JP2010105873A - ガラス成形体および結晶化ガラス成形体の製造方法 - Google Patents

ガラス成形体および結晶化ガラス成形体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010105873A
JP2010105873A JP2008280979A JP2008280979A JP2010105873A JP 2010105873 A JP2010105873 A JP 2010105873A JP 2008280979 A JP2008280979 A JP 2008280979A JP 2008280979 A JP2008280979 A JP 2008280979A JP 2010105873 A JP2010105873 A JP 2010105873A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
molded body
mold
glass molded
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008280979A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5096289B2 (ja
Inventor
Yasushi Inda
靖 印田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ohara Inc
Original Assignee
Ohara Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ohara Inc filed Critical Ohara Inc
Priority to JP2008280979A priority Critical patent/JP5096289B2/ja
Publication of JP2010105873A publication Critical patent/JP2010105873A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5096289B2 publication Critical patent/JP5096289B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Glass Compositions (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

【課題】リチウム、チタン、リン成分を含有する熱的安定性の低いガラスについて、成型時に割れや失透が生じないガラス成形体の製造方法を提供することを課題とし、特にリチウムイオン伝導性が高いリチウムイオン伝導性結晶化ガラスの原ガラスを割れや失透が生じず安定して成形する製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】溶融ガラスを加熱した成形型に流し込む工程を含み、溶融ガラスを流し込む前の前記成形型の温度T[℃]を成形するガラスの厚みL[mm]に対して、−18L+350<T<−18L+650の範囲とする。
【選択図】なし

