JP2010099540A - 眼科撮影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で、可視蛍光撮影、赤外蛍光撮影などの撮影モードで眼底を撮影できる眼科撮影装置を提供する。
【解決手段】照明光で照明された眼底像を撮影する撮影光学系が設けられ、可視蛍光撮影と赤外蛍光撮影時、赤外光用電子撮像装置51を用いて被検眼眼底が観察される。可視蛍光撮影時には、可視光用電子撮像装置36を用いて被検眼の静止画撮影が行われ、一方赤外蛍光撮影時には、赤外光用電子撮像装置51を用いて被検眼の静止画撮影が行われる。このような構成では、赤外蛍光撮影時、被検眼を観察するための赤外光用電子撮像装置を用いて被検眼の静止画撮影を行うようにしているので、少ない数の光学素子で装置を構成でき、操作性が改良される。
【選択図】図5

Description

本発明は、眼科撮影装置、更に詳細には、照明光をリング状絞り(リングスリット)などの絞りを介して被検眼の眼底に投影する照明光学系と、照明光で照明された眼底像を撮影する撮影光学系とを備えた眼科撮影装置に関する。
眼底カメラなどの眼科撮影装置を用いて通常の眼底のカラー撮影を行う場合、被検眼に散瞳剤を点眼する散瞳撮影、あるいは散瞳剤が被検者に負担を強いるので、散瞳剤なしで赤外光で眼底を照射し、眼底観察を行って撮影を行う無散瞳撮影があり、また、蛍光撮影を行う場合には、可視蛍光像を撮影する可視蛍光撮影、赤外蛍光像を撮像する赤外蛍光撮影がある。それぞれの撮影モードに応じて使用する照明用フィルタ、撮影用フィルタが異なったり、あるいは光学特性が異なるので、各撮影モードに特化した眼底カメラが好ましいのであるが、コストパフォーマンスを考慮して兼用できる眼底カメラも種々開発されている。例えば、特許文献1には、散瞳撮影、無散瞳撮影、可視蛍光撮影対応の眼底カメラが、特許文献2には、散瞳撮影(カラー撮影)、可視蛍光撮影、赤外蛍光撮影に対応できる眼底カメラが、特許文献3には、同様に散瞳撮影(カラー撮影)、可視蛍光撮影、赤外蛍光撮影に対応できる眼底カメラで、各撮影モードで使用されるフィルタの波長特性が、更に特許文献4には、各撮影モードに応じて、変倍レンズ、蛍光フィルタ、リングスリットを連動させる機構が示されている。
特開平9−140672号公報([表1]、[表2]) 特開平8−150120号公報([0042]〜[0054]段落) 特開平1−300926号公報(第1図〜第8図) 特許2894359号公報(第1図)
しかしながら、眼底カメラを、種々の撮影モードに対応させると、装置が複雑になるとともに、各種設定操作が複雑になり操作ミスも多くなる。
本発明は、簡単な構成で、種々の撮影モードで眼底を撮影できる眼科撮影装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明は、
照明光を絞りを介して被検眼の眼底に投影する照明光学系と、照明光で照明された眼底像を撮影する撮影光学系とを備えた眼科撮影装置であって、
被検眼を静止画撮影する前の被検眼観察時において、被検眼の眼底を観察するための動画撮影に使用される赤外光用電子撮像装置と、
赤外蛍光撮影以外の撮影時、被検眼を静止画撮影するための可視光用電子撮像装置と、を備え、
赤外蛍光撮影時、前記赤外光用電子撮像装置を用いて被検眼の観察のための動画撮影を行い、シャッタ操作に連動して赤外光用電子撮像装置に取得された画像情報を静止画情報として記録することを特徴とする。
本発明では、赤外蛍光撮影時、被検眼を観察するための赤外光用電子撮像装置を用いて被検眼の静止画撮影を行うようにしているので、少ない数の光学素子で装置を構成でき、操作性が改良された眼科撮影装置が得られる。
