JP7444581B2 - 導電性結晶化ガラス - Google Patents

導電性結晶化ガラス Download PDF

Info

Publication number
JP7444581B2
JP7444581B2 JP2019202241A JP2019202241A JP7444581B2 JP 7444581 B2 JP7444581 B2 JP 7444581B2 JP 2019202241 A JP2019202241 A JP 2019202241A JP 2019202241 A JP2019202241 A JP 2019202241A JP 7444581 B2 JP7444581 B2 JP 7444581B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
crystallized glass
crystallized
sample
hydrogen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019202241A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021075415A (ja
Inventor
義剛 丹野
奈緒美 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoya Corp filed Critical Hoya Corp
Priority to JP2019202241A priority Critical patent/JP7444581B2/ja
Priority to CN202011180630.3A priority patent/CN112777936B/zh
Priority to TW109137842A priority patent/TW202132236A/zh
Publication of JP2021075415A publication Critical patent/JP2021075415A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7444581B2 publication Critical patent/JP7444581B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C10/00Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B32/00Thermal after-treatment of glass products not provided for in groups C03B19/00, C03B25/00 - C03B31/00 or C03B37/00, e.g. crystallisation, eliminating gas inclusions or other impurities; Hot-pressing vitrified, non-porous, shaped glass products
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B32/00Thermal after-treatment of glass products not provided for in groups C03B19/00, C03B25/00 - C03B31/00 or C03B37/00, e.g. crystallisation, eliminating gas inclusions or other impurities; Hot-pressing vitrified, non-porous, shaped glass products
    • C03B32/02Thermal crystallisation, e.g. for crystallising glass bodies into glass-ceramic articles
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C4/00Compositions for glass with special properties
    • C03C4/14Compositions for glass with special properties for electro-conductive glass

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)