Description

本発明はリチウム、チタン、およびリン成分を含み、比較的熱的に不安定なガラスを成形体とする製造方法に関し、特にリチウムイオン伝導性結晶化ガラスの原ガラスの成形体の製造方法に関する。
リチウム、チタン、およびリン成分を含むガラスは粘性が低く、失透性が高いため、熱的安定性が低く、溶融ガラスを成形型へ鋳込んで成形する際に失透が生じやすい、割れやすいなど安定して成形することが困難であるという問題がある。
リチウム、チタン、およびリン成分を含むガラスの代表的な例として、特許文献1および特許文献2に開示されるリチウムイオン伝導性結晶化ガラスが公知である。リチウムイオン伝導性結晶化ガラスはその原ガラスがリチウム、チタン、およびリン成分を含む特定組成を有するものであり、この原ガラスを熱処理することによってガラスの内部に結晶を析出させて得られ、次世代のリチウムイオン電池用部材として有用である。しかしながら、特許文献1に開示されている結晶化ガラスはその原ガラスの熱的な安定性が低いことから、溶融ガラスを成形型にキャストして、成形する際にガラスに割れが生じやすくなり、ガラス成形時の熱的な管理を非常に厳格に行わなければならず、製造コストが高くなるという問題があった。また、熱的な安定性が低いためにガラス成形時に失透が生じ易くなるという問題も生じる。ガラス成形時に生じる失透はその後の熱処理(結晶化)処理において所望の結晶を均一に析出させることが困難となり、高いリチウムイオン伝導度が得られないという結果となる。ガラス成形時に割れや失透を生じさせないためには原ガラスの成形時の熱的な条件を厳格に管理し、かつガラス成型時に溶融ガラスに与える衝撃をなるべく与えない様に、溶融ガラスの流出速度や流出条件等も厳格に管理する必要があった。
上記の問題に鑑みて、本発明者は特願2008−071178号において、原ガラスの熱的安定性が高く、容易に成形可能なリチウムイオン伝導性結晶化ガラスを提案したが、熱的安定性の向上には限界があるため、一般的なリン酸系やシリカ系のガラスに比較するとなお成型の難易度は高い。
特開平11−157872号公報 特開2000−34134号公報
上記の問題に鑑み、本発明はリチウム、チタン、リン成分を含有する熱的安定性の低いガラスについて、成型時に割れや失透が生じないガラス成形体の製造方法を提供することを課題とし、特にリチウムイオン伝導性が高いリチウムイオン伝導性結晶化ガラスの原ガラスを割れや失透が生じず安定して成形する製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は上記の課題に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、成形するガラスの厚みと成形型の温度の関係を特定の関係を満たすように溶融ガラスを流し込む前の成形型の温度を調整することで、割れや失透を生じさせず、安定して成形できることを見いだし、この発明を完成したものであり、その具体的な構成は以下の通りである。
(構成1)
リチウム、チタン、およびリン成分を含有するガラス成形体の製造方法であって、溶融ガラスを加熱した成形型に流し込む工程を含み、溶融ガラスを流し込む前の前記成形型の温度T[℃]を成形するガラスの厚みL[mm]に対して、−18L+350<T<−18L+650の範囲とすることを特徴とするガラス成形体の製造方法。
(構成2)
溶融ガラスを加熱した成形型に流し込む工程の後、放冷工程、アニール工程を有する構成1に記載のガラス成形体の製造方法。
(構成3)
アニール工程開始時の前記ガラス成形体の表面温度をガラス転移点(Tg)+50℃以下の温度とする構成1または2に記載のガラス成形体の製造方法。
(構成4)
前記成形型に流し込む溶融ガラスの粘度は100.7dPa・s〜101.5dPa・sである構成1から3のいずれかに記載のガラス成形体の製造方法。
(構成5)
前記ガラス成形体の厚みを30mm以下とする構成1から4のいずれかに記載のガラス成形体の製造方法。
(構成6)
前記成形型は金属、炭化物、窒化物、金属酸化物、カーボンまたはこれらの複合材料からなる構成1から5のいずれかに記載のガラス成形体の製造方法。
(構成7)
前記成形型は底板と側板からなり、溶融ガラスを加熱した成形型に流し込む工程の後、底板および側板を除去してからアニールする工程を有する構成1から6のいずれかに記載のガラス成形体の製造方法。