本発明に係わる眼科撮影装置の第1の実施例の構成を示す構成図である。 (A)はリングスリットを切り替える機構を示したターレット円盤の正面図、(B)は照明用フィルタを切り替える機構を示したターレット円盤の正面図である。 各種撮影モードにおけるリングスリットやフィルタの使用状態、観察手段と撮影手段の種別などを表の形で示した表図である。 リングスリット及び照明用フィルタを切り替える他の実施例を示した説明図である。 本発明に係わる眼科撮影装置の他の実施例の構成を示す構成図である。 図5の他の実施例のリングスリットの詳細な構成を示す光学図である。
本発明は、照明光をリングスリットなどの絞りを介して被検眼の眼底に投影する照明光学系と、照明光で照明された眼底像を撮影する撮影光学系とを備え、種々の撮影モードに対応した操作性のよい眼科撮影装置であり、以下に、図面に示す実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1には、本発明の眼科撮影装置(眼底カメラ)の実施例が図示されており、ハロゲンランプなどの観察用光源1からの光束は、凹面鏡2で集光されたあと、撮影用光源であるストロボ3、コンデンサーレンズ4を経てミラー5で反射された後、リレーレンズ20、21を通過して穴あき全反射ミラー22で反射され、この全反射ミラー22で反射された光束は対物レンズ23により被検眼Eの瞳Epで結像された後、眼底Erに入射する。
この眼底照明光学系の光路には、無散瞳時に、赤外透過フィルタ6が観察用光源1の後に挿入され、また照明光学系には、複数のリングスリット11〜13を切り替えることができるターレット円盤10と、複数の照明用フィルタ16〜18を切り替えることができるターレット円盤15が設けられている。ターレット円盤10は、図2(A)に図示したように、軸10aを中心に回転できるようになっており、その周囲に標準リングスリット(第1のリング状絞り)11、小瞳孔用のリングスリット(第2のリング状絞り)12、大リングスリットである蛍光用リングスリット(第3のリング状絞り)13が配列され、円盤を回転させることにより、そのいずれかのリングスリットを、その中心が照明光学系の光軸と一致するように光軸に挿入できるようになっている。
標準リングスリット11は、円形開口絞り11aと円形遮光板11bを同心にして組み合わせたリング状絞りであり、その外径(円形開口絞り11aの直径)はD1、内径(円形遮光板11bの直径)はd1となっている。また、小瞳孔用リングスリット12は、円形開口絞り12aと円形遮光板12bを同心にして組み合わせたリング状絞りであり、その外径D2(円形開口絞り12aの直径)は標準リングスリット11の外径D1より小さく、またその内径d2(円形遮光板12bの直径)は、標準リングスリットの内径d1より小さくなっている。また、蛍光用リングスリット13は、円形開口絞り13aと円形遮光板13bを同心にして組み合わせたリング状絞りであり、その外径D3(円形開口絞り13aの直径)は標準リングスリット11の外径D1より大きく、またその内径d3(円形遮光板13bの直径)は、標準リングスリット11の内径d1より小さくなっている。
このような構成では、小瞳孔用リングスリット12は、標準リングスリット11に比較して少なくとも外径が小さく、また、蛍光用リングスリット13は、標準リングスリット11より照明光が通過するリング状の部分の面積が大きく、その面積に対応して透過光量が多くなる。
照明光学系の光路に挿入されるこれらのリングスリットは、ほぼ被検眼Eの瞳Epの位置に結像され、リング状の開口部を介して照明光が入射され、それにより眼底が均一に照明される。また、このとき眼底からの有害な反射光が各リングスリットの円形遮光板の像により遮光される。標準のリングスリット11は、通常使用されるリングスリットで、小
瞳孔用のリングスリット12は、被検者の散瞳状態が十分ではないとき、あるいは被検者が子供のような、いわゆる小瞳孔に対して使用されるもので、標準のリングスリットよりも外径を小さくするとともに、内径も小さくして照明光の減少を防いでいる。さらに、蛍光用リングスリット13は、主に赤外蛍光撮影のときに用いられるもので、照明光を多く入射させるために、標準リングスリット11よりも外径が大きく、また内径は小さくなっている。なお、可視蛍光撮影の時は、通常標準リングスリット11が用いられるが、光量が要求される場合には、大リングスリットである蛍光用リングスリット13を用いることができる。