Description

本発明は、導電性を有する結晶化ガラス、および該結晶化ガラスの製造方法に関する。
本発明は、導電性を有する結晶化ガラス、および該結晶化ガラスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)ガラス成分としてTi4+を含み、
室温における体積抵抗率が1.0×10Ω・cm以下である部分を有する、結晶化ガラス。
(2)ガラス成分としてTi4+を含み、
室温における表面抵抗率が1.0×10Ω/□以下である部分を有する、結晶化ガラス。
(3)アナターゼ型のTiOを含む、結晶化ガラス。
本発明によれば、導電性を有する結晶化ガラス、および該結晶化ガラスの製造方法を提供できる。
実施例5において得られた、結晶化ガラスサンプルの写真である。 実施例5において得られた、水素還元処理した結晶化ガラスサンプルの写真である。 実施例7において得られた、表面に回路を形成したガラスサンプルの写真である。
以下、本発明の実施形態について詳しく説明する。
第1実施形態
第1実施形態に係るガラスは、ガラス成分としてTi4+を含む。Ti4+の含有量の下限は、好ましくは0.1カチオン%であり、さらには1カチオン%、3カチオン%の順により好ましい。また、Ti4+の含有量の上限は、好ましくは45カチオン%であり、さらには42カチオン%、40カチオン%の順により好ましい。
ここで、本明細書において、カチオン%表示とは、全てのカチオン成分の含有量の合計を100%としたときのモル百分率をいう。アニオン成分は酸素Oのみである。
Ti4+の含有量を上記範囲とすることで、後述する還元雰囲気で熱処理をした結晶化ガラスにおいて所望の導電性を得ることができる。
第1実施形態に係るガラスは、室温における体積抵抗率が1.0×10Ω・cm以下である部分を有する。室温における体積抵抗率が上記範囲である領域は、ガラスの一部であってもよく、全部であってもよい。
第1実施形態に係るガラスは、結晶化ガラスである。結晶化している領域は、ガラスの一部であってもよく、全部であってもよい。なお、結晶化には結晶核の形成も含む。
第1実施形態に係るガラスにおいて、結晶化している領域の結晶化度は、5%以上とすることができ、さらには、10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上とすることもできる。
第1実施形態に係るガラスに適用できるガラス材としては、特に制限されないが、例えばWO2017/006998に開示された組成を有するガラスがあげられる。ガラスの結晶化は、公知の方法により加熱処理をして行う。
第1実施形態に係るガラスは、還元雰囲気で熱処理することで得られる。還元雰囲気で熱処理することで、ガラスの電気抵抗率を大幅に低減して導電性を確保できる。また、還元雰囲気での熱処理により、ガラスは黒く着色する。
還元雰囲気は、還元力を有するガスを含んでいればよい。還元力を有するガスとしては、例えば水素が挙げられる。よって、還元雰囲気として水素含有ガスを用いることが好ましい。水素含有ガスにおける水素濃度は、適宜調整できる。例えば、水素を含有するフォーミングガスを用いてもよい。フォーミングガスとは、水素と窒素とからなる混合ガスであり、通常、水素を3~5体積%程度含む。また、還元雰囲気として水素濃度が3体積%以下である水素含有ガスも使用できる。
還元雰囲気での熱処理では、100℃以上、液相温度以下で加熱する。熱処理時間は、目的とする着色の程度、所望の導電性等によって適宜調整できる。
還元雰囲気での熱処理は、ガラスを結晶化する際に行ってもよい。すなわち、非晶質ガラスを熱処理により結晶化する場合に、還元雰囲気で結晶化処理をして、結晶化処理と還元雰囲気での熱処理とを同時に行ってもよい。また、還元雰囲気での熱処理は、ガラスを結晶化した後に行ってもよい。
第2実施形態
第2実施形態に係るガラスは、ガラス成分としてTi4+を含む。Ti4+の含有量の下限は、好ましくは0.1カチオン%であり、さらには1カチオン%、3カチオン%の順により好ましい。また、Ti4+の含有量の上限は、好ましくは45カチオン%であり、さらには42カチオン%、40カチオン%の順により好ましい。
Ti4+の含有量を上記範囲とすることで、後述する還元雰囲気で熱処理をした結晶化ガラスにおいて所望の導電性を得ることができる。
第2実施形態に係るガラスは、室温における表面抵抗率が1.0×10Ω/□以下である部分を有する。室温における表面抵抗率が上記範囲である領域は、ガラスの一部であってもよく、全部であってもよい。