(構成8)
ガラス原料を溶解し、溶融ガラスとする時の溶解温度は1500℃以下である構成1から7のいずれかに記載のガラス成形体の製造方法。
(構成9)
前記ガラス成形体は酸化物基凖の質量%で、
LiO 3.5〜5.0%
5〜12%、但し、M=Al, Gaの中から選ばれる1種または2種
SiO0〜2.5%
50〜55%、
GeO10〜30%
TiO8〜22%、
ZrO0.5〜2.5%
の範囲の各成分を含有する構成1から8のいずれかに記載のガラス成形体の製造方法。
(構成10)
構成1から9のいずれかに記載の製造方法でガラス成形体を製造した後、得られた前記ガラス成形体を熱処理することにより、LiTi12、LiGe12、またはこれらの固溶体の構造を有する結晶を析出させる結晶化ガラス成形体の製造方法。
本発明によれば、リチウム、チタン、およびリン成分を含有する熱的安定性の低いガラスであっても、割れや失透を生じさせず安定して成形することが可能となる。
本発明について詳細に説明する。
リチウム、チタン、およびリン成分を含有するガラス成形体の製造方法であって、溶融ガラスを加熱した成形型に流し込む工程を含み、溶融ガラスを流し込む前の前記成形型の温度T[℃]を加熱することにより、成形するガラスの厚みL[mm]に対して、−18L+350<T<−18L+650の範囲とする。
このように成形使用とするガラスの厚みに対して、上記式を満足するように溶融ガラスを流し込む前の成形型の温度を管理することによって、割れや失透を生じることなく成形することが可能となる。
成形型の温度Tが[−18L+650]℃以上である場合、失透が生じ、ガラスが成形型に焼き付いてしまうので、失透を生じさせず、ガラスが成形型に焼き付かないようにするためには成形型の温度Tを[−18L+650]℃未満とすることが好ましく、[−18L+630]℃以下とすることがより好ましく、[−18L+600]℃以下とすることが最も好ましい。
また、成形型の温度Tが[−18L+350]℃以下であると、ガラスが急激に冷却され割れを生じてしまうこととなるので、割れを生じさせないためには。成形型の温度Tを[−18L+350]℃を超える温度とすることが好ましく、[−18L+370]℃以上とすることがより好ましく、[−18L+400]℃以上とすることが最も好ましい。
前記成形型に流し込む溶融ガラスの粘度は100.7dPa・s〜101.5dPa・sであることが好ましい。
溶融ガラスの粘度が100.7dPa・s未満であると温度が高く、粘性が低いために金型に焼きつき易くなり、また成形時の熱衝撃が大きいため割れ易い。金型への焼きつきや割れを抑えるためには前記成形型に流し込む溶融ガラスの粘度は100.7dPa・s以上であることが好ましく、100.75dPa・s以上であることがより好ましく、100.8dPa・s以上であることが最も好ましい。
また、溶融ガラスの粘度が101.5dPa・sを超えるとガラスの流動性が低いため、金型通りの成形は難しく、かつ失透し易い。成形が可能でかつ失透しないガラスを得るためには前記成形型に流し込む溶融ガラスの粘度は101.5dPa・s以下であることが好ましく、101.4dPa・s以下であることがより好ましく、101.3dPa・s以下であることが最も好ましい。
前記ガラス成形体の厚みは、過度に厚いとガラス成形体内部の放冷に時間がかかり、ガラス成形体の表面近傍と内部の温度差が大きいものとなるため、成形体に割れが生じる原因となる。このため、ガラス成形体の放冷時の内部と表面近傍の温度差を小さくするためにガラス成形体の厚みは30mm以下とすることが好ましく、25mm以下とすることがより好ましく、20mm以下とすることが最も好ましい。
前記成形型は金属、炭化物、窒化物、金属酸化物、カーボンまたはこれらの複合材料からなることが好ましい。これらの材料は熱伝導性が高く、加熱・冷却に適しているからである。
溶融ガラスを加熱した成形型に流し込む工程の後、ガラスは放冷工程、アニール工程を経ることが好ましい。
前記放冷工程によりガラスは表面から冷却され、割れの無いガラスとなる。急冷することでもガラスを得る事ができるが、冷却時の熱衝撃が大きいため、冷却時にガラス内に大きな歪が入り、非常に割れ易くなってしまう。逆に保温しながらゆっくりと冷却すると、ガラス内の蓄熱が放出できないため、内部に失透が生じてしまう。