また、リングスリットを切り替えるターレット円盤10の背後には、図2(B)に図示したような、各種照明光用フィルタ、すなわちスルーフィルタ16、450nmから520nmの青色光束を通過させる可視蛍光用エキサイタフィルタ17、700nmから800nmの赤外光を通過させる赤外蛍光用エキサイタフィルタ18を配置した軸15aを中心に回転可能なターレット円盤15が設けられている。ターレット円盤15が回転すると、いずれかの照明光用フィルタが照明光学系の光路に挿入できるようになっており、スルーフィルタ16の場合には、すべての光束を通過させることができる。一方、可視蛍光用エキサイタフィルタ17は、可視蛍光撮影時に挿入され、また赤外蛍光用エキサイタフィルタ18は、赤外蛍光撮影時に光路に挿入され、赤外域のみの光を透過させる。
被検眼Eの眼底Erからの反射光は、再び瞳Epの中心部を通過して対物レンズ23を介して受光され、穴あき全反射ミラー22の穴を通過し、撮影光学系の光路に配置された撮影絞り24、フォーカスレンズ25、26、結像レンズ27を通過してリターンミラー30(第1のリターンミラー)に入射する。結像レンズ27は、倍率の異なる結像レンズ28と交換できこれにより変倍機構を構成している。また、この撮影光路で撮影絞り24とフォーカスレンズ25の間に、可視蛍光撮影時、眼底からの可視蛍光を透過させるためにバリアフィルタ(撮影用フィルタ)42が挿入できるようになっている。
リターンミラー30で反射された眼底からの光束は、リターンミラー31(第2のリターンミラー)で反射され肉眼観察光学系を構成する接眼レンズ(ファインダ)32に入射するので、検者は接眼レンズ32を介して眼底像を観察することができる。また、赤外透過フィルタ6を挿入し、リターンミラー31が跳ね上がって光路より離脱すると、眼底からの光束はリターンミラー33(第3のリターンミラー)により反射されて赤外光用観察光学系に入射する。この赤外光用観察光学系は、赤外光に感度を有する赤外CCD(赤外光用電子撮像ユニット)35を有し、これにより撮像された赤外眼底像は、切替回路39を介してモニタ40に表示される。この撮像ユニット35は、眼底観察中の画像を撮像するので、モニタ40には、眼底観察中に撮像される眼底の赤外動画像が表示され、検者は眼底像をモニタで観察しながら、アライメントや焦点合わせを行うことができる。
また、リターンミラー31とリターンミラー33間の光路には、赤外蛍光撮影時、820nmから900nmの赤外光を透過させる赤外蛍光用バリアフィルタ(撮影用フィルタ)43が挿入できるようになっている。
リターンミラー33が跳ね上がって光路から離脱すると、眼底からの光束は、ダイクロイックミラー34に入射し、この光学素子により可視光と赤外光が分離される。可視光はダイクロイックミラー34で反射されて可視光に感度を有するカラーCCD(可視光用電子撮像装置)36に入射し、一方赤外光は、ダイクロイックミラー34を透過して赤外光に感度を有する赤外CCD(赤外光用電子撮像装置)37に入射する。カラーCCD36で撮像された眼底像は、ダイクロイックミラー34で反射された像であるので、赤外CCD37で撮像された眼底の反転像となっている。従って、画像反転回路38を設け、この画像反転回路38により、カラーCCD36と赤外CCD37からのいずれかの像を反転
処理して観察画像と撮影画像の上下が一致するように画像処理する。これらの撮像ユニット36、37は撮影時ストロボ3の発光により得られる眼底像を撮像するので、モニタ40には、切替回路39を介して眼底の静止画像が表示される。なお、図1には、図示されていないが、記録装置が設けられ、撮像ユニット36、37で撮像された眼底画像が記録装置に記録できるようになっている。