第2実施形態に係るガラスは、結晶化ガラスである。結晶化している領域は、ガラスの一部であってもよく、全部であってもよい。なお、結晶化には結晶核の形成も含む。
第2実施形態に係るガラスにおける好ましい結晶化度は、第1実施形態と同様である。また、第2実施形態に係るガラスは、第1実施形態と同様の方法で得られ、第1実施形態と同様に還元雰囲気での熱処理が適用される。
第3実施形態
第3実施形態に係るガラスは、アナターゼ型のTiOを含む。アナターゼ型のTiOを含むことで、電気抵抗率を低減して導電性を確保できる。
また、第3実施形態に係るガラスは、結晶化ガラスである。結晶化している領域は、ガラスの一部であってもよく、全部であってもよい。なお、結晶化には結晶核の形成も含む。
第3実施形態に係るガラスにおいて、結晶化している領域の結晶化度は、5%以上とすることができ、さらには、10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上とすることもできる。
第3実施形態に係るガラスは、第1実施形態と同様の方法で得られる。また、第1実施形態と同様に還元雰囲気での熱処理が適用される。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
(実施例1-1)
表Aに示すガラス組成を有するガラスサンプルを以下の手順で作製し、各種評価を行った。
[ガラスの製造]
ガラスの構成成分に対応する正リン酸、メタリン酸塩、酸化物、水酸化物、炭酸塩、および硝酸塩を原材料として準備し、得られるガラスのガラス組成が、表Aに示す組成となるように上記原材料を秤量、調合して、原材料を十分に混合した。得られた調合原料(バッチ原料)を、白金坩堝に投入し、1300~1450℃で2~3時間加熱して熔融ガラスとした。熔融ガラスを攪拌して均質化を図り、清澄してから、熔融ガラスを適当な温度に予熱した金型に鋳込んだ。鋳込んだガラスを、ガラス転移温度Tg付近で1時間程度熱処理し、炉内で室温まで放冷することにより、非晶質ガラスサンプルIを得た。
[ガラス成分組成の確認]
得られた非晶質ガラスサンプルIについて、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-AES)でガラス成分の含有量を測定し、表Aに示す組成のとおりであることを確認した。
[ガラス転移温度Tg]
得られた非晶質ガラスサンプルIについて、ガラス転移温度Tgを測定した。Rigaku社製の示差走査熱量分析装置(DSC8270)を使用し、昇温速度10℃/分にて測定した。Tgは658℃であった。
[比重]
得られた非晶質ガラスサンプルIについて、比重を測定した。比重は、アルキメデス法により測定した。結果を表1に示す。
[平均線熱膨張係数]
得られた非晶質ガラスサンプルIについて、100~300℃の平均線熱膨張係数を測定した。平均線膨張係数の測定方法は、JOGIS08-2003の規定に基づいて測定した。試料は長さ20mm±0.5mm、直径5mm±0.5mmの丸棒とした。試料に98mNの荷重を印加した状態で、4℃毎分の一定速度で上昇するように加熱し、温度と試料の伸びを測定した。結果を表1に示す。
[抗折強度(曲げ強度)]
得られた非晶質ガラスサンプルIについて、JIS R 1601:2008に規定される3点曲げ試験法により、抗折強度(曲げ強度)を測定した。測定サンプルの寸法は40mm×10mm×1mmとし、支点間距離は30mmとした。なお、検体数は5以上とした。得られた数値の平均値、最大値、最小値を表1に示す。
[体積抵抗率]
得られた非晶質ガラスサンプルIについて、体積抵抗率を測定した。測定装置:三菱化学アナリテック社製Hiresta-UX MCP-800、測定条件:体積抵抗モードと表面抵抗モードを使用し電圧500Vにて測定した。体積抵抗率はおよそ2.2×1014Ω・cmであった。
(実施例1-2)
実施例1-1で得られた非晶質ガラスサンプルIを、水素含有ガスを用いた還元雰囲気下で、630℃で30時間熱処理した(水素還元処理)。水素還元処理した非晶質ガラスサンプルを得た。
水素還元処理した非晶質ガラスサンプルについて、実施例1-1と同様の方法で体積抵抗率を測定した。体積抵抗率はおよそ1.7×10Ω・cmであった。
(実施例1-3)