また、前記アニール工程により成形時または放冷時にガラス中に生じた熱的な歪を除去できるため、アニール後は割れにくいガラス成形体が得られる。アニール工程を有しない場合は、内部の熱歪が緩和できず、少しの衝撃で割れてしまうことがある。
アニール工程ではガラス成形体500℃〜700℃の範囲の温度まで加熱し、5℃/h〜50℃/hの速度で温度を降下させることによって、ガラス成形体内部の歪みを除去する工程である。このアニール工程においてはガラス成形体の各部がなるべく同じ熱履歴を持つようにすることが、歪みの無いガラス成形体を製造するにあたっては重要である。前記成形型は底板と側板からなり、上部が開放された凹形状を有しているため、前記成形型にガラス成形体が収まった状態では、上部と側部または底部とでは熱履歴が異なり易い。従って、溶融ガラスを加熱した成形型に流し込む工程の後、放冷し、底板および側板を除去してからアニールすることが好ましい。
前記アニール工程開始時には、前記ガラス成形体の表面温度をガラス転移点(Tg)+50℃以下の温度とすることが好ましい。このようにすることによって、ガラス内に残っている熱的歪を除去し易いからであり、前記アニール工程開始時の前記ガラス成形体の表面温度はTg+30℃以下の温度とすることがより好ましく、Tg+10℃以下の温度とすることが最も好ましい。
リチウム、チタン、およびリン成分を含むリチウムイオン伝導性の結晶化ガラスの原ガラスは酸化物基凖の質量%で、
LiO 3.5〜5.0%
5〜12%、但し、M=Al, Gaの中から選ばれる1種または2種
SiO0〜2.5%
50〜55%、
GeO10〜30%
TiO8〜22%、
ZrO0.5〜2.5%
の範囲の各成分を含有する。
上記の原ガラスを熱処理することにより、LiTi12、LiGe12、またはこれらの固溶体の構造を有する結晶を析出させる結晶化ガラスとなり、この結晶化ガラスのリチウムイオン伝導度は25℃において、5.0×10−5S・cm−1以上であり、より好ましくは8.0×10−5S・cm−1以上、最も好ましくは1.0×10−4S・cm−1以上の値を得ることができる。
ここで、「酸化物基準」とは、ガラスの構成成分の原料として使用される酸化物、硝酸塩等が溶融時にすべて分解され酸化物へ変化すると仮定して、ガラス中に含有される各成分の組成を表記する方法であり、「酸化物基準の質量%」とは、この生成酸化物の質量の総和を100質量%として、ガラス中に含有される各成分の量を表記することをいう。
本明細書においては特に明記しない限り、ガラスの組成を酸化物基準の質量%で表記する。
LiO成分はLiイオンキャリアを提供し,リチウムイオン伝導性をもたらすのに有用な成分である。LiO成分の下限は良好なリチウムイオン伝導度を得るために、3.5%以上であることが好ましく、3.7%であることがより好ましく、3.9%であることが最も好ましい。またLiO成分の上限は失透性が高くなってしまうため、5.0%以下であることが好ましく、4.8%以下であることがより好ましく、4.6%以下であることが最も好ましい。
成分(但し、M=Al,Gaの中から選ばれる1種または2種)は、原ガラスの熱的な安定をより高めることができると同時に、Al3+および/またはGa3+イオンが前記結晶相に固溶し、リチウムイオン伝導率向上にも効果があるため、含有量の下限値は5%以上であることが好ましく、6%以上であることがより好ましく、7%以上であることが最も好ましい。しかしその量が12%を超えると、かえってガラスの熱的な安定性が悪くなり結晶化ガラスの伝導率も低下してしまうため、含有量の上限値は12%以下にすることが好ましく、11%以下がより好ましく、10%以下が最も好ましい。
SiO成分は、原ガラスの溶融性および熱的な安定性を高めることができると同時に、Si4+イオンが前記結晶相に固溶し、リチウムイオン伝導率の向上にも寄与するので任意に含有させることができる。しかしその量が2.5%を超えると、結晶化時にクラックが入り易くなってしまうため、リチウムイオン伝導率が低下してしまう。そのため、リチウムイオン伝導性を良好に維持するためには2.5%以下にすることが好ましく、2.2%以下にすることがより好ましく、2%以下にすることは最も好ましい。