また、リターンミラー30が跳ね上がって光路から離脱する時には、眼底画像が35mmフィルムのような写真フィルム44に撮影できるようになっている。この写真フィルムの代わりにカラーCCD36と同等な撮像ユニットを用いて眼底像を撮影することもできる。
このように構成された眼科撮影装置では、散瞳撮影、無散瞳撮影、可視蛍光撮影、赤外蛍光撮影の各撮影モードでの撮影が可能であり、通常のカラー撮影は散瞳撮影あるいは無散瞳撮影で行われる。
散瞳撮影の場合には、被検者に散瞳剤が点眼される。このとき赤外透過フィルタ6は光路から離脱される。またリングスリットとしては、通常の場合は標準リングスリット11が、また小瞳孔の場合は、小瞳孔用リングスリット12が選択されて光路に挿入される。また照明用フィルタとしてはスルーのフィルタ16が選択されて光路に挿入される。バリアフィルタ42、43は蛍光撮影のためのものであるので、光路から離脱されており、リターンミラー30、31、33は図示の位置を占めている。観察用光源1からの光束は、ミラー5で反射された後、標準リングスリット11(あるいは小瞳孔用リングスリット12)、スルーのフィルタ16、リレーレンズ20、21を通過して穴あき全反射ミラー22で反射されて対物レンズ23に入り、眼底Erを照明する。被検眼Eの眼底Erからの反射光は、対物レンズ23、穴あき全反射ミラー22、撮影絞り24、フォーカスレンズ25、26、結像レンズ27を通過してリターンミラー30、31を介して接眼レンズ32に入射する。それにより検者はファインダで眼底を観察できるので、アライメント、焦点合わせなどの位置合わせを行うことができる。アライメント、焦点合わせが完了すると、シャッターボタン(不図示)を操作する。それに連動して、ストロボ3が発光し、そのときリターンミラー30が光路から離脱するので、眼底をフィルム44(あるいはカラーCCD)などにカラー撮影することができる。なお、眼底の観察には、接眼レンズ32によらず、赤外観察もできるので、そのときはリターンミラー31が光路から離脱され、眼底像が赤外CCD35により動画撮像される。眼底像は、切替回路39を介してモニタ40に表示されるので、検者はモニタ40を介して眼底を観察し、アライメントや焦点合わせを行うことができる。
以上の散瞳撮影の場合が、図3にも要約して図示されており、リングスリットとしては、通常の瞳孔か小瞳孔かに応じて標準あるいは小瞳孔用リングスリットが選択される。また、スルーのフィルタが選択されるので、エキサイタフィルタは「なし」となっており、バリアフィルタ42、43も光路から離脱しているので、同様に「なし」となっている。観察光量、撮影光量は、リングスリットに応じて調節され、標準リングスリットの場合は「0」(デフォルト値)で、一方小瞳孔用リングスリットの場合は「+1」にして、観察、撮影が行われる。また蛍光撮影ではないので、蛍光剤を静注してからの計時を行うタイマー(不図示)は「なし」となっている。また、観察手段としては、上述したようにファインダ(接眼レンズ32)を介した肉眼観察か、あるいは赤外CCD35によるモニタ40での観察が行われ、撮影手段としては、35mmフィルムあるいはカラーCCDが用いられる。
無散瞳撮影が行われる場合には、赤外透過フィルタ6が挿入され、リングスリットとして小瞳孔用リングスリット12が選択される。またリターンミラー31が跳ね上がって光
路から離脱され、観察時には、赤外CCD35によるモニタ40での観察になるところが、散瞳撮影時と相違するところである。従って、図3の観察手段が赤外CCDとなっている。撮影は、散瞳撮影のときと同様である。無散瞳撮影の場合には、散瞳剤の点眼がないので、被検者の負担は軽減される。