実施例1-1で得られた非晶質ガラスサンプルIを、700℃で6時間保持した後、850℃で3時間保持した(結晶化処理)。結晶化ガラスサンプルIIを得た。
結晶化ガラスサンプルIIについて、実施例1-1と同様の方法で、比重、平均線熱膨張係数、および曲げ強度を測定した。結果を表1に示す。
結晶化ガラスサンプルIIについて、実施例1-1と同様の方法で体積抵抗率を測定した。体積抵抗率はおよそ6.7×1010Ω・cmであった。
(実施例1-4)
実施例1-3で得られた結晶化ガラスサンプルIIを、水素含有ガスを用いた還元雰囲気下で、580℃で60時間熱処理した(水素還元処理)。水素還元処理した結晶化ガラスサンプルIIIを得た。
水素還元処理した結晶化ガラスサンプルIIIについて、実施例1-1と同様の方法で、比重、平均線熱膨張係数、および曲げ強度を測定した。結果を表1に示す。
水素還元処理した結晶化ガラスサンプルIIIについて、実施例1-1と同様の方法で体積抵抗率を測定した。体積抵抗率はおよそ3.8×10Ω・cmであった。
実施例2
(実施例2-1)
実施例1-3で得られた、結晶化ガラスサンプルIIについて、結晶をX線回折法により同定した。その結果、結晶化ガラスサンプルIIにアナターゼ型酸化チタンTiOが含まれることが確認された。
また、実施例1-3で得られた、結晶化ガラスサンプルIIについて、結晶化度を算出した。結果を表2に示す。なお、標準試料は、実施例1-1で得られた非晶質ガラスサンプルIとした。
(実施例2-2)
実施例1-4で得られた水素還元処理した結晶化ガラスサンプルIIIについて、実施例2-1と同様に、結晶をX線回折法により同定した。その結果、水素還元処理した結晶化ガラスサンプルIIIにアナターゼ型酸化チタンTiOが含まれることが確認された。また、水素還元処理した結晶化ガラスサンプルIIIには、少なくともNb(ニオブ)、P(リン)及びO(酸素)を含む結晶も含まれることが確認された。また、実施例2-1と同様に、結晶化度を算出した。結果を表2に示す。
実施例3
実施例1-3で得られた結晶化ガラスサンプルII、実施例1-4で得られた水素還元処理した結晶化ガラスサンプルIIIについて、X線回折分析により回折パターンを得た。なお、標準試料は、実施例1-1で得られた非晶質ガラスサンプルIとした。
X線回折分析により得られた回折パターンによれば、水素還元処理した結晶化ガラスサンプルIIIと結晶化ガラスサンプルIIとの間で、結晶化ピークの位置に変化はないことが確認された。
実施例4
(実施例4-1)
実施例1-1で得られた非晶質ガラスサンプルIを、650℃で24時間保持後、800℃で12時間保持して(結晶化処理)、結晶化度100%の結晶化ガラスサンプルIVを得た。得られた結晶化度100%の結晶化ガラスサンプルIVについて、実施例2-1と同様に、結晶をX線回折法により同定した。その結果、結晶化度100%の結晶化ガラスサンプルIVにアナターゼ型酸化チタンTiOが含まれることが確認された。また、結晶化度100%の結晶化ガラスサンプルIVには、少なくともNb(ニオブ)、P(リン)及びO(酸素)を含む結晶も含まれることが確認された。さらに、実施例2-1と同様に、結晶化度を算出した。結果を表3に示す。
(実施例4-2)
実施例1-3で得られた結晶化ガラスサンプルIIについて、実施例4-1と同様に、結晶をX線回折法により同定した。その結果、結晶化ガラスサンプルIIにアナターゼ型酸化チタンTiOが含まれることが確認された。また、結晶化ガラスサンプルIIには、少なくともNb(ニオブ)、P(リン)及びO(酸素)を含む結晶も含まれることが確認された。さらに、実施例4-1と同様に、結晶化度を算出した。結果を表3に示す。
(実施例4-3)
実施例1-4で得られた、水素還元処理した結晶化ガラスサンプルIIIについて、実施例4-1と同様に、結晶をX線回折法により同定した。その結果、水素還元処理した結晶化ガラスサンプルIIIにアナターゼ型酸化チタンTiOが含まれることが確認された。また、水素還元処理した結晶化ガラスサンプルIIIには、少なくともNb(ニオブ)、P(リン)及びO(酸素)を含む結晶も含まれることが確認された。さらに、実施例4-1と同様に、結晶化度を算出した。結果を表3に示す。
実施例5
表Bに示すガラス組成を有するガラスサンプルを以下の手順で作製し、各種評価を行った。
[ガラスの製造]
