kv、Kwを求める。このようにトルク指示値T及びモータ回転数Nに対する各補正係数Ku、Kv、Kwを決定して、補正係数算出部15に格納するマップデータを作成する。
【0042】
このように作成したマップデータを補正係数算出部15に保持させ、トルク指示値T及びモータ回転数Nに応じた補正係数Ku、Kv、KwによってU相電流指令値補正部17U、V相電流指令値補正部17V及びW相電流指令値補正部17Wにて補正を行う前の電圧指令値、モータ電流及び回転トルクの時間変化を図5に示す。
【0043】
図5によれば、図5(a)に示す電圧指令値をU相PWM演算部19U、V相PWM演算部19V及びW相PWM演算部19Wに送った場合には、図5(b)に示すようなU相モータ電流iu、V相モータ電流iv及びW相モータ電流iwの変化となり、モータ4にて発生する回転トルクは、図5(c)に示すようになる。これに対し、電圧利用率を高めるためのマップデータを補正係数算出部15にて参照して補正係数Ku、Kv、Kwにて補正した場合には、図6(a)及び図6(b)に示すような電圧指令値及びモータ電流の時間変化となり、図6(c)に示すように時間の変化に従ったトルク変動となる。
【0044】
ここで、図5(b)のモータ電流値と比較して図6(b)のモータ電流値には各相間の電流が非対称となっており、図5(a)に示すV相電圧指令値vvとW相電圧指令値vwとは約6.8Vの電圧差が生じているが、図6(a)に示す場合には5Vまで縮小している。また、補正前の回転トルクは図5(c)に示すように回転トルクT1付近にて変動しているが、補正後の回転トルクは回転トルクT1を超えて変動しており、補正前の回転トルクと比較して約5%だけ増加している。したがって、補正後では、補正前と比較して電圧利用率が向上している。
【0045】
補正係数算出部15では、上述したような各相間の磁気的なばらつきによるトルク変動を抑制するためのマップデータ、各相間の電気的なばらつきによるトルク変動を抑制するマップデータ、電圧利用率を向上させるためのマップデータのうちの何れかを保持して補正係数を算出しても良く、双方のマップデータを保持し、何れかのマップデータを切り換えて使用して補正係数を算出しても良い。
【0046】
[実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本発明を適用したモータ駆動装置によれば、モータ4の各相の特性ばらつきに応じた補正係数を各相ごとに算出して電流指令値を補正するので、構造的又は組立工程にて各相ごとに電気的、磁気的な特性ばらつきがある場合であっても、この特性ばらつきに起因するトルク変動を低減させることができる。
【0047】
また、このモータ駆動装置によれば、補正係数算出部15により、モータ4の各相の磁気的な特性ばらつきを低減するためのマップデータ及びモータ4の各相の電気的な特性ばらつきを低減するためのマップデータを保持して、各相ごとの補正係数を算出するので、磁気的又は電気的な各相の特性ばらつきに起因するモータ4のトルク変動を低減させることができる。
【0048】
ここで、各相の巻線を意図的に非対称とした薄型モータを駆動する場合であっても、補正係数算出部15にて各相の巻線の非対称度合いに応じたマップデータを保持し、各相ごとに補正することで、性能の悪化を抑制すると共に薄型モータを実現することができる。
【0049】
更に、このモータ駆動装置によれば、モータ4の各相の特性ばらつきに基づくモータ4の電圧利用率を向上するマップデータを参照して各相ごとの補正係数を算出して電流指令値を補正するので、各相の特性ばらつきによって回転トルクが低減する場合であっても、電圧利用率を向上させることができる。
【0050】
更にまた、このモータ駆動装置によれば、モータ4の各相の特性ばらつきに基づく回転トルクの変動を低減するためのマップデータ、モータ4の電圧利用率を向上するためのマップデータを切り換えて使用して、各相ごとの補正係数を算出して補正するので、モータ4の駆動状態やトルク指示値Tに応じて使用するマップデータを切り換えることにより、モータ4のトルク変動の低減及び電圧利用率の低下の双方を実現することができる。
【0051】
補正係数算出部15は、例えば、モータ4を駆動系の共振周波数付近にて回転駆動させる場合には、トルク変動を低減させるためのマップデータを使用して各相ごとの補正係数を算出し、モータ4のトルク最大値付近にて駆動させる場合には、電圧利用率を向上させるマップデータを使用して各相ごとの補正係数を算出する。これにより、例えば車両の駆動に関する用途にてモータ4を駆動するときに、広い回転数域及び回転トルク範囲がモータ4に要求される場合であっても、モータ4の性能を最大限に引き出すことができる。
【0052】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【0053】
ここで、特許請求の範囲と実施の形態の対応関係は以下の通りである。
【0054】
モータ駆動制御部1に含まれる電流マップ演算部14、2相−3相電流指令値変換部16が制御目標演算手段を構成し、補正係数算出部15が補正係数算出手段を構成し、U相電流指令値補正部17U、V相電流指令値補正部17V、W相電流指令値補正部17Wが補正手段を構成し、U相電圧変換部18U及びU相PWM演算部19U、V相電圧変換部18V及びV相PWM演算部19V、W相電圧変換部18W及びW相PWM演算部19Wが制御手段を構成する。
【0055】
また、上述した一例では、各相の電流補正指令値を補正係数にて補正する場合について説明したが、これに限らず、各相の電流補正指令値を電圧指令値に変換した後にこの電圧指令値を補正しても、上述と同様の効果を得ることができるのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したモータ駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用したモータ駆動装置のモータ駆動制御部の制御ブロック図である。