可視蛍光撮影のときは、リングスリットは、通常の瞳孔か小瞳孔かに応じて標準あるいは小瞳孔用リングスリット11、12が選択され、また、照明光用フィルタとしては、可視蛍光用エキサイタフィルタ17が、撮影用フィルタとしては、可視蛍光用バリアフィルタ42が選択される。観察時、赤外CCD35でモニタ観察するときは、赤外透過フィルタ6が挿入され、リターンミラー31は光路から離脱される。一方、ファインダ32で観察が行われるときは、赤外透過フィルタ6が光路から離脱され、リターンミラー31は光路に挿入される。ファインダで観察するときは、可視蛍光用エキサイタフィルタ17を光路に挿入しておく。アライメント、焦点合わせが完了すると、蛍光剤が静注され、エキサイタフィルタ17とバリアフィルタ42が光路に挿入され、タイマーが計時を開始する。所定時間T1が経過すると、可視蛍光用エキサイタフィルタ17を通過した励起光により眼底に可視蛍光像が発生するので、シャッターボタンが押され、ストロボ3が発光する。このときリターンミラー30が跳ね上がるので、可視蛍光像が35mmフィルム44あるいはカラーCCDにより撮影される。シャッターボタンが操作されるごとに同様な動作となり、可視光像の撮影が行われる。なおカラー画像をカラーCCD36で撮像する場合には、リターンミラー30を光路に挿入し、リターンミラー31、33を光路から離脱させるようにする。また、カラーCCD36を使用して撮影するときは、観察用光源1からの光束が障害となるので、光源1を消灯するのが好ましいが、赤外蛍光用バリアフィルタ43は、可視光に対して遮光作用をもつので、光源1を消灯する代わりに、カラーCCD36の画像情報蓄積時間に応じて赤外蛍光用バリアフィルタ43を光路に挿入あるいは離脱させるようにしてもよい。
また、可視蛍光撮影の場合、被検眼の状況によっては、標準リングスリット11に代えて光量が多くなる蛍光用リングスリット13を用いるようにしてもよい。
この可視蛍光撮影の場合が、同様に図3に要約して図示されている。なお、小瞳孔用リングスリットが選択される場合には、必要に応じて観察光量と撮影光量を増量するようにしておく。例えば、標準リングスリットが「+3」の増量のとき、小瞳孔用リングスリットが選択される場合には、「+4」の増量となる。また、蛍光用リングスリット13を用いる場合には、被検眼により多くの光量が照射されるので、観察光源光量と撮影光源光量を減少させる。これが、図3で「+2」で図示されている。
赤外蛍光撮影のときは、照明光量、撮影光量を増加させても被検者に負担にならないので、また感度が悪くなるので、観察光量並びに撮影光量とも増量され、リングスリットとしては、眼底への投影光量が最大となる蛍光用リングスリット13が選択される。また、照明光用フィルタとしては、赤外蛍光用エキサイタフィルタ18が、撮影用フィルタとしては、赤外蛍光用バリアフィルタ43が選択される。観察時には、大リングスリット13(あるいは標準リングスリット11)と、赤外蛍光用エキサイタフィルタ18が光路に挿入され、リターンミラー31が光路から離脱されて赤外CCD35によるモニタ観察が行われる。アライメント、焦点合わせが完了すると、蛍光剤が静注され、赤外蛍光用バリアフィルタ43が挿入され、タイマーが計時を開始する。所定時間T2が経過すると、赤外蛍光用エキサイタフィルタ18を通過した励起光により眼底に赤外蛍光像が発生するので、シャッタボタンが押され、ストロボ3が発光する。このとき、リターンミラー30は、図示の位置に固定され、リターンミラー31は跳ね上げられて固定されており、シャッターボタンが操作されるごとに、リターンミラー33が跳ね上がるので、赤外蛍光像がダイクロイックミラー34を透過して赤外CCD37により撮像される。この赤外蛍光像は、
画像反転処理回路38で画像の上下が反転されて切替回路39を介してモニタ40に静止画像として表示される。
この赤外蛍光撮影の場合が、同様に図3に図示されており、リングスリットとして蛍光用リングスリット13、または標準リングスリット11を用い、使用するリングスリットに応じて観察光量、撮影光量を調節する。例えば、蛍光用リングスリットを用いたときは、「+5」、標準リングスリットを用いる場合には、「+6」とする。