ガラスの構成成分に対応する正リン酸、メタリン酸塩、酸化物、水酸化物、炭酸塩、および硝酸塩を原材料として準備し、得られるガラスのガラス組成が、表Bに示す組成となるように上記原材料を秤量、調合して、原材料を十分に混合した。得られた調合原料(バッチ原料)を、白金坩堝に投入し、1300~1450℃で2~3時間加熱して熔融ガラスとした。熔融ガラスを攪拌して均質化を図り、清澄してから、熔融ガラスを適当な温度に予熱した金型に鋳込んだ。鋳込んだガラスを、ガラス転移温度Tg付近で1時間程度熱処理し、炉内で室温まで放冷することにより、非晶質ガラスサンプルを得た。
[ガラス成分組成の確認]
得られた非晶質ガラスサンプルについて、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-AES)でガラス成分の含有量を測定し、表Bに示す組成のとおりであることを確認した。
[ガラス転移温度Tg]
得られた非晶質ガラスサンプルについて、ガラス転移温度Tgを測定した。Rigaku社製の示差走査熱量分析装置(DSC8270)を使用し、昇温速度10℃/分にて測定した。Tgは653℃であった。
[体積抵抗率、表面抵抗率]
得られた非晶質ガラスサンプルについて、体積抵抗率および表面抵抗率を測定した。測定装置:三菱化学アナリテック社製Hiresta-UX MCP-800、測定条件:体積抵抗モードと表面抵抗モードを使用し電圧500Vにて測定した。結果を表4に示す(非晶質ガラスサンプルについては、結晶化処理条件の欄に「未処理」として表示する)。
[結晶化]
得られた非晶質ガラスサンプルを結晶化した。結晶化は、表4に示すように、非晶質ガラスサンプルを650℃に加熱し、昇温速度3℃/時で、700~800℃まで加熱して行った。結晶化ガラスサンプルを得た。得られた結晶化ガラスサンプルの写真を図1に示す。図1中の番号は、表4中の番号に対応する。
結晶化ガラスサンプルについて、体積抵抗率および表面抵抗率を測定した。結果を表4に示す(水素還元処理前の欄に表示する)。結晶化ガラスサンプルの体積抵抗率は、結晶化処理時の昇温速度によらず、1010Ω・cmのオーダーであった。
[水素還元処理]
得られた結晶化ガラスサンプルを、水素含有ガスを用いた還元雰囲気下で、610℃で2時間熱処理した(水素還元処理)。水素還元処理した結晶化ガラスサンプルを得た。得られた水素還元処理した結晶化ガラスサンプルの写真を図2に示す。
水素還元処理した結晶化ガラスサンプルについて、体積抵抗率および表面抵抗率を測定した。結果を表4に示す(水素還元処理後の欄に表示する)。
表4によれば、水素還元処理した結晶化ガラスサンプルの体積抵抗率は、水素還元処理前の結晶化ガラスサンプルの体積抵抗率と比較して、著しく低下した。
このことから、結晶化ガラスの製造条件によって、体積抵抗率を変化させ、制御できることがわかった。
また、表4のNo.3の結晶化ガラスサンプル(結晶化処理条件650℃→700℃(3℃/時))は、目視では透明であり、結晶化時に生じやすいポーラス化(多孔質化)は生じていない。ポーラス化した結晶化ガラスは摩擦により発塵しやすい。そのため、ポーラス化していないNo.3の結晶化ガラスサンプルは、発塵しにくいという点から好ましい。また、No.3の結晶化ガラスサンプルは、ガラス質が残っていることから非晶質のガラスと同様、研磨性などの機械加工時の加工性にも優れている。
実施例6
表Cに示すガラス組成(カチオン%)を有する酸化物ガラスからなるサンプルを以下の手順で作製し、各種評価を行った。
[ガラスの製造]
ガラスの構成成分に対応する正リン酸、メタリン酸塩、酸化物、水酸化物、炭酸塩、および硝酸塩を原材料として準備し、得られるガラスのガラス組成が、表Cに示す組成となるように上記原材料を秤量、調合して、原材料を十分に混合した。得られた調合原料(バッチ原料)を、白金坩堝に投入し、1050~1250℃で2~3時間加熱して熔融ガラスとした。熔融ガラスを攪拌して均質化を図り、清澄してから、熔融ガラスを適当な温度に予熱した金型に鋳込んだ。鋳込んだガラスを、ガラス転移温度Tg付近で1時間程度熱処理し、炉内で室温まで放冷することにより、非晶質ガラスサンプルを得た。
[ガラス成分組成の確認]
得られた非晶質ガラスサンプルについて、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-AES)でガラス成分の含有量を測定し、表Cに示す組成のとおりであることを確認した。
[ガラス転移温度Tg]