成分はガラスの形成に有用な成分であり,また上記結晶相の構成成分でもある。この成分の含有量が50%未満の場合には、ガラスの溶解温度が高くなってしまい、結果としてガラス化しにくくなってしまう。ガラス化しにくくなると熱間でのガラスの成形が難しく、特に大きなバルク状(例えば 200cm以上)のガラスを得る事が困難となりやすい。そのため含有量の下限値は50%以上であることが好ましく、50.5%以上であることがより好ましく、51%以上であることが最も好ましい。また、含有量が55%を越えると、熱処理(結晶化)において前記の結晶相がガラスから析出しにくく、所望の特性が得られにくくなるので、含有量の上限値は55%以下が好ましく、54.5%以下がより好ましく、54%以下が最も好ましい。
GeO成分はガラスの形成に有用な成分であり、またリチウムイオン伝導性の結晶相の構成成分になりうる成分である。この成分の含有量が10%未満の場合にはガラス化しにくくなり、上記の結晶相が析出しにくくなり高いリチウムイオン伝導性を得にくくなるため、含有量の下限値は10%以上であることが好ましく、11%以上であることがより好ましく、11.5%以上であることが最も好ましい。また、含有量が30%を超えるとイオン伝導性と耐久性が低くなってのため、含有量の上限値は30%以下が好ましく、28%以下がより好ましく、26%以下が最も好ましい。
TiO成分はガラスの形成に有用な成分であり、またリチウムイオン伝導性の結晶相の構成成分になりうる成分である。この成分の含有量が8%未満の場合にはガラス化しにくくなり、上記の結晶相が析出しにくくなり高いリチムイオン伝導性を得にくくなるため、含有量の下限値は8%以上であることが好ましく、9%以上であることがより好ましく、10%以上であることが最も好ましい。また、含有量が22%を超えると失透性が高くなってのため、含有量の上限値は22%以下が好ましく、21%以下がより好ましく、20%以下が最も好ましい。
ZrO成分の範囲を0.5%〜2.5%に特に限定することにより、原ガラスの安定性を高めやすく、かつ高いリチウムイオン伝導度を得ることが可能となる。ZrO成分が0.5%未満である場合、結晶化の核が減少してしまうため、高いイオン伝導度を得るために必要な結晶化温度が高くなってしまう。結晶化温度を上げることによりイオン伝導度を高くすることは可能であるが、同時に結晶成長が進み過ぎてしまうため、クラックや内部の気孔の発生につながってしまう。2.5%を超える場合にガラスが溶けにくくなってしまい、より高い溶解温度が必要となる。また失透性が高く、ガラス化しにくくなってしまうため安定なガラス製造ができなくなってしまう。ZrO成分の下限は緻密で高いイオン伝導性を得る必要があるため、0.7%とすることがより好ましく、0.9%とすることが最も好ましい。また、上限値は失透性が高くなってしまうため、2.1%とすることがより好ましく、2%とすることが最も好ましい。
本発明のガラス成形体は、以下の方法により製造することができる。すなわち、ガラス原料を所定量秤量し、均一に混合した後、白金るつぼに入れて電気炉で加熱溶解する。このとき、ガラス原料を溶解し、溶融ガラスとする時の溶解温度は1500℃を超える場合、原料中のリン成分が揮発しやすいため、1500℃以下であることが好ましく、1450℃以下であることがより好ましく、1400℃以下であることが最も好ましい。一方、ガラス原料が溶け残ることがなく溶融ガラスとするためには前記溶解温度は1200℃以上が好ましく、1230℃以上がより好ましく、1250℃以上が最も好ましい。前記温度範囲を溶解温度として2時間以上保持し溶解する。
その後、溶融ガラスを前記温度範囲に加熱した成形型にキャストする。キャスト後、放冷、アニールをしてガラス成形体を得る。
さらに得られたガラス成形体を結晶化ガラスとする場合には、600〜1000℃で1〜24時間熱処理(結晶化)すれば良い。
例えば酸化物基凖の質量%で、LiO成分を3.5〜5.0%、M成分を5〜12%、SiO成分を0〜2.5%、P成分を50〜55%、GeO成分を10〜30%、TiO成分を8〜22%、ZrO成分を0.5〜2.5%、(但し、MはAl,Gaの中から選ばれる1種または2種)含むガラス熱処理することにより、LiTi12、LiGe12、またはこれらの固溶体の構造を有する結晶が析出した結晶化ガラス成形体を得ることができる。
以下、本発明に係るガラス成形体、結晶化ガラス成形体の製造方法について、具体的な実施例を挙げて説明する。なお、本発明は下記の実施例に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