なお、蛍光用リングスリット13が光路に挿入される場合は、主に赤外蛍光撮影のときであり、このときには、赤外域のみの光を透過する波長特性を持った赤外蛍光用エキサイタフィルタ18が光路に挿入されるので、これを図1に示したように、別々のターレットにより選択するのではなく、蛍光用リングスリット13と赤外蛍光用エキサイタフィルタ18を一体化したものをいずれかのターレットに配置するようにしてもよい。これにより、蛍光用リングスリット13は、赤外域のみの光を透過する波長特性、すなわち赤外蛍光励起フィルタとしての波長特性を持つことになるので、別個に赤外蛍光用エキサイタフィルタを必要とせず、機構が簡略化される。
また、ターレット円盤10を用いる代わりに、蛍光用リングスリット13を光路に固定し、撮影モードに応じて標準リングスリット11と小瞳孔用リングスリット12をソレノイドなどにより選択して光路にスライドさせ挿入するようにしてもよい。標準リングスリット11と小瞳孔用リングスリット12が選択されず、光路に挿入されない場合は、光路に蛍光用リングスリット13が固定されているので、ターレット円盤で蛍光用リングスリット13を選択したのと同じになる。また、図2(A)に示したように、光路に固定されている蛍光用リングスリット13の内径d3が小さく、また外径D3が大きいので、標準リングスリット11と小瞳孔用リングスリット12が選択された場合には、ターレット円盤でそれらのリングスリットが選択された場合と同様の効果を得ることができる。
同様に、ターレット円盤15を用いる代わりに、可視蛍光用エキサイタフィルタ17と赤外蛍光用エキサイタフィルタ18をソレノイドなどを用いて選択して光路にスライドさせ挿入するようにしてもよい。可視蛍光用エキサイタフィルタ17と赤外蛍光用エキサイタフィルタ18のいずれも挿入されない場合は、ターレット円盤でスルーフィルタ16が選択されたのと同じであり、いずれかのフィルタ17、18が選択された場合には、ターレット円盤で対応するフィルタ17、18が選択されたのと同じ効果を得ることができる。
また、リングスリットと照明用フィルタを各種撮影モードに合わせて一体化して、両ターレット円盤10、15を一体化させることができる。この例が図4に図示されている。ターレットには、標準リングスリット11が3個、小瞳孔用リングスリット12が2個、蛍光用リングスリット13が1個円周に配列されており、このうち、一つの標準リングスリットと小瞳孔用リングスリットに可視蛍光用エキサイタフィルタ17が固着され、標準リングスリットと小瞳孔用リングスリットが可視蛍光用エキサイタフィルタと一体化されている((b)、(c))。また、一つの標準リングスリットと蛍光用リングスリットに赤外蛍光用エキサイタフィルタ18が固着され、標準リングスリットと蛍光用リングスリットが赤外蛍光用エキサイタフィルタと一体化されている((e)、(f))。
このような構成で、図3に示した一番上の散瞳撮影の場合には、図4の(a)の位置の標準リングスリットが選択され、2番目の可視蛍光撮影の場合には、(c)の位置の可視蛍光用エキサイタフィルタが一体化された標準リングスリットが選択され、3番目の赤外蛍光撮影の場合には、(f)の位置の赤外蛍光用エキサイタフィルタが一体化された標準リングスリットが選択され、4番目の無散瞳撮影と5番目の散瞳撮影の場合には、(d)
の位置の小瞳孔用リングスリットが選択され、6番目の可視蛍光撮影の場合には、(b)の位置の可視蛍光用エキサイタフィルタが一体化された小瞳孔用リングスリットが選択され、7番目の赤外蛍光撮影の場合には、(e)の位置の赤外蛍光用エキサイタフィルタが一体化された蛍光用リングスリットが選択されて、それぞれが光路に挿入される。この例では、対応するリングスリットとエキサイタフィルタが一体化されるので、選択機構を簡単なものにし、また操作性を向上させることができる。