得られた非晶質ガラスサンプルについて、ガラス転移温度Tgを測定した。Rigaku社製の示差走査熱量分析装置(DSC8270)を使用し、昇温速度10℃/分にて測定した。Tgは561℃であった。
[体積抵抗率、表面抵抗率]
得られた非晶質ガラスサンプルについて、体積抵抗率および表面抵抗率を測定した。測定装置:三菱化学アナリテック社製Hiresta-UX MCP-800、測定条件:体積抵抗モードと表面抵抗モードを使用し電圧500Vにて測定した。
[結晶化]
得られた非晶質ガラスサンプルを結晶化し、結晶化ガラスサンプルを得た。
結晶化ガラスサンプルについて、体積抵抗率を測定した。
[水素還元処理]
得られた結晶化ガラスを、水素含有ガスを用いた還元雰囲気下で、430℃で4時間熱処理した(水素還元処理)。水素還元処理した結晶化ガラスサンプルを得た。
水素還元処理した結晶化ガラスサンプルについて、体積抵抗率を測定した。水素還元処理した結晶化ガラスサンプルの体積抵抗率は、非晶質ガラスサンプルおよび水素還元処理していない結晶化ガラスサンプルの体積抵抗率と比較して、大幅に低下したことが確認された。
実施例6で得られた水素還元処理した結晶化ガラスサンプルは、サンプルの表面だけが黒色化した。一方、実施例1-4で得られた、表Aのガラス組成を有する、水素還元処理した結晶化ガラスサンプルIIIは、サンプル内部まで黒色化していた。
実施例6のガラスサンプルでは、実施例1-4とは異なりガラス成分としてBiを含有するために、サンプルの表面だけが黒色化した。
このように、ガラス成分としてBiを含有することで、水素還元処理によりガラスまたは結晶化ガラスの表面だけを黒色化させることができた。このことから、例えば、Biを含まない表Aのガラス組成にガラス成分としてBiを導入することで、水素還元処理により、非晶質ガラスまたは結晶化ガラスの表面を選択的に黒色化することもできる。
水素還元処理により黒色化した非晶質ガラスおよび結晶化ガラスの体積抵抗率は、水素還元処理により黒色化する前と比較して、大幅に低下する。
しかし、Biの含有量が増加すると、水素還元処理による体積抵抗率の低下が妨げられるおそれがある。したがって、サンプル表面の選択的な黒色化(低抵抗化)と黒色化部分の体積抵抗率とのバランスを考慮して、Biの含有量を決めればよい。
このことから、非晶質ガラスまたは結晶化ガラスを選択的に水素還元処理により黒色化することにより、非晶質ガラスまたは結晶化ガラスに選択的に体積抵抗率が低い部分を形成できることがわかった。例えば、体積抵抗率が低い部分をパターン化することにより、非晶質ガラスまたは結晶化ガラスに電気回路の一部または全部を形成できる。
実施例7
実施例1-1で得られた非晶質ガラスIを、620℃で200時間保持した後、750℃で99時間保持した(結晶化処理)。結晶化ガラスを得た。得られた結晶化ガラス表面に、Pt-Pd膜をパターン状に成膜した。Pt-Pd膜を成膜した結晶化ガラスを、水素含有ガス(水素3体積%、窒素97体積%)をフローしながら、350℃で4時間熱処理した(水素還元処理)。水素還元処理後に、結晶化ガラス表面からPt-Pd膜を除去した。図3に示すとおり、パターン状に着色(黒色化)した結晶化ガラスが得られた。Pt-Pd膜を除去した部分(例えば、図3のA~Fの部分)は、その他の部分(例えば、図3のGの部分)と比較して、濃く着色されていた。
図3の結晶化ガラスについて、テスターで各部分の抵抗値を測定した。結果を表5に示す。
表5より、濃く着色(黒色化)した部分(図3におけるAB間、AC間、AD間、AE間、およびAF間)の抵抗値は、未着色の部分(図3におけるAG間)の抵抗値より低くなることがわかる。また、濃く着色(黒色化)した部分の線の太さによって抵抗値も変化しており、濃く着色(黒色化)した部分の体積を変化させることで抵抗値を変化できることもわかる。
上記Pt-Pd膜は、触媒作用を有する触媒膜である。触媒膜としては、Ni、Pd、Pt、Au、およびその合金からなる膜を用いることもできる。結晶化ガラスの表面に触媒膜をパターン状に形成し、水素還元処理することで、結晶化ガラスの触媒膜と接する部分で反応が進みやすくなり、その部分が濃く着色される。濃く着色された部分の電気抵抗は、着色されていない部分の電気抵抗よりも小さくなる。
したがって、例えば、結晶化ガラスに、選択的に電気抵抗の低い部分を形成することで、回路として用いることが可能となる。また、ガラス組成や水素還元処理条件により、ガラスにおける電気抵抗の低い部分の厚みも調整できる。