[実施例1]
原料として日本化学工業株式会社製のHPO、Al(PO、LiCO、株式会社ニッチツ製のSiO、堺化学工業株式会社製のTiO、住友金属鉱山製のGeO、日本電工製のZrOを使用した。これらを酸化物換算の質量%でLiO成分を4.2%、Al成分を8.0%、SiO成分を1.0%、P成分を52.3%、GeO成分を20.1%、TiO成分を13.2%、ZrO成分を1.2%、となるように秤量して均一に混合した後に、白金ポットに入れ、電気炉中1350℃の温度で撹拌しながら3時間加熱・熔解してガラス融液を得た。
成形するガラス成形体の厚み(L)が10mmであるので、−18L+350<T<−18L+650の式を満たすように成形型の温度を200℃となるように加熱した。成形型はINCONEL600製(INCONELは登録商標)製であり、底板と側板から構成されている。
成形型の温度が所望の温度となった後に、ガラス融液をポットに取り付けた白金製のパイプから成形型へ流し込んだ。成形型へ流し込む溶融ガラスの粘度は100.85dPa・sであった。
その後ガラスの表面温度がTgより50℃低い温度(500℃)になるまで放冷し、その後550℃に加熱した電気炉中に入れ、室温まで徐冷することにより、熱的な歪を取り除いて板状のガラス成形体を作製した。
作製したガラス成形体には割れや失透の発生は見られなかった。
[実施例2]
溶融ガラスを流し込む前のガラス成形型の温度を300℃とし、その他の条件は実施例1と同様として溶融ガラスを成形型へ流し込み、成形・アニールを行った。
作製したガラス成形体には割れや失透の発生は見られなかった。
[実施例3]
溶融ガラスを流し込む前のガラス成形型の温度を400℃とし、その他の条件は実施例1と同様として溶融ガラスを成形型へ流し込み、成形・アニールを行った。
作製したガラス成形体には割れや失透の発生は見られなかった。
[実施例4]
溶融ガラスを流し込む前のガラスの温度を1250℃まで下げ、その他の条件は実施例3と同様として溶融ガラスを成形型へ流し込み、成形・アニールを行った。成形型へ流し込む溶融ガラスの粘度は101.0dPa・sであった。
作製したガラス成形体には割れや失透の発生は見られなかった。
[比較例1]
溶融ガラスを流し込む前のガラス成形型の温度を100℃とし、その他の条件は実施例1と同様として溶融ガラスを成形型へ流し込み、成形を行った。その後ガラスの表面温度がTgより50℃低い温度(500℃)になるまで放冷したところ、ガラスに割れが生じ、その後550℃に加熱した電気炉中に入れ、室温まで徐冷することにより、熱的な歪を取り除いて板状のガラス成形体を作製した。
アニール後のガラスをアニールした電気炉から取り出すと、アニール前よりも割れがひどく、良好なガラス成形体は得られなかった。
[比較例1]
溶融ガラスを流し込む前のガラス成形型の温度を550℃とし、その他の条件は実施例1と同様として溶融ガラスを成形型へ流し込み、成形を行った。その後ガラスの表面温度がTgより50℃低い温度(500℃)になるまで放冷し、その後550℃に加熱した電気炉中に入れ、室温まで徐冷することにより、熱的な歪を取り除いて板状のガラス成形体を作製した。
アニール後のガラスをアニールした電気炉から取り出すと、ガラスの内部が白く失透しており、良好なガラス成形体は得られなかった。
[実施例5]
実施例2で得られたガラスブロックを切断し、Φ25.7mm、厚み1mmのディスク状に加工し、アルミナ製のセッターに挟み、890℃にて12時間熱処理を行ない、結晶化処理を行なった。
結晶化後の結晶化ガラスは、Φ25.4mm、厚み1mmであった。このディスク状の結晶化ガラスの両面を研削研磨して、Φ25.4mm、厚み0.25mmの結晶化ガラスを得た。
サンユー電子製のクイックコーターを用い、金をターゲットとして結晶化ガラスの両面にスパッタを行ない、金電極を取り付けた。ソーラートロン社製のインピーダンスアナライザーSI−1260を用い交流二端子法による複素インピーダンス測定により25℃におけるリチウムイオン伝導度を算出した。リチウムイオン伝導度は25℃で1.1×10−4S・cm−1であった。
また、フィリップス社製のX線回折測定装置を用いて結晶化ガラスに析出した結晶を測定し、結晶相の同定を行ったところ、LiTi12が主結晶相であることが確認された。