図5には、本発明の他の実施例が図示されている。この実施例は、図1の実施例と比較して、リングスリットと照明用のフィルタの構成が相違し、また、観察用と撮影用の赤外CCDカメラを共通にしたところが相違している。その他の部分は、同様であるので、図1の実施例の同一ないし同様な部分には、同一の参照符合を付し、その詳細な説明は省略する。
図5の実施例の場合も、標準リングスリット61、小瞳孔用リングスリット62、蛍光用リングスリット63は、図1と同様に、ターレット円盤に配置され、ターレット円盤を回転させることにより、あるいは、直線上に配置してスライド機構などを用いて、そのいずれか一つが光軸に挿入できるようになっている。
図6に詳細に図示したように、各リングスリットは、レンズと複数の絞りから構成されており、標準リングスリット61は、レンズ61a、リングスリット61b(例えば外径=16mm、内径=8mm)、円形の開口絞り61c(例えば直径=12mm)、リングスリット61d(例えば外径=16mm、内径=8mm)から構成され、これらの各素子61a、61b、61c、61dは一体の構成としてユニット化されている。また、小瞳孔用リングスリット62は、レンズ62a、リングスリット62b(例えば外径=13mm、内径=7mm)、円形の開口絞り62c(例えば直径=10mm)、それにリングスリット62d(例えば外径=13mm、内径=7mm)から構成され、これらの各素子62a、62b、62c、62dも一体構成で、ユニット化されている。また、蛍光用リングスリット63は、レンズ63a(例えば直径=18mm)とリングスリット63c(例えば外径=16mm、内径=2mm)から構成され、それに赤外蛍光用エキサイタフィルタ46(図1の実施例の赤外蛍光用エキサイタフィルタ18に対応)が設けられ、同様に、各素子63a、63c、並びに46は、一体の構成となっていて、ユニット化されている。
また、標準リングスリット61のリングスリット61b、小瞳孔用リングスリット62のリングスリット62bは、角膜共役位置に配置され、また、蛍光用リングスリット63の角膜共役位置では、レンズ鏡筒による絞り効果があるので、円形開口絞りが形成される。従って、この角膜共役位置にある絞り構成では、リングスリット62bの外径並びに内径は、リングスリット61bの外形並びに内径よりもそれぞれ小さくなっており、また、蛍光用リングスリット63の角膜共役位置で形成される円形開口絞りは、レンズ63aの直径とほぼ同じであるので、この円形開口絞りを通過する照明光量(透過光量)は、リングスリット61bのものよりも多くなっている。
また、標準リングスリット61の円形開口絞り61c、小瞳孔用リングスリット62の円形開口絞り62c、蛍光用リングスリット63のリングスリット63cは、それぞれ瞳共役位置に配置されるので、この瞳共役位置にある絞り構成では、円形開口絞り62cの直径は、円形開口絞り61cの直径より小さくなっており、また、リングスリット63cを通過する照明光量(透過光量)は、円形開口絞り61cのものよりも多くなっている。
また、標準リングスリット61のリングスリット61d、小瞳孔用リングスリット62
のリングスリット62dは、水晶体共役位置に配置され、また、蛍光用リングスリット63の水晶体共役位置では、レンズ鏡筒による絞り効果があるので、円形開口絞りが形成される。従って、この水晶体共役位置にある絞り構成では、リングスリット62dの外径並びに内径は、リングスリット61dの外形並びに内径よりもそれぞれ小さくなっており、また、蛍光用リングスリット63の水晶体共役位置で形成される円形開口絞りは、レンズ63aの直径とほぼ同じであるので、この円形開口絞りを通過する照明光量(透過光量)は、リングスリット61dのものよりも多くなっている。