Claims (3)

  1. ガラス成分としてTi4+およびリンを含み、
    室温における体積抵抗率が1.0×109Ω・cm以下である部分を有する、結晶化ガラス(ただし、アルカリ金属成分を含有しないものを除く)
  2. ガラス成分としてTi4+およびリンを含み、
    室温における表面抵抗率が1.0×109Ω/□以下である部分を有する、結晶化ガラス(ただし、アルカリ金属成分を含有しないものを除く)
  3. ガラス成分としてリンを含み、アナターゼ型のTiO2を含み、室温における表面抵抗率が8.6×10 6 Ω/□以下である部分を有する、還元された結晶化ガラス。

JP2019202241A 2019-11-07 2019-11-07 導電性結晶化ガラス Active JP7444581B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019202241A JP7444581B2 (ja) 2019-11-07 2019-11-07 導電性結晶化ガラス
CN202011180630.3A CN112777936B (zh) 2019-11-07 2020-10-29 导电性结晶化玻璃
TW109137842A TW202132236A (zh) 2019-11-07 2020-10-30 導電性結晶化玻璃

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019202241A JP7444581B2 (ja) 2019-11-07 2019-11-07 導電性結晶化ガラス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021075415A JP2021075415A (ja) 2021-05-20
JP7444581B2 true JP7444581B2 (ja) 2024-03-06

Family

ID=75751260

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019202241A Active JP7444581B2 (ja) 2019-11-07 2019-11-07 導電性結晶化ガラス

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP7444581B2 (ja)
CN (1) CN112777936B (ja)
TW (1) TW202132236A (ja)

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006182637A (ja) 2004-11-30 2006-07-13 Asahi Glass Co Ltd フィールドエミッションディスプレイ用結晶化ガラススペーサーおよびその製造方法、ならびにフィールドエミッションディスプレイ
JP2010090023A (ja) 2008-10-10 2010-04-22 Ohara Inc ガラスセラミックスの製造方法、光触媒機能性成形体、及び親水性成形体
JP2010105873A (ja) 2008-10-31 2010-05-13 Ohara Inc ガラス成形体および結晶化ガラス成形体の製造方法
JP2010111572A (ja) 2008-10-10 2010-05-20 Ohara Inc ガラスセラミックス及びその製造方法
JP2011093768A (ja) 2009-10-31 2011-05-12 Ohara Inc ガラスセラミックスおよびその製造方法
JP2011116619A (ja) 2009-11-07 2011-06-16 Ohara Inc 複合体及びその製造方法、光触媒機能性部材、及び親水性成部材
JP2011168466A (ja) 2010-02-22 2011-09-01 Ohara Inc 複合体、光触媒機能性部材、及び親水性成部材
JP2014094879A (ja) 2012-10-10 2014-05-22 Ohara Inc 結晶化ガラス及びその製造方法
JP2016050154A (ja) 2014-09-01 2016-04-11 株式会社オハラ ガラスセラミックス
WO2019151459A1 (ja) 2018-02-01 2019-08-08 Hoya株式会社 ガラススペーサ、ハードディスクドライブ装置、及びガラススペーサの製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4870539A (en) * 1989-01-17 1989-09-26 International Business Machines Corporation Doped titanate glass-ceramic for grain boundary barrier layer capacitors
JP3735500B2 (ja) * 1999-11-29 2006-01-18 京セラ株式会社 磁気ディスク保持部材
JP2011241133A (ja) * 2010-05-21 2011-12-01 Hitachi Ltd 結晶化ガラスとその製法
DE102010046991B4 (de) * 2010-09-30 2016-12-29 Schott Ag Hitzeschutzverglasung, deren Verwendung und Verfahren zu deren Herstellung