Claims (10)

  1. リチウム、チタン、およびリン成分を含有するガラス成形体の製造方法であって、溶融ガラスを加熱した成形型に流し込む工程を含み、溶融ガラスを流し込む前の前記成形型の温度T[℃]を成形するガラスの厚みL[mm]に対して、−18L+350<T<−18L+650の範囲とすることを特徴とするガラス成形体の製造方法。
  2. 溶融ガラスを加熱した成形型に流し込む工程の後、放冷工程、アニール工程を有する請求項1に記載のガラス成形体の製造方法。
  3. アニール工程開始時の前記ガラス成形体の表面温度をガラス転移点(Tg)+50℃以下の温度とする請求項1または2に記載のガラス成形体の製造方法。
  4. 前記成形型に流し込む溶融ガラスの粘度は100.7dPa・s〜101.5dPa・sである請求項1から3のいずれかに記載のガラス成形体の製造方法。
  5. 前記ガラス成形体の厚みを30mm以下とする請求項1から4のいずれかに記載のガラス成形体の製造方法。
  6. 前記成形型は金属、炭化物、窒化物、金属酸化物、カーボンまたはこれらの複合材料からなる請求項1から5のいずれかに記載のガラス成形体の製造方法。
  7. 前記成形型は底板と側板からなり、溶融ガラスを加熱した成形型に流し込む工程の後、底板および側板を除去してからアニールする工程を有する請求項1から6のいずれかに記載のガラス成形体の製造方法。
  8. ガラス原料を溶解し、溶融ガラスとする時の溶解温度は1500℃以下である請求項1から7のいずれかに記載のガラス成形体の製造方法。
  9. 前記ガラス成形体は酸化物基凖の質量%で、
    LiO 3.5〜5.0%
    5〜12%、但し、M=Al, Gaの中から選ばれる1種または2種
    SiO0〜2.5%
    50〜55%、
    GeO10〜30%
    TiO8〜22%、
    ZrO0.5〜2.5%
    の範囲の各成分を含有する請求項1から8のいずれかに記載のガラス成形体の製造方法。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の製造方法でガラス成形体を製造した後、得られた前記ガラス成形体を熱処理することにより、LiTi12、LiGe12、またはこれらの固溶体の構造を有する結晶を析出させる結晶化ガラス成形体の製造方法。
JP2008280979A 2008-10-31 2008-10-31 ガラス成形体および結晶化ガラス成形体の製造方法 Active JP5096289B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008280979A JP5096289B2 (ja) 2008-10-31 2008-10-31 ガラス成形体および結晶化ガラス成形体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008280979A JP5096289B2 (ja) 2008-10-31 2008-10-31 ガラス成形体および結晶化ガラス成形体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010105873A true JP2010105873A (ja) 2010-05-13
JP5096289B2 JP5096289B2 (ja) 2012-12-12