また、図5の実施例では、図1の実施例のスルーフィルタ16は、各レンズ61a、62a、63aで代用されるので、省略されており、図1の実施例の可視蛍光用エキサイタフィルタ17は、図5の実施例では、レンズ4とミラー5間に挿脱される可視蛍光用エキサイタフィルタ45となっており、図1の実施例の赤外蛍光用エキサイタフィルタ18は、図5の実施例では、上述したように、赤外蛍光用エキサイタフィルタ46として蛍光用リングスリット63内に一体化されて配置されている。
このような構成で、散瞳、無散瞳、可視蛍光、赤外蛍光の各撮影モードで、それぞれ、図1の実施例と同様に、図3に示した表図に従って、標準リングスリット61、小瞳孔用リングスリット62、蛍光用リングスリット63、並びに、可視蛍光用エキサイタフィルタ45、赤外蛍光用エキサイタフィルタ46が選択されて、眼底の観察並びに撮影が行われる。その際、各照明光絞りの透過光量の関係が図1のものと同様な関係になっているので、図1の実施例と同様な効果が得られる。
また、図5の実施例における撮影光学系では、図1の実施例における観察用の赤外CCD35と撮影用の赤外CCD37が、赤外光用観察撮影ユニットとして機能する一つの赤外CCD51となっている。従って、赤外CCD51は、観察用にも、また撮影用にも、利用できるので、図1の実施例と比較して安価な構成となる。その場合、赤外CCD51を、観察用に用いるときと、撮影用に用いられるときとで、その感度を変化させる必要があるので、ゲイン切換回路52を設け、撮影時には、赤外CCD51の感度特性の設定値を、観察用の設定値から撮影用の設定値にシャッター動作に同期して切り替え、感度を観察時のときより低いゲイン値にする。また、観察時は、赤外CCD51の感度を高めるようにし、その場合、各撮影モードに応じてその感度設定値(ゲイン)を可変にするようにするのが好ましい。
また、眼底の静止画情報を撮影時刻情報と関連付けて記録すると、好ましい結果が得られるので、静止画を記録する記録部53に蛍光撮影時に用いられるタイマー54を接続し、撮影された時刻をタイマー54で計測し、眼底の静止画をその撮影時刻とともに、記録するようにする。
11 標準リングスリット
12 小瞳孔用リングスリット
13 蛍光用リングスリット
17 可視蛍光用エキサイタフィルタ
18 赤外蛍光用エキサイタフィルタ
36 カラーCCD
42 可視蛍光用バリアフィルタ
43 赤外蛍光用バリアフィルタ
45 可視蛍光用エキサイタフィルタ
46 赤外蛍光用エキサイタフィルタ
51 赤外CCD
61 標準リングスリット
62 小瞳孔用リングスリット
63 蛍光用リングスリット

Claims (5)

  1. 照明光を絞りを介して被検眼の眼底に投影する照明光学系と、照明光で照明された眼底像を撮影する撮影光学系とを備えた眼科撮影装置であって、
    被検眼を静止画撮影する前の被検眼観察時において、被検眼の眼底を観察するための動画撮影に使用される赤外光用電子撮像装置と、
    赤外蛍光撮影以外の撮影時、被検眼を静止画撮影するための可視光用電子撮像装置と、を備え、
    赤外蛍光撮影時、前記赤外光用電子撮像装置を用いて被検眼の観察のための動画撮影を行い、シャッタ操作に連動して赤外光用電子撮像装置に取得された画像情報を静止画情報として記録することを特徴とする眼科撮影装置。
  2. 前記撮影操作に連動して撮影用光源を発光させることを特徴とする請求項1に記載の眼科撮影装置。
  3. 前記撮影操作に連動して赤外光用電子撮像装置の感度特性の設定値を、観察用の設定値から撮影用の設定値に切り替えることを特徴とする請求項1又は2に記載の眼科撮影装置。
  4. 前記観察用の設定値が可変であることを特徴とする請求項3に記載の眼科撮影装置。
  5. 前記静止画情報は、撮影時刻情報と関連付けられて記録されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の眼科撮影装置。
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