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006182637A (ja) 2004-11-30 2006-07-13 Asahi Glass Co Ltd フィールドエミッションディスプレイ用結晶化ガラススペーサーおよびその製造方法、ならびにフィールドエミッションディスプレイ
JP2010090023A (ja) 2008-10-10 2010-04-22 Ohara Inc ガラスセラミックスの製造方法、光触媒機能性成形体、及び親水性成形体
JP2010111572A (ja) 2008-10-10 2010-05-20 Ohara Inc ガラスセラミックス及びその製造方法
JP2010105873A (ja) 2008-10-31 2010-05-13 Ohara Inc ガラス成形体および結晶化ガラス成形体の製造方法
JP2011093768A (ja) 2009-10-31 2011-05-12 Ohara Inc ガラスセラミックスおよびその製造方法
JP2011116619A (ja) 2009-11-07 2011-06-16 Ohara Inc 複合体及びその製造方法、光触媒機能性部材、及び親水性成部材
JP2011168466A (ja) 2010-02-22 2011-09-01 Ohara Inc 複合体、光触媒機能性部材、及び親水性成部材
JP2014094879A (ja) 2012-10-10 2014-05-22 Ohara Inc 結晶化ガラス及びその製造方法
JP2016050154A (ja) 2014-09-01 2016-04-11 株式会社オハラ ガラスセラミックス
WO2019151459A1 (ja) 2018-02-01 2019-08-08 Hoya株式会社 ガラススペーサ、ハードディスクドライブ装置、及びガラススペーサの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN112777936A (zh) 2021-05-11
TW202132236A (zh) 2021-09-01
JP2021075415A (ja) 2021-05-20
CN112777936B (zh) 2023-12-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1740733B1 (de) Eisen-chrom-aluminium-legierung
JP7425128B2 (ja) 複合化ガラス
US4835121A (en) Infrared transparent glass ceramic articles with beta-quarts solid solution crystals without any other crystals
KR100334519B1 (ko) 분산경화된백금재료,상기재료의제조방법및사용방법
CA1048815A (en) Amorphous alloys with high crystallization temperatures and high hardness values
EP2127472B1 (de) Verwendung einer eisen-chrom-aluminium-legierung mit hoher lebensdauer und geringen änderungen im warmwiderstand
EP2660214A1 (en) Crystallized glass
CN112011712B (zh) 轻质难熔高熵合金的成分配方及制备工艺
EP2394970A1 (en) Crystallized glass and top plate for cooking device comprising same
KR20210005590A (ko) 곡면 형상을 갖는 결정화 유리 부재의 제조 방법
Chakrabarti et al. BaBi2Ta2O9 based glass-ceramics: influence of ZrO2 on crystallization kinetics, microstructure and dielectric properties
JP7444581B2 (ja) 導電性結晶化ガラス
Donald et al. Influence of transition metal oxide additions on the crystallization kinetics, microstructures and thermal expansion characteristics of a lithium zinc silicate glass
JP2022050317A (ja) 改良された分散硬化貴金属合金
JP2796966B2 (ja) 超低熱膨脹合金及びその製造方法
JP5791102B2 (ja) 耐水性および化学耐久性に優れたバナジン酸塩−タングステン酸塩ガラス
JP3916094B2 (ja) 単斜晶セルシアン含有結晶化ガラス及びその製造に好適な組成のガラスと製造方法
JP2020158363A (ja) ガラス及び結晶化ガラス
JP2017071545A (ja) 結晶化ガラス
JP7372063B2 (ja) 化学強化された着色ガラスおよびその製造方法
US20240092678A1 (en) Crystallized glass manufacturing method
JPS6260836A (ja) 形状記憶合金
Brenner Recent developments in platinum thermocouples
CN114790083A (zh) 玻璃陶瓷及其制备方法和应用
JPS63103842A (ja) ガラスセラミック製品、その製造方法および熱結晶性ガラス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220912

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230425

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230509

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230706

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230926

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240222

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7444581

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150