【図3】モータの磁気的な特性ばらつきを補正する前のトルク変動幅を説明するための図であり、(a)は各相の電圧指令値、(b)は各相のモータ電流、(c)はトルク変動を示す。
【図4】モータの磁気的な特性ばらつきを補正した後のトルク変動幅を説明するための図であり、(a)は各相の電圧指令値の時間変化、(b)は各相のモータ電流の時間変化、(c)はトルク変動の時間変化を示す。
【図5】モータの電圧利用率を補正していない場合を説明するための図であり、(a)は各相の電圧指令値の時間変化、(b)は各相のモータ電流の時間変化、(c)はトルク変動の時間変化を示す。
【図6】モータの電圧利用率を補正した場合を説明するための図であり、(a)は各相の電圧指令値の時間変化、(b)は各相のモータ電流の時間変化、(c)はトルク変動の時間変化を示す。
【符号の説明】
1 モータ駆動制御部
2 インバータ
3 バッテリ
4 モータ
11U,11V,11W 電流センサ
12 回転センサ
13 回転計測部
14 電流マップ演算部
15 補正係数算出部
16 2相−3相電流指令値変換部
17U U相電流指令値補正部
17V V相電流指令値補正部
17W W相電流指令値補正部
18U U相電圧変換部
18V V相電圧変換部
18W W相電圧変換部
19U U相PWM演算部
19V V相PWM演算部
19W W相PWM演算部

Claims (5)

  1. 永久磁石を回転子とし、複数相に対応した電機子巻線を固定子とした構成を有し、各相の電機子巻線ごとに電流が流れるように電圧を印加してモータに回転トルクを発生させるようにインバータを制御するモータ制御装置において、
    外部からのトルク指示値の回転トルクを上記モータに発生させるように、上記モータの各相の電機子巻線ごとに制御目標指令値を演算する制御目標演算手段と、
    上記モータの各相の特性ばらつきに基づいた補正係数を各相ごとに算出する補正係数算出手段と、
    上記制御目標演算手段にて演算された各相ごとの制御目標指令値を、上記補正係数算出手段にて算出された各相ごとの補正係数を用いて補正して制御目標補正値を算出する補正手段と、
    上記補正手段にて補正された各相の制御目標補正値に従って、各相の電機子巻線に電流が流れるようにインバータを制御する制御手段とを備え
    上記補正係数算出手段は、上記モータの各相の特性ばらつきに基づく上記モータの回転トルクの変動を低減する補正係数を各相ごとに算出するマップデータを保持し、上記トルク指示値に応じてマップデータを参照して各相ごとの補正係数を算出し、
    上記マップデータは、上記モータを外部から強制的に回転させた時の各相の開放発電電圧の実効値のうち、中間の値となる開放発電電圧に対して高い開放発電電圧の相の電機子巻線に低い電流が流れるように補正係数を小さい値に設定し、中間の値となる開放発電電圧に対して低い開放発電電圧の相の電機子巻線に高い電流が流れるように補正係数を大きい値に設定してなること
    を特徴とするモータ制御装置。
  2. 永久磁石を回転子とし、複数相に対応した電機子巻線を固定子とした構成を有し、各相の電機子巻線ごとに電流が流れるように電圧を印加してモータに回転トルクを発生させるようにインバータを制御するモータ制御装置において、
    外部からのトルク指示値の回転トルクを上記モータに発生させるように、上記モータの各相の電機子巻線ごとに制御目標指令値を演算する制御目標演算手段と、
    上記モータの各相の特性ばらつきに基づいた補正係数を各相ごとに算出する補正係数算出手段と、
    上記制御目標演算手段にて演算された各相ごとの制御目標指令値を、上記補正係数算出手段にて算出された各相ごとの補正係数を用いて補正して制御目標補正値を算出する補正手段と、
    上記補正手段にて補正された各相の制御目標補正値に従って、各相の電機子巻線に電流が流れるようにインバータを制御する制御手段とを備え、
    上記補正係数算出手段は、上記モータの各相の特性ばらつきに基づく上記モータの回転トルクの変動を低減する補正係数を各相ごとに算出するマップデータを保持し、上記トルク指示値に応じてマップデータを参照して各相ごとの補正係数を算出し、
    上記マップデータは、各相の制御目標指令値に補正をしていない場合の各相の電圧の基本波実効値のうち、中間の値となる基本波実効値に対して高い基本波実効値の相の電機子巻線に低い電流が流れるように補正係数を小さい値に設定し、中間の値となる基本波実効値に対して低い基本波実効値の相の電機子巻線に高い電流が流れるように補正係数を大きい値に設定してなること
    を特徴とするモータ制御装置。
  3. 上記制御目標演算手段は、制御目標指令値として、上記モータの各相の電機子巻線に流す電流指令値を演算し、上記補正手段は、上記制御目標演算手段により演算された電流指令値を補正して制御目標補正値とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 上記制御目標演算手段は、制御目標指令値として、上記モータの各相の電機子巻線に印加する電圧指令値を演算し、上記補正手段は、上記制御目標演算手段により演算された電圧指令値を補正して制御目標補正値とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のモータ制御装置。
  5. 上記補正係数算出手段は、上記モータの各相の特性ばらつきに基づく上記モータの回転トルクの変動を低減する補正係数を各相ごとに算出するマップデータに加えて、上記モータの各相の特性ばらつきに基づく上記モータの電圧利用率を向上する補正係数を各相ごとに算出するマップデータを保持し、何れかのマップデータを切り換えて使用して、上記トルク指示値に応じて各相ごとの補正係数を算出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のモータ制御装置。
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