Family

ID=42295700

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008280979A Active JP5096289B2 (ja) 2008-10-31 2008-10-31 ガラス成形体および結晶化ガラス成形体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5096289B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017510936A (ja) * 2015-02-26 2017-04-13 ジョンクァン カンパニー リミテッド リチウム二次電池用固体電解質組成物の製造方法
KR20190014174A (ko) * 2017-07-27 2019-02-12 (주)정관 디스플레이 리튬 이차전지용 고체 전해질의 제조 방법
JP7444581B2 (ja) 2019-11-07 2024-03-06 Hoya株式会社 導電性結晶化ガラス

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000034134A (ja) * 1998-07-16 2000-02-02 Ohara Inc リチウムイオン伝導性ガラスセラミックスおよびこれを用いた電池、ガスセンサー
JP2008050215A (ja) * 2006-08-25 2008-03-06 Sony Corp ガラス成形体の製造方法及びガラス成形体製造装置
JP2008081349A (ja) * 2006-09-27 2008-04-10 Toyo Glass Co Ltd 板状ガラスの製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000034134A (ja) * 1998-07-16 2000-02-02 Ohara Inc リチウムイオン伝導性ガラスセラミックスおよびこれを用いた電池、ガスセンサー
JP2008050215A (ja) * 2006-08-25 2008-03-06 Sony Corp ガラス成形体の製造方法及びガラス成形体製造装置
JP2008081349A (ja) * 2006-09-27 2008-04-10 Toyo Glass Co Ltd 板状ガラスの製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017510936A (ja) * 2015-02-26 2017-04-13 ジョンクァン カンパニー リミテッド リチウム二次電池用固体電解質組成物の製造方法
KR20190014174A (ko) * 2017-07-27 2019-02-12 (주)정관 디스플레이 리튬 이차전지용 고체 전해질의 제조 방법
KR101997103B1 (ko) * 2017-07-27 2019-07-08 (주)정관 디스플레이 리튬 이차전지용 고체 전해질의 제조 방법
JP7444581B2 (ja) 2019-11-07 2024-03-06 Hoya株式会社 導電性結晶化ガラス

Also Published As

Publication number Publication date
JP5096289B2 (ja) 2012-12-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3804608A (en) Method for making glass ceramic materials
JP5616002B2 (ja) リチウムイオン伝導性固体電解質およびその製造方法
JP5536996B2 (ja) リチウムイオン伝導性ガラスセラミックスの製造方法
CN102066276B (zh) Las系浮法玻璃
JP6007909B2 (ja) リチウムイオン伝導性ガラスセラミックスの製造方法
TWI408114B (zh) 耐火性玻璃陶瓷
CN103429547A (zh) 平面面板显示器用玻璃基板及其制造方法
JP5915892B2 (ja) 薄膜太陽電池用ガラス板
JP6479629B2 (ja) ガラスセラミックイオン伝導体の製造方法
JP2010116315A (ja) 結晶化ガラス
JP5473537B2 (ja) リチウムイオン伝導性ガラスセラミックスおよびその製造方法
JP2008273791A (ja) リン酸塩系ガラス、リン酸塩系ガラスからなるガラスセラミックス、およびそれらの製造方法
CN110156333A (zh) 晶体有序生长的微晶玻璃的制备方法
JP2010503601A (ja) 薄板形状でのガラスセラミック素材の製造方法、それらを含んだ薄板及びそれらの使用方法
TW201943665A (zh) 具有曲面形狀之結晶化玻璃構件的製造方法
JP5096289B2 (ja) ガラス成形体および結晶化ガラス成形体の製造方法
JP2006001828A (ja) 結晶化ガラス
CN106007385B (zh) 表面析晶微晶玻璃的制备方法
JP2000095541A (ja) 低溶融温度複合ソルダ―ガラス、同用添加物及び同使用方法
JPH092870A (ja) 高ジルコニア電鋳煉瓦
CN114133143A (zh) 一种las纳米晶玻璃及其制备方法
CN114149179A (zh) 一种透辉石微晶玻璃及其制备方法
CN113929307B (zh) 一种定向析晶las微晶玻璃及其制备方法
CN115925260A (zh) 一种具有多晶相结构的高强度微晶玻璃、其制备方法及应用
CN116924683B (zh) 一种具有高透明高强度的镁铝硅微晶玻璃及制备方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110629

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120703

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120727

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120918

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120920

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5096289

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150928

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150928